JP2000262236A - 水中油型乳化物 - Google Patents

水中油型乳化物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】乳味の付与された水中油型乳化物であって、通
常のクリームとしての他、酸性の原材料即ち果実、果
汁、ヨーグルト、各種の酸味量等をホイップ操作の段階
で混合しても、クリームが増粘、固化することなく、ホ
イップしてもオーバーランが低下せず、ホイップ後のシ
マリモドリのない耐酸性の水中油型乳化物すなわち、中
性、酸性両用の耐酸性クリームを提供することを目的と
する。 【解決手段】40〜80重量%の水相と、20〜60重
量%の油相から成る水中油型乳化物であって、0.05
〜10重量%の乳清蛋白質、0.2〜5重量%の脱脂乳
固形を含み、リン酸塩およびクエン酸塩の総重量が0.
01重量%未満であることを特徴とする水中油型乳化
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中油型乳化物に
関し、詳しくは乳味の付与された水中油型乳化物であっ
て、通常のクリームとしての他、酸性の原材料即ち果
実、果汁、ヨーグルト、各種の酸味量等をホイップ操作
の段階で混合しても、クリームが増粘、固化することな
く、ホイップしてもオーバーランが低下せず、ホイップ
後のシマリモドリのない耐酸性の水中油型乳化物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アイスクリームやケーキ等に使用される
ホイップクリームなどの起泡性クリーム、あるいはコー
ヒークリーム等の水中油型乳化物は、複数の乳化剤や安
定剤である無機化合物を使用するのが一般的である。例
えば、ホイップクリームの一つである植物性クリーム
は、水、植物性油脂、無脂乳固形分、各種乳化剤、およ
び安定剤である無機化合物などから成り、予備乳化、均
質化、殺菌、均質化、冷却、エージングにより製造され
る。
【0003】これらの植物性クリームは通常は生クリー
ムと同様に中性である為、クリーム製造においては安定
的に調製が可能であるという利点があるが、風味の面で
はクリームのPHを変化させないために、生クリーム様
の風味の他、チョコレート等に限定されることから、風
味が画一的になるという欠点があった。
【0004】このような状況下において、最近特に嗜好
が多様化し、植物性のホイップクリームに於いても各種
の果実、果汁、ヨーグルト、各種の酸味量により酸味を
有する原材料を配合した、清涼感の高い酸性のホイップ
クリームが切に望まれている。
【0005】しかしながら、これらの植物性クリームに
対してそのPHを変化させる様な酸性物質(たとえば果
汁等)を添加するとクリーム自体のPHも変化してしま
い、クリーム中に含まれる蛋白質の凝集が生じ、エマル
ジョンが合一しやすくなり、著しい増粘及び固化(ボ
テ)、ならびにホイップ機能の低下等の望ましからざる
現象が生じてしまう。また、酸性物質の添加量や酸度の
違いにより、たとえホイップが可能であったとしてもオ
ーバーランが低下したり、ホイップ後のクリームがシマ
リやすく、経時的にクリームが硬くなり、組織があれて
商品価値の低下を招いてしまう現象が生じ、酸性にする
前の中性のクリームのようなクリーム本来のホイップ機
能が消失してしまうという欠点がある。
【0006】近年では、先述の様にこれら風味の面でも
多種類の風味付けが可能であるクリームが求められてい
る一方で、通常のクリームと同様に乳味を有しながら使
用可能でかつ酸性条件においてもクリーム本来の有する
ホイップ機能を発現できるいわゆる中性、酸性両用のク
リーム、即ち耐酸性クリームが切望されている。
【0007】耐酸性クリームに関しては、酵素処理した
乳清蛋白質を使用する方法(特開平7ー79699号)
や、2種以上のリン酸塩を使用する方法(特開平7ー2
74824)等が提案されている。しかしながらこれら
の方法では、酸性時にホイップクリームが増粘したり、
またホイップすることは出来てもオーバーランが低く、
ホイップ後の保形性やシマリの問題が残るなど機能的に
十分とは言えない。また、技術的に中性と酸性の両用を
目的とすると、中性での乳味の付与目的から無脂乳固形
分の添加が必須となり逆に添加すると酸性条件下でのそ
れらの凝集が避けられず、乳味の付与と耐酸性の両立し
た新規な耐酸性クリームが切望されているが未だその様
な耐酸性の強いクリームは上市されていないのが現状で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乳味
の付与された水中油型乳化物であって、通常のクリーム
としての他、酸性の原材料即ち果実、果汁、ヨーグル
ト、各種の酸味量等をホイップ操作の段階で混合して
も、クリームが増粘、固化することなく、ホイップして
もオーバーランが低下せず、ホイップ後のシマリモドリ
のない耐酸性の水中油型乳化物すなわち耐酸性クリーム
を提供することである。
【課題を解決する為の手段】
【0009】本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意
研究した結果、乳清蛋白質を特定量使用し且つリン酸塩
及びクエン酸塩の添加量を著しく減量することにより、
良好な耐酸性クリームを製造することができることを見
出し本発明を完成したものである。
【発明実施の形態】
【0010】即ち本発明は、40〜80重量%の水相
と、20〜60重量%の油相から成る水中油型乳化物で
あって、0.05〜10重量%の乳清蛋白質、0.2〜5
重量%の脱脂乳固形を含み、リン酸塩およびクエン酸塩
の総重量が0.01重量%未満であることを特徴とする
水中油型乳化物である。
【0011】本発明で使用される油脂原料として例え
ば、菜種油、大豆油、ひまわり種子油、綿実油、落花生
油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カ
ポック油、ゴマ油月見草油、パーム油、パーム核油、ヤ
シ油等の植物性油脂ならびに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、
鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独また
は混合油あるいはそれらの硬化分別油、ならびに酵素エ
ステル交換、触媒によるランダムエステル交換等を施し
た加工油脂(融点15から〜40℃程度のもの)が使用でき
る。油脂量としては20〜60重量%が好ましい。
【0012】また、脱脂乳固形はクリームに乳味感を付
与するのに重要であり、クリーム全体に対し0.5〜5
重量%、好ましくは2〜4重量%程度使用する。脱脂乳
固形には、脱脂乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳が使用でき
る。しかしながら、たとえ乳味付与の目的であってもカ
ゼインのアルカリ金属塩(カゼインナトリウム、カゼイ
ンカリウム等)を含むものは酸性での凝集を促進する傾
向にあり、本発明の乳清蛋白量より少ない添加量が望ま
しく、より効果を発現させる為には本発明の乳清蛋白量
の2割以下または無添加にするのがより好ましい。
【0013】乳清蛋白質は、生乳や脱脂粉乳からチーズ
や酸カゼイン、レンネットカゼインを製造する際のカー
ドの上清中に存在する蛋白質の総称であり、通称名で乳
清蛋白質あるいはラクトアルブミンとも呼ぶ。本発明に
おいては市販のホエー蛋白あるいはラクトアルブミンな
どが使用でき、またそれらの濃縮物(WPC)や分離物(W
PI)なども、使用できる。また、乳清蛋白質の主成分で
あるβーラクトグロブリンやαーラクトアルブミンを含
む脱脂粉乳のUF膜並びに電気透析物である乳蛋白濃縮物
や乳蛋白分離物も使用可能である。その添加量は0.0
5〜10重量%の範囲中で使用する必要があり、下限未
満では効果を得難く、逆に上限を越えると乳清蛋白質に
よる風味が強くなる傾向にある為、好ましくない。
【0014】卵黄油は一般には生卵黄に抽出溶剤を加え
て抽出、濾過して卵黄蛋白質を除去した後、溶剤を完全
に除去して抽出卵黄油を得、これを乾燥して水分を除去
することにより得られ、中性脂肪を約70〜80重量
%、リン脂質を約20〜30重量%含有する卵黄色、卵
黄臭を有する液体であって、市販品を容易に入手し使用
できる。尚、リン脂質中にはフォスファチジルコリンも
しくはリゾフォスファチジルコリンが約80重量%、フ
ォスファチジルエタノールアミンもしくはリゾフォスフ
ァチジルエタノールアミンが約20〜25重量%含まれ
る。卵黄油は、風味がよく、現在の天然指向に合致した
ものである。
【0015】また、本発明においては、卵黄油がフォス
フォリパーゼやリパーゼ等の酵素で処理した酵素処理卵
黄油であっても使用することができる。さらに、これら
の卵黄油あるいは酵素処理卵黄油は、乳化物全量に対し
0.05〜10重量%使用するのが好ましい。下限未満
では効果を得難く、逆に上限を越えて使用すると卵黄の
風味が強すぎる様になるため好ましくない。
【0016】無機化合物は、リン酸のアルカリ金属塩
(ヘキサメタリン酸Na,ポリリン酸Naなど)あるいはク
エン酸のアルカリ金属塩などがクリームに対し0.1か
ら1重量%程度使用されるのが一般的であるが、本発明
に於いては0.01重量%未満であることが望ましい。
このような無機塩類などが本発明の脱脂粉乳等と併用添
加されると、脱脂粉乳中のカゼインミセル中のカルシウ
ム塩等をキレートし、結果的にカゼインのアルカリ金属
塩が生成することになり、そのカゼインが酸性での凝集
を促進することから望ましくない。また、これら無機化
合物の未使用または低減させた食品の開発は近年の天然
指向の高まりにも合致し、風味も改善されることから、
機能の発現と共に風味も著しく向上する。
【0017】尚、本発明においては公知の乳化剤を併用
することができ、大豆レシチンや卵黄レシチン、または
それらの酵素分解物、あるいは蔗糖脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
エステル、モノグリセリド、有機酸モノグリセリドなど
のいわゆる合成乳化剤を併用しても良い。中でもHLB
の高いポリグリセリン脂肪酸エステルは卵黄油、酵素処
理卵黄油と同様に酸性での乳化力が高くより望ましい。
【0018】また、本発明の水中油型乳化物は、所望に
より、他の蛋白成分、生クリーム、各種練乳、糖類、多
糖類(ペクチン等)の増粘剤、フレーバー、エッセンス
類などを含むことができる。
【0019】尚、本発明を実施するには、油相と脱脂乳
固形を含む水相とを、リン酸塩およびクエン酸塩等の安
定剤を使用することなく、卵黄油を添加して予備乳化し
た後、均質化し、超高温瞬間(UHT)殺菌後、要すれ
ば、再均質化し、冷却、エージングして目的とする乳化
物を得ることができる。
【0020】超高温瞬間(UHT)殺菌には、間接加熱方
式と直接加熱方式の2種類があり、間接加熱処理する装
置としてはAPVプレート式UHT処理装置(APV社製)、CP-U
HT滅菌装置(クリマティー・パッケージ社製)、ストル
ク・チューブラー型滅菌装置(ストルク社製)、コンサ
ーム掻取式UHT滅菌装置(テトラパック・アルファラバ
ル社製)等が例示できるが、特にこれらにこだわるもの
ではない。また、直接加熱式滅菌装置としては、ユーペ
リゼーション滅菌装置(テトラパック・アルファラバル
社製)、VTIS滅菌装置(テトラパック・アルファラバル
社製)、ラギアーUHT滅菌装置(ラギアー社製)、パラ
リゼーター(パッシュ・アンド・シルケーボーグ社製)
等のUHT滅菌装置が例示でき、これらの何れの装置を使
用してもよい。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施様態を具体
的に説明するが、本発明のこれらはあくまで例示であっ
て技術範囲を限定するものではない。尚、例中の%は重
量基準を意味する。
【0022】実施例1、2 表1に示す配合組成に従い、油相に脱脂粉乳を加えた水
相とを混合し、ホモミキサーにより混合しながら、乳清
蛋白質、卵黄油または酵素処理卵黄油を添加し、60℃
で30分間予備乳化した。その後、20kgf/cm2の均質
化圧力で均質化した後、UHT装置により殺菌を行い、さ
らに20kgf/cm2の均質化圧力で再均質化した後、プレ
ート冷却装置により、5℃まで冷却、一晩冷蔵庫内(5
℃)でエージングしてクリームを調製した。クリームの
評価方法について記す。クリームの粘度はB型粘度計に
て行い、ボテテストはホイップ前のクリームを20℃で
2時間インキュベートし、その後、ガラス棒にて5分間
撹拌したときの可塑化現象の有無を経時的に目視観察に
より調べ、可塑化した時間を記録した。ホイップは5kg
のクリームをカントーミキサー20コートにて8%の砂
糖を添加して中高速でホイップし、ホイップタイム、オ
ーバーランを調べた。また、ホイップ後のクリームの硬
さ(g/cm2)はレオメーター(不動工業製)にて直径3セ
ンチの円盤状のプランジャーを用いて評価した。また、
硬さについては1日後(5℃)も測定を行い、シマリ・
モドリについて調べた。酸性条件でのテストは果汁とし
てパッションフルーツピューレ(タカ食品工業製,加糖
タイプ)を2割添加後、同様に8%の砂糖を添加してホ
イップし、ホイップ物性を調べた。結果を表2に示し
た。この配合及び方法により調製されたクリームは実施
例1、2共に何も添加しない状態(中性)では乳味が非
常にあり、普通となんら変わりない中性クリームのホイ
ップ物性を示した。一方、酸性に於いてもピューレ添加
後も粘度変化が、僅かにみられた程度であり、ホイップ
した際の物性もオーバーランが100前後を示し、ホイ
ップ1日後のクリームの硬さもホイップ直後と同じ程度
(70〜100程度)であり、シマリ・モドリのない乳
味の付与された耐酸性のクリームであった。
【0023】
【表1】
【0024】比較例1、2 表1に示す配合組成に従い、実施例1、2に於いてそれ
ぞれ乳清蛋白質の代わりにカゼインNaを同量添加し、他
は全て実施例1と同様に実施して乳化物を得、これと実
施例1、2で得た乳化物と同様の方法で比較したとこ
ろ、比較例1では中性では物性は良好であったが、酸性
では果汁混合後、著しく増粘し、ボテの発生がみられ酸
性条件でホイップすることは不可能であった。比較例2
に於いても中性での物性は良好であり、酸性でもホイッ
プは可能であったが、ホイップタイムも短く、オーバー
ランが低く、経時的なシマリが観察され非常に硬いクリ
ームとなり、酸性での使用には不適であった。(表2)
【0025】
【表2】
【0026】実施例3、4 表1に示す配合組成に従い、油相に脱脂粉乳を加えた水
相とを混合し、ホモミキサーにより混合しながら、乳清
蛋白質、卵黄油、ポリグリセリン脂肪酸エステル(MS-3
10 SYグリスター阪本薬品工業(株)製)、または大豆
レシチン(ツルーレシチン工業(株)製)を添加し、7
0℃で15分間予備乳化した。その後、10kgf/cm2の均
質化圧力で均質化した後、UHT装置により殺菌を行い、
さらに20kgf/cm2の均質化圧力で再均質化した後、プ
レート冷却装置により、5℃まで冷却、一晩冷蔵庫内
(5℃)でエージングしてクリームを調製した。クリー
ムの評価方法については実施例1、2記載の条件と同様
に評価を行った。結果を表3に示した。この配合及び方
法により調製されたクリームは実施例3,4共に何も添
加しない状態(中性)では乳味が非常にあり、普通とな
んら変わりない中性クリームのホイップ物性を示した。
一方、酸性に於いてもピューレ添加後も粘度変化が、殆
ど見られず、ホイップした際の物性もオーバーランが1
00前後を示し、ホイップ1日後のクリームの硬さもホ
イップ直後と同じ程度(70〜100)であり、シマリ・モ
ドリのない中性・酸性両用可能な耐酸性のあるクリーム
であった。
【0027】
【表3】
【0028】実施例5 表1に示す配合組成に従い、油相に脱脂粉乳を加えた水
相とを混合し、ホモミキサーにより混合しながら、乳清
蛋白質、酵素処理卵黄油、大豆レシチン(ツルーレシチ
ン工業(株)製)を添加し、60℃で30分間予備乳化
した。その後、10kgf/cm2の均質化圧力で均質化した
後、UHT装置により殺菌を行い、さらに50kgf/cm2の
均質化圧力で再均質化した後、プレート冷却装置によ
り、5℃まで冷却、一晩冷蔵庫内(5℃)でエージング
してクリームを調製した。クリームの評価方法につい
て、実施例1、2記載の条件と同様に評価を行った。結
果を表3に示した。この配合及び方法により調製された
クリームについては何も添加しない通常の状態では普通
となんら変化のないホイップ物性を示したのに対して、
酸性に於いてもピューレ添加後も粘度変化が、殆ど見ら
れず、ホイップした際の物性もオーバーランが100前
後を示し、ホイップ1日後のクリームの硬さもホイップ
直後と同じ程度(70〜100)であり、シマリ・モドリの
ないクリームであった。
【0029】比較例3、4、5 表1に示す配合組成に従い、実施例5に於いて乳清蛋白
質を使用せず、無機塩としてそれぞれヘキサメタリン酸
Na、ポリリン酸Na、ピロリン酸Na、を添加、全てに重
曹、第二リン酸Naを添加して、他は全て実施例5と同様
に実施して乳化物を得、これと実施例5で得た乳化物と
同様の方法で比較したところ、比較例3、4、5いづれ
も中性では物性は良好であったが、酸性では果汁混合
後、著しく増粘し、ボテの発生がみられ酸性条件でホイ
ップすることは不可能であった。(表3)
【0030】比較例6 表1に示す配合組成に従い、実施例5に対し無機塩とし
てヘキサメタリン酸Na、重曹、第二リン酸Naを添加し
て、他は全て実施例5と同様に実施して乳化物を得、こ
れと実施例5で得た乳化物と同様の方法で比較したとこ
ろ、中性では物性は良好であり、酸性でもホイップ可能
であったが、ホイップ後のクリームはオーバーランが低
く、ホイップ後も経時的にシマリ傾向を示し、酸性での
使用は困難であった。(表3)
【発明の効果】本発明により、乳味が付与されたホイッ
プ可能な水中油型乳化物でありながら、酸性物質を添加
した条件下においても通常と同様にホイップ可能でか
つ、ホイップ後もシマリやモドリが生じない中性、酸性
両用の耐酸性クリームが調製可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釘宮 渉 茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センタ ー内 Fターム(参考) 4B001 AC05 AC40 AC45 BC03 EC04 4B025 LB21 LG12 LG15 LG19 LG23 LG32 LG53

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】40〜80重量%の水相と、20〜60重
    量%の油相から成る水中油型乳化物であって、0.05
    〜10重量%の乳清蛋白質、0.2〜5重量%の脱脂乳
    固形を含み、リン酸塩およびクエン酸塩の総重量が0.
    01重量%未満であることを特徴とする水中油型乳化
    物。
  2. 【請求項2】乳清蛋白質がホエー蛋白濃縮物(WPC)、
    ホエー蛋白分離物(WPI)及びホエー蛋白酵素分解物か
    ら選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の水中
    油型乳化物。
  3. 【請求項3】水中油型乳化物が卵黄油、酵素処理卵黄油
    及び乳化剤の1種又は2種以上を当該乳化物全量に対し
    て計0.05〜10重量%含む請求項1記載、又は2記
    載の水中油型乳化物。
  4. 【請求項4】水中油型乳化物が起泡性クリームである請
    求項1乃至3のいずれかに記載の水中油型乳化物。
  5. 【請求項5】水中油型乳化物が、耐酸性に優れた請求項1
    乃至4のいずれかに記載の水中油型乳化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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