JP3453978B2 - 水中油型乳化組成物及びその製造方法 - Google Patents
水中油型乳化組成物及びその製造方法Info
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ホイップクリーム及びその製造法に関するものである。
ームが食品分野において知られ、また市販されている。
かかる卵黄を含有するクリームの安定な製造に関しては
従来種々の試みがなされている。一つの試みとして、卵
黄を予備加熱して卵黄中に含まれる蛋白成分を予備変性
させることで、殺菌ラインにおけるスケーリング等を防
止することを示している(特開平4−281745)。
卵黄をクリームに利用することで、上記と同様に殺菌ラ
インにおけるスケーリング等を防止することを特徴とし
ている。
グ等、生産工程上における不具合の解決方法についてが
主であり、製品そのものについては特開平6−2272
9号で凍結変性卵黄を利用することにより高粘度(1000
cp以上) ではあるが経時的に安定していることが述べら
れているのみである。
るにあたり、一定温度 (冷蔵) での粘度の安定性はもち
ろん必要であるが、輸送、積み降ろし等の流通過程にお
ける振動や温度変化に対する安定性も必要である。通常
クリームの粘度は100〜300cp位であって、低粘
度の方が作業性および歩留り等の点から好ましい。とこ
ろが卵黄を含有するクリームは上記の特開平6─227
29に示されるように高粘度に成りやすいのである。
目的は、卵黄を含有するクリームであっても一定温度
(冷蔵) での粘度の安定性はもちろんのこと、低粘度で
且つ振動や温度変化に対する安定性についても良好な、
卵黄を含有したクリーム及びその製造方法を提供するも
のである。
化組成物中の脂肪粒子のメジアン径が1.00μm以下
で、卵黄を含有するホイップクリームにある。
脂肪粒子のメジアン径が1.00μm以下で、卵黄が全
体に対し3〜20%であるホイップクリームにある。
した後、殺菌装置により無菌化処理をおこなう前後でク
リーム中の脂肪粒子を微細化し、粒子のメジアン径を
1.00μm以下にするために均質化処理をおこなうホ
イップクリームであってその中の脂肪粒子のメジアン径
が1.00μm以下で、卵黄を含有するホイップクリー
ム及び卵黄が全体に対し3〜20%であるホイップクリ
ームの製造方法にある。
ホイップクリームである。
型の乳化物を製造する公知方法に準じて実施すれば良
い。即ち、乳化混合、均質化処理、殺菌、冷却の工程に
より製造する。
℃に調整するのが良い。40℃未満では乳化剤の効果も
発揮されないし融点の高い油脂を使用していると充分に
溶解されない場合があって乳化が充分におこなわれな
い。又、乳化混合中に菌の増殖が進む場合があって好ま
しくない。80℃を越えると乳蛋白等の変性が生じた
り、風味の散逸及び焦げ臭等が発生し好ましくなく、さ
らに製品の増粘が生じたり、振動に対する安定性に欠け
ることとなる。最も好ましくは、55℃〜65℃で乳化
混合するのが適当である。
装置により無菌化処理をおこなう前後でクリーム中の脂
肪粒子を微細化し、粒子のメジアン径を1.00μm以
下にするために均質化処理をおこなう。クリーム中の脂
肪粒子を微細化し均質化処理する手段としては従来公知
の方法に基づいて実施すればよく、例えばホモゲナイザ
ー、高圧ホモゲナイザー、超音波式(Ultra sonic) 乳化
機又はターボミキサー(Turbomixer)、ホモミキサー等の
装置が利用できる。ここで、均質化処理は1.00μm
以下の粒径になれば無菌化処理前のみでも、無菌化処理
後のみでも可能であるが、無菌化処理前後の両方で均質
化処理をおこなうのが好ましい。圧力は無菌化処理前8
0Kg/cm2 以上、無菌化処理後80Kg/cm2 以
上が好ましい。また、粒子径を1.00μm以上にする
と製品の増粘が生じたり、振動に対する安定性に欠ける
こととなる。好ましい粒子径は0.40〜0.90μm
で、最も好ましくは0.60〜0.80μmである。
Vプレート式UHT処理装置(APV社製)、CP−U
HT滅菌装置(クリマティ・パッケージ社製)、ストル
ク・チューブラー型滅菌装置(ストルク社製)、コンサ
ーム掻き取り式UHT滅菌装置(テトラパック・アルフ
ァラバル社製)、VTIS滅菌装置(テトラパック・ア
ルファラバル社製)、ラギアーUHT滅菌装置(ラギア
ー社製)、パラリゼーター(パッシュ・アンド・シルケ
ボーグ社製)、C.P.Vac−Heat・UHT滅菌
装置(クリマティ・パッケージ社製)、直接滅菌装置
(岩井機械株式会社製)等のUHT滅菌処理装置が例示
できるが、クリーム中の脂肪粒子を微細化する効果のあ
る直接殺菌型の装置の方がより好ましい。冷却は、通常
9〜3℃まで急速に行なうほど良い。
が、卵黄としては生卵黄の他に乾燥卵黄および乾燥卵黄
を溶液化させたものを用いることができる。また、凍結
変成卵黄や加熱変性卵黄を用いる事もできる。これらの
卵黄は単独で、または併用して使用されるが、卵黄の種
類については特開平6−22729や特開平4−281
745の凍結変性卵黄や加熱変性卵黄を用いる方が好ま
しい。
リームに加えるにあたっては、クリーム中に3.0〜2
0.0重量%含有されるようにすることが好ましい。こ
こでいう卵黄の重量は生卵黄程度の含水物に換算したも
のをいう。すなわち、これはクリームに加える卵黄の量
が少ないと、得られた卵黄含有クリームに充分な卵黄の
風味を付与できなくなるし、卵黄の量を多くしすぎる
と、加熱殺菌装置のラインの太さ、流量、加熱温度等に
よっても変化するが、長時間連続して加熱殺菌した場合
に、加熱殺菌装置のラインにスケーリングが生じたり、
卵黄が焦げたりする場合がある。
ではないが、液体油はそのまま、固体脂は加熱溶解して
おき、必要であれば乳化剤等を添加混合して油相を調製
することができる。例えば油脂は、その油脂原料として
菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、
米ぬか油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポ
ック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア油、サル
脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並び
に乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油、等の動物性油脂が
例示でき、上記油脂類の単独または混合油あるいはそれ
らの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂を使
用することができる。なお市販のバター、マーガリン、
またはショートニングあるいはハードバター等を使用す
ることもできる。このような油脂を上記のクリームに加
えるにあたっては油脂が1〜60重量%になるようにす
るのが良く、好ましくは25〜50重量%である。
できる。乳化剤として、例えばレシチン、グリセリン脂
肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、
蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等が列挙で
き、これらの単独または2種以上の併用ができる。
用いることができる。安定剤としてガム類、例えばキサ
ンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、アラ
ビアガム、ファーセラン、CMC、微結晶セルロース等
のガム類、ペクチン、寒天、カラギーナン、ゼラチン等
が列挙でき、これらの単独または2種以上の併用ができ
る。
いることができる。糖類としてはブドウ糖、果糖等の単
糖類;ショ糖、乳糖、麦芽糖等の二糖類;ソルビトー
ル、マルチトール等の糖アルコール;オリゴ糖;澱粉加
水分解物;異性化糖(ブドウ糖・果糖液糖、ハイフラク
トースコーンシロップ)等が含まれ、これらの単独また
は2種以上の併用ができる。
に、リン酸塩、呈味剤、香料、着色料等を適宜添加使用
してもよい。
卵黄含有クリームは、風味が極めて良好で、且つ乳化が
安定であり、保存性に優れているものである。
をより一層明瞭にするが、これらは例示であってこの発
明の精神がこれらの例示に限定されるものではない。な
お、例中、部及び%はいずれも重量基準を意味する。
15%、全脂粉乳5.0%、水47%、凍結変性卵黄
3.5%、シュガーエステル0.2%、レシチン0.2
%、ヘキサメタリン酸Na0.3%、重曹0.02%を
加え、これらを60℃で30分間乳化混合し卵黄を含有
するクリームを得た。次いで、このように卵黄を含有す
るクリームをホモゲナイザーで100Kg/cm2 の均
質化処理をした後、直接加熱式瞬間殺菌機にて140℃
の温度で4秒間加熱殺菌した。その後、再度100Kg
/cm2 の均質化処理をした後、5℃に冷却して無菌化
処理された風味の良い卵黄含有クリームが得られた。な
お、このようにして得られた卵黄含有クリームの脂肪粒
子のメジアン径を測定すると0.70μmであった。
るクリームを得た。次に、このクリームを直接加熱式瞬
間殺菌機にて140℃の温度で4秒間加熱殺菌した。そ
の後、300Kg/cm2 の均質化処理をした後、5℃
に冷却して無菌化処理された風味の良い卵黄含有クリー
ムが得られた。なお、このようにして得られた卵黄含有
クリームの脂肪粒子のメジアン径を測定すると0.90
μmであった。
えた場合の比較をおこなった。
場合の比較をおこなった。
こなわなかった場合の比較をおこなった。
g/cm2 に変えた場合の比較をおこなった。
場合の実施をおこなったなお、このように得られた卵黄
含有クリームの脂肪粒子のメジアン径を測定すると0.
80μmであった。以上の結果を表1に示す。
合温度は℃、殺菌前後の均質化圧はKg/cm2 、粒子
径はμm、粘度はcp、ホイップタイムは分、オーバーラ
ンは%で表した。 注1): 粒子径はHORIBA LA500 (堀場製作所製) で測定
したメジアン径を示す。 注2) : 粘度はB 型粘度計で測定した。 注3): 振盪テストはクリームを20℃に2 時間放置後、
100ml ビーカーにクリーム50mlと粉砕ボール(15mm φ)
を4 個入れ、MULTI SHAKER MMS(TOKYO RIKAKIKAI CO,LT
D.製) で220R.P.M. の振盪をおこないクリームが増粘固
化するまでの時間を測定した。 注4): 物性総合評価はホイップタイム, オーバーラ
ン, 保形性, 粘度, 振盪テストを基に判断した。◎は最
も良好,○は良好,△はやや不良,×は不良である。 注5) : 風味総合評価は17名による官能評価結果で,
乳味,甘味,口溶け,後味について5点法によりおこな
った結果である。 ◎は最も良好,○は良好,△はやや不良,×は不良であ
る。
℃にて乳化混合した後、均質化処理をし再度,殺菌処理
後均質化処理した実施例1の卵黄含有クリームは非常に
良好な物性、風味を呈していた。なお、その時の粒子径
は0.70μmであった。実施例1に対して乳化混合温
度を70℃にした比較例1は実施例1に比べて粘度が高
く、振盪テストも劣っていた。なお、その時の粒子径は
1.20μmであった。また、実施例1と同じ製造方法
で凍結卵黄量を1%にした比較例2は、物性に関しては
実施例1と同じく良好であるが風味が弱く卵黄風味を活
かすことはできなかった。また、実施例1に対して殺菌
前の均質化処理をおこなわず、殺菌後の均質化処理を実
施例1と同圧力でおこなった比較例3は実施例1に比べ
て粘度が高く、振盪テストも劣っていた。なお、その時
の粒子径は1.20μmであった。また、実施例1に対
して殺菌前後の均質化処理圧力を低くした比較例4は実
施例1に比べて粘度が高く振蕩テストも劣っていた。な
お、その時の粒子径は1.40μmであった。
のみおこなっても300Kg/cm2であれば実施例1
よりも劣るが総合物性評価としては良好なものであっ
た。なお、その時の粒子径は0.90μmであった。
1.00μm以下であれば風味良好で且つ物性安定な卵
黄含有クリームを得ることが可能となった。
Claims (3)
- 【請求項1】水中油型乳化組成物中の脂肪粒子のメジア
ン径が1.00μm以下で、卵黄を含有する低粘度のホ
イップクリーム。 - 【請求項2】卵黄が全体に対し3〜20%である請求項
1記載の低粘度のホイップクリーム。 - 【請求項3】40〜65℃で乳化混合した後、殺菌装置
により無菌化処理をおこなう前後でクリーム中の脂肪粒
子を微細化し、粒子のメジアン径を1.00μm以下に
するために均質化処理をおこなうことを特徴とする請求
項1または2に記載の低粘度のホイップクリームの製造
方法。
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---|---|---|---|
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JPH09187242A JPH09187242A (ja) | 1997-07-22 |
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- 1996-01-12 JP JP00422296A patent/JP3453978B2/ja not_active Expired - Fee Related
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