JP2000228152A - 誘電体形成材料及び誘電体形成ペースト - Google Patents
誘電体形成材料及び誘電体形成ペーストInfo
- Publication number
- JP2000228152A JP2000228152A JP3093299A JP3093299A JP2000228152A JP 2000228152 A JP2000228152 A JP 2000228152A JP 3093299 A JP3093299 A JP 3093299A JP 3093299 A JP3093299 A JP 3093299A JP 2000228152 A JP2000228152 A JP 2000228152A
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- JP
- Japan
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- glass
- dielectric layer
- wavelength
- plasma display
- spectral transmittance
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- Glass Compositions (AREA)
- Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高コントラストのカラー画像が得られるプラ
ズマディスプレーパネルを作製することが可能なプラズ
マディスプレーパネル材料を提供する。 【解決手段】 Nd2 O3 を含有するガラス粉末を用い
た誘電体形成材料を使用する。
ズマディスプレーパネルを作製することが可能なプラズ
マディスプレーパネル材料を提供する。 【解決手段】 Nd2 O3 を含有するガラス粉末を用い
た誘電体形成材料を使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマディスプレー
パネルの前面ガラス基板用透明誘電体層の形成に用いら
れる誘電体形成材料及び誘電体形成ペーストに関するも
のである。
パネルの前面ガラス基板用透明誘電体層の形成に用いら
れる誘電体形成材料及び誘電体形成ペーストに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】カラープラズマディスプレイは、放電時
に発生する紫外線により赤、緑、青の蛍光体を励起して
可視光を発光させ、この発光によって作られた画像が前
面ガラス基板とその上に形成された透明誘電体層を通し
て映し出される。各蛍光体の発光の波長は、赤が620
nm、緑が550nm、青が460nmである。
に発生する紫外線により赤、緑、青の蛍光体を励起して
可視光を発光させ、この発光によって作られた画像が前
面ガラス基板とその上に形成された透明誘電体層を通し
て映し出される。各蛍光体の発光の波長は、赤が620
nm、緑が550nm、青が460nmである。
【0003】ところで、カラープラズマディスプレイの
画像面は、外光、例えば太陽光、蛍光灯等の光により、
画像のコントラストが著しく低下するという問題を有し
ている。このような事情から、例えば「FPD Int
elligence 1998.7 p52〜」では、
前面ガラス基板上にブラックストライプと呼ばれる30
〜100μm幅程度の黒い顔料から成る帯をストライプ
状に形成してコントラストを改善することが提案され、
また特開平10−69859では、カラ−フィルタを用
いてコントラスト向上を試みる方法が検討されてきてい
る。
画像面は、外光、例えば太陽光、蛍光灯等の光により、
画像のコントラストが著しく低下するという問題を有し
ている。このような事情から、例えば「FPD Int
elligence 1998.7 p52〜」では、
前面ガラス基板上にブラックストライプと呼ばれる30
〜100μm幅程度の黒い顔料から成る帯をストライプ
状に形成してコントラストを改善することが提案され、
また特開平10−69859では、カラ−フィルタを用
いてコントラスト向上を試みる方法が検討されてきてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらブラック
ストライプを用いる場合には開口面積の低下に伴う発光
効率の点に問題が残り、またカラ−フィルタを使用する
場合にも工程が複雑になるといった問題がある。
ストライプを用いる場合には開口面積の低下に伴う発光
効率の点に問題が残り、またカラ−フィルタを使用する
場合にも工程が複雑になるといった問題がある。
【0005】本発明の目的は、高コントラストのカラー
画像が得られるプラズマディスプレーパネルを作製する
ことが可能なプラズマディスプレーパネル用材料を提供
することである。
画像が得られるプラズマディスプレーパネルを作製する
ことが可能なプラズマディスプレーパネル用材料を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は種々検討し
た結果、蛍光体の発光色以外の波長の光を吸収する透明
誘電体層を形成できれば、上記目的が達成できることを
見いだし、本発明を提案するに到った。
た結果、蛍光体の発光色以外の波長の光を吸収する透明
誘電体層を形成できれば、上記目的が達成できることを
見いだし、本発明を提案するに到った。
【0007】即ち、本発明の誘電体形成材料は、プラズ
マディスプレーパネルの前面ガラス基板用透明誘電体層
の形成に用いられる誘電体形成材料であって、 Nd2
O3を含有するガラス粉末からなることを特徴とする。
マディスプレーパネルの前面ガラス基板用透明誘電体層
の形成に用いられる誘電体形成材料であって、 Nd2
O3を含有するガラス粉末からなることを特徴とする。
【0008】また本発明の誘電体形成ペーストは、プラ
ズマディスプレーパネルの前面ガラス基板用透明誘電体
層の形成に用いられる誘電体形成ペーストであって、固
形分としてNd2 O3 を含有するガラス粉末を含むこと
を特徴とする。
ズマディスプレーパネルの前面ガラス基板用透明誘電体
層の形成に用いられる誘電体形成ペーストであって、固
形分としてNd2 O3 を含有するガラス粉末を含むこと
を特徴とする。
【0009】
【作用】透明誘電体層は表示電極の放電維持のために、
その前面ガラス基板上に20〜40μm程形成されてお
り、当然ながらこの誘電体層には高い耐電圧及び透明性
に優れていること等が要求されている。このため、従来
からPbO-B2O3−SiO2系もしくはZnO−B2O3
−SiO2系の透明なガラス粉末が使用されている。
その前面ガラス基板上に20〜40μm程形成されてお
り、当然ながらこの誘電体層には高い耐電圧及び透明性
に優れていること等が要求されている。このため、従来
からPbO-B2O3−SiO2系もしくはZnO−B2O3
−SiO2系の透明なガラス粉末が使用されている。
【0010】これに対し本発明の誘電体形成材料は、蛍
光体の発光色以外の波長域に吸収帯をもつガラスからな
るガラス粉末を使用する。このようなガラスを使用する
と、透明誘電体層を通過する光のうち、蛍光体の発光色
以外の波長域での透過率が低下し、コントラストが向上
する。
光体の発光色以外の波長域に吸収帯をもつガラスからな
るガラス粉末を使用する。このようなガラスを使用する
と、透明誘電体層を通過する光のうち、蛍光体の発光色
以外の波長域での透過率が低下し、コントラストが向上
する。
【0011】例えば誘電体形成材料を板厚1.7mmの
ソーダライムガラス板上に印刷法等によって塗布し、5
00〜600℃で10〜30分間焼成して膜厚20〜4
0μmのガラス膜を形成した後、ガラス膜の透過率をガ
ラス板とともに測定した場合、波長526nm(青緑
色)における分光透過率T%(526nm)が、波長460n
mにおける分光透過率T%(460nm)及び波長550nm
における分光透過率T%( 550nm)より低くなればよい。
また同様に、波長585nm(黄色)における分光透過
率T%(585nm)が、波長550nmにおける分光透過率
T%(550nm)及び波長620nmにおける分光透過率T
%(620nm)より低くなればよい。これらの透過率差は、
何れの場合も2%以上、特に5%以上となることが望ま
しい。
ソーダライムガラス板上に印刷法等によって塗布し、5
00〜600℃で10〜30分間焼成して膜厚20〜4
0μmのガラス膜を形成した後、ガラス膜の透過率をガ
ラス板とともに測定した場合、波長526nm(青緑
色)における分光透過率T%(526nm)が、波長460n
mにおける分光透過率T%(460nm)及び波長550nm
における分光透過率T%( 550nm)より低くなればよい。
また同様に、波長585nm(黄色)における分光透過
率T%(585nm)が、波長550nmにおける分光透過率
T%(550nm)及び波長620nmにおける分光透過率T
%(620nm)より低くなればよい。これらの透過率差は、
何れの場合も2%以上、特に5%以上となることが望ま
しい。
【0012】このような特性を満足する誘電体材料とし
て、Nd2 O3 を含有するガラス粉末が使用できる。N
d2 O3 を含有するガラスは、460nm、550nm
及び620nmの波長の光には高い透過性を、また52
6nm及び585nmの波長の光に対してはシャープな
吸収性を示す。それゆえ、各蛍光体の発光色に対応する
波長の光の透過率より、青と緑の中間にある526nm
付近、及び赤と緑の中間にある585nm付近の光透過
率を低くすることができる。
て、Nd2 O3 を含有するガラス粉末が使用できる。N
d2 O3 を含有するガラスは、460nm、550nm
及び620nmの波長の光には高い透過性を、また52
6nm及び585nmの波長の光に対してはシャープな
吸収性を示す。それゆえ、各蛍光体の発光色に対応する
波長の光の透過率より、青と緑の中間にある526nm
付近、及び赤と緑の中間にある585nm付近の光透過
率を低くすることができる。
【0013】上記効果を得るためにはNd2 O3 を5%
以上添加することが望ましい。また蛍光体の発光色に対
応する波長の光と、526nm及び585nmの波長の
光の透過率の差が大きければ大きい程、その効果は大き
くなるため、Nd2 O3 の添加量は多い方がよいが、4
5%以上、特に50%を超えるとガラスが失透しやすく
なり、また軟化点や熱膨張係数を高くしてしまうため好
ましくない。
以上添加することが望ましい。また蛍光体の発光色に対
応する波長の光と、526nm及び585nmの波長の
光の透過率の差が大きければ大きい程、その効果は大き
くなるため、Nd2 O3 の添加量は多い方がよいが、4
5%以上、特に50%を超えるとガラスが失透しやすく
なり、また軟化点や熱膨張係数を高くしてしまうため好
ましくない。
【0014】さらに微妙な色度調節及び光透過率の調節
のために、CoOを0.8重量%以下、NiOを0.8
重量%以下、Fe2O3を1重量%以下添加してもよい。
また526nm付近の吸収能を高めるために、Er
2O3、Cr2O3、Pr6O11を合量で10%まで添加し
てもよい。
のために、CoOを0.8重量%以下、NiOを0.8
重量%以下、Fe2O3を1重量%以下添加してもよい。
また526nm付近の吸収能を高めるために、Er
2O3、Cr2O3、Pr6O11を合量で10%まで添加し
てもよい。
【0015】またNd2 O3 が添加されるガラス粉末
は、PbO-B2O3−SiO2系もしくはZnO−B2O3
−SiO2系ガラスからなることが好ましい。特に重量
百分率でPbO 50〜75%(好ましくは50〜70
%)、B2 O3 2〜30%(好ましくは3〜25
%)、SiO2 2〜35%(好ましくは3〜31
%)、ZnO 0〜20%(好ましくは0〜15%)の
組成を有するガラスや、重量百分率でPbO 20〜5
0%(好ましくは25〜45%)、B2 O3 10〜4
0%(好ましくは15〜35%)、SiO2 1〜15
%(好ましくは2〜10%)、ZnO 0〜30%(好
ましくは10〜30%)、CaO+BaO+Bi2O3
0〜30%(好ましくは3〜25%)の組成を有する
ガラスや、重量百分率でZnO 20〜45%(好まし
くは25〜40%)、B2 O3 10〜35%(好まし
くは17〜30%)、SiO2 0.5〜10%(好ま
しくは3〜9%)、CaO+SrO+BaO+Bi2 O
3 20〜60%(好ましくは25〜55%)、PbO
0〜25%(好ましくは0〜20%)の組成を有する
ガラスが、500〜600℃の焼成で良好な流動性を示
し、また絶縁特性に優れるとともに安定であるために好
適である。
は、PbO-B2O3−SiO2系もしくはZnO−B2O3
−SiO2系ガラスからなることが好ましい。特に重量
百分率でPbO 50〜75%(好ましくは50〜70
%)、B2 O3 2〜30%(好ましくは3〜25
%)、SiO2 2〜35%(好ましくは3〜31
%)、ZnO 0〜20%(好ましくは0〜15%)の
組成を有するガラスや、重量百分率でPbO 20〜5
0%(好ましくは25〜45%)、B2 O3 10〜4
0%(好ましくは15〜35%)、SiO2 1〜15
%(好ましくは2〜10%)、ZnO 0〜30%(好
ましくは10〜30%)、CaO+BaO+Bi2O3
0〜30%(好ましくは3〜25%)の組成を有する
ガラスや、重量百分率でZnO 20〜45%(好まし
くは25〜40%)、B2 O3 10〜35%(好まし
くは17〜30%)、SiO2 0.5〜10%(好ま
しくは3〜9%)、CaO+SrO+BaO+Bi2 O
3 20〜60%(好ましくは25〜55%)、PbO
0〜25%(好ましくは0〜20%)の組成を有する
ガラスが、500〜600℃の焼成で良好な流動性を示
し、また絶縁特性に優れるとともに安定であるために好
適である。
【0016】なお本発明の誘電体形成材料は、上述した
ガラス粉末を主たる固形分として含有するが、このガラ
ス粉末以外にも50重量%以下の着色又は無着色ガラス
粉末や、20重量%以下のフィラー粉末等を添加しても
よい。
ガラス粉末を主たる固形分として含有するが、このガラ
ス粉末以外にも50重量%以下の着色又は無着色ガラス
粉末や、20重量%以下のフィラー粉末等を添加しても
よい。
【0017】また本発明の誘電体形成材料を使用する場
合、その塗布方法及び使用形態は種々の条件を考慮して
決定すればよい。代表的な使用方法として、溶媒やバイ
ンダーと混練してペースト化し、スクリーン印刷法、一
括コート法等により塗布することができる。またこの他
にもグリーンシートに成形して基板上に貼り付けるグリ
ーンシート法等、種々の方法が使用可能である。
合、その塗布方法及び使用形態は種々の条件を考慮して
決定すればよい。代表的な使用方法として、溶媒やバイ
ンダーと混練してペースト化し、スクリーン印刷法、一
括コート法等により塗布することができる。またこの他
にもグリーンシートに成形して基板上に貼り付けるグリ
ーンシート法等、種々の方法が使用可能である。
【0018】
【実施例】以下、本発明の誘電体形成材料を実施例に基
づいて詳細に説明する。
づいて詳細に説明する。
【0019】表1、2は本発明の実施例(試料No.1
〜11)、及び比較例(試料No.12)を示すもので
ある。
〜11)、及び比較例(試料No.12)を示すもので
ある。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】各試料は次のようにして調整した。
【0023】まず表に示したガラス組成となるように各
種酸化物、炭酸塩等を調合し、白金坩堝にいれ、100
0〜1400℃で2時間溶融したのち、溶融ガラスをフ
ィルム状に成形した。これを粉砕、分級したのち、所望
の粉末試料を得た。分級は目開き45μmの篩いで行っ
た。
種酸化物、炭酸塩等を調合し、白金坩堝にいれ、100
0〜1400℃で2時間溶融したのち、溶融ガラスをフ
ィルム状に成形した。これを粉砕、分級したのち、所望
の粉末試料を得た。分級は目開き45μmの篩いで行っ
た。
【0024】得られた各ガラス粉末について、熱膨張係
数、軟化点、ガラス膜の焼成膜厚、及び分光透過率を評
価した。
数、軟化点、ガラス膜の焼成膜厚、及び分光透過率を評
価した。
【0025】熱膨張係数は、粉末を軟化点で焼成し、得
られたガラス体を直径4mm、長さ40mmの円柱状に
研磨加工し、JIS R3102に基づいて測定した
後、30〜300℃の温度範囲の熱膨張係数を求めた。
軟化点は、マクロ型示差熱分析計により測定し、第4の
変曲点の値を軟化点として示した。分光透過率は、次の
ようにして測定した。まず各ガラス粉末をエチルセルロ
ースの5%ターピネオール溶液に混合し、3本ロールミ
ルにて混練してペースト化した。ついでこのペーストを
スクリーン印刷法により1.7mm厚のソーダライムガ
ラス板(分光透過率 460nm:90.5%、526
nm:90.5%、550nm:91.0%、585n
m:91.0%、620nm:90.5%)上に塗布
し、電気炉に入れた後、軟化点付近の温度で10分間保
持することにより焼成し、約30〜40μmのガラス膜
を形成した。なおマイクロメータにて正確なガラス焼成
膜厚を測定した。さらにガラス膜の形成された板ガラス
を試料側にセットし、分光光度計「島津製UV−310
0」の積分球を用いて、460nm(青色)、526n
m(青緑色)、550nm(緑色)、585nm(黄
色)、620nm(赤色)の各波長における分光透過率
を求めた。
られたガラス体を直径4mm、長さ40mmの円柱状に
研磨加工し、JIS R3102に基づいて測定した
後、30〜300℃の温度範囲の熱膨張係数を求めた。
軟化点は、マクロ型示差熱分析計により測定し、第4の
変曲点の値を軟化点として示した。分光透過率は、次の
ようにして測定した。まず各ガラス粉末をエチルセルロ
ースの5%ターピネオール溶液に混合し、3本ロールミ
ルにて混練してペースト化した。ついでこのペーストを
スクリーン印刷法により1.7mm厚のソーダライムガ
ラス板(分光透過率 460nm:90.5%、526
nm:90.5%、550nm:91.0%、585n
m:91.0%、620nm:90.5%)上に塗布
し、電気炉に入れた後、軟化点付近の温度で10分間保
持することにより焼成し、約30〜40μmのガラス膜
を形成した。なおマイクロメータにて正確なガラス焼成
膜厚を測定した。さらにガラス膜の形成された板ガラス
を試料側にセットし、分光光度計「島津製UV−310
0」の積分球を用いて、460nm(青色)、526n
m(青緑色)、550nm(緑色)、585nm(黄
色)、620nm(赤色)の各波長における分光透過率
を求めた。
【0026】熱膨張係数、軟化点および透過率の値を各
表に示す。なお、表中、各成分の配合割合は重量%で示
している。
表に示す。なお、表中、各成分の配合割合は重量%で示
している。
【0027】表から明らかなように実施例であるNo.
1〜11の試料は、熱膨張係数が77.5〜82.5×
10-7/℃、軟化点が545〜595℃であり、何れも
誘電体形成材料として好適であった。また各試料とも、
波長460nm、波長550nm、及び波長620nm
における透過率が、波長526nm及び波長585nm
におけるそれよりも高かった。一方、比較例であるN
o.12の試料は、熱膨張係数、軟化点、及びガラス膜
の焼成膜厚は実施例と同等の値を示したが、526nm
の青緑光、及び585nmの黄色光に相当する波長での
透過率が高かった。
1〜11の試料は、熱膨張係数が77.5〜82.5×
10-7/℃、軟化点が545〜595℃であり、何れも
誘電体形成材料として好適であった。また各試料とも、
波長460nm、波長550nm、及び波長620nm
における透過率が、波長526nm及び波長585nm
におけるそれよりも高かった。一方、比較例であるN
o.12の試料は、熱膨張係数、軟化点、及びガラス膜
の焼成膜厚は実施例と同等の値を示したが、526nm
の青緑光、及び585nmの黄色光に相当する波長での
透過率が高かった。
【0028】次に所定の大きさに切断加工されたプラズ
マディスプレーパネル用高歪点ガラス基板を前面用及び
背面用として2枚ずつ用意した。次いで各ガラス基板上
に表示電極やアドレス電極を焼き付けた。また前面用ガ
ラス基板には、各ガラスペーストを印刷、焼成して約3
0μmの誘電体層を形成した。なおガラスペーストは、
分光透過率の測定の際に使用したものと同様の方法で調
製した。一方背面用ガラス基板には、隔壁及び蛍光体を
形成した。続いてこれらのガラス基板を低融点封着ガラ
スでシールした後、内部にキセノンと主放電ガスのネオ
ンとの混合ガスを封入し、気密封止することによってA
C型プラズマディスプレーパネルを作製した。
マディスプレーパネル用高歪点ガラス基板を前面用及び
背面用として2枚ずつ用意した。次いで各ガラス基板上
に表示電極やアドレス電極を焼き付けた。また前面用ガ
ラス基板には、各ガラスペーストを印刷、焼成して約3
0μmの誘電体層を形成した。なおガラスペーストは、
分光透過率の測定の際に使用したものと同様の方法で調
製した。一方背面用ガラス基板には、隔壁及び蛍光体を
形成した。続いてこれらのガラス基板を低融点封着ガラ
スでシールした後、内部にキセノンと主放電ガスのネオ
ンとの混合ガスを封入し、気密封止することによってA
C型プラズマディスプレーパネルを作製した。
【0029】こうして作製されたAC型プラズマディス
プレーパネルを起動させたところ、No.1〜11の試
料を用いたパネルは、何れも鮮明な映像が映し出され、
しかもコントラストが高かった。一方、No.12の試
料を用いたパネルは、コントラストが低かった。
プレーパネルを起動させたところ、No.1〜11の試
料を用いたパネルは、何れも鮮明な映像が映し出され、
しかもコントラストが高かった。一方、No.12の試
料を用いたパネルは、コントラストが低かった。
【0030】
【発明の効果】本発明の誘電体形成材料や誘電体形成ペ
ーストを用いてプラズマディスプレーパネルの前面ガラ
ス基板用透明誘電体層を形成すると、選択的な光の透過
吸収特性を有するため、高コントラストのプラズマディ
スプレイを作製することが可能であり、カラープラズマ
ディスプレーの誘電体形成材料として好適である。
ーストを用いてプラズマディスプレーパネルの前面ガラ
ス基板用透明誘電体層を形成すると、選択的な光の透過
吸収特性を有するため、高コントラストのプラズマディ
スプレイを作製することが可能であり、カラープラズマ
ディスプレーの誘電体形成材料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波多野 和夫 滋賀県大津市晴嵐2丁目7番1号 日本電 気硝子株式会社内 Fターム(参考) 4G062 AA08 AA09 AA15 BB04 BB05 DA02 DA03 DA04 DA05 DB01 DC03 DC04 DC05 DD01 DE01 DE02 DE03 DE04 DE05 DF01 DF02 DF03 DF04 DF05 DF06 DF07 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 EE01 EE02 EE03 EE04 EE05 EE06 EF01 EF02 EF03 EF04 EF05 EF06 EG01 EG02 EG03 EG04 EG05 EG06 FA01 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG03 FG04 FG05 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA02 GA03 GA04 GA05 GA06 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH08 HH09 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK02 KK03 KK05 KK07 KK10 MM07 MM12 NN01 NN26 NN30 NN32 PP13 PP14 5C040 FA01 GD07 KA04 KA09 KA10 KB03 KB14 KB19 MA02 MA05
Claims (6)
- 【請求項1】 プラズマディスプレーパネルの前面ガラ
ス基板用透明誘電体層の形成に用いられる誘電体形成材
料であって、Nd2 O3 を含有するガラス粉末からなる
ことを特徴とする誘電体形成材料。 - 【請求項2】 Nd2 O3 の添加量が5〜50重量%で
あることを特徴とする請求項1の誘電体形成材料。 - 【請求項3】 PbO−B2O3−SiO2系ガラス、又
はZnO−B2O3−SiO2系ガラスからなることを特
徴とする請求項1の誘電体形成材料。 - 【請求項4】 板厚1.7mmのソーダライムガラス板
上に塗布し、焼成して膜厚20〜40μmのガラス膜を
形成したときに、波長526nmにおける分光透過率T
%(526nm)が、波長460nmにおける分光透過率T%
(460nm)及び波長550nmにおける分光透過率T%
(550nm)より低くなることを特徴とする誘電体形成材
料。 - 【請求項5】 板厚1.7mmのソーダライムガラス板
上に塗布し、焼成して膜厚20〜40μmのガラス膜を
形成したときに、波長585nmにおける分光透過率T
%(585nm)が、波長550nmにおける分光透過率T%
(550nm)及び波長620nmにおける分光透過率T%
(620nm)より低くなることを特徴とする誘電体形成材
料。 - 【請求項6】 プラズマディスプレーパネルの前面ガラ
ス基板用透明誘電体層の形成に用いられる誘電体形成ペ
ーストであって、固形分としてNd2 O3 を含有するガ
ラス粉末を含むことを特徴とする誘電体形成ペースト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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- 1999-02-09 JP JP3093299A patent/JP2000228152A/ja active Pending
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