JP2000220705A - 車両用自動変速機 - Google Patents
車両用自動変速機Info
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Abstract
伝達を行う2つのクラッチの伝達容量を確保しながら高
トルク伝達経路を短縮し、変速段数に対して機構の軽量
化とコンパクト化を図る。 【解決手段】 多段の変速段を達成する自動変速機は、
減速プラネタリギヤG1と、それを経た減速回転を伝達
する少なくとも2つのクラッチ(C−1,C−3)と、
それら2つのクラッチを経た減速回転を入力するプラネ
タリギヤセットGとを備える。プラネタリギヤセットG
の一方側に、減速プラネタリギヤG1と2つのクラッチ
(C−1,C−3)を配置し、減速プラネタリギヤG1
を両クラッチの間に配置した。
Description
に関し、特に、そのギヤトレインにおける各変速機構成
要素の配置に関する。
ず、省エネルギに不可欠な燃費の向上のために、車両用
自動変速機には多段化の要求があり、こうした要求か
ら、変速機構は従来の前進4速のものから5速のものへ
と移行しつつある。こうしたなかで、限られた車両搭載
スペース内で更なる多段化を実現するには、ギヤトレイ
ンの一層の小要素化、機構の簡素化が必要となる。そこ
で、最小限の変速要素からなるプラネタリギヤセットを
用いて前進6速・後進1速を達成するギヤトレインが特
開平4−219553号公報において提案されている。
この提案に係るギヤトレインは、入力回転と、それを減
速した2つの減速回転とを適宜変速機構の4つの変速要
素からなるプラネタリギヤセットへ2つの速度の異なる
入力として入力させて多段の前進6速を達成するもので
ある。
レイン構成は、変速段当たりの変速要素数、必要とする
クラッチ及びブレーキの数において非常に合理的なもの
であるが、実用面での改善すべき問題点を含んでいる。
特に、上記ギヤトレインの特徴として、減速プラネタリ
ギヤ経由の減速回転をプラネタリギヤセットの異なる2
つの要素にそれぞれ入力するクラッチとして、2つの減
速回転伝達クラッチを必要とするが、これらのクラッチ
は、減速により増幅されたトルクを伝達するところか
ら、通常の非減速回転を入力するクラッチより大きなト
ルク容量の確保を必要とする。この点に関して、上記従
来の技術では、サンギヤを常時固定の反力要素とした減
速プラネタリギヤの一方側に2つの減速回転伝達クラッ
チを配置し、特にその一方のクラッチについては、減速
プラネタリギヤから離れた位置に配置しているため、必
然的に高トルクを伝達する部材が長くなる。そのため、
変速機の大型化や重量増加を招く問題点がある。
に2つの減速回転を入力することで多段変速を達成する
変速機構において、減速入力用の2つのクラッチのトル
ク容量を確保しながら、高トルク伝達経路を短くするこ
とで、変速機構の大型化を重量増加を防いだ車両用自動
変速機を提供することを目的とする。
め、本発明は、減速プラネタリギヤと、該減速プラネタ
リギヤを経た減速回転を伝達する少なくとも2つのクラ
ッチと、それら2つのクラッチを経た減速回転が入力さ
れるプラネタリギヤセットとにより多段の変速段を達成
する車両用自動変速機において、前記プラネタリギヤセ
ットの一方側に、減速プラネタリギヤと、該減速プラネ
タリギヤを経た減速回転をそれぞれプラネタリギヤセッ
トの異なる2つの要素へ入力する第1及び第3のクラッ
チとが配置され、減速プラネタリギヤは、第1のクラッ
チと第3のクラッチの間に配置されたことを特徴とす
る。
する場合、前記プラネタリギヤセットは、その第1の要
素が第1のクラッチの出力側部材に連結され、第2の要
素が第3のクラッチの出力側部材に連結されるととも
に、第1の係止手段により変速機ケースに係止可能とさ
れ、第3の要素が非減速回転を入力する第2のクラッチ
の出力側部材に連結されるとともに、第2の係止手段に
より変速機ケースに係止可能とされ、第4の要素が出力
部材に連結された構成とするのが有効である。
ギヤは、変速機ケースから延材するボス部の先端に1要
素を固定され、第3のクラッチは、その油圧サーボが前
記ボス部の外周に回転自在に支持され、第1のクラッチ
は、その油圧サーボが入力軸上に配置され、第3のクラ
ッチとプラネタリギヤセットの1要素は、第1のクラッ
チの外周を通る動力伝達部材により連結された構成とす
るのが有効である。
は、第3のクラッチの摩擦部材の内周側に係合するクラ
ッチハブに直接連結され、第3のクラッチの油圧サーボ
は、そのシリンダを減速プラネタリギヤ側に開口する向
きに向けて、第3のクラッチの摩擦部材の外周側に係合
するクラッチドラムに連接され、該クラッチドラムは、
前記動力伝達部材を介してプラネタリギヤセットの1要
素に連結された構成とするのが有効である。
周側に係合するクラッチハブは、減速プラネタリギヤの
出力要素に連結され、第1のクラッチの摩擦部材の外周
側に係合するクラッチドラムは、プラネタリギヤセット
の1要素に連結され、第1のクラッチのクラッチドラム
に連接する油圧サーボは、そのシリンダを減速プラネタ
リギヤ側に開口する向きに向けて配置された構成とする
のが有効である。
ギヤの出力要素は、減速プラネタリギヤの外周側に配置
された第3のクラッチの摩擦部材の内周側に係合するク
ラッチハブに連結され、該クラッチハブは、更に軸方向
に延長されて第1のクラッチの摩擦部材の内周側に係合
するクラッチハブに連接された構成とするのが有効であ
る。
は、そのシリンダが減速プラネタリギヤとは反対方向に
開口する向きに向けて配置され、外周側で第1のクラッ
チのクラッチドラムに連接され、該第1のクラッチのク
ラッチドラムは、減速プラネタリギヤの出力要素に連結
された構成とするのも有効である。
は、そのシリンダが減速プラネタリギヤとは反対方向に
開口する向きに向けて配置され、外周側で第1のクラッ
チのクラッチドラムに連接され、該第1のクラッチのク
ラッチドラムは、減速プラネタリギヤの出力要素に連結
された構成としてもよい。
ムに連接する油圧サーボは、減速プラネタリギヤと径方
向に重なる位置にボス部への支持部を有する構成とする
のも有効である。
ーキで構成され、第3のクラッチのクラッチドラムの外
周面をバンドの係合面とされた構成とするのも有効であ
る。
供給油路は、ボス部に設けられ、第1のクラッチの油圧
サーボの供給油路は、入力軸に設けられた軸内油路を介
して変速機ケースに設けられた油路に連通された構成と
するのが有効である。
ラッチ及び第3のクラッチは、変速機の後部に配置さ
れ、入力軸に設けられた前記供給油路は、入力軸の後端
部で変速機ケースに設けられた油路に連通され、入力軸
と変速機ケースとの間が、1つのシールリングにより漏
れ止めされた構成とするのが有効である。
減速プラネタリギヤを経て増幅されたトルクを伝達する
ため高トルク容量を要する第1のクラッチと第3のクラ
ッチを、共に減速プラネタリギヤに近づけて配置するこ
とができるため、高トルクを伝達する経路を構成する部
材の長さを短くすることができるので、変速機の軽量、
コンパクト化を達成できる。
素数で良好な6速のギヤ比の変速機構を実現することが
できる変速機において、上記の効果を達成することがで
きる。
ラネタリギヤの1要素を変速機ケースから延材されたボ
ス部で常時固定するようにしたので、固定のための専用
の支持手段としてのサポートの配設を不要として、変速
機のコンパクト化を図ることができる。また、この構成
では、第3のクラッチとプラネタリギヤセットとを連結
する動力伝達部材が第1のクラッチの外周を通ることに
なるが、第1のクラッチの油圧サーボをボス部より小径
の入力軸上に配置することで、従来技術のようにボス部
上に配置する場合に比べて、油圧サーボの受圧面を内周
側に広げることができる。したがって、外径側を規制さ
れることでクラッチ容量の確保が難しくなる第1のクラ
ッチについても、その油圧サーボの受圧面積を大きくす
ることによって、クラッチ容量を確保することができ
る。
ネタリギヤの出力が他の部材を介さずに直接第3のクラ
ッチの摩擦部材の入力側部材であるハブに伝達されるの
で、高トルクを伝達する減速プラネタリギヤの出力側伝
達経路を短縮することができる。また、第3のクラッチ
のハブに伝達される高トルクは、内周側の油圧サーボに
トルク負荷を与えずに外周側のクラッチドラムから、プ
ラネタリギヤセットに伝達されるため、クラッチドラム
に連接する油圧サーボの薄肉化が可能であるため、変速
機を軽量、コンパクトに構成することができる。
ラッチとプラネタリギヤセットの1変速要素との間を連
結する動力伝達部材を、第1のクラッチの油圧サーボの
シリンダと共通化することができるので、回転部材数を
低減でき、それにより変速機をコンパクト化することが
できる。
ラッチの摩擦部材を減速プラネタリギヤの外周側に配置
することによって、減速プラネタリギヤの出力要素と第
3のクラッチの入力側部材との伝達経路を短くすること
ができるとともに、プラネタリギヤセットから離れてい
る第3のクラッチとプラネタリギヤセットを連結する出
力側伝達経路を構成する部材も短くすることができる。
また、第1のクラッチと第3のクラッチの内周側ハブを
共通部材とすることで、部材の共通化及び高トルク伝達
部材の短縮が成されるので、変速機の軽量、コンパクト
化が可能となる。
クラッチのみならず、第1のクラッチについても、ドラ
ムの内周側に連接する油圧サーボに高トルク負荷を与え
ることなく、クラッチバブからドラムへの高トルクの伝
達で、外周側でのトルク伝達が成されるため、内周側の
油圧サーボのシリンダの薄肉化が可能となり、それによ
り変速機の軽量、コンパクト化が可能となる。
ラッチの摩擦部材を減速プラネタリギヤの外周側に配置
することによって、減速プラネタリギヤの出力要素と第
3のクラッチの入力側部材との伝達経路を短くすること
ができるとともに、プラネタリギヤセットから離れてい
る第3のクラッチとプラネタリギヤセットを連結する出
力側伝達経路を構成する部材も短くすることができる。
また、第1のクラッチと第3のクラッチの内周側ハブを
共通部材とすることで、部材の共通化及び高トルク伝達
部材の短縮が成されるので、変速機の軽量、コンパクト
化が可能となる。
ラッチのドラムの支持を減速プラネタリギヤと径方向に
重なる位置で行うことができるため、ドラム支持のため
の軸方向スペースを削減して、変速機の軸方向寸法を短
縮することができる。
係止手段を径方向配設スペースを極めて小さくすること
ができるバンドブレーキとすることで、共にプラネタリ
ギヤセットの第2の要素に連結される第1の係止手段と
第3のクラッチを径方向に重ねた配置としながら第3の
クラッチの外径方向のスペースを確保して、該クラッチ
の大径化を図ることができ、それによるトルク伝達容量
の確保で、クラッチの軸長を短縮することができる。ま
た、第3のクラッチのクラッチドラムが油圧サーボによ
りボス部上に回転自在に支持されているので、バンド化
によるドラムの支持を確実にできる。
ラネタリギヤ、第1のクラッチ及び第3のクラッチの配
設スペースをコンパクト化しながら、摺動抵抗の発生に
より伝達効率を低下させる要因となるシールリング数を
少なくすることができる。
のクラッチへ油圧を供給する油路を入力軸の軸端を介し
て変速機ケースに連結することで、入力軸を介して第1
のクラッチへ油圧の供給を行うことに伴う供給油路の漏
れ止めのためのシールリング数の増加を最小限の抑え、
摺動抵抗の増加による伝達効率の低下を防ぐことができ
る。
形態を説明する。図1は本発明を具体化した自動変速機
の一実施形態のギヤトレインを、軸間を共通平面内に展
開してスケルトンで示す。また、図2は上記自動変速機
を端面からみて実際の軸位置関係を示す。この自動変速
機は、減速プラネタリギヤG1と、減速プラネタリギヤ
G1を経た減速回転を伝達する2つのクラッチ(C−
1,C−3)と、それら2つのクラッチを経た減速回転
が入力されるプラネタリギヤセットGとにより多段の変
速段を達成するものとされている。そして、プラネタリ
ギヤセットGの一方側に、減速プラネタリギヤG1と、
それを経た減速回転をそれぞれプラネタリギヤセットG
の異なる2つの要素S2,S3へ入力する第1及び第3
のクラッチ(C−1,C−3)とが配置され、減速プラ
ネタリギヤG1は、第1のクラッチ(C−1)と第3の
クラッチ(C−3)の間に配置されている。
トレイン構成を説明する。この変速機は、フロントエン
ジン・フロントドライブ(FF)車又はリヤエンジン・
リヤドライブ(RR)車用の横置式トランスアクスルの
形態を採っており、図1及び図2に示すように、互いに
並列的に配置された主軸X、カウンタ軸Y、デフ軸Zの
各軸上に変速機構の各要素が配設された3軸構成とされ
ている。そして、主軸X上の入力軸11の周りには、4
つの変速要素S2,S3,C2(C3),R2(R3)
を有するプラネタリギヤセットGと、減速プラネタリギ
ヤG1と、2つのブレーキ(B−1,B−2)と、3つ
のクラッチ(C−1,C−2,C−3)とを備える変速
機構が配置されている。このギヤトレインでは、プラネ
タリギヤセットGの一方の減速回転の入力要素S3が第
1のクラッチ(C−1)により減速プラネタリギヤG1
を介して入力軸11に連結され、他方の入力要素S2が
第3のクラッチ(C−3)により減速プラネタリギヤG
1を介して入力軸11に連結されるとともに、第1のブ
レーキ(B−1)により変速機ケース10に係止可能と
され、非減速回転の入力要素C2(C3)が第2のクラ
ッチ(C−2)により入力軸11に連結されるとともに
第2のブレーキ(B−2)により変速機ケース10に係
止可能とされ、残りの変速要素R2(R3)が出力要素
として、主軸X上の出力要素としてのカウンタドライブ
ギヤ19に連結されている。
他に、係合要素としてブレーキ(B−2)に並列させて
ワンウェイクラッチ(F−1)を配しているが、これ
は、後に詳記する1→2変速時のブレーキ(B−2)と
ブレーキ(B−1)の掴み替えのための複雑な油圧制御
を避け、ブレーキ(B−2)の解放制御を単純化すべ
く、ブレーキ(B−1)の係合に伴って自ずと係合力を
解放するワンウェイクラッチ(F−1)を用いたもので
あり、上記のような過渡的な機能を除き、本質的にはブ
レーキ(B−2)と同等のものである。
に接続されて、その回転を入力軸11に伝達するロック
アップクラッチ付のトルクコンバータ4が配置されてい
る。そして、カウンタ軸Y上には、カウンタギヤ2が配
置されている。カウンタギヤ2は、カウンタ軸20に固
定され、主軸X上の出力部材としてのカウンタドライブ
ギヤ19に噛合する大径のカウンタドリブンギヤ21
と、同じくカウンタ軸20に固定され、カウンタ軸Y上
の出力要素としての小径のデフドライブピニオンギヤ2
2とが配設されており、これらにより主軸X側からの出
力を減速するとともに、反転させてディファレンシャル
装置3に伝達することで、適宜の最終減速比を得るとと
もに、入力軸11の回転方向とディファレンシャル装置
3からの出力の回転方向を合わせる機能を果たす。デフ
軸Z上には、ディファレンシャル装置3が配設されてい
る。ディファレンシャル装置3は、デフケース32に固
定されたデフリングギヤ31をデフドライブピニオンギ
ヤ22に噛合させてカウンタ軸20に連結され、デフケ
ース32内に配置された差動歯車の差動回転が左右軸3
0に出力される構成とされ、この出力が最終的なホイー
ル駆動力とされる。
ヤS2と、小径のサンギヤS3と、互いに噛合するロン
グピニオンP2とショートピニオンP3とを支持するキ
ャリアC2(C3)と、リングギヤR2(R3)(この
リングギヤは、理論上2つのギヤを構成するが、実質は
いずれかのサンギヤの外周側にのみ位置する1つのギヤ
であるので、以下サンギヤに対する位置に応じてR2又
はR3として、一方の略号のみ付記する)とで構成さ
れ、ロングピニオンP2が大径のサンギヤS2とリング
ギヤR2とに噛合し、ショートピニオンP3が小径のサ
ンギヤS3に噛合するラビニヨ式のギヤセットで構成さ
れている。そして、この形態では、大径のサンギヤS2
と小径のサンギヤS3が減速回転の入力要素、キャリア
C2(C3)が非減速回転の入力要素、リングギヤR2
が出力要素とされている。プラネタリギヤセットGの小
径のサンギヤS3は、クラッチ(C−1)の出力側部材
に連結され、大径のサンギヤS2は、クラッチ(C−
3)の出力側部材に連結されるとともに、バンドブレー
キで構成されるブレーキ(B−1)により自動変速機ケ
ース10に係止可能とされている。また、キャリアC2
(C3)は、クラッチ(C−2)を介して入力軸11に
連結され、かつ、ブレーキ(B−2)により変速機ケー
ス10に係止可能とされるとともに、ワンウェイクラッ
チ(F−1)により変速機ケース10に一方向回転係止
可能とされている。そして、リングギヤR2がカウンタ
ドライブギヤ19に連結されている。
してのサンギヤS1を変速機ケース10に固定され、リ
ングギヤR1を入力要素として入力軸11に連結され、
キャリアC1を出力要素としてクラッチ(C−1)及び
クラッチ(C−3)の出力側部材に連結させて、上記の
連結関係でプラネタリギヤセットGに連結されている。
しない電子制御装置と油圧制御装置とによる制御で、運
転者により選択されたレンジに応じた変速段の範囲で車
両負荷に基づき、変速を行う。図3は各クラッチ及びブ
レーキの係合及び解放(○印で係合、無印で解放を表
す)で達成される変速段を図表化して示す。また、図4
は各クラッチ及びブレーキの係合(●印でそれらの係合
を表す)により達成される変速段と、そのときの各変速
要素の回転数比との関係を速度線図で示す。
(1ST)は、クラッチ(C−1 )とブレーキ(B−
2)の係合(本形態において、作動表を参照してわかる
ように、このブレーキ(B−2)の係合に代えてワンウ
ェイクラッチ(F−1)の自動係合が用いられている
が、この係合を用いている理由及びこの係合がブレーキ
(B−2)の係合に相当する理由については後に詳述す
る。)により達成される。この場合、入力軸11から減
速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチ
(C−1)経由で小径のサンギヤS3に入力され、ワン
ウェイクラッチ(F−1)の係合により変速機ケース1
0に係止されたキャリアC3に反力を取って、リングギ
ヤR2の最大減速比の減速回転がカウンタドライブギヤ
19に出力される。
−1 )とブレーキ(B−1)の係合により達成される。
この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経
て減速された回転がクラッチ(C−1)経由で小径のサ
ンギヤS3に入力され、ブレーキ(B−1)の係合によ
り変速機ケース10に係止された大径のサンギヤS2に
反力を取って、リングギヤR2の減速回転がカウンタド
ライブギヤ19に出力される。このときの減速比は、図
4にみるように、第1速(1ST)より小さくなる。
−1)とクラッチ(C−3)の同時係合により達成され
る。この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1
を経て減速された回転がクラッチ(C−1)とクラッチ
(C−3)経由で同時に大径のサンギヤS2と小径のサ
ンギヤS3に入力され、プラネタリギヤセットGが直結
状態となるため、両サンギヤへの入力回転と同じリング
ギヤR2の回転が、入力軸11の回転に対しては減速さ
れた回転として、カウンタドライブギヤ19に出力され
る。
−1)とクラッチ(C−2)の同時係合により達成され
る。この場合、一方で入力軸11から減速プラネタリギ
ヤG1を経て減速された回転がクラッチ(C−1)経由
で小径のサンギヤS3に入力され、他方で入力軸11か
らクラッチ(C−2)経由で入力された非減速回転がキ
ャリアC2(C3)に入力され、2つの入力回転の中間
の回転が、入力軸11の回転に対しては僅かに減速され
たリングギヤR2の回転としてカウンタドライブギヤ1
9に出力される。
−2)とクラッチ(C−3)の同時係合により達成され
る。この場合、一方で入力軸11から減速プラネタリギ
ヤG1を経て減速された回転がクラッチ(C−3)経由
で大径のサンギヤS2に入力され、他方で入力軸11か
らクラッチ(C−2)経由で入力された非減速回転がキ
ャリアC2(C3)に入力され、リングギヤR2の入力
軸11の回転より僅かに増速された回転がカウンタドラ
イブギヤ19に出力される。
(C−2)とブレーキ(B−1)の係合により達成され
る。この場合、入力軸11からクラッチ(C−2)経由
で非減速回転がキャリアC2(C3)にのみ入力され、
ブレーキ(B−1)の係合により変速機ケース10に係
止されたサンギヤS2に反力を取るリングギヤR2の更
に増速された回転がカウンタドライブギヤ19に出力さ
れる。
3)とブレーキ(B−2)の係合により達成される。こ
の場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て
減速された回転がクラッチ(C−3)経由でサンギヤS
2に入力され、ブレーキ(B−2)の係合により変速機
ケース10係止されたキャリアC2(C3)に反力を取
るリングギヤR2の逆転がカウンタドライブギヤ19に
出力される。
(F−1)とブレーキ(B−2)との関係について説明
する。上記の第1速と第2速時の両ブレーキ(B−1,
B−2)の係合・解放関係にみるように、これら両ブレ
ーキは、両変速段間でのアップダウンシフト時に、一方
の解放と同時に他方の係合が行われる、いわゆる掴み替
えされる摩擦係合要素となる。こうした摩擦係合要素の
掴み替えは、それらを操作する油圧サーボの係合圧と解
放圧の精密な同時制御を必要とし、こうした制御を行う
には、そのためのコントロールバルブの付加や油圧回路
の複雑化等を招くこととなる。そこで、本形態では、第
1速と第2速とで、キャリアC2(C3)にかかる反力
トルクが逆転するのを利用して、ワンウェイクラッチ
(F−1)の係合方向を第1速時の反力トルク支持方向
に合わせた設定とすることで、ワンウェイクラッチ(F
−1)に実質上ブレーキ(B−2)の係合と同等の機能
を発揮させて、第1速時のブレーキ(B−2)の係合に
代えて(ただし、ホイール駆動のエンジンコースト状態
ではキャリアC2(C3)にかかる反力トルクの方向が
エンジン駆動の状態に対して逆転するので、エンジンブ
レーキ効果を得るためには、図3に括弧付きの○印で示
すようにブレーキ(B−2)の係合を必要とする)、キ
ャリアC2(C3)の係止を行っているわけである。し
たがって、変速段を達成する上では、ワンウェイクラッ
チを設けることなく、ブレーキ(B−2)の係合により
第1速を達成する構成を採ることもできる。
4の速度線図上で、リングギヤR2,R3の速度比を示
す○印の上下方向の間隔を参照して定性的にわかるよう
に、各変速段に対して比較的等間隔の良好な速度ステッ
プとなる。この関係を具体的に数値を設定して、定量的
に表すと、図3に示すギヤ比となる。この場合のギヤ比
は、減速プラネタリギヤG1のサンギヤS1とリングギ
ヤR1の歯数比λ1=44/78、プラネタリギヤセッ
トGの大径サンギヤ側のサンギヤS2とリングギヤR2
(R3)の歯数比λ2=36/78、小径サンギヤ側の
サンギヤS3とリングギヤR3の歯数比λ3=30/7
8に設定すると、入出力ギヤ比は、 第1速(1ST):(1+λ1)/λ3=4.067 第2速(2ND):(1+λ1)(λ2+λ3)/λ3
(1+λ2)=2.354 第3速(3RD):1+λ1=1.564 第4速(4TH):(1+λ1)/(1+λ1−λ1・
λ3)=1.161 第5速(5TH):(1+λ1)/(1+λ1+λ1・
λ2)=0.857 第6速(6TH):1/(1+λ2)=0.684 後進(REV):−(1+λ1)/λ2=−3.389 となる。そして、これらギヤ比間のステップは、 第1・2速間:1.73 第2・3速間:1.51 第3・4速間:1.35 第4・5速間:1.35 第5・6速間:1.25 となる。
具体化した断面で示す。また、図6及び図7は図5の一
部をそれぞれ拡大して示す。先にスケルトンを参照して
説明した各構成要素については、同じ参照符号を付して
説明に代えるが、スケルトンから参照し得ない細部につ
いて、全体的な位置関係については図5、各部の詳細に
ついては図6及び図7を参照して説明する。なお、本明
細書を通じて、クラッチ及びブレーキという用語は、そ
れらが多板構成のものである場合、それらの入出力要素
への連結部材としてのドラムとハブ、係脱部材としての
摩擦部材、及び操作機構としてドラムに内包又は連結一
体化(本明細書において、これら両方の態様を含めて連
接という)されたシリンダを備える油圧サーボを総称す
るものとする。
前方に向かってテーパ状に拡径する周壁部10fを備え
るケース本体10Bと、前端の開口を閉じるオイルポン
プボディと、それに固定のオイルポンプカバーからな
り、ケース本体10Bにボルト止め固定される前端壁1
0Aと、ケース本体10Bの軸方向ほぼ中央部にボルト
止め固定されるサポート壁10Cとから構成されてい
る。そして、本体10Bの周壁部10f内面には、前端
の開口からほぼ後端壁部10eに達するスプライン10
gが形成され、後端壁部10eには、入力軸11の後端
を支持すべく、後端壁部から延材されて前方に突出する
後側ボス部10bと、後に詳記するブレーキ(B−2)
の油圧サーボのシリンダの内周壁を構成する環状壁10
e’が形成されている。また、前端壁10Aには、オイ
ルポンプカバーから延材されて後方に突出するボス部
と、その内周に嵌挿されたスリーブ軸13の変速機ケー
ス10内への突出部とからなる前側ボス部10aが形成
されている。更に、サポート壁10Cには、その内周を
後方に延び、カウンタドライブギヤ19の支持部を構成
する中央ボス部10hが形成されている。
11A,11Bに分割され、スプライン係合で相互に連
結一体化され、軸前半部11Aの軸内には、潤滑圧供給
用の軸内油路11rとサーボ圧供給用の軸内油路11p
が形成され、軸後半部11Bの軸内には、潤滑圧供給用
の軸内油路11sが形成されている。また、軸前半部1
1Aの後端寄りの外周には、フランジ部11aが形成さ
れ、軸後半部11Bの後端寄りの外周には、フランジ部
11bが形成されている。そして、軸前半部11Aは、
オイルポンプ配設位置の内周側と、フランジ部11aの
直前部で、それぞれブッシュを介して前側ボス部10a
を構成するスリーブ軸13に支持され、軸後半部11B
は、前端を軸前半部11Aとのスプライン係合で、また
後端をケース10の後側ボス部10bにベアリングを介
して径方向支持され、支持部に隣接させて形成されたそ
れぞれのフランジ部11a,11bと両ボス部10a,
10b先端との間に介装されたスラストベアリングによ
り軸方向支持されている。
軸後半部11Bの外周に配置され、サンギヤS3は、そ
のギヤ部と延長軸部をそれぞれブッシュを介して軸後半
部11Bに両端支持され、サンギヤS2は、そのギヤ部
と延長軸部をそれぞれブッシュを介してサンギヤS3の
延長軸部に両端支持されている。キャリアC2(C3)
は、その前端側をブッシュを介してサンギヤS2の延長
軸部に片持ち支持され、リングギヤR2は、フランジ部
材を介するスプライン連結で、カウンタドライブギヤ1
9に支持されている。そして、プラネタリギヤセットG
のサンギヤS2は、その延長軸部をスプライン係合で動
力伝達部材14に連結され、動力伝達部材14は、第3
のクラッチ(C−3)のドラム72の外周側円筒部先端
に端面噛み合いで連結されている。また、サンギヤS3
は、その延長軸部を第1のクラッチ(C−1)の油圧サ
ーボのシリンダ60の延長軸部にスプライン係合で連結
されている。そして、キャリアC2(C3)は、その後
端に固定されてプラネタリギヤセットGの外周側を前方
に向かって延びる第2のクラッチのハブ54と第2のブ
レーキ(B−2)のハブとワンウェイクラッチ(F−
1)のインナレースとを一体化した部材に連結されてい
る。更に、リングギヤR2は、上記のように、連結部材
を介してカウンタドライブギヤ19に連結されている。
カバーの内周に嵌合固定されて前端部でトルクコンバー
タのステータをワンウェイクラッチを介してオイルポン
プカバーに固定するスリーブ軸13の後端部で構成され
る前側ボス部10aに反力要素としてのサンギヤS1を
スプライン係合で固定し、入力要素としてのリングギヤ
R1を入力軸11のフランジ部11aの外周にスプライ
ン係合で連結させて、第3のクラッチ(C−3)と第1
のクラッチ(C−1)の間、詳しくは、それらクラッチ
の両油圧サーボ7,6の間に配置されている。そして、
出力要素としてのキャリアC1は、その前端側を、後に
詳記する第1及び第3のクラッチに共通のハブ74に直
接連結されている。
C−3)の油圧サーボ6,7は、減速プラネタリギヤG
1を挟んでその両側に前後に向かい合わせ、すなわち油
圧サーボ6,7のシリンダ60,70が減速プラネタリ
ギヤG1側に開口する向きに配置されている。そして、
第1のクラッチの油圧サーボ6は、入力軸の軸前半部1
1Aの後端部外周に支持部62aで回転自在に支持さ
れ、外周側にドラム62を固定されたシリンダ60と、
シリンダ60に摺動自在に嵌挿されたピストン61と、
ピストン61にかかる遠心油圧を相殺するキャンセルプ
レート65と、リターンスプリング66とから構成され
ている。この油圧サーボ6に対するサーボ圧の給排は、
入力軸11の軸前半部11Aに設けられた軸内油路11
pを介して、変速機ケースに設けられた油路との連通に
より行われる。
60は、該クラッチの摩擦部材63の内周側に配置さ
れ、プラネタリギヤセットGのサンギヤS3に延長軸部
でスプライン連結させて、第1のクラッチのドラム62
からプラネタリギヤセットGのサンギヤS3に動力を伝
達する部材とされている。そして、シリンダ60とそれ
に連接されたドラム62は、プラネタリギヤセットGの
リングギヤR3からの出力をカウンタ軸20に伝達する
カウンタドライブギヤ19の支持部材としてのサポート
10Cの内周側でサンギヤS3の延長軸部とスプライン
連結されている。
−1)からプラネタリギヤセットGのサンギヤS3への
動力を伝達を、第1のクラッチのシリンダ60を利用し
て、動力伝達のための格別の部材を軸方向に介在させる
ことなく行うことができ、それによる軸長の短縮がなさ
れている。また、第1のクラッチの油圧サーボ6を介す
るドラム62の支持部62aを、実質的な軸方向スペー
スを要しないように、動力伝達部材14とシリンダ60
の肉厚に相当する幅の内周側に配置することで、油圧サ
ーボ6の軸方向長を、該油圧サーボへのサーボ圧の供給
路を軸方向両側で漏れ止めするシールリングの配置間隔
に対応する軸方向長まで薄くして、クラッチドラム62
を確実に支持しながら変速機構の軸長の短縮がなされて
いる。
周側を前側ボス部10aの外周に支持部72aでブッシ
ュを介して回転自在に支持され、外周側を拡径してドラ
ム72とされたシリンダ70と、シリンダ70に摺動自
在に嵌挿されたピストン71と、ピストン71にかかる
遠心油圧を相殺するキャンセルプレート75と、リター
ンスプリング76とから構成されている。この油圧サー
ボ7に対するサーボ圧の給排は、前側ボス部10aに形
成されたケース内油路10qから直接行われる。
と第3のクラッチ(C−3)の摩擦部材73は、減速プ
ラネタリギヤG1の外周側に並べて配置されている。そ
して、第1のクラッチ(C−1)の摩擦部材63は、内
周側をハブ74にスプライン係合させ、外周側をドラム
62にスプライン係合させた多板の摩擦材とセパレータ
プレートから構成され、ドラム62の先端に固定された
バッキングプレートと、油圧サーボ6内への油圧の供給
によりシリンダ60から押し出されるピストン61とで
挟持されるクラッチ係合作動により、入力側部材として
のハブ74から出力側部材としてのドラム62にトルク
を伝達する構成とされている。
は、内周側をハブ74にスプライン係合させ、外周側を
ドラム72にスプライン係合させた多板の摩擦材とセパ
レータプレートから構成され、ドラム72の先端に固定
されたバッキングプレートと、油圧サーボ7内への油圧
の供給によりシリンダ70から押し出されるピストン7
1とで挟持されるクラッチ係合作動により、入力側部材
としてのハブ74から出力側部材としてのドラム72に
トルクを伝達する構成とされている。
出力される減速トルクをプラネタリギヤセットGに伝達
する第1及び第3の2つのクラッチ(C−1,C−3)
を減速プラネタリギヤG1の直近に、しかも減速プラネ
タリギヤG1の外周側の摩擦部材63,73及び前後の
油圧サーボ6,7で取り囲む構成となるため、減速プラ
ネタリギヤG1から両クラッチ(C−1,C−3)への
動力伝達を取り囲まれた内部のみで、キャリアC1から
両クラッチに共通のハブ74へ、格別の部材を配するこ
となく直接行い、2つのクラッチを経た一方の動力のプ
ラネタリギヤセットGへの伝達を第1の油圧サーボ6を
介して行うことができるようにし、動力伝達のために軸
への支持を必要とし軸方向に重ねられる部材の数を、減
速プラネタリギヤG1から両クラッチ(C−1,C−
3)への直接の動力伝達と、第1のクラッチの油圧サー
ボ6を利用した動力伝達により削減している。したがっ
て、この構成により、変速機構の軸長が短縮され、それ
による高トルク伝達部材の短縮もなされている。また、
減速トルクの伝達経路を集約化し、プラネタリギヤセッ
トGへの減速トルクの入力経路と非減速トルクの入力経
路の錯綜によりプラネタリギヤセットGの内周側に動力
伝達のための軸を通すような多軸構造をなくしているた
め、変速機の軽量、コンパクト化がなされている。
相互の連結部と、入力軸11の外周とカウンタドライブ
ギヤ内周との間を通しての第1のクラッチ(C−1)及
び第3のクラッチ(C−3)のプラネタリギヤGとの連
結に関して、入力軸前半部11Aと後半部11Bのスプ
ライン連結部、サンギヤS3の延長軸部とシリンダ60
の延長軸部とのスプライン連結部、及びサンギヤS2の
延長軸部と動力伝達部材14とのスプライン連結部が、
相互に軸方向にずらされているので、それら3つの連結
部の径方向の重なりによる大径化が防がれ、コンパクト
な構成となっている。
プラネタリギヤセットGの後側、すなわち変速機構の最
後部に配置され、内周側を入力軸後半部11Bのフラン
ジ部11bに連結され、外周側を拡径延長してドラム5
2とされたシリンダ50と、シリンダ50に嵌挿された
ピストン51と、遠心油圧のキャンセルプレート55
と、リターンスプリング56とで構成されている。この
油圧サーボ6の油圧の給排は、変速機ケースの後側ボス
部10bに形成されたケース内油路10tを介して行わ
れる。
は、プラネタリギヤセットGの外周側における後方で、
かつ、リングギヤのない部位に、内周側をハブ54にス
プライン係合させ、外周側をドラム52にスプライン係
合させた多板の摩擦材ディスクとセパレータプレートか
ら構成され、ドラム52の先端に固定されたバッキング
プレートと、油圧サーボ5内への油圧の供給によりシリ
ンダ50から押し出されるピストン51とで挟持される
クラッチ係合作動により、ドラム52を入力側部材と
し、ハブ54を出力側部材としてトルクを伝達する構成
とされている。
び第2のブレーキ(B−2)に関して、減速されないト
ルクを伝達することで第1及び第3のクラッチに比べて
トルク容量の小さな第2のクラッチ(C−2)の摩擦部
材53を、プラネタリギヤセットGの外周側に配置する
ことで大径化して摩擦部材側で容量を稼ぎ、その分だけ
小径化した第2のクラッチの油圧サーボ5の外周側に第
2のブレーキ(B−2)の油圧サーボ9を径方向に重ね
た配置となるため、径方向スペースを有効に利用した両
油圧サーボの配置により、更なる変速機軸長の短縮がな
されている。
ブレーキとされ、そのブレーキバンド83は、第3のク
ラッチ(C−3)のドラム72の外周面を係合面として
締めつける構成とされている。これにより、第1のブレ
ーキ(B−1)は、軸方向スペースを要せず、しかも径
方向寸法をほとんど増加させずに配置されていることに
なる。なお、このバンドブレーキの油圧サーボは、ブレ
ーキバンド83と同じ軸方向位置で、ドラム72に対し
て接線方向に延びるものであるため、図示を省略してい
る。このように、減速プラネラリギヤG1の外周側に配
置された第3のクラッチの摩擦部材73を支持するクラ
ッチドラム72を第1のブレーキのドラムとし、しかも
該ドラムの支持部72aを減速プラネタリギヤG1のサ
ンギヤS1と重なる位置に配置したため、ブレーキドラ
ム配設のための径方向スペースと、ドラム支持のための
軸方向スペースを共に削減して、変速機構の外径と軸長
の短縮がなされている。しかも、バンド83で締結され
るドラムを締結部の内周側でケースの前側ボス部10a
に支持した構成となるため、クラッチドラムを利用しな
がら、安定したブレーキ性能を得ることができる。
と同様に多板構成とされ、その摩擦部材93は、プラネ
タリギヤセットGの外周側における前方に配置され、第
2のブレーキの油圧サーボ9は、第2のクラッチの油圧
サーボ5の外周側におけるケース10の後端壁部10e
に配置され、第2のクラッチの摩擦部材53の外周側を
通して第2のブレーキの摩擦部材93を押圧可能とさ
れ、ワンウェイクラッチ(F−1)と並べて配置されて
いる。そして、第2のブレーキ(B−2)の油圧サーボ
9は、変速機ケース10の後端壁部10eに、ピストン
91を嵌挿させてシリンダを内蔵させた形態で設けられ
ている。更に詳しくは、摩擦部材93のセパレータプレ
ートが、それらの外周側をスプライン係合でケース10
の周壁部10fに回り止め支持され、摩擦材ディスク
が、それらの内周側をスプライン係合でクラッチハブ5
4と一体のブレーキハブに回り止め支持されている。ま
た、油圧サーボ9は、ケース10の周壁部10fと、後
端壁部10eと、後端壁部10eから軸方向に延びる環
状壁部10e’とで画定されるシリンダに環状のピスト
ン91を嵌挿した構成とされ、ピストン91の延長部が
第2のクラッチのドラム52の外周を通って摩擦部材9
3に対峙する配置とされている。第2のブレーキ(B−
2)の油圧サーボ9のリターンスプリング96とその受
け部96’は、第2のブレーキ(B−2)の摩擦部材9
3を支持するスプライン10fの凹部10g’に配置さ
れている。
9のリターンスプリング96とその受け部96’を、ケ
ース10のスプライン10gの凹部10g’に配置する
ことで、リターンスプリング96について、実質上配設
スペースを要しない配置を実現でき、その分だけ変速機
のケース外径が小さくなっている。
関しては、該ギヤ19は、その支持部材を構成するサポ
ート10Cの内周を後方に延びるボス部10hの外周に
ベアリング12を介して支持されている。このサポート
10Cは、図5を参照してわかるように、ケース本体1
0Bのほぼ中間部を若干拡径して形成される段差部にお
けるスプラインの凸部の端面に外周側をボルト止めして
ケース本体10Bに固定されている。
11に対して、図5を参照してわかるように、カウンタ
軸20の前端部には、オイルポンプボディを一部切り欠
く形態で前端壁10Aに軸方向に重ねて、ディファレン
シャル装置3のデフリングギヤ31に噛み合うデフドラ
イブピニオンギヤ22が配置されている。この最前部へ
のデフドライブピニオンギヤ22の配置に伴い、カウン
タ軸20の前側は、デフドライブピニオンギヤ22の後
方でケース本体10Bにベアリングを介して支持されて
いる。そして、この位置関係から、第3のクラッチ(C
−3)の油圧サーボ7は、デフリングギヤ31と径方向
に重なった位置に配置され、第3のクラッチの摩擦部材
73は、減速プラネラリギヤG1の外周でデフリングギ
ヤ31と軸方向に一部重なった配置とされている。
ヤ22をできるだけ前方に配置することで、デフリング
ギヤ31と第3のクラッチの摩擦部材73との径方向の
重なりをなくし、摩擦部材73の径方向寸法の制約をな
くして容量を確保するのに役立ち、軸間距離の短縮ある
いはギヤ径の拡大によるデフリングギヤ31との干渉に
より、第3のクラッチの油圧サーボ7が小径化しても、
十分なクラッチ容量を得ることを可能にしている。した
がって、この構成により、入力軸10とデフ軸30との
間で一定の軸間距離を採る場合において、デフリングギ
ヤ径の選択の幅を大きくすることでデフ比設定の自由度
を増すのに役立ち、あるいは軸間距離の短縮も容易にし
ている。
各要素配置において、カウンタドライブギヤ19だけを
変速機の最後部に移設した第2実施形態を模式化した断
面で示す。この形態の場合、第2のクラッチの油圧サー
ボ5は、入力軸後半部11Bの外周に支持され、代わっ
てカウンタドライブギヤ19がケース本体10Bの大径
の第2の後側ボス部10b’に支持される。また、第2
のブレーキの油圧サーボ9は、ケース本体10Bの段差
部をシリンダとして配置される。
油圧サーボ5が入力軸後半部11Bの外周に支持される
ため、油圧サーボ5へのサーボ圧の供給のために、入力
軸11の軸内油路の構成が変更されている。すなわち、
入力軸後半部11Bの軸内油路は前後に分割され、前側
の軸内油路11s’については、第1実施形態の場合と
同様に前側ボス部10aにおいて変速ケース内油路に連
結され、後側の軸内油路11s”については、変速機ケ
ース本体10Bの後端壁部10e側に設けたサーボ圧供
給用のケース内油路10tに連結されている。そして、
入力軸後半部11Bの外周と後側ボス部10bとの間に
は、サーボ圧の漏れ止め用のシールリング11uが配設
されている。
10Cの廃止による軸長の短縮が可能である点に加え
て、第1及び第3のクラッチ(C−1,C−3)の出力
側を直接プラネタリギヤセットGの両要素S2,S3に
連結することができる点にあり、これにより第1及び第
3のクラッチ(C−1,C−3)は、その入力側の高ト
ルク伝達経路のみならず、出力側の高トルク伝達経路も
最短とすることができる。また、この形態では、ケース
本体10Bの後端部外周をカウンタドライブギヤ19の
外径に合わせて縮径することで、変速後端部を小径化す
ることがでる利点もあり、これにより、車両搭載時にお
ける車両側メンバとの干渉を生じ易い後端部を特に小径
化することで、軸長に比して変速機の搭載性を向上させ
ることができる。更に、入力軸後半部11Bの後側の軸
内油路11s”を軸端に開口させて、後側ボス部10b
の内部でケース内油路10tに接続する構成により、軸
周で油路を接続する場合に油路接続部を挟む前後一対の
軸周シールリングを必要とするのに比して、第2のクラ
ッチの油圧サーボ5へのサーボ圧の供給を入力軸を介し
て行うことに伴うシールリング数の増加を最小限に抑え
ることができる利点も得られる。
各要素配置において、カウンタドライブギヤ19をプラ
ネタリギヤセットGと第2のクラッチ(C−2)との間
に配設した第3実施形態を模式化した断面で示す。この
形態の場合、カウンタドライブギヤ19はケース本体1
0Bの周壁10fに固定されたサポート10Cから前方
に延びるボス部10hに支持される。これに伴い、プラ
ネタリギヤセットGと第2のクラッチ(C−2)の関係
では、両者の間にカウンタドライブギヤ19が位置する
ことになるので、第2のクラッチのハブ54を入力軸1
1に沿って前方に延長し、同じくプラネタリギヤセット
GのキャリアC2(C3)の軸支持部を入力軸11に沿
って後方に延長し、双方の軸方向延長部をカウンタドラ
イブギヤ19を支持するサポート10Cの内周側でスプ
ライン係合連結する構成とされる。また、ブレーキ(B
−2)の油圧サーボ9については、ケース本体10Bの
周壁10fに固定された独自のシリンダ90を備える構
成とされる。なおこの場合、ブレーキ(B−2)とワン
ウェイクラッチ(F−1)の位置が逆転しているが、こ
れは、プラネタリギヤセットGのリングギヤR2を小径
のサンギヤS3の外周側へ移設することで、外周にリン
グギヤを欠く部分にシリンダ90を配置することでサー
ボ容量を確保するためである。
荷の小さい第2のクラッチ(C−2)を最後部に位置さ
せることで、高トルク負荷の各要素をまとめて相対的に
前方に寄せる配置となるため、変速機全体としての剛性
の維持が容易となる点にある。また、油圧供給の関係は
第1実施形態の構成を踏襲できるため、第2実施形態に
対しては、シールリングによる摺動抵抗の軽減の点で有
利となる。
ンタドライブギヤ19を最後部に配置したものにおい
て、第2のクラッチ(C−2)をプラネタリギヤセット
Gと第1のクラッチ(C−1)との間に配設した第4実
施形態を模式化した断面で示す。この形態の場合、これ
までの各実施形態と異なり入力軸前半部11Aと後半部
11Bは、相互に回転自在とされ、入力軸後半部11B
の前端はベアリングを介して前半部11Aに支持され
る。そして、入力軸前半部11Aの後端部の外周に第2
のクラッチ(C−2)の油圧サーボ5が配設されてい
る。油圧サーボ5のシリンダ50は、入力軸前半部11
Aの外周と、それに固定され、第1のクラッチのシリン
ダ60と類似した断面形状の板状の部材で構成され、シ
リンダ50の外周側に連結してクラッチドラム52が設
けられている。油圧サーボ5のピストン51も第1のク
ラッチのピストン61と同様の断面形状とされている。
摩擦部材53の内周側に係合するクラッチハブ54は、
入力軸後半部11Bの前端側に連結されている。また、
プラネタリギヤセットGのキャリアC2は、入力軸後半
部11Bの後端側に連結されている。また、第2のクラ
ッチのサーボ圧供給用の軸内油路は、第1のクラッチの
サーボ圧供給用の軸内油路11pと並列に入力軸前半部
11Aの軸内油路11p’として形成されている。
(C−2)に関して、その油圧サーボ5の軸周配置によ
り、内径方向への受圧面積の拡大が可能となり、外径方
向についても第1及び第3のクラッチの出力側部材が通
るだけなので寸法状の制約が緩和される点にある。した
がって、この形態では、本来トルク伝達容量が小さくて
よい第2のクラッチ(C−2)について、その油圧サー
ボ5の容量を内径方向への拡大により稼ぎ、摩擦部材5
3の大径化により構成枚数を減じることで第2のクラッ
チ全体について軸方向寸法のコンパクト化が図られてい
る。これにより、図面上同一比率で示す他の先行実施形
態との対比で明らかなように、変速機の顕著な軸長短縮
が成される。
のクラッチ(C−1,C−3)並びに減速プラネタリギ
ヤG1(以下、これら3者を総称して高トルク伝達系と
いう)を変速機におけるエンジンへの接続側に配設して
いるが、これらは、同様の構成と連結関係のまま、変速
機の後端側に配置することもできる。図11はこうした
構成を採る第5実施形態を模式化した断面で示す。この
形態では、プラネタリギヤセットG、減速プラネタリギ
ヤG1、3つのクラッチ(C−1〜C−3)及びカウン
タドライブギヤ19の配置を第1実施形態に対して全く
逆向きとしている。
ギヤG1のサンギヤS1はケース本体10Bから延びる
後側ボス部10bに固定され、第3のクラッチの油圧サ
ーボ7も後側ボス部10bに支持され、第1のクラッチ
の油圧サーボ6は入力軸後半部11Bに支持される。ま
た、第2のクラッチの油圧サーボ5は、前側ボス部10
aに支持される。更に、第2のブレーキの油圧サーボ9
は、ケース本体周壁10fに固定した独自のシリンダ9
0を持つ構成とされる。また、軸内油路については、軸
前半部11A内のものが潤滑油路1本に単純化される。
伝達に関与しないためにトルク伝達容量が小さく、それ
により摩擦部材53の外径を小さくできる第2のクラッ
チ(C−2)が最前方に位置する関係となるため、クラ
ッチ摩擦部材53とデフリングギヤ31との干渉の制約
が緩和され、図1に示す主軸Xとデフ軸Zとの軸間距離
(デフギヤ比の設定に影響する)の設定の自由度が増す
点にある。
アC2(C3)に入力軸11の回転を直接入力するクラ
ッチ(C−2)は、先の変速段の説明から明らかなよう
に、前進1速(1ST)〜3速(3RD)及び後進(R
EV)時に係合されないクラッチである。そのため、こ
のクラッチ(C−2)は、車両停止時のようなトルクコ
ンバータ4からのエンジントルクを増幅したストールト
ルクを受けることはなく、また、図4の速度線図を参照
して、他の2つのクラッチ(C−1,C−3)との対比
でわかるように、減速による増幅トルクを負担すること
はない。したがって、このクラッチ(C−2)は、他の
クラッチに比してトルク容量(この容量は、クラッチ径
と摩擦部材の枚数により決まる)の小さなクラッチとす
ることができる。したがって、このクラッチ径を小さく
することで、図2に示す軸位置関係から、主軸Xとデフ
軸Zの軸間距離に対して、クラッチ径を小さくした分だ
けデフリングギヤ31のギヤ径を大きくすることができ
る。
機の後端側に配置する構成においても、前記各実施形態
と同様のその余の要素位置の変更が可能である。図12
はプラネタリギヤセットGと第2のクラッチ(C−2)
との間にカウンタドライブギヤ19を配置した第6実施
形態を模式化した断面で示す。この形態の場合、プラネ
タリギヤセットGに対して小径のサンギヤS3側にカウ
ンタドライブギヤ19が位置することから、上記第3実
施形態の場合と同様の連結関係の理由から、プラネタリ
ギヤセットGのリングギヤR3は大径のサンギヤS3側
に配設され、それに伴い、第2のブレーキ(B−2)と
ワンウェイクラッチ(F−1)の位置関係は、第5実施
形態に対して逆転している。
態より減速トルクの伝達経路がサポート壁10Cの内周
を通らない分だけ短くなる利点が得られる。また、カウ
ンタドライブギヤ19が、デフドライブピニオンギヤ2
2(図1参照)に接近するため、カウンタドリブンギヤ
21とデフドライブピニオンギヤ22を支持するカウン
タ軸20の軸長の短縮による軽量化が可能となる。
2のクラッチ(C−2)とカウンタドライブギヤ19の
位置を入れ替えた第7実施形態を模式化した断面で示
す。この形態の場合、カウンタドライブギヤ19は、変
速機ケースの前側ボス部10aに直接支持され、第2の
クラッチ(C−2)の油圧サーボ5は、入力軸前半分1
1Aの外周に支持される。そして、特にこの形態では、
軸前半部の前側の一部で、第2のクラッチ(C−2)の
サーボ圧供給用の軸内油路と潤滑圧供給用の軸内油路が
並列することから、軸前半部11Aは加工の便宜上から
2部材を一体化した構成とされている。このように変速
機構の最前部にカウンタドライブギヤ19を配置する構
成は、図1に示す第2軸Yをアイドラ軸として第2軸で
の減速を行わない形式のトランスアクスルに適してい
る。
イブギヤ19をケース前端壁10Aで支持することにな
るため、ケース本体10Bにサポートを設ける必要がな
く、しかも、同様のケースへの支持構造を採る図8及び
図10に示す第2及び第4実施形態に比して、ギヤノイ
ズを生じるカウンタドライブギヤ19をノイズ放射され
にくい変速機の最奥部に置いたことになるため、ギヤノ
イズの低減の点で有利となる。
考え方を高トルク伝達系を変速機の後端側に配置する構
成に適用した第8実施形態を模式化した断面で示す。こ
の形態では、全ての配置が第4実施形態に対して逆転し
ている。この配置も上記第7実施形態と同様に第2軸Y
をアイドラ軸とする形式のトランスアクスルに適してい
る。そして特にこの形態の場合、大重量要素であるプラ
ネタリギヤセットGとカウンタドライブギヤ19が、前
側に集約配置されることになるめ、変速機の剛性を高め
る点で優れた配置となる。
プラネタリギヤセットGとカウンタドライブギヤ19の
位置を入れ替えた第9実施形態を模式化した断面で示
す。この形態の場合、カウンタドライブギヤ19は、前
記第5実施形態と同様の方法でサポート10Cに支持さ
れ、第2のブレーキ(B−2)の油圧サーボ9は、変速
機ケースの前端壁10Aに内蔵される。この配置も大重
量要素であるプラネタリギヤセットGとカウンタドライ
ブギヤ19が、前側に集約配置されることになるめ、変
速機の剛性を高める点で優れた配置となる。
クスルへの適用を例示したものであるが、本発明は、フ
ロントエンジン・リヤドライブ(FR)車用の縦置式の
変速機にも適用可能である。図16〜図19は、こうし
た例示としての第10実施形態を示す。この形態におけ
る変速機構も本質的には、前記各形態と同様のものであ
るが、縦置化したことに伴う2つの相違点がある。その
第1は、横置式の場合に比べて軸長の制約が緩やかであ
るため、変速過渡時、特に掴み替え変速時の油圧制御を
簡略化すべく、先行実施形態における第2のブレーキ
(B−2)に対するワンウェイクラッチ(F−1)の併
設と同様の意味を持つワンウェイクラッチとブレーキの
組み合わせを第1のブレーキ(B−1)に対して設けて
いる点である。そして、第2は、出力要素としてのリン
グギヤR2を入力軸11と同軸の出力軸に連結している
点である。
レーキとワンウェイクラッチの呼称が各先行形態に対し
てずれているので、冗長とはなるが、混乱を避ける意味
で、ギヤトレイン構成から改めて説明する。
スケルトンで示す。図16を参照して、この自動変速機
では、その機構の最前部に、図示しないエンジンに連結
されるロックアップクラッチ付のトルクコンバータ4が
配置され、その後部に前進6速・後進1速を達成する変
速機構が配置された構成が採られている。トルクコンバ
ータ4は、ポンプインペラ41と、タービンランナ42
と、それらの間に配置されたステータ43と、ステータ
43を変速機ケース10に一方向回転係合させるワンウ
ェイクラッチ44と、ワンウェイクラッチのインナレー
スを変速機ケース10に固定するステータシャフト45
とを備える。
トGは、先の各実施形態と同様に、大小径の異なる一対
のサンギヤS2,S3と、互いに噛合して一方が大径の
サンギヤS2に噛合するとともにリングギヤR3に噛合
し、他方が小径のサンギヤS3に噛合する一対のピニオ
ンギヤP2,P3を支持するキャリアC2(C3)から
なるラビニヨ式のギヤセットで構成されている。
同様に、シンプルプラネタリギヤで構成され、その入力
要素としてのリングギヤR1を入力軸11に連結され、
出力要素としてのキャリアC1を第1のクラッチ(C−
1)を介して小径サンギヤS3に連結されるとともに、
第3のクラッチ(C−3)を介して大径のサンギヤS2
に連結され、反力を取る固定要素としてのサンギヤS1
を変速機ケース10に固定されている。
ーキ及びワンウェイクラッチの係合・解放と達成される
変速段との関係は図17の係合図表に示すようになる。
係合表における○印は係合、無印は解放、△印はエンジ
ンブレーキ時のみの係合、●印は変速段の達成に直接作
用しない係合を表す。また、図18は各クラッチ及びブ
レーキの係合(●印でそれらの係合を表す)により達成
される変速段と、そのときの各変速要素の回転数比との
関係を速度線図で示す。
(1ST)は、クラッチ(C−1 )とブレーキ(B−
3)の係合(本形態において、作動表を参照してわかる
ように、このブレーキ(B−3)の係合に代えてワンウ
ェイクラッチ(F−2)の自動係合が用いられている
が、この係合を用いている理由及びこの係合がブレーキ
(B−3)の係合に相当する理由については、それらの
呼称が異なるだけで、先の実施形態においてブレーキ
(B−2)とワンウェイクラッチ(F−1)との関係で
述べた通りである。)により達成される。この場合、入
力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された
回転がクラッチ(C−1)経由で小径サンギヤS3に入
力され、ワンウェイクラッチ(F−2)の係合により係
止されたキャリアC3に反力を取って、リングギヤR3
の最大減速比の減速回転が出力軸19Aに出力される。
−1 )とブレーキ(B−1)の係合に相当するワンウェ
イクラッチ(F−1)の係合とそれを有効にするブレー
キ(B−2)の係合(これらの係合がブレーキ(B−
1)の係合に相当する理由については後に詳述する。)
により達成される。この場合、入力軸11から減速プラ
ネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチ(C−
1)経由で小径サンギヤS3に入力され、ブレーキ(B
−2)及びワンウェイクラッチ(F−1)の係合により
係止された大径サンギヤS2に反力を取って、リングギ
ヤR3の減速回転が出力軸19Aに出力される。このと
きの減速比は、図18にみるように、第1速(1ST)
より小さくなる。
−1)とクラッチ(C−3)の同時係合により達成され
る。この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1
を経て減速された回転がクラッチ(C−1)とクラッチ
(C−3)経由で同時に大径サンギヤS2と小径サンギ
ヤS3に入力され、プラネタリギヤセットGが直結状態
となるため、両サンギヤへの入力回転と同じリングギヤ
R3の回転が、入力軸11の回転に対しては減速された
回転として、出力軸19Aに出力される。
−1)とクラッチ(C−2)の同時係合により達成され
る。この場合、一方で入力軸11から減速プラネタリギ
ヤG1を経て減速された回転がクラッチ(C−1)経由
でサンギヤS3に入力され、他方で入力軸11からクラ
ッチ(C−2)経由で入力された非減速回転がキャリア
C3に入力され、2つの入力回転の中間の回転が、入力
軸11の回転に対しては僅かに減速されたリングギヤR
3の回転として出力軸19Aに出力される。
−2)とクラッチ(C−3)の同時係合により達成され
る。この場合、一方で入力軸11から減速プラネタリギ
ヤG1を経て減速された回転がクラッチ(C−3)経由
でサンギヤS2に入力され、他方で入力軸11からクラ
ッチ(C−2)経由で入力された非減速回転がキャリア
C2に入力され、リングギヤR3の入力軸11の回転よ
り僅かに増速された回転が出力軸19Aに出力される。
(C−2)とブレーキ(B−1)の係合により達成され
る。この場合、入力軸11からクラッチ(C−2)経由
で非減速回転がキャリアC2にのみ入力され、ブレーキ
(B−1)の係合により係止されたサンギヤS2に反力
を取り、リングギヤR3の更に増速された回転が出力軸
19Aに出力される。
3)とブレーキ(B−3)の係合により達成される。こ
の場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て
減速された回転がクラッチ(C−3)経由でサンギヤS
2に入力され、ブレーキ(B−3)の係合により係止さ
れたキャリアC2に反力を取り、リングギヤR3の逆転
が出力軸19Aに出力される。
(F−1)と両ブレーキ(B−1,B−2)との関係に
ついて説明する。この場合は、サンギヤS2に連結した
ワンウェイクラッチ(F−1)の係合方向をサンギヤS
2の第2速時の反力トルク支持方向に合わせた設定とす
ることで、ワンウェイクラッチ(F−1)に実質上ブレ
ーキ(B−1)の係合と同等の機能を発揮させることが
できる。ただし、このサンギヤS2は、キャリアC2
(C3)とは異なり、第2速時のエンジンブレーキ効果
を得るために係合するだけでなく、第6速達成のために
も係止される変速要素であるため、ブレーキ(B−1)
が必要となる。また、サンギヤS2は、図18の速度線
図でも分かるように、第1速(1ST)達成時には入力
回転方向に対して逆方向に回転するが、第3速以上の変
速段の場合は、入力回転方向と同じ方向に回転する。し
たがって、ワンウェイクラッチ(F−1)は、直接固定
部材に連結することができないため、ブレーキ(B−
2)との直列配置により係合状態の有効性を制御可能な
構成としている。
18の速度線図上で、リングギヤR3,R2の速度比を
示す○印の上下方向の間隔を参照して定性的にわかるよ
うに、各変速段に対して比較的等間隔の良好な速度ステ
ップとなる。この関係を具体的に数値を設定して、定量
的に表すと、図17に示すギヤ比及びギヤ比間のステッ
プとなる。この場合のギヤ比は、減速プラネタリギヤG
1のサンギヤS1とリングギヤR1の歯数比λ1=0.
556、プラネタリギヤセットGの大径サンギヤ側のサ
ンギヤS2とリングギヤR2(R3)の歯数比λ2=
0.458、小径サンギヤ側のサンギヤS3とリングギ
ヤR3の歯数比λ3=0.375に設定した場合であ
り、ギヤ比幅は6.049となる。
細に断面で示す。先にスケルトンを参照して説明した各
構成要素については、同じ参照符号を付して説明に代え
るが、スケルトンから参照し得ない細部について、次に
説明する。まず、入力軸11は、この形態では、主とし
て加工上の便宜のために軸前半部11Aと軸後半部11
Bとに分割されているが、互いにスプライン等で緊密に
嵌合させて実質上一体化させた構成とされている。入力
軸11の小径化された前端部は、トルクコンバータ4の
タービンランナ42に連結され、大径の中間部がステー
タシャフト45を介して変速機ケース10のオイルポン
プカバーで構成される前端壁10Aの前側ボス部10a
に回転自在に支持されている。入力軸後半部11Bの小
径化された後端部は、出力軸19Aの凹部19aに嵌挿
されて、出力軸19Aを介して変速機ケース10の後端
壁部10eに回転自在に支持されている。減速プラネタ
リギヤG1への入力部は、入力軸前半部11Aのフラン
ジ部とされ、リングギヤR1に連結されている。
10aに形成されたケース内油路に連結するライン圧供
給用の軸内油路11pと、潤滑圧供給用の軸内油路11
rとが形成され、軸内油路11pの軸方向端部は閉栓さ
れ、径方向油路により第1のクラッチの油圧サーボ6に
連通している。また、潤滑圧供給用の軸内油路11rの
軸方向端部は開放され、入力軸後半部11Bに形成され
た潤滑圧供給用の軸内油路11sに連通している。入力
軸後半部11Bの潤滑圧供給用の軸内油路11sは、軸
の後端部近傍で終端し、軸の後端側に形成されたライン
圧供給用の軸内油路11tと分離されている。
ラベアリングを介して変速機ケース10の後端壁部10
eに回転自在に支持され、後端部をボールベアリグを介
して変速機ケース10の最後部に回転自在に支持されて
いる。プラネタリギヤセットGの出力要素への連結部
は、入力軸後半部11Bのフランジ部とされ、ドラム状
部材を介してリングギヤR3に連結されている。
の後部のケース内油路に通じるライン圧供給用の軸内油
路が前記凹部19aにより形成されており、この軸内油
路が、凹部19aに嵌挿された入力軸後半部11Bの後
端部に形成された軸内油路11tを介して第2のクラッ
チ(C−2)の油圧サーボ5に連通している。
11Bの軸方向ほぼ中央部分の外周側に配置され、入力
軸後半部11Bの外周にサンギヤS3が回転自在に支持
され、更にその外周にサンギヤS2が回転自在に支持さ
れている。ピニオンP2,P3を支持するキャリアC
2,C3は一体化され、その前端部はサンギヤS2に回
転自在に支持され、後端部は入力軸後半部11Bに回転
自在に支持されている。
11Aの大径部の軸方向ほぼ中央位置に外周に配置さ
れ、そのサンギヤS1は、変速機ケース10の前側ボス
部10aとしてのステータシャフト45の後端にスプラ
イン嵌合で固定されている。減速プラネタリギヤG1の
キャリアC1は、オイルポンプカバーで構成される前側
ボス部10aの外周に片持支持されている。
ダ60の内周部を入力軸前半部11Aの外周に回転自在
に支持され、第3のクラッチ(C−3)のハブ74を介
して減速プラネタリギヤG1のキャリアC1に連結され
ている。クラッチ(C−1)の多板の摩擦材とセパレー
タプレートからなる摩擦部材63は、セパレータプレー
トをドラム62の内周に係合支持され、摩擦材の内周を
ハブ64の外周に係合支持されて、ドラム62とハブ6
4との間に配置され、ハブ64の内周がサンギヤS3に
連結されている。クラッチ(C−1)の油圧サーボ6
は、ドラム62の内側をシリンダ60とし、それに軸方
向摺動自在に嵌挿されたピストン61と、ドラム62の
内周部に軸方向止めされたキャンセルプレートと、ピス
トン61とキャンセルプレートとの間に配設されたリタ
ーンスプリングとを備えた構成とされている。
72がワンウェイクラッチ(F−1)のインナレースと
連結されるとともに、その前端部が変速機ケース10の
前側ボス部10aに回転自在に支持され、後端部をドラ
ム状の動力伝達部材を介してサンギヤS2に連結支持さ
れている。クラッチ(C−3)の多板の摩擦材とセパレ
ータプレートからなる摩擦部材73は、セパレータプレ
ートをドラム72の内周に係合支持され、摩擦材の内周
をハブ74の外周に係合支持されて、ドラム72とハブ
74との間に配置され、ハブ74の後端が第1のクラッ
チ(C−1)のドラム62に固定されている。クラッチ
(C−3)の油圧サーボ7は、ドラム72と一体のシリ
ンダ70と、それに軸方向摺動自在に嵌挿されたピスト
ン71と、シリンダ70の内周部に軸方向止めされたキ
ャンセルプレートと、ピストン71とキャンセルプレー
トとの間に配設されたリターンスプリングとを備えた構
成とされている。
52の後端部を入力軸後半部10Bのフランジ部に固定
され、片持ち状態に支持されている。クラッチ(C−
2)の多板の摩擦材とセパレータプレートからなる摩擦
部材53は、セパレータプレートをドラム52の内周に
係合支持され、摩擦材の内周をハブ54の外周に係合支
持されて、ドラム52とハブ54との間に配置され、ハ
ブ54の前端がプラネタリギヤセットGのキャリアC3
に固定されて片持ち状態に支持されている。クラッチ
(C−2)の油圧サーボ5は、入力軸11の外周をシリ
ンダ50の一部としてドラム52と一体化され、それに
軸方向摺動自在に嵌挿されたピストン51と、入力軸後
半部11Bに軸方向止めされたキャンセルプレートと、
ピストン51とキャンセルプレートとの間に配設された
リターンスプリングとを備えた構成とされている。
ッチ(C−3)のドラム72の外周に係合するバンド8
3を備えるバンドブレーキとされている。なお、このブ
レーキの油圧サーボについては、図示を省略されてい
る。
材とセパレータプレートを摩擦部材93とする多板ブレ
ーキとされ、セパレータプレートが変速機ケース内周に
係止支持され、摩擦材がキャリアC2に固定されたハブ
94に係合支持されている。ブレーキ(B−3)の油圧
サーボ9は、変速機ケース本体10Bの後端壁部10e
をシリンダとし、それに摺動自在に嵌挿されたピストン
91と、変速機ケースの後端壁部に軸方向止めされてピ
ストン91に当接するリターンスプリングとを備えた構
成とされている。ピストン91のケースの周壁10fに
沿って延長されて摩擦部材93の後端に至る延長部は、
その外周をケース周壁10fのスプライン10gに嵌合
させて回り止めされている。
は、プラネタリギヤセットGの大径のサンギヤS2の外
周側に径方向に重合させて配置されている。
そのインナレースを第3のクラッチ(C−3)のシリン
ダ70に固定され、アウタレースをブレーキ(B−2)
のハブと一体化された構成とされ、第3のクラッチ(C
−3)の前方、すなわち変速機構の最前部に配置されて
いる。アウタレースを変速機ケース10に係止するブレ
ーキ(B−2)は、アウタレースに係合支持された摩擦
材と、変速機ケースの内周スプラインに係合支持された
セパレータプレートを摩擦部材とする多板構成のブレー
キとされている。ブレーキ(B−2)の油圧サーボは、
変速機ケース10の前端壁10Aをシリンダとし、それ
に摺動自在に嵌挿されたピストンと、変速機ケース10
の前端壁に軸方向止めされてピストンに当接するリター
ンスプリングとを備えた構成とされている。
は、そのインナレースをキャリアC2の前端部にスプラ
イン結合され、アウタレースを変速機ケース内周のスプ
ライン10gに係合させて、第1のクラッチ(C−1)
の摩擦部材63とプラネタリギヤセットGとの間の軸方
向位置に配置されている。
に、第1のクラッチ(C−1)の油圧サーボ6は、その
シリンダ60が減速プラネタリギヤG1とは反対方向に
開口する向きに向けて配置され、外周側で第1のクラッ
チのクラッチドラム62に連接され、このクラッチドラ
ム62が減速プラネタリギヤG1のキャリアC1に連結
された構成が採られているため、第3のクラッチ(C−
3)のみならず、第1のクラッチ(C−1)について
も、ドラム62の内周側に連接する油圧サーボ6に高ト
ルク負荷を与えることなく、クラッチバブ64からドラ
ム62への高トルクの伝達で、外周側でのトルク伝達が
成されるため、内周側の油圧サーボ6のシリンダ60の
薄肉化が可能となり、それにより変速機の軽量、コンパ
クト化が可能となる。
チ(C−3)が減速プラネタリギヤG1の前方に配置さ
れ、そのクラッチの油圧サーボ7を形成するシリンダ7
0が、変速機前端壁10Aから延びる前側ボス部10a
に支持され、その油圧サーボ7への油圧の供給路が前側
ボス部10aに形成され、減速プラネタリギヤG1は、
そのサンギヤS1を前側ボス部10aに固定し、リング
ギヤR1を減速プラネタリギヤG1の後方で入力軸11
に連結し、キャリアC1からの出力を減速プラネタリG
1の前方へ取り出す構造としているので、クラッチドラ
ム72の支持及び油圧の供給のための前側ボス部10a
を、減速プラネタリギヤG1のサンギヤS1の固定部材
として利用することで、別途サンギヤ固定のためのサポ
ート部材を設ける必要がなくなり、その分、コンパクト
化が成されている。
テータシャフトの先端を前側ボス部10aとして減速プ
ラネタリギヤG1のサンギヤS1を固定したので、サン
ギヤS1の小径化による減速プラネタリギヤ全体の小型
化が達成され、この小型化により、第3のクラッチ(C
−3)の摩擦部材73の内周側に減速プラネタリギヤG
1を配置することで、自動変速機の軸方向寸法が短縮さ
れている。
クラッチ及び第3のクラッチの油圧サーボ6,7の間に
配置され、それら油圧サーボの一方を構成するシリンダ
70が、前側ボス部の外周に回転自在に支持され、油圧
サーボの他方を構成するシリンダ60が、入力軸11の
外周に回転自在に支持された構成により、変速機ケース
10の前側ボス部10a外周に油圧サーボを支持した場
合と比較して、支持部の径が小さい分だけピストン61
の受圧面積を大きく採ることができるため、トルク容量
の確保が容易となっている。
たことによる特有の効果としては、伝達トルク容量が小
さいためクラッチ径を小さくできるクラッチ(C−2)
を変速機構の最後部に配置したので、自動変速後部の外
径を小さくすることができ、車室内スペースへの影響を
小さくすることができる。
に対向する凹部19aを形成され、自動変速機の後部で
支持され、入力軸11は、出力軸19Aの前端部に対向
する先端部が、出力軸の凹部19aに嵌挿されて、そこ
で後端部を支持され、第2のクラッチC−2の油圧サー
ボ5への油圧の供給路は、出力軸19Aから入力軸11
の後端部に渡って形成され、自動変速機内部潤滑用の油
路11sは、入力軸11における供給路11tが形成さ
れた後端部より前方に形成されているので、クラッチ作
動用油圧と潤滑油供給のための2本の油路を入力軸後端
部に併設する場合に比べて、その分だけ、出力軸19A
の凹部19aに挿入される入力軸11後端部の径を小さ
くすることができ、入力軸11の後端部の支持のために
出力軸19Aの凹部19aに嵌挿した入力軸後部の径を
小さくすることができる。したがって、この構成によれ
ば、自動変速機における後部の外径を軸径の面からも小
さくすることができ、一層車室内スペースへの影響を小
さくすることができる。
摩擦部材93を多板の摩擦部材とされ、その油圧サーボ
9が変速機の最後部に配置されているので、自動変速機
ケース10の後端壁部を油圧サーボシリンダとして利用
でき、油圧サーボがバンドブレーキの場合のように変速
機ケース外部に張り出すことがなくなり、車室のスペー
スを小さくすることがない。また、バンドブレーキの場
合、その係合によって、バンドブレーキの配置されるキ
ャリアに対して、ある方向への力がかかり、これがプラ
ネタリギヤセットのセンタリングや支持、あるいはプラ
ネタリギヤセットが支持されている入力軸の支持やセン
タリングに悪影響を及ぼす。そのため、入力軸やプラネ
タリギヤセットを支持するためのブッシュやベアリン
グ、あるいは入力軸自体を大型化する必要がある。しか
し、この実施形態において、第2のブレーキ(B−3)
は多板ブレーキであるため、上記のようなことがなく、
コンパクトな自動変速機とすることができる。
て、減速プラネタリギヤG1と第1及び第3のクラッチ
(C−1,C−3)の連結関係を、第1〜第9実施形態
の場合と同様のものに変更した第11実施形態を模式化
した断面で示す。この形態では、第1のクラッチ(C−
1)の摩擦部材63の内周側に係合するクラッチハブ6
4は、第3のクラッチ(C−3)のクラッチハブ74を
介して減速プラネタリギヤG1のキャリアC1に連結さ
れ、第1のクラッチの摩擦部材63の外周側に係合する
クラッチドラム62は、プラネタリギヤセットGの小径
のサンギヤS3に連結され、第1のクラッチのクラッチ
ドラム62に連接する油圧サーボ6は、そのシリンダ6
0を減速プラネタリギヤG1側に開口する向きに向けて
配置されている。
は、第1実施形態において前述したように、第1のクラ
ッチの油圧サーボシリンダ60を動力伝達部材とするこ
とで、要素間を径方向に横断する部材を削減して、変速
機の軸長を短縮できる点にある。
詳説したが、本発明は、特許請求の範囲の個々の請求項
に記載の事項の範囲内で種々に細部の具体的な構成を変
更して実施することができる。
ギヤトレインを示すスケルトン図である。
図である。
にギヤ比ステップを示す図表である。
面図である。
面図である。
である。
である。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
すスケルトン図である。
成されるギヤ比並びにギヤ比ステップを示す図表であ
る。
ある。
図である。
である。
Claims (12)
- 【請求項1】 減速プラネタリギヤと、該減速プラネタ
リギヤを経た減速回転を伝達する少なくとも2つのクラ
ッチと、それら2つのクラッチを経た減速回転が入力さ
れるプラネタリギヤセットとにより多段の変速段を達成
する車両用自動変速機において、 前記プラネタリギヤセットの一方側に、減速プラネタリ
ギヤと、該減速プラネタリギヤを経た減速回転をそれぞ
れプラネタリギヤセットの異なる2つの要素へ入力する
第1及び第3のクラッチとが配置され、 減速プラネタリギヤは、第1のクラッチと第3のクラッ
チの間に配置されたことを特徴とする車両用自動変速
機。 - 【請求項2】 前記プラネタリギヤセットは、 その第1の要素が第1のクラッチの出力側部材に連結さ
れ、 第2の要素が第3のクラッチの出力側部材に連結される
とともに、第1の係止手段により変速機ケースに係止可
能とされ、 第3の要素が非減速回転を入力する第2のクラッチの出
力側部材に連結されるとともに、第2の係止手段により
変速機ケースに係止可能とされ、 第4の要素が出力部材に連結された、請求項1記載の車
両用自動変速機。 - 【請求項3】 前記減速プラネタリギヤは、変速機ケー
スから延材するボス部の先端に1要素を固定され、 第3のクラッチは、その油圧サーボが前記ボス部の外周
に回転自在に支持され、 第1のクラッチは、その油圧サーボが入力軸上に配置さ
れ、 第3のクラッチとプラネタリギヤセットの1要素は、第
1のクラッチの外周を通る動力伝達部材により連結され
た、請求項1又は2記載の車両用自動変速機。 - 【請求項4】 前記減速プラネタリギヤの出力要素は、
第3のクラッチの摩擦部材の内周側に係合するクラッチ
ハブに直接連結され、 第3のクラッチの油圧サーボは、そのシリンダを減速プ
ラネタリギヤ側に開口する向きに向けて、第3のクラッ
チの摩擦部材の外周側に係合するクラッチドラムに連接
され、 該クラッチドラムは、前記動力伝達部材を介してプラネ
タリギヤセットの1要素に連結された、請求項3記載の
車両用自動変速機。 - 【請求項5】 前記第1のクラッチの摩擦部材の内周側
に係合するクラッチハブは、減速プラネタリギヤの出力
要素に連結され、第1のクラッチの摩擦部材の外周側に
係合するクラッチドラムは、プラネタリギヤセットの1
要素に連結され、 第1のクラッチのクラッチドラムに連接する油圧サーボ
は、そのシリンダを減速プラネタリギヤ側に開口する向
きに向けて配置された、請求項4記載の車両用自動変速
機。 - 【請求項6】 前記減速プラネタリギヤの出力要素は、
減速プラネタリギヤの外周側に配置された第3のクラッ
チの摩擦部材の内周側に係合するクラッチハブに連結さ
れ、 該クラッチハブは、更に軸方向に延長されて第1のクラ
ッチの摩擦部材の内周側に係合するクラッチハブに連接
された、請求項5記載の車両用自動変速機。 - 【請求項7】 前記第1のクラッチの油圧サーボは、そ
のシリンダが減速プラネタリギヤとは反対方向に開口す
る向きに向けて配置され、外周側で第1のクラッチのク
ラッチドラムに連接され、 該第1のクラッチのクラッチドラムは、減速プラネタリ
ギヤの出力要素に連結された、請求項4記載の車両用自
動変速機。 - 【請求項8】 前記減速プラネタリギヤの出力要素は、
減速プラネタリギヤの外周側に配置された第3のクラッ
チの摩擦部材の内周側に係合するクラッチハブに連結さ
れ、 その軸方向延長上で第1のクラッチのクラッチドラムに
連結された、請求項7記載の車両用自動変速機。 - 【請求項9】 前記第3のクラッチのクラッチドラムに
連接する油圧サーボは、減速プラネタリギヤと径方向に
重なる位置にボス部への支持部を有する、請求項4記載
の自動変速機。 - 【請求項10】 前記第1の係止手段は、バンドブレー
キで構成され、第3のクラッチのクラッチドラムの外周
面をバンドの係合面とされた、請求項4又は9記載の車
両用自動変速機。 - 【請求項11】 前記第3のクラッチの油圧サーボの供
給油路は、ボス部に設けられ、第1のクラッチの油圧サ
ーボの供給油路は、入力軸に設けられた軸内油路を介し
て変速機ケースに設けられた油路に連通された、請求項
3記載の車両用自動変速機。 - 【請求項12】 前記減速プラネタリギヤ、第1のクラ
ッチ及び第3のクラッチは、変速機の後部に配置され、
入力軸に設けられた前記供給油路は、入力軸の後端部で
変速機ケースに設けられた油路に連通され、入力軸と変
速機ケースとの間が、1つのシールリングにより漏れ止
めされた、請求項11記載の車両用自動変速機。
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