JP2000239110A - 機能性無機粒子およびその製造方法 - Google Patents
機能性無機粒子およびその製造方法Info
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Abstract
こと。 【解決手段】 表面にピリジニウム塩基を含む有機基を
有する無機粒子が提供される。本発明の無機粒子は、比
表面積が大きく、より効果的な殺菌剤、微生物凝集剤と
して用いられる以外に、センサー、植物ウイルス病防除
剤、口腔用組成物に用いられる。また、選択性の高い物
質を結合することにより、診断用組成物、治療用組成物
にも使用できる。
Description
ム塩基を含む有機基を有する無機粒子、その製造方法並
びにその利用方法に関する。
微生物吸着剤として用いられており、その研究も多数に
報告されている。例えば、特開平1−258609号公
報には、粉粒状基体を被覆した複合体をピリジニウム化
したポリマーからなる微生物凝集剤が開示され、除菌等
に用いることが記載されている。また、特開平2−90
053号公報には、ビニルピリジンモノマーと架橋性モ
ノマーとのポリマービーズ中のピリジル基を四級化して
得られるビーズ(約0.4mm)を微生物固定化担体と
して用いる、微生物センサーが開示されている。
サーに用いられているポリマービーズは、粒径が300
μm〜400μm程度のポリマー粒子あるいは無機粒子
をポリビニルピリジンで被覆し、その後ポリビニルピリ
ジニウム塩としたものである。従って、粒径もかなり大
きいものであった。
ム塩で被覆された粒子は、粒径が大きいために、微生物
凝集剤あるいは微生物センサー等に用途が限定され、し
かも、比表面積が小さいために、微生物凝集機能および
センサーの感度も十分なものだといえなかった。
ニウム塩基を有する微小な粒子が求められていた。
決することを目的として行われたものである。本発明者
らは、微細な無機粒子とピリジニウム塩基を含む有機基
とを結合させることにより、ピリジニウム塩基を有する
無機粒子(以下、「本発明の無機粒子」ということがあ
る)を得ることに成功し、本発明を完成させた。
ウム塩基を表面に有する無機粒子が得られ、微生物凝集
剤としてはるかに高い効果を有し、粒子が小さい上に更
に種々の機能を付与することができ、種々の用途が提供
される。
塩基を含む有機基を有する無機粒子に関する。
が金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物および金
属硫化物からなる群から選択される。
重合体である。
に、さらに選択的結合性を有する物質が結合している。
合性を有する物質が抗原または抗体である。
基を含む有機基を有する無機粒子を含有する微生物凝集
剤に関する。
を含む有機基を有する無機粒子を含有する抗菌剤に関す
る。
を含む有機基を有する無機粒子を含有するセンサーに関
する。
が微生物センサーである。
を含む有機基を有する無機粒子を含有する植物ウイルス
病防除剤に関する。
基を含む有機基を有する無機粒子を含有する口腔用組成
物に関する。
を含む有機基を有する無機粒子を含有する診断用組成物
に関する。
を含む有機基を有する無機粒子を含有する治療用組成物
に関する。
を含む有機基を有する無機粒子を含有するバイオリアク
ター用担体に関する。
基を含む有機基を有する、直径が5μm以下、好ましく
は1μm以下の無機粒子に関するが、このようなピリジ
ニウム塩基を含む有機基を有する微細な無機粒子は知ら
れていない。
金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物および金属硫化物
の粒子が挙げられる。金属としてはアルミニウム、ケイ
素、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、
コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミニウム、タング
ステン、白金、金などを挙げることができる。金属酸化
物、金属窒化物、金属炭化物および金属硫化物として
は、前記金属の酸化物、窒化物、炭化物を挙げることが
できる。前記金属あるいは金属化合物のうち、銀、銅お
よび酸化チタンは、殺菌効果を有するので、微生物の凝
集と同時に殺菌剤として機能する。フェライト(マグネ
タイト)を用いた場合、無機粒子は磁性を有するので、
例えば、微生物凝集後の回収に効果的であると同時に、
薬剤を表面に有する場合、目的部位に薬剤を送達するの
に有用である。また、メソポーラスシリカとして知られ
る多孔質酸化ケイ素粒子を用いた場合、細孔内に薬物な
どを保持し得るので、薬物を徐放するのに有用である。
好ましくは5nm〜1μm、より好ましくは10nm〜50
0nmである。
法、気相反応法、沈殿法、溶媒蒸発法などの公知の方法
を用いて作製し得る。
ップラー型粒度分布測定器、透過型電子顕微鏡などを用
いて測定できる。
表面に結合している。ここで、結合とは、共有結合、イ
オン結合、水素結合、疎水的相互作用、静電相互作用な
どを通してピリジニウム塩基を含む有機基が無機粒子表
面に一時的または長時間にわたって固定される状態を指
す。ここで、ピリジニウム塩基を含む有機基が無機粒子
表面に結合する前の状態をピリジニウム塩基を含む有機
基前駆体とする。
以下の一般式(1)で表される構成を有する。 X−R−P (1)
(以降、結合性基とする)、Rは有機基、Pはピリジニ
ウム塩基を表す。
環基などの疎水性基、カルボキシレート基、スルホネー
ト基、4級アンモニウム塩基などの親水性基、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、含
窒素複素環基などの極性基、メルカプト基、チオエーテ
ル基、ジスルフィド基などの含硫黄基、あるいはアルコ
キシシリル基、シラノール基などの含ケイ素基を挙げる
ことができる。
され得る。例えば、無機粒子が負電荷を有する場合、ア
ンモニウム塩基が好ましい。無機粒子が正電荷を有する
場合、カルボキシレート基またはスルホネート基が好ま
しい。無機粒子が疎水性を有する場合、疎水性基が好ま
しい。無機粒子がヒドロキシル基などの水素結合を形成
しやすい基を有する場合、極性基が好ましい。無機粒子
が金、銀、白金などの場合、メルカプト基を有する有機
基が好ましい。また、無機粒子が水酸基などの官能基を
有する場合、アルコキシシリル基またはシラノール基が
好ましい。
ル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリ
ールまたは複素環基、ビニル系重合体、ペプチド、ヌク
レオチド、多糖などの高分子化合物を構成する分子の主
骨格(以降、主鎖とする)を挙げることができる。有機
基が高分子化合物主鎖の場合、無機粒子表面の性質に応
じて高分子化合物主鎖は無機粒子への結合に寄与し得
る。
ケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールまた
は複素環基である場合、ピリジニウム塩基は、ピリジン
環の2、3または4位で、直接あるいは-O-、-CO-、-NH
-、-NHCONH-、-NHCOO-、-OCO-、-COO-、-NHCO-、-S-、-
SO-、-SS-、-O-アルキレンなどの基を介して有機基と結
合している。こうしたピリジニウム塩基を含む有機基前
駆体は、イソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキ
シル基、アミノ基、クロロメチル基、エポキシ基などの
反応活性基および結合性基を有する脂肪族化合物、芳香
族化合物または複素環式化合物と反応活性基を有するピ
リジン誘導体とを公知の方法で反応させ、次いで、公知
の方法でピリジニウム塩化することにより合成し得る。
合成上、結合性基と反応活性基とは異なっていることが
好ましい。こうした結合性基および反応活性基を有する
化合物、ならびに反応活性基を有するピリジンは、例え
ば、アルドリッチ(Aldrich)などの試薬メーカーから
容易に入手し得る。
ジニウム塩基を有する有機基前駆体は、ビニルピリジン
の単独重合体;スチレン、(メタ)アクリル酸アルキ
ル、(メタ)アクリル酸N,N−ジアルキルアミノアル
キル、((メタ)アクリロイルオキシアルキル)(アル
キル)ジアルキルアンモニウム塩、アクリルアミド、
(メタ)アクリロニトリル、ビニルアルキルエーテル、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシア
ルキル、ヒドロキシスチレン、スチレンスルホン酸、メ
タクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メ
タクリロイルオキシプロピル(ジメチル)アルコキシシ
ランなどの不飽和二重結合および結合性基を有する化合
物とビニルピリジンとの共重合体;あるいは、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエ
ステル、メタクリロイルオキシアルキルイソシアネー
ト、クロロメチルスチレン、ヒドロキシスチレン、(メ
タ)アクリル酸グリシジルなどの反応活性基および不飽
和二重結合を有する化合物と反応活性基を有するピリジ
ン誘導体との反応生成物と前記不飽和二重結合および結
合性基を有する化合物との共重合体から構成される。不
飽和二重結合および結合性基を有する化合物および反応
活性基および不飽和二重結合を有する化合物と反応活性
基を有するピリジン誘導体との反応生成物は2種以上混
合して用い得る。
ジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−
メチル−5−ビニルピリジン、2−エチル−5−ビニル
ピリジン、3−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチ
ル−5−ビニルピリジン、2、3−ジ−メチル−5−ビ
ニルピリジン、2、3−ジエチル−5−ビニルピリジ
ン、2−メチル−3−エチル−5−ビニルピリジン等を
挙げることができる。(メタ)アクリル酸アルキルとし
ては、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリルなどを挙げることができる。(メタ)アクリ
ル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルとしては、メタ
クリル酸N,N−ジメチルアミノエチルなどを挙げるこ
とができる。((メタ)アクリロイルオキシアルキル)
(アルキル)ジアルキルアンモニウム塩としては、(メ
タクリロイルオキシエチル)(ベンゾイル)ジメチルア
ンモウニウムクロリドなどを挙げることができる。ビニ
ルアルキルエーテルとしては、ビニルエチルエーテル、
ビニルステアリルエーテルなどを挙げることができる。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、メタ
クリル酸ヒドロキシエチルなどを挙げることができる。
ニル基は結合性基として機能し得、ピリジニル基の1〜
99モル%が公知の方法によりピリジニウム塩化され
る。ただし、主鎖も結合性基となり得る。
合、ビニルピリジンの共重合割合は全重合性化合物の1
〜99モル%であり、ビニルピリジン単位の1〜99モ
ル%が公知の方法によりピリジニウム塩化される。ただ
し、主鎖も結合性基となり得る。
合、反応活性基および不飽和二重結合を有する化合物と
反応活性基を有するピリジン誘導体との反応生成物の共
重合割合は全重合性化合物の1〜99モル%であり、反
応生成物の1〜99モル%が公知の方法によりピリジニ
ウム塩化される。ただし、主鎖も結合性基となり得る。
体の場合、反応活性基および不飽和二重結合を有する化
合物と不飽和二重結合および結合性基を有する化合物と
の共重合体に反応活性基を有するピリジン誘導体を反応
させ、ピリジニウム塩化してもよい。
イソシアネート基にメルカプト化合物、例えばメルカプ
トエタノールを反応させてメルカプト基のような結合性
基を新たに形成し得る。
ム塩基を有する有機基前駆体は、結合性基を有するアミ
ノ酸および反応活性基を有するアミノ酸と反応活性基を
有するピリジン誘導体との反応生成物を含むアミノ酸の
重合体から構成される。反応活性基を有するアミノ酸と
反応活性基を有するピリジン誘導体との反応生成物の割
合は重合体を構成する全アミノ酸の1〜99モル%であ
り、ピリジニル基の1〜99モル%が公知の方法により
ピリジニウム塩化される。
応活性基を有するアミノ酸を含むアミノ酸の重合体に反
応活性基を有するピリジン誘導体を反応させ、ピリジニ
ウム塩化してもよい。
ン、システイン、フェニルアラニン、セリン、アスパラ
ギン酸、リシンなどを挙げることができる。反応活性基
を有するアミノ酸としては、アスパラギン酸、リシンな
どを挙げることができる。
であり得る。
ニウム塩基を有する有機基前駆体は、反応活性基および
結合性基を有する脂肪族化合物、芳香族化合物または複
素環式化合物および反応活性基を有するピリジン誘導体
と任意配列のヌクレオシドとの反応生成物から構成され
る。反応活性基および結合性基を有する脂肪族化合物、
芳香族化合物または複素環式化合物および反応活性基を
有するピリジン誘導体は、核酸塩基の水酸基に公知の方
法で反応させ、次いで、公知の方法でピリジニウム塩化
することにより、ピリジニウム塩基を有する有機基前駆
体を合成し得る。
基を有する有機基前駆体は、反応活性基および結合性基
を有する脂肪族化合物、芳香族化合物または複素環式化
合物および反応活性基を有するピリジン誘導体とセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロー
ス、アセチルセルロース、シクロデキストリン、キチ
ン、キトサン、ヒアルロン酸、デンプンなど多糖との反
応生成物から構成される。反応活性基および結合性基を
有する脂肪族化合物、芳香族化合物または複素環式化合
物および反応活性基を有するピリジン誘導体は、多糖の
水酸基に公知の方法で反応させ、次いで、公知の方法で
ピリジニウム塩化することにより、ピリジニウム塩基を
有する有機基前駆体を合成し得る。
と結合していない2、3または4位にさらに置換基を有
していてもよく、置換基としては、水素、アルキル、ア
リール、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキ
シ、アリールカルボニルオキシ、アリールアルキルカル
ボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アリールオ
キシカルボニル、アリールアルキルオキシカルボニル、
アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミ
ノ、アリールアルキルカルボニルアミノ、アルキルアミ
ノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アリールア
ルキルアミノカルボニル、アルキルオキシ、アリールオ
キシ、アリールアルキルオキシなどを挙げることができ
る。
ウム塩を形成する基としては、アルキル、アリールまた
はアリールアルキルなどを挙げることができる。対イオ
ンとしては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、BF4 -、
PF4 -、硝酸イオン、硫酸イオンなどを挙げることができ
る。
子との結合は、ピリジニウム塩基を有する有機基前駆体
と無機粒子とを適切な媒体中で混合、あるいは加水分
解、縮合などの反応により行い得る。
れる。従来、ポリビニルピリジン誘導体を有する高分子
が微生物凝集剤等の用途に限られていたのに対して、本
発明の無機粒子は、その小ささと表面の反応性を利用し
て、従来の微生物凝集剤以外の種々の用途、例えば、微
生物捕集剤、抗菌剤、センサー(微生物センサー)、植
物ウイルス病防除剤、口腔用組成物、診断用組成物、治
療用組成物、バイオリアクター用担体、微生物腐食防止
剤等の用途に用いられる。
導体を有する高分子が微生物凝集剤等の用途に限られて
いたのに対して、本発明の無機粒子は、その小ささ故
に、用途が拡大されると同時に、比表面積が大きいた
め、微生物凝集剤としても、従来のものに比べ、はるか
に効果が大きくなる。
微生物センサーなどの微生物、ウイルス等の吸着体とし
て利用する場合、ピリジニウム塩基を含む有機基として
は、前記高分子化合物が好ましい。
積が大きいので、微生物を凝集させる能力が大きい。こ
の性質を利用して、微生物の大きさよりもはるかに小さ
いにもかかわらず、微生物凝集剤として用いることがで
きる。微生物には、原核生物(例えば、細菌、藻類
等)、真核生物(例えば、酵母、カビ、藻類等)、ウイ
ルス、原生動物が含まれる。例えば、水中の微生物を凝
集させ、凝集した微生物を除去することにより、水を浄
化することができる。銀を用いれば殺菌作用があり、マ
グネタイトを用いれば、磁力で回収が容易になる。例え
ば、24時間風呂などで問題になるレジオネラ菌等の病
原細菌を除去する用途に用いられる。
ので、これを、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系
樹脂、シリカ等の担体に結合させて水中の微生物を凝集
するためのカラムの充填剤として用いることができる。
また、ポリエステル等の織布、不織布に織り込んで、空
気中の微生物を捕捉する、実効面積の大きいフィルター
として用いることができる。
利用される。無機粒子が抗菌作用を有する物質(例え
ば、銀)と結合している場合、抗菌剤として作用する。
例えば、まな板等の表面にコートして、殺菌性を付与し
得る。
触しても、ウイルスを凝集できるので、例えば、植物ウ
イルス病防除剤として、タバコ、キュウリ、トマト等の
植物に散布する、あるいは土中に埋設してウイルスを捕
捉するのに用いられる。
物としても用いられる。本発明の無機粒子は、非常にサ
イズが小さいため、例えば、うがい、歯磨用(粉、ペー
スト、液状等)等の口腔用組成物に用いても違和感がな
く、微生物およびウイルスの凝集、捕捉効果が期待でき
る。
ても使用される。例えば、微生物あるいは特定の酵素
を、無機粒子の表面に結合させ、例えば、隔膜式酸素電
極、過酸化水素電極として用いることができる。この電
極は、比表面積が大きいので、従来のポリビニルピリジ
ン誘導体を有する電極に比べて感度が非常に高くなる。
センサーとしては、BODセンサー、グルコースセンサ
ー、アンモニアセンサー等が挙げられる。特定の酵素の
結合は、前記の反応活性基および結合性基を有する脂肪
族化合物、芳香族化合物または複素環式化合物、あるい
はピリジニウム塩基を有する有機基を用いて行い得る。
前者の場合、反応活性基と酵素中の適切なアミノ酸側鎖
との間に化学結合が形成される。後者の場合、残存する
反応活性基と酵素中の適切なアミノ酸側鎖との間に化学
結合が形成されるか、あるいは、ピリジニウム塩基を有
する有機基中の水素結合形成性基、イオン性基、疎水性
基などが酵素と物理的相互作用して酵素が結合される。
ば、活性汚泥に本発明の無機粒子を浸漬し、好気性微生
物を吸着させて用いることができる。グルコースセンサ
ーとして用いる場合は、例えば、シュードモナス・フル
オレセンス(Pseudomonas fluorescense)、サッカロマ
イセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等の
グルコース資化性の微生物を本発明の無機粒子に吸着
(凝集)させて用いればよい。また、アンモニアセンサ
ーとして用いる場合には、例えば、ニトロソモナス(Ni
torosomonas)属あるいはニトロバクター(Nitrobacte
r)属の微生物を本発明の無機粒子に吸着(凝集)させ
て用いればよい。
治療用組成物として用いる場合には、表面に選択的結合
性を有する物質を結合させることが好ましい。選択的結
合性を有する物質としては、ポリペプチド(抗原、抗
体、酵素等)、ヌクレオチド(DNA、RNA)が挙げ
られる。これらの結合は、前記の反応活性基および結合
性基を有する脂肪族化合物、芳香族化合物または複素環
式化合物、あるいはピリジニウム塩基を有する有機基を
用いて行い得る。前者の場合、反応活性基と選択的結合
性を有する物質中の適切な基との間に化学結合が形成さ
れる。後者の場合、残存する反応活性基と選択的結合性
を有する物質中の適切な基との間に化学結合が形成され
るか、あるいは、ピリジニウム塩基を有する有機基中の
水素結合形成性基、イオン性基、疎水性基などが選択的
結合性を有する物質と物理的相互作用する。
本発明の無機粒子は、酵素免疫測定(エンザイムイムノ
アッセイ)、標識免疫測定(ラジオイムノアッセイ)等
で用いられるサンドウィッチアッセイに用いられる。例
えば、特定の疾病に対する抗体、抗原等を表面に結合し
ておくことにより、病気の診断、ウイルス感染の有無の
診断が可能となる。
る。蛍光発色剤としては、フルオレセインイソチオシア
ナート、テトラローダミンイソチオシアナート、フィコ
エリスリン、アクリジンオレンジなどが挙げられる。こ
れらの蛍光発色剤は、本発明の無機粒子の表面に直接結
合するか、あるいは、抗体、抗原、DNA等に結合して
いてもよい。これにより、in situで、抗原部位やDN
Aの部位が特定される。
定の配列を有するプローブが好適である。特に、ウイル
ス感染の有無の検出等に用いられる。例えば、あるウイ
ルスに特異的な配列と相補的な配列をプローブとして結
合させておけば、ウイルス感染の有無が決定できる。さ
らに、例えば、前記のようにDNAに蛍光発色剤を結合
(DNAをラベル)しておけば、例えば、in situでの
結合の有無を蛍光で検出できる。DNAの場合、分解を
防ぐために、5’末端を保護しておけばよい。DNAを
プローブとしてあるいは表面に結合させて用いる場合、
長さは、20bp以上あれば好ましく、40bp以上が
より好ましい。
特定のガン細胞を認識する抗体である場合は、そのガン
細胞まで薬剤を送達することができるので、いわゆる薬
剤送達システム(DDS)として機能する。
本発明は、実施例に限定されない。
ニルピリジン8.0g、メタクリロイルオキシプロピル
トリエトキシシラン0.8g、アゾビスイソブチロニト
リル0.2g、およびドデシルメルカプタン0.1gを
脱水エタノール100mlに溶解した後、系をアルゴン置
換してアルゴン気流下70℃で6時間重合した。反応液
を10mlに濃縮してジエチルエーテルを投入してポリ
(ビニルピリジン−メタクリロイルオキシプロピルトリ
エトキシシラン)共重合体を沈殿させた。次いで、沈殿
したポリマーを塩化メチレン50mlに溶解し、再び、ジ
エチルエーテルを投入して沈殿させ、精製し、減圧乾燥
した。
イルオキシプロピルトリエトキシシラン)共重合体1
g、マグネタイト5gをエタノール/水(80ml/20
ml)に溶解・分散させた後、濃アンモニア水1ml を加え
て4日間室温で攪拌した。次いで、マグネタイトを磁石
で捕集してメタノールで洗浄した後、エタノールに再分
散し、塩化ベンジル1gを加えて3時間環流して、ピリ
ジニル基を4級化した。反応終了後、マグネタイトを磁
石で捕集してメタノールで洗浄し、乾燥させることによ
り、表面にポリビニルピリニジニウム塩を有する無機粒
子が得られた。
物の凝集)実施例1で作成した磁性を有する無機粒子
を、50mg/mlとなるように蒸留水に懸濁して、無
機粒子懸濁液とした。他方で、大腸菌をLB培地で37
℃、18時間、培養し、濃度を107/mlに調整し、大
腸菌試験液とした。
mlを添加して緩く攪拌後、室温で10分間放置した。
永久磁石を用いて無機粒子を回収し、上清を吸着剤処理
試料とした。対照として、無機粒子懸濁液の代わりに蒸
留水2mlを添加して同様に処理し、対照試料とした。
料および対照試料を1ウエル当りそれぞれ100μlづ
つ分注し、これにLB培地を1ウエルあたり100μl
添加し、37℃で培養した。600nmの濁度を指標と
して、培養の経時変化を測定した。結果を図1に示す。
後から7時間後まで、大腸菌の増殖を示す濁度の上昇が
観察された。一方、本発明の無機粒子で処理した試料
は、7時間後まで濁度の上昇が観察されず、大腸菌の増
殖が抑制された。
子の添加5分後には、大腸菌が凝集しているのが観察さ
れた。
にポリビニルピリジン誘導体を有する無機粒子が提供さ
れる。本発明の無機粒子は、比表面積が大きく、殺菌
剤、微生物凝集剤として用いられる以外に、センサー、
植物ウイルス病防除剤、口腔用組成物として用いられ
る。また、選択性の高い物質を結合することにより、診
断用組成物、治療用組成物にも使用できる。
である。
Claims (14)
- 【請求項1】 表面にピリジニウム塩基を含む有機基を
有する無機粒子。 - 【請求項2】 前記無機粒子が金属、金属酸化物、金属
窒化物、金属炭化物および金属硫化物からなる群から選
択される、請求項1に記載の無機粒子。 - 【請求項3】 前記有機基が重合体である、請求項1ま
たは2に記載の無機粒子。 - 【請求項4】 前記表面に、さらに選択的結合性を有す
る物質が結合した、請求項1ないし3の何れかの項に記
載の無機粒子。 - 【請求項5】 前記選択的結合性を有する物質が抗原ま
たは抗体である、請求項4に記載の無機粒子。 - 【請求項6】 表面にピリジニウム塩基を含む有機基を
有する無機粒子を含有する微生物凝集剤。 - 【請求項7】 表面にピリジニウム塩基を含む有機基を
有する無機粒子を含有する抗菌剤。 - 【請求項8】 表面にピリジニウム塩基を含む有機基を
有する無機粒子を含有するセンサー。 - 【請求項9】 前記センサーが微生物センサーである、
請求項8に記載のセンサー。 - 【請求項10】 表面にピリジニウム塩基を含む有機基
を有する無機粒子を含有する植物ウイルス病防除剤。 - 【請求項11】 表面にピリジニウム塩基を含む有機基
を有する無機粒子を含有する口腔用組成物。 - 【請求項12】 表面にピリジニウム塩基を含む有機基
を有する無機粒子を含有する診断用組成物。 - 【請求項13】 表面にピリジニウム塩基を含む有機基
を有する無機粒子を含有する治療用組成物。 - 【請求項14】 表面にピリジニウム塩基を含む有機基
を有する無機粒子を含有するバイオリアクター用担体。
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