JP2001151532A - 電極被覆用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置 - Google Patents
電極被覆用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/12—Silica-free oxide glass compositions
- C03C3/14—Silica-free oxide glass compositions containing boron
- C03C3/142—Silica-free oxide glass compositions containing boron containing lead
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/062—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
- C03C3/07—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing lead
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Abstract
(57)【要約】
【課題】プラズマディスプレイ装置の輝度低下を抑制で
きる電極被覆用低融点ガラスを得る。 【解決手段】MoまたはSbのいずれか1種以上を含有
し、質量百分率表示で、MoのMoO3換算含有量およ
びSbのSb2O3換算含有量の合計が0.1〜5%の範
囲にある電極被覆用低融点ガラス。
きる電極被覆用低融点ガラスを得る。 【解決手段】MoまたはSbのいずれか1種以上を含有
し、質量百分率表示で、MoのMoO3換算含有量およ
びSbのSb2O3換算含有量の合計が0.1〜5%の範
囲にある電極被覆用低融点ガラス。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ITO(スズがド
ープされた酸化インジウム)または酸化スズ等の透明電
極を絶縁被覆するのに適した低融点ガラス、およびプラ
ズマディスプレイ装置に関する。
ープされた酸化インジウム)または酸化スズ等の透明電
極を絶縁被覆するのに適した低融点ガラス、およびプラ
ズマディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型の平板型カラー表示装置が注
目を集めている。このような表示装置においては、画像
を形成する画素における表示状態を制御するために各画
素に電極を形成しなければならない。画像の質の低下を
防ぐために、前記電極として透明電極が用いられてい
る。透明電極としては、ガラス基板上に形成されたIT
Oまたは酸化スズの薄膜が多く用いられている。ここで
いう酸化スズは、フッ素、アンチモン、等がドープされ
た酸化スズを含む。
目を集めている。このような表示装置においては、画像
を形成する画素における表示状態を制御するために各画
素に電極を形成しなければならない。画像の質の低下を
防ぐために、前記電極として透明電極が用いられてい
る。透明電極としては、ガラス基板上に形成されたIT
Oまたは酸化スズの薄膜が多く用いられている。ここで
いう酸化スズは、フッ素、アンチモン、等がドープされ
た酸化スズを含む。
【0003】前記表示装置の表示面として使用されるガ
ラス基板の表面に形成される透明電極は、精細な画像を
実現するために細い線状に加工される。そして各画素を
独自に制御するためには、このような微細に加工された
透明電極相互の絶縁性を確保する必要がある。ところ
が、ガラス基板の表面に水分が存在する場合やガラス基
板中にアルカリ成分が存在する場合、このガラス基板の
表面を介して若干の電流が流れることがある。このよう
な電流を防止するには、透明電極間に絶縁層を形成する
ことが有効である。また、透明電極間に形成される絶縁
層による画像の質の低下を防ぐためには、この絶縁層は
透明であることが好ましい。
ラス基板の表面に形成される透明電極は、精細な画像を
実現するために細い線状に加工される。そして各画素を
独自に制御するためには、このような微細に加工された
透明電極相互の絶縁性を確保する必要がある。ところ
が、ガラス基板の表面に水分が存在する場合やガラス基
板中にアルカリ成分が存在する場合、このガラス基板の
表面を介して若干の電流が流れることがある。このよう
な電流を防止するには、透明電極間に絶縁層を形成する
ことが有効である。また、透明電極間に形成される絶縁
層による画像の質の低下を防ぐためには、この絶縁層は
透明であることが好ましい。
【0004】このような絶縁層を形成する絶縁材料とし
ては種々のものが知られているが、なかでも、透明であ
り信頼性の高い絶縁材料であるガラス材料が広く用いら
れている。最近大型平面カラーディスプレイ装置として
期待されているプラズマディスプレイ装置(以下PDP
という。)においては、典型的には、表示面として使用
される前面基板、背面基板および隔壁によりセルが区画
形成されており、該セル中でプラズマ放電を発生させる
ことにより画像が形成される。前記前面基板の表面には
透明電極が形成されており、この透明電極をプラズマか
ら保護するために、プラズマ耐久性に優れたガラスによ
り前記透明電極の被覆することが必須である。
ては種々のものが知られているが、なかでも、透明であ
り信頼性の高い絶縁材料であるガラス材料が広く用いら
れている。最近大型平面カラーディスプレイ装置として
期待されているプラズマディスプレイ装置(以下PDP
という。)においては、典型的には、表示面として使用
される前面基板、背面基板および隔壁によりセルが区画
形成されており、該セル中でプラズマ放電を発生させる
ことにより画像が形成される。前記前面基板の表面には
透明電極が形成されており、この透明電極をプラズマか
ら保護するために、プラズマ耐久性に優れたガラスによ
り前記透明電極の被覆することが必須である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような電極被覆に
用いられるガラスは、通常はガラス粉末にして使用され
る。すなわち、前記ガラス粉末に必要に応じてフィラー
等を添加後ペースト化し、このようにして得られたガラ
スペーストを、透明電極が形成されているガラス基板に
塗布、焼成することによって前記透明電極を被覆する。
用いられるガラスは、通常はガラス粉末にして使用され
る。すなわち、前記ガラス粉末に必要に応じてフィラー
等を添加後ペースト化し、このようにして得られたガラ
スペーストを、透明電極が形成されているガラス基板に
塗布、焼成することによって前記透明電極を被覆する。
【0006】このような電極被覆用ガラスには、電気絶
縁性の他に、軟化点がたとえば650℃以下であるこ
と、線膨張係数がたとえば80×10-7/℃程度である
こと、焼成して得られる電極被覆ガラス層の透明性が高
いこと、等が求められており、種々のガラスが従来より
提案されている。たとえば、特開平11−180726
号公報には、PbO+Bi2O3:52〜68重量%、B
2O3:14〜28重量%、SiO2:0〜5重量%、Z
nO:6〜23重量%、Al2O3:0〜8重量%、Ce
O2:0〜5重量%、SnO2:0〜5重量%、から実質
的になる非結晶性ガラスが開示されている。
縁性の他に、軟化点がたとえば650℃以下であるこ
と、線膨張係数がたとえば80×10-7/℃程度である
こと、焼成して得られる電極被覆ガラス層の透明性が高
いこと、等が求められており、種々のガラスが従来より
提案されている。たとえば、特開平11−180726
号公報には、PbO+Bi2O3:52〜68重量%、B
2O3:14〜28重量%、SiO2:0〜5重量%、Z
nO:6〜23重量%、Al2O3:0〜8重量%、Ce
O2:0〜5重量%、SnO2:0〜5重量%、から実質
的になる非結晶性ガラスが開示されている。
【0007】しかし、PDPにおいては時間経過ととも
に輝度が低下することがあり、この問題の解決が求めら
れている。また、従来のPDPにおける電極被覆ガラス
層は茶色に着色していることが多い。PDPに用いられ
ている従来の蛍光体においては、緑色および赤色の発光
強度に比べ青色の発光強度が小さい問題があるが、電極
被覆ガラス層が茶色に着色することにより、弱い青色の
光がさらに電極被覆ガラス層によって吸収され青色の光
が一層弱くなる問題があった。本発明は、前記輝度低下
問題および前記茶色着色問題を解決するための電極被覆
用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置、を提
供することを目的とする。
に輝度が低下することがあり、この問題の解決が求めら
れている。また、従来のPDPにおける電極被覆ガラス
層は茶色に着色していることが多い。PDPに用いられ
ている従来の蛍光体においては、緑色および赤色の発光
強度に比べ青色の発光強度が小さい問題があるが、電極
被覆ガラス層が茶色に着色することにより、弱い青色の
光がさらに電極被覆ガラス層によって吸収され青色の光
が一層弱くなる問題があった。本発明は、前記輝度低下
問題および前記茶色着色問題を解決するための電極被覆
用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置、を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、MoまたはS
bのいずれか1種以上を含有し、質量百分率表示で、M
oのMoO3換算含有量およびSbのSb2O3換算含有
量の合計が0.1〜5%の範囲にある電極被覆用低融点
ガラス、および、前面基板を有するプラズマディスプレ
イ装置であって、該前面基板を構成するガラス基板上の
透明電極が前記電極被覆用低融点ガラスにより被覆され
ているプラズマディスプレイ装置、を提供する。
bのいずれか1種以上を含有し、質量百分率表示で、M
oのMoO3換算含有量およびSbのSb2O3換算含有
量の合計が0.1〜5%の範囲にある電極被覆用低融点
ガラス、および、前面基板を有するプラズマディスプレ
イ装置であって、該前面基板を構成するガラス基板上の
透明電極が前記電極被覆用低融点ガラスにより被覆され
ているプラズマディスプレイ装置、を提供する。
【0009】本発明者は、PDPにおける輝度低下問題
および茶色着色問題の原因を次のように推定し、本発明
に至った。電極被覆用低融点ガラスは、通常は粉末状に
して使用される。電極被覆用低融点ガラス粉末は、印刷
性を付与するための有機ビヒクル等を用いてガラスペー
ストとし、このガラスペーストを、ガラス基板上に形成
された電極上に塗布、焼成して電極を被覆する。
および茶色着色問題の原因を次のように推定し、本発明
に至った。電極被覆用低融点ガラスは、通常は粉末状に
して使用される。電極被覆用低融点ガラス粉末は、印刷
性を付与するための有機ビヒクル等を用いてガラスペー
ストとし、このガラスペーストを、ガラス基板上に形成
された電極上に塗布、焼成して電極を被覆する。
【0010】焼成して得られたこの電極被覆ガラス層は
茶色に着色することが多い。この現象は、有機ビヒクル
等に含まれる炭素含有不純物が前記電極被覆ガラス層に
残留し、この炭素含有不純物が電極被覆ガラス層を着色
している現象であると考えられる。なお、前記茶色の着
色によって典型的には波長400nmの光の透過率が低
下する。この炭素含有不純物は、PDPにおいてプラズ
マが発生しているときに、電極被覆ガラス層に存在する
水等と反応して炭酸ガスとして電極被覆ガラス層から放
出され、これによりPDPの輝度が低下すると考えられ
る。
茶色に着色することが多い。この現象は、有機ビヒクル
等に含まれる炭素含有不純物が前記電極被覆ガラス層に
残留し、この炭素含有不純物が電極被覆ガラス層を着色
している現象であると考えられる。なお、前記茶色の着
色によって典型的には波長400nmの光の透過率が低
下する。この炭素含有不純物は、PDPにおいてプラズ
マが発生しているときに、電極被覆ガラス層に存在する
水等と反応して炭酸ガスとして電極被覆ガラス層から放
出され、これによりPDPの輝度が低下すると考えられ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の電極被覆用低融点ガラス
(以下単に本発明のガラスという。)は、通常は粉末状
にして使用される。本発明のガラスの粉末は、印刷性を
付与するための有機ビヒクル等を用いてガラスペースト
とされ、これを、ガラス基板上に形成された電極上に塗
布、焼成して電極を被覆する。ここでいう有機ビヒクル
は、エチルセルロース等のバインダをα−テルピネオー
ル等の有機溶剤に溶解したものである。なお、本発明の
ガラスは、典型的には鉛ガラスまたは鉛ホウ酸塩ガラス
である。PDPにおいては、本発明のガラスは前面基板
の透明電極の被覆に好適に使用される。
(以下単に本発明のガラスという。)は、通常は粉末状
にして使用される。本発明のガラスの粉末は、印刷性を
付与するための有機ビヒクル等を用いてガラスペースト
とされ、これを、ガラス基板上に形成された電極上に塗
布、焼成して電極を被覆する。ここでいう有機ビヒクル
は、エチルセルロース等のバインダをα−テルピネオー
ル等の有機溶剤に溶解したものである。なお、本発明の
ガラスは、典型的には鉛ガラスまたは鉛ホウ酸塩ガラス
である。PDPにおいては、本発明のガラスは前面基板
の透明電極の被覆に好適に使用される。
【0012】前記粉末の平均粒径は0.5μm以上であ
ることが好ましい。0.5μm未満では、焼成して得ら
れた電極被覆ガラス層中の気泡が多くなり透明性が低下
するおそれがあり、また、粉末状にするために要する時
間が顕著に増加するおそれがある。より好ましくは0.
7μm以上である。
ることが好ましい。0.5μm未満では、焼成して得ら
れた電極被覆ガラス層中の気泡が多くなり透明性が低下
するおそれがあり、また、粉末状にするために要する時
間が顕著に増加するおそれがある。より好ましくは0.
7μm以上である。
【0013】また、前記粉末の最大粒径は35μm以下
であることが好ましい。PDPにおける前記電極被覆ガ
ラス層の厚さは通常40μm以下であるが、前記最大粒
径が35μm超ではこの電極被覆ガラス層の表面に凹凸
が発生しPDPの画像がゆがむおそれがある。前記最大
粒径は、より好ましくは20μm以下である。
であることが好ましい。PDPにおける前記電極被覆ガ
ラス層の厚さは通常40μm以下であるが、前記最大粒
径が35μm超ではこの電極被覆ガラス層の表面に凹凸
が発生しPDPの画像がゆがむおそれがある。前記最大
粒径は、より好ましくは20μm以下である。
【0014】本発明のガラスの軟化点は450〜650
℃であることが好ましい。理由を以下に述べる。前記ガ
ラス基板としては、通常、ガラス転移点が550〜62
0℃のものが用いられる。この場合、ガラス基板の変形
を避けるために、前記ガラスペーストの焼成は620℃
以下で行われる。焼成を620℃以下で行うためには、
本発明のガラスの軟化点は650℃以下であることが好
ましい。また、前記焼成時の早い段階で本発明のガラス
が軟化流動して電極を完全に被覆することによって焼成
時における電極の電気特性劣化を防止するためにも、軟
化点は650℃以下であることが好ましい。より好まし
くは640℃以下、特に好ましくは630℃以下であ
る。
℃であることが好ましい。理由を以下に述べる。前記ガ
ラス基板としては、通常、ガラス転移点が550〜62
0℃のものが用いられる。この場合、ガラス基板の変形
を避けるために、前記ガラスペーストの焼成は620℃
以下で行われる。焼成を620℃以下で行うためには、
本発明のガラスの軟化点は650℃以下であることが好
ましい。また、前記焼成時の早い段階で本発明のガラス
が軟化流動して電極を完全に被覆することによって焼成
時における電極の電気特性劣化を防止するためにも、軟
化点は650℃以下であることが好ましい。より好まし
くは640℃以下、特に好ましくは630℃以下であ
る。
【0015】一方、PDPの前面基板において、ITO
または酸化スズ等の透明電極のみでは電気抵抗が高すぎ
る場合、これら透明電極上にAgやAlや三層構造のC
r−Cu−Cr等の金属層(以下、この金属層を金属電
極という。)を形成する場合がある。軟化点が450℃
未満のガラスによりこれら金属電極を被覆すると、金属
電極が侵食されたり、金属電極を介しての透明電極の侵
食が促進されたりするおそれがある。特に、焼成が52
0℃以上で行われる場合、軟化点が450℃未満のガラ
スにより金属電極を被覆すると透明電極の侵食が顕著に
なる。また、この場合、軟化点が450℃以上520℃
未満のガラスにより金属電極を被覆すると、透明電極の
侵食はなくなるが、焼成時に電極被覆ガラス層中の気泡
が大きくなり電極被覆ガラス層の透過率が減少する。
または酸化スズ等の透明電極のみでは電気抵抗が高すぎ
る場合、これら透明電極上にAgやAlや三層構造のC
r−Cu−Cr等の金属層(以下、この金属層を金属電
極という。)を形成する場合がある。軟化点が450℃
未満のガラスによりこれら金属電極を被覆すると、金属
電極が侵食されたり、金属電極を介しての透明電極の侵
食が促進されたりするおそれがある。特に、焼成が52
0℃以上で行われる場合、軟化点が450℃未満のガラ
スにより金属電極を被覆すると透明電極の侵食が顕著に
なる。また、この場合、軟化点が450℃以上520℃
未満のガラスにより金属電極を被覆すると、透明電極の
侵食はなくなるが、焼成時に電極被覆ガラス層中の気泡
が大きくなり電極被覆ガラス層の透過率が減少する。
【0016】本発明のガラスの軟化点は500℃以上で
あることがより好ましい。さらに好ましくは520℃以
上、特に好ましくは550℃以上、最も好ましくは58
0℃以上である。
あることがより好ましい。さらに好ましくは520℃以
上、特に好ましくは550℃以上、最も好ましくは58
0℃以上である。
【0017】また、軟化点が450℃以上であれば、焼
成時にガラスの軟化流動が始まる前にガラスペースト中
の有機ビヒクルは完全に揮発し、有機ビヒクル中の炭素
含有不純物の電極被覆ガラス層への大量残存、それにと
もなう電極被覆ガラス層の透過率低下、の防止も期待さ
れる。実際、有機ビヒクルの構成成分であるバインダと
して使用されるエチルセルロースと、軟化点が600℃
であり平均粒径が3μmであるガラス粉末とを乳鉢中で
混合して得られた混合粉末を、毎分10℃で昇温しその
重量減少率と温度の関係を調べたところ、450℃で該
重量減少率は0となった。さらに、軟化点が520℃以
上であれば電極被覆ガラス層を単層構造にできる。これ
に対し、軟化点が520℃未満では前記透明電極侵食現
象のために単層構造とすることは困難になり、軟化点が
520℃未満のガラスを上層、軟化点がたとえば520
℃以上のより軟化点が高いガラスを下層とする非単層構
造にしなければならなくなるおそれがある。ここでいう
下層は透明電極と直接接する層である。
成時にガラスの軟化流動が始まる前にガラスペースト中
の有機ビヒクルは完全に揮発し、有機ビヒクル中の炭素
含有不純物の電極被覆ガラス層への大量残存、それにと
もなう電極被覆ガラス層の透過率低下、の防止も期待さ
れる。実際、有機ビヒクルの構成成分であるバインダと
して使用されるエチルセルロースと、軟化点が600℃
であり平均粒径が3μmであるガラス粉末とを乳鉢中で
混合して得られた混合粉末を、毎分10℃で昇温しその
重量減少率と温度の関係を調べたところ、450℃で該
重量減少率は0となった。さらに、軟化点が520℃以
上であれば電極被覆ガラス層を単層構造にできる。これ
に対し、軟化点が520℃未満では前記透明電極侵食現
象のために単層構造とすることは困難になり、軟化点が
520℃未満のガラスを上層、軟化点がたとえば520
℃以上のより軟化点が高いガラスを下層とする非単層構
造にしなければならなくなるおそれがある。ここでいう
下層は透明電極と直接接する層である。
【0018】前記ガラス基板としては、通常、50〜3
50℃における平均線膨張係数が80×10-7〜90×
10-7/℃のものが用いられる。したがってこのような
ガラス基板と膨張特性をマッチングさせ、ガラス基板の
そりや強度の低下を防止するためには、本発明のガラス
の前記平均線膨張係数は60×10-7〜90×10-7/
℃であることが好ましく、70×10-7〜85×10-7
/℃であることがより好ましい。なお、50〜350℃
における平均線膨張係数を以下では単に膨張係数とい
う。
50℃における平均線膨張係数が80×10-7〜90×
10-7/℃のものが用いられる。したがってこのような
ガラス基板と膨張特性をマッチングさせ、ガラス基板の
そりや強度の低下を防止するためには、本発明のガラス
の前記平均線膨張係数は60×10-7〜90×10-7/
℃であることが好ましく、70×10-7〜85×10-7
/℃であることがより好ましい。なお、50〜350℃
における平均線膨張係数を以下では単に膨張係数とい
う。
【0019】また、本発明のガラスの室温から400℃
までの範囲における比抵抗、より典型的には室温から3
00℃までの範囲における比抵抗は、前記ガラス基板に
用いられるガラスの前記温度範囲における比抵抗の0.
1倍またはそれ以上であることが好ましい。この条件が
満たされないと電気絶縁性が不足するおそれがある。ガ
ラス基板に用いられるガラスの150℃における比抵抗
は典型的には1011Ω・cm程度である。このことから
本発明のガラスの150℃における比抵抗は1010Ω・
cm以上であることが好ましく、1011Ω・cm以上で
あることがより好ましい。
までの範囲における比抵抗、より典型的には室温から3
00℃までの範囲における比抵抗は、前記ガラス基板に
用いられるガラスの前記温度範囲における比抵抗の0.
1倍またはそれ以上であることが好ましい。この条件が
満たされないと電気絶縁性が不足するおそれがある。ガ
ラス基板に用いられるガラスの150℃における比抵抗
は典型的には1011Ω・cm程度である。このことから
本発明のガラスの150℃における比抵抗は1010Ω・
cm以上であることが好ましく、1011Ω・cm以上で
あることがより好ましい。
【0020】本発明のガラスの比誘電率は18以下であ
ることが好ましい。18超ではPDPのセルの静電容量
が大きくなりすぎ、PDPの消費電力が増大するおそれ
がある。より好ましくは12以下である。
ることが好ましい。18超ではPDPのセルの静電容量
が大きくなりすぎ、PDPの消費電力が増大するおそれ
がある。より好ましくは12以下である。
【0021】本発明のガラスは焼成時に結晶化しないこ
とが好ましい。この観点からは、本発明のガラスの結晶
化温度Tcは焼成温度超であることが好ましく、焼成温
度より80℃以上高いことがより好ましい。ここでいう
結晶化温度は示差熱分析(DTA)によって得られる結
晶化ピーク温度であり、結晶化ピークが認められない場
合は、Tc=∞とする。
とが好ましい。この観点からは、本発明のガラスの結晶
化温度Tcは焼成温度超であることが好ましく、焼成温
度より80℃以上高いことがより好ましい。ここでいう
結晶化温度は示差熱分析(DTA)によって得られる結
晶化ピーク温度であり、結晶化ピークが認められない場
合は、Tc=∞とする。
【0022】前記Tcは700℃以上であることが好ま
しい。700℃未満では、通常行われる500〜620
℃での焼成においてガラスが結晶化し透明性が低下する
おそれがある。より好ましくは750℃以上である。
しい。700℃未満では、通常行われる500〜620
℃での焼成においてガラスが結晶化し透明性が低下する
おそれがある。より好ましくは750℃以上である。
【0023】本発明のガラスは、MoおよびSbのうち
の少なくともいずれか一方を含有する。Moを含有して
Sbを含有しなくてもよいし、Sbを含有してMoを含
有しなくてもよいし、MoおよびSbの両者を含有して
もよい。MoおよびSbのいずれも含有しないと電極被
覆ガラス層中の炭素含有不純物残存量が多くなりすぎ、
茶色に着色するおそれがある、またはPDPの輝度が低
下するおそれがある。
の少なくともいずれか一方を含有する。Moを含有して
Sbを含有しなくてもよいし、Sbを含有してMoを含
有しなくてもよいし、MoおよびSbの両者を含有して
もよい。MoおよびSbのいずれも含有しないと電極被
覆ガラス層中の炭素含有不純物残存量が多くなりすぎ、
茶色に着色するおそれがある、またはPDPの輝度が低
下するおそれがある。
【0024】質量百分率表示で、MoO3として換算し
たMo含有量(以下MoO3含有量という。)は5%以
下であることが好ましい。5%超では電極被覆ガラス層
のMoに起因する着色が濃くなりすぎるおそれがある。
より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下であ
る。Moを含有する場合、そのMoO3含有量は0.1
%以上であることが好ましい。より好ましくは0.3%
以上、特に好ましくは0.5%以上である。なお、以下
では含有量は質量百分率で表す。
たMo含有量(以下MoO3含有量という。)は5%以
下であることが好ましい。5%超では電極被覆ガラス層
のMoに起因する着色が濃くなりすぎるおそれがある。
より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下であ
る。Moを含有する場合、そのMoO3含有量は0.1
%以上であることが好ましい。より好ましくは0.3%
以上、特に好ましくは0.5%以上である。なお、以下
では含有量は質量百分率で表す。
【0025】Sb2O3として換算したSb含有量(以下
Sb2O3含有量という。)は1%以下であることが好ま
しい。1%超では電極被覆ガラス層のSbに起因する着
色が濃くなりすぎるおそれがある。より好ましくは0.
9%以下、特に好ましくは0.8%以下、最も好ましく
は0.7%以下である。Sbを含有する場合、そのSb
2O3含有量は0.1%以上であることが好ましい。より
好ましくは0.2%以上、特に好ましくは0.3%以上
である。
Sb2O3含有量という。)は1%以下であることが好ま
しい。1%超では電極被覆ガラス層のSbに起因する着
色が濃くなりすぎるおそれがある。より好ましくは0.
9%以下、特に好ましくは0.8%以下、最も好ましく
は0.7%以下である。Sbを含有する場合、そのSb
2O3含有量は0.1%以上であることが好ましい。より
好ましくは0.2%以上、特に好ましくは0.3%以上
である。
【0026】本発明のガラスにおいて、MoO3含有量
とSb2O3含有量の合計は0.1〜5%である。0.1
%未満では前記炭素含有不純物残存量が多くなりすぎ
る。好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.3%
以上である。5%超では電極被覆ガラス層のMoまたは
Sbに起因する着色が濃くなりすぎる。好ましくは3%
以下、より好ましくは1.4%以下、特に好ましくは1
%以下、最も好ましくは0.9%以下である。
とSb2O3含有量の合計は0.1〜5%である。0.1
%未満では前記炭素含有不純物残存量が多くなりすぎ
る。好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.3%
以上である。5%超では電極被覆ガラス層のMoまたは
Sbに起因する着色が濃くなりすぎる。好ましくは3%
以下、より好ましくは1.4%以下、特に好ましくは1
%以下、最も好ましくは0.9%以下である。
【0027】本発明のガラスは下記酸化物基準で、実質
的に、PbO 25〜85%、B2O3
0〜60%、SiO2 0〜40%、Al2O3
0〜25%、Bi2O3 0〜35%、Mg
O 0〜40%、CaO 0〜40
%、SrO 0〜40%、BaO 0
〜40%、ZnO 0〜55%、Li2O
0〜20%、Na2O 0〜20%、K2O
0〜20%、MoO3 0〜5%、
Sb2O3 0〜1%、からなり、MgO+CaO
+SrO+BaOが0〜40%であり、Li2O+Na2
O+K2Oが0〜20%であることが好ましい。
的に、PbO 25〜85%、B2O3
0〜60%、SiO2 0〜40%、Al2O3
0〜25%、Bi2O3 0〜35%、Mg
O 0〜40%、CaO 0〜40
%、SrO 0〜40%、BaO 0
〜40%、ZnO 0〜55%、Li2O
0〜20%、Na2O 0〜20%、K2O
0〜20%、MoO3 0〜5%、
Sb2O3 0〜1%、からなり、MgO+CaO
+SrO+BaOが0〜40%であり、Li2O+Na2
O+K2Oが0〜20%であることが好ましい。
【0028】次に、上記の好ましい組成について説明す
る。なお、MoO3、Sb2O3については先に述べたの
で省略する。PbOは軟化点を低下させ、また膨張係数
を大きくする効果を有し、必須である。25%未満で
は、前記効果が小さすぎる。好ましくは30%以上であ
る。85%超では、比誘電率が大きくなりすぎる、また
は黄色着色が濃くなりすぎる。好ましくは75%以下で
ある。
る。なお、MoO3、Sb2O3については先に述べたの
で省略する。PbOは軟化点を低下させ、また膨張係数
を大きくする効果を有し、必須である。25%未満で
は、前記効果が小さすぎる。好ましくは30%以上であ
る。85%超では、比誘電率が大きくなりすぎる、また
は黄色着色が濃くなりすぎる。好ましくは75%以下で
ある。
【0029】B2O3は必須ではないが、ガラスを安定化
させるために、または焼成時のガラス流動性を高め電極
被覆ガラス層中の残存気泡を減少させて透過率を高くす
るために、60%まで含有してもよい。60%超では、
軟化点が高くなりすぎたり、ガラスが分相したりするお
それがある。より好ましくは55%以下である。B2O3
を含有する場合は、10%以上含有することがより好ま
しい。なお、前記残存気泡の大きさは典型的には30μ
mである。
させるために、または焼成時のガラス流動性を高め電極
被覆ガラス層中の残存気泡を減少させて透過率を高くす
るために、60%まで含有してもよい。60%超では、
軟化点が高くなりすぎたり、ガラスが分相したりするお
それがある。より好ましくは55%以下である。B2O3
を含有する場合は、10%以上含有することがより好ま
しい。なお、前記残存気泡の大きさは典型的には30μ
mである。
【0030】SiO2は必須ではないが、ガラスを安定
化させるために、または銀発色現象を抑制するために、
40%まで含有してもよい。ここでいう銀発色現象は、
PDP前面基板のガラス基板上に形成された銀含有バス
電極をガラスで被覆した場合に、該ガラスに銀が拡散し
ガラスが茶色に着色しPDPの画質が低下する現象であ
る。SiO2は前記銀の拡散を抑制する効果があると考
えられる。SiO2含有量が40%超では、焼成時のガ
ラス流動性が低下し電極被覆ガラス層中の残存気泡が増
加して透過率が低下するおそれがある。SiO2含有量
は、より好ましくは35%以下、さらに好ましくは15
%以下、最も好ましくは12%以下である。
化させるために、または銀発色現象を抑制するために、
40%まで含有してもよい。ここでいう銀発色現象は、
PDP前面基板のガラス基板上に形成された銀含有バス
電極をガラスで被覆した場合に、該ガラスに銀が拡散し
ガラスが茶色に着色しPDPの画質が低下する現象であ
る。SiO2は前記銀の拡散を抑制する効果があると考
えられる。SiO2含有量が40%超では、焼成時のガ
ラス流動性が低下し電極被覆ガラス層中の残存気泡が増
加して透過率が低下するおそれがある。SiO2含有量
は、より好ましくは35%以下、さらに好ましくは15
%以下、最も好ましくは12%以下である。
【0031】Al2O3は必須ではないが、ガラスを安定
化させるために25%まで含有してもよい。25%超で
はガラスが失透するおそれがある。より好ましくは15
%以下、特に好ましくは10%以下である。
化させるために25%まで含有してもよい。25%超で
はガラスが失透するおそれがある。より好ましくは15
%以下、特に好ましくは10%以下である。
【0032】Bi2O3は必須ではないが、軟化点を低下
させるために35%まで含有してもよい。35%超では
ガラスが黄色に着色したり、比誘電率が大きくなりすぎ
たりするおそれがある。より好ましくは30%以下、特
に好ましくは5%以下である。
させるために35%まで含有してもよい。35%超では
ガラスが黄色に着色したり、比誘電率が大きくなりすぎ
たりするおそれがある。より好ましくは30%以下、特
に好ましくは5%以下である。
【0033】MgO、CaO、SrOおよびBaOはい
ずれも必須ではないが、ガラスの耐水性を高めるため
に、またはガラスの分相を抑制するために、それぞれ4
0%まで含有してもよい。なお、ガラスの比誘電率を特
に低下させたい場合はMgOを含有することが好まし
い。これら成分のそれぞれの含有量が40%超では焼成
時の結晶化が顕著となり透過率が低下するおそれがあ
る。より好ましくは35%以下、特に好ましくは30%
以下である。
ずれも必須ではないが、ガラスの耐水性を高めるため
に、またはガラスの分相を抑制するために、それぞれ4
0%まで含有してもよい。なお、ガラスの比誘電率を特
に低下させたい場合はMgOを含有することが好まし
い。これら成分のそれぞれの含有量が40%超では焼成
時の結晶化が顕著となり透過率が低下するおそれがあ
る。より好ましくは35%以下、特に好ましくは30%
以下である。
【0034】なお、MgOについては5%以下であるこ
とが最も好ましい。5%超では、焼成時のガラス流動性
が低下し電極被覆ガラス層中の残存気泡が増加して透過
率が低下するおそれがある。MgO、CaO、SrOお
よびBaOの含有量の合計は40%以下であることが好
ましい。より好ましくは35%以下である。
とが最も好ましい。5%超では、焼成時のガラス流動性
が低下し電極被覆ガラス層中の残存気泡が増加して透過
率が低下するおそれがある。MgO、CaO、SrOお
よびBaOの含有量の合計は40%以下であることが好
ましい。より好ましくは35%以下である。
【0035】ZnOは必須ではないが、軟化点を低下さ
せるために55%まで含有してもよい。55%超ではガ
ラスが失透するおそれがある。より好ましくは10%以
下である。
せるために55%まで含有してもよい。55%超ではガ
ラスが失透するおそれがある。より好ましくは10%以
下である。
【0036】Li2O、Na2OおよびK2Oはいずれも
必須ではないが、軟化点を低下させるために、それぞれ
20%まで含有してもよい。20%超では、ガラスの耐
水性が低下したり、膨張係数が大きくなりすぎたりする
おそれがある。より好ましくはそれぞれ5%以下であ
る。Li2O、Na2OおよびK2Oの含有量の合計は2
0%以下であることが好ましい。より好ましくは5%以
下である。本発明のガラスは実質的に上記15成分から
なることが好ましいが、この他の成分を本発明の目的を
損なわない範囲で10%まで含有してもよい。
必須ではないが、軟化点を低下させるために、それぞれ
20%まで含有してもよい。20%超では、ガラスの耐
水性が低下したり、膨張係数が大きくなりすぎたりする
おそれがある。より好ましくはそれぞれ5%以下であ
る。Li2O、Na2OおよびK2Oの含有量の合計は2
0%以下であることが好ましい。より好ましくは5%以
下である。本発明のガラスは実質的に上記15成分から
なることが好ましいが、この他の成分を本発明の目的を
損なわない範囲で10%まで含有してもよい。
【0037】本発明のプラズマディスプレイ装置(以下
本発明のPDPという。)の前面基板においては、ガラ
ス基板の上に透明電極が形成されており、該透明電極が
形成されているガラス基板の表面が本発明のガラスによ
り被覆されている。前面基板に用いられるガラス基板の
厚さは通常2.8mmであり、このガラス基板自体の波
長550nmの光に対する透過率(以下T550nmと記
す。)は典型的には90%である。また、その濁度は典
型的には0.4%である。また、透明電極は、たとえば
幅0.5mmの帯状であり、それぞれの帯状電極が互い
に平行となるように形成される。各帯状電極中心線間の
距離は、たとえば0.83〜1.0mmであり、この場
合、透明電極がガラス基板表面を占める割合は50〜6
0%である。
本発明のPDPという。)の前面基板においては、ガラ
ス基板の上に透明電極が形成されており、該透明電極が
形成されているガラス基板の表面が本発明のガラスによ
り被覆されている。前面基板に用いられるガラス基板の
厚さは通常2.8mmであり、このガラス基板自体の波
長550nmの光に対する透過率(以下T550nmと記
す。)は典型的には90%である。また、その濁度は典
型的には0.4%である。また、透明電極は、たとえば
幅0.5mmの帯状であり、それぞれの帯状電極が互い
に平行となるように形成される。各帯状電極中心線間の
距離は、たとえば0.83〜1.0mmであり、この場
合、透明電極がガラス基板表面を占める割合は50〜6
0%である。
【0038】本発明のPDPの前面基板については、T
550nmは80%以上であることが好ましい。また、その
濁度は15%以下であることが好ましい。T550nmが8
0%未満または濁度が15%超ではPDPの画質が低下
するおそれがある。
550nmは80%以上であることが好ましい。また、その
濁度は15%以下であることが好ましい。T550nmが8
0%未満または濁度が15%超ではPDPの画質が低下
するおそれがある。
【0039】本発明のPDPは、たとえば交流方式のも
のであれば次のようにして製造される。図1に示すよう
に、ガラス基板1aの表面にパターニングされた透明電
極2およびバス線(図示せず)を形成したのち、本発明
のガラスの粉末を塗布・焼成してガラス層3を形成し、
最後に保護膜として酸化マグネシウムの層(図示せず)
を形成し、前面基板10とする。一方、ガラス基板1b
の上には、パターニングされたアドレス用電極5を形成
したのち、ストライプ状に隔壁6を形成し、さらに蛍光
体層4を印刷・焼成して背面基板20とする。
のであれば次のようにして製造される。図1に示すよう
に、ガラス基板1aの表面にパターニングされた透明電
極2およびバス線(図示せず)を形成したのち、本発明
のガラスの粉末を塗布・焼成してガラス層3を形成し、
最後に保護膜として酸化マグネシウムの層(図示せず)
を形成し、前面基板10とする。一方、ガラス基板1b
の上には、パターニングされたアドレス用電極5を形成
したのち、ストライプ状に隔壁6を形成し、さらに蛍光
体層4を印刷・焼成して背面基板20とする。
【0040】前面基板10と背面基板20の周縁にシー
ル材(図示せず)をディスペンサで塗布し、透明電極2
とアドレス用電極5が対向するように組み立てた後、焼
成してプラズマディスプレイ装置とする。そしてプラズ
マディスプレイ装置内部を排気して、放電空間7にNe
やHe−Xeなどの放電ガスを封入する。なお、上記の
例は交流方式のものであるが、本発明は直流方式のもの
にも適用できる。
ル材(図示せず)をディスペンサで塗布し、透明電極2
とアドレス用電極5が対向するように組み立てた後、焼
成してプラズマディスプレイ装置とする。そしてプラズ
マディスプレイ装置内部を排気して、放電空間7にNe
やHe−Xeなどの放電ガスを封入する。なお、上記の
例は交流方式のものであるが、本発明は直流方式のもの
にも適用できる。
【0041】
【実施例】表のPbOからSb2O3までの欄に質量百分
率で示す組成となるように、原料を調合して混合し、1
300℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融
し、薄板状ガラスに成形した後、ボールミルで粉砕し、
ガラス粉末を得た。例1〜5は実施例、例6〜9は比較
例である。
率で示す組成となるように、原料を調合して混合し、1
300℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融
し、薄板状ガラスに成形した後、ボールミルで粉砕し、
ガラス粉末を得た。例1〜5は実施例、例6〜9は比較
例である。
【0042】これらガラス粉末について、軟化点(単
位:℃)および膨張係数(単位:10 -7/℃)を以下に
述べるようにして測定した。結果を表に示す。 軟化点:示差熱分析計を用いて測定した。 膨張係数:ガラス粉末を成形後、表に示す焼成温度(単
位:℃)で10分間焼成して得た焼成体を直径5mm、
長さ2cmの円柱状に加工し、熱膨張計で50〜350
℃の平均線膨張係数を測定した。
位:℃)および膨張係数(単位:10 -7/℃)を以下に
述べるようにして測定した。結果を表に示す。 軟化点:示差熱分析計を用いて測定した。 膨張係数:ガラス粉末を成形後、表に示す焼成温度(単
位:℃)で10分間焼成して得た焼成体を直径5mm、
長さ2cmの円柱状に加工し、熱膨張計で50〜350
℃の平均線膨張係数を測定した。
【0043】また、これらガラス粉末とエチルセルロー
スを質量比で100:5となるように計りとって混合
し、得られた混合物2gを直径12mmの円柱状の型に
入れて成形し円柱状試料とした。この円柱状試料を、ガ
ラス粉末の軟化点で30分間焼成し、円盤状の焼成体を
得た。この焼成体の色を表に示す。焼成体の色が茶色の
ものは焼成体中の炭素含有不純物の量が多いものと考え
られる。したがって、例1〜5の焼成体の炭素含有不純
物の量は例6〜9の焼成体に比べ少ないと考えられる。
スを質量比で100:5となるように計りとって混合
し、得られた混合物2gを直径12mmの円柱状の型に
入れて成形し円柱状試料とした。この円柱状試料を、ガ
ラス粉末の軟化点で30分間焼成し、円盤状の焼成体を
得た。この焼成体の色を表に示す。焼成体の色が茶色の
ものは焼成体中の炭素含有不純物の量が多いものと考え
られる。したがって、例1〜5の焼成体の炭素含有不純
物の量は例6〜9の焼成体に比べ少ないと考えられる。
【0044】さらに、これらガラス粉末100gを有機
ビヒクル25gと混練し、ガラスペーストを作製した。
前記有機ビヒクルは、ジエチレングリコールモノブチル
エーテルモノアセテートまたはα−テルピネオールにエ
チルセルロースを7〜18重量%溶解したものである。
ビヒクル25gと混練し、ガラスペーストを作製した。
前記有機ビヒクルは、ジエチレングリコールモノブチル
エーテルモノアセテートまたはα−テルピネオールにエ
チルセルロースを7〜18重量%溶解したものである。
【0045】次に、大きさ10cm×10cm、厚さ
2.8mmのガラス基板を用意し、このガラス基板の表
面に、膜厚が200nmで幅が0.5mmのITO透明
電極を、各ITO透明電極の中心線間距離が1.0mm
となるように平行に多数形成した。前記ガラス基板は、
質量百分率で表わした組成が、SiO2:58%、Al2
O3:7%、Na2O:4%、K2O:6.5%、Mg
O:2%、CaO:5%、SrO:7%、BaO:7.
5%、ZrO2:3%、ガラス転移点が626℃、膨張
係数が83×10-7/℃、であるガラスからなる。な
お、前記ITO透明電極はガラス基板の片面に形成され
ている。
2.8mmのガラス基板を用意し、このガラス基板の表
面に、膜厚が200nmで幅が0.5mmのITO透明
電極を、各ITO透明電極の中心線間距離が1.0mm
となるように平行に多数形成した。前記ガラス基板は、
質量百分率で表わした組成が、SiO2:58%、Al2
O3:7%、Na2O:4%、K2O:6.5%、Mg
O:2%、CaO:5%、SrO:7%、BaO:7.
5%、ZrO2:3%、ガラス転移点が626℃、膨張
係数が83×10-7/℃、であるガラスからなる。な
お、前記ITO透明電極はガラス基板の片面に形成され
ている。
【0046】ITO透明電極が形成されている30mm
×30mmの部分に前記ガラスペーストを均一にスクリ
ーン印刷後、120℃で10分間乾燥した。このガラス
基板を昇温速度10℃/分で、表に示す焼成温度になる
まで加熱し、さらにその温度に30分間保持して、焼成
した。透明電極を被覆するガラス層の厚さは30μmで
あった。
×30mmの部分に前記ガラスペーストを均一にスクリ
ーン印刷後、120℃で10分間乾燥した。このガラス
基板を昇温速度10℃/分で、表に示す焼成温度になる
まで加熱し、さらにその温度に30分間保持して、焼成
した。透明電極を被覆するガラス層の厚さは30μmで
あった。
【0047】前記焼成後のガラス基板について、波長5
50nmの光の透過率(単位:%)および濁度(単位:
%)を以下に述べるようにして測定した。結果を表に示
す。
50nmの光の透過率(単位:%)および濁度(単位:
%)を以下に述べるようにして測定した。結果を表に示
す。
【0048】透過率:(株)日立製作所製の自記分光光
度計U−3500(積分球型)を用いて波長550nm
の光の透過率を測定した。サンプルのない状態を100
%とした。透過率は80%以上であることが好ましい。
度計U−3500(積分球型)を用いて波長550nm
の光の透過率を測定した。サンプルのない状態を100
%とした。透過率は80%以上であることが好ましい。
【0049】濁度:(株)スガ試験器製のヘーズメータ
(ハロゲン球を用いたC光源)を使用した。ハロゲン球
からの光をレンズを通して平行光線とし、サンプルに入
射させ、積分球により全光線透過率Ttと拡散透過率Td
を測定した。濁度は、 濁度(%)=(Td/Tt)×100 により算出した。濁度は15%以下であることが好まし
い。
(ハロゲン球を用いたC光源)を使用した。ハロゲン球
からの光をレンズを通して平行光線とし、サンプルに入
射させ、積分球により全光線透過率Ttと拡散透過率Td
を測定した。濁度は、 濁度(%)=(Td/Tt)×100 により算出した。濁度は15%以下であることが好まし
い。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明のガラスを用いることにより、P
DPにおける輝度低下が起りにくくなる。また、ガラス
基板上の透明電極を被覆するガラス層の茶色の着色を抑
制でき、またその透明性を高くできる。
DPにおける輝度低下が起りにくくなる。また、ガラス
基板上の透明電極を被覆するガラス層の茶色の着色を抑
制でき、またその透明性を高くできる。
【0052】本発明のPDPにおいては、輝度低下が起
りにくい。また、その前面基板の透過率が高く、画質が
優れている。
りにくい。また、その前面基板の透過率が高く、画質が
優れている。
【図1】本発明のプラズマディスプレイ装置を示す断面
図。
図。
1a:ガラス基板 1b:ガラス基板 2:透明電極 3:ガラス層 4:蛍光体層 5:アドレス用電極 6:隔壁 7:放電空間 10:前面基板 20:背面基板
Claims (5)
- 【請求項1】MoまたはSbのいずれか1種以上を含有
し、質量百分率表示で、MoのMoO3換算含有量およ
びSbのSb2O3換算含有量の合計が0.1〜5%の範
囲にある電極被覆用低融点ガラス。 - 【請求項2】下記酸化物基準の質量百分率表示で、実質
的に、 PbO 25〜85%、 B2O3 0〜60%、 SiO2 0〜40%、 Al2O3 0〜25%、 Bi2O3 0〜35%、 MgO 0〜40%、 CaO 0〜40%、 SrO 0〜40%、 BaO 0〜40%、 ZnO 0〜55%、 Li2O 0〜20%、 Na2O 0〜20%、 K2O 0〜20%、 MoO3 0〜5%、 Sb2O3 0〜1%、 からなり、MgO+CaO+SrO+BaOが0〜40
%である請求項1に記載の電極被覆用低融点ガラス。 - 【請求項3】軟化点が450〜650℃の範囲にある請
求項1または2に記載の電極被覆用低融点ガラス。 - 【請求項4】50〜350℃における平均線膨張係数が
60×10-7〜90×10-7/℃の範囲にある請求項
1、2または3に記載の電極被覆用低融点ガラス。 - 【請求項5】前面基板を有するプラズマディスプレイ装
置であって、該前面基板を構成するガラス基板上の透明
電極が請求項1〜4のいずれかに記載の電極被覆用低融
点ガラスにより被覆されているプラズマディスプレイ装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33012199A JP2001151532A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 電極被覆用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33012199A JP2001151532A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 電極被覆用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001151532A true JP2001151532A (ja) | 2001-06-05 |
Family
ID=18229048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33012199A Pending JP2001151532A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | 電極被覆用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001151532A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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