JP5370909B2 - プラズマディスプレイパネル用誘電体材料 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル用誘電体材料、誘電体層の形成方法、その誘電体材料を用いて形成されてなる誘電体層及びその誘電体層を備えてなるプラズマディスプレイパネル用ガラス板に関するものである。
プラズマディスプレイは、自己発光型のフラットパネルディスプレイであり、軽量薄型、高視野角等の優れた特性を備えており、また大画面化が可能であることから、急速に市場が拡大している。
プラズマディスプレイパネルは、前面ガラス基板と背面ガラス基板とが一定の間隔で対向しており、その周囲が封着ガラスで気密封止された構造を有している。また、パネル内部にはNe、Xe等の希ガスが充填されている。
上記用途に供される前面ガラス基板には、プラズマ放電用の走査電極が形成され、その上には走査電極を保護するために、30〜40μm程度の前面ガラス基板用の誘電体層(透明誘電体層)が形成されている。
また、背面ガラス基板には、プラズマ放電の位置を定めるためのアドレス電極が形成され、その上にはアドレス電極を保護するために、10〜20μm程度の背面ガラス基板用の誘電体層(アドレス保護誘電体層)が形成されている。更に、アドレス保護誘電体層上には、放電のセルを仕切るために隔壁が形成され、また、セル内には、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体が塗布されており、プラズマ放電を起こして紫外線を発生させることにより、蛍光体が刺激されて発光する仕組みになっている。
一般に、プラズマディスプレイパネルの前面ガラス基板や背面ガラス基板には、ソーダライムガラスや高歪点ガラスが使用されており、走査電極やアドレス電極には、スクリーン印刷法で成膜できるAgが広く用いられている。電極を形成したガラス基板への誘電体層の形成にあたっては、ガラス基板の変形を防止し、電極との反応による特性の劣化を抑えるために、500〜600℃程度の温度域で焼成する方法が採られている。それ故、誘電体材料には、ガラス基板の熱膨張係数に適合し、500〜600℃で焼成でき、高い耐電圧を有することが求められている。
また、透明誘電体層においては、上記特性に加え、高い透明性を有することも求められるため、透明誘電体層を形成するための誘電体材料には、焼成時に泡が抜けやすいことも求められている。
上記の要求特性を満たすものとして、特許文献1に示すようなPbO−B−SiO系の鉛ガラス粉末を含む誘電体材料が使用されてきたが、近年、環境保護の高まりや環境負荷物質の使用削減の動きから、誘電体材料においても非鉛ガラス粉末を使用することが望まれている。そのため、特許文献2及び3に示すように、比較的容易に低融点化が可能なZnO−B−SiO−Bi−RO(ROはLiO、NaO、KOのアルカリ金属酸化物を表す)系非鉛ガラス粉末を用いた誘電体材料が使用されるようになってきている。
特開平11−60272号公報 特開2001−139345号公報 特開2003−128430号公報
しかしながら、Ag電極が形成されたガラス基板上に、特許文献2及び3に示すようなZnO−B−SiO−Bi−RO系非鉛ガラスからなる誘電体材料を用いて誘電体層を形成すると、焼成中に誘電体とAg電極が反応して、電極であるAgがガラス中に溶けてAgとなり再びAgに価数変化してコロイドとなることでAg電極周辺の誘電体層が黄色に着色(黄変)し、画像が見難くなるという問題が生じる。
特に、近年、プラズマディスプレイパネルは、高精細化が進み、従来のパネルに比べ、電極の間隔が短くなってきており、Ag電極が高密度化しているため、より黄変が起こりやすくなってきている。
本発明の目的は、Ag電極が形成されたガラス基板上に、ZnO−B−SiO−Bi−RO非鉛ガラス粉末を用いても、誘電体層が黄変し難く、透明性に優れ、しかも、ガラス基板に適合する熱膨張係数を有し、600℃以下の温度で焼成することができるプラズマディスプレイパネル用誘電体材料、誘電体層の形成方法、その誘電体材料を用いて形成されてなる誘電体層及びその誘電体層を備えてなるプラズマディスプレイパネル用ガラス板を提供することである。
本発明者等は種々の実験を行った結果、Ag電極が形成されたガラス基板上に、ZnO−B−SiO−Bi−RO系非鉛ガラス粉末からなる誘電体材料を用いて誘電体層を形成しても、ガラス中のROの含有量、Biの含有量及びRO/Biの値を適正化すると共に、CoOを必須成分として含有させることで、Agによる黄変を抑制できることを見いだし提案するものである。
即ち、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、ZnO−B−SiO−Bi−RO系ガラス粉末からなるプラズマディスプレイパネル用誘電体材料において、該ガラス粉末が、実質的にPbOを含まず、質量百分率で、ZnO+B+SiO 45〜85%、Bi 10〜25%、RO 0.1〜10%、CoO 0.01〜0.30%含有し、質量比でRO/Biが0.05〜0.80となるガラスからなることを特徴とする。
また、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体層の形成方法は、上記の誘電体材料を電極が形成されたガラス基板上に形成し、500〜600℃で焼成することを特徴とする。
また、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体層は、上記の誘電体材料を用いて形成されてなることを特徴とする。
また、本発明のプラズマディスプレイパネル用ガラス板は、上記の誘電体層を備えてなることを特徴とする。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、600℃以下の温度で焼成でき、しかも、焼成時に、Agによる黄変が起こり難く、透明性に優れた誘電体層及びガラス板を得ることができる。また、ガラス基板に適合する熱膨張係数を有している。それ故、プラズマディスプレイパネル用誘電体材料、それを用いて形成されてなる誘電体層及びその誘電体層を備えてなるプラズマディスプレイパネル用ガラス板として好適である。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、PbOを含有しなくても、比較的容易にガラスの低融点化を行うことができ、しかも、ガラス基板に適合する熱膨張係数を得やすいZnO−B−SiO−Bi−RO系非鉛ガラスを基本組成とする。この系のガラスは、電極にAgを用いた場合、焼成時に、誘電体層とAgが反応して、Ag電極周辺の誘電体層が黄変しやすくなる。
しかし、本発明では、この系のガラスにおいて、誘電体層の色調を調整して黄変を目立ち難くさせる成分であるCoOを必須成分として0.01〜0.30質量%含有させている。そのため、誘電体層の黄変を抑えることができ、透明性に優れた誘電体層を得ることができる。
尚、CoOの含有量が0.01%より少なくなると、誘電体層の色調を調整する効果が弱く、黄変を抑制する効果が得難くなる。一方、0.30%より多くなると、CoOによる誘電体層の着色が強くなりすぎて透過率の高い誘電体層が得難くなる。CoOの好ましい範囲は0.03〜0.20%である。
また、本発明の誘電体材料において、誘電体層の黄変を抑えながら、600℃以下の温度で焼成することができ、しかも、ガラス基板に適合する熱膨張係数を有する誘電体層を得るには、誘電体材料を構成するガラス中のBiを10〜25質量%未満、ROを0.1〜10質量%含有させ、RO/Biの値を0.05〜0.80(質量比)に制限する必要がある。
Biの含有量が10%より少なくなると、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、600℃以下の温度で焼成し難くなる。また、ガラスの軟化点の上昇を抑えるために、Agによる誘電体層の黄変を生じやすくする成分であるROを多く含有させなければならなくなり、CoOを含有させることによる黄変を抑制する効果が得難くなる。一方、Biの含有量が25%より多くなるになると、コストが上昇する。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。Biの好ましい範囲は16〜25%である。
Oの含有量が0.1%より少なくなると、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、600℃以下の温度で焼成し難くなる。また、ガラスの軟化点の上昇を抑えるために、高価な原料であるBiを多く含有させなければならなくなり、コストが著しく上昇する。一方、ROの含有量が10%より多くなると、CoOを含有させることによる黄変を抑制する効果が得難くなる。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。ROの好ましい範囲は1〜9%である。尚、ROの各成分の好ましい範囲は、質量百分率で、LiO 0〜2%、NaO 0〜4%、KO 0〜10%である。
O/Biの値が、質量比で、0.05より小さくなると、コストが著しく上昇する。一方、0.80より大きくなると、Ag電極との反応が起こりやすくなり、CoOを含有させることによる黄変を抑制する効果が得難くなる。また、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、600℃以下の温度で焼成し難くなる。RO/Biの好ましい範囲は0.14〜0.55である。
また、本発明において、ZnO−B−SiO−Bi−RO系ガラスを用いるにあたり、十分なガラス化範囲を有し、ガラス溶融時におけるガラスの失透や誘電体材料の焼成時におけるガラス中への結晶の析出を抑えて透明性に優れた誘電体層を得るには、ZnO、B及びSiOを合量で45〜85質量%にすることが重要である。ZnO、B及びSiOの合量が少なくなると、ガラス化し難くなる。一方、ZnO、B及びSiOの合量が多くなると、ガラスを溶融する際にガラスが失透したり、誘電体材料を焼成する際にガラス中に結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。ZnO、B及びSiOの合量の好ましい範囲は55〜80%である。尚、各成分の好ましい範囲は、質量百分率で、ZnO 30〜55%、B 10〜30%、SiO 1〜20%である。
また、本発明に使用するZnO−B−SiO−Bi−RO系ガラス粉末は、黄変を起こし難く、透明性に優れ、600℃以下の焼成で良好な流動性を示し、ガラス基板に適合する熱膨張係数を有するガラスであれば制限はないが、特に、実質的にPbOを含まず、質量百分率で、ZnO 30〜55%、B 10〜30%、SiO 1〜20%、ZnO+B+SiO 45〜85%、Bi 10〜25%、LiO 0〜2%、NaO 0〜4%、KO 0〜10%、RO 0.1〜10%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、RO(ROはMgO、CaO、SrO、BaOのアルカリ土類金属酸化物を表す) 0〜18%、CoO 0.01〜0.30%含有し、質量比でRO/Biが0.05〜0.80となるガラスを使用することが望ましい。
本発明においてガラスの組成を上記のように限定した理由は、次のとおりである。
ZnOはガラスを構成する主成分であると共に、ガラスの軟化点を下げる成分であり、その含有量は30〜55%である。ZnOの含有量が少なくなると、ガラスの軟化点が上昇して、600℃以下の温度で焼成し難くなる。また、ガラスの熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。一方、含有量が多くなると、ガラスが不安定となりやすく、ガラスを溶融する際にガラスが失透したり、誘電体材料を焼成する際にガラス中に結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。ZnOのより好ましい範囲は32〜50%である。
はガラスの骨格を形成すると共に、ガラス化範囲を広げ、ガラスを安定化させる成分であり、その含有量は10〜30%である。Bの含有量が少なくなると、ガラスが不安定となりやすく、ガラスを溶融する際にガラスが失透したり、誘電体材料を焼成する際にガラス中に結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。一方、含有量が多くなると、ガラスの軟化点が高くなる傾向にあり、600℃以下の温度で焼成し難くなる。また、ガラスの熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。Bのより好ましい範囲は15〜28%である。
SiOはガラスの骨格を形成する成分であり、その含有量は1〜20%である。SiOの含有量が少なくなると、ガラス化し難くなる。一方、含有量が多くなるとガラスの軟化点が高くなる傾向にあり、600℃以下の温度で焼成し難くなる。SiOのより好ましい範囲は3〜18%である。
尚、十分なガラス化範囲を有し、ガラス溶融時におけるガラスの失透や誘電体材料の焼成時におけるガラス中への結晶の析出を抑えて透明性に優れた誘電体層を得るには、SiO、B及びZnOを合量で45〜85%にする必要がある。SiO、B及びZnOの合量が少なくなると、ガラス化し難くなる。一方、SiO、B及びZnOの合量が多くなると、ガラスが不安定となりやすく、ガラスを溶融する際にガラスが失透したり、誘電体材料を焼成する際にガラス中に結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。SiO、B及びZnOの合量の好ましい範囲は55〜80%である。
Biは熱膨張係数を調整する成分である。また、ガラスの軟化点を低下させる成分であるため、Agによる誘電体層の黄変を生じやすくする成分であるROの含有量を減らすことができる効果も有する成分である。その含有量は10〜25%である。Biの含有量が少なくなると、ガラスの軟化点を低下させるためにROを多く含有させなければならなくなり、CoOを含有させることによる黄変を抑制する効果が得難くなる。一方、Biの含有量が多くなるとガラスの熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。また、Biは高価な原料であるため、コストの上昇を招く。Biのより好ましい範囲は16〜25%である。
LiOはガラスの軟化点を著しく低下させたり、熱膨張係数を調整する成分であり、その含有量は0〜2%である。LiOの含有量が多くなると、CoOを含有させることによる誘電体層の黄変を抑制する効果が著しく低下しやすくなる。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。LiOのより好ましい範囲は0〜1%である。
NaOはガラスの軟化点を低下させたり、熱膨張係数を調整する成分であり、その含有量は0〜4%である。NaOの含有量が多くなると、CoOを含有させることによる誘電体層の黄変を抑制する効果が得難くなる。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。NaOのより好ましい範囲は0〜3%である。
Oはガラスの軟化点を低下させたり、熱膨張係数を調整する成分であり、その含有量は0〜10%である。KOの含有量が多くなると、CoOを含有させることによる誘電体層の黄変を抑制する効果が得られない場合がある。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。KOのより好ましい範囲は0〜9%である。
尚、600℃以下の温度で焼成でき、Ag電極との反応による誘電体層の黄変を抑え、ガラス基板に適合する熱膨張係数を有するようにするには、LiO、NaO及びKOの合量を示すROとしては0.1〜10%にする必要がある。ROの含有量が少なくなると、ガラスの軟化点が上昇して、600℃以下の温度で焼成し難くなる。また、ガラスの軟化点の上昇を抑えるために、高価な原料であるBiの含有量を増加させなければならなくなり、コストが著しく上昇する。一方、ROの含有量が多くなると、CoOを含有させることによる黄変を抑制する効果が得難くなる。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。ROの好ましい範囲は1〜9%である。
また、より効果的に、ガラスの軟化点を低下させると共にAg電極との反応による誘電体層の黄変を抑制するには、RO/Biの値を質量比で0.05〜0.80の範囲にすることが好ましい。RO/Biの値が小さくなると、コストが著しく上昇する。一方、RO/Biの値が大きくなると、Ag電極との反応が起こりやすくなり、CoOを含有させることによる黄変を抑制する効果が得難くなる。また、ガラスの軟化点が上昇する傾向にあり、600℃以下の温度で焼成し難くなる。RO/Biの好ましい範囲は0.14〜0.55である。
MgOはガラスの軟化点を低下させると共に、熱膨張係数を調整する成分であり、その含有量は0〜15%である。MgOの含有量が多くなると、ガラスが不安定となりやすく、ガラスを溶融する際にガラスが失透したり、誘電体材料を焼成する際にガラス中に結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。MgOのより好ましい範囲は0〜8%である。
CaOはガラスの軟化点を低下させると共に、熱膨張係数を調整する成分であり、その含有量は0〜15%である。また、アルカリ土類金属酸化物の中で最もAg電極との反応による誘電体層の黄変が生じ難い成分でもある。CaOの含有量が多くなると、ガラスが不安定となりやすく、ガラスを溶融する際にガラスが失透したり、誘電体材料を焼成する際にガラス中に結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。CaOのより好ましい範囲は1〜10%である。
SrOはガラスの軟化点を低下させると共に、熱膨張係数を調整する成分であり、その含有量は0〜15%である。SrOの含有量が多くなると、ガラスが不安定となりやすく、ガラスを溶融する際にガラスが失透したり、誘電体材料を焼成する際にガラス中に結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。SrOのより好ましい範囲は0〜8%である。
BaOはガラスの透過率を高める成分である。また、ガラスの軟化点を低下させると共に、熱膨張係数を調整する成分でもある。その含有量は0〜15%である。BaOの含有量が多くなると、ガラスが不安定となりやすく、ガラスを溶融する際にガラスが失透したり、誘電体材料を焼成する際にガラス中に結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。BaOのより好ましい範囲は0〜10%である。尚、誘電体層の透過率を高めたい場合は、BaOを0.5%以上含有させればよい。
尚、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を示すROとしては0〜18%であることが好ましい。ROの含有量が多くなると、ガラスが不安定となりやすく、ガラスを溶融する際にガラスが失透したり、誘電体材料を焼成する際にガラス中に結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、誘電体層をガラス基板上に形成した際にガラス基板に許容量以上の歪が残留しやすくなり、パネルの強度が低下し易くなる。ROのより好ましい範囲は1〜16%である。
CoOは誘電体層の色調を調整して黄変を目立ち難くさせる成分であり、その含有量は0.01〜0.30%である。CoOの含有量が少なくなると、誘電体層の色調を調整する効果が弱く、黄変を抑制する効果が得難くなる。一方、含有量が多くなると、CoOによる誘電体層の着色が強くなり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。CoOの好ましい範囲は0.03〜0.20%である。
また、本発明の誘電体材料は、上記成分以外にも、ガラスを安定化させたり、ガラスの透過率を高める成分であるMoO及びCuOを合量で3.5%まで添加することができる。但し、これらの成分の含有量が多くなると、これら成分による誘電体層の着色が強くなり、透明性に優れた誘電体層が得難くなる。特に、CuOの含有量が多くなると、Biを10%以上含有するZnO−B−SiO−Bi−RO系ガラスにおいては、黄変の度合いが強くなり、CoOを含有させることによる黄変を抑制する効果が得難くなる。各成分のより好ましい範囲は、MoOが0〜3%、CuOが0〜0.65%である。
さらに上記成分以外にも、要求される特性を損なわない範囲で種々の成分を添加することができる。例えば、ガラスの軟化点を低下させるために、CsO、RbO等を合量で5%まで、ガラスを安定化させたり、耐水性や耐酸性を向上させるために、Y、La、Ta、SnO、Al、TiO、ZrO、Nb、P等を合量で10%まで添加することができる。尚、Al、TiO及びZrOは、ガラスの軟化点を上昇させたり、ガラスを溶融する際にガラスを失透させたり、誘電体材料を焼成する際にガラス中に結晶を析出させ、透明な焼成膜を得難くする成分でもあるため、これら成分の含有量は合量で2%以下とすることが望ましい。
但し、PbOは、ガラスの融点を低下させる成分であるが、環境負荷物質でもあるため、実質的に含有しないことが好ましい。
尚、本発明で言う「実質的に含有しない」とは、積極的に原料として用いず不純物として混入するレベルをいい、具体的には、含有量が0.1%以下であることを意味する。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料におけるガラス粉末の粒度は、平均粒径D50が3.0μm以下、最大粒径Dmaxが20μm以下のものを使用することが望ましい。いずれか一方でもその上限を超えると、焼成膜中に泡が残存しやすくなり、透明性に優れ、安定した耐電圧を有する誘電体層が得難くなるためである。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、熱膨張係数や焼成後の強度及び外観の調節の為に、上記ガラス粉末に加えてセラミック粉末を含有してもよい。セラミック粉末が多くなると、十分に焼結が行えず、緻密な膜を形成することが難しくなる。尚、セラミック粉末としては、例えばアルミナ、ジルコニア、ジルコン、チタニア、コージエライト、ムライト、シリカ、ウイレマイト、酸化錫、酸化亜鉛等を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上述のように、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、600℃以下の温度で焼成することができ、焼成時に、誘電体層が黄変し難く、透明性に優れた焼成膜が得られるため、特に、Ag電極が形成された前面ガラス基板用の透明誘電体層の形成に用いられる誘電体材料として有用である。また、2層以上の誘電体構造を有する誘電体における電極と接する下層誘電体層としても使用することが可能である。もちろん、Ag以外の電極上に形成する誘電体材料や、下層誘電体層の上に形成され直接電極と接することない上層誘電体層の材料や、それ以外の用途、例えば、背面ガラス基板用のアドレス電極保護誘電体材料や隔壁形成材料として使用することもできる。
前面ガラス基板用の透明誘電体材料として使用する場合は、上記セラミック粉末の含有量を0〜10質量%にすることで使用できる。セラミック粉末の含有量をこのようにすることで、セラミック粉末の添加による可視光の散乱を抑えて透明度の高い焼成膜を得ることができる。また、背面ガラス基板用のアドレス電極保護誘電体材料や隔壁材料として使用する場合は、上記セラミック粉末を5〜40質量%の範囲で含有させることで使用できる。セラミック粉末の含有量をこのようにすることで、高い強度、或いは優れた耐酸性を有する焼成膜を得ることができる。
次に、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料の使用方法を説明する。本発明の材料は、例えばペーストやグリーンシートなどの形態で使用することができる。
ペーストの形態で使用する場合、上述した誘電体材料と共に、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等を使用する。尚、ペースト全体に占める誘電体材料の割合としては、30〜90質量%程度が一般的である。
熱可塑性樹脂は、乾燥後の膜強度を高め、また柔軟性を付与する成分であり、その含有量は、0.1〜20質量%程度が一般的である。熱可塑性樹脂としてはポリブチルメタアクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、エチルセルロース等が使用可能であり、これらを単独あるいは混合して使用する。
可塑剤は、乾燥速度をコントロールすると共に、乾燥膜に柔軟性を与える成分であり、その含有量は0〜10質量%程度が一般的である。可塑剤としてはブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジブチルフタレート等が使用可能であり、これらを単独あるいは混合して使用する。
溶剤は材料をペースト化するための材料であり、その含有量は10〜30質量%程度が一般的である。溶剤としては、例えばターピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート等を単独または混合して使用することができる。
ペーストの作製は、上記の誘電体材料、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等を用意し、これを所定の割合で混練することにより行うことができる。
このようなペーストを用いて、透明誘電体層又はアドレス保護誘電体層を形成するには、まず、走査電極が形成された前面ガラス基板やアドレス電極が形成された背面ガラス基板上に、これらのペーストをスクリーン印刷法や一括コート法等を用いて塗布し、所定の膜厚の塗布層を形成した後、乾燥させる。その後、500〜600℃の温度で5〜20分間保持し焼成することで所定の誘電体層を得ることができる。尚、焼成温度が低すぎたり、保持時間が短くなると、十分に焼結が行えず、緻密な膜を形成することが難しくなる。一方、焼成温度が高すぎたり、保持時間が長くなると、ガラス基板が変形したり、Agによる誘電体層の黄変が生じやすくなる。
尚、2層以上の誘電体構造を有する誘電体層を形成する場合、予め電極が形成されたガラス板上に、下層誘電体形成用ペーストをスクリーン印刷法や一括コート法等によって、膜厚およそ20〜80μmに塗布し、乾燥させた後、上記と同様に焼成する。続いて、その上に上層誘電体形成用ペーストをスクリーン印刷や一括コート法等によって膜厚およそ60〜160μmに塗布し、乾燥させる。その後、上記と同様に焼成することで得ることができる。
本発明の材料をグリーンシートの形態で使用する場合、上述した誘電体材料と共に、熱可塑性樹脂、可塑剤等を使用する。尚、グリーンシート中に占める誘電体材料の割合は、60〜80質量%程度が一般的である。
熱可塑性樹脂及び可塑剤としては、上記ペーストの調製の際に用いられるのと同様の熱可塑性樹脂及び可塑剤を用いることができ、熱可塑性樹脂の混合割合としては、5〜30質量%程度が一般的であり、可塑剤の混合割合としては、0〜10質量%程度が一般的である。
グリーンシートを作製する一般的な方法としては、上記の誘電体材料、熱可塑性樹脂、可塑剤等を用意し、これらにトルエン等の主溶媒や、イソプロピルアルコール等の補助溶媒を添加してスラリーとし、このスラリーをドクターブレード法によって、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフィルムの上にシート成形する。シート成形後、乾燥させることによって溶媒や溶剤を除去し、グリーンシートとすることができる。
以上のようにして得られたグリーンシートを用いて前面又は背面誘電体層を形成するには、走査電極が形成された前面ガラス基板やアドレス電極が形成された背面ガラス基板上に、グリーンシートを配置し、熱圧着して塗布層を形成した後に、上述のペーストの場合と同様に焼成することで誘電体層を得ることができる。
尚、2層以上の誘電体構造を有する誘電体層を形成する場合、予め電極が形成されたガラス板上に、下層誘電体形成用グリーンシートを熱圧着して下層誘電体膜を形成した後、上述のペーストの場合と同様に焼成する。続いてその上に上層誘電体形成用グリーンシートを熱圧着して上層誘電体膜を形成し、その後、上記と同様に焼成することで得ることができる。
2層以上の誘電体構造を有する誘電体層を形成するにあたっては、上層誘電体形成材料としてペーストやグリーンシートのどちらを用いて形成した場合でも、下層誘電体層の焼成温度±20℃の温度範囲で上層誘電体材料を焼成すればよい。この条件で焼成すれば、Agによる誘電体層の黄変を抑制でき、しかも、下層誘電体層の形状を維持しながら、下層と上層との界面での発泡を抑制することができる。また、上層誘電体材料及び下層誘電体材料の焼成温度が同じである場合は、上記形成方法以外にも、下層誘電体膜を乾燥させた後、上層誘電体膜を形成し乾燥後、所定の温度で両層を同時焼成する方法を採用することもできる。
また、下層誘電体層は、ペーストを用いて形成し、上層誘電体層は、グリーンシートを用いて形成するハイブリッド形成法を用いることも可能である。
上記のように、電極が形成されたガラス基板上に本発明の誘電体材料を塗布または配置し、焼成することで、Agによる黄変が少なく、透明性に優れた本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体層を備えたプラズマディスプレイパネル用ガラス板を得ることができる。
上記の説明においては、誘電体形成方法として、ペーストまたはグリーンシートを用いた方法を例にして説明しているが、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、これらの方法に限定されるものではなく、感光性ペースト法、感光性グリーンシート法などその他の形成方法にも適用され得る材料である。
以下、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料を実施例に基づいて詳細に説明する。
表1及び表2は本発明の実施例(試料No.1〜12)を、表3は比較例(試料No.13〜16)をそれぞれ示している。尚、試料No.13は、従来から提案されているZnO−B−SiO−Bi−RO系からなる材料を示すものである。
表の各試料は、次のようにして調製した。
まず、質量%で表に示すガラス組成となるように原料を調合し、均一に混合した。次いで、白金ルツボに入れて1300℃で2時間溶融した後、溶融ガラスを薄板状に成形し、一部を失透の有無の評価試料とし、残りを流体エネルギーミルにて粉砕し、気流分級して平均粒径D50が3.0μm以下、最大粒径Dmaxが20μm以下のガラス粉末からなる試料を得た。このようにして得られたガラス粉末について軟化点、熱膨張係数、ガラスの安定性、黄変の度合い及び透明性を評価した。
表から明らかなように、実施例である試料No.1〜12は、溶融工程で原料がガラス化し、ガラス中に失透が全く認められなかった。また、ガラスの軟化点は572〜584℃であり、600℃以下の温度で焼成できるものであり、熱膨張係数は73.3〜78.7×10−7/℃であり、ガラス基板の熱膨張係数と整合するものであった。また、ガラス粉末を焼成して得られるガラス焼成膜(誘電体層)中にも結晶の析出は認められず、安定性にも優れていた。さらに、黄変の度合いを示すb値は+11.4以下で、従来品を示す試料No.13よりも小さく、実用上問題ないものであった。また、波長550nmにおける透過率は70%以上あり、透明性にも優れていた。
これに対し、比較例である試料No.14及び16は、b値が+21.4以上であり、従来品を示す試料No.13よりも大きく、実用上問題となるものであった。また、試料No.15は、誘電体層が青色に着色したため、透過率が61%と低く、透明性に優れた誘電体層を得ることができなかった。
尚、ガラスの安定性については、原料を溶融し、薄板状に成形したガラス試料を光学顕微鏡で観察し、溶融工程で原料がガラス化し、ガラス中に結晶の析出が全く認められなかったものを「○」、溶融工程で原料がガラス化するが結晶が析出したもの、または、溶融工程で原料がガラス化しなかったものを「×」とした。
ガラスの軟化点については、マクロ型示差熱分析計を用いて測定し、第四の変曲点の値を軟化点とした。
ガラスの熱膨張係数については、各ガラス粉末試料を粉末プレス成型し、焼成した後、直径4mm、長さ20mmの円柱状に研磨加工し、JIS R3102に基づいて測定し、30〜300℃の温度範囲における値を求めた。尚、プラズマディスプレイパネルに用いられているガラス基板の熱膨張係数は83×10×10−7/℃程度であり、誘電体材料の熱膨張係数が60〜80×10×10−7/℃であれば、ガラス基板の熱膨張係数と整合するものとなる。
ガラスの安定性については、次のようにして評価した。まず、各試料を、エチルセルロースを5%含有するターピネオール溶液に混合し、3本ロールミルにて混練してペースト化した。次いで、このペーストを、約30μmのガラス焼成膜が得られるようにソーダライムガラス基板上にスクリーン印刷法で塗布し、乾燥後、電気炉で軟化点の温度で10分間保持し焼成してガラス焼成膜を形成した試料を作製した。続いて、ガラス焼成膜の部分を光学顕微鏡で観察し、焼成膜中に結晶の析出が全く認められなかったものを「○」、結晶が析出したものを「×」とした。
黄変の度合いについては、まず、ガラスの安定性の評価と同様にして、ペーストを作製し、このペーストを、約30μmの焼成膜が得られるようにAg電極が形成されたソーダライムガラス基板上にスクリーン印刷法で塗布し、乾燥後、電気炉で軟化点の温度で10分間保持し焼成し試料を作製した。この試料の色調を色彩色差計を用いて測定しb値で評価した。尚、b値が大きくなるほど、黄色に変色していることを示している。
透明性については、ガラスの安定性の評価で作製した試料及びソーダライムガラスの波長550nmにおける直線透過率を分光光度計にて測定し、ソーダライムガラスの直線透過率をキャンセルすることで評価した。尚、透過率の値が大きくなるほど、透明性に優れていることを示している。

Claims (8)

  1. ZnO−B−SiO−Bi−RO(ROはLiO、NaO、KOのアルカリ金属酸化物を表す) 系ガラス粉末からなるプラズマディスプレイパネル用誘電体材料において、該ガラス粉末が、実質的にPbOを含まず、質量百分率で、ZnO 30〜44.7%、B 10〜30%、SiO 1〜20%、ZnO+B+SiO 45〜85%、Bi 10〜25%、RO 0.1〜10%、CoO 0.01〜0.30%含有し、質量比でRO/Biが0.05〜0.80となるガラスからなることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用誘電体材料。
  2. ガラス粉末が、質量百分率で、LiO 0〜2%、NaO 0〜4%、KO 0〜10%含有するガラスからなることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料。
  3. ガラス粉末が、実質的にPbOを含まず、質量百分率で、ZnO 30〜44.7%、B 10〜30%、SiO 1〜20%、ZnO+B+SiO 45〜85%、Bi 10〜25%、LiO 0〜2%、NaO 0〜4%、KO 0〜10%、RO 0.1〜10%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、RO(ROはMgO、CaO、SrO、BaOのアルカリ土類金属酸化物を表す) 0〜18%、CoO 0.01〜0.30%含有し、質量比でRO/Bi 0.05〜0.80となるガラスからなることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料。
  4. ガラス基板上に形成されたAg電極と接する誘電体層の形成に用いられることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料。
  5. 前面ガラス基板用の透明誘電体材料として使用されることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料。
  6. 請求項1〜の何れかに記載の誘電体材料を電極が形成されたガラス基板上に形成し、500〜600℃で焼成することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用誘電体層の形成方法。
  7. 請求項1〜の何れかに記載の誘電体材料を用いて形成されてなることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用誘電体層。
  8. 請求項に記載の誘電体層を備えてなることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用ガラス板。
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