JP4826739B2 - 冷菓用油脂 - Google Patents

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本発明は、冷菓用油脂及びそれを使用してなる冷菓に関する。
一般にアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス等の冷菓の原料は、乳、乳製品、植物性油脂、甘味料、安定剤、香料などである。乳製品としては主に乳脂肪源として生クリーム、バター、乳脂肪(バターオイル)が使用されているが、生クリームは保存性が悪いため速やかに使用しなければならず、その都度新鮮なものを使用するのが好ましい。従って常に生クリームを得ることが困難な場合はバターあるいは乳脂肪が使用されるが、これらは風味の点で多量使用すると好ましくない風味、いわゆるバター臭を発現するため注意が必要である。一方広義のアイスクリーム類の原料はこのような生クリームやバター、乳脂肪の代わりに脂肪源として植物性油脂が使用される。無脂乳固形源としては脱脂粉乳、全粉乳等が日持ちがするのでよく使用される。
このような植物性油脂を用いる場合、乳脂とは異なる様々な物性、特徴を利用することが可能となり、これまでにもいくつかの試みがなされてきた。例えば特許文献1では油脂のシャープな口溶けを意図してココアバターを冷菓に使用することが提案されている。しかしココアバターのような主として対称型トリグリセリド(SUS)を含有する油脂は乳化状態が不安定となり、アイスクリーム類の製造工程において調製されるミックス液の安定性が悪く、ボテ(可塑性)現象を呈したり、またフリージング工程において解乳化現象を起こしやすく、脂肪凝集を発生したりして、製品の口溶けを重くする等、種々欠点を有しており、特にこの傾向は油脂配合率が高い場合顕著である。さらにココア風味という限定された風味であり、冷菓全般に利用できるような汎用性は期待できない。
特許文献2では脂肪源としてヤシ油60〜80%とパーム油40〜20%との混合油を冷菓に使用することが提案されている。しかしながらヤシ油が多いとシャープな融解性状を示すものの食感及び風味の点でコクがない。また、パーム油あるいは菜種油は安価であるが口溶けの点で好ましくなく、かつ冷菓としてのキメや組織が不良となる。
特許文献3では対称型トリグリセリド(SUS)を40%以上含有する油脂95〜40%とラウリン系油脂5〜60%を含有する冷菓用油脂が提案されている。これは口溶けのシャープさ、キレに効果を発揮するものであった。
特許文献4では液油、中・高融点油脂とオリゴ糖、糖アルコールを用いることで冷凍下において柔らかな冷菓を得ることを提案しているが、風味、コク、濃厚感については言及されていない。なおここで言う中・高融点油脂とは、パーム油、パーム核油、ヤシ油または乳脂から選ばれる1種または2種以上の油脂を指すものである。
特開平4−316453号公報 特開昭57−36943号公報 特開平8−298934号公報 特開2003−250455号公報
本発明の目的は、乳脂含有率が低い冷菓において、口どけ、コク味に優れ、イヤ味が少なく、キレ、アッサリ感を有するアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス等の冷菓特に口どけが良好でコク味に優れた冷菓及び当該冷菓に使用する冷菓用油脂を提供する事にある。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、水中油型乳化物である冷菓の油脂分中に特定の油脂、すなわち一定量の非ラウリン系油脂由来のSSS型トリグリセリド及びSUS型トリグリセリド並びにラウリン系油脂を使用することによって、本発明の目的を達成し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の第1は、油脂分が2〜20重量%の水中油型乳化物に使用される冷菓用油脂であって、SUS型トリグリセリド含有量が45重量%以上である油脂とラウリン系油脂を主成分とする混合油脂であって、混合油脂中に非ラウリン系油脂由来であり、且つSSS型トリグリセリドを95重量%以上の高濃度に含有する油脂由来のSSS型トリグリセリドを1〜4重量%含有することを特徴とする冷菓用油脂。(但し、SSS型トリグリセリドの場合、Sは炭素数14〜22の飽和脂肪酸であり、SUS型トリグリセリドの場合、Sは炭素数16〜22の飽和脂肪酸であり、Uは炭素数16〜22の不飽和脂肪酸である。)、である。第2は、油脂中にラウリン系油脂を5〜60重量%含む、第1記載の冷菓用油脂である。第3は、第1又は第2記載の冷菓用油脂を2〜20重量%使用してなる冷菓である。
乳脂含有率が低い冷菓において、口どけ、コク味に優れ、イヤ味が少なく、キレ、アッサリ感を有するアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス等の冷菓特に口どけが良好でコク味に優れた冷菓及び当該冷菓に使用する冷菓用油脂を提供する事が可能になった。
本発明の冷菓用油脂は、SUS型トリグリセリドに富む油脂とラウリン系油脂を主成分とする混合油脂であって、混合油脂中に非ラウリン系油脂由来のSSS型トリグリセリドを1〜4重量%含有すること(但し、SSS型トリグリセリドの場合、Sは炭素数14〜22の飽和脂肪酸であり、SUS型トリグリセリドの場合、Sは炭素数16〜22の飽和脂肪酸であり、Uは炭素数16〜22の不飽和脂肪酸である。)が必要であって、油脂中に非ラウリン系油脂由来のSSS型トリグリセリドを1〜4重量%、好ましくは1〜3.5重量%、更に好ましくは1〜3重量%である。下限未満の場合は、良好なコクが得られず、上限を超えるとキレ、アッサリ感の乏しいものとなる。
非ラウリン系油脂由来のSSS型トリグリセリドを含む油脂の供給源としては、SSS型トリグリセリドを95重量%以上の高濃度に含有する油脂やSSS型トリグリセリドを概ね8重量%以下の低濃度に含有する油脂が例示できる。具体的にはSSS型トリグリセリドを95重量%以上の高濃度に含有する油脂としては、よう素価2以下の極度硬化油が挙げられ、極度硬化油は油脂を水素添加し、よう素価を2以下まで低下したもので、具体的にはパーム油の極度硬化油、米糠油の極度硬化油、菜種油の極度硬化油が例示できる。SSS型トリグリセリドのSの炭素数は14〜22であり、好ましくは16〜22である。融点としては、50℃〜68℃のものが好ましく、より好ましくは50℃〜64℃のものである。
本発明においては、SUS型トリグリセリドに富む油脂(Sは炭素数16〜22の飽和脂肪酸であり、Uは炭素数16〜22の不飽和脂肪酸である。)を使用することが必要であって、油脂中のSUS型トリグリセリド含有量が45重量%以上のものが好ましい。
本発明においては、SSS型トリグリセリドを95重量%以上の高濃度に含有する油脂及び45重量%以上のSUS型トリグリセリドを含有する油脂を使用するか、又はSSS型トリグリセリドを概ね8重量%以下の低濃度に含有する油脂であって、45重量%以上のSUS型トリグリセリドを含有する油脂を使用するか何れの油脂からも選択することは可能であるが、一定の効果を得るためにはSSS型トリグリセリドを95重量%以上の高濃度に含有する油脂及び45重量%以上のSUS型トリグリセリドを含有する油脂を使用する方が、トリグリセリド組成を高濃度化した油脂が利用でき、口どけ、コク味に優れ、イヤ味が少なく、キレ、アッサリ感が得られる点で好ましい。
そして、SSS型トリグリセリドを概ね8重量%以下の低濃度に含有する油脂であって、45重量%以上のSUS型トリグリセリドを含有する油脂としては、具体的には、パーム油、ココアバター、イリッペ脂、シア脂、それらの分別油脂もしくは硬化油、または2位が不飽和脂肪酸に富む油脂の1,3位に飽和脂肪酸を導入して得たエステル交換脂などが例示できる。ここでのSUS型トリグリセリドとは、2─不飽和1,3─ジ飽和トリグリセリドのことであり、Sは炭素数16〜22の飽和脂肪酸であり、Uは炭素数16〜22の不飽和脂肪酸である。SSS型トリグリセリドを低濃度に含有する油脂であって、45重量%以上のSUS型トリグリセリドを含有する油脂を分別する等して油脂中にSUS型トリグリセリドを45重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上含有する油脂とすることが好ましく、必然的にSSS型トリグリセリド濃度がより低下し6重量%以下、更に4重量%以下が好ましい。SUS型トリグリセリドを高濃度化することによって本願発明の効果である(口どけ、コク味に優れ、イヤ味が少なく、キレ、アッサリ感)を際出させることが出来る。
本発明においては特にパーム油から高融点画分と低融点画分を分別除去して得られるパーム油中融点画分が好ましい。
SUS型トリグリセリドが45重量%以下であると口どけが悪化し、アッサリ感が乏しくなる傾向を示す。
又、ラウリン系油脂としては、ヤシ油、パーム核油、またはその硬化、分別、エステル交換を実施した油脂などが例示できる。本発明においては、油脂中にラウリン系油脂を5〜60重量%含むことが好ましい。ラウリン系油脂が少ない場合は、SUS型トリグリセリドに起因するアイスクリーム類の製造工程における乳化物の安定性を得にくくなり、多すぎると得られたアイスクリーム類はコク、濃厚感がなく、アッサリしすぎるものとなる。
本発明では上記の油脂を使用する限りにおいて、それ以外の油脂として、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂(融点15〜40℃程度のもの)が例示できる。
本発明の冷菓は、上記の冷菓用油脂を2〜20重量%に調製し、その他の原料として乳類、乳製品、甘味料、安定剤、香料などを使用して、通常の水中油型乳化物の調製方法で得ることが出来る。冷菓としては、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス等が例示できる。
本発明の冷菓は水中油型乳化物であって、冷菓用油脂として、多くの場合乳風味とコク味の付与に乳脂が使用されている。本発明においては、乳脂の一部又は全部を本発明の冷菓用油脂に代替することで乳脂のみでは不可能であった口溶けのシャープさ、冷感、アッサリ感、みずみずしさ、軽さといった特徴を冷菓に付与することができる。本発明の冷菓用油脂は、冷菓中の油脂全体に占める割合が高いほどその効果が顕著となる。すなわち水中油型乳化物中の油脂全体に占める乳脂の割合が50重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下の場合に、口溶けのシャープさ、冷感、キレのある食感と、良好な風味、コク、濃厚感との両立という効果が明確となる。
本発明の冷菓の代表的な例示がアイスクリーム類であって、アイスクリーム類を例にとって説明すると、アイスクリーム類の成分は、乳脂肪、無脂乳固形分、甘味料、安定剤、乳化剤、香味料、着色料、水分などからなる。
無脂乳固形分はアイスクリームの組織改善およびオーバーランの増加とともにアイスクリーム類へ乳味感を付与するという効果を有する。この乳固形分としては、脱脂乳、脱脂粉乳、全脂粉乳などが例示できる。
甘味料はアイスクリーム類に甘味を与えるほかミックスの粘性を増し組織を改良するという効果を有する。甘味料としてはショ糖がもっとも普通に使用されるが、他に転化糖、混合液糖、水飴等が使用され、通常全量に対し13〜17重量%程度使用される。
安定剤は組織を滑らかにし、適度の粘性を与え、オーバーランの調整に関与するという効果を有する。このような安定剤として、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガムのようなガム類、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、CMC、水溶性ヘミセルロース、ゼラチン、寒天、ペクチン、コーンスターチの他、リン酸塩の如き種々の塩類が例示できる。これらの安定剤を通常製品全体に対し0.1〜1.0重量%程度添加するが、種類によっては口中で粘りを感じるようなことがあるので、そのときは添加量を減じるのがよい。
乳化剤は組織を滑らかにし、脂肪分の分散保持とフリージング中の脂肪分の凝集を適度に行う。これらの乳化剤の例としては公知のものが使用でき、例えばレシチン、アルコール等による分画レシチン、酸またはアルカリあるいは酵素等による部分加水分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセロール脂肪酸エステル、さらに酢酸モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酢酸酒石酸混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド等各種有機酸モノグリセリドが例示できる。これらの乳化剤を通常0.1〜0.5重量%程度添加する。
また香味料、着色料はアイスクリーム類にとっては重要な添加剤であり、嗜好食品であるだけに消費者の嗜好に応じて選択使用する必要がある。香味料としては多数あるがバニラが一般的であり、チョコレートやストロベリーがよく好まれる。
上記の原料を用いたアイスクリーム類の標準的な製造法は次の通りである。まず、原料を選択し、次いで各原料を混合、溶解・分散して乳化物を調製する。この場合、粉体原料はママコになりやすいので特に注意して混合溶解・分散する。温度はあまり高くするのは好ましくない。通常は50〜60℃程度である。このようにして調製した乳化物を、均質化する。均質化圧などの条件は一段圧式または二段圧式など均質機により一概に規定できないが、通常前者の一段式圧では100〜180Kg/cm2でよく、また二段圧式では第一バルブで約100Kg/cm2、第二バルブ圧で約40〜70Kg/cm2がよい。均質化温度は50〜70℃程度が一般的である。
次いで均質化処理を経た水中油型乳化物を殺菌ないし滅菌処理する。通常はUHT滅菌処理する。UHT滅菌には間接加熱方式と直接加熱方式とがあり、間接加熱処理する装置としてはAPVプレート式UHT処理装置(APV社製)、CP−UHT滅菌装置(クリマティ・パッケージ社製)、ストルク・チューブラー型滅菌装置(ストルク社製)、コンサーム掻き取り式UHT滅菌装置(テトラパック・アルファラバル社製)等が例示できるが、特にこれらにこだわるものではない。また、直接加熱滅菌装置としては、ユーペリゼーション滅菌装置(テトラパック・アルファラバル社製)、VTIS滅菌装置(テトラパック・アルファラバル社製)、ラギアーUHT滅菌装置(ラギアー社製)、パラリゼーター(パッシュ・アンド・シルケボーグ社製)、C.P.Vac−Heat・UHT滅菌装置(クリマティー・パッケージ社製)等のUHT滅菌処理装置が例示でき、これらの何れの装置を使用してもよい。
次に殺菌または滅菌処理した水中油型乳化物を冷却後0〜5℃で3〜24時間一時的に貯蔵、すなわちエージング(ストレージ)する。このエージングにより乳化物中の各成分を安定化させる。次いで乳化物を攪拌しながら香味料を添加する。しかる後、フリージングする。この工程は乳化物をフリーザーにより急激に冷却させて水分を凍結させながら適当量の空気を混入させ、乳化物中に微細な気泡と氷の結晶粒子、脂肪粒子を分散させ、半流動状のソフトクリーム状にする工程であって、この工程の処理如何によってアイスクリームの滑らかな組織と食感が左右されるという重要な工程である。後は所定の容器に充填し包装した後、−20〜−30℃に急冷し一定の形を保持するまで凍結させる硬化を行い、出荷されるまで貯蔵しておく。
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
また、結果については以下の方法で評価した。
融点:日本油化学協会基準油脂分析試験法(1996年版)2.2.4.2融点(上昇融点)に規定の方法に準じて測定した。
SSS型トリグリセリドやSUS型トリグリセリドの含有量は高速液体クロマトグラフにて測定した。
オーバーラン:[(一定容積の水中油型乳化物重量)−(一定容積の起泡後の起泡物重量)]÷(一定容積の起泡後の起泡物重量)×100
官能評価(口どけ、コク味、イヤ味、キレ、アッサリ感):専門パネラー10名により、優れている順に「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の五段階にて評価を行い、平均化した評価を結果とした。
実施例1
NGO−C.H.O.社製パーム中融点部(SSS;4.6%、SUS;64.5%、よう素価43.6、融点31.0℃)70部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)20部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)10部を融解混合し油相とする。(油脂中のSSS型トリグリセリド量:2.1重量%)。この油相12部と脱脂粉乳8部、、粉末粉飴5部、グラニュー糖10部、殺菌卵黄2部、水63部とを65〜70℃で30分間ホモミキサーを用いて攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業製)により、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行なった。これを100Kg/cm2の均質化圧力で均質化し、直ちに5℃まで冷却した。冷却後24時間エージングを行い、水中油型乳化物を得た。この水中油型乳化物の配合を表1に纏めた。この乳化物をカタブリカ(アイスクリーム製造機の商品名)にてフリージングを行い、ラクトアイスを得た。得られたラクトアイスを容器に充填し−20〜−30℃で硬化させた後、評価を行なったところ、口溶け、キレが良好であることに加えて、風味、コク、濃厚感も良好であった。結果を表2にまとめた。
実施例2
不二製油製パーム中融点部(SSS;1.2%、SUS;66.6%、よう素価44.7、融点25.5℃)68部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)20部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)10部、パーム極度硬化油(不二製油製、よう素価1以下、融点58.5℃)2部を融解混合しこれを油相とし(油脂中のSSS型トリグリセリド量:2.7重量%)、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、ラクトアイスを得た。このラクトアイスを評価したところ、口溶け、キレが良好であることに加えて、風味、コク、濃厚感も良好であった。結果を表2にまとめた。
実施例3
不二製油製パーム中融点部(SSS;1.2%、SUS;66.6%、よう素価44.7、融点25.5℃)68部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)20部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)10部、米糠極度硬化油(よう素価1以下、融点61.5℃)2部を融解混合しこれを油相(油脂中のSSS型トリグリセリド量:2.7重量%)とし、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、ラクトアイスを得た。このラクトアイスを評価したところ、口溶け、キレが良好であることに加えて、風味、コク、濃厚感も良好であった。結果を表2にまとめた。
実施例4
不二製油製パーム中融点部(SSS;1.2%、SUS;66.6%、よう素価44.7、融点25.5℃)68部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)20部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)10部、高エルシン酸菜種極度硬化油(よう素価1以下、融点61.5℃)2部を融解混合しこれを油相(油脂中のSSS型トリグリセリド量:2.7重量%)とし、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、ラクトアイスを得た。このラクトアイスを評価したところ、口溶け、キレが良好であることに加えて、風味、コク、濃厚感も良好であった。結果を表2にまとめた。
実施例5
不二製油製パーム中融点部(SSS;1.2%、SUS;66.6%、よう素価44.7、融点25.5℃)69部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)20部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)10部、パーム極度硬化油(不二製油製、よう素価1以下、融点58.5℃)1部を融解混合しこれを油相(油脂中のSSS型トリグリセリド量:1.8重量%)とし、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、ラクトアイスを得た。このラクトアイスを評価したところ、口溶け、キレが良好であることに加えて、風味、コク、濃厚感も良好であった。結果を表2にまとめた。
実施例6
不二製油製パーム中融点部(SSS;1.2%、SUS;66.6%、よう素価44.7、融点25.5℃)47部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)14部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)7部、パーム極度硬化油(不二製油製、よう素価1以下、融点58.5℃)2部、バターオイル30部を融解混合しこれを油相(油脂中のSSS型トリグリセリド量:2.5重量%)とし、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、アイスクリームを得た。このアイスクリームを評価したところ、口溶け、キレが良好であることに加えて、風味、コク、濃厚感も良好であった。結果を表2にまとめた。
表1に実施例1〜7及び比較例1〜5の水中油型乳化物の配合を纏めた。
Figure 0004826739
表2に実施例1〜実施例6の配合と結果を纏めた。
Figure 0004826739
比較例1
不二製油製精製パーム油(SSS;6.4%、SUS;44.3%、よう素価52.0、融点37.0℃)70部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)20部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)10部を融解混合しこれを油相(油脂中のSSS型トリグリセリド量:4.5重量%)とし、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、ラクトアイスを得た。このラクトアイスを評価したところ、口溶け、キレは不良であった。結果を表3にまとめた。
比較例2
不二製油製パーム中融点部(SSS;1.2%、SUS;66.6%、よう素価44.7、融点25.5℃)69.9部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)20部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)10部、パーム極度硬化油(不二製油製、融点59℃、沃素価1以下)0.1部を融解混合しこれを油相(油脂中のSSS型トリグリセリド量:0.9重量%)とし、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、ラクトアイスを得た。このラクトアイスを評価したところ、口溶け、キレは良好であったが、風味、コク、濃厚感に乏しいものであった。結果を表3にまとめた。
比較例3
不二製油製パーム中融点部(SSS;1.2%、SUS;66.6%、よう素価44.7、融点25.5℃)60部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)20部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)10部、パーム極度硬化油(不二製油製、融点59℃、沃素価1以下)10部を融解混合しこれを油相(油脂中のSSS型トリグリセリド量:10.7重量%)とし、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、ラクトアイスを得た。このラクトアイスを評価したところ、口溶け、キレは不良であり、風味、コク、濃厚感も感じられなかった。結果を表3にまとめた。
比較例4
不二製油製パーム中融点部(SSS;1.2%、SUS;66.6%、よう素価44.7、融点25.5℃)68部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)20部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)10部、パーム極度硬化油(不二製油製、よう素価1以下、融点58.5℃)2部を融解混合しこれを油相(油脂中のSSS型トリグリセリド量:2.7重量%)とする。この油相1部と脱脂粉乳8部、、粉末粉飴5部、グラニュー糖10部、殺菌卵黄2部、水74部とをその他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、ラクトアイスを得た。このラクトアイスを評価したところ、風味、コク、濃厚感に乏しいものであった。結果を表3にまとめた。
比較例5
不二製油製パーム中融点部(SSS;1.2%、SUS;66.6%、よう素価44.7、融点25.5℃)68部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)20部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)10部、パーム極度硬化油(不二製油製、よう素価1以下、融点58.5℃)2部を融解混合しこれを油相(油脂中のSSS型トリグリセリド量:2.7重量%)とする。この油相23部と脱脂粉乳8部、、粉末粉飴5部、グラニュー糖10部、殺菌卵黄2部、水52部とをその他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、ラクトアイスを得た。このラクトアイスを評価したところ、コク、濃厚感は良好であるものの、キレ、アッサリ感が不良であった。結果を表3にまとめた。
実施例7
不二製油製パーム中融点部(SSS;1.2%、SUS;66.6%、よう素価44.7、融点25.5℃)44部、パーム核硬化油(不二製油製、融点36℃)13部、パーム菜種調合硬化油(不二製油製、融点36℃)7部、パーム極度硬化油(不二製油製、よう素価1以下、融点58.5℃)1部、バターオイル35部を融解混合しこれを油相(油脂中のSSS型トリグリセリド量:1.5重量%)とする。この油相12部と脱脂粉乳8部、、粉末粉飴5部、グラニュー糖10部、殺菌卵黄2部、水63部とをその他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にし、アイスクリームを得た。このアイスクリームを評価したところ、コク味、濃厚感は良好であり、口溶けも良かったが、キレ、アッサリ感、イヤ味の点で優れていなかった。結果を表3にまとめた。
表3に比較例1〜比較例5及び実施例7の配合と結果を纏めた。
Figure 0004826739
本発明は、冷菓用油脂及びそれを使用してなる冷菓に関するものである。

Claims (3)

  1. 油脂分が2〜20重量%の水中油型乳化物に使用される冷菓用油脂であって、SUS型トリグリセリド含有量が45重量%以上である油脂とラウリン系油脂を主成分とする混合油脂であって、混合油脂中に非ラウリン系油脂由来であり、且つSSS型トリグリセリドを95重量%以上の高濃度に含有する油脂由来のSSS型トリグリセリドを1〜4重量%含有することを特徴とする冷菓用油脂。(但し、SSS型トリグリセリドの場合、Sは炭素数14〜22の飽和脂肪酸であり、SUS型トリグリセリドの場合、Sは炭素数16〜22の飽和脂肪酸であり、Uは炭素数16〜22の不飽和脂肪酸である。)
  2. 油脂中にラウリン系油脂を5〜60重量%含む、請求項1記載の冷菓用油脂。
  3. 請求項1又は請求項2記載の冷菓用油脂を2〜20重量%使用してなる冷菓。
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