JP2000229370A - 塗装構造 - Google Patents

塗装構造

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JP2000229370A
JP2000229370A JP11344228A JP34422899A JP2000229370A JP 2000229370 A JP2000229370 A JP 2000229370A JP 11344228 A JP11344228 A JP 11344228A JP 34422899 A JP34422899 A JP 34422899A JP 2000229370 A JP2000229370 A JP 2000229370A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 見る角度によって色相が変化すると共に、奥
行き感および深み感のある質感を備え、塗装の下地とし
てのカラーベースとの発色相互作用によって、カラーベ
ース色とは異なった色彩,色調を呈し、メタリックカラ
ーやパールカラーとは違った新規な意匠性を付与するこ
とのできる塗装構造を提供する。 【解決手段】 屈折率の異なる少なくとも2種類のポリ
マー11および12を交互に積層した多層積層構造によ
って得られる光の反射干渉作用による干渉光Ciと干渉
光以外の透過光L2 を制御する透明光輝材10を含む塗
膜層20がカラーベースBの上に形成され、少なくとも
入射光源スペクトルL1 が透明光輝材10により反射干
渉して発色する干渉色C1 と、入射光源スペクトルL1
がカラーベースBと直接的に作用して発色する第1の物
体色Cb1と、透明光輝材10を透過した光源スペクトル
L2 がカラーベースBと作用して発色する第2の物体色
Cb2とが混在することにより色相変化をもたらす発色機
構を備えた塗装構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や鉄道など
の車両や船舶,航空機,家具,電化製品,スポーツ用品
などの塗装表面に適用される塗装構造に係わり、さらに
詳しくは、光輝感とともに、見る角度によって色相が変
化すると共に、奥行き感,深み感のある色調、質感を得
ることができ、塗装膜の下部層を形成するカラーベース
との発色相互作用により、カラーベースとは異なった色
彩,色調を呈する塗装構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車の上塗りとしては、従
来、ソリッドカラー塗膜,メタリックカラー塗膜、ある
いはパールカラー塗膜が一般的に用いられている。
【0003】ソリッドカラー塗膜は着色顔料によって所
定の色彩を呈する塗膜であり、メタリックカラー塗膜は
着色顔料と微細なアルミ片を含有し、着色顔料の色彩に
加えてアルミ片による光の乱反射に基づく、いわゆる
「キラキラ感」を備えた意匠性を呈することが特徴とさ
れる。また、パールカラー塗膜は、カラーベース塗膜上
に雲母片を含有する透明のマイカベース塗料を塗装する
ことにより、マイカベース塗膜で反射した光とカラーベ
ース塗膜で反射した光とによってメタリックカラー塗膜
のような「キラキラ感」に加えて、マイカ(雲母)の干
渉作用によってメタリックの反射よりも柔らかな反射光
が得られることが特徴とされる。最近では特殊なマイカ
を使用することによって、見る角度によって色相が変化
する、いわゆる「玉虫色」の意匠も出現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、近年
においては、自動車においても塗装外観意匠の多様化が
進み、これに対応するために、従来のメタリックカラー
やパールカラーとは異なった新規な意匠性を備えた塗装
構造を得るための塗料や塗装技術の開発が課題となって
いた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、自動車を始めとする各種工業
製品の塗装技術における上記課題に着目してなされたも
のであって、強い光輝感とともに見る角度によって色相
が変化すると共に、奥行き感および深み感のある質感を
備え、塗装の下地としてのカラーベースとの発色相互作
用によって、カラーベース色とは異なった色彩,色調を
呈し、従来のメタリックカラーやパールカラーとは異な
る新規な意匠性を付与することのできる塗装構造を提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る塗装構造は、屈折率の異なる少なくとも2種類のポリ
マーを交互に積層した構造を有し、当該積層構造によっ
て得られる光の反射干渉作用による干渉光と干渉光以外
の透過光を制御する透明光輝材を含有する塗膜層がカラ
ーベース上に形成されており、少なくとも入射光源スペ
クトルが透明光輝材により反射干渉して発色する干渉色
と、透明光輝材を透過した光源スペクトルがカラーベー
スと作用して発色する物体色と、入射光源スペクトルが
直接的にカラーベースと作用して発色する物体色とが混
在することにより色相変化をもたらす発色機構を備えて
いる構成とし、実施態様として請求項2に係わる塗装構
造においては塗膜層の上にさらにクリヤー塗膜を備えて
いる構成としたことを特徴とし、本発明の請求項3に係
わる塗装構造は、屈折率の異なる少なくとも2種類のポ
リマーを交互に積層した構造を有し、当該積層構造によ
って得られる光の反射干渉作用による干渉光と干渉光以
外の透過光を制御する透明光輝材を含有する第1および
第2の塗膜層がカラーベース上にこの順序に重ねられて
いると共に、第1の塗膜層の上に位置する第2の塗膜層
に含まれる透明光輝材の長さが第1の塗膜層に含まれる
透明光輝材の長さよりも長く、少なくとも入射光源スペ
クトルが透明光輝材により反射干渉して発色する干渉色
と、透明光輝材を透過した光源スペクトルがカラーベー
スと作用して発色する物体色と、入射光源スペクトルが
直接的にカラーベースと作用して発色する物体色とが混
在することにより色相変化をもたらす発色機構を備えて
いる構成とし、実施態様として請求項4に係わる塗装構
造においては第2の塗膜層の上にさらにクリヤー塗膜を
備えている構成とし、請求項5に係わる塗装構造におい
ては第1および第2の塗膜層の間に、さらにクリヤー塗
膜を備えていることを特徴とし、塗装構造におけるこの
ような構成を前述した従来の課題を解決するための手段
としている。
【0007】さらに、本発明に係わる塗装構造の実施態
様として請求項6に係わる塗装構造においては、入射光
源スペクトルのカラーベースへの直接入射、およびカラ
ーベースにより反射された光源スペクトルの直接出射を
許容する間隔をもって透明光輝材が塗膜層中に分散して
いる構成とし、同じく実施態様として請求項7に係わる
塗装構造においては、透明光輝材の積層構造中に、無彩
色系あるいは有彩色系色素を含有する層を備えている構
成とし、請求項8に係わる塗装構造においては、透明光
輝材が積層構造部分の周囲に前記少なくとも2種類のポ
リマーのうちのいずれか、あるいはこれらポリマーとは
異なる他のポリマー、あるいはこれらポリマーの組み合
わせからなるクラッド層を備えている構成としている。
さらに、実施態様として本発明の請求項9に係わる塗装
構造においては、透明光輝材が略矩形断面を有し、該透
明光輝材の断面における積層面に垂直な辺の長さを1と
するとき、積層面に平行な辺の長さが0.8〜25であ
ると共に、透明光輝材の長さが0.8〜250である構
成とし、請求項10に係わる塗装構造においては、塗膜
層中に、透明光輝材が重量比で全体量の0.1〜30%
含まれている構成としており、塗装構造におけるこのよ
うな構成を前述した従来の課題を解決するための手段と
したことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係わる塗装構造は、例え
ば図1(a)に示すように、後述するような屈折率の異
なる少なくとも2種類のポリマーを交互、あるいは一定
順序に繰り返して積層した多層構造を備えることによっ
て得られる光の反射干渉作用による干渉光と干渉光以外
の透過光を制御する透明光輝材10を所定濃度に含有す
る塗膜層20がカラーベースBの上に形成されたもので
あり、このような塗装構造を備えることによって、少な
くとも塗膜層20の中に入射した光源スペクトルL1 が
当該塗膜層20中に散在する透明光輝材10により反射
干渉して発色する干渉色Ci と、入射光源スペクトルL
1 がカラーベースBと直接作用して発色する第1の物体
色Cb1と、透明光輝材10を透過した光源スペクトルL
2 カラーベースBと作用して発色する第2の物体色Cb2
とが混在することによって色相変化がもたらされること
になる。
【0009】従来のパールマイカ顔料などにおいては、
その隠蔽力を極力高めるために、基材である半透明ある
いは不透明のマイカに二酸化チタンなどが被覆され、さ
らにこの上に金属層を設けたものが多く、半透明体のパ
ールマイカ顔料の場合、入射した光の一部が吸収あるい
は反射され、残りの部分が透過光としてパールマイカ顔
料から射出されることになるが、その透過光は低強度
で、しかも純度に劣ることになる。また、不透明体のパ
ールマイカ顔料の場合には、入射した光が吸収あるいは
反射され、透過光がほとんど発生しないので隠蔽力の高
いものとなるが、干渉色としては弱いレベルとなる。な
お、隠蔽力はパールマイカ顔料を透過する光の量が多い
ほど小さくなる。
【0010】本発明に用いる透明光輝材10は、従来の
ように半透明体あるいは不透明体からなる基材に二酸化
チタンなどを被覆することによって隠蔽力を高めるので
はなく、隠蔽力を極力なくすという全く反対の思想に基
づいたものであって、透明な少なくとも2種類のポリマ
ーからなる交互多層積層構造を有し、光の反射干渉によ
る発色(干渉色)と、反射干渉以外の光を透過光とした
出射光による発色(透過色)の両方を最大限に利用する
ことにより意匠性,装飾性の向上を図るものである。
【0011】このような透明光輝材10へ入射した光
(入射光)L1 は、概ね2つの光路に別れる。1つは透
明光輝材10の多層積層部に入り込み、そこから反射干
渉作用による干渉色Ci を発する。他の1つは、透明光
輝材10自体が透明体であるために反射干渉以外の光が
透明光輝材10を透過して、いわゆる純度の高い透過光
L2 となる。これら2つの光の作用が見る方向によって
色相が変わり、しかも強い光沢感と深み感、透明感など
の複合質感を呈する新規な塗装構造を提供する役割を担
っている。
【0012】このような透明光輝材10を含む塗膜層2
0をカラーベースB上に形成することにより、人が入射
光源スペクトルL1 の入射側に位置してこの塗膜層20
を眺めた場合、入射光源スペクトルL1 が透明光輝材1
0により反射干渉して発色する強い干渉色Ci 、入射光
源スペクトルL1 が直接カラーベースBと作用して発色
する第1の物体色Cb1、さらに、前記透明光輝材10中
に、後述するような透過光を完全吸収する迷光吸収層を
設けていない場合には、当該透明光輝材10を透過した
光源スペクトルL2 とカラーベースBと作用して発色す
る第2の物体色Cb2などが全体の発色構成において混在
することによって、従来にない独特な質感、すなわち透
明感のある色相と強い光沢感、深み感などがもたらされ
る。また、透明光輝材10を構成する多層積層構造に基
づく干渉効果により、見る方向によって色相が変化して
見えることになる。なお実際には、これらの光源スペク
トルによる発色の他に、透明光輝材10を透過した光源
スペクトルがさらに別の透明光輝材10を透過したのち
カラーベースBに反射するなど、透明光輝材10による
反射干渉や透過、さらにはカラーベースBからの反射を
繰り返すことによって複雑な経路を経た出射光も混在す
ることになり、これらによる発色が加わることによって
さらに複雑な色相変化がもたらされることになるが、こ
のような出射光は反射や干渉、透過のたびごとに減衰す
ることから、色相変化への影響は比較的少なく、上記し
た干渉色Ci および第1,第2の物体色Cb1,Cb2の混
在による色相変化が支配的なものとなる。
【0013】なお、本発明においてカラーベースとは、
塗膜層20の下地を構成するものであって、白,黒,グ
レーをも含む所望の色の着色面を意味する。したがっ
て、一般には、被塗装物の表面に所望色の下地塗装を施
すことによって形成されるが、必ずしも塗装皮膜に限定
されず、例えば樹脂材料や金属材料、セラミック材料の
ように、被塗装物自体の色(地色)がそのまま利用でき
る場合には被塗装物自体を一種のカラーベースとして下
地塗装を施すことなく、その上に透明光輝材10を含む
塗膜層20を直接形成するようになすことも可能であ
る。
【0014】透明光輝材10は、透過光や干渉光を単に
発現するだけに止まらず、干渉光と干渉色以外の透過光
とを制御する機能を備えている(透明光輝材10を構成
する交互の積層構造が強い干渉色を発現するようにして
いるので、透過光もまた強い透過色を発現することがで
きる)。なお、ここでいう制御とは、干渉光や透明光輝
材10を透過してきた透過光の強度(言い換えると光透
過率)やピーク波長を任意に変化させるという意味であ
って、1種の光強度変換や波長変換機能を有するもので
あり、例えば、請求項7に記載しているように透明光輝
材10の積層構造中に無彩色あるいは有彩色系色素を含
む層を設けることによってこの機能がより顕著なものと
なる。
【0015】また、透明光輝材10に色素などを使用し
ない場合には、入射光源スペクトルL1 が透明光輝材1
0により反射干渉して干渉色特有の極めて透明感のある
色味を発すると共に、干渉光以外の透過光L2 において
も上記干渉色Ci の補色に相当する透明感のある色味を
発現し、後述するようにカラーベースBとの相互作用に
よる独特の複合色を発現させることができるようにな
る。
【0016】透明光輝材10は、図1(b)に示すよう
な断面構造を有し、例えば2種類のポリマー11および
12を交互に多層積層してなるものである。このとき、
ポリマー11および12の屈折率をそれぞれna および
nb とし、層厚をda およびdb としたとき、所望の発
色(波長λ1 の干渉色)を得るためには、 na ≧1.3,1.01≦nb /na ≦1.40 の条件下で、一次反射ピーク波長λ1 が λ1 =2(na da +nb db ) を充たすようにする必要がある。
【0017】このような条件を充たすようにλ1 を設計
することにより、全色域(紫〜緑〜赤)にわたる色相を
発現でき、しかも極めて強い干渉色Ci が得られること
になる。
【0018】上記の条件のうち、na ≧1.3の条件
は、交互積層するポリマーの材料特性によるものであ
る。また、1.01≦nb /na なる関係については、
2つのポリマーの交互積層構造体を形成する上でのより
実用的な製造条件、および可視光線領域において実際に
人の目で色味として認識することのできるレベルに基づ
くものであり、nb /na ≦1.40の条件については
これも2つのポリマーの交互積層構造体を形成する上で
の製造条件によるものである。特に、2つのポリマー層
の光学的厚み(屈折率×層厚)が等しいとき、すなわち
na da =nb dbのとき反射率Rが最も大きくなる。
【0019】本発明において、透明光輝材10を構成す
るポリマー11,12としては、例えばポリエステル、
ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ナイロン、ポリ
プロピレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリ
フェニレンサルファイドなどの単体樹脂、あるいはこれ
らの共重合体樹脂、さらには各種液晶ポリマー樹脂など
を用いることができ、これらの中から屈折率の異なる2
種類のポリマーを適宜選択して使用することになる。透
明光輝材10におけるポリマーの交互積層数としては、
とくに限定されないが、反射・干渉効果および製造上の
観点から、5層以上、とりわけ10〜150層の範囲が
望ましい。なお、3種類以上のポリマーを用いる場合に
は、これら3種類以上のポリマーの順序を変えることな
く所定の順序に繰り返し積層することが必要となる。
【0020】このような積層構造を備えた透明光輝材1
0を製造する方法としては、公知の各種薄膜形成法が適
用可能であり、例えば真空蒸着や電子ビーム蒸着、イオ
ンプレーティング、分子線エピタキシアルなどの物理蒸
着法、キャスティングやスピンコート、プラズマ重合、
ラングミュア・ブロジェット(LB)などの方法、ある
いは溶融,湿式,乾式などの各種紡糸法などを用いるこ
とができる。これら、各種薄膜形成法の中でも特に溶融
複合法は、紡糸交互積層構造を形成するための特殊な口
金を備えた溶融複合紡糸装置を用いることにより、連続
して安定かつ生産性良く発色構造体を得ることもでき、
例えば、必要に応じて延伸処理を施すことによって所望
の断面寸法としたのち、所定長さに切断して使用するこ
とができる。
【0021】本発明に係わる塗装構造において、透明光
輝材10を含有する塗膜層20を形成するバインダーお
よびトップコートクリヤーとしては、透過性を有する樹
脂系が望ましく、塗膜形成性ポリマーとして一般に知ら
れているものを用いることができる。
【0022】すなわち、塗膜形成ポリマーとしては、例
えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂などがある。硬化剤
としては、例えばアルコキシメチロールメラミン樹脂、
イソシアネート化合物またはブロックイソシアネート化
合物、ポリ酸無水物、ポリエポキシ化合物などがある。
また、上記ポリマーや硬化剤を溶解または分散させる溶
剤も塗料用として使用されるものであって、例えばトル
エン、キシレン、ブチルアセテート、メチルアセテー
ト、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブ
チルアルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素など
が使用可能である。また、無溶剤系塗料として水を使用
することもでき、とくに限定はない。
【0023】なお、本発明に係わる塗装構造において
は、透明光輝材10に加え、従来のパールマイカ、ある
いは各種の有機顔料,無機顔料などを併用することもで
き、さらに分散剤,可塑剤,表面調整剤など、従来から
用いられている添加剤を用いることも可能である。しか
しながら、有機顔料や無機顔料などを用いると色相に濁
りや曇りが生じる場合があるので、添加を避ける方がむ
しろ望ましい。
【0024】本発明に係わる塗装構造において、透明感
のある色相と強い光沢感、深み感などが発現する理由に
ついては、現在のところ必ずしも明らかではないが、次
のように考えられる。
【0025】すなわち、図1(a)において、塗膜層2
0に入射し、さらに塗膜層20中の透明光輝材10に入
射した光(光源スペクトルL1 )は、反射干渉作用によ
る発色(干渉色Ci )と、その反射干渉光以外の光を透
過光(光源スペクトルL2 )として出射して、各種色相
を有するカラーベースBに照射されることになる。ここ
で、透過光L2 は干渉光と同様に位相が制御された干渉
色Ci の残光であり、干渉光と同様、極めて純度の高い
ものとなっている。この透過光L2 はカラーベースBに
より一部が吸収されたのち反射され、物体色(第2の物
体色Cb2)として塗膜層20から出射されることにな
る。一方、塗膜層20中に入射した光(光源スペクトル
L1 )のうち、透明光輝材10に当たることなく直接カ
ラーベースBに入射した光は、やはりカラーベースBで
吸収および反射され、物体色Cb1として塗膜層20から
出射される このように、概ね3光路の光(干渉色Ci ,物体色Cb
1,物体色Cb2)が発生することになるが、色相として
人の目に認識されるのは、上記3光路の光の合成として
色相を認識する場合と、3光路のうちの1光路の光、例
えば干渉色Ci の刺激値が極めて大きければ、これがト
リガーとなる色相として認識する場合である。光学的発
色である干渉色は、物体色に較べて極めて反射率が高
く、刺激値としても大きくなるため、キラキラ感もより
発現しやすくなるものと考えられる。
【0026】本発明に係わる塗装構造においては、請求
項7に記載しているように、透明光輝材10の積層構造
中に無彩色系色素あるいは有彩色系色素を含有する層を
形成することができ、これによって透明光輝材を透過す
る光の強度(透過率)および波長をより大幅に制御する
ことができるようになる。ここで、無彩色系とはいわゆ
る色相を持たない色、物体色で、白,灰色,黒の系列の
色を意味し、色の3属性(色相,明度,彩度)のうちの
明度のみを有している。これに対し、有彩色系とは無彩
色系以外の色を指し、上記3属性を備えたものである。
【0027】図2は、その積層構造中に、無彩色系色素
として透過光をほぼ100%吸収する黒色系色素を含む
迷光吸収層31を備えた透明光輝材30を用いた塗膜層
20からなる塗装構造およびその発色機構を示すもので
あって、入射光L1 の一部は透明光輝材30によって干
渉光として反射され、干渉色Ci を呈し、干渉光以外の
光は迷光吸収層31により吸収される。カラーベースB
に直接入射した光L1はカラーベースBの色素により一
部の波長の光が吸収されて反射され、物体色Cb1を呈す
る。したがって、人には、概ねこれら2つの色の加法混
色として知覚されることになるが、透明光輝材30間の
干渉反射光の合成も若干の影響を及ぼす。
【0028】すなわち、迷光吸収層31を透明光輝材の
積層構造中に加えることにより、透明光輝材30を透過
する光L2 がほとんど遮断されることから、干渉色Ci
が強調される結果、迷光吸収層31がない場合に較べて
より神秘的な色調、質感が得られることになる。
【0029】また、図3は、積層構造中に、有彩色系の
色素を含む迷光吸収層41を備えた透明光輝材40を用
いた塗膜層20からなる塗装構造の発色機構を示すもの
であって、透明光輝材40への入射光L1 の一部は干渉
光を反射して、干渉色Ci を呈し、干渉光以外の光は色
素を含む迷光吸収層41で特定の波長が吸収され、残り
は透過光L3 となり、カラーベースBにより一部の波長
の光が吸収されて反射され、物体色Cb3を呈する。カラ
ーベースBに直接入射した光L1 はカラーベースBの色
素で一部の波長の光が吸収されて反射され、同様に物体
色Cb1を呈する。基本的には、これら3つの色の加法混
色として人に認識されるが、透明光輝材40間の干渉反
射光の合成も同様に認識される色相に若干の影響を及ぼ
す。
【0030】なお、有彩色系の色素に代えて、ある程度
の透過性を有する無彩色系の例えば灰色の色素を用いる
ことによって、透過光の波長を変えることなく、透過光
の強度のみを調整するようになすことも可能である。
【0031】また、本発明において使用する透明光輝材
の形状としては特に限定されないが、図4(a)に示す
ように、2種類のポリマー11および12からなる交互
積層部の周囲に、両ポリマー11および12のうちのい
ずれか一方、あるいはこれらのポリマーとは異なる第3
のポリマーからなるクラッド層13を設けることが積層
部の剥離防止、耐摩耗性など機械的強度向上の観点から
望ましい。また、これらポリマーの組合わせからなるク
ラッド層、すなわち図4(b)に示すように、第1のポ
リマー11の外側にさらに第2のポリマー12を設けた
ダブルクラッド層14としてもよい。
【0032】このとき、透明光輝材の形状については、
請求項9に記載しているように、図4(a)に示したよ
うな矩形断面を有し、断面における積層面に垂直な辺の
長さAを1とするとき、積層面に平行な辺の長さBが
0.8〜25の範囲であると共に、透明光輝材の長さL
が0.8〜250の範囲とすることが望ましく、これに
よって、透明光輝材の生産性や塗装時の塗装性を損なう
ことなく、反射干渉作用による発色効果が十分に発揮さ
れることになる。すなわち、透明光輝材の積層面に垂直
な辺の長さAに対する水平な辺の長さBの比、および長
さAに対する長さLの比が0.8よりも小さい場合に
は、透明光輝材を含有する塗膜が被塗装物に付着した際
に、構造発色する面が上にならない確率、つまり塗装さ
れた状態において透明光輝材の積層面が光の当る側を向
かない確率が増え、反射干渉作用による発色効果が不十
分となり、積層面に垂直な辺の長さAに対する水平な辺
の長さBの比が25よりも大きい場合には、透明光輝材
の製造時に問題が生じ、特定波長の光を反射する透明光
輝材を安定して得ることができなくなる。さらに、積層
面に垂直な辺の長さAに対する透明光輝材の長さLの比
が250を超えた場合には、塗装に際して塗料中の透明
光輝材が例えばスプレーガンに詰まり、適正な塗装を行
うことができなくなる傾向があることによる。
【0033】本発明に係わる塗装構造における透明光輝
材の含有量としては、その反射干渉効果と塗膜性能との
兼ね合いから、請求項10に記載しているように、塗膜
全体に対して重量比で0.1〜30%の範囲とすること
が望ましい。すなわち、透明光輝材の含有量が0.1%
に満たない場合には、塗膜中に構造発色する要素が少な
くなって、色相の変化や奥行き感、深み感が得にくくな
り、逆に30%を超えると、顔料濃度が従来の塗膜の範
疇を超えることになるため、塗膜の伸び性能などの塗膜
物性に悪影響が生じる傾向があるので好ましくない。
【0034】さらに、本発明に係わる塗装構造は、請求
項2に記載しているように、カラーベースの上に前述の
ような透明光輝材を含む塗膜層を形成して、さらにその
上にクリヤー塗膜を設けた塗装構造とすることが塗装表
面の光沢を増し、塗装の耐久性を向上させる観点におい
て望ましい。さらに、請求項3に記載しているようにカ
ラーベースの上に、長さの異なる透明光輝材を含有する
2種類の塗膜層を重ねた塗装構造とし、上層側の塗膜に
含まれる透明光輝材の長さを下層側塗膜の透明光輝材長
さよりも長くするようになすことも可能であって、これ
によって塗膜全体の深み感や奥行き感が向上する。そし
て、請求項4に記載しているように2層の塗膜の上にさ
らにクリヤー塗膜を設けることにより表面光沢および耐
久性を向上させることも望ましく、さらに請求項5に記
載しているように長さの異なる透明光輝材を含有する上
下の塗膜層の間にクリヤー塗膜をさらに形成することも
でき、塗膜の深み感や奥行き感がさらに向上することに
なる。
【0035】すなわち、本発明に係わる塗装構造を図5
に基づいて具体的に説明すると、まず、図5(a)に示
すようにカラーベースBの上に透明光輝材を含む塗膜層
20を設けた構造が基本であり、図5(b),(d),
(f)〜(j)に示すように、この塗膜層20の上にク
リヤー塗膜22を設けた塗膜構造とすることが、塗装表
面の光沢を増し、かつ塗装の耐久性を向上させる観点に
おいて望ましい。
【0036】また、図5(c)のように、カラーベース
の上に、長さの異なる透明光輝材を含有する2種類以上
の塗膜層を重ねた塗装構造とし、上層側の塗膜21に含
まれる透明光輝材の長さを下層側塗膜20の透明光輝材
長さよりも長くすることもでき、これによって塗膜全体
の深み感や奥行き感が向上する。
【0037】さらに、図5(d)に示すように、2層の
塗膜20,21の上にさらにクリヤー塗膜22を設けた
構造とすることにより、塗膜全体の深み感や奥行き感の
みならず、表面光沢をも向上させることが可能になる。
図5(e)に示す構造は、長さの異なる透明光輝材を含
有する上下の塗膜層20,21の間にクリヤー塗膜22
を設けたものであり、塗膜全体の深み感や奥行き感がさ
らに向上する。
【0038】そして、図5(f)に示す構造は、図5
(e)に示したものの上部にさらにクリヤー塗膜22を
設けたものである。また、図5(g)から図5(j)
は、上記の構造体のバリエーションであって、図5
(g)はカラーベースB上の透明光輝材を含有する塗膜
層20が異なる発色あるいは異なる含有濃度の数種類の
塗膜層20aないし20dにより形成されている構造を
示し、図5(h)はカラーベースB自体が色相や明度あ
るいは彩度が異なる数種類の色味から形成されている構
造を示す。
【0039】さらに、図5(i)に示すように、光沢感
をより向上させるため、数層のクリヤー塗膜22,23
を設けて厚膜化することもできる。また、クリヤー塗膜
層を厚くすると通常、塗膜同士の密着性が低下する傾向
があることから、これを防止するために、図5(j)に
示すように両塗膜層22,23との密着性に優れた透明
ベース24を設けた構造としてもよい。
【0040】また、図6(k)および図6(l)に示す
ように、非平面状の透過性を有する基材25(無色であ
っても有色であっても可)の周囲に設けられたカラーベ
ースB上に、透明光輝材を含む塗膜層20で被覆するよ
うな構成としてもよい(ここでは線状構造体を一例とし
て示す)。
【0041】なお、図6(k)はカラーベースB自体が
透過性を有する場合であり、図6(l)は透過性を有し
ない場合(入射光のほとんどが吸収される場合)であ
り、その際の光のパスは非常に複雑になる。
【0042】ここでは図6(k)の場合について、その
光のパスを図7(a)に基づいて説明する。光のパスの
一つは透明光輝材が関与する場合で、入射光源スペクト
ルL1 が塗膜層20中に散在する透明光輝材10により
反射干渉して発色する干渉色Ci1と、この干渉色Ci1以
外の光が透過した光源スペクトルL2 が第1のカラーベ
ースBと作用して発色する第1の物体色Cb1、さらに第
1のカラーベースB層を透過した光源スペクトルL3 が
第2のカラーベースBと作用して発色する第2の物体色
Cb2が発生する。なお、第2の物体色Cb2以外の光はさ
らに透過して本基材から透過光Ct1として当該塗装構造
体から抜け出すことになる。
【0043】もう一つのパスは、入射光源スペクトルL
1 が透明光輝材10に関与しない場合で、入射光源スペ
クトルL1 が第1のカラーベースBと直接作用して発色
する物体色Cb3と、その物体色Cb3以外の光が透過した
光源スペクトルL4 が第2のカラーベースBと作用して
発色する物体色Cb4、さらに物体色Cb4以外の光が透過
光Ct2として当該塗装構造体から抜け出ることになる。
【0044】従って、この場合は透過光の寄与があるた
め、人間の目が入射光源スペクトルL1 の側にあるか否
かで色相も異なることになる。このように、様々な光の
パスが混在することによって、独特の色相変化がもたら
されることになる。
【0045】また、上記透過性を基材25が着色されて
いるような場合、すなわち透明着色層を設けているよう
な場合においては、視覚光学の視点からこの透明着色層
により入射光が吸収されるので、より濃色化の方向とな
り、材質感としての深み感もより一層顕著に現れること
になる。
【0046】一方、図6(l)に示した塗装構造の場合
は、図7(b)に示すように、前述の図1(a)の場合
に相当することになる。
【0047】また、図6(k)および図6(l)の変形
として、図6(m)に示すように、透過性を有する基材
25がカラーベースBそのものであっても構わない。
【0048】次に、別の塗装構造の例としては、透過性
を有する基材25(無色であっても有色であっても可)
を介して、カラーベースBと塗膜層20を設けた構造と
してもよい。図6(n)および図6(o)には、このカ
ラーベースB層が透過性を有する場合と、透過性を有し
ない場合(入射光のほとんどが吸収される場合)を示し
ている。
【0049】この場合も、前述の図6(k)および図6
(l)と同様に、複雑な光のパスが発生する。ここで
は、図6(n)の場合について説明する。
【0050】一つのパスは、入射光源スペクトルL1 が
塗膜層20中に散在する透明光輝材10により反射干渉
して発色する干渉色Ci1と、この干渉色Ci1以外の光が
透過した光源スペクトルL2 がカラーベースBと作用し
て発色する第1の物体色Cb1、さらに物体色Cb1以外の
光が透過光Ct1として当該塗装構造体から抜け出すこと
になる。
【0051】もう一つのパスは入射光源スペクトルL1
がカラーベースBと直接作用して発色する第2の物体色
Cb2が発生する。さらにこの物体色Cb2以外の光が透過
光Ct2として当該塗装構造体から抜け出すことになる。
従って、この場合も透過光の寄与があるため、人間の目
が入射光源スペクトルL1 の側にあるか否かで色相も異
なることになる。
【0052】なお、図6(o)においては、前述の図1
(a)の場合に相当する。
【0053】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる塗装構造は、
上記構成、すなわち光の反射干渉作用による干渉光と干
渉光以外の透過光を制御する透明光輝材を含有する塗膜
層がカラーベース上に形成されており、少なくとも入射
光源スペクトルが透明光輝材により反射干渉して発色す
る干渉色と、入射光源スペクトルがカラーベースと作用
して発色する物体色とが混在することにより色相変化を
もたらす発色機構を備えている構成としたものであるか
ら、見る方向によって色相が変化して見えると共に、透
明感のある色相と強い光沢感、深み感などを得ることが
でき、実施態様として請求項2に係わる塗装構造におい
ては塗膜層の上にさらにクリヤー塗膜を備えているの
で、塗装表面の光沢が増すと共に、塗装皮膜の耐久性を
向上させることができるという極めて優れた効果がもた
される。
【0054】また、本発明の請求項3に係わる塗装構造
においては、光の反射干渉作用による干渉光と干渉光以
外の透過光を制御する透明光輝材を含有する塗膜層が2
層にわたって形成されていると共に、上層側の塗膜層に
含まれる透明光輝材の長さが下層側の塗膜層に含まれる
透明光輝材の長さよりも長くなっているので、さらに深
み感を増すことができ、実施態様として請求項4に係わ
る塗装構造においては上層側の塗膜層の上にさらにクリ
ヤー塗膜を備えているので、請求項2に係わる塗装構造
と同様に、塗装表面の光沢を増し、塗装皮膜の耐久性を
向上させることができ、請求項5に係わる塗装構造にお
いては上下の塗膜層の間にクリヤー塗膜を備えているの
で、奥行き感をさらに一層向上させることができるとい
う優れた効果がもたらされるという極めて優れた効果が
もたされる。
【0055】さらに、本発明に係わる塗装構造の実施態
様として請求項6に係わる塗装構造においては、前記透
明光輝材が入射光源スペクトルのカラーベースへの直接
入射、およびカラーベースにより反射された光源スペク
トルの直接出射を許容する間隔をもって塗膜層中に分散
している構成としたものであるから、透明光輝材の反射
干渉作用による干渉光に加えて、干渉光以外の透明光輝
材を通ることなくカラーベースにより吸収および反射さ
れた光や透明光輝材を透過したのちカラーベースにより
吸収反射された光などが複雑に混在することによって色
相変化を伴う透明感のある色相と強い光沢感、深み感な
どを得ることができ、同じく実施態様として請求項7に
係わる塗装構造においては、透明光輝材の積層構造中
に、無彩色系あるいは有彩色系色素を含有する層を備え
ているので、透明光輝材を透過する光の強度(透過率)
または波長、あるいはその両方をさらに大幅に調整、制
御することができ、さらに複雑な色調を得ることがで
き、請求項8に係わる塗装構造においては、透明光輝材
が積層構造部分の周囲に前記少なくとも2種類のポリマ
ーのうちのいずれか、あるいはこれらポリマーとは異な
る他のポリマー、あるいはこれらポリマーの組み合わせ
からなるクラッド層を備えているので、互いに積層され
たポリマーが剥離しにくく透明光輝材の機械的強度を向
上させることができ、さらに、実施態様として本発明の
請求項9に係わる塗装構造においては、透明光輝材が略
矩形断面を有し、透明光輝材の断面における積層面に垂
直な辺の長さを1とするとき、積層面に平行な辺の長さ
が0.8〜25であると共に、透明光輝材の長さが0.
8〜250となっているので、透明光輝材自体の製造や
塗料としての塗装性の障害になり難く、しかも透明光輝
材の干渉発色面が塗装外面側、すなわち光の当る側を向
きやすくなっているので、反射干渉作用による発色効果
を十分に発揮させることができ、請求項10に係わる塗
装構造においては、塗膜層中に、透明光輝材が重量比で
全体量の0.1〜30%含まれているので、塗装性や塗
膜性能を損なうことなく反射干渉作用による発色効果を
十分に得ることができるという優れた効果がもたらされ
る。
【0056】以上のように、本発明に係わる塗装構造
は、見る角度によって色相が変化すると共に、奥行き感
および深み感のある質感を備え、塗装の下地としてのカ
ラーベースとの発色相互作用によって、カラーベース色
とは異なった色味を呈するという新規な意匠性、加飾性
を提供するものであり、自動車や二輪車、鉄道などの各
種車両(車体塗装や部品塗装など)、産業機械、建築資
材、看板、家具、電化製品、スポーツ用品、インテリア
用品、玩具、ファッション小物など種々の用途に応用す
ることができる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。
【0058】実施例1 まず、第1のポリマー11として屈折率1.63のポリ
エチレンナフタレート(PEN)と、第2のポリマー1
2として屈折率1.53のナイロン6を使用し、それぞ
れ30層ずつ積層すると共に、その周囲をポリエチレン
ナフタレートからなるクラッド層13で覆うことによっ
て、図4(a)に示すような構造を有し、第1のポリマ
ー11の厚さda =0.072μm、第2のポリマー1
2の厚さdb =0.077μmの透明光輝材10を得
た。このとき、この透明光輝材10の寸法比は、両ポリ
マー11,12の積層面に垂直な辺の長さAを1とする
とき、積層面に平行な辺の長さBが4〜5、光輝材10
の長さLが15〜20の範囲となるようにした。
【0059】このような構造および寸法の透明光輝材1
0を塗膜全体に対して10重量%となるように2液アク
リルウレタンベース塗料(日本ビーケミカル社製、商品
名「R−241ベース」)に配合した塗料を得た。そし
て、このように配合した塗料をさらにアクリルウレタン
シンナー(日本ビーケミカル社製、商品名「T−801
シンナー」)で、フォードカップ#4で11〜12秒程
度の粘度に希釈した後、表面をイソプロピルアルコール
によって清浄にしたカラーベースBとしての黒色のAB
S樹脂からなる平板の上に膜厚が15〜20μmとなる
ように塗装し、80℃で20分間焼付けを行うことによ
って塗膜層20を形成し、図5(a)に示すような塗装
構造を得た。
【0060】実施例2 実施例1と同様に調整した塗料をカラーベースBである
ABS樹脂の平板に同様に塗装することにより得られた
塗膜層20の上に、アクリルウレタンクリヤー塗料(日
本ビーケミカル社製、商品名「R−246クリヤー」)
をアクリルウレタンシンナー(日本ビーケミカル社製、
商品名「T−801シンナー」)によりフォードカップ
#4で12〜13秒程度の粘度に希釈したのち、膜厚が
30〜35μmとなるようにウエットオンウエットで塗
装し、80℃で20分間焼付けを行うことによって前記
塗膜層20の上にクリヤー塗膜22を形成し、図5
(b)に示すような塗装構造を得た。
【0061】実施例3 まず、実施例1と全く同様の要領によりカラーベースB
としてのABS樹脂の上に透明光輝材10を含有する塗
膜層20(第1の塗膜層)を得た。次いで、この塗膜層
20に含有されている透明光輝材10と同様に形成さ
れ、当該透明光輝材10よりも長さLのみを大きくした
透明光輝材10、すなわち積層面に垂直な辺の長さAを
1とするとき、積層面に平行な辺の長さBが4〜5、そ
の全長Lが25〜35の範囲の透明光輝材10´を塗膜
全体に対して10重量%となるように上記2液アクリル
ウレタンベース塗料に配合すると共に、上記アクリルウ
レタンシンナーによりフォードカップ#4で11〜12
秒程度の粘度に希釈した後、先に塗装した第1の塗膜層
20の上に膜厚が15〜20μmとなるように塗装して
80℃で20分間焼付けを行うことによって第2の塗膜
層21を形成し、長さの異なる透明光輝材10をそれぞ
れ含有する上下2層の塗膜20および21を備えた図5
(c)に示すような塗装構造を得た。
【0062】実施例4 実施例3と同様の要領によって、第1の塗膜層20の上
に第2の塗膜層21を塗装したのち、さらにこの上に実
施例2において調合したアクリルウレタンクリヤー塗料
を膜厚が30〜35μmとなるようにウエットオンウエ
ットで同様に塗装し、80℃で20分間焼付けを行うこ
とによって塗膜層20および21の上にクリヤー塗膜2
2を形成し、図5(d)に示すような塗装構造を得た。
【0063】実施例5 まず、実施例2と全く同様の要領によりカラーベースB
としてのABS樹脂の上に透明光輝材10を含有する塗
膜層20(第1の塗膜層)およびクリヤー塗膜22を得
た。次いで、このクリヤー塗膜22の上に、実施例3に
おいて調合した長寸の透明光輝材10を含有する塗料を
膜厚が15〜20μmとなるように同様に塗装し、80
℃で20分間焼付けを行うことによって塗膜層20およ
び21の間にクリヤー塗膜22を備えた、図5(e)に
示すような塗装構造を得た。
【0064】実施例6 実施例5と同様の要領によって、カラーベースBとして
のABS樹脂の上に短寸の透明光輝材10を含有する塗
膜層20(第1の塗膜層)、その上にクリヤー塗膜22
を得たのち、さらにその上に長寸の透明光輝材10を含
有する第2の塗膜層21を塗装した。そしてさらにこの
第2の塗膜層21の上に実施例2において調合したアク
リルウレタンクリヤー塗料を膜厚が30〜35μmとな
るようにウエットオンウエットで同様に塗装したのち、
80℃で20分間焼付けを行うことによって塗膜層21
の上にクリヤー塗膜22をさらに形成し、図5(f)に
示すような塗装構造を得た。
【0065】実施例7 実施例1に用いた透明光輝材10と同様に形成され、積
層面に垂直な辺の長さAを1とするとき、積層面に平行
な辺の長さBが2〜3、長さLが15〜20の範囲の透
明光輝材10を使用し、実施例1に用いた上記2液アク
リルウレタンベース塗料およびアクリルウレタンシンナ
ーにより実施例1と同様に調合した塗料をカラーベース
Bとしての黒色ABS樹脂の平板上に同様に塗装したの
ち、同様の焼付け処理を施すことによって塗膜層20を
形成し、図5(a)に示すような塗装構造を得た。
【0066】実施例8 実施例1に用いた透明光輝材10と同様に形成され、積
層面に垂直な辺の長さAを1とするとき、積層面に平行
な辺の長さBが4〜5、その長さLが1〜3である透明
光輝材10を使用し、上記2液アクリルウレタンベース
塗料およびアクリルウレタンシンナーにより実施例1と
同様に調合した塗料をカラーベースBとしての黒色AB
S樹脂の平板上に同様に塗装し、同様に焼付けを行うこ
とによって塗膜層20を形成し、図5(a)に示すよう
な塗装構造を得た。
【0067】実施例9 実施例1に用いた透明光輝材10(A=1,B=4〜
5,L=15〜20)を塗膜全体に対して1重量%とな
るように上記2液アクリルウレタンベース塗料に配合す
ると共に、上記アクリルウレタンシンナーにより、同様
の粘度に希釈したのち、カラーベースBであるABS樹
脂の平板上に同様の膜厚に塗装し、さらにその上に実施
例2と同様にクリヤー塗装を行い、同様に焼付けを施す
ことによってクリヤー塗膜22を形成し、図5(b)に
示すような塗装構造を得た。
【0068】実施例10 実施例1に用いた透明光輝材10(A=1,B=4〜
5,L=15〜20)を塗膜全体に対して28重量%と
なるように上記の2液アクリルウレタンベース塗料に配
合すると共に、アクリルウレタンシンナーを用いて同様
の粘度に希釈したのち、カラーベースBとしてのABS
樹脂の平板上に同様の膜厚に塗装し、さらにその上に実
施例2と同様のクリヤー塗装を行い、同様の焼付けを施
すことによってクリヤー塗膜22を形成し、図5(b)
に示すような塗装構造を得た。
【0069】実施例11 第1の有機ポリマー11,第2のポリマー12として、
ポリエチレンテレフタレート系(PET),ナイロン系
ポリマーからなる図4(b)に示すような偏平断面構造
を有する透明光輝材10を準備した。なお、この透明光
輝材10は反射ピーク波長λが0.47μmの青系のも
ので、積層面に垂直な辺の長さAを1とするとき、積層
面に平行な辺の長さBが4〜5、さらに長さLが10〜
15のものである。
【0070】上記透明光輝材10を塗膜全体に対して1
0重量%となるように2液アクリルウレタンベース塗料
(日本ビーケミカル社製、商品名「R−241ベー
ス」)に配合した塗料を得た。次にこのように配合した
塗料をさらにアクリルウレタンシンナー(日本ビーケミ
カル社製、商品名「T−801シンナー」)により、フ
ォードカップ#4で11〜12秒程度の粘度に希釈した
後、表面をイソプロピルアルコールによって清浄にした
カラーベースBとしての黒色のABS樹脂からなる平板
の上に膜厚が15〜20μmとなるように塗装した。
【0071】さらにその上に、アクリルウレタンクリヤ
ー塗料(日本ビーケミカル社製、商品名「R−246ク
リヤー」)をアクリルウレタンシンナー(日本ビーケミ
カル社製、商品名「T−801シンナー」)によりフォ
ードカップ#4で12〜13秒程度の粘度に希釈したの
ち、膜厚が30〜35μmとなるようにウエットオンウ
エットで塗装し、80℃で20分間焼付けを行うことに
よって塗膜層20の上にクリヤー塗膜22を形成し、図
5(b)に示すような塗装構造を得た。
【0072】実施例12 第1の有機ポリマー11,第2のポリマー12として、
ポリエチレンテレフタレート系(PET),ナイロン系
ポリマーからなる図4(b)に示すような偏平断面構造
を有する透明光輝材10を準備した。なお、この透明光
輝材10は反射ピーク波長λが0.52μmの緑色系の
もので、積層面に垂直な辺の長さAを1とするとき、積
層面に平行な辺の長さBが4〜5、さらに長さLが10
〜15のものである。
【0073】以下、上記実施例11と同様の要領によっ
て、図5(b)に示す塗装構造を得た。
【0074】実施例13 第1の有機ポリマー11,第2のポリマー12として、
ポリエチレンテレフタレート系(PET),ナイロン系
ポリマーからなる図4(b)に示すような偏平断面構造
を有する透明光輝材10を準備した。なお、この透明光
輝材10は反射ピーク波長λを0.52μmとした緑色
系のもので、積層面に垂直な辺の長さAを1とすると
き、積層面に平行な辺の長さBが4〜5、さらに長さL
が10〜15の範囲となる短寸のものと、同長さLが2
5〜30の範囲となる長寸のもの2種類を準備した。
【0075】以下、上記実施例11および12と同様の
要領によって、カラーベースBとしての黒色ABS樹脂
上に短寸の透明光輝材10を含有する塗膜層20(第1
の塗膜層)を、さらにその上にクリヤー塗膜22を形成
したのち、その上に長寸の透明光輝材10を含有する第
2の塗膜層21を塗装した。
【0076】そしてさらにこの第2の塗膜層21の上に
アクリルウレタンクリヤー塗料を膜厚が30〜35μm
となるようにウエットオンウエットで同様に塗装したの
ち、80℃で20分間焼付けを行うことによって塗膜層
21の上にクリヤー塗膜22をさらに形成し、図5
(f)に示すような塗装構造を得た。
【0077】比較例1 赤ソリッド色の2液アクリルウレタンベース塗料(日本
ビーケミカル社製、商品名「R−241MB BAR2
ベース」)を上記アクリルウレタンシンナーによりフォ
ードカップ#4で11〜12秒程度の粘度に希釈し、カ
ラーベースBとしての黒色ABS樹脂の平板上に膜厚が
15〜20μmとなるように塗装することによって透明
光輝材を含有しない通常のソリッドカラー塗膜を形成し
たのち、さらにその上にウエットオンウエットで実施例
2と同様のクリヤー塗装を施し、80℃で20分間焼付
けを行うことによってクリヤー塗膜22を形成し、図5
(b)と同様の塗膜構成をなす塗装物構造を得た。
【0078】比較例2 シルバーメタリック色の2液アクリルウレタンベース塗
料(日本ビーケミカル社製、商品名「R−241 BK
LOベース」)を上記アクリルウレタンシンナーにより
同様の粘度に希釈したのち、比較例1と同様にカラーベ
ースBとしての黒色ABS樹脂の平板上に塗装すること
によって透明光輝材チップを含有しない通常のメタリッ
クカラー塗膜を形成したのち、さらにその上に同様のク
リヤー塗装を施し、同様の焼付けを行うことによってク
リヤー塗膜22を形成し、図5(b)と同様の塗膜構成
をなす塗装物構造を得た。
【0079】比較例3 2液アクリルウレタンベース塗料(日本ビーケミカル社
製、商品名「R−248 BQR2ベース」)およびホ
ワイトパール色の2液アクリルウレタンベース塗料(日
本ビーケミカル社製、商品名「R241MB BQR2
マイカベース」)を用いて、アクリルウレタンシンナー
により同様の粘度に希釈したのち、カラーベースBとし
ての黒色ABS樹脂の平板上に比較例1と同様に塗装す
ることによって透明光輝材チップを含有しない通常のパ
ールカラー塗膜を形成したのち、さらにその上に同様の
クリヤー塗装を施し、同様の焼付けを行うことによって
クリヤー塗膜22を形成し、図5(b)と同様の塗膜構
成をなす塗装物構造を得た。
【0080】評価試験 上記実施例1〜13および比較例1〜3により得られた
塗装構造について、それぞれ下記の評価を実施した。そ
の結果を表1にまとめて示す。
【0081】(1) 色の変化 変角分光測色計(村上色彩技術研究所社製 GCMS−
4型)を使用し、光が0°方向(試料面に対して垂直方
向)から入射するように固定し、+15°と、+60°
の方向で受光した光の分光反射率を測定波長域390〜
730nm、ピッチ10nmで測定し、XYZ値から色
を評価した。
【0082】(2) 塗膜密着性 塗膜を形成した後、50℃,95%RHの環境下で24
0時間の負荷をかけたものを常温で24時間放置し、J
IS K5400に規定される碁盤眼密着性試験により
評価した。100個の碁盤目中、密着試験後に残存する
碁盤目の数によって表される。
【0083】(3) 奥行き感 本発明において奥行き感とは、同一平面上にありながら
注視点に測定眼が正対する位置での両眼視状態の焦点調
節量に関係して誘起される感覚を言い、測定方法として
は、1989年10月25〜27日に開催された 5th
Symposium onHuman Interface において吉本らが発表
した「奥行き感と調節」に紹介された方法を用いた。
【0084】すなわち、面開放型赤外線オプトメーター
(測定範囲:−10〜10ディオプター、測定精度:
0.05ディオプター、前方視野:水平40度,垂直2
5度(上方)、赤外線波長:880nm)を用い、正常
な視力を有する20〜30才の男性被験者5人の生理反
応に基づいて評価した。被験者の視野をなるべく一定に
するために測定眼を右眼に固定すると共に、背景照明を
100〜200ルクスに設定し、被験者に塗膜の表面と
表面から浮き上がってきらきらするものの2点を指示
し、各点を注視したときの眼球の調節量を測定した。上
記2点に対する眼球の調節量は1回につき10〜15秒
間連続して2〜3回測定し、1秒間の調節データの平均
値として求め、これを各点に対して15回測定を行い、
t検定によって2点を注視したときの眼球の調節量の差
が有意であるか否かを調べ、有意であれば奥行き感があ
るものとし、表1中には、奥行き感のないものを
「×」、奥行き感があるものを「○」、さらに奥行き感
のあるものを「◎」として表示した。
【0085】(4) 深み感 深み感は、色相や明度が関係し、低明度、低色彩因子の
影響が大きいと言われている感覚であって、ここでは、
上記に加え、色の三属性である色相、明度、彩度を変化
させて評価した。
【0086】(5) 光沢感 上記5人の被験者による目視によって評価し、表1中に
は、光沢のあるものを「○」、さらに優れた光沢のある
ものを「◎」として表示した。
【0087】
【表1】
【0088】表1に示す結果から明らかなように、屈折
率が異なるポリマーの交互積層構造を有すると共に所定
の寸法比を備えた透明光輝材10を含有する塗膜層2
0、塗膜層20および前記透明光輝材10よりも長寸の
透明光輝材10を含有する第2の塗膜層21、さらには
これら塗膜層20および21と共にクリヤー塗膜22か
らなる実施例1ないし6においては、透明光輝材10の
反射・干渉作用によって、見る角度に応じて青から紫色
に変化すると共に、奥行き感、深み感を備えた新規な質
感を備えた塗装外観が得られると共に、密着性にも優れ
た塗膜を得ることができ、とくに最外面にクリヤー塗膜
3を備えた実施例2,4,6および9の光沢が優れると
共に、長さの異なる透明光輝材10をそれぞれ含有する
2層の塗膜層20および21を備えた実施例3から実施
例6、および実施例13の奥行き感がとくに優れたもの
となることが確認された。このうち、透明光輝材10の
積層面に平行な辺Bや長さLの寸法比がやや小さい実施
例7および8、透明光輝材10の含有量が比較的少ない
実施例9においては、色相変化、奥行き感、深み感の目
標レベルは満足するものの、他の実施例に較べると透明
光輝材10の反射干渉作用が十分に発揮されず、色相変
化や奥行き感にやや乏しい傾向が認められた。また、透
明光輝材10の含有量が比較的多い実施例10において
は、色相変化、奥行き感、深み感には優れるものの、他
の実施例に較べて塗装性および塗膜の密着性において僅
かに劣る傾向が認められた。
【0089】これに対し、従来のソリッドカラー塗膜、
メタリックカラー塗膜、パールカラー塗膜からなる比較
例1ないし3においては、パールカラー塗膜を備えた比
較例3において僅かに深み感が得られるものの、奥行き
感や色相変化は得られないことが判明した。
【0090】実施例14 まず、第1のポリマー11として屈折率1.63のポリ
エチレンナフタレート(PEN)と、第2のポリマー1
2として屈折率1.53のナイロン(ポリアミド)6
(PA6)を使用し、それぞれ交互に15ピッチ積層し
た2つの積層構造の間に、黒色系色素としてのカーボン
ブラックを含有するナイロン6の層からなる層厚2μm
の迷光吸収層31を挿入すると共に、その周囲をポリエ
チレンナフタレートからなるクラッド層13で覆うこと
によって、図8に示すような構造を備えた透明光輝材3
0を得た。なお、目標のピーク波長が、入射角0°,受
光角0°で470nm(青)となるように、積層部にお
ける第1のポリマー11および第2のポリマー12の厚
さをそれぞれ0.072μmおよび0.077μmと
し、クラッド層13の膜厚を2μmとした。また、この
透明光輝材30の寸法比は、両ポリマー11,12の積
層面に垂直な辺の長さAを1とするとき、積層面に平行
な辺の長さBが4〜5、その全長Lが15〜20の範囲
となるようにした。
【0091】このような構造および寸法の透明光輝材3
0を塗膜全体に対して10重量%となるように2液アク
リルウレタンベース塗料(日本ビーケミカル社製、商品
名「R−241MBベース」)に配合した塗料をさらに
アクリルウレタンシンナー(日本ビーケミカル社製、商
品名「T−801シンナー」)で、フォードカップ#4
で11〜12秒程度の粘度に希釈した。そして、黒色の
ABS樹脂からなる平板の上にカラーベースBとしてベ
ンガラからなる赤色顔料層を形成した上に、前記希釈塗
料を用いて膜厚が15〜20μmとなるように塗装し、
80℃で20分間焼付けを行うことによって塗膜層20
を形成し、図5(a)に示すような塗装構造を得た。
【0092】このような塗装構造において、入射した白
色光L1 は、図2に示したように、透明光輝材30の積
層部において青色の干渉光Ci を射出する。残りの透過
光については、迷光吸収層31の部分ですべて吸収され
る。透明光輝材30が存在しない部分からカラーベース
Bに直接入射した白色光L1 は、カラーベースBに含ま
れるベンガラによって赤色に発色(物体色Cb1)する。
したがって、人には赤色の物体色Cb1に青色の干渉色C
i が点在して見えることになる。
【0093】このとき、迷光吸収層31へのカーボンブ
ラックの添加量を減ずると、黄色を帯びた透過光が生
じ、カラーベースBに当たることによってベンガラの赤
色がさらに鮮やかなものとなる。
【0094】実施例15 実施例14と同様のポリマーを使用して、それぞれ交互
に15ピッチ積層した2つの積層構造の間に、図8に示
すように、緑色系色素としての酸化クロムを含有するナ
イロン6の層からなる層厚2μmの迷光吸収層41を備
え、その周囲をポリエチレンナフタレートからなるクラ
ッド層13で覆った構造の透明光輝材40を得た。な
お、目標のピーク波長については、同様に入射角0°,
受光角0°で470nm(青)となるように、積層部に
おける第1のポリマー11および第2のポリマー12の
厚さをそれぞれ0.072μmおよび0.077μmと
し、クラッド層13の膜厚についても2μmとした。ま
た、この透明光輝材40の寸法比についても、両ポリマ
ー11,12の積層面に垂直な辺の長さAを1とすると
き、積層面に平行な辺の長さBが4〜5、その全長Lが
15〜20の範囲となるようにした。
【0095】このような構造および寸法の透明光輝材4
0を用いて、実施例14と同様の塗料を配合し、さらに
アクリルウレタンシンナーによって同様に希釈した。そ
して、黒色のABS樹脂からなる平板の上にカラーベー
スBとして酸化クロムからなる緑色顔料層を形成した上
に、前記のように調整した塗料を用いて膜厚が15〜2
0μmとなるように塗装し、同様に80℃で20分間焼
付けを行うことによって塗膜層20を形成し、図5
(a)に示すような塗装構造を得た。
【0096】このような塗装構造において、入射した白
色光L1 は、図3に示したように、透明光輝材40の積
層部において青色の干渉光Ci を射出する。透明光輝材
40の迷光吸収層41を透過する光L3 は黄色を帯びた
色を呈し、カラーベースBに当たると、酸化クロムの緑
色がさらに黄緑色になる(物体色CB3)。透明光輝材4
0が存在しない部分からカラーベースBに直接入射した
白色光L1 は、カラーベースBに含まれる酸化クロムに
よって緑色に発色(物体色Cb1)する。したがって、人
には緑色の物体色Cb1の中に青色の干渉色Ci と黄緑色
の物体色CB3とが点在して見えることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明に係わる塗装構造およびその発
色機構を示す説明図である。 (b) 図1(a)に示した透明光輝材の拡大断面図で
ある。
【図2】本発明に係わる塗装構造において透明光輝材中
に黒色系色素を含む層を設けた場合の発色機構を示す説
明図である。
【図3】本発明に係わる塗装構造において透明光輝材中
に有彩色系色素を含む層を設けた場合の発色機構を示す
説明図である。
【図4】(a)および(b)は本発明に係わる塗装構造
に用いる透明光輝材の形状例を示すそれぞれ斜視図であ
る。
【図5】(a)ないし(j)は本発明に係わる塗装構造
の具体例を示すそれぞれ断面図である。
【図6】(k)ないし(o)は本発明に係わる塗装構造
の他の具体例を示すそれぞれ断面図である。
【図7】(a)および(b)は、図6(k)および
(l)に示した塗装構造における発色機構を示す説明図
である。
【図8】本発明に係わる塗装構造に用いる透明光輝材の
積層構造中に色素を含む迷光吸収層を設けた場合の形状
例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10,30,40 透明光輝材 11,12 ポリマー 13,14 クラッド層 20 塗膜層(第1の塗膜層) 21 第2の塗膜層 22,23 クリヤー塗膜 B カラーベース L1 入射光源スペクトル Ci ,Ci1 干渉色 Cb1,Cb2,Cb3,Cb4 物体色
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊 沢 金 也 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 田 畑 洋 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 山 中 雅 彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 佐 田 利 彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 高 橋 秀 和 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率の異なる少なくとも2種類のポリ
    マーを交互に積層した構造を有し、当該積層構造によっ
    て得られる光の反射干渉作用による干渉光と干渉光以外
    の透過光を制御する透明光輝材を含有する塗膜層がカラ
    ーベース上に形成されており、 少なくとも入射光源スペクトルが透明光輝材により反射
    干渉して発色する干渉色と、透明光輝材を透過した光源
    スペクトルがカラーベースと作用して発色する物体色
    と、入射光源スペクトルが直接的にカラーベースと作用
    して発色する物体色とが混在することにより色相変化を
    もたらす発色機構を備えていることを特徴とする塗装構
    造。
  2. 【請求項2】 塗膜層の上にさらにクリヤー塗膜を備え
    ていることを特徴とする請求項1記載の塗装構造。
  3. 【請求項3】 屈折率の異なる少なくとも2種類のポリ
    マーを交互に積層した構造を有し、当該積層構造によっ
    て得られる光の反射干渉作用による干渉光と干渉光以外
    の透過光を制御する透明光輝材を含有する第1および第
    2の塗膜層がカラーベース上にこの順序に重ねられてい
    ると共に、第1の塗膜層の上に位置する第2の塗膜層に
    含まれる透明光輝材の長さが第1の塗膜層に含まれる透
    明光輝材の長さよりも長く、 少なくとも入射光源スペクトルが透明光輝材により反射
    干渉して発色する干渉色と、透明光輝材を透過した光源
    スペクトルがカラーベースと作用して発色する物体色
    と、入射光源スペクトルが直接的にカラーベースと作用
    して発色する物体色とが混在することにより色相変化を
    もたらす発色機構を備えていることを特徴とする塗装構
    造。
  4. 【請求項4】 第2の塗膜層の上にさらにクリヤー塗膜
    を備えていることを特徴とする請求項3記載の塗装構
    造。
  5. 【請求項5】 第1および第2の塗膜層の間に、さらに
    クリヤー塗膜を備えていることを特徴とする請求項3ま
    たは請求項4記載の塗装構造。
  6. 【請求項6】 入射光源スペクトルのカラーベースへの
    直接入射、およびカラーベースにより反射された光源ス
    ペクトルの直接出射を許容する間隔をもって透明光輝材
    が塗膜層中に分散していることを特徴とする請求項1な
    いし請求項5のいずれかに記載の塗装構造。
  7. 【請求項7】 透明光輝材の積層構造中に、無彩色系あ
    るいは有彩色系色素を含有する層を備えていることを特
    徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の塗
    装構造。
  8. 【請求項8】 透明光輝材が積層構造部分の周囲に前記
    少なくとも2種類のポリマーのうちのいずれか、あるい
    はこれらポリマーとは異なる他のポリマー、あるいはこ
    れらポリマーの組み合わせからなるクラッド層を備えて
    いることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれ
    かに記載の塗装構造。
  9. 【請求項9】 透明光輝材が略矩形断面を有し、該透明
    光輝材の断面における積層面に垂直な辺の長さを1とす
    るとき、積層面に平行な辺の長さが0.8〜25である
    と共に、透明光輝材の長さが0.8〜250であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載
    の塗装構造。
  10. 【請求項10】 塗膜層中に、透明光輝材が重量比で全
    体量の0.1〜30%含まれていることを特徴とする請
    求項1ないし請求項9のいずれかに記載の塗装構造。
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