JP3397110B2 - 練込み用油脂及び冷菓並びに冷菓の製造法 - Google Patents
練込み用油脂及び冷菓並びに冷菓の製造法Info
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Description
み用油脂及び冷菓並びに冷菓の製造法に関し、特に食感
が水々しく、且つ冷感が強調される含水冷菓用の練込み
用油脂及び冷菓並びに冷菓の製造法に関するものであ
る。
類には、乳固形分含量によりアイスクリーム、アイスミ
ルク、ラクトアイスの区別がなされている。アイスクリ
ーム類は水、蛋白質、油脂、糖類を主原料とし、常法に
より得られた乳化物(ミックス)をフリージング処理し
て起泡化を行うことにより製造され、このような乳化物
をフリージング処理及び起泡化することによりソフト感
が付与されている。アイスクリーム類の食感や保形性
は、主に油脂の持つ物性により左右されるため、これま
で動物性油脂では乳脂、植物性油脂ではヤシ油、硬化ナ
タネ油、パ−ム油等が広く利用されている。例えば、植
物性油脂においてヤシ油を主体にした場合、シャープな
融解性状であっさりした食感になり、パーム油や硬化ナ
タネ油は口融けが緩やかであるためコクのある風味を呈
する。また、最近では、口融けがシャ−プで且つコクの
ある風味を呈した冷菓用油脂(特開平8−29893号
公報)や保形性に優れた油脂(特開平7−313066
号公報)等も提案されている。しかしながら、これまで
提案されている油脂は何れも融点が20℃以上のもので
あるために、含水冷菓として食したときに氷結晶と油脂
結晶の融解に時間的な差が生じてしまい、水々しさや冷
感が感じ難いものになっている。さらに、ソフト感を付
与するという観点から融点のかなり低い油脂を使用し
た、冷菓用の水中油型エマルジョン及びそれを含むフィ
リング材並びに冷菓が提案されているが(特開平7−8
7895号公報) 、このような油脂を使用した場合、逆
にフリージングの過程での結晶量が不足して解乳化が進
まず、油脂の特徴が出にくいという難点がある。
時に氷結晶と同様な温度域で融解性状を示す融点の低い
油脂を使用することにより、食したときに水々しく、冷
感が強調される、含水冷菓用の練込み用油脂及び冷菓並
びに冷菓の製造法を提供することを目的とする。
を達成するため鋭意検討を重ねた結果、使用する油脂の
各温度でのSFCを調節することにより、食したときに
水々しく、冷感が強調される冷菓が得られることを見出
し、本発明に到達した。
で、DSC吸熱ピーク面積の分割積分により求めたSF
C値(昇温速度5℃/分)が、10℃で0〜15%、0
℃で10〜65%、−10℃で50〜95%である含水
冷菓用の練込み用油脂、及び当該練込み用油脂を油脂成
分として含む冷菓、並びに、油脂及び水を基礎原料とし
て冷菓を製造するに際し、油脂成分として上昇融点が1
5℃以下で、DSC吸熱ピーク面積の分割積分により求
めたSFC値(昇温速度5℃/分)が、10℃で0〜1
5%、0℃で10〜65%、−10℃で50〜95%で
ある油脂を使用することを特徴とする冷菓の製造法、で
ある。
基礎原料とする含水冷菓類全般を包含するものである
が、特に油脂、水、甘味料および蛋白質または乳固形
分、さらに安定剤、乳化剤を併用するアイスクリーム
類、もしくはアイスクリーム様の冷菓をいう。このよう
な冷菓は水分が凍結されて氷結晶を形成し、かかる氷結
晶が冷菓の骨格、保形性に関与している点においてホイ
ップクリームとは異なる。
における練込み用油脂は融点が15℃以下で、DSC吸
熱ピーク面積の分割積分により求められたSFC値(昇
温速度5℃/分)が、10℃で0〜15%、0℃で10
〜65%、−10℃で50〜95%の要件を満足する油
脂である。DSCにより求められるSFCの値は、先ず
60℃で融解した油脂30μgをサンプルパンに秤量
し、5℃/分の速度で−50℃まで冷却後、5分間保持
し、再び5℃/分の速度で50℃まで昇温を行い、得ら
れた融解曲線を分割積分して求めた値である。
ては、大豆油、菜種油、パーム油、パーム核油、ヤシ
油、コーン油、ひまわり油、綿実油、米油等の植物性油
脂が挙げられ、これらの油脂の未加工油、または硬化、
分別、ウィンタリング、エステル交換等の処理を施した
加工油脂が採用できる。さらに、これらの油脂は単独も
しくは混合使用してもなんら構わない。
的な方法としては、上記する原料油脂を溶剤の存在下、
もしくは溶剤の非存在下に分別処理して低融点画分を得
る方法、あるいは上記油脂を水素添加して得る方法が挙
げられ、また、これらの油脂に他の結晶量の多い油脂を
混合して調製する方法が挙げられる。
油脂成分中に5〜100重量%、好ましくは25重量%
以上、さらに好ましくは50重量%以上含まれ、かかる
油脂を油脂成分として1〜20重量%、好ましくは5〜
15重量%含む冷菓が好ましい。練込み用油脂の全油脂
成分中における含量が5重量%未満では効果を得難い。
また、冷菓中における油脂成分含量が1重量%未満では
効果を得難く、20重量%を越えると油っぽさが出て冷
感も低下する。
練込み用油脂の他に、乳脂、及び上昇融点が15〜35
℃の他の植物性油脂が含まれる場合があり、また、その
他の成分として水分、無脂乳固形分、甘味料、安定剤、
乳化剤、香味料及び着色料等の一種又は二種以上が含ま
れる場合がある。
を与えるという効果を有するが、使用量が多すぎると濃
厚すぎて風味食感に悪影響を与えるため、少量使用が好
ましい。
−バ−ランの増加と共に乳味感を付与する効果を有し、
一般的には脱脂乳、脱脂粉乳、全脂粉乳等が例示でき
る。
ックスの粘性を増す効果を有する。甘味料としてはショ
糖が一般的に使用されるが、他に転化糖、混合液糖、水
飴等も例示され、通常、冷菓全量に対し10〜17重量
%程度使用される。
に、適度の粘性を与え、オ−バ−ランの調整に関与する
という効果を有する。具体的には、グアガム、ロ−カス
トビ−ンガム、キサンタンガム、アラビアガムのような
ガム類、カラギ−ナン、アルギン酸ナトリウム、CM
C、水溶性ヘミセルロ−ス、ゼラチン、寒天、ペクチ
ン、コ−ンスタ−チの他、リン酸塩のような塩類が例示
できる。このような安定剤は通常冷菓全量に対し、0.
1〜1.0重量%程度添加使用される。
グ中の脂肪分の凝集を適度に行う。これらの乳化剤とし
ては公知のものが使用でき、例えば、レシチン、分画レ
シチン、加水分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコ−ル脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセロ−
ル脂肪酸エステル、各種有機酸モノグリセリド等が例示
される。使用量は通常冷菓全量に対し、0.1〜0.5
重量%程度添加使用される。
な添加剤であり、消費者の嗜好に応じて選択使用する必
要がある。香味料としては多数あるが、バニラが一般的
であり、チョコレート、ストロベリーがよく好まれる。
造方法は以下の通りである。先ず、各原料を配合・混合
して冷菓ミックスを調整する。この場合、粉体原料はマ
マコになり易いので良く攪拌混合する。温度は50〜6
5℃程度が好ましい。調整されたミックスは次に均質化
される。均質化の圧力は配合や均質機の種類により異な
るが、一般的には180kg/cm2以下が望ましい。均質化
処理されたミックスはその後殺菌ないし滅菌処理され
る。通常はUHT滅菌処理されるがこの方法に特に限定
されるものではない。殺菌または滅菌処理されたミック
スは各成分を安定化させるために、冷却後0〜5℃で3
〜24時間エージングされる。エージング終了後、攪拌
しながら香味料が添加される。しかる後、フリージング
処理される。この工程はミックスをフリーザーにより急
激に冷却させて、水分を凍結させながら適当量の空気を
混入させ、ミックス中に微細な空気の泡と氷の結晶粒
子、脂肪粒子を分散させ、半流動にする工程であって、
この工程の処理如何によって冷菓の滑らかな組織と食感
が左右されるという重要な工程である。その後、所定の
容器に充填し包装後、−20℃〜−30℃に急冷し一定
の形を保持するまで凍結させてハードニングが行なわ
れ、出荷される。
脂は冷菓としてアイスクリーム類の製造に好適である
が、特にアイスクリーム類にこだわることなくアイスク
リーム類に類似する油脂と水性成分を使用する冷菓を製
造する場合にも有効である。
更に具体的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例
示に限定されるものではない。尚、例中に示す%及び部
は重量基準を意味する。
油脂を使用して冷菓を製造したとき、ミックスおよびフ
リ−ジング時の物性が極めて安定しており、水々しく、
且つ冷感が強調された冷菓を得ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 パーム低融点画分または/及びナタネ硬
化油であって、該油脂の上昇融点が15℃以下で、DS
C吸熱ピーク面積の分割積分により求めたSFC値(昇
温速度5℃/分)が、10℃で0〜15%、0℃で10
〜65%、−10℃で50〜95%である含水冷菓用の
練込み用油脂。 - 【請求項2】 冷菓がアイスクリーム類である、請求項
1記載の練込み用油脂。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の練込み用油脂が全
油脂成分中に5〜100重量%含まれる冷菓。 - 【請求項4】 請求項1記載の練込み用油脂を1〜20
重量%含有することを特徴とする冷菓。 - 【請求項5】 パーム低融点画分または/及びナタネ硬
化油であって、該油脂の油脂及び水を基礎原料として冷
菓を製造するに際し、上昇融点が15℃以下で、DSC
吸熱ピーク面積の分割積分により求めたSFC値(昇温
速度5℃/分)が、10℃で0〜15%、0℃で10〜
65%、−10℃で50〜95%である油脂を全油脂成
分中に5〜100重量%使用することを特徴とする、冷
菓の製造法。 - 【請求項6】冷菓がアイスクリーム類である、請求項5
記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34254497A JP3397110B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 練込み用油脂及び冷菓並びに冷菓の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34254497A JP3397110B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 練込み用油脂及び冷菓並びに冷菓の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11169074A JPH11169074A (ja) | 1999-06-29 |
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Family
ID=18354578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34254497A Expired - Fee Related JP3397110B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 練込み用油脂及び冷菓並びに冷菓の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (4)
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JP6441106B2 (ja) * | 2015-02-05 | 2018-12-19 | 日清オイリオグループ株式会社 | チョコレート及びそれを使用した冷菓 |
JP7166173B2 (ja) * | 2016-12-02 | 2022-11-07 | 日本液炭株式会社 | 喫食時の不快な泡立ち感が抑制された、高濃度のco2を含む氷を含有する冷菓 |
WO2023162797A1 (ja) * | 2022-02-22 | 2023-08-31 | 不二製油グループ本社株式会社 | 水中油型乳化物及び水中油型乳化物の製造方法 |
-
1997
- 1997-12-12 JP JP34254497A patent/JP3397110B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11169074A (ja) | 1999-06-29 |
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