JP2000254939A - 樹脂製成形品およびその製造装置 - Google Patents
樹脂製成形品およびその製造装置Info
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Abstract
物と射出樹脂との密着性を高めることができる樹脂成形
品およびその製造装置を提供する。 【解決手段】 雄型3と雌型2との間のキャビティ7内
に軟質性のメッシュ状電磁波シールド繊維11が配置さ
れ、雄型3と雌型2とが型締められる。このとき軟質性
の電磁波シールド繊維11は雄型3の表面の形状に追従
して変形する。このためキャビティ7内の形状に合わせ
てインサート物を作製する必要はない。またメッシュ状
の電磁波シールド繊維11の表面に射出樹脂12が射出
されて樹脂製成形品10が成形される。雌型2に設けら
れた突出型2bにより射出樹脂12に貫通穴13が形成
される。
Description
びその製造装置に係り、とりわけ内部にインサート物を
有する樹脂製成形品およびその製造方法に関する。
脂製成形品が知られている。またこのような樹脂製成形
品は、成形品の形状に対応したインサート物を成形金型
内に予め配置し、その後成形金型内に射出樹脂を射出す
ることにより得られる。
ト物を有する樹脂製成形品を製造する際、成形品の形状
に対応したインサート物を予め成形金型内に配置する必
要がある。しかしながら、この場合、成形金型内の所定
位置にインサート物を配置しなければならず、成形作業
の自由度に制限が設けられているのが実情である。
ものであり、成形作業の自由度を大きく改善することが
できる樹脂製成形品およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
この射出樹脂に設けられた軟質性メッシュ状物とを備
え、射出樹脂の一部に貫通穴を形成したことを特徴とす
る樹脂製成形品、射出樹脂と、この射出樹脂に設けられ
た軟質性メッシュ状物とを備え、射出樹脂は所定の射出
方向を有し、軟質性メッシュ状物は所定の目の方向を有
し、メッシュ状物の目の方向は射出樹脂の射出方向に対
して傾斜していることを特徴とする樹脂製成形品、射出
樹脂と、この射出樹脂に設けられた軟質性メッシュ状物
とを備え、メッシュ状物は多数の開孔を有し、各開孔面
積は0.04mm2 以上となっていることを特徴とする
樹脂製成形品、射出樹脂と、この射出樹脂に設けられた
軟質性メッシュ状物とを備え、射出樹脂の壁面に凹凸を
設けたことを特徴とする樹脂製成形品、射出樹脂と、こ
の射出樹脂に設けられた軟質性メッシュ状物とを備え、
射出樹脂の壁面に内側または外側へ突出する曲面部を設
けたことを特徴とする樹脂製成形品、射出樹脂と、この
射出樹脂に設けられた軟質性メッシュ状物とを備え、メ
ッシュ状物は多数の開孔を有し、射出樹脂の一部は開孔
の厚み方向略中央まで進入して終了し、これによりメッ
シュ状物が射出樹脂から剥離自在となっていることを特
徴とする樹脂製成形品、射出樹脂と、この射出樹脂に設
けられた軟質性メッシュ状物とを備え、射出樹脂は、ヒ
ンジを介して連結された一対の成形品部分を形成し、ヒ
ンジはメッシュ状物により構成されていることを特徴と
する樹脂製成形品、射出樹脂と、この射出樹脂に設けら
れた軟質性メッシュ状物とを備え、射出樹脂はコーナ部
を有する箱体を形成し、箱体のコーナ部内面にはメッシ
ュ状物を収納する突出リブが設けられていることを特徴
とする樹脂製成形品、射出樹脂と、この射出樹脂に設け
られた軟質性メッシュ状物とを備え、射出樹脂はコーナ
部を有する箱体を形成し、箱体のコーナ部内径はメッシ
ュ状物を収納するためコーナ部外径より大きくなってい
ることを特徴とする樹脂製成形品、樹脂製成形品を製造
するための樹脂製成形品の製造装置において、雄型と、
雄型との間で軟質性メッシュ状物が配置されるキャビテ
ィを形成する雌型とを備え、雌型に雄型側へ向って突出
する突出型を設けたことを特徴とする樹脂製成形品の製
造装置である。
施の形態について説明する。
品およびその製造装置を示す図である。図1に示すよう
に、樹脂製成形品10は射出樹脂12と、この射出樹脂
12の一側に配置された軟質性の電磁波シールド繊維
(メッシュ状物)11とを備えている。このうち電磁波
シールド繊維11は、インサート物として電磁波を遮へ
いするものであり、具体的には図7(a)(b)に示す
ように多数の線状体15からなり多数の開孔16を有す
るメッシュ状の多孔性繊維からなっている。
エステル製の芯材15aと、この芯材15aの外面を覆
う金属層15bとからなっており、金属層15bは銅ま
たはニッケルを芯材15aの外面に無電解メッキするこ
とにより形成される。なお、線状体15をガラス製芯材
15aと、このガラス性芯材15aの外面を覆う金属層
15bとから構成してもよく、また線状体15を金属芯
材のみから構成しても良い。
部に貫通穴13が形成されている。この貫通穴13は電
磁波シールド繊維11によって覆われているが、電磁波
シールド繊維11に射出樹脂12の貫通穴13に対応し
て貫通口14を設けてもよい。
を用いることができるが、例えばPC、HIPS、P
S、PP、PE、ABS、PVC、ナイロン、AS等を
用いることができる。
かつ電磁波シールド繊維11が所望の光透過率を有する
ことにより、電磁波シールド特性に優れ、かつ全体とし
て透明性を有する樹脂製成形品10を得ることができ
る。
する。図1に示すように製造装置は雄型3と、雄型3と
の間でキャビティを形成するとともにゲート2aを有す
る雌型2とを備え、このキャビティ7内に電磁波シール
ド繊維11が配置される。
が設けられ、このストリッパ8と雄型3との間で電磁波
シールド繊維11が挟持されるようになっている。
2bが設けられ、この突出型2bにより射出樹脂12の
貫通穴13が形成されるようになっている。
する。
電磁波シールド繊維11が巻出ロール5から巻出されて
雌型2と雄型3との間のキャビティ7内に配置される。
配置された電磁波シールド繊維11は、巻出ロール5と
巻取ロール6との間である程度の張力をかけた状態で保
持されている。
し、雄型3とストリッパ8との間で電磁波シールド繊維
11が挟持される。
性となっており、かつ巻出ロール5と巻取ロール6との
間である程度張力がかけられているので、電磁波シール
ド繊維11は雄型3の表面形状にしわが寄ることなく追
従して変形する。このようにして、雄型3の表面の所定
位置に、所望の形状に変形した電磁波シールド繊維11
を配置することができる。
2のゲート2aから射出樹脂12がキャビティ7内に射
出され、電磁波シールド繊維11上に射出樹脂12が接
着する。
性を有するため、その表面に適度な凹凸を有している。
このため電磁波シールド繊維11の凹凸部分に射出樹脂
12が入り込むことによって、電磁波シールド繊維11
と射出樹脂12との密着性を向上させることができる。
形品10が得られる。この場合、射出樹脂12の一部に
突出型2bによって貫通穴13が形成される。その後、
電磁波シールド繊維11の外縁が樹脂製成形品10の形
状分だけ図示しないカッターで破断され、電磁波シール
ド繊維11はさらに巻取ロール6によって巻取られる。
シールド特性を有しかつ貫通穴13を有する樹脂製成形
品10を容易かつ簡単に製造することができる。
形品10のメッシュ状物として電磁波シールド繊維11
を用いた例について説明したが、これに限らず電磁波シ
ールド繊維11の代わりに合成樹脂製不織布を用いても
よく、また多数の孔を有する合成樹脂製フィルムを用い
てもよい。
シールド繊維11の外縁を破断した例を説明したが、ス
トリッパ8に切断部を設け、雄型3にストリッパ8を押
付ける際、予め電磁波シールド繊維11を破断しておい
てもよい。
突出型2bによって電磁波シールド繊維11に射出樹脂
12の貫通穴13に対応する貫通口14を形成してもよ
い。
例について説明する。図2示す変形例は、雌型2から突
出する突出型2bが雌型2の収納溝17内に摺動自在に
収納されるとともにスプリング18により雄型3側へ付
勢されている点が異なるのみであり、他は図1および図
7に示す実施の形態と略同一である。
に突出型2bが電磁波シールド繊維11を弾性的に押圧
するので、射出樹脂12を射出する際、射出圧によって
電磁波シールド繊維11が突出型2b上で滑べることが
できる。このため図3に示すように、電磁波シールド繊
維11の貫通穴13近傍に破れ18aやしわ19aが生
じることはない。
ツキはスプリング18により吸収することができる。
納されスプリング18により付勢された突出型2bのう
ち、雄型3側の端縁19を曲面状に形成してもよい。
シールド繊維11を効果的に滑らせることがきる。
て油圧シリンダー、エアシリンダー等で駆動させるよう
にしてもよい。
繊維11は、所定の目の方向を有しているが、この電磁
波シールド繊維11の目の方向L1 を射出樹脂12の射
出方向L2 に対して傾斜させることにより電磁波シール
ド繊維11を全体として射出方向L2 に伸び易くするこ
とができ、電磁波シールド繊維11の破断およびしわの
発生を防止することができる(図5(a))。
直交する場合、電磁波シールド繊維11は全体として射
出方向L2 に伸びにくくなる(図5(b))。図5
(a)(b)において、射出方向L2 は、ゲート2aと
貫通口13とを結ぶ直線と略一致する。
品10を示すが、この場合も電磁波シールド繊維11の
目の方向L1 を射出方向L2 に対して傾斜させることに
より、電磁波シールド繊維11を全体として射出方向L
2 に伸び易くすることができる。
磁波シールド繊維11の伸びは、線状体15の初期状態
の交点間の長さPと、交差角度が90゜のときの線状体
15の交点間の長さQとにより、
傾斜させることにより、この伸びを大きくすることがで
きる。
形例について説明する。図9乃至図11に示す変形例
は、樹脂製成形品10が電磁波シールド繊維11側に射
出樹脂12からなるリブ20を有するとともに、電磁波
シールド繊維11の線状体15内に形成された開孔16
の面積を0.04mm2 以上としたものであり、他は図
1および図7に示す実施の形態と略同一である。
15の線径をdとし、開孔両端をa×bとし、開孔率を
のとき、 線径300μ、開孔率45%、開孔面積0.37mm
2 のとき、上記いずれの場合も、射出樹脂12が電
磁波シールド繊維11を破断させることなく、電磁波シ
ールド繊維11をスムースに通過してリブ20を成形す
ることができる。
×100×20mmとなっており、成形品の厚みは1.
5mmとなっている。またリブ20の形状は巾1.5m
m×高さ3mm×長さ20mm〜150mmである。
開孔率が40%以上、開孔面積が0.04mm2 以上の
場合、電磁波シールド繊維11を破断させることなく射
出樹脂12をスムースに通過させて確実にリブ20を成
形することができる。
する場合に限らず、例えば直径φ5.6〜φ2.6×高
さ3mmのボスも確実に成形することができる。
の変形例について説明する。図12および図13に示す
変形例は、電磁波シールド繊維11として伸縮性のある
ものを用い、これによって樹脂製成形品10にリブ20
を設けるとともにその側壁面に凸部21および凹部22
を設けたり(図12)、樹脂製成形品10の側壁面に外
側へ突出する外側曲面部23および内側へ突出する内側
曲面部24を設けたものである(図13)。
同一である。
間で、一方の樹脂製成形品10の凸部21が他方の樹脂
製成形品10の凹部22に嵌込まれる。また図13にお
いて、一方の樹脂製成形品10の外側曲面部23が他方
の樹脂製成形品10の内側曲面部24に嵌込まれるよう
になっている。
電磁波シールド繊維11は伸縮性にとむネット状に織っ
たものであり、伸び率は縦方向に1〜2倍、横方向に1
〜4倍となっている。
は、その形状が100×150×20mmで、リブ20
は高さ3mm×幅1mmとなっている。雄型3と雌型2
とからなる成形機(日本製鋼所製J350EPU(型締
め350t))のキャビティ内に配置される電磁波シー
ルド繊維11は、予め150×250mmにカットさ
れ、一側が雄型3とストリッパ8により挟持され他側が
自由となっている。
ティ内に射出樹脂12を射出すると、電磁波シールド繊
維11がキャビティ内で十分に伸びて深さ20mmの成
形品10全域に達する。また電磁波シールド繊維11の
開孔を通って射出樹脂12が電磁波シールド繊維11の
裏側まで達し、リブ20を確実に成形することができ
る。また電磁波シールド繊維11と射出樹脂12との密
着性も良好となる。
いて説明する。図14に示す変形例は、電磁波シールド
繊維11の線状体15間に開孔16が形成され、射出樹
脂12の一部が開孔16内の厚み方向略中央まで進入し
て終了しているものであり、他は図1および図7に示す
実施の形態と略同一である。
12と電磁波シールド繊維11とから樹脂製成形品(1
00×150×20mm)が得られる。このうち電磁波
シールド繊維11の開孔16内において射出樹脂12
が、電磁波シールド繊維11の厚み方向L3 の略中央ま
で進入している。このように射出樹脂12が開孔16内
の厚み方向L3 の全長まで進入していないので、樹脂製
成形品10を廃棄する際電磁波シールド繊維11の射出
樹脂12から容易に剥離することができる。
11として開口面積1mm2 以下の粗さを有するものが
用いられ、成形機として日本製鋼所製J350EPU
(型締め350t)のものが用いられる。
いて説明する。図15に示す変形例は樹脂製成形品10
が一対の成形品部分10a,10bからなり、各成形品
部分10a,10bが電磁波シールド繊維11と射出樹
脂12とを有するものである。
同一である。
と、他方の成形品部分10bはヒンジ30によって連続
されている。このヒンジ30は電磁波シールド繊維11
からなり、一方の成形品部分10aおよび他方の成形品
部分10bの各々の電磁波シールド繊維11と一体とな
っている。
の変形例について説明する。図16および図17に示す
変形例は樹脂製成形品10がコーナ部25を有する箱体
27を形成したものであり、他は図1および図7に示す
実施の形態と略同一である。
7のコーナ部25の内径R1 は外径R2 より大きくなっ
ており、このコーナ部25内において、電磁波シールド
繊維11の重なり部分を収納するようになっている(図
17(a))。また箱体27のコーナ部25の内面に電
磁波シールド繊維11の重なり部分を収納するための突
出リブ26を設けてもよい。
型を型締めする際、軟質のメッシュ状物を雄型と雌型と
の間の形状に追従して変形させることができる。このた
め成形金型内の形状に合わせた形状を有するインサート
物を予め作製しておく必要はない。また、射出樹脂とメ
ッシュ状物との密着性を向上させることができるので、
射出樹脂とメッシュ状物との間に別の接着剤等を設ける
必要はない。
図。
図。
図。
図。
図。
図。
図。
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Claims (13)
- 【請求項1】射出樹脂と、 この射出樹脂に設けられた軟質性メッシュ状物とを備
え、 射出樹脂の一部に貫通穴を形成したことを特徴とする樹
脂製成形品。 - 【請求項2】軟質性メッシュ状物のうち射出樹脂の貫通
穴に対応する部分に、貫通口を設けたことを特徴とする
請求項1記載の樹脂製成形品。 - 【請求項3】射出樹脂と、 この射出樹脂に設けられた軟質性メッシュ状物とを備
え、 射出樹脂は所定の射出方向を有し、軟質性メッシュ状物
は所定の目の方向を有し、 メッシュ状物の目の方向は射出樹脂の射出方向に対して
傾斜していることを特徴とする樹脂製成形品。 - 【請求項4】射出樹脂と、この射出樹脂に設けられた軟
質性メッシュ状物とを備え、 メッシュ状物は多数の開孔を有し、各開孔面積は0.0
1mm2 以上となっていることを特徴とする樹脂製成形
品。 - 【請求項5】射出樹脂と、 この射出樹脂に設けられた軟質性メッシュ状物とを備
え、 射出樹脂の壁面に凹凸を設けたことを特徴とする樹脂製
成形品。 - 【請求項6】射出樹脂と、 この射出樹脂に設けられた軟質性メッシュ状物とを備
え、 射出樹脂の壁面に内側または外側へ突出する曲面部を設
けたことを特徴とする樹脂製成形品。 - 【請求項7】射出樹脂と、この射出樹脂に設けられた軟
質性メッシュ状物とを備え、 メッシュ状物は多数の開孔を有し、射出樹脂の一部は開
孔の厚み方向略中央まで進入して終了し、これによりメ
ッシュ状物が射出樹脂から剥離自在となっていることを
特徴とする樹脂製成形品。 - 【請求項8】射出樹脂と、この射出樹脂に設けられた軟
質性メッシュ状物とを備え、 射出樹脂は、ヒンジを介して連結された一対の成部品部
分を形成し、ヒンジはメッシュ状物により構成されてい
ることを特徴とする樹脂製成形品。 - 【請求項9】射出樹脂と、 この射出樹脂に設けられた軟質性メッシュ状物とを備
え、 射出樹脂はコーナ部を有する箱体を形成し、箱体のコー
ナ部内面にはメッシュ状物を収納する突出リブが設けら
れていることを特徴とする樹脂製成形品。 - 【請求項10】射出樹脂と、 この射出樹脂に設けられた軟質性メッシュ状物とを備
え、 射出樹脂はコーナ部を有する箱体を形成し、箱体のコー
ナ部内径はメッシュ状物を収納するためコーナ部外径よ
り大きくなっていることを特徴とする樹脂製成形品。 - 【請求項11】軟質性メッシュ状物が、電磁波シールド
繊維で形成されていることを特徴とする請求項1乃至1
0のいずれかに記載の樹脂製成形品。 - 【請求項12】樹脂製成形品を製造するための樹脂製成
形品の製造装置において、 雄型と、 雄型との間で軟質性メッシュ状物が配置されるキャビテ
ィを形成する雌型とを備え、 雌型に雄型側へ向って突出する突出型を設けたことを特
徴とする樹脂製成形品の製造装置。 - 【請求項13】突出型の雄型側端縁は曲面状に形成され
ていることを特徴とする請求項12記載の樹脂製成形品
の製造装置。
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