JP2000259096A - 表示デバイス用基板の製造方法および表示デバイス用基板 - Google Patents

表示デバイス用基板の製造方法および表示デバイス用基板

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JP2000259096A
JP2000259096A JP11060650A JP6065099A JP2000259096A JP 2000259096 A JP2000259096 A JP 2000259096A JP 11060650 A JP11060650 A JP 11060650A JP 6065099 A JP6065099 A JP 6065099A JP 2000259096 A JP2000259096 A JP 2000259096A
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film
ito film
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plating
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JP11060650A
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Yoshiaki Tomari
慶明 泊
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材や既設のパターンにダメージを与える高
温のプロセスを用いない下地層を形成し、不要の下地層
をエッチャントよる損傷なしに除去する。 【解決手段】 印刷・焼成法により形成されたパターン
を有している基板1に、湿式のメッキ法によりメッキパ
ターン3を形成するとき、このメッキパターンの下地層
として、ITO膜2を非加熱スパッタ成膜法により形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイス用基
板の製造方法および表示デバイス用基板に係わり、特
に、一般にフラットパネルディスプレイ(以下、FPD
と記す)と称される画像表示装置に用いる表示デバイス
用基板の製造方法および表示デバイス用基板に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、FPDに用いる配線の層構成とし
ては、以下に記述されるものが知られている。
【0003】例えば、銀ペーストをガラス基板上に印刷
して、所望のパターンを形成し、これを焼成して定着さ
せるものがある。また、他の例として、ZnOもしくは
WO 3 からなる半導体層をガラス基板上に形成し、この
上に、Pd、Pt、Au、Agなどをメッキにより積層
後、さらに、銅などの導電性層をメッキにより積層した
層構成を有するものが知られている(特開平4−172
11号公報、及び、特開平6−61619号公報)。
【0004】さらに他の例としては、ガラス基板、また
は、ガラス基板上に成膜した結晶性ITO上に、ニッケ
ル・リン下地金属層を積層した後、これに所定の絶縁層
を形成し、下地金属層が露出している部分に、電気メッ
キ法にて銅メッキ層を積層した層構成を有するものなど
が知られている(特開平8−227656号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
表示デバイス用基板に用いられている層構成には、以下
のような問題があった。すなわち、銀ペーストを印刷・
焼成する場合や、銀フォトペーストをパタニング後に焼
成した場合には、ペースト中に添加された鉛ガラスなど
の影響により、バルクの銀に比べて、出来上がった膜の
配線抵抗が大きくなるという問題があった。
【0006】また、上記の添加物を減らして、バルクの
特性に近づけようとすると、必然的に500℃近辺での
焼成が必要となり、エネルギーコストが高くなるばかり
か、基材や基材上に形成された他のパターンにも悪影響
を及ぼす確率が大きくなるという問題が加わる。
【0007】同様に、ZnOもしくはWO3 からなる半
導体層を密着性の向上のために用いる場合にも、これら
の半導体層を形成するための成膜プロセスに、高温での
熱処理が必要であり、基材や基材上に形成された他のパ
ターンにも悪影響を及ぼす確率が大きくなるという問題
がある。
【0008】また、ガラス基板や既設の印刷・焼成パタ
ーンとメッキ層との密着を向上させる目的で、通常のス
パッタにより形成される結晶性のITOを使用する場合
には、結晶化させるために300℃付近でのポストベー
クが必要となり、熱ダメージを受け易いパターンや基材
に対して上記と同様な問題が発生する。さらに、この結
晶性のITOパターンの下部に印刷・焼成により形成さ
れたパターンがあるような場合、この印刷・焼成パター
ンへのダメージを回避しながら結晶性のITO膜を薬剤
により選択除去することは、かなりの困難を伴う。これ
は、前にも述べたようにペースト中に含まれる焼成温度
低温化のための添加剤、すなわち、鉛化合物などが、結
晶性ITOのエッチャントにより溶解され易いためであ
る。したがって、このダメージを低減するために、新た
な保護レジストのパターンを形成しなければならない場
合が生じる。 [発明の目的]本発明は、以上のような問題点を解消す
るために成されたもので、その目的とするところは、基
材や既設のパターンにダメージを与えるような高温のプ
ロセスを用いずに、湿式のメッキ層を積層するための密
着層として機能する下地層を形成でき、さらに、不要と
なった下地層を除去する際に使用するエッチャントが原
因の既設のパターンへの損傷を、保護レジストレスのプ
ロセスを用いるにもかかわらず、最小限に抑制すること
が可能な製造プロセスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、本発明では、印刷・焼成法により形
成されたパターンを有している基板に、湿式のメッキ法
によりメッキパターンを形成するとき、このメッキパタ
ーンの下地層として、ITO膜を非加熱スパッタ成膜法
により形成することを特徴としている。
【0010】ここで用いられるITO膜は、200℃以
下の基板温度により成膜されることが望ましく、その結
果として、膜質が非結晶性の性質を有するために、5%
以下の濃度(より好ましくは3.5%以下の濃度)の蓚
酸水溶液への浸漬にて溶解除去することができる。
【0011】このようなソフトな酸により剥離が可能で
あるため、上記ITO膜が、ガラス基板等の基板、又
は、ガラス基板等の基板上に形成された既設のパターン
の上に、全面にわたって積層され、メッキパターン形成
後に最終的に不要となった部分のITO膜を除去する際
に、剥離液のアタックを受ける可能性のある下部の構造
体、すなわち、ガラス基板等の基板上に印刷・焼成法な
どにより積層された配線、電極、絶縁パターンなどの劣
化を、保護レジストの形成なしに、最小限に留めること
ができる。
【0012】このようなプロセスを採用することによ
り、プロセス温度の引き下げと、パタニング工程におけ
る歩留まり向上、プロセスの短縮などが期待できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。なお、図1および図2は、本発明の代表的
な層構成を、図3は、本発明の代表的なパタニング方法
を示した模式図である。
【0014】各図において、1は基材、2は非加熱スパ
ッタ成膜法により形成された非結晶性ITO膜、3,4
a,4bは湿式のメッキ法により積層されたメッキ膜、
5a,5bは表示用ディスプレイにおける電極、6は電
極5aと導通している配線、7は絶縁層、8は保護レジ
ストである。 (基材)本発明における表示デバイス用基板の基材とし
ては、一般に青板ガラスやフロートガラスとして知られ
るアルカリ含有ガラス(一例として、日本板硝子製の商
品名:U.F.F Glass)、および、一般にホウケイ酸ガラ
スなどとして知られるアルカリ成分をほとんど含有しな
いもの(一例として、コーニング製の商品名:#705
9)、さらに、フロートガラスなどの表面にSiO2
どのアルカリ漏洩保護膜を形成したもの(一例として、
日本板硝子製の商品名:Hコートガラス)、その他を使
用することができる。 (ITO膜)本発明においては、図1、図2、図3に示
したように、既設のパターンや電極を有する基材の全面
に、非加熱スパッタ成膜法により、非結晶性のITO膜
を積層する。
【0015】本発明でいうITO膜とは、以下のような
要件を満足しているものが望ましい。
【0016】すなわち、成膜時、および、成膜後に積極
的な加熱を行わず、膜の結晶化を低く抑えたものであ
り、スパッタ中に基板温度が200℃を超えて上昇しな
いよう制御して成膜を行い、なおかつ、成膜後に、低濃
度の蓚酸により容易にエッチング除去されるという特性
を有しているものである。
【0017】このような特性を持った非結晶性ITOの
成膜条件の一例を以下に示す。 スパッタ条件: 定電流制御 1.2(A) 加熱条件: 非加熱 成膜圧力: 7×10-3(Torr)( Base Pressure3.5×10-6(T orr)) ガス流量: Arガス 200(SCCM) O2 ガス 1.0(SCCM) 上記成膜条件により積層された非結晶性ITO膜は、以
下に示すエッチャントにより容易に除去ができる。 エッチャント組成: 蓚酸 3.5(%)水溶液 液温: 43(℃) 青板ガラスなどの基材1上に電極5a,5bと絶縁層7
が、あらかじめ形成されている図2の(a)に示したよ
うな基板の全面に非結晶性ITO膜2を積層し、さら
に、レジスト8を被覆後に、これをパタニングして、湿
式のメッキ層を積層したい非結晶性ITO膜2の部位を
露出させ、その上にパターンメッキ法による積層膜3を
形成したときの模式図が図2の(b)である。
【0018】上記工程に引き続いて、不要となったレジ
スト8を剥離除去したときの模式図が図2の(c)であ
り、この工程によりレジストパターンの下より出現した
非結晶性ITO膜2を、蓚酸水溶液によって溶解・除去
したものの模式図が図2の(d)である。
【0019】ここで、注意する必要があるのは、積層す
る非結晶性ITO膜の膜厚であり、膜厚を厚くし過ぎる
と、スパッタ時に発生する熱により、積極的な加熱を行
わなくても、基板上の非結晶性ITO膜の温度が昇温し
てしまう。非結晶性ITO膜が成膜中に過度に昇温して
しまうと、膜質が非結晶性から結晶性へと変化してしま
い、蓚酸のようなソフトな酸によるエッチングを受け付
けなくなる。
【0020】この問題を防止するには、成膜時の膜温度
を200℃以下に抑制するとよいが、この場合にはトー
タルの成膜時間が制限されてしまう。すなわち、所望の
特性を有する非結晶性ITO膜を積層するためには、膜
厚を一定値以下にコントロールすることが求められる。
【0021】本件出願人の実験によれば、非結晶性IT
Oの膜厚を0.2μm以下、好ましくは0.15μm以
下、さらに好ましくは0.12μm以下に抑制すること
が望ましい。
【0022】なぜならば、非結晶性ITOの膜厚が0.
2μmを超えるまでスパッタを行った場合には、蓚酸よ
りも強い酸により非結晶性ITO膜の剥離を行う必要が
生じ、非結晶性ITO膜の下に形成されている既存のパ
ターンがダメージを受けてしまうからである。
【0023】また、この非結晶性ITO膜を、湿式のメ
ッキ法による積層のための下地膜として機能させるため
には、非結晶性ITOの膜厚を、0.05μm以上、好
ましくは0.07μm以上、さらに好ましくは、0.1
μm以上とすることが望ましい。
【0024】なぜならば、非結晶性ITOの膜厚が0.
05μmよりも小さい場合、メッキ膜を積層するための
前処理薬品や、メッキ液自体により、非結晶性ITO膜
がアタックされ、多数のピンホールを生じる危険性があ
るためである。
【0025】以上のような非結晶性ITOをメッキのた
めの下地層とすることで、積層されたメッキ層を、あた
かもレジストのごとく扱うことが可能となる。これは、
非結晶性ITO膜が非常にソフトな酸により溶解除去さ
れるためであり、積層したメッキ膜を保護する保護レジ
スト形成を省略することができる。
【0026】このような特性は、成膜時、及び、成膜後
に積極的に加熱成膜を行う通常の結晶性ITOを積層し
た場合には、期待することができない。
【0027】ちなみに、本発明に先立って出願されてい
る特開平8−227656号公報中にも、ITO上への
メッキ膜の積層に関する記載があるが、上記非結晶性I
TO膜に特開平8−227656号公報中に記載された
前処理を施したところ、非結晶性ITO膜は消失してし
まった。すなわち、同公報中に記載されたITO膜は、
明らかに積極的な加熱処理を経過している結晶性のIT
O膜である。
【0028】また、図1に示したように、基材1上に絶
縁層7、配線6、電極5a,5bが既設されているよう
な基板の上に非結晶性ITO膜を積層して、メッキ法に
よる積層のための下地層とすることができる。
【0029】図1の(a)は、このような表示用デバイ
ス基板を上方から見たときの模式図であり、図1の
(a)において、1はガラス基板、3は上方からは見る
ことのできない非結晶性ITO膜上に積層されたメッキ
法により形成された配線、5a,5bは既設の電極、6
は電極5aと導通している配線、7は配線3と配線6を
導通させないための絶縁膜である。
【0030】また、図1の(b),および(c)は、図
1の(a)を、それぞれ異なる側面(X方向、Y方向)
より見たときの模式図であり、図1の(a)においては
表示されなかった非結晶性ITO膜2を介してメッキ配
線3と電極5bが接続されていることが示されている。
【0031】このような基板を作成するための積層プロ
セスは、基本的に図2に示したプロセスと同一である。
【0032】さらに、図3(a),(b)は、図1に示
したような積層プロセスで、複数のメッキ層を積層した
ときの模式図であり、メッキ層3の積層に引き続いて、
メッキ層4a、および4bの積層を行い、しかる後に、
保護レジストと不要な非結晶性ITO膜の除去を行って
いる。
【0033】以上説明した本発明の積層プロセスを用い
ると、メッキ層の積層に電気メッキ法を用いた場合、基
板全面に非結晶性ITOが残っている状態で、パターン
メッキを行えるため、基板のサイズが大きくなればなる
ほど積層膜の膜厚分布に有利に作用する。
【0034】以下において、図1の(a),(b),
(c)に示したような層構造を有する基板の製造プロセ
スについて、さらに詳しく説明を行う。
【0035】図1において、基材1は無アルカリガラス
であり、この基板1上にオフセット印刷法により、白金
電極パターン5a,5bを塗布、焼成し、膜厚を0.1
μmとした。次に、この電極5aの一部に接続されるよ
うに、基材1上にスクリーン印刷法にて銀ペーストを塗
布、焼成し、10μmの膜厚を有する銀配線6を形成し
た。同じく、スクリーン印刷法により、この銀配線6に
直交するように、基材1上に絶縁ペーストを塗布、焼成
し、15μmの膜厚を有する絶縁層7を形成した。
【0036】以上のようにして作成された基板の全面
に、本発明よる非結晶性ITOを0.12μm積層し、
図示されていないレジスト形成・パタニングプロセスに
より、絶縁層と電極5bの上面の一部を露出させ、この
露出した部分の非結晶性ITO膜に、ニッケル・リン合
金メッキ層、または、パラジウム・リン合金メッキ層を
積層し、しかる後に、図示されていないレジスト剥離プ
ロセスを行い、さらに、レジストにより保護されていた
不要な非結晶性ITO膜を43℃に加温した3.5%蓚
酸水溶液により除去し、図1の(a),(b),(c)
に示したような層構成を有する基板を作成した。
【0037】この場合、ニッケル・リン合金メッキ層、
または、パラジウム・リン合金メッキ層の積層に引き続
いて、銅、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金、また
は、これらの合金の中から選ばれたメッキ層をパターン
メッキし、その後に、レジストおよび不要な非結晶性I
TO膜の剥離・除去を行っても良い。一例として、ニッ
ケル・リン合金メッキ層3の積層に引き続いて、パラジ
ウムメッキ層4aを積層し、さらに、銅メッキ層4bを
積層したときの模式図(図1の(b)と同一の方向より
見た場合)を図3の(a),(b)に示す。
【0038】一般に、印刷・焼成により形成された配線
・電極・絶縁パターンは、焼成温度の低温化を図るため
に、主たる成分の他に低融点化のための添加物を含有し
ている。この添加物として、しばしば、酸化鉛などが用
いられるが、焼成後にも残存するこれらの添加物は酸性
の水溶液などに侵されやすい。
【0039】本発明によれば、非結晶性ITO膜は4%
前後の蓚酸という、非常にソフトで低濃度の酸により溶
解除去できるため、この様に耐薬品性の弱い印刷・焼成
パターン上に改めて保護レジストを設けなくとも、これ
らのパターンへのダメージを抑制して、不要な部分の非
結晶性ITO膜を除去できる。
【0040】逆に、本発明による非結晶性ITO膜では
なく、通常の結晶性ITO膜を積層し、図3と同じ層構
成を有するパターンを形成しようとした場合には、不要
なITO膜の溶解除去のために、上記蓚酸水溶液よりも
強力な酸を用いなければならず、印刷・焼成パターン保
護のために、新たなレジスト・パタニングが必要とな
り、プロセスが長くなり、経済的ではない。
【0041】以上のことは、上記の印刷・焼成パターン
以外の、フォトペースト法やメッキ法、スパッタ法など
により形成されているパターンにも、程度の差はある
が、共通することであり、非結晶性ITO膜をメッキ層
の下地層とすることで、基板の品質を低下させることを
避けながら、工程を短縮することができる。
【0042】
【実施例】以下、具体的な数値を用いて本発明の実施例
について説明を行う。 [実施例1]100mm×100mm×厚さ2.5mm
の青板ガラス(日本板硝子製)上に、印刷・焼成法によ
り以下のパターンを形成したものを、基材1として使用
した。
【0043】5a: 白金パターン(オフセット印刷
法) 膜厚0.1μm 150μm×400μm 5b: 白金パターン(オフセット印刷法) 膜厚0.
1μm 150μm×300μm 6: 銀配線 (スクリーン印刷法) 膜厚10
μm L/S=100μm/400μm 7: 絶縁パターン(スクリーン印刷法) 膜厚10
μm L/S=300μm/400μm この基材1上の上面に、前述した非結晶性ITO膜2を
0.12μm積層した。
【0044】次に、この非結晶性ITO膜上に東京応化
工業製のレジストであるTPRをスピンコーターにより
塗布した後に、100℃の雰囲気中にて20分間のプレ
ベークを行い、ライン・アンド・スペース(以降におい
てはL/Sと表記する)のラインパターンを有するマス
クを用いて露光を行い、これに、同じく東京応化工業製
のTPR専用現像液をスプレーして現像後、イオン交換
水によりスプレー水洗し、窒素ブローにて水分を除去
後、100℃の雰囲気中にて30分間のバーニングを行
った。
【0045】このパタニング基板を室温まで冷却後、中
性〜弱アルカリ性の水溶液に浸漬し脱脂処理を行った後
(一例をあげれば、ヘンケル製洗浄剤、siliron
Lの3ml/L水溶液を60℃に加温したものへの1
分間の浸漬など)、イオン交換水による水洗を行って、
さらに、低濃度の塩酸や塩化第2鉄などのエッチャント
によるソフトエッチングを行い(一例をあげれば、co
nc.塩酸の1mol/L水溶液または、0.1mol
/Lの塩化第2鉄水溶液、または、これらの混合液への
室温における30〜60秒間の浸漬など)、再び、イオ
ン交換水で水洗後、パラジウム塩を含有する水溶液に浸
漬し(一例をあげれば、メルテックス社製のメルプレー
トアクチベータ440の130ml/L水溶液を水酸化
ナトリウムによりpH6.3に調整したものへの室温に
おける2分間の浸漬など)、必要に応じて、水洗やパラ
ジウム塩の還元を行った後に、弱酸性の無電解ニッケル
・リンメッキ液に浸漬して、ニッケル・リンメッキ層を
0.2μm積層した(一例をあげれば、メルテックス社
製メルプレートNi−1402M1を60ml、メルプ
レートNi−1402M2を120ml混合し、イオン
交換水により1Lとしたもので、pH4.6、液温70
℃への3分間の浸漬)。
【0046】以上のプロセスにおいては、非結晶性IT
O膜の耐酸性および耐アルカリ性に注意し、過度のエッ
チングや膜の溶解が生じないような前処理薬品を選ぶ。
【0047】このようにしてメッキ層を積層後に、東京
応化工業製のTPR専用剥離液に浸漬しレジストを除去
し、さらに、43℃に加温した3.5%の蓚酸水溶液を
用いて、露出する非結晶性ITO膜を剥離し、イオン交
換水にて水洗後、130℃のオーブン中にて30分間の
焼成を行い、図1の(a),(b),(c)に示したよ
うな層構成を有する基板を作成した。このようにして作
成したパターンは通常のテープテストによる密着テスト
において、パターン剥離などは生じなかった。
【0048】また、不要な非結晶性ITO膜のエッチン
グによる除去の際、保護レジストによる保護を行わなく
ても、積層されたパターン、および、印刷・焼成パター
ンはダメージを受けなかった。 [実施例2]非結晶性ITO膜上に積層するメッキ層と
してパラジウム・リンメッキ膜を用いた以外は、実施例
1と同様にして、図1の(a),(b),(c)に示し
たような層構成を有するパターンを作成した。
【0049】ここで、使用した無電解パラジウム・リン
めっき液は、奥野製薬製の商品名:ムデンノーブルPD
であり、pH6.2の溶液を55℃に加温したものに、
基板を3分間浸漬してパラジウム・リンメッキ層3を
0.15μm積層した。
【0050】無電解パラジウム・リンめっき液として
は、上記のもの以外にも、メルテックス社製のパラマー
スSMTなども好適に使用することが可能である。
【0051】このようにして作成したパターンは通常の
テープテストによる密着テストにおいて、パターン剥離
などは生じなかった。
【0052】また、不要な非結晶性ITO膜のエッチン
グによる除去の際、保護レジストによる保護を行わなく
ても、積層されたパターン、および、印刷・焼成パター
ンはダメージを受けなかった。 [実施例3]実施例2においてレジストを除去する前
に、パラジウム・リンメッキ層3の上に銀メッキ層4a
を10μm積層し、後の工程は実施例2と同様に行い、
図3の(a)に示したような層構成を有する基板を作成
した。
【0053】銀メッキ層4aの積層は、電気メッキ法に
より行ったものであり、使用したメッキ液は、N.E.
ケムキャット社製の商品名S−900、メッキ条件は、
浴温60℃、電流密度0.2(A/cm2 )で行った。
【0054】この銀メッキ層積層後は、実施例2と同様
にして基板を作成した。
【0055】このようにして作成したパターンは通常の
テープテストによる密着テストにおいて、パターン剥離
などは生じなかった。
【0056】また、不要な非結晶性ITO膜のエッチン
グによる除去の際、保護レジストによる保護を行わなく
ても、積層されたパターン、および、印刷・焼成パター
ンはダメージを受けなかった。 [実施例4]実施例1において、ニッケル・リンメッキ
層3を積層後に、引き続いて、リンを含まないパラジウ
ムメッキ層4aを0.1μm積層し、さらに、実施例1
と同じメッキ液を用いて、銀メッキ層4bを10μm積
層した。
【0057】このパラジウムメッキ層の積層は、無電解
めっき法により行ったものであり、使用したメッキ液
は、小島化学薬品製の商品名パレット(建浴時のパラジ
ウム濃度1g/L)で、メッキ条件は、浴温75℃、メ
ッキ時間2分で行った。
【0058】その後、実施例1と同様にして保護レジス
トの剥離と露出した非結晶性ITO膜の剥離を行い、図
3(b)に示したような層構成を有する基板を作成し
た。
【0059】この様にして作成された基板は、通常のテ
ープテストによる密着テストにおいて、パターン剥離な
どは生じなかった。
【0060】また、不要な非結晶性ITO膜のエッチン
グによる除去の際、保護レジストによる保護を行わなく
ても、積層されたパターン、および、印刷・焼成パター
ンはダメージを受けなかった。 [実施例5]実施例4において銀メッキ層を積層する代
りに、銀メッキ層の積層を行った。
【0061】ここで使用した銅メッキ条件は、以下に示
したものを用いており、その他の条件は実施例4と同一
にて行い、図3(b)に示したような層構成を有する基
板を作成した。 銅メッキ条件 硫酸銅90g/L、硫酸190g/L、塩素イオン50ppm、 日本リーロナール社製の商品名:カパーグリームJHT−A 2ml/L、 :カパーグリームJHT−C 5ml/L、 浴温 25℃、電流密度 1A/dm2 、 この様にして作成された基板は、通常のテープテストに
よる密着テストにおいて、パターン剥離などは生じなか
った。
【0062】また、不要な非結晶性ITO膜のエッチン
グによる除去の際、保護レジストによる保護を行わなく
ても、積層されたパターン、および、印刷・焼成パター
ンはダメージを受けなかった。
【0063】また、改めて実施例としての記載は行わな
いが、前述したパラジウムメッキ層の上には、下記のメ
ッキ液による金や白金の積層も容易に行うことができ
る。 無電解金メッキ シアン化金カリウム3g/L、 日本リーロナール社製の商品名:オウロレクトロレスUP 150ml/L、 浴温 80℃、 または、 大和化成社製の商品名:ダインゴールド 浴温 70℃ 無電解白金メッキ エヌ・イー・ケムキャット社製の商品名:EL−Pt A剤 10ml :EL−Pt B剤 1L 浴温 70℃ [比較例1]本発明の非結晶性ITO膜の代りに、結晶
性のITO膜9を用いて実施例1と同様のプロセスを行
ったところ、不要な部分のITO膜の剥離・除去を、実
施例1で用いた蓚酸水溶液で行えなかった。
【0064】また、積層膜の保護を行わないで、このI
TO膜を溶解除去するのに十分な濃度を有する塩酸を使
用したところ、積層膜は塩酸によるアタックを受けて一
部が剥離してしまった。
【0065】この状態の模式図を図4に示す。
【0066】以上、説明した実施例は、本発明を基に製
作された表示デバイス用基板の、代表的な製造方法を示
したに過ぎず、本発明は、前記の特定の実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の技術範囲において、数々の
変形・応用が可能であることは勿論である。
【0067】
【発明の効果】本発明は、以上、詳述したような製造方
法を採用することで、形成したパターンがパタニング時
に受けるダメージを最小限に抑えることができるばかり
か、新たな保護レジストの形成を行うこと無しに、メッ
キのための下地層の不要部分を除去することが可能であ
り、メッキ配線を有する表示デバイス用の基板を作成す
る際に、品質の向上と、製造コストの引き下げが大いに
期待できる。
【0068】すなわち、本発明によれば、基材上に、メ
ッキ膜のための下地層として、非加熱スパッタ成膜法に
よりITO膜を形成することで、メッキによるパターン
形成後に不要となる下地層を、新たな保護レジストパタ
ーンの形成なしに、除去することができる。
【0069】本発明は、この様にプロセスを短縮できる
という効果があるばかりか、既存のパターンに、印刷・
焼成法を用いて製造された部分がある場合でも、これら
印刷パターンにダメージを与えること無く、密着性に優
れたメッキパターンの積層を行うことができるというメ
リットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、2の製造方法により作成さ
れた基板の層構成を示す模式図である。
【図2】本発明の代表的な積層プロセスの模式図であ
る。
【図3】(a)は本発明の実施例3の製造方法により作
成された基板の層構成を示す模式図、(b)は本発明の
実施例4、5の製造方法により作成された基板の層構成
を示す模式図である。
【図4】本発明の比較例1の膜状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 基材 2 非結晶性ITO膜 3,4,4a,4b 積層されたメッキ膜 5a,5b 電極 6 配線 7 絶縁層 8 保護レジスト 9 結晶性ITO膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 JB02 LA01 2H092 MA05 MA10 MA11 MA18 NA17 4M104 AA10 BB06 DD37 DD42 DD52 DD53 DD64 GG20 HH08 5C094 AA42 AA43 AA44 BA27 BA31 BA43 BA52 DA13 DB01 DB04 EA05 EA10 FA01 FA02 GB10 JA01 JA20 5E343 AA26 BB25 BB44 BB49 BB59 BB72 CC33 DD02 DD03 DD25 DD33 DD43 EE52 ER18 GG02 GG11 GG20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷・焼成法により形成されたパターン
    を有している基板に、湿式のメッキ法によりメッキパタ
    ーンを形成するとき、このメッキパターンの下地層とし
    て、ITO膜を非加熱スパッタ成膜法により形成するこ
    とを特徴とする、表示デバイス用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の表示デバイス用基板の
    製造方法において、前記ITO膜を非加熱スパッタ成膜
    法により形成するにあたり、成膜時の基板温度を200
    ℃以下とすることを特徴とする、表示デバイス用基板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の表示デバイス用基板の
    製造方法において、前記ITO膜の剥離を、5%以下の
    蓚酸水溶液により行うことを特徴とする、表示デバイス
    用基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の表示デバイス用基板の
    製造方法において、前記ITO膜の剥離を、3.5%以
    下の蓚酸水溶液により行うことを特徴とする、表示デバ
    イス用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 ITO膜を非加熱スパッタ成膜法により
    形成後に、レジストによる保護パターンを形成し、露出
    する該ITO膜の上に、湿式のメッキ法によりパターン
    メッキを行った後、該レジストを除去し、蓚酸水溶液に
    より、露出した前記ITO膜の溶解・除去を行うことを
    特徴とする、表示デバイス用基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの請求項に記載
    の製造方法により作製された表示デバイス用基板。
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