JP3478684B2 - ガラス回路基板 - Google Patents
ガラス回路基板Info
- Publication number
- JP3478684B2 JP3478684B2 JP28407396A JP28407396A JP3478684B2 JP 3478684 B2 JP3478684 B2 JP 3478684B2 JP 28407396 A JP28407396 A JP 28407396A JP 28407396 A JP28407396 A JP 28407396A JP 3478684 B2 JP3478684 B2 JP 3478684B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plating
- plating layer
- film
- layer
- glass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
きにより金属化することで、配線、電極などを形成した
ガラス回路基板に関するものであり、さらに詳しく言え
ば、本発明はガラス基板表面の平滑さを保ったままで、
湿式めっきにより密着性良く、配線、電極などを形成し
たガラス回路基板に関するものである。
めっきによる金属化には、以下に示される方法が知られ
ている。すなわち、ガラスの表面を脱脂洗浄後に、エッ
チングにて表面を粗化し、これをSn・Pdコロイド溶
液に浸漬して粗面にコロイド粒子を捕捉させ、次に、ス
ズ・パラジウムコロイドのスズ保護膜を酸により除去
し、めっきのためのPd金属核を得る。
ケル・リンめっき(以下Ni−Pと記載)液中に浸漬す
ることにより、上記のPd金属核を触媒核としてNi−
Pめっき膜による導電性金属層が基体表面に形成され
る。
にて粗化した後にPd核を付与し、しかる後に無電解N
i−Pめっきを形成する研究論文が本間らによって発表
されている(表面技術vol.44,No.10,19
93)。
ーンを形成する場合には、通常、上記Ni−Pめっき膜
を絶縁性基体表面に1μm程度付与した後に、その上に
Cuめっき等の低抵抗金属層を数μm〜数十μm積層す
る。
基体表面へ低抵抗金属めっき膜を積層するための下地層
的な役割を果たしている。
基体表面と親和性を有する官能基を一端に持ち、他方に
アミノ基を持ったアミノシランカップリング剤等を基体
表面に塗布後、塩化パラジウム水溶液に接触させて、P
dイオンをアミノ基に捕捉させ、このPdイオンを次亜
リン酸ナトリウム等の還元剤で金属Pdに還元する方法
が知られている。このようにして形成した触媒核上に無
電解ニッケルめっき等を利用して金属層を形成すること
ができる。
ずれかからなる半導体層を絶縁体上に形成後、この上に
Pd、Pt、Au、Ag等を析出させ、しかる後にCu
等の導電性層を積層するという絶縁体への導電性層形成
法が、藤嶋らによって出願されている(特開平6−61
619号公報、特開平4−17211号公報)。
パターンを形成しようとする場合には、まず、金属基体
全面にめっきにより必要とする金属層を形成し、次い
で、フォトレジストプロセス等を用いて必要な部分の金
属層を保護し、未保護の部分をエッチャントによって除
去するサブトラクティブ法が知られている。
ガラス基板上に形成されためっき膜には、以下のような
問題があった。
をめっきしようとする場合、従来技術では、表面をフッ
酸などで粗面化処理する必要があった。次に、塩化第1
スズ(SnCl2 )を0.1g/l程度含有するセンシ
タイジング溶液に粗化処理を施した基板を浸漬する感受
性化処理を施し、粗化面にSn2+イオンを捕捉させる。
ラジウムを0.1g/l程度含有)に浸漬して、捕捉し
たSn2+イオンとPd2+イオンを置換し、無電解めっき
のためのPd接触核を形成する。この前処理方法の他に
も、pH9〜13において、Pdの有機錯体化合物をガ
ラス基板表面に吸着させるアルカリキャタリスト法など
が知られている。
きを0.5(μm)程度析出させ、さらに、Cuめっき
を必要な厚さ(通常は3〜20μm程度)まで積層し、
その上層にCuの酸化防止層としてNi及びAuめっき
を施す。このような構成を持った回路基板において、無
電解Ni−Pめっき層とガラス基板との間の密着力は、
複雑な形状を持つガラス粗化面にめっき層が入り込むこ
とによるアンカー効果によって発現されている。
密着力をアンカー効果によって発現させようとすると、
ガラスの平均表面粗さRaが0.2μm前後になるまで
粗化する必要が生じ、透明・平滑というガラス基板が本
来具備している特性が損なわれてしまうばかりか、表面
全体にマイクロクラックが発生し易くなり基板の強度低
下を招くことが多く、さらに、電子デバイスなどに必要
な細線パターンの精度が得られにくくなるばかりか、細
線をパタニングする際に断線する確率も高くなるという
問題点がある。
0℃を越えたあたりからリン化ニッケルの生成による結
晶化の影響を受け初め、400℃前後ではNi3 Pに転
化してPd触媒核とNiめっき層間に歪みが生じ、密着
性が劣化するという問題がある。
ップリング剤をガラス基板とめっき層の間に付与する方
法もあるが、カップリング剤の分解温度以下でしかアニ
ール処理ができず、しかも、使用雰囲気温度もカップリ
ング剤の分解温度以下に制限されてしまうという問題点
がある。
ることにより回路パターンを形成する方法もあるが、パ
タニングした金属ペーストは高温で焼成する必要があ
り、その際に基板の変形が発生しやすく、耐熱性の高い
結晶性ガラスしか使用できずコストアップ要因となるば
かりか、印刷ではパターン表面の平坦性も得られがたい
という欠点がある。
開平4−17211号公報に開示されている方法を利用
すると、ガラス基板上に密着性良くめっき膜を積層する
ことが可能であるが、ZnOまたはWO3 膜形成プロセ
スが必要で、成膜コストが高くなるという問題点があ
り、しかも、ZnOまたはWO3 の成膜プロセスに高温
が必要なため、青板硝子のような低融点ガラス基板を使
用すると、ガラス基板の反りや歪み等の問題が生じてし
まう。
題点に鑑み出願されたものであり、ガラス表面に特殊な
下引き層を形成せずに、しかも、ガラス表面の平滑さを
損なわず、さらには、外部からの熱的影響に対しても密
着性の劣化が少ない、湿式めっきによる配線をガラス上
に形成するための構成を提案するものである。
決するため、以下の手段を有する。
媒核層と、前記触媒核層上に形成された、リンの含有量
が3.0〜10.0(wt%)である第1のPd−Pめ
っき層(単に、a−Pdめっき層ともいう。)と、を有
することを特徴とするガラス回路基板。
膜厚は、0.015〜0.500μmであることを特徴
とするガラス回路基板。
*** [3] 前記第1のPd−Pめっき層上に、Cu、N
i、Ni−P、Ag、Pd、Pd−P、Au、Ptから
選ばれた1種の金属または2種以上の合金からなるめっ
き層を有することを特徴とするガラス回路基板。
uめっき層と、該Cuめっき層上に形成されたNiめっ
き層と、該Niめっき層上に形成されたAuめっき層
と、を有することを特徴とするガラス回路基板。
gめっき層と、該Agめっき層上に形成されたAuめっ
き層と、を有することを特徴とするガラス回路基板。
りも多く1(wt%)よりも少なく含有する第2のPd
−Pめっき層(単に、c−Pdめっき層ともいう。)
と、を有することを特徴とするガラス回路基板。
i、Ni−P、Ag、Pd、Pd −P、Au、Ptから
選ばれた1種の金属または2種以上の合金からなるめっ
き層を有することを特徴とするガラス回路基板。 [8]前記第2のPd−Pめっき層上に形成されたCu
めっき層と、該Cuめっき層上に形成されたNiめっき
層と、該Niめっき層上に形成されたAuめっき層と、
を有することを特徴とするガラス回路基板。
めっき層と、該Agめっき層上に形成されたAuめっき
層と、を有することを特徴とするガラス回路基板。
膜厚が、0.015〜0.250μmであることを特徴
とするガラス回路基板。
さRaが、0.0010〜0.10μmであることを特
徴とするガラス回路基板。
する触媒核上の第1層として、一定量のPを含有するa
−Pdめっき層を適当な膜厚に成膜することで、ガラス
基板に極端な粗化処理を施さなくても、充分な密着性を
持つめっき層が形成できる。
上に結晶性に近いc−Pdめっき層を積層することで、
Pd積層膜中におけるPの含有量を傾斜的に変化させ、
平滑なガラス基板上に細線をパタニングする場合にも、
膜安定性、密着性、解像性などが優れた湿式めっきによ
る配線・電極を有する金属化ガラス基板を得ることがで
きる。
0010〜0.10(μm)好ましくは0.0012〜
0.050(μm)であるガラス基板上の全面、或い
は、一部に、金属Pdを主体とする触媒核を形成し、さ
らにその触媒核上に、膜厚が0.015〜0.50(μ
m)、好ましくは0.020〜0.40(μm)であ
り、リンの含有量が3.0〜10.0(wt%)、好ま
しくは3.5〜9.0(wt%)であるa−Pdめっき
層を形成することで、ガラス表面の平滑さを損なわず、
外部からの熱的影響に対しても密着性の劣化が少い、め
っき配線を有するガラス回路基板が得られる。
れる前処理工程は、ガラス基板の表面にマイクロクラッ
クを生じさせないような薬品、及び、条件にて行う必要
がある。また、ガラス基板への触媒核付与プロセスとし
ては、基板表面に吸着させたSnをPdで置換するセン
シタイザー・アクチベーター法、及び、Sn・Pdコロ
イドを基板表面に吸着させるキャタリスト・アクセレー
ター法、さらに、基板表面にアルカリ性のPd錯体を吸
着させた後に0価の金属Pdに還元するアルカリキャタ
リスト法などを好適に利用することができる。
き層の膜厚、及び、リンの含有量は、形成する回路パタ
ーンのガラス基板への密着性に大きく影響を与える。
が、0.0010〜0.10(μm)好ましくは0.0
012〜0.050(μm)の範囲において、0.00
10(μm)よりも小さいと密着性が劣化し、0.10
(μm)よりも大きいと薄膜をパタニングしたときに欠
陥が生じやすい。
015〜0.50(μm)好ましくは0.020〜0.
40(μm)の範囲において、0.015(μm)より
も少いと欠陥の多い膜になりやすく、0.50(μm)
よりも大きいと膜剥離が生じやすい。
が、3.0〜10(wt%)好ましくは3.5〜9.0
(wt%)の範囲において、3.0(wt%)よりも小
さいと膜応力が増大して剥離しやすくなり、10(wt
%)よりも大きいと無電解Pdめっきをする際に、めっ
き温度を高く設定する必要が生じるなどの、めっき液が
分解しやすい条件でメッキする必要が生じ、量産に適さ
なくなる。
上に必要であればフォトリソ、エッチングなどを施して
パタニングを行った後に、Cu、Ni、Ni−P、A
g、Pd、Pd−P、Au、Ptの中から選ばれた少な
くとも1種類以上の金属または2種以上の合金からなる
めっき層を積層することにより、ガラス表面の平滑さを
損なわず、さらには、外部からの熱的影響に対しても密
着性の劣化が少い、めっき配線を有するガラス回路基板
が得られる。
層をガラス基板上に形成後、必要であればそのa−Pd
めっき膜に、フォトリソ、エッチングなどを施してパタ
ニングを行い、その上の全面、或いは、一部分にPの含
有量が、0〜1wt%好ましくは0〜0.5wt%であ
り、さらにその膜厚が、0.015〜0.25(μm)
好ましくは0.020〜0.20(μm)であるような
c−Pdめっき層を積層することで、ガラス表面の平滑
さを損わずに、ガラス基板との優れた密着力を発現する
ばかりか、本発明のa−Pdめっき膜を単膜でめっきし
た場合と比べて、熱履歴を受けた場合の抵抗値変化が少
く、さらに、表面が安定な、めっき配線を有するガラス
回路基板が得られる。
めっき膜を単膜で成膜したときに比べ、小さくなる理由
は、a−Pdめっき膜が非結晶に近い膜構造を持つのに
対し、c−Pdめっき膜が多結晶に近い膜構造を持つか
らである。
−Pd(0.04μm)/c−Pd(0.04μm)}
にて成膜した金属化ガラス基板上に、線幅200μm、
長さ8cmのラインパターンを作成し、これを酸化雰囲
気中にて450℃で40分間焼成し、加熱前後の体積抵
抗率変化を4端子法により測定した。
測定結果の平均値は、焼成前が6.5×10-5(Ωc
m)、焼成後が4×10-5(Ωcm)であった(サンプ
ル数100本)。
で、適当な熱処理によりa−Pd層中よりc−Pd層中
にPを拡散させ、a−Pdめっき層からc−Pdめっき
層へと、Pの含有量が連続的に傾斜しながら減少するよ
うな構造とすることが可能となる。Pの含有量が2層に
わたって傾斜した膜とすることで、結晶構造の異なる膜
を積層したときに生じるストレスを緩和し、膜応力を低
減させて基板への密着性を向上させることができる。
構造の薄膜とすることで、置換による膜ダメージのため
にa−Pdめっき薄膜には直接積層することが困難であ
ったPtやAuなどのPdよりも酸化還元電位が貴な金
属をPd以外の金属を介さずに積層することが可能とな
る。
0.015(μm)よりも小さいと、膜中へのPの拡散
の影響で加熱時の電気性向上に効果が見られず、0.2
5(μm)よりも大きいと、膜応力が増大して膜剥離を
生じやすくなり、同じく、そのリン含有量が、1.0
(wt%)よりも大きいと、a−Pdめっき層単膜に比
べて、電気特性や膜安定性の顕著な向上が見られない。
d積層膜の全面、或いは、一部に、Cu、Ni、Ni−
P、Ag、Au、Ptの中から選ばれた少なくとも1種
類以上の金属または2種以上の合金からなるめっき層を
積層することで、ガラス基板表面が本来持っている平滑
さを損なわず、しかも、以降の表面処理における膜ダメ
ージや触媒核の損傷を最小限に抑えて積層することがで
きるばかりか、電気めっきを行うときにも抵抗値的に有
利である。
細な説明を行う。従来より、ガラス上にPd触媒核を付
与し、この上に化学Ni−Pめっき膜を形成する方法が
知られており、このNi−Pめっき膜上にCuなどを積
層して配線を行なうことも公知である。
めっきの層構成を示す模式図であり、本図において1は
粗化されたガラス基板、2は金属Pdを主体とする触媒
核層、10は触媒核層2上にめっきされた非結晶性の無
電解Ni−Pめっき膜である。
Pdめっき膜は膜応力が大きく、密着性に問題があると
考えられているが、Ni−Pめっき層は加熱温度が10
0℃を越えたあたりからリン化ニッケルの生成及びニッ
ケルの結晶化の影響を受け初め、300℃で明確な回折
ピークを持つなどの耐熱性に関する問題がある。
Pd触媒核層上に設けられたNi−Pめっき層、又は、
a−Pdめっき層のPの一部は金属Pd触媒核中に拡散
しパラジウム・リン合金を形成する。
が形成されていたほうが、触媒核層にかかるストレスは
小さく、めっき層のガラス基板に対する密着性も向上す
ると考えられる。しかも、本発明に記載のごとき膜厚と
Pの含有量を有すa−Pdめっき膜をPd触媒核層上に
めっきすることで、ガラス表面を極端に粗化しなくて
も、非常に優れたガラス基板との密着性を持つ、めっき
配線・電極を有する回路基板を作成することができる。
図において1はガラス基板、2は金属Pdを主体とする
触媒核層、3はa−Pdめっき層である。
密着力の不足をカバーするために、ガラス表面の平均表
面粗さRaが0.4μm前後になるまで粗化していた
が、本発明によれば、ガラス基板のRaが0.002μ
m前後の平滑な状態でも、粗化基板と同等以上の密着性
が得られる。
した模式図であり、a−Pdめっき層上に金属を積層し
て回路を形成したガラス基板である。
の触媒核層、3はa−Pdめっき層、4は低抵抗配線の
ためのCuめっき層、5は拡散防止のためのNiめっき
層、6は酸化防止のためのAuめっき層である。
き層4の替りにAgめっき層を使用することもできる。
本図において、1はガラス基板、2は前述の触媒核層、
3はa−Pdめっき層、8は低抵抗配線のためのAgめ
っき層、6は酸化防止のためのAuめっき層である。
に従来用いられているNi−Pめっき層を積層後、C
u、Ni、Au、を順次積層したときの模式図が図10
であり、このような層構成にて積層を行うと、積層によ
る応力増加のために膜の剥離が生じやすく、さらに、外
部よりの加熱にて膜の剥離が促進される場合が多い。
を触媒核上の第1層として形成すると、ガラス表面の粗
化やカップリング剤付与などの密着力向上処理を施さず
とも、積層によるストレスを吸収できるばかりか、加熱
時においても良好な密着力を維持することが可能とな
る。
層上にc−Pdめっき層を積層すると、a−Pdめっき
層中からc−Pdめっき層中へPが拡散することで、P
の含有量が連続的に傾斜しながら減少する膜構造とする
ことが可能となる。このようにPの含有量を傾斜させる
には、適当な温度で上記積層膜にアニールを施せば良
い。
とき傾斜膜とすることで、a−Pdめっき層の持つ密着
力をほとんど低下させずに、a−Pd単膜よりも熱・化
学的に安定な表面状態にすることができる。
−Pめっき単膜の場合と比べ、異種金属積層時の置換反
応、及び、薬液のアタック等に対する膜安定性が増すば
かりか、加熱による抵抗値変化がPd−P単膜に比べて
少いので、Cu、Ni、Ni−P、Ag、Pd、Pd−
P、Au、Ptなどの金属を、電気めっきするときなど
特に有効である。
トガラス(青板硝子)上に特許請求項に記載のめっき層
を積層し、それに適当な熱処理を施した後、その膜をオ
ージェ電子分光法(以降はAESと省略する)により分
析し、Pの深さ方向の分布強度を調査した結果である。
型電子顕微鏡(以下TEMと記載)による観察結果か
ら、a−Pdめっき層が約0.30μm、c−Pdめっ
き層が約0.25μmであった(図12に示す写真1参
照)。
す。
アモルファスと多結晶に近い膜質を有するPdめっき層
を2層にめっきした理由は、多結晶性に近いc−Pdめ
っき膜を触媒核層上の第1層目に形成すると、膜応力に
より剥離する危険が大きいからである。そこで、まず膜
応力の比較的小さいa−Pdめっき膜を形成し、この上
にc−Pdめっき膜を積層し、Pの拡散を積極的に利用
して応力の緩和を行ったのである。
トレスは、a−Pdめっき層中のPをc−Pdめっき層
中へ傾斜的に拡散させること、及び、トータル膜厚を薄
くすることで緩和し、ガラス基板への密着性の低下を最
小限にした。多結晶性に近いc−Pdめっき層は、非結
晶性に近いa−Pdめっき層に比べて電気抵抗率が低い
ばかりか、めっき膜表面の安定性にも優れているので、
前述した、Cu、Ni、Ni−P、Ag、Pd、Pd−
P、Au、Ptから選ばれた1種の金属または2種以上
の合金などの金属を電気パターンめっきするときなどに
特に有効である。
膜を模式図化したものが図4であり、本図において1は
ガラス基板、2は金属Pdを主体とする触媒核層、3は
a−Pdめっき層、7はc−Pdめっき層である。
例を示した模式図であり、上記c−Pdめっき層上に、
さらに金属を積層して回路を形成したガラス基板の一例
である。
は前述の触媒核層、3はa−Pdめっき層、7はc−P
dめっき層、4は低抵抗配線のためのCuめっき層、5
は拡散防止のためのNiめっき層、6は酸化防止のため
のAuめっき層である。
は前述の触媒核層、3はa−Pdめっき層、7はc−P
dめっき層、8は低抵抗配線のためのAgめっき層、6
は酸化防止のためのAuめっき層である。
2は前述の触媒核層、3はa−Pdめっき層、7はc−
Pdめっき層、9はPtめっき層である。
として一定量のPを含有するPdめっき層を適当な膜厚
に成膜することで、ガラス基板にほとんど粗化を施さな
くても十分な密着性が得られる。しかも、この上に結晶
性に近いPdめっき層を積層することで、Pの含有量が
傾斜したPdめっき層を形成することができ、膜安定性
と基板への密着性を両立することが可能となる。
のめっき層の密着性評価は、以下のようにして行った。
すなわち、100mm×100mm×厚さ1.1mmの
ガラス基板上に大きさが2mm□のめっきパターンを作
成し、次に、このパターンに直径1mmの金属線をハン
ダ付けし、これを用いて垂直引張り試験を行うことで、
ガラス基板と積層しためっき膜との密着性を評価した。
点での引張り試験結果の平均値をもとに、以下に示す判
断基準にもとずいて行った。 密着性評価 20箇所での計測結果の平均値 良好 2.5kg/2mm□以上 普通 1.0〜2.5kg/2mm□ 不良 1.0kg/2mm□以下 ただし、上記平均値が1.0kg/2mm□を越えるも
のであっても、ガラス基板に生じたマイクロクラックに
由来する基板破壊が多発したサンプルは総合評価を不適
とした。この試験結果を表1に示す。
すような方法に従って行った。
のラインパターンを前記のガラス基板上に50本作成し
たものをフレッシュエアーを常に基板表面に吹き付けな
がら酸化雰囲気中で焼成するベルト炉中に投入して、最
高温度420℃、保持時間15分となるような条件で加
熱することで行った。
も発生したものは不良、1本も発生しなかったものは良
好とした。この試験結果を表2に示す。
の粗化処理ガラス基板(表面粗さRa:0.4μm)上
に、厚さ0.1μmのNi−Pめっきを施してパタニン
グしたガラス回路基板のSEM写真であり、図15に示
す写真4は、本発明に基づいて表面に粗化を施さなかっ
たガラス基板(表面粗さRa:0.002μm)上に、
厚さ0.1μmのa−Pdめっきを施してパタニングを
行ったガラス回路基板のSEM写真である。
ラス基板であり、白っぽく見える部分がめっきを施した
ところである。パタニング方法は両方の基板で共通であ
り、ガラス基板上の全面にめっきを施した後、めっきパ
ターンを残す部分をレジストで保護し、エッチングを行
ってパターンを形成した。
に示す写真3の粗化処理を施したガラス基板上に形成し
たNi−Pめっきパターンは粗化パターンの形にめっき
の欠けが目立ち、これが連続して断線に至っているとこ
ろもある。
処理を施していないガラス基板上に形成したa−Pdめ
っきパターンは、欠けや断線などが見られず、安定した
パタニングを行うことができる。
の解像力を従来技術と比較して評価したものである。
4μmとなるように粗化処理を施したガラス基板上に触
媒核を形成し、その上に無電解Ni−Pめっき膜を形成
した。この基板に対して、本発明に基づいて作成された
表面に極端な粗化処理を施していないガラス回路基板
は、パターン線幅が細くても優れた解像力を示してい
る。
に、フォト・エッチングプロセスにより、20μm、5
0μm、100μmのラインパターンを50本ずつ作成
したときのパタニング不良の本数により行った。
ンは、線幅が50μmより細くなると急激に断線する本
数が増加するのに対し、本発明をもとに作成されたパタ
ーンは線幅が20μmにおいても断線すること無くパタ
ニングが可能であることがわかる。
なように、触媒核上の第1層目にa−Pdめっき膜を形
成したものは、ガラス基板を粗化した後に触媒核を付与
し、その上の第1層目にNi−Pめっき膜を形成したガ
ラス回路基板と比較しても優れた密着力を示すばかり
か、極端な粗化処理を施さなくても十分な密着性が得ら
れるために、粗化処理時に発生するガラス基板表面のマ
イクロクラック発生などの問題が無く、しかも、細線の
パタニングも粗化処理基板とは比較にならないほど安定
して行うことができる。
しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
ラス基板1の材料としては、一般に青板硝子として知ら
れるアルカリ含有ガラス(商品名の一例 U.F.F
Glass 日本板硝子製)や、ホウ珪酸ガラスなどの
アルカリをほとんど含有しないもの(商品名の一例 #
7059 コーニング製)、及びガラス表面にSiO 2
などをコートしたもの(商品名の一例 Hコートガラス
日本板硝子製)等を利用することができる。
基板を脱脂剤などを使用して洗浄し、次いで、めっきの
ための触媒核を表面に付与する。ガラス基板上に付与す
る触媒核としては、金属Pdを主体とする金属からなる
ものが好ましく、公知の方法を利用することができ、こ
の触媒核をガラス基板表面に均一かつ緻密に付与するこ
とが好ましい。
も使用することができる。水系のガラス洗浄剤として
は、商品名 P3 siliron HS、P3 sili
ronL(ヘンケル白水社製)、商品名 OPC−38
0コンディクリーンM(奥野製薬製)、商品名 メルク
リーナーITO−170(メルテックス社製)、及び、
その他を適当に使用できる。
に吸着させたSnをPdにて置換し触媒核とする方法、
基板表面にPd−Snコロイドを吸着後にSnを除去し
触媒核とする方法、及び、SnフリーのPd錯体を基板
表面に吸着させた後に還元して0価の金属Pd触媒核を
形成する方法、その他が知られており基板の状態に合わ
せて工程を選ぶことができる。
を、更に詳しく以下に述べる。
ロピルアルコール(以下IPAと表示)などの有機溶剤
に浸漬し、次に、水溶性脱脂剤(商品名:メルクリーナ
ーITO−170 メルテックス社製)中にて、液濃度
15g/l、液温50℃、超音波照射、の条件下で5分
間浸漬洗浄し、さらに、イオン交換水にて基板を水洗後
に、濃度70g/l、液温70℃の水酸化カリウム水溶
液中に超音波照射を行いながら5分間浸漬し、イオン交
換水にて水洗を行った。
に、塩化第1スズを0.06g/l含有するPH1の感
受性化液中に、25℃にて3分間浸漬し、ガラス表面に
Sn 2+を吸着させる。
l含有する活性化処理液中に25℃にて5分間浸漬し、
基板上のSnをPdと置換し、水洗後に無電解Pdめっ
き液中に浸漬する。
層上の第1層として成膜するa−Pdめっき層形成に
は、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解Pdめ
っき液を用いることができる。
っき条件を適当に設定することにより、本発明に示した
ような膜厚とPの含有量を持つめっき層を成膜すること
ができる。
の組成のめっき液を利用することも、市販品を利用する
こともできる。市販薬品の具体例としては、商品名 ム
デンノーブルPD(奥野製薬製)、商品名 ユニコン無
電解パラジウム−リン APPめっき浴(石原薬品製)
などを好適に使用できる。
は、以下に示すようなものが知られている。
成剤としてエチレンジアミン、安定剤としてチオグリコ
ール酸、還元剤として次亜リン酸ナトリウムなどを含む
ものである。
リウム、ヒドラジン、ジメチルアミンボラン、錯形成剤
としてトリエチレンテトラミンなどを使用した無電解P
dめっき液が知られている。
面粗さRaが0.0010〜0.10(μm)好ましく
は0.0012〜0.050(μm)であるガラス基板
上の全面、或いは、一部に、金属Pdを主体とする触媒
核を形成し、さらにその触媒核上に、膜厚が0.015
〜0.50(μm)好ましくは0.020〜0.40
(μm)であり、リンの含有量が3.0〜10.0(w
t%)好ましくは3.5〜9.0(wt%)となるよう
にめっき液の選定、及び、めっき条件の選択を行うこと
で、優れた特性のガラス回路基板が得られる。
より製造された青板硝子の片面にa−Pdめっき層を形
成し、その断面観察をTEMにより行った結果の一例を
図13に示す写真2に示す。
板硝子、(b)は金属Pdを主体とする触媒核層、
(c)はa−Pdめっき層であり、めっき層形成後もガ
ラス基板が平滑なままに保たれていることが写真より観
察できる。
成したa−Pdめっき層上に必要であればパタニング、
エッチングなどを施し配線、電極などのパターンを形成
し、この上に、Cu、Ni、Ni−P、Ag、Pd、P
d−P、Au、Ptの中から選ばれた1種類以上のめっ
き膜を積層することによって、優れた特性を持つガラス
回路基板が得られる。
aが、0.0010〜0.10(μm)好ましくは0.
0012〜0.050(μm)であるガラス基板上の全
面、或いは、一部に、金属Pdを主体とする触媒核を形
成し、さらにその触媒核上に、膜厚が0.015〜0.
50(μm)好ましくは0.020〜0.40(μm)
であり、Pの含有量が3.0〜10(wt%)好ましく
は3.5〜9.0(wt%)であるa−Pdめっき層を
形成し、必要であればフォトリソ、エッチングなどをこ
れに施してパタニングを行った後に、さらに、その全
面、或いは、一部分に、膜厚が、0.015〜0.25
(μm)好ましくは0.020〜0.20(μm)であ
り、Pの含有量が0〜1.0(wt%)好ましくは0〜
0.5(wt%)であるc−Pdめっき層を積層するこ
とにより、優れた特性を持つガラス回路基板が得られ
る。
より製造された青板硝子の片面にa−Pdめっき層、及
び、c−Pdめっき層を形成した基板のTEMによる断
面観察結果の一例が図12に示す写真1である。
板硝子、(b)は金属Pdを主体とする触媒核層、
(c)はa−Pdめっき層、(d)はc−Pdめっき層
であり、めっき層形成後にもガラス基板が平滑なままに
保たれていることが写真より観察できる。
形成したc−Pdめっき層上に、必要であればパタニン
グ、エッチングなどを施して配線、電極などを形成した
後に、Cu、Ni、Ni−P、Ag、Pd、Pd−P、
Au、Ptの中から選ばれた少なくとも1種類以上のめ
っき層を全面、或いは、一部に積層することにより、め
っき配線・電極を有するガラス回路基板を作成すること
ができる。
Pをほとんど含まないPdめっき層を積層することで、
Pd膜の密着性を劣化させずに、置換反応や化学薬品な
どに対するPd膜の安定性を高めることができる。
Pdよりも貴な金属種を積層すると、両者の間で置換反
応が起りやすく、a−Pdめっき層のみならず触媒核層
までダメージを受け、密着性が極端に低下する場合が多
い。
な状態にあるため、このような、めっき液中での置換や
めっき浴中の錯形成剤によるアタックを受けやすい。こ
のようなときに、a−Pdめっき層が本発明に示したよ
うな薄膜であると、そのダメージはa−Pdめっき層の
みにとどまらず、その下の触媒核層にまで及ぶ場合が多
い。
で、このダメージが触媒核層にまで及ぶことを防止する
には、本発明に示したようなc−Pdめっき層をa−P
dめっき層上に積層することが有効である。
結晶性に近いc−Pdめっき層は、非結晶性に近いa−
Pdめっき層に比べて、めっき液中での上記アタックに
対する耐性が大きいからである。すなわち、a−Pdめ
っき層の層厚を増加させて触媒核へのダメージを防止す
る場合に比べ、a−Pdめっき層上にc−Pdめっき層
を積層した場合の方がトータルの層厚も薄くなり、膜応
力も小さくて済むので、密着性の劣化が少い。
層を積層することにより、熱処理工程中にa−Pdめっ
き層より拡散するPをこのc−Pdめっき層にトラップ
することができる。
でPの拡散を積極的に利用して、上記2層にわたりPが
連続的に変化する、すなわち、上部に行くほどPの含有
量が傾斜的に減少するような積層膜とすることが可能で
あり、これによって、非結晶性が支配的であるa−Pd
めっき層と結晶性が支配的でありPをほとんど含有しな
いc−Pdめっき層との積層によるストレスを緩和で
き、膜応力の低減が実現できる。
及び、電気めっき液は公知のものを好適に使用できる。
き液を使用することができる。
o3,1989 p123〜126に記載された、エチ
レンジアミンを錯形成剤とし、次亜リン酸ナトリウムを
還元剤とする、無電解Pd−Pめっき液などがある。
発明において使用可能な薬品・めっき液は上記のものに
限定されるものではない。
(4),P363〜271(1992) プリント回路学会誌「サーキットテクノロジ」7
(6),P369〜376(1992) 表面技術 vol.44,No5,P425〜429
(1993) 表面技術 vol.44,No12,P136〜139
(1993) 表面技術 vol.42,No11,P90〜95(1
991) 表面技術 vol.40,No3,P477〜480
(1989) (実施例1)ガラス基板として、100mm×100m
m×厚さ1.1mmのフロート青板ガラス(日本板硝子
製)を用意し、これをIPA中に超音波を照射しながら
5分間浸漬し、さらに水溶性脱脂剤であるメルテックス
社製のメルクリーナーITO−170(液濃度15g/
l、液温50℃)中にて超音波を照射しながら5分間浸
漬し、イオン交換水にて水洗を行い、さらに水酸化カリ
ウム水溶液(濃度70g/l、液温70℃)中にて超音
波を照射しながら5分間浸漬し、イオン交換水で水洗し
て脱脂工程を終了する。
を0.06g/l含有するPH1、浴温25℃の水溶液
中に3分間浸漬し、イオン交換水中で水洗後に、塩化パ
ラジウム(PdCl2 )を0.1g/l含有する水溶液
中に25℃で5分間浸漬し、イオン交換水で水洗して触
媒核形成工程を終了する。
ブルPDにて無電解めっきする。
0.1μmとなるまで液中に浸漬して、ガラス基板上に
a−Pdの全面めっき膜を形成した。
が8wt%となるように、その他のめっき条件を設定し
た。
3に示す写真2の断面TEM写真に見られるようなアモ
ルファスに近い膜構造を有していた。
用いてレジストパターンを形成し、さらに、70%硝
酸:35%塩酸:酢酸=9:9:1の割合に調製したエ
ッチング液中に浸漬し、耐熱性試験、及び、解像力試験
用のパターンを作成した。
ープによる引きはがし試験を行っても膜剥離は観察され
ず、その耐熱性、及び、解像力も良好であった。その試
験結果を表1、表2、表3に示す。
平均表面粗さRaは0.0020μmであり、このめっ
き膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRaも
上記の値と同一であった。 (実施例2)ガラス基板としてコーニング社製の商品名
#7059を用いた以外の条件は、実施例1と同様にし
てPd−Pめっき膜のパターンを形成した。
ープによる引きはがし試験を行っても膜剥離は観察され
ず、その耐熱性、及び、解像力も良好であった。その試
験結果を表1、表2、表3に示す。
平均表面粗さRaは0.0013μmであり、このめっ
き膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRaも
上記の値と同一であった。
上にSiO2 をコーティングした日本板硝子製のHコー
トガラスを用いた。その他の条件は、実施例1と同様に
して積層膜のパターンを形成した。
ープによる引きはがし試験を行っても膜剥離は観察され
ず、その耐熱性、及び、解像力も良好であった。その試
験結果を表1、表2、表3に示す。
平均表面粗さRaは0.0025μmであり、このめっ
き膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRaも
上記の値と同一であった。
を用いて、実施例1と同様の前処理を基板に施した後
に、膜厚が0.07μmでPの含有量が7wt%のa−
Pdめっき層を成膜し、これを実施例1と同様のフォト
・エッチングプロセスを用いてラインパターンとし、さ
らに、電気めっきにより、Cuを5μm、Niを3μ
m、及び置換めっきによってAuを0.03μm積層し
た。
り試験結果と耐熱性試験結果は良好であり、その結果を
表1、表2に示す。
平均表面粗さRaは0.0020μmであり、このめっ
き膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRaも
上記の値と同一であった。
を用いて、実施例1と同様の前処理を基板に施した後
に、膜厚が0.11μmでPの含有量が8wt%のa−
Pdめっき層を成膜し、これを実施例1と同様のフォト
・エッチングプロセスを用いてラインパターンとした。
このパターンに電気めっきによりAgを3μm、さらに
Auを1.5μm積層した。
り試験結果と耐熱性試験結果は良好であり、その結果を
表1、表2に示す。
平均表面粗さRaは0.0027μmであり、このめっ
き膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRaも
上記の値と同一であった。
・前処理・めっき液を用いて、触媒核層上の第1層目に
a−Pdめっき層を形成し、引き続いて、そのa−Pd
めっき層上にリン及びホウ素を含有しないc−Pdめっ
き層を成膜した。
製の商品名PARED(パレット)であり、液温60℃
にて成膜を行った。この積層膜に実施例1と同様のフォ
ト・エッチングプロセスを用いてラインパターンを形成
し、洗浄後に前述のベルト炉中にて最高温度150℃に
て3時間保持した。
は8wt%、膜厚は0.03μm、また、これに積層し
たc−Pdめっき層の膜厚は0.03μmであった。
の断面TEM観察に見られるような積層構造をしてお
り、AESを用いた積層膜中のPのデプスプロファイル
分析によりグラフ−1に見られるようなPの傾斜構造が
確認された。
結果は良好であり、その結果を表1、表2、表3に示
す。
表面粗さRaは0.0023μmであり、このめっき膜
をエッチングして除去した後のガラス基板のRaも上記
の値と同一であった。
社製の商品名#7059を用いた以外の条件は、実施例
4と同様にして積層膜のパターンを形成した。
結果は良好であり、その結果を表1、表2、表3に示
す。
平均表面粗さRaは0.0018μmであり、このめっ
き膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRaも
上記の値と同一であった。
上にSiO2 をコーティングした日本板硝子製のHコー
トガラスを用いた。その他の条件は、実施例6と同様に
して積層膜のパターンを形成した。
結果は良好であり、その結果を表1、表2、表3に示
す。
平均表面粗さRaは0.0025μmであり、このめっ
き膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRaも
上記の値と同一であった。
成したラインパターン上に電気めっきにより、Cuを5
μm、Niを3μm、及び置換めっきによってAuを
0.03μm積層した。
結果は良好であり、その結果を表1、表2、表3に示
す。
平均表面粗さRaは0.0022μmであり、このめっ
き膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRaも
上記の値と同一であった。
形成したa−Pd/c−Pdの積層構造を持つラインパ
ターン上に電気めっきによりAgを3μm、Auを1μ
m積層した。
結果は良好であり、その結果を表1、表2、表3に示
す。
平均表面粗さRaは0.0017μmであり、このめっ
き膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRaも
上記の値と同一であった。
板硝子の基板に実施例1と同様な前処理工程、及び、触
媒核形成工程を施した。この基板を全面めっきする無電
解パラジウムめっき液には、石原薬品(株)製の商品名
APPプロセスを用いた。このとき、浴温50℃にてa
−Pdめっき層厚が0.06μmとなるまでガラス基板
をめっきした。このようにして成膜したa−Pdめっき
層中のP含有量は4wt%であった。
07wt%含有するc−Pdめっき層を0.1μm積層
した。この積層に使用したのは、錯形成剤としてエチレ
ンジアミン、還元剤として亜リン酸ナトリウムを用いる
無電解Pdめっき液であり、めっき温度は67℃で行っ
た。
8wt%であった。
グプロセスを用いてラインパターンを形成し、さらに、
電気めっきにより白金を積層した。
キャット製の商品名Pt−270を使用し、PH6.
3、浴温70℃にてPt膜厚が0.1μmとなるまで通
電を行った。
めっき基板にアニール処理を施した。
ュエアーを常に基板表面に吹き付けながら、最高温度1
80℃以下にて行った。
結果は良好であり、その結果を表1、表2、表3に示
す。
平均表面粗さRaは0.0020μmであった。
のガラス基板のRaも上記の値と同一であった。
電解パラジウムめっき液(商品名PARED)をc−P
dめっき層の形成に使用した以外は、実施例11と同様
の条件で積層、及び、パターンを形成した。
結果は良好であり、その結果を表1、表2、表3に示
す。
平均表面粗さRaは0.0020μmであった。このめ
っき膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRa
も上記の値と同一であった。
ーニング社製品(商品名#7059)を使用した以外
は、実施例12と同様の条件で積層膜のパターンを形成
した。
結果は良好であり、その結果を表1、表2、表3に示
す。
平均表面粗さRaは0.0018μmであった。このめ
っき膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRa
も上記の値と同一であった。
本板硝子製品(商品名Hコートガラス)を使用した以外
は、実施例12と同様の条件で積層膜のパターンを形成
した。
結果は良好であり、その結果を表1、表2、表3に示
す。
平均表面粗さRaは0.0025μmであった。このめ
っき膜をエッチングして除去した後のガラス基板のRa
も上記の値と同一であった。
上に形成したa−Pdの全面めっき上に、同じく電気C
uめっきを全面に積層した。この積層膜をフォト・エッ
チングプロセスを用いてラインパターンとした後に、電
気めっきにより、Niを3μm、及び置換めっきによっ
てAuを0.03μm積層した。
結果は良好であり、その結果を表1、表2、表3に示
す。
平均表面粗さRaは0.0023μmであり、前記の積
層めっき膜をエッチングして除去した後のガラス基板の
Raも上記の値と同一であった。
に、同じく同様の脱脂処理を施し、この基板をフッ酸溶
液中に浸漬してガラス基板の表面粗さRaを0.41μ
mに粗化した。この粗化基板に、実施例1と同様の触媒
核形成処理を施して、この上に次亜リン酸ナトリウムを
還元剤に用いる無電解Ni−P合金めっきを成膜した。
含有量は8wt%であった。
・エッチングプロセスを用いて所望のパターンを形成し
た。
ープによる引きはがし試験では膜剥離が試験面積の1%
以内で、評価結果は普通であった。また、耐熱試験後に
は膜剥離が多数発生し、評価結果は不良であった。同じ
く、パタニング試験においてもパタン断線が多数発生
し、評価結果は不良であった。これらの評価結果を表
1、表2、表3に示す。
めっきパターンに、電気めっきによりCuを5μm、N
iを3μm、及びAuを0.03μm積層した。
り試験を行ったところ、引張り強度の平均は0.3kg
/2mm□であり、評価結果は不良であった。
し、その評価結果も不良であった。
断線が多数発生し、評価結果は不良であった。これらの
評価結果を表1、表2、表3に示す。
を省いた他は、比較例1と同様の条件で0.4μmのN
i−Pめっき膜を成膜し、これに同様のパタニング処理
を施した後に、実施例3と同様にして電気Cuめっきと
電気Niめっきを積層したところ、パターンがガラス基
板とNi−Pめっき膜との界面から剥離し、上記に示し
たような評価試験を行うことはできなかった。
ためっき配線を有するガラス回路基板の一例を示したに
過ぎず、本発明は前記の特定の実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の技術的範囲内において種々の変形が
可能であることは勿論である。
板上に付与したパラジウムを主体とする触媒核上の第1
層として一定量のPを含有するa−Pdめっき層を適当
な膜厚に成膜することで、ガラス基板に極端な粗化処理
を施さなくても、充分な密着性を持つめっき層が形成で
きる。
c−Pdめっき層を積層することで、Pの含有量が傾斜
的に変化するPdめっき積層膜を形成することができ、
平滑なガラス基板上に厚膜の細線を形成する場合にも、
膜安定性と密着性が両立した湿式めっきによる配線・電
極を有する金属化ガラス基板を作成することができる。
た層構成を持つ金属化ガラス基板の模式断面図である。
ガラス基板の模式断面図である。
ガラス基板の模式断面図である。
た層構成を持つ金属化ガラス基板の模式断面図である。
を持つ金属化ガラス基板の模式断面図である。
化ガラス基板の模式断面図である。
3、実施例14に示した層構成を持つ金属化ガラス基板
の模式断面図である。
ガラス基板の模式断面図である。
ガラス基板の模式断面図である。
化ガラス基板の模式断面図である。
っき層を積層し、それに適当な熱処理を施した後、その
膜をオージェ電子分光法(AES)により分析し、Pの
深さ方向の分布強度を調査した結果を示す図である。
面にa−Pdめっき層、及び、c−Pdめっき層を形成
した基板のTEMによる断面の金属組織の一例を示す図
である。
面にa−Pdめっき層を形成し、その断面観察をTEM
により行った結果の金属組織の一例を示す図である。
a:0.4μm)上に、厚さ0.1μmのNi−Pめっ
きを施してパタニングしたガラス回路基板のSEM写真
による金属組織を示す図である。
ガラス基板(表面粗さRa:0.002μm)上に、厚
さ0.1μmのa−Pdめっきを施してパタニングを行
ったガラス回路基板のSEM写真による金属組織を示す
図である。
Claims (11)
- 【請求項1】ガラス基板上に形成された金属Pdからな
る触媒核層と、 前記触媒核層上に形成された、リンの含有量が3.0〜
10.0(wt%)である第1のPd−Pめっき層と、 を有することを特徴とするガラス回路基板。 - 【請求項2】前記第1のPd−Pめっき層の膜厚は、
0.015〜0.500μmであることを特徴とする請
求項1記載のガラス回路基板。 - 【請求項3】前記第1のPd−Pめっき層上に、Cu、
Ni、Ni−P、Ag、Pd、Pd−P、Au、Ptか
ら選ばれた1種の金属または2種以上の合金からなるめ
っき層を有することを特徴とする請求項1記載のガラス
回路基板。 - 【請求項4】前記第1のPd−Pめっき層上に形成され
たCuめっき層と、 該Cuめっき層上に形成されたNiめっき層と、 該Niめっき層上に形成されたAuめっき層と、 を有することを特徴とする請求項1記載のガラス回路基
板。 - 【請求項5】前記第1のPd−Pめっき層上に形成され
たAgめっき層と、 該Agめっき層上に形成されたAuめっき層と、 を有することを特徴とする請求項1記載のガラス回路基
板。 - 【請求項6】前記第1のPd−Pめっき層上に、リンを
0よりも多く1(wt%)よりも少なく含有する第2の
Pd−Pめっき層と、 を有することを特徴とする請求項1記載のガラス回路基
板。 - 【請求項7】前記第2のPd−Pめっき層上に、Cu、
Ni、Ni−P、Ag、Pd、Pd−P、Au、Ptか
ら選ばれた1種の金属または2種以上の合金からなるめ
っき層を有することを特徴とする請求項6記載のガラス
回路基板。 - 【請求項8】前記第2のPd−Pめっき層上に形成され
たCuめっき層と、 該Cuめっき層上に形成されたNiめっき層と、 該Niめっき層上に形成されたAuめっき層と、 を有することを特徴とする請求項6記載のガラス回路基
板。 - 【請求項9】前記第2のPd−Pめっき層上に形成され
たAgめっき層と、 該Agめっき層上に形成されたAuめっき層と、 を有することを特徴とする請求項6記載のガラス回路基
板。 - 【請求項10】前記第2のPd−Pめっき層の膜厚が、
0.015〜0.250μmであることを特徴とする請
求項6乃至9のいずれかに記載のガラス回路基板。 - 【請求項11】前記ガラス基板の平均表面粗さRaが、
0.0010〜0.10μmであることを特徴とする請
求項1乃至10のいずれかに記載のガラス回路基板。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28407396A JP3478684B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | ガラス回路基板 |
DE69735406T DE69735406T2 (de) | 1996-10-25 | 1997-10-24 | Glasschaltungssubstrat und Verfahren zu dessen Herstellung |
US08/956,700 US6156413A (en) | 1996-10-25 | 1997-10-24 | Glass circuit substrate and fabrication method thereof |
EP97308509A EP0838980B1 (en) | 1996-10-25 | 1997-10-24 | Glass circuit substrate and fabrication method thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28407396A JP3478684B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | ガラス回路基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10130856A JPH10130856A (ja) | 1998-05-19 |
JP3478684B2 true JP3478684B2 (ja) | 2003-12-15 |
Family
ID=17673936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28407396A Expired - Fee Related JP3478684B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | ガラス回路基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3478684B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4557570B2 (ja) * | 2004-03-01 | 2010-10-06 | 成之 上宮 | 水素分離用薄膜の製造方法 |
JP5286893B2 (ja) * | 2007-04-27 | 2013-09-11 | 日立化成株式会社 | 接続端子、接続端子を用いた半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法 |
JP6020070B2 (ja) * | 2011-11-17 | 2016-11-02 | Tdk株式会社 | 被覆体及び電子部品 |
JP7269038B2 (ja) * | 2019-03-13 | 2023-05-08 | マクセル株式会社 | メッキ部品の製造方法 |
-
1996
- 1996-10-25 JP JP28407396A patent/JP3478684B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10130856A (ja) | 1998-05-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0838980B1 (en) | Glass circuit substrate and fabrication method thereof | |
US6127052A (en) | Substrate and method for producing it | |
US4859505A (en) | Process for metallizing glass surface | |
JP3728572B2 (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP3478684B2 (ja) | ガラス回路基板 | |
JP3619016B2 (ja) | 基板及びその製造方法 | |
US6524645B1 (en) | Process for the electroless deposition of metal on a substrate | |
JP2013036118A (ja) | 金属膜付きガラス材料および製造方法 | |
TW200816291A (en) | Electroless NiP adhesion and/or capping layer for copper interconnection layer | |
JP3125838B2 (ja) | 2層フレキシブル基板の製造方法 | |
JPH1056247A (ja) | ガラス製配線基板とその製造方法 | |
JP3535684B2 (ja) | ガラス製配線基板 | |
JPS60245781A (ja) | 透明導電膜パタ−ン上へのめつき方法 | |
JP6754152B1 (ja) | めっき積層体 | |
JPH10195668A (ja) | 2層フレキシブル基板の製造方法 | |
JP3846708B2 (ja) | 電子部品のめっき方法、及び電子部品の製造方法 | |
JP2000259095A (ja) | 画像表示デバイス用基板 | |
JPH0661619A (ja) | 回路基板の製造方法 | |
JP3857219B2 (ja) | 配線基板およびその製造方法 | |
JPH0216788A (ja) | セラミックプリント配線板 | |
JPS60245782A (ja) | 透明導電膜パタ−ン上へのめつき方法 | |
JPH0585637B2 (ja) | ||
JPH08273967A (ja) | 電子部品の電極形成方法 | |
JPH02178910A (ja) | 積層型セラミックチップコンデンサーの製造方法 | |
JPH07161567A (ja) | 電子部品の電極及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101003 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101003 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111003 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111003 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121003 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131003 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |