JP6454637B2 - 凍結・解凍可能な、起泡させた水中油型乳化物混合物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
各自でホイップする手間を省くために、凍結・解凍可能な起泡性の水中油型乳化物が開発されてきた。これにより、製造者が予めホイップして凍結したクリームを提供することで、消費者や使用者は各自でホイップする必要がなくなり、そのまま解凍するだけで直ぐに、ホイップクリームとして使用できる。
消費者や使用者が風味よりも作業性を重視する場合には、上述のような凍結可能な起泡性の水中油型乳化物を使用する頻度は高まるが、近年では、食への意識の高まりなどから、より風味の優れた起泡性の水中油型乳化物への要求が高まっている。
起泡させた第1の水中油型乳化物、および第1の水中油型乳化物よりも脂肪含量が高い、起泡させた第2の水中油型乳化物を混合し、凍結してなる、水中油型乳化物混合物。
[2]
第1の水中油型乳化物の脂肪分が10〜35重量%であり、第2の水中油型乳化物の脂肪分が35〜50重量%である、[1]に記載の水中油型乳化物混合物。
起泡させた第1の水中油型乳化物のオーバーランが、起泡させた第2の水中油型乳化物のオーバーランよりも高い、[1]または[2]に記載の水中油型乳化物混合物。
[4]
起泡させた第1の水中油型乳化物のオーバーランが120〜260%であり、起泡させた第2の水中油型乳化物のオーバーランが10〜70%である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の水中油型乳化物混合物。
第1の水中油型乳化物の油脂成分が、植物性油脂のみである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の水中油型乳化物混合物。
[6]
第1の水中油型乳化物の全固形分が、40〜65重量%である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の水中油型乳化物混合物。
[7]
第2の水中油型乳化物が、乳由来のクリームである、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の水中油型乳化物混合物。
第1の水中油型乳化物を起泡させる工程、
第1の水中油型乳化物よりも脂肪含量が高い第2の水中油型乳化物を起泡させる工程、
起泡させた第1の水中油型乳化物と、起泡させた第2の水中油型乳化物とを混合する工程、
混合した水中油型乳化物混合物を凍結する工程、
を含む、起泡および凍結させた水中油型乳化物混合物の製造方法。
本発明において「起泡性の水中油型乳化物」とは、泡を形成する手段は問わないが、典型的にはホイップする(攪拌、温度、圧力などの調整により泡立てる)ことにより泡を形成する性質を有する水中油型乳化物を意味し、「起泡させた水中油型乳化物」とは、「起泡性の水中油型乳化物」を前記手段により泡立てた水中油型乳化物を意味する。
本発明のさらなる態様において、第1の水中油型乳化物の全固形分は、風味や保形性の観点から、第1の水中油型乳化物の全重量に対して、好ましくは40〜65重量%、より好ましくは45〜60重量%である。
本発明の好ましい態様において、風味がよく、一般的に脂肪分の高い、生クリームを第2の水中油型乳化物として用いることができる。
本発明の一態様において、生クリームを単独で、または合成クリームと組み合わせて、第1または第2の水中油型乳化物とすることもできる。
生クリームを単独で、第2の水中油型乳化物として用いる場合には、生クリームの乳脂肪分は、好ましくは35〜50重量%、より好ましくは40〜45重量%である。
本発明の一態様において、それぞれ脂肪含量の異なる合成クリームを選択し、第1および第2の水中油型乳化物の両方を合成クリームとすることもできる。
本発明の他の態様において、植物油脂を主成分とした合成クリーム、より好ましくは、植物油脂のみを油脂として用いた合成クリームを、第1の水中油形乳化物として用いることができる。
本発明のさらなる態様において、乳脂肪を主成分とした合成クリームを、第2の水中油型乳化物として用いることができる。
タンパク質の含有量は、特に限定されないが、例えば、合成クリームの全重量に対して、0.1〜5.0重量%、好ましくは、1.0〜2.5重量%で用いることができる。
本発明の一の態様において、起泡の安定性の観点から、起泡させた第1の水中油型乳化物のオーバーランは、好ましくは120〜260%、より好ましくは150〜230%、さらに好ましくは、170〜210%である。
本発明の一態様において、製造効率の観点から、起泡させた第2の水中油型乳化物のオーバーランは、好ましくは10〜70%、より好ましくは15〜65%、さらに好ましくは20〜60%である。
水中油型乳化物混合物の脂肪分は、特に限定されないが、解凍後の水中油型乳化物混合物の利用目的により、適宜選択することができる。第1および第2の水中油型乳化物の脂肪分およびこれらの混合比率を調整することにより、望ましい脂肪分を有する水中油型乳化物混合物を得ることができる。
本発明の好ましい態様においては、水中油型乳化物混合物の脂肪分は、20〜50重量%、好ましくは30〜45重量%である。また、水中油型乳化物混合物の乳脂肪分は、特に限定されないが、10〜50重量%、好ましくは15〜35重量%である。
本発明において「全固形分」とは、脂肪分の分量に、水分以外の固形分(タンパク質、乳糖など)の分量を加えた分量をいう。
本発明の一態様において、水中油型乳化物混合物は、解凍後の水中油型乳化物混合物の利用目的にしたがって、糖類や香料を含むことができる。
本発明において混合方法は、特に限定されないが、起泡を崩さずに、第1と第2の水中油型乳化物が均質となるように行うことが好ましい。
本発明において凍結方法は、特に限定されないが、典型的には、水中油型乳化物混合物を容器に充填した後に、好ましくは−15℃以下、より好ましくは、−20℃以下の冷凍庫で凍結することにより行うことがある。
<第1の水中油型乳化物の調製>
HLBが4の高級脂肪酸モノグリセリド:0.2重量部、HLBが2.9の高級脂肪酸モノグリセリド:0.5重量部、HLBが1のショ糖脂肪酸エステル:0.45重量部、レシチン:0.1重量部を、植物油脂:27重量部(パーム核硬化油:19.9重量部、ヤシ油:6.6重量部、パーム極度硬化油:0.5重量部)に溶解して、油相を調製した。
上記の「水中油型乳化物」を、無菌フィルターで処理した空気と共に、モンドミキサー(製造元:モンドミックス社)により、1577rpmの回転数で連続的に起泡させて、「起泡させた水中油型乳化物」を調製した。オーバーランは200%であった。
生クリーム(乳脂肪:47重量%)を、無菌フィルターで処理した空気と共に、モンドミキサー(製造元:モンドミックス社)により、150rpmの回転数で連続的に起泡させて、「起泡させた生クリーム」を調製した。このオーバーランは60%であった。
上記の「起泡させた水中油型乳化物」と「起泡させた生クリーム」を混合して、乳脂肪:18重量%に調整し、ソフトバック(ホイップ袋)に充填した後に、冷凍庫(約−20℃)で保管した。この水中油型乳化物混合物の成分を分析したところ、全固形分は54.5重量%、油脂分は35.5重量%であった。
実施例1における「起泡させた水中油型乳化物」に、実施例1における生クリームと同一の生クリームを「液状(起泡させない)」状態で混合して、乳脂肪:18重量%に調整し、ホイップ袋に充填した後に、冷凍庫(約−20℃)で保管した。この水中油型乳化物混合物の成分を分析したところ、全固形分は54.5重量%、油脂分は35.5重量%であった。
実施例1および比較例1で調製した、ホイップ袋に充填した「起泡させた水中油型乳化物混合物」を、中心部の温度が−18℃以下になるまで冷凍庫で保管した。そして、これを10℃、15℃、20℃の冷蔵庫にて約24時間で保管して解凍した。
各温度で解凍したホイップ袋に充填した起泡させた水中油型乳化物の袋の先端をはさみでカットし、水を除去した。その離水量(g/1000ml)を測定した結果を表1に示す(離水量が1gを超えると、品質として不十分である)。
本願発明において、脂肪含量の高い第2の水中油型乳化物として好適に用いられる生クリームの大量生産時の起泡方法を検討した。
<ターボミキサーの使用>
連続式の発泡機であるターボミキサー(製造元:愛工舎、TM−150)を用いて、生クリームの流量を120kg/h程度で1時間15分連続運転した結果、生クリームのORが60%となり、流量や圧力などは一定であるため、安定して連続的にホイップできることを確認した。
連続式のホイッパー(製造元:明治テクノ社)のハウジング内に、ディスパーサー(凹凸のある軸)を設置し、生クリームの流量を120kg/h程度で運転して、ORを40%程度に高めることが可能であった。ターボミキサーと比較して設置場所が狭い利点がある。
実施例1における「起泡させた水中油型乳化物A」に、実施例1と同一の生クリームを用いて、それぞれオーバーランを、比較例2:0%(起泡させない)、実施例2:17%、実施例3:35%とした生クリームを混合し、乳脂肪:18重量%に調整し、ホイップ袋に580ml充填した後に、冷凍庫(約−20℃)で保管した。これらの、全固形分は54.5重量%、油脂分は35.5重量%であった。中心部の温度が−18℃以下になるまで冷凍庫で保管した後、10℃の冷蔵庫にて約24時間で保管して解凍した。
解凍したホイップ袋に充填した起泡させた水中油型乳化物の袋の先端をはさみでカットし、水を除去した。その離水量(g/個)を測定した結果を表2に示す(離水量が0.5gを超えると、品質として不十分である)。
Claims (7)
- 第1の水中油型乳化物と、第1の水中油型乳化物よりも乳脂肪含量が高い第2の水中油型乳化物とをそれぞれ調製し、それぞれの水中油型乳化物を起泡させた後、これらを混合し、凍結してなる、解凍して利用するための凍結水中油型乳化物混合物を製造する方法。
- 第1の水中油型乳化物の脂肪分が10〜35重量%であり、第2の水中油型乳化物の脂肪分が35〜50重量%である、請求項1に記載の方法。
- 第1の水中油型乳化物に対するオーバーランが、第2の水中油型乳化物に対するオーバーランよりも高くなるようにそれぞれの水中油型乳化物を起泡させてなる、請求項1または2に記載の方法。
- 第1の水中油型乳化物に対するオーバーランが120〜260%であり、第2の水中油型乳化物に対するオーバーランが10〜70%となるようにそれぞれの水中油型乳化物を起泡させてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 第1の水中油型乳化物が植物性油脂を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 第1の水中油型乳化物の全固形分が、40〜65重量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 第2の水中油型乳化物が乳由来のクリームを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
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