JP7331586B2 - 膜付基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、めっき金属膜などを含む積層膜をパターニングした膜付基板の製造方法に関する。
テレビ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等に使用されるディスプレイ装置では、金属膜をパターニングした電極膜が表面に設けられた膜付基板が用いられている。このような膜付基板は、例えば、基板の上に金属膜を形成した後、金属膜の上にエッチングマスクとしてレジスト膜を形成し、エッチング液を用いて金属膜をエッチングし、パターニングすることにより製造されている。
例えば、下記の特許文献1には、過酸化水素を2~5質量%、及びシュウ酸二水和物とシュウ酸塩を合量で1質量%以下含む、エッチング液を用いて、貴金属を含む無機物膜の上にめっき金属膜が形成された積層膜をパターニングする膜付ガラス基板の製造方法が開示されている。
国際公開第2018/070184号
エッチングの際、レジスト膜の端部において、レジスト膜の下方の金属膜がエッチングされる現象、いわゆるサイドエッチングを生じることが知られている。近年、ディスプレイの高精細化や、電極として用いられるメタルメッシュパターンの視認性を低減する目的等により、電極膜の線幅が細くなってきている。このため、サイドエッチングの量が大きくなると、電極膜の線幅のばらつきが大きくなるという問題が生じる。
特許文献1の膜付ガラス基板の製造方法では、上記のエッチング液を用いることにより、サイドエッチングの量を小さくすることができるとされている。しかしながら、特許文献1の膜付ガラス基板の製造方法によっても、サイドエッチングの量をなお十分に小さくすることができない場合があり、電極膜の線幅のばらつきをなお十分に小さくすることができないという問題がある。
本発明の目的は、サイドエッチングの量を効果的に小さくすることができる、膜付基板の製造方法を提供することにある。
本発明に係る膜付基板の製造方法は、少なくとも貴金属を含む無機物膜と、前記無機物膜の上に形成された第1のめっき金属膜とを有する積層膜を、基板の上に形成する積層膜形成工程と、第1のエッチング液を用いて前記第1のめっき金属膜をパターニングする第1のエッチング工程と、第2のエッチング液を用いて前記無機物膜をパターニングする第2のエッチング工程と、を備え、前記第2のエッチング液が、前記第1のめっき金属膜を酸化させる成分を実質的に含まないことを特徴としている。
本発明においては、前記第2のエッチング液が、有機酸及び有機酸塩のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明においては、前記第2のエッチング液が、シュウ酸及びシュウ酸ナトリウムのうち少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明においては、前記第1のエッチング液が、過酸化水素、シュウ酸、及びシュウ酸ナトリウムを含むことが好ましい。
本発明においては、前記第1のめっき金属膜が、無電解めっきにより形成されることが好ましい。
本発明においては、前記積層膜が、電解めっきにより形成される第2のめっき金属膜を、前記第1のめっき金属膜の上にさらに有し、前記第1のエッチング工程において、前記第1のエッチング液を用いて前記第1のめっき金属膜及び前記第2のめっき金属膜をパターニングすることが好ましい。
本発明においては、前記第1のめっき金属膜が、ニッケルを有することが好ましい。
本発明においては、前記第2のめっき金属膜が、銅を有することが好ましい。
本発明によれば、サイドエッチングの量を効果的に小さくすることができる。
本発明の一実施形態に係る膜付基板の製造方法を説明するための模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る膜付基板の製造方法を説明するための模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る膜付基板の製造方法を説明するための模式的断面図である。 実施例1における第2のエッチング時間と積層膜の残留成分量との関係を示す図である。 比較例1における第1のエッチング工程のオーバーエッチング時間と積層膜の残留成分量との関係を示す図である。 第1のエッチング工程のオーバーエッチング時間と積層膜のサイドエッチング量との関係を示す図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
本発明に係る膜付基板の製造方法は、積層膜形成工程と、第1のエッチング工程と、第2のエッチング工程とを備える。上記積層膜形成工程は、少なくとも貴金属を含む無機物膜と、無機物膜の上に形成された第1のめっき金属膜とを有する積層膜を、基板の上に形成する工程である。上記第1のエッチング工程は、第1のエッチング液を用いて第1のめっき金属膜をパターニングする工程である。また、上記第2のエッチング工程は、第2のエッチング液を用いて無機物膜をパターニングする工程である。本発明において、上記第2のエッチング液は、第1のめっき金属膜を酸化させる成分を実質的に含まない。
本発明においては、第1のエッチング液を用いて第1のめっき金属膜をパターニングする第1のエッチング工程の後、第1のめっき金属膜を酸化させる成分を実質的に含まない第2のエッチング液を用いて無機物膜を選択的にパターニングする第2のエッチング工程を行うことにより、第2のエッチング工程における第1のめっき金属膜のサイドエッチングを抑制することができる。
従って、本発明の膜付基板の製造方法によれば、サイドエッチングの量を効果的に小さくすることができる。
以下、図1~図3を参照して、本発明の一実施形態に係る膜付基板の製造方法の各工程について詳細に説明する。
(積層膜形成工程)
図1に示すように、基板1の上に、積層膜6を形成する。より具体的には、まず、基板1の上に、無機物膜2を形成する。次に、無機物膜2の上に、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4をこの順に形成し、それによって、積層膜6を形成する。なお、本実施形態では、無機物膜2の上に、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4の双方を形成しているが、第2のめっき金属膜4は形成しなくともよく、無機物膜2の上に、第1のめっき金属膜3のみを形成してもよい。
基板1の材料は、特に限定されず、例えば、ガラス、セラミックス、又は樹脂等を用いることができる。なお、耐候性や薄板化等の観点からガラスを用いることが好ましい。ガラスとしては、例えば、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。また、強化ガラスとして用いられるアルミシリケートガラスであってもよい。
基板1の厚みは、特に限定されず、例えば、10μm以上、300μm以下とすることができる。基板1の厚みは、好ましくは20μm以上、より好ましくは50μm以上、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。
基板1の厚みが上記下限値以上である場合、第1のめっき金属膜3の応力により基板1が反ったり、皺が寄ったりすることをより生じ難くすることができる。また、基板1の破損をより生じ難くすることができる。基板1の厚みが、上記上限値以下である場合、基板1の可撓性を向上させることができ、曲面であるディスプレイ等により好適に使用することができる。
無機物膜2は、少なくとも貴金属を含む。貴金属としては、特に限定されず、例えば、金、銀、白金、パラジウム、又はルテニウム等を用いることができる。また、本実施形態では、無機物膜2は、黒色層である。もっとも、本発明において、無機物膜2は、他の色の層であってもよい。
このような無機物膜2としては、例えば、基板1に吸着しやすい塩化錫、塩化亜鉛、塩化銅等に、亜硫酸金ナトリウム、塩化銀、硝酸銀、ヘキサクロロ白金(IV)酸6水和物、塩化パラジウム、塩化ルテニウム等を付与したものが挙げられる。無機物膜2は、上記の貴金属に加えて、例えば、ニッケル、コバルト、銅等の無電解めっきの触媒となる金属を含んでもよい。
無機物膜2の形成方法は、特に限定されず、例えば、以下の方法により形成することができる。具体的には、基板1を錫、亜鉛、銅のうち1種類もしくは複数種類以上を含む溶液に浸漬し、それらの金属イオンを基板1の表面に吸着させ、次に、貴金属を含む水溶液に浸漬する。これによって、イオン化傾向の差によって、錫、亜鉛、銅等の金属イオンと貴金属イオンが置換され、基板1上に貴金属あるいは貴金属化合物を含む膜が形成される。このようにして形成される無機物膜2は、酸化物膜である。なお、この膜が形成された基板1を還元性溶液に浸漬してもよい。この場合、膜の表面近傍の貴金属を還元し、無電解めっきの触媒作用を有する状態にすることができる。もっとも、この場合においても、還元されるのは、膜の表面近傍の貴金属のみであるので、後述の第2のエッチング液を用いて無機物膜2をエッチングすることができる。
無機物膜2の厚みは、特に限定されず、例えば、0.03μm以上、1.0μm以下とすることができる。無機物膜2の厚みは、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.07μm以上、好ましくは0.7μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。無機物膜2の厚みが上記下限値以上である場合、第1のめっき金属膜3の生成速度をより一層速めることができる。また、無機物膜2の厚みが、上記上限値以下である場合、必要以上に貴金属を多くせずともよく、経済性の観点からより一層好ましい。
第1のめっき金属膜3は、例えば、無電解めっきにより形成することができる。また、第2のめっき金属膜4は、例えば、電解めっき又は無電解めっきにより形成することができる。
第1のめっき金属膜3は、銅又はニッケルを含むものであることが好ましい。銅及びニッケルは、微細エッチングが可能な金属材料であるため好ましい。銅は、電気抵抗が低く、無電解めっきでは、膜厚が均一に形成される。ニッケルは、無機物膜2に対する密着性が良好である。
第1のめっき金属膜3の厚みは、特に限定されず、例えば、0.05μm以上、5.0μm以下とすることができる。第1のめっき金属膜3の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。第1のめっき金属膜3の厚みが上記下限値以上である場合、第1のめっき金属膜3の上に電解めっきで第2のめっき金属膜4を形成するときに、第2のめっき金属膜4の膜厚をより一層均一にすることができる。また、第1のめっき金属膜3の厚みが上記上限値以下である場合、成膜時間をより一層短くすることができ、それによって生産効率をより一層高め、製造コストをより一層低減することができる。
第2のめっき金属膜4は、特に限定されるものではないが、電極としての用途を考慮すると、電気抵抗が低いことが好ましく、この観点から銅又はニッケルが好ましい。体積抵抗率は、無電解めっき銅及び電解めっき銅で3μΩ・cm、電解めっきニッケルでは8μΩ・cmである。また、銅及びニッケルは、上述したように、微細エッチングが可能な金属材料であるため好ましい。
第2のめっき金属膜4の厚みは、例えば、0.1μm以上、5.0μm以下である。第2のめっき金属膜4の厚みは、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上、好ましくは3.0μm以下、より好ましくは2.0μm以下である。第2のめっき金属膜4の厚みが上記下限値以上である場合、電極としての導電性をより一層高めることができる。第2のめっき金属膜4の厚みが上記上限値以下である場合、成膜時間をより一層短くすることができ、それによって生産効率をより一層高め、製造コストをより一層低減することができる。
第1のめっき金属膜3を無電解めっき銅、第2のめっき金属膜4を電解めっき銅で構成した場合には、厚みが均一な低抵抗率の積層膜6が短時間で得られる。また、第1のめっき金属膜3、第2のめっき金属膜4がともに銅で構成されるため、エッチングによる微細加工が容易になる。
第1のめっき金属膜3を無電解めっき銅、第2のめっき金属膜4を無電解めっき銅で構成した場合には、ともに銅により構成されるため、エッチングによる微細加工が容易になる。
第1のめっき金属膜3を無電解めっき銅、第2のめっき金属膜4を無電解めっきニッケルまたは電解めっきニッケルで構成した場合には、表面がニッケルで構成されるため、耐食性に優れる。
第1のめっき金属膜3を無電解めっきニッケル、第2のめっき金属膜4を電解めっき銅で構成した場合には、積層膜6の抵抗率を低くすることができる。また、厚みが均一な積層膜6が形成できる。また、安価なめっき浴を使用でき、低抵抗な積層膜6を、安価に生産性良く形成することができる。
第1のめっき金属膜3を無電解めっきニッケル、第2のめっき金属膜4を無電解めっきニッケル又は電解めっきニッケルで構成した場合には、ともにニッケルにより構成されるため、エッチングによる微細加工が容易になる。また、表面がニッケルで構成されるため、耐食性に優れる。
(第1のエッチング工程)
次に、積層膜6の上に、レジスト膜5を形成する。レジスト膜5は、一般的なフォトリソグラフィー法に用いられるレジスト材料により形成することができる。レジスト膜5は、積層膜6をエッチングして形成する電極膜のパターンに対応したパターンを有している。
次に、レジスト膜5を形成した後、基板1を第1のエッチング液に浸漬して積層膜6における第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4をエッチングする。なお、この際、平面視においてレジスト膜5が形成されていない部分における第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4が除去された時点をエッチングの終了点とする。積層膜6は、上層から下層に向かって順にエッチングされるので、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4が除去された時点をエッチングの終了点とすることにより、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4へのオーバーエッチングを抑制することができる。従って、この方法によれば、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4を適切なオーバーエッチング時間でエッチングすることができる。また、この方法によれば、無機物膜2の上に第1のめっき金属膜3のみが設けられる場合も同様に、第1のめっき金属膜3のみを適切なオーバーエッチング時間でエッチングすることができる。なお、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4が除去されたことの確認は、例えば、反射型光学センサー、透過型光学センサー、目視等により行うことができる。
図2は、第1のエッチング工程後の積層膜6を示す模式的断面図である。図2に示すように、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4は、サイドエッチングされることにより、レジスト膜5の下方外側端部5aより内側に後退している。なお、サイドエッチングの量(SE量)は、レジスト膜5の下方外側端部5aから積層膜6の上方外側端部6aまでの水平方向の距離である。
第1のエッチング液は、特に限定されないが、酸化剤を含むことが好ましく、さらに有機酸及び有機酸塩のうち少なくとも一方を含むことがより好ましい。
酸化剤は、第1のめっき金属膜3や第2のめっき金属膜4を酸化させる酸化剤である。酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化水素や、塩化第二鉄、塩化第二銅等が挙げられる。酸化剤として過酸化水素を用いる場合は、有機酸及び有機酸塩のうち少なくとも一方を併用することが好ましい。
有機酸や有機酸塩は、第1のめっき金属膜3や第2のめっき金属膜4を金属錯体として溶解させるための錯化剤として機能する。このような有機酸及び有機酸塩としては、シュウ酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、サリチル酸、リンゴ酸、ピバル酸、又はこれらの塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。なかでも、有機酸及び有機酸塩としては、シュウ酸又はシュウ酸塩であることが好ましい。シュウ酸塩としては、例えば、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明において、第1のエッチング液は、過酸化水素、シュウ酸、及びシュウ酸塩を含むことが好ましい。第1のエッチング液にこれらの組み合わせを用いる場合、サイドエッチングの量をより一層効果的に小さくしつつ、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4をより一層確実にエッチングすることができる。なお、シュウ酸塩としては、シュウ酸ナトリウムが好ましい。
また、この場合、過酸化水素の濃度は、特に限定されないが、好ましくは2質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは3.5質量%以上、好ましくは5質量%以下である。過酸化水素の濃度が上記下限値以上である場合、サイドエッチングの量(SE量)をより一層小さくすることができる。過酸化水素の濃度が上記上限値以下である場合、過酸化水素の自己分解の促進をより一層抑制することができ、急激な温度上昇をより一層抑制することができる。
シュウ酸とシュウ酸塩の濃度の合量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.4質量%以上、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以下である。シュウ酸とシュウ酸塩の濃度の合量が、上記下限値以上である場合、エッチング速度をより一層速めることができ、例えば、エッチング完了までに要する時間をより一層短くすることができる。また、シュウ酸とシュウ酸塩の濃度の合量が、上記上限値以下である場合、サイドエッチングの量(SE量)をより一層小さくすることができる。
シュウ酸の濃度は、好ましくは0.025質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、好ましくは0.25質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.15質量%以下である。シュウ酸の濃度が、上記下限値以上である場合、エッチング速度をより一層速めることができ、例えば、エッチング完了までに要する時間をより一層短くすることができる。また、シュウ酸の濃度が、上記上限値以下である場合、サイドエッチングの量(SE量)をより一層小さくすることができる。なお、シュウ酸の濃度は、シュウ酸二水和物としての濃度で求めるものとする。
シュウ酸塩の濃度は、好ましくは0.075質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、好ましくは0.75質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下、さらに好ましくは0.45質量%以下である。シュウ酸塩の濃度が、上記下限値以上である場合、エッチング速度をより一層速めることができ、例えば、エッチング完了までに要する時間をより一層短くすることができる。また、シュウ酸塩の濃度が、上記上限値以下である場合、サイドエッチングの量(SE量)をより一層小さくすることができる。
第1のエッチング液には、エチレングリコールや界面活性剤などが含まれていてもよい。エチレングリコールが含まれる場合、その濃度は、例えば、1.4質量%以上、2.1質量%以下程度にすることができる。
第1のエッチングをする際の第1のエッチング液の温度は、50℃以上、70℃以下の範囲にすることが好ましい。
(第2のエッチング工程)
第1のエッチング工程の後、基板1を洗浄する。基板1の洗浄は、例えば、純水により行うことができる。なお、基板1は洗浄せずに、そのまま第2のエッチング工程に用いてもよいが、洗浄工程を経て第2のエッチング工程を行うことが望ましい。
洗浄後、基板1を第2のエッチング液に浸漬して積層膜6における無機物膜2をエッチングする第2のエッチング工程を行う。
図3は、第2のエッチング工程後の積層膜6を示す模式的断面図である。図3に示すように、第2のエッチング工程においては、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4のサイドエッチングが抑制されている。一方、無機物膜2は、第2のエッチング液によりエッチングされ、パターン化されている。それによって、膜付基板10が形成されている。
本発明においては、第2のエッチング液が、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4を酸化させる成分を実質的に含まない。なお、「めっき金属膜を酸化させる成分を実質的に含まない」とは、第2のエッチング液の、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4の単層でのエッチングレートがそれぞれ0.01μm/分以下であることをいう。なお、第1のめっき金属膜3のみが設けられている場合は、第1のめっき金属膜3を酸化させる成分を実質的に含まないものとする。
第2のエッチング液は、有機酸及び有機酸塩のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。有機酸や有機酸塩は、無機物膜2を金属錯体として溶解させるための錯化剤として機能する。このような有機酸や有機酸塩としては、シュウ酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、サリチル酸、リンゴ酸、ピバル酸、又はこれらの塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。なかでも、有機酸や有機酸塩としては、シュウ酸やシュウ酸塩であることが好ましい。シュウ酸塩としては、例えば、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明において、第2のエッチング液は、シュウ酸及びシュウ酸塩を含むことが好ましい。第2のエッチング液にこれらの組み合わせを用いる場合、サイドエッチングの量をより一層効果的に小さくしつつ、無機物膜2をより一層確実にエッチングすることができる。なお、シュウ酸塩としては、シュウ酸ナトリウムが好ましい。
シュウ酸の濃度は、好ましくは0.25質量%以上、より好ましくは0.35質量%以上、さらに好ましくは0.4質量%以上、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下、さらに好ましくは0.55質量%以下である。シュウ酸の濃度が、上記下限値以上である場合、エッチング速度をより一層速めることができ、例えば、エッチング完了までに要する時間をより一層短くすることができる。また、シュウ酸の濃度が、上記上限値以下である場合、薬品の溶解性をより一層高めることができる。なお、シュウ酸の濃度は、シュウ酸二水和物としての濃度で求めるものとする。
シュウ酸塩の濃度は、好ましくは0.75質量%以上、より好ましくは1.15質量%以上、さらに好ましくは1.35質量%以上、好ましくは2.25質量%以下、より好ましくは1.85質量%以下、さらに好ましくは1.65質量%以下である。シュウ酸塩の濃度が、上記下限値以上である場合、エッチング速度をより一層速めることができ、例えば、エッチング完了までに要する時間をより一層短くすることができる。また、シュウ酸塩の濃度が、上記上限値以下である場合、薬品の溶解性をより一層高めることができる。
第2のエッチングをする際の第2のエッチング液の温度は、好ましくは35℃以上、好ましくは65℃以下である。第2のエッチング液の温度が上記下限値以上である場合、エッチング速度をより一層速めることもでき、例えば、エッチング完了までに要する時間をより一層短くすることができる。また、この場合、薬品の溶解性をより一層高めることができる。第2のエッチング液の温度が上記上限値以下である場合、蒸発による液量及び濃度変動をより一層抑制することができる。また、この場合、温調コストをより一層低減することができる。
本発明においては、第2のエッチング液が、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4を酸化させる成分を実質的に含まないので、第2のエッチング工程において第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4が酸化され難い。従って、有機酸や有機酸塩を添加しても、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4が金属錯体として溶解され難く、エッチングされ難い。他方、少なくとも貴金属を含む無機物膜2は、上述したように既に酸化されているため、有機酸や有機酸塩の添加により、金属錯体として溶解され、エッチングされることとなる。従って、第2のエッチング工程では、無機物膜2を選択的にエッチングすることができ、第1のめっき金属膜3及び第2のめっき金属膜4のサイドエッチングを抑制することができる。
従って、本発明の膜付基板の製造方法によれば、サイドエッチングの量を効果的に小さくすることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
基板として、ガラス基板(製品名:日本電気硝子社製OA-10G)を使用した。この基板の一方面に無機物膜と第1のめっき金属膜と第2のめっき金属膜とからなる積層膜を形成した。無機物膜は、上述した方法で形成した。
第1のめっき金属膜として、無電解ニッケルめっき膜を形成し、厚みは0.25μmとした。
第2のめっき金属膜として、電解銅めっき膜を形成し、厚みは1.0μmとした。
以上のようにして形成した積層膜の上に、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングしたレジスト膜を形成した。レジスト膜の線幅は、12μmとした。
次に、シュウ酸二水和物0.12質量%、シュウ酸塩であるシュウ酸ナトリウム0.37質量%、及び過酸化水素4.1質量%を有する第1のエッチング液を調製後、65℃で恒温保持し、上記レジスト膜形成後の膜付基板を、第1のエッチング液が充満したエッチング液槽に浸漬し、膜付基板を揺動することにより第1のエッチング工程を行った。
第1のめっき金属膜及び第2のめっき金属膜が除去された後のエッチング時間(オーバーエッチング時間)は0.75分で、その後膜付基板を取り出し、純水により洗浄した。
次に、シュウ酸二水和物0.5質量%、及びシュウ酸塩であるシュウ酸ナトリウム1.5質量%を有する第2のエッチング液を調製後、45℃で恒温保持し、上記洗浄後の膜付基板を、第2のエッチング液が充満したエッチング液槽に浸漬し、膜付基板を揺動することにより第2のエッチング工程を行った。
SEM(Scanning Electron Microscope)による外観観察、及びEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)による成分分析により、レジスト膜の下方以外における積層膜の残留成分を確認した。
図4は、実施例1における第2のエッチング時間と積層膜の残留成分量との関係を示す図である。図4より、第2のエッチング工程を2.5分実施すると、積層膜の残留成分が除去されていることがわかる。
また、図3に示すサイドエッチングの量(SE量)は、実施例1では3.3μmであった。サイドエッチングの量(SE量)は、レジスト膜の線幅とエッチング後の第2のめっき金属膜の線幅を光学顕微鏡を用いて測定し、レジスト膜の線幅からエッチング後の第2のめっき金属膜の線幅を差し引いた値の1/2として算出した。
(比較例1)
比較例1では、レジスト膜の下方以外における積層膜の残留成分がなくなるまで第1のエッチング工程を行い、第2のエッチング工程は行わなかった。
図5は、比較例1における第1のエッチング工程のオーバーエッチング時間と積層膜の残留成分量との関係を示す図である。なお、オーバーエッチング時間は、第1のめっき金属膜及び第2のめっき金属膜が除去されたことを確認した後のエッチング時間である。
図5より、比較例1では、第1のエッチングのオーバーエッチングを1.75分実施すると、残留成分が除去されていることがわかる。
また、図3に示すサイドエッチングの量(SE量)は、比較例1では4.7μmであった。
なお、図6は、第1のエッチング工程のオーバーエッチング時間と積層膜のサイドエッチング量との関係を示す図である。
図6より、第1のエッチング工程のオーバーエッチング時間が0.75分のとき、サイドエッチング量が3.3μmであることがわかる。この際、実施例1における第1のエッチング工程のオーバーエッチング時間は0.75分であるので、実施例1におけるサイドエッチング量は、ほぼ第1のエッチング工程のオーバーエッチング量に相当し、第2のエッチング工程においてサイドエッチングは、ほぼなされていないことがわかる。
これにより、第1のめっき金属膜及び第2のめっき金属膜を酸化させる成分を実質的に含まない第2のエッチング液により無機物膜のエッチングを行なう本発明の製造方法では、サイドエッチング量を効果的に小さくできることがわかる。また、第2のエッチング工程において、第1のめっき金属膜及び第2のめっき金属膜のサイドエッチングがぼぼなされていないので、残留成分除去にマージンをもった時間設定が可能となり、生産性を高めることもできる。
1…基板
2…無機物膜
3…第1のめっき金属膜
4…第2のめっき金属膜
5…レジスト膜
5a…レジスト膜の下方外側端部
6…積層膜
6a…積層膜の上方外側端部
10…膜付基板

Claims (5)

  1. 少なくとも貴金属を含む無機物膜と、前記無機物膜の上に形成された第1のめっき金属膜とを有する積層膜を、基板の上に形成する積層膜形成工程(但し、前記第1のめっき金属膜を真空成膜により形成する場合を除く)と、
    第1のエッチング液を用いて前記第1のめっき金属膜をパターニングする第1のエッチング工程と、
    第2のエッチング液を用いて前記無機物膜をパターニングする第2のエッチング工程と、
    を備え、
    前記第1のエッチング液が、過酸化水素、シュウ酸、及びシュウ酸ナトリウムを含み、
    前記第2のエッチング液が、シュウ酸及びシュウ酸ナトリウムの双方を含み、
    前記第2のエッチング液が、前記第1のめっき金属膜を酸化させる成分を実質的に含まない、膜付基板の製造方法。
  2. 前記第1のめっき金属膜が、無電解めっきにより形成される、請求項1に記載の膜付基板の製造方法。
  3. 前記積層膜が、電解めっきにより形成される第2のめっき金属膜を、前記第1のめっき金属膜の上にさらに有し、
    前記第1のエッチング工程において、前記第1のエッチング液を用いて前記第1のめっき金属膜及び前記第2のめっき金属膜をパターニングする、請求項1又は2に記載の膜付基板の製造方法。
  4. 前記第1のめっき金属膜が、ニッケルを有する、請求項1~のいずれか1項に記載の膜付基板の製造方法。
  5. 前記第2のめっき金属膜が、銅を有する、請求項3に記載の膜付基板の製造方法。
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