JP2000248022A - ビニルアルコール系重合体 - Google Patents

ビニルアルコール系重合体

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JP2000248022A
JP2000248022A JP11055068A JP5506899A JP2000248022A JP 2000248022 A JP2000248022 A JP 2000248022A JP 11055068 A JP11055068 A JP 11055068A JP 5506899 A JP5506899 A JP 5506899A JP 2000248022 A JP2000248022 A JP 2000248022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 側鎖にポリアルキレンオキサイド構造を有す
る新規なビニルアルコール系重合体を提供する。 【解決手段】 本発明は末端にテトラヒドロフルフリロ
キシ基を有するポリアルキレンオキサイド構造を側鎖に
もつ新規なビニルアルコール系重合体である。このもの
は、極性の異なる各種材料に対する親和性が良好で、分
散剤、接着剤、表面コーティング性等に優れる。特に分
子側鎖のを有するため、水および多くの有機溶剤と自由
に混合し、種々のポリマーを溶解するという特徴を生か
すことにより、有機材料、無機材料の両者に対して優れ
た親和性を発現する。更にこれにカルボン酸類を導入す
ることにより、一段と各種材料に対する親和性が向上す
る為、工業的に非常に有用性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なビニルアルコ
ール系重合体に関し、該ビニルアルコール系重合体は極
性の異なる各種材料に対する親和性が良好で、分散性、
接着性、水に対する溶解性、表面コーティング性等に優
れる。
【0002】
【従来の技術】分子内にビニルアルコール単位を有する
ビニルアルコール系重合体としてはポリビニルアルコー
ル(以下「PVA」と略記する)が知られており、各種
用途に使用されているが、求められる性能が多様化し、
かつ高度なものになってきている為、特徴のある各種の
変性PVAが要望されている。これらの要望に答えるべ
く各種の検討がなされており、特公平5−49683号
公報ではアルキレンオキサイド基を有する不飽和単量体
の少なくとも1種と酢酸ビニルの共重合体を鹸化するこ
とを特徴とする変性PVAの製造方法が開示されてい
る。
【0003】また、特開平4−114004号公報には
不飽和単量体としてポリオキシエチレンアルキルアリル
フェニルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリ
ルオキシフェニルエーテル又はポリオキシエチレンアル
キルアリルフェニルエーテル硫酸エステルと酢酸ビニル
との共重合体を鹸化する事を特徴とする変性PVAの製
造方法が開示されている。これらのアルキレンオキサイ
ド基を含有する不飽和単量体の末端基構造はXで示さ
れ、その内容を見ると、Xは水素、SO3M、PO3Mで
あり、Mはアルカリ金属原子、NH4、アルカノールア
ミン残基であることが公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、側鎖
にポリアルキレンオキサイド構造を有する新規なビニル
アルコール系重合体を提供するものであり、該ビニルア
ルコール系重合体は極性の異なる各種材料に対する親和
性が良好で、分散性、接着性、コーティング性等に優れ
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
アルキレンオキサイド基の末端構造をテトラヒドロフル
フリロキシ基としたテトラヒドロフルフリロキシポリア
ルキレンオキサイド基(以下「THFPAO基」と略記
する)を側鎖に有する新規なビニルアルコール系重合体
である。このビニルアルコール系重合体はテトラヒドロ
フルフリロキシポリアルキレンオキサイドアルケニルエ
ーテル(以下「THF−POAE」と略記する)と酢酸
ビニルを共重合し鹸化する事により得ることができる。
更に本発明のビニルアルコール系重合体にあってはカル
ボキシル系基を含有させることができ、これにより極性
の異なる多様な素材に対する親和性が一段と向上させる
ことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明す
る。本発明のビニルアルコール系重合体は分子内にビニ
ルアルコール単位と側鎖にTHFPAO基を有するもの
であり、更に、カルボキシル系基を有するものも含まれ
る。ここでカルボキシル系基とは、カルボン酸基(−C
OOH基)、カルボン酸塩基(−COOX基)、酸無水
物基(−COOOC−基)を意味する。
【0007】本発明のビニルアルコール系重合体を分散
剤関係、接着剤関係、被覆材関係、乳化剤関係、増粘剤
関係、凝集剤関係、成形物関係、土壌改良剤関係、感光
剤関係の各分野において用いる場合、その粘度平均重合
度(以下「重合度」と略記する)が100〜10000
のものを好適に使用することができ、より好ましくは2
00〜6000、更に好ましくは300〜4500の範
囲にあるものである。重合度が100未満の場合はビニ
ルアルコール系重合体としての特徴が出ず、重合度が1
0000を超える場合は粘度が高すぎて工業的な生産が
し難くなる。
【0008】ビニルアルコール系重合体の鹸化度に特に
制限はなく、完全鹸化でも部分鹸化でもよい。水溶性を
必要とする場合は鹸化度を50モル%以上、好ましくは
70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上とする
とよい。鹸化度が50モル%未満ではTHFPAO基、
カルボキシル系基の量を増やしても水溶性が乏しくな
る。
【0009】THFPAO基の含有量に特に制限はない
が、各用途分野においてビニルアルコール単位と酢酸ビ
ニル単位の合計量に対し0.1〜20モル%のものを使
用することができる。より好ましくは0.1〜10モル
%、更に好ましくは0.1〜7モル%である。0.1モ
ル%未満ではビニルアルコールの変性効果に乏しく、2
0モル%を超えるとPVAの良好な強度等の特性が失わ
れる。THFPAO基中のアルキレンオキサイド基の数
は1〜200であり、より好ましくは3〜100であ
る。nの数が0では側鎖が短く末端基の効果が発揮され
にくく、200超えると側鎖が長すぎてPVAとしての
性能が発揮されにくい。
【0010】カルボキシル系基の含有量に特に制限はな
いが、各用途分野においてビニルアルコール単位と酢酸
ビニル単位の合計量に対し0.01〜10モル%の範囲
のものを好適に使用することとができる。より好ましく
は0.1〜7モル%であり、更に好ましい範囲は0.1
〜5モル%である。0.01モル%以下では変性による
効果が少なく好ましくない。10モル%を超えると耐水
性が低下し好ましくない。
【0011】本発明のビニルアルコール系重合体はTH
F−POAEと酢酸ビニルを共重合しそれを鹸化するこ
とにより得ることができる。使用されるTHA−POA
Eのアルキレンオキサイド基の数は、すなわち式(2)
のnは1〜200であり、より好ましくは3〜100で
ある。R1は炭素数2〜5の不飽和炭化水素基であり、
なかでも炭素数2のビニル基、炭素数3のアリル基が好
適であり、最も好適には炭素数2のビニル基である。
【0012】カルボキシル系基を導入するには重合性不
飽和カルボン酸類としてはイタコン酸、アクリル酸、メ
タアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フタル酸を共
重合するか、或いは無水マレイン酸、無水フタル酸、無
水イタコン酸等の酸無水物を共重合するか更にそれを加
水分解してもよい。また、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、マレイン酸モノメチル等の
炭素数1〜18のモノまたはジアルキルアステル類を共
重合して加水分解してもよい。これらは単独でも何種類
かを併用しても良い。
【0013】酢酸ビニルとTHF−POAEと重合性不
飽和カルボン酸類等を共重合するには、これら不飽和単
量体を塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合
法などの公知の方法で重合させることが出来る。なかで
も無溶媒あるいはメチルアルコールやエチルアルコール
等の低級アルコール等の溶媒中で重合する塊状重合法や
溶液重合法が工業的に好適である。この場合重合に影響
を及ぼさない範囲でアセトン、酢酸メチル、トルエン等
の溶剤を含んでいても差し支えない。共重合に使用され
る開始剤としては2、2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル(以下「AIBN」と略記する)、2、2’−アゾビ
ス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾ
イル、n−プロピルパーオキシカーボネート等のアゾ系
開始剤または過酸化物系開始剤などの公知のラジカル重
合開始剤が挙げられる。また重合温度は特に制限はない
が40℃から溶媒あるいはモノマーの沸点程度の範囲が
好適である。
【0014】重合は不飽和単量体、溶媒、開始剤を反応
缶に仕込み、系内の溶存酸素を窒素ガスのバブリングに
より追い出しを行い、所定の温度に反応缶内温を上げ、
目標とする重合率まで反応させ、冷却して重合を停止す
る公知の反応方法で共重合することができる。THF−
POAEの一部を始めに仕込み、残りを分割して添加し
たり、連続的に添加する方法も可能である。重合性不飽
和カルボン酸類を共重合させる場合も、THF−POA
Eと同様に、始めに反応缶に仕込み重合させる方法や、
アルコール溶液として分割添加したり、連続的に添加す
る方法が可能である。
【0015】本発明のビニルアルコール系重合体は、本
発明の目的を阻害しない範囲で他の単量体を、ビニルア
ルコール単位、酢酸ビニル単位の合計に対し30モル%
以下の範囲で共重合することも可能である。それらの単
量体を以下に例示する。 カルボン酸のビニルエステル類 酢酸ビニル以外のギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪
酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、バー
サチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル、パルミチン酸ビ
ニル、ステアリン酸ビニル等。 アルキルエーテル類 プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキ
シルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシル
ビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、テトラデシ
ルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オク
タデシルビニルエーテル等。 アルキルアリルエーテル類 プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキ
シルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、デシル
アリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、テトラデシ
ルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オク
タデシルアリルエーテル等。 飽和カルボン酸のアリルエステル類 ステアリン酸アリル、ラウリン酸アリル、ヤシ油脂肪酸
アリル、オクチル酸アリル、酪酸アリル等。 α−オレフィン類 エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテン、
α−デセン、α−ドデセン、α−ヘキセン、α−オクタ
デセン等。 その他(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニト
リル、(メタ)アリルスルホン酸塩等。
【0016】重合終了後、アルコール蒸気で未反応モノ
マーを取り除き、共重合体のアルコール溶液を鹸化する
ことにより目的のビニルアルコール系重合体を得ること
ができる。アルコール中の共重合体の濃度は20〜50
重量%とすることができる。
【0017】前記により得られた共重合体はアルコー
ル、場合により含水アルコールに溶解された状態で公知
の方法により水酸化ナトリウムやナトリウムアルコラー
ト等のアルカリ触媒をもちいて鹸化しビニルアルコール
系重合体を製造することが出来る。これら触媒の使用量
は共重合体に対して1/10〜1/300モル当量の範
囲が好ましい。尚、鹸化反応の温度は特に制限がない
が、通常20〜60℃の範囲が好ましい。
【0018】鹸化終了後のビニルアルコール系重合体は
脱アルコール処理を行い、乾燥により溶剤を除去し、目
的とするビニルアルコール系重合体を得ることが出来
る。
【0019】かくして得られたビニルアルコール系重合
体は種々の用途に使用されるので、以下にその例を具体
的に挙げる。 (1)分散剤関係 塗料、墨汁、水彩カラー、接着剤等の有機・無機顔料の
分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、
(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合
物の懸濁重合用分散安定剤および分散助剤。 (2)接着剤関係 木材、紙、アルミ箔、プラスチック等の接着剤、粘着
剤、再湿接着剤、不織布用バインダー、繊維バインダ
ー、石膏ボードや繊維板等の各種建材用バインダー、各
種粉体造粒用バインダー、セラミックスバインダー、セ
メントやモルタル用添加剤、ホットメルト接着剤、感圧
接着剤、染料の固着剤。 (3)被覆剤関係 紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料コーティング
剤、紙の内添サイズ剤、感熱記録紙用バインダー、繊維
製品用サイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上剤、
塗料、防曇剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光沢剤、
帯電防止剤。 (4)乳化剤関係 エチレン性不飽和化合物、ブタジエン性不飽和化合物の
乳化重合用乳化剤、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂
等の疎水性樹脂、エポキシ樹脂、パラフィン、ピチュメ
ン等の後乳化剤。 (5)増粘剤関係 各種エマルジョンの増粘剤、各種水溶液の増粘剤。 (6)凝集剤関係 水中懸濁物および溶存物の凝集剤、パルプスラリーの濾
水性向上剤。 (7)成形物関係 繊維、フィルム、シート、パイプ、チューブ、防漏膜、
ケミカルレース用水溶性繊維、スポンジ (8)土壌改良剤関係 (9)感光剤関係
【0020】
【実施例】次に実施例および比較例により、本発明を詳
細に説明する。以下の実施例および比較例において
「部」と記載のあるものは重量部を示し、「%」と記載
のあるものは重量%を示す。
【0021】ビニルアルコール系重合体中のTHF−P
OAE単位、ビニルアルコール単位、酢酸ビニル単位お
よびカルボン酸単位および他のコモノマー単位の含有率
は、400MHz 1H−NMRにより定量した。1H−
NMR測定時のビニルアルコール系重合体の溶媒はD2
Oを使用した。
【0022】(1)粘度平均重合度測定 鹸化度が99.5モル%未満の場合は、鹸化度99.5
モル%以上になるまで鹸化したPVAについて、オスト
ワルド粘度計および溶媒にイオン交換水を用い、30℃
で測定した極限粘度[η](g/dl)から次式により
求めた粘度平均重合度(P)で表す。
【0023】
【式1】
【0024】(2)顔料分散安定性の測定 各ビニルアルコール系重合体を水に溶解し予めポリマー
溶液を作成する。ボールミルを用いてビニルアルコール
系重合体を純分として1重量部、各顔料20重量部、純
水80重量部よりなる顔料スラリーを得る。再分散性評
価の為、得られた顔料スラリー500mlを直径75m
mの密閉容器に移し20℃で静置した。3週間静置後、
スラリーに重量25g、直径6mmのガラス棒を静かに
落下させた時の感触によりスラリー固さを評価した。次
に、スラリー中に直径50mmの撹拌翼が100mlの
位置にくるように静かに設置し、回転数400rpmに
て60分間撹拌後、スラリー上層部の濃度を固形分より
測定し再分散性(%)を算出した。測定した顔料はカー
ボンブラック(CBと略記)、酸化チタン(Tiと略
記)、フタロシアニンブルー(α−CuPcと略記)を
使用した。
【0025】(実施例1)還流冷却器、モノマー添加
口、温度計、サンプリング口、窒素導入口、撹拌機を備
えた5リットルの重合槽に酢酸ビニル2250部、一般
式(1)で示されるR1は炭素数2のビニル基、AOは
炭素数2のエチレンオキサイド基で、n=7のTHF−
POAE450部、メタノール725部を仕込み、撹拌
しながら窒素を吹き込み脱酸素を行った。その後加温し
槽内温度が62℃に安定したところで、メタノール25
部にAIBN1.5部を溶解したメタノール溶液25部
を加え重合を開始した。系内の固形分濃度を分析しつつ
重合を行い、6時間30分で重合槽を冷却し重合を停止
した。その時の重合率は80%であった。その後メタノ
ール蒸気で未反応モノマーを除き、酢酸ビニル/THF
−POAE共重合体のメタノール溶液を得た。次にこの
メタノール溶液の濃度が50%になるように調整し、3
5℃に温度調節したニーダーで撹拌しながら水酸化ナト
リウムの濃度10%メタノール溶液387mlを加え、
3時間鹸化を行った。得られたビニルアルコール系重合
体をメタノールで洗浄し、脱溶剤を行った後、90℃で
2時間乾燥し白色粉末のビニルアルコール系重合体を得
た。得られたビニルアルコール系重合体中のTHF−P
OAE単位の含有率は3.7モル%/(ポリビニルアル
コール+酢酸ビニル)であり、ビニルアルコールは9
9.5モル%、酢酸ビニルは0.5モル%であった。イ
オン交換水を溶媒として測定した粘度平均重合度は86
0であった。ビニルアルコール系重合体の物性は表1に
示した。
【0026】(実施例2)実施例1と同様に5リットル
の重合槽に酢酸ビニル2250部、一般式(1)で示さ
れるR1の炭素数が2のビニル基で、AOは炭素数2の
エチレンオキサイド基、n=7のTHF−POAE45
0部、メタノール158部を仕込み、撹拌しながら窒素
を吹き込み脱酸素を行った。その後加温し槽内温度が6
2℃に安定したところで、メタノール25部にAIBN
1.5部を溶解したメタノール溶液25部を加え重合を
開始した。還流開始30分後よりメタノール567部に
イタコン酸34部を溶解した液を連続的に6時間添加
し、固形分濃度を分析しつつ重合を行い、7時間で重合
槽を冷却し重合を停止した。その時の重合率は85%で
あった。その後実施例1と同様の操作を行いビニルアル
コール系重合体を得た。ビニルアルコール系重合体中の
THF−POAE単位の含有率は3.5モル%/(ビニ
ルアルコール+酢酸ビニル)であり、イタコン酸単位の
含有率は0.7モル%/(ビニルアルコール+酢酸ビニ
ル)であり、鹸化度は99.2モル%であった。実施例
1と同様に測定した粘度平均重合度は1200であっ
た。ビニルアルコール系重合体の物性は表1に示した。
【0027】(実施例3)実施例2と同様に5リットル
の重合槽に酢酸ビニル2250部、一般式(1)で示さ
れるR1の炭素数が2のビニル基で、AOは炭素数2の
エチレンオキサイド基、n=44のTHF−POAE4
50部、メタノール158部を仕込み、撹拌しながら窒
素を吹き込み脱酸素を行った。その後加温し槽内温度が
62℃に安定したところで、メタノール25部にAIB
N1.5部を溶解したメタノール溶液25部を加え重合
を開始した。還流開始30分後よりメタノール567部
にイタコン酸34部を溶解した液を連続的に6時間添加
し、固形分濃度を分析しつつ重合を行い、7時間で重合
槽を冷却し重合を停止した。その時の重合率は82%で
あった。その後実施例1と同様の操作を行いビニルアル
コール系重合体を得た。ビニルアルコール系重合体中の
THF−POAE単位の含有率は0.7モル%/(ビニ
ルアルコール+酢酸ビニル)であり、イタコン酸単位の
含有率は0.7モル%/(ビニルアルコール+酢酸ビニ
ル)であり、鹸化度は99.4モル%であった。実施例
1と同様に測定した粘度平均重合度は900であった。
ビニルアルコール系重合体の物性は表1に示す。
【0028】(実施例4)5リットルの重合槽を用い実
施例1と同様にして重合を行いビニルアルコール系重合
体のメタノール溶液を得た。その後、実施例1と同様な
操作で鹸化を実施するが、加えた水酸化ナトリウムのメ
タノール溶液量は58mlで、1時間鹸化を行った。得
られたビニルアルコール系重合体をメタノールで洗浄
し、脱溶剤を行った後、90℃で2時間乾燥し白色粉末
のビニルアルコール系重合体を得た。得られたビニルア
ルコール系重合体中のTHF−POAE単位の含有率は
3.7モル%/(ポリビニルアルコール+酢酸ビニル)
であり、ビニルアルコールは88.5モル%、酢酸ビニ
ルは11.5モル%であった。イオン交換水を溶媒とし
て測定した粘度平均重合度は860であった。ビニルア
ルコール系重合体の物性は表1に示した。
【0029】(実施例5)実施例1と同様に5リットル
の重合槽に酢酸ビニル1750部、一般式(1)で示さ
れるR1の炭素数が2のビニル基で、AOは炭素数2の
エチレンオキサイド基、n=66のTHF−POAE9
50部、メタノール725部を仕込み、撹拌しながら窒
素を吹き込み脱酸素を行った。その後加温し槽内温度が
62℃に安定したところで、メタノール25部にAIB
N1.5部を溶解したメタノール溶液25部を加え重合
を開始した。系内の固形分濃度を分析しつつ重合を行
い、7時間30分で重合槽を冷却し重合を停止した。そ
の時の重合率は85%であった。その後メタノール蒸気
で未反応モノマーを除き、酢酸ビニル/THF−POA
E共重合体のメタノール溶液を得た。次にこのメタノー
ル溶液の濃度が50%になるように調整し、35℃に温
度調節したニーダーで撹拌しながら水酸化ナトリウムの
濃度10%メタノール溶液387mlを加え、3時間鹸
化を行った。得られたビニルアルコール系重合体をメタ
ノールで洗浄し、脱溶剤を行った後、90℃で2時間乾
燥し白色粉末のビニルアルコール系重合体を得た。得ら
れたビニルアルコール系重合体中のTHF−POAE単
位の含有率は0.3モル%/(ポリビニルアルコール+
酢酸ビニル)であり、ビニルアルコールは99.2モル
%、酢酸ビニルは0.8モル%であった。イオン交換水
を溶媒として測定した粘度平均重合度は800であっ
た。ビニルアルコール系重合体の物性は表1に示した。
【0030】(比較例1)実施例1と同様に還流冷却
器、モノマー添加口、温度計、サンプリング口、窒素導
入口、撹拌機を備えた5リットルの重合槽に酢酸ビニル
2250部、一般式(1)で示されるR1の炭素数が2
のビニル基で、AOは炭素数2のエチレンオキサイド
基、n=7で末端基がメチル基のメトキシポリオキシエ
チレングリコールビニルエーテル(以下「MPEG−V
E」と略記する)450部、メタノール725部を仕込
み、撹拌しながら窒素を吹き込み脱酸素を行った。その
後加温し槽内温度が62℃に安定したところで、メタノ
ール25部にAIBN1.5部を溶解したメタノール溶
液25部を加え重合を開始した。系内の固形分濃度を分
析しつつ重合を行い、6時間30分で重合槽を冷却し重
合を停止した。その時の重合率は82%であった。その
後実施例1と同様な操作により変性ポリビニルアルコー
ルを得た。変性ポリビニルアルコール中のMPEG−V
E単位の含有率は1.7モル%/(ポリビニルアルコー
ル+酢酸ビニル)であり、ビニルアルコールは99.3
モル%、酢酸ビニルは0.7モル%であった。実施例1
と同様に測定した粘度平均重合度は950であった。変
性ポリビニルアルコールの物性は表1に示した。
【0031】(比較例2)実施例1と同様に5リットル
の重合槽に酢酸ビニル2250部、一般式(1)で示さ
れるR1の炭素数が2のビニル基で、AOは炭素数2の
エチレンオキサイド基、n=7で末端基がメチル基のM
PEG−VE450部、メタノール158部を仕込み、
撹拌しながら窒素を吹き込み脱酸素を行った。その後加
温し槽内温度が62℃に安定したところで、メタノール
25部にAIBN1.5部を溶解したメタノール溶液2
5部を加え重合を開始した。還流開始30分後よりメタ
ノール567部にイタコン酸34部を溶解した液を連続
的に6時間添加し、固形分濃度を分析しつつ重合を行
い、7時間で重合槽を冷却し重合を停止した。その時の
重合率は85%であった。その後実施例1と同様の操作
を行い変性ポリビニルアルコールを得た。変性ポリビニ
ルアルコール中のMPEG−VE単位の含有率は1.8
モル%/(ビニルアルコール+酢酸ビニル)であり、イ
タコン酸単位の含有率は0.7モル%/(ビニルアルコ
ール+酢酸ビニル)であり、鹸化度は99.4モル%で
あった。実施例1と同様に測定した粘度平均重合度は1
400であった。ビニルアルコール系重合体の物性は表
1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】(注1)ケーキ固さ判定基準 ○:ガラス棒が抵抗無く自重で底部に達する。 △:ガラス棒が自重では底部に達するが、若干抵抗感が
ある。 ×:ケーキがハードケーキ又はプリン状の凝集層を形成
しており、ガラス棒が力を加えても底部に達しない。
【0034】
【発明の効果】本発明のビニルアルコール系重合体は、
極性の異なる各種材料に対する親和性が良好で、分散
剤、接着剤、表面コーティング性等に優れる。特に分子
側鎖の末端にテトラヒドロフルフリロキシ基を有するた
め、テトラヒドロフルフリルアルコールの特徴である、
水および多くの有機溶剤と自由に混合し、種々のポリマ
ーを溶解するという特徴を生かすことにより、有機材
料、無機材料の両者に対して優れた親和性を発現する。
更にこれにカルボン酸類を導入することにより、一段と
各種材料に対する親和性が向上する為、工業的に非常に
有用性が高い。かかる特性から本発明のビニルアルコー
ル系重合体は、分散剤、接着剤、表面コーティング剤に
限らず、被覆剤、樹脂用ブレンド剤、懸濁重合安定剤、
乳化剤、増粘剤、凝集剤、土壌改良剤、感光剤、感電子
剤、成形物、繊維サイジング剤、各種フィルム、シート
等の各種用途に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AA02S AA03T AA15T AA16T AA19T AA21T AD02P AD07Q AE02S AE05S AE13S AE14S AG03S AG10S AG12S AJ01R AJ02R AJ08R AJ09R AK32R AL03R AL36R AM02T AM15T AP01T BA08Q BA56S BC53Q CA05 FA03 HA08 HA09 HB39 HC12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖に式(1)で示されるテトラヒドロ
    フルフリロキシポリアルキレンオキサイド基を有するビ
    ニルアルコール系重合体。 【化1】 (AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基、nは
    1〜200の整数)
  2. 【請求項2】 カルボキシル系基を含有してなる請求項
    1のビニルアルコール系重合体。
  3. 【請求項3】 酢酸ビニルと式(2)で示されるテトラ
    ヒドロフルフリロキシポリアルキレンオキサイドアルケ
    ニルエーテルとの共重合体を鹸化して得られる請求項1
    のビニルアルコール系重合体。 【化2】 (AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基、nは
    1〜200の整数、R1は炭素数2〜5の不飽和炭化水
    素基)
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