JP4753163B2 - 酸性の起泡性水中油型乳化物 - Google Patents

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Description

本発明は、良好な酸味と自然で豊かな乳風味をもち、起泡後の食感が滑らかで、さらに保形性、離水耐性の諸特性に優れた酸性の起泡性水中油型乳化物に関する。
近年、各種デザート類の進歩には著しいものがあり、ますます多様化、嗜好化の方向に進み、その種類もバラエティーに富んだユニークなものが要求されている。
特にデザートの中でもヨーグルト類、クワルク、クリームチーズ、フルーツ類など比較的酸味の効いた軽い風味、食感のものが消費者に受けいれられるようになってきており、それに呼応して、酸性の起泡性水中油型乳化物の開発も試みられるようになってきた。
今までに検討されてきた酸性のホイップクリームとしては、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、蔗糖脂肪酸エステル等の乳化剤の種類や添加量を特定して製造する方法(特許文献1)、乳化剤としてアセチル化モノグリセライドを用いる方法(特許文献2)(特許文献3)、ポリグリセリン脂肪酸エステルと安定剤を併用する方法(特許文献4)、ポリグリセリン有機酸エステルと、有機酸又はそれのアセチル化誘導体とのジグリセライドを併用する方法(特許文献5)、油相と水相とを酸性物質の存在下で乳化してpH3.5〜5.5の酸性ホイッピングクリームを製造するにあたり、乳化剤としてO/W型乳化性の強められたレシチンを使用することを特徴とする酸性ホイッピングクリームの製造法(特許文献6)、油脂20〜42%、蛋白質2〜10%、クエン酸のアルカリ金属塩0.05〜2.5%、酸性物質及び乳化剤を含有し、pH3.5〜5.5であることを特徴とする高蛋白低脂肪酸性ホイッピングクリーム(特許文献7)等がある。しかしながら、これらの方法では十分に起泡しないか、気泡の安定状態も乏しい。また起泡性は有するものの保形性が不充分であったり、食感にざらつきのある上に、輸送中に凝固するいわゆるボテを発生しやすかったりと充分に満足できるものではなかった。また、乳化剤などを多量に使用せねばならず、風味的にも自然な酸味、乳味のあるものとは言い難いものであった。
さらに、同様の使用用途である酸性の水中油型乳化物として、発酵乳をホイップ処理してなるホイップヨーグルトがある。例えば、2種類のゲル化剤であって、それぞれのゲル化温度が異なるゲル化剤を使用すること、及び該ゲル化剤のうち最も低いゲル化温度を有するゲル化剤のゲル化温度以下の範囲の温度で該デザート用混合液をホイップすることを特徴とするホイップデザートの製造法(特許文献8)、ゲル化剤を含むヨーグルトベースとホイップ済みクリームを混合装置に供給し密閉下で短時間連続混合することを特徴とする製造方法(特許文献9)、生クリームを乳酸発酵させpHを3.5〜4.5にしたサワークリームにペクチンを最終製品に対し0.15〜1.5重量%になるように添加し、混合、殺菌、冷却した後、ホイップクリームと1:2から2:1の範囲で混合しホイップさせることを特徴とする混合サワーホイッピングクリームの製造方法(特許文献10)、連続ホイップし得られたホイップ済みクリームに、pH4.0〜5.5、無脂乳固形分4〜15%の発酵乳を添加したカスタードクリームを密閉式混合装置に供給し、短時間連続混合する方法(特許文献11)がある。しかしながら、これらはゲル化剤や乳化剤などを多量に使用し発酵乳本来の自然な風味を害しているし、また温度管理が難しくかつ製造工程が複雑であるという問題がある。さらには保形性が弱く、デザートの絞りに使用するには不十分であるという問題もあった。
以上のように、良好な酸味と自然で豊かな乳風味をもち、起泡後の食感が滑らかで、さらに保形性、離水耐性の諸特性が優れた酸性の起泡性水中油型乳化物は未だ見出すことは出来なかった。
特開昭53−145959号公報 特開昭56−140866号公報 特開昭57−146548号公報 特開昭58−209947号公報 特開昭60−54635号公報 特開昭63−14674号公報 特開平1−51054号公報 特公昭61−5389号公報 特公平7−28657号公報 特公平7−51044号公報 特開昭61−170339号公報
本発明の目的は、良好な酸味と自然で豊かな乳風味をもち、起泡後の食感が滑らかで、さらに保形性、離水耐性の諸特性が優れた酸性の起泡性水中油型乳化物を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定組成の乳酸発酵物(油脂分3〜50重量%と乳蛋白質分1〜15重量%)及び卵黄油を使用し、リン酸塩やクエン酸塩等の塩類の添加量を少なくするか又は添加しないことにより、本発明の目的とする酸性の起泡性水中油型乳化物を得ることが出来るという知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち本発明の第1は、油脂類、乳酸発酵物及び卵黄油を含み、乳酸発酵物の油脂分が5〜40重量%であり、且つ乳酸発酵物が、予め調製し発酵させたものであり、乳酸発酵物が殺菌冷却後のpH4.0〜5.4/20℃となるように完全発酵したものであるか、又は殺菌冷却後のpH5.4〜6.3/20℃となるように微発酵したものである、pH3.5〜6.3/20℃の酸性の起泡性水中油型乳化物である。第2は、油脂分が20〜50重量%である、第1記載の酸性の起泡性水中油型乳化物である。第3は、油脂分全体の20重量%以上がSUS(S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドである、第1記載の酸性の起泡性水中油型乳化物である。第4は、乳酸発酵物が、乳蛋白質分1〜15重量%のものである、第1記載の酸性の起泡性水中油型乳化物である。第5は、更に安定剤を含む、第1記載の酸性の起泡性水中油型乳化物である。
本発明により、良好な酸味と自然で豊かな乳風味をもち、起泡後の食感が滑らかで、さらに保形性、離水耐性の諸特性に優れた酸性の起泡性水中油型乳化物を提供する事が可能になった。
本発明の酸性の起泡性水中油型乳化物は、油脂類、乳酸発酵物及び卵黄油を含む必要がある。
酸性とは、pHが3.5〜6.3/20℃の範囲のものであり、好ましくはpHが4.0〜5.5/20℃の範囲のものであり、pHが低すぎると酸味が強くなり過ぎ、pHが高いと良好な酸味が得にくくなる。
pHの範囲内において、起泡性水中油型乳化物全体に対して、乳酸発酵物を5〜50重量%の使用において、酸味、乳味などの風味を調整することができ、他の酸味物質、例えば乳酸、クエン酸などの有機酸、醗酵乳パウダー、果汁、果汁粉末等の酸味材を用いて酸味を調整することを妨げない。
本発明に使用する油脂類は、食用のものであれば特に制限なく自由に選択でき、種類は問わない。融点が少なくとも5℃以上、好ましくは15〜40℃程度のものが好適であり、例えば、菜種油、大豆油、ひまわり種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の植物性油脂ならびに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化分別油、ならびに酵素エステル交換、触媒によるランダムエステル交換等を施した加工油脂が使用できる。
好ましくは、SUS(S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドを油脂分全体の20重量%以上、更に好ましくは30〜70重量%、最も好ましくは35〜70重量%含有する。SUSで表されるトリグリセリドの含有量が少ないと起泡後の保形性が悪くなる。
上記SUSで表されるトリグリセリドを多く含む油脂としては、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、パーム油及びこれらの分別油、硬化油等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。また、エステル交換によってSUSで表されるトリグリセリドを多く含む油脂を製造し用いることもできる。
本発明における酸性の起泡性水中油型乳化物の油脂分は20〜50重量%が好ましく、更に好ましくは30〜45重量%、最も好ましくは35〜40重量%がよい。油脂分が少なすぎると、起泡後の保形性が悪くなる。多すぎると風味的に油っぽいものとなり良好な酸味と自然な乳味が得にくくなる。
本発明における乳酸発酵物は、油脂分3〜50重量%及び乳蛋白質分1〜15重量%を含む水中油型乳化物を乳酸発酵し得ることができる。通常、水中油型乳化物は、予備乳化、均質化、殺菌、冷却工程を経て乳酸発酵に供される。
本発明における乳酸発酵に供する乳酸菌の種類としては、代表的にはラクトバチルス属の単独菌、またはラクトバチルス属と高温菌に分類されるストレプトコッカス属の混合菌が例示できるが、その他、如何なる乳酸菌であってもよい。乳酸発酵物の発酵は殺菌冷却後のpHが4.0〜5.4となるように完全発酵する場合と、pHが5.4〜6.3となるように加熱殺菌して発酵を停止し微発酵する場合とがあり、その使用用途により発酵の程度を調整する事ができ、完全発酵ではコク味が強調され、微発酵では乳味が強調され、且つムレ臭を抑制する事が出来る。
本発明における乳酸発酵物の油脂分は、3〜50重量%が好ましく、更に好ましくは5〜40重量%、最も好ましくは10〜30重量%がよい。油脂分が少なすぎると、程よい乳化状態が得られず、発酵による蛋白凝集後、殺菌時に蛋白質の過変性が起こり、十分な乳風味、コク味が得難くなる。多すぎると乳化を維持し得ず粘度が高くなって乳酸発酵が難しくなる。油脂原料として、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア油、サル油、カカオ油、ヤシ油、パーム核油等の植物性並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂等、如何なる油脂であっても良い。水中油型乳化物の乳化状態を安定化する点で、融点が好ましくは15〜38℃、更に好ましくは25〜37℃の油脂を使用するのが良い。
本発明における乳酸発酵物の乳蛋白質とは、天然の生クリームやバター、牛乳、クリームチーズ、加工乳、あるいは脱脂粉乳、全脂粉乳、バターミルクパウダー、酸カゼイン、レンネットカゼイン、若しくはカゼインナトリウム等のカゼイン類または乳清蛋白質等に由来する乳蛋白質であり、乳蛋白質分が乳酸発酵物中1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%含まれるのが良く、乳蛋白質が乳脂を1重量%以上含む乳原料、例えば天然の生クリーム、バター、牛乳、全脂濃縮乳、全脂粉乳、バターミルクパウダーをより多く含むことが乳味とコク味を付与する点で更に好ましい。乳由来の蛋白質が少ないと、充分な乳味やコク味が得られず、又、多すぎると水中油型乳化物の粘度が高く調合が困難であるか、調合が出来たとしても乳酸発酵が難しくなる。
本発明における卵黄油は、一般には生卵黄に抽出溶剤を加えて抽出、濾過して卵黄蛋白質を除去した後、溶剤を完全に除去して抽出卵黄油を得、これを乾燥して水分を除去することにより得られ、中性脂肪を約70〜80重量%、リン脂質を約20〜30重量%含有する卵黄色、卵黄臭を有する液体であって、市販品を容易に入手し使用できる。尚、リン脂質中にはフォスファチジルコリンもしくはリゾフォスファチジルコリンが約80重量%、フォスファチジルエタノールアミンもしくはリゾフォスファチジルエタノールアミンが約20〜25重量%含まれる。卵黄油は、風味がよく、現在の天然指向に合致したものである。
また、本発明においては、卵黄油がフォスフォリパーゼやリパーゼ等の酵素で処理した酵素処理卵黄油が乳化を安定化する点で好ましい。そして、これらの卵黄油及び/又は酵素処理卵黄油は、乳化物全量に対し0.05〜10重量%使用するのが好ましい。少ないと効果を得難く、逆に多く使用すると卵黄の風味が強すぎる様になるため好ましくない。
無機化合物は、リン酸のアルカリ金属塩(ヘキサメタリン酸Na,ポリリン酸Naなど)あるいはクエン酸のアルカリ金属塩などが水中油型乳化物に対し0.05〜1重量%程度使用されるのが一般的であるが、本発明に於いてはリン酸塩やクエン酸塩等の塩類の添加量を少なくするか又は添加しないことが好ましい。具体的には0.04重量%以下が好ましい。このような塩類が本発明の脱脂粉乳等と併用添加されると、脱脂粉乳中のカゼインミセル中のカルシウム塩等をキレートし、結果的にカゼインのアルカリ金属塩が生成することになり、そのカゼインが酸性での凝集を促進することから望ましくない。また、これら無機化合物の未使用または低減させた食品の開発は近年の天然指向の高まりにも合致し、風味も改善されることから、機能の発現と共に風味も著しく向上する。
本発明の起泡性水中油型乳化物を調製するに際して、乳化剤の添加量を少なくするか又は添加しないことが好ましい。乳化剤としては特に限定されるものではなく、従来公知の乳化剤が使用出来、例えばレシチン、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酢酸酒石混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド等各種有機酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが例示出来る。これらの一種又は二種以上の乳化剤を水中油型乳化物に対し0〜0.8重量%、更に0〜0.4重量%添加してもよい。
本発明の起泡性水中油型乳化物を調製するに際して、更に安定剤を使用するのが好ましい。安定剤としては、水溶性ヘミセルロース、ペクチンが例示でき、これらを1種又は2種以上使用することが出来る。水溶性ヘミセルロースは油糧種子(大豆、パーム、ヤシ、コーン、綿実等)及び/又は穀類(米、小麦等)由来のものを使用することができるが、好ましくは豆類、特に大豆由来のものが好ましい。ペクチンはかんきつ類由来のHMペクチン又はLMペクチンが好ましい。
酸性の起泡性水中油型乳化物の製造法としては、乳酸発酵物が、予め調製し発酵させたものであることが好ましく、従来公知のクリーム類の製造方法を準用することができる。標準的な本発明の水中油型乳化物の製造工程を以下に説明するが製造法はこれに限定されない。
本発明の水中油型乳化物の製造法は、油脂類、乳酸発酵物、卵黄油、各種乳原料、安定剤、酸味料、香料、水分等を混合、融解して水中油型乳化物を得る。この場合、粉体原料がままこにならないように混合して投入すると作業性がよく単独で投入する場合は、十分な攪拌条件を設定する。また、融解温度は限定されないが、50〜80℃が好ましい。
加温融解した水中油型乳化物は均質化処理後、殺菌又は滅菌処理する。均質化工程は加熱殺菌後に実施することもある。滅菌処理には、間接加熱方式と直接加熱方式の2種類があり、間接加熱処理する装置としてはAPVプレート式UHT処理装置(APV株式会社製)、CP-UHT滅菌装置(クリマティー・パッケージ株式会社製)、ストルク・チューブラー型滅菌装置(ストルク株式会社製)、コンサーム掻取式UHT滅菌装置(テトラパック・アルファラベル株式会社製)等が例示できるが、特にこれらにこだわるものではない。また、直接加熱式滅菌装置としては、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)、ユーペリゼーション滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、VTIS滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、ラギアーUHT滅菌装置(ラギアー株式会社製)、パラリゼーター(パッシュ・アンド・シルケーボーグ株式会社製)等のUHT滅菌装置が例示でき、これらの何れの装置を使用してもよい。
殺菌、均質化が終了したら、速やかに0〜5℃まで冷却して、好ましくは5〜24時間一時的に貯蔵する工程、いわゆるエージング工程を取る。このエージングにより各成分をなじませ、安定化させる。
以下に本発明で用いた分析法及び評価法を記す。
*粘度:B型粘時計(東機産業製 VISCOMETER TV−10)を用い、2号ローター、60rpmにて測定した。
*pH:pH測定器(堀場製作所製 pHメーター F−12)にて測定した。
*ホイップ時間:水中油型乳化物1kgをホバートミキサー(HOBART CORPORATION製 MODEL N−5)3速(300rpm)にてホイップし、最適起泡状態に達するまでの時間を測定した。
*オーバーラン:[(一定容積の水中油型乳化物重量)−(一定容積の起泡後の起泡物重量)]÷(一定容積の起泡後の起泡物重量)×100
*保形性:造花した起泡物を15℃で24時間保存した場合の美しさを調べる。優れている順に、「良好」、「可」、「不可」の三段階にて評価をつける。

*起泡物の風味を乳味、コク味、酸味、嫌味で評価
(1)乳味:三段階評価
◎;自然で豊かな乳味 △;乳味弱い ×;乳味なし
(2)コク味:三段階評価
◎;自然で濃厚なコク味 △;コク味弱い ×;コク味なし
(3)酸味:二段階評価
◎;自然で良好な酸味 △;酸味弱い ×;酸味なし
(4)嫌味:二段階評価
◎;嫌味なし △;嫌味若干あり ×;嫌味あり

以下に本発明の実施例及び比較例を例示するが、本発明はこれらの例示によって制限されるものではない。なお、例中の%は特に断りのないかぎり、重量基準を意味する。
特に、添加剤の添加順序或いは油相を水相へ又は水相を油相へ加える等の乳化順序が以下の例示によって限定されるものではないことは言うまでもない。
(実験例1)
菜種硬化油8部、市販生クリーム15部、脱脂粉乳10部、温水67部を混合し、ホモミキサーで攪拌しながら加温し、70℃で30分予備乳化し、次いでホモゲナイザーで100Kg/cm2の圧力下に均質化した後、20℃まで急冷して水中油型乳化物を調製した。この水中油型乳化物の組成は油脂分15重量%、乳蛋白質分10重量%であった。(このものを非発酵物A(pH6.8)とした)
このようにして得た水中油型乳化物100部に対し乳酸菌バルクスターター1部(ストレプトコッカス・クレモリス及びストレプトコッカス・ラクティスの混合菌)を添加し、20℃で発酵に供し発酵開始後、4時間後から30分毎にpH測定を行いpH4.8となった時点で5℃まで急冷、発酵停止させ、「乳酸発酵物A」を得た。
実施例1
パーム中融点部(融点34℃)20部、菜種パーム混合硬化油15部、酵素処理卵黄油0.5部を混合融解し油相とする。水33.8部、乳酸発酵物A30部を混合し、ホモミキサーにより攪拌しながら、HMペクチン(商品名:ペクチンSM−666、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)0.5部、水溶性大豆多糖類(商品名:ソヤファイブZR−100、不二製油株式会社製)0.2部を添加し、65℃、30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した。その後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、30Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、酸性の起泡性水中油型乳化物を得た。この水中油型乳化物をホイップし、ホイップ時間、オーバーラン、保形性、風味(乳味、コク味、酸味、嫌味)を評価した。配合を表1に、結果を表2に纏めた。
実施例2〜実施例4及び比較例1
実施例2は、実施例1において、HMペクチンを添加しない以外実施例1と同様な配合で実施例1と同様な処理を行い実施例2に基づく酸性の起泡性水中油型乳化物を得た。そして実施例1と同様に評価した。配合を表1に、結果を表2に纏めた。
実施例3は、実施例1において、水溶性大豆多糖類を添加しない以外実施例1と同様な配合で実施例1と同様な処理を行い実施例3に基づく酸性の起泡性水中油型乳化物を得た。そして実施例1と同様に評価した。配合を表1に、結果を表2に纏めた。
実施例4は、実施例1において、HMペクチンと水溶性大豆多糖類を添加しない以外実施例1と同様な配合で実施例1と同様な処理を行い実施例4に基づく酸性の起泡性水中油型乳化物を得た。そして実施例1と同様に評価した。配合を表1に、結果を表2に纏めた。
比較例1は、実施例1において、乳酸発酵物A30部を非発酵物A30部に替えた以外は実施例1と同様な配合で実施例1と同様な処理を行い比較例1に基づくpH6.8の起泡性水中油型乳化物を得た。
表1に実施例1〜4及び比較例1の配合を纏めた。
Figure 0004753163
表2に実施例1〜4及び比較例1の結果を纏めた。
Figure 0004753163
本発明は、良好な酸味と自然で豊かな乳風味をもち、起泡後の食感が滑らかで、さらに保形性、離水耐性の諸特性が優れた酸性の水中油型乳化物に関するものである。

Claims (5)

  1. 油脂類、乳酸発酵物及び卵黄油を含み、乳酸発酵物の油脂分が5〜40重量%であり、且つ乳酸発酵物が、予め調製し発酵させたものであり、乳酸発酵物が殺菌冷却後のpH4.0〜5.4/20℃となるように完全発酵したものであるか、又は殺菌冷却後のpH5.4〜6.3/20℃となるように微発酵したものである、pH3.5〜6.3/20℃の酸性の起泡性水中油型乳化物。
  2. 油脂分が20〜50重量%である、請求項1記載の酸性の起泡性水中油型乳化物。
  3. 油脂分全体の20重量%以上がSUS(S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドである、請求項1記載の酸性の起泡性水中油型乳化物。
  4. 乳酸発酵物が、乳蛋白質分1〜15重量%のものである、請求項1記載の酸性の起泡性水中油型乳化物。
  5. 更に安定剤を含む、請求項1記載の酸性の起泡性水中油型乳化物。
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