JP3575129B2 - 表皮一体成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表皮と樹脂基材とからなる表皮一体成形品とその製造方法に関し、詳しくは表皮を型内に配置してスタンピング成形で樹脂基材を形成する場合の、表皮の端末を処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
表皮と樹脂成形品とからなる表皮一体成形品は、以前は表皮と樹脂成形品を別々に形成し、両者を接着などで一体化する方法で製造されていた。しかしながら、この方法では接着などの工数が多大となるため、近年では表皮を型内に配置して樹脂基材を形成するスタンピング成形が主流となっている。
【0003】
このスタンピング成形では、例えば先ず上型に表皮を配置し表皮と下型の間に溶融樹脂を供給して型締めし、樹脂基材のスタンピング成形を行う。これにより表皮は上型の型面に押圧されてその型面形状に賦形されるとともに形成された樹脂基材と一体的に接合され、接着剤などが不要となる。またスタンピング成形時の圧力は射出成形などに比べて格段に低いため、表皮の発泡層のつぶれなどの損傷や型内での移動が防止され、良好な表皮一体成形品が得られる。なお表皮には、予め所定形状に賦形したものが用いられる場合もある。
【0004】
ところで、スタンピング成形の場合においては、表皮の周縁部の端末は上下一対の型の間に挟持されている場合が多く、成形後には樹脂基材から離れた状態にあるため、表皮の端末処理法が問題となる。
この表皮の端末の処理方法としては、成形後に表皮200の周縁部を所定幅に切断し、その後例えば図7に示すように、スタンピング成形後に樹脂基材100の端部の裏面側へ表皮200の端末201を巻き込み、タッカーや接着剤を用いて固定する方法が知られている。
【0005】
あるいは図8に示すように樹脂基材100の端部の体積を大きくし、断面略L字状となるように予め賦形された表皮200を用いてスタンピング成形を行えば、表皮200の端末201を樹脂基材100と一体化することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところがスタンピング成形後に表皮端末を樹脂基材に固定する方法では、切断による不揃いの表皮端末の端面が外部に表出しているため、外観品質的に好ましくない。そのため表皮端末部分を蓋などで覆うことも行われているが、部品点数と工数が増大するという不具合がある。
【0007】
また表皮端末を断面略L字状としてスタンピング成形時に樹脂基材と一体化する方法では、成形品形状によっては一体化が困難となる場合がある。また表皮端末の端面から漏れた樹脂が表皮端末の表面にはみ出して外観品質が損なわれる場合もある。さらに、表皮の収縮などにより表皮端末が樹脂基材から剥離する場合もある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、表皮一体成形品の表皮端末部分の外観品質を向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の表皮一体成形品の製造方法の特徴は、上下一対の型からなるスタンピング成形型を用い上型及び下型の間に表皮を挟持した状態で表皮と上型及び下型の一方の型との間に溶融樹脂を供給して樹脂基材をスタンピング成形するとともに表皮を上型及び下型の他方の型の型面に押圧して賦形する表皮一体成形方法において、
一方の型の型面には他方の型に向かって突出するビードをもち、成形品の離型後に表皮自体の末端を樹脂基材の端末に沿わせて巻き込み、表皮自体の末端をビードで形成された樹脂基材の溝部に押し込むことにある。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法により製造された表皮一体発泡品では、表皮の端末の表皮自体の末端が樹脂基材に埋設されているので、表皮自体の末端が外部に表出せず外観品質に優れている。表皮自体の末端は、5〜7mm程度の長さの部分が埋設されていることが望ましい。埋設長さがこれより短いと表皮の収縮などにより埋設部分が外部へ出てしまう場合があり、これより長くしても意味がなく逆に樹脂基材の強度が低下するようになる。
【0012】
表皮は、例えば軟質のポリ塩化ビニル製などの表皮層のみから構成することもできるが、表皮層の裏面に積層された発泡ポリウレタンあるいは発泡ポリ塩化ビニルなどの発泡層をもつ構成とすることが望ましい。発泡層をもつことにより、成形時の樹脂の圧力で圧縮された発泡層が離型後に復元して、樹脂基材との間の隙間が充填され外観品質が一層向上する。
【0014】
本発明の表皮一体成形品の製造方法では、樹脂基材の成形時に表皮は樹脂の圧力で押圧されて型面形状に賦形されるので、表皮を予め所定形状に賦形する必要がなく工数が短縮される。そして成形品を離型後、ビードにより形成された溝部に表皮自体の末端を押し込む。この時、接着剤を用いて溝部内に表皮自体の末端をしっかり固定することが好ましい。
【0015】
【実施例】
以下、参考例及び実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
参考例1
図1に本発明の一参考例の表皮一体成形品の断面図を、図2にその要部拡大断面図を示す。この表皮一体成形品は、ポリプロピレン製樹脂基材1と、樹脂基材1表面に被覆され樹脂基材1と一体的に接合された厚さ3mmの表皮2とから構成され、断面コ字状の箱形状をなしている。
【0016】
樹脂基材1の端部10には、先端端面に開口する溝部11が形成されている。そして表皮2は端部10の外側表面及び先端端面の一部を覆い、表皮自体の末端22が溝部11内に埋設されている。
表皮2は、発泡ポリウレタン製の発泡層20と、発泡層20表面に一体的に積層されたポリ塩化ビニル製の表皮層21と、から構成されている。
【0017】
図3にこの表皮一体成形品の製造に用いた金型の断面図を示す。この金型はスタンピング成形用金型であり、上型30と下型31及びスライドコア32から構成される。下型31には、樹脂基材1の表皮2と接する側と反対側の表面を規定する型面をもつ凸部33が形成され、凸部33の周囲には凸部33と所定距離離間した位置に凸部33を一周する厚さ2mmのビード34が突出して設けられている。
【0018】
上記金型を用いて上記表皮一体成形品を製造するには、先ず真空成形により表皮2を図3に示す所定形状に予備賦形する。予備賦形された表皮2は、端末が断面略J字形状に曲折されている。この予備賦形された表皮2を上型30の型面に沿わせて配置し、上型30と下型31を僅かに離間させた状態で下型31の凸部33表面に所定量の溶融樹脂4を供給する。
【0019】
そして上型30を下型31に向かって近接駆動することにより、溶融樹脂4は表皮2と下型31型面との間で押し拡げられる。このとき表皮2は、断面略J字形状の表皮2自体の末端22がビード34の金型凸部33とは反対側の外表面側に位置し、断面略J字状端末の間に樹脂が充填されるため、表皮2自体の末端22は樹脂圧力により倒れようとする。しかしビード34の存在により表皮2自体の末端22がビード34に当接して圧接され、表皮2は確実に型面形状に沿って賦形されるため、端末の断面略J字状が維持される。またビード34と凸部33の間の溝部35にも樹脂が充填される。
【0020】
このとき表皮2自体の末端22の先端はビード34に圧接されるため、発泡層20の圧縮変形により厚さが薄くなっている。そして樹脂が冷却固化後、上型30と下型31が型開きされ、スライドコア32が移動して表皮一体成形品が離型される。樹脂基材1にはビード34により溝部11が形成されている。この溝部11からビード34が抜かれると、表皮2自体の末端22では発泡層20が膨張して形状が復元され、それにより表皮2自体の末端22が溝部11を充填するため、溝部11が目立たなくなり外観品質が向上する。
【0021】
なお、本参考例では樹脂基材1を中実としたが、図4に示すように成形時にガスを注入して樹脂基材1の端部10を中空部36とすることもできる。このようにすれば一層の軽量化を図ることができる。
実施例1
上記の参考例1では表皮2を予め予備賦形して用いたが、本実施例では図5に示すように表皮2を予備賦形せず、所定の大きさに裁断した状態で上型30及び下型31の間に配置する。本実施例に用いた金型は、ビード34の厚さが3mmと参考例1に比べて厚くなっていること以外は参考例1と同様である。
【0022】
本実施例では、溶融樹脂4を供給して上型30を下型31に近接駆動すると、表皮2の周縁部はスライドコア32と下型31の間で挟持される。そして溶融樹脂4は表皮2と下型31の間で押し拡げられ、その圧力により表皮2は上型30の型面に押圧されて型面形状に賦形され、樹脂の冷却固化により賦形形状が保持される。
【0023】
そして型開き後離型された表皮一体成形品では、表皮2の端末周縁部が所定幅に切断される。樹脂基材1の端部10の端面にはビード34により形成された溝部12が形成され、溝部12の外側から表皮2の端末が樹脂基材1から離れて自由な状態で延びている。したがって表皮2自体の末端22を巻き込んで先端を溝部12内に押し込むことで、図6に示すように、参考例1と同様に表皮2自体の末端22が樹脂基材1中に埋設された表皮一体樹脂成形品が製造される。なお、このとき接着剤を用いて表皮2自体の末端22を溝部12内に接着固定することが望ましい。
【0024】
【発明の効果】
すなわち本発明の製造方法により製造された表皮一体樹脂成形品によれば、表皮の端部が樹脂基材中に埋設されているため、表皮の裁断による不揃いの端面の影響を受けず外観品質に優れている。また従来用いられていた、表皮端末を隠すための蓋などの部品が不要となり、部品点数と工数を低減することができる。
【0025】
そして本発明の表皮一体樹脂成形品の製造方法によれば、表皮の端部が樹脂基材中に埋設された樹脂成形品を容易に、しかも確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で製造された表皮一体樹脂成形品の全体断面図である。
【図2】本発明の一実施例で製造された表皮一体樹脂成形品の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施例で上型と下型を型締めする前の状態を説明する断面図である。
【図4】本発明の一実施例で製造される表皮一体樹脂成形品の他の態様を示す要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例で上型と下型を型締めする前の状態を説明する断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例で製造された表皮一体樹脂成形品の要部拡大断面図である。
【図7】従来の表皮一体樹脂成形品の要部拡大断面図である。
【図8】従来の表皮一体樹脂成形品の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1:樹脂基材 2:表皮 4:溶融樹脂
11:溝部 22:末端 34:ビード

Claims (1)

  1. 上下一対の型からなるスタンピング成形型を用い上型及び下型の間に表皮を挟持した状態で該表皮と上型及び下型の一方の型との間に溶融樹脂を供給して樹脂基材をスタンピング成形するとともに該表皮を上型及び下型の他方の型面に押圧して賦形する表皮一体成形方法において、
    該一方の型の型面には該他方の型に向かって突出するビードをもち、成形品の離型後に該表皮自体の末端を該樹脂基材の端末に沿わせて巻き込み、該表皮自体の末端の先端を該ビードで形成された該樹脂基材の溝部に押し込むことを特徴とする表皮一体成形品の製造方法。
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