JP3721813B2 - 車両用自動変速機 - Google Patents

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    • Y10T74/2186Gear casings

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される自動変速機に関し、特に、その変速機構を収容するケース構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用自動変速機の一形態として、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)車又はリヤエンジン・リヤドライブ(RR)車用の自動変速機がある。こうした形式の自動変速機では、車両の左右ホイールの間にエンジンと自動変速機を直列に並べて車軸と並行に横置き搭載する配置となるため、自動変速機は、カウンタギヤ機構とディファレンシャル装置とを共通のケース内に配した3軸構成のトランスアクスルの形態を採る。
【0003】
こうした3軸構成の自動変速機では、変速機構を配した主軸上に、変速出力を並行するカウンタ軸に伝達するためのカウンタドライブギヤが配置される。カウンタドライブギヤは、減速された大トルクを伝達するところから、一般にケースに強固に心だし支持する構成が採られ、これが変速機構の中間部に配置される場合は、ケースに一体化されたセンタサポートに支持される。こうした支持方法を採る自動変速機として、従来、特公平7−96897号公報に開示の技術があり、この技術では、ケースの軸方向中間部にケースの周壁から内周側に延びるサポート壁が形成されているため、ケース内への変速機構の組み込みのために、ケースの前端部とともに後端部も開口され、後端部の開口を変速機構の後半部の各部材の組み込み後にリヤケースで覆う構成とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術のように、ケース本体とリヤケースを別体構成とすると、両ケースの合わせ部にボルト等の固定手段を通すための厚肉部を形成する必要があり、この厚肉部を、変速機構を構成する部材が周壁の直近まで、あるいは周壁自体に配置されるケース周壁内側へ突出させることはできないため、厚肉部はケース外周より外側へ突出したものとなる。
【0005】
他方、自動変速機には、その変速機構を制御するためのバルブボディが変速機構に並行する形でケースに付設される。これに対して上記のようにケース外側へ突出する厚肉部は、バルブボディの付設の障害となる。こうした場合、バルブボディは、ケースの全長に対して、合わせ部内側に収まるような長さに制約され、それに伴い、面積も制限されるため、バルブボディの面積が小さくなることによって厚さが増す。それにより、車両の最低地上高の確保や他の補機類との干渉の問題が生じる。
【0006】
本発明は、こうした事情に鑑みなされたものであり、リヤケースをケース本体を一体形成し、ケースのほぼ全長に渡ってバルブボディの付設面を確保できる自動変速機のケース構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、ケース内に収容して、入力軸の周りに変速機構が配置され、該変速機構の出力を入力軸に並行する他の軸に伝達するギヤが、ケースのサポート壁に支持された車両用自動変速機において、前記ケースは、一端に一体形成されたリヤカバー部を有するとともに、他端に開口部を有し、更に前記ケースの周壁内周に沿って軸方向に延設され、前記変速機構におけるブレーキの摩擦部材を回り止め支持するスプライン歯を有し、前記サポート壁は、前記スプライン歯の終端面に当接可能な突出部を有し、前記開口部を通して前記スプライン歯の終端面に前記突出部を係止させて前記ケースに固定されることを特徴とする。
【0008】
そして、上記着脱のための具体的態様として、前記ケースは、サポート壁の取付け位置と、開口部の位置とに、開口部側に面し、互いに周方向の位置をずらして形成された端面を有し、サポート壁は、ケースの開口部の端面を通過可能で、サポート壁の取付け位置の端面に当接する突出部を有し、前記取付け位置の端面に突出部を当接させてケースに固定され、ケースの開口部は、該開口部の端面に当接させて固定されて開口部を覆うカバーにより閉じられた構成とするのが有効である。
【0009】
また、他の態様として、前記ケースは、その周壁内周に沿って軸方向に延設され、変速機構におけるブレーキの摩擦部材を回り止め支持するスプライン歯を有し、該スプライン歯は、サポート壁の取付け位置で終端する短いスプライン歯と、ケースの開口部まで延びて終端する長いスプライン歯とから構成され、サポート壁は、長いスプライン歯の内周径より小径の外径部と、該外径部から長いスプライン歯の歯間を通過可能に突出して、短いスプライン歯の終端面に当接可能な突出部とを有し、短いスプライン歯の終端面に突出部を係止させてケースに固定され、ケースの開口部は、長いスプライン歯の終端面に当接させて固定されて開口部を覆うカバーにより閉じられた構成とするのが有効である。
【0010】
また、上記の態様において、前記サポート壁は、ケースのスプライン歯の内周に嵌合可能な環状突出部を有する構成とするのが有効である。
【0011】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1記載の構成では、変速機構上必要なサポート壁のケース内への配設を可能としながら、リヤケース部をケースに一体化し、それによりケース外径方向への合わせ部の張出をなくしているので、ケースのほぼ全長に渡ってバルブボディの付設面を確保することができ、バルブボディの面積の制約をなくすことができる。
更に、サポート壁をケースに固定するための端面を、変速機構のブレーキのためのスプライン歯の端面を利用して構成したので、本来、変速機構のブレーキの摩擦部材の組み込みと支持のために必要な空間を利用したサポート壁の組み込みが可能となり、サポート壁の組み込みのためにケースを大型化する必要がなくなる。したがって、サポート壁の組み込みのために、特にケースの開口部側の外径を拡げる必要がなくなるため、ケースの外径を小さくすることができ、バルブボディの付設のためのケース軸方向長さのみならず、搭載スペースをも確保することができる。
【0012】
次に、請求項2記載の構成では、サポート壁をケースに固定するための端面と、ケース開口部を閉じるカバーをケースに固定するための端面とを、ケースの周方向にずらして配置しているので、これら両端面をほぼ同径部に配置しながらケース内へのサポート壁の組み込みが可能となる。それにより、サポート壁の組み込みのために、特にケースの開口部側の外径を拡げる必要がなくなるため、ケースの外径を小さくすることができ、バルブボディの付設のためのケース軸方向長さのみならず、搭載スペースをも確保することができる。
【0013】
また、請求項3記載の構成では、サポート壁をケースに固定するための端面と、ケース開口部を閉じるカバーをケースに固定するための端面とを、変速機構のブレーキのためのスプライン歯の端面を利用して構成し、しかも、スプライン歯の歯間をサポート壁を開口部側から組み込みのための挿入空間として利用しているので、本来、変速機構のブレーキの摩擦部材の組み込みと支持のために必要な空間を利用したサポート壁の組み込みが可能となり、サポート壁の組み込みのためにケースを大型化する必要がなくなる。したがって、この構成においても、サポート壁の組み込みのために、特にケースの開口部側の外径を拡げる必要がなくなるため、ケースの外径を小さくすることができ、バルブボディの付設のためのケース軸方向長さのみならず、搭載スペースをも確保することができる。
【0014】
更に、請求項4記載の構成では、サポート壁の環状突出部をケースのスプライン歯の内周に嵌合させることで、ケースに対するサポート壁の心だし位置決めが可能となり、それによりサポート壁に支持されるギヤの入力軸に対する確実な同心性を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿い、本発明の実施形態を説明する。本発明の主題とする変速機ケースの説明に先立ち、ケースの具体的構成にも係わるギヤトレインの概略構成から説明する。図1は本発明を具体化した車両用自動変速機の一実施形態のギヤトレインを、軸間を共通平面内に展開してスケルトンで示す。また、図2は上記自動変速機を端面からみて実際の軸位置関係を示す。この自動変速機は、互いに並行する主軸X、カウンタ軸Y、デフ軸Zの各軸上に各要素が配設された3軸構成とされている。そして、主軸X上の入力軸11の周りには、4つの変速要素S2,S3,C2(C3),R2(R3)を有するプラネタリギヤセットGと、減速プラネタリギヤG1と、2つのブレーキB−1,B−2と、3つのクラッチC−1,C−2,C−3とを備える変速機構が配置されている。
【0016】
この自動変速機では、プラネタリギヤセットGの小径のサンギヤS3がクラッチC−1により減速プラネタリギヤG1を介して入力軸11に連結され、大径のサンギヤS2がクラッチC−3により減速プラネタリギヤG1を介して入力軸11に連結されるとともにブレーキB−1によりケース10に係止可能とされ、キャリアC2(C3)がクラッチC−2により入力軸11に連結されるとともにブレーキB−2によりケース10に係止可能とされ、リングギヤR2(R3)が出力要素としてカウンタドライブギヤ19に連結されている。なお、図に示すギヤトレインでは、ブレーキB−2に並列させてワンウェイクラッチF−1を配しているが、これは、後に詳記する1→2変速時のブレーキB−2とブレーキB−1の掴み替えのための複雑な油圧制御を避け、ブレーキB−2の解放制御を単純化すべく、ブレーキB−1の係合に伴って自ずと係合力を解放するワンウェイクラッチF−1を用いたものであり、ブレーキB−2と同等のものである。
【0017】
次に、この実施形態のギヤトレインを更に詳細に説明する。主軸X上には、図示しないエンジンの回転を入力軸11に伝達するロックアップクラッチ付のトルクコンバータ4が配置されている。カウンタ軸Y上には、カウンタギヤ2が配置されている。カウンタギヤ2は、カウンタ軸20に固定され、カウンタドライブギヤ19に噛合する大径のカウンタドリブンギヤ21と、同じくカウンタ軸20に固定され、デフリングギヤ31に噛合する小径のデフドライブピニオンギヤ22とが配設されており、これらにより主軸X側からの出力を減速するとともに、反転させてディファレンシャル装置3に伝達する機能を果たす。デフ軸Z上には、ディファレンシャル装置3が配設されている。ディファレンシャル装置3は、デフリングギヤ31に固定してデフケース32が設けられ、その中に配置された差動歯車の差動回転が左右軸30に出力され、最終的なホイール駆動力とされる。
【0018】
プラネタリギヤセットGは、大小径の異なる一対のサンギヤS2,S3と、互いに噛合して一方が大径のサンギヤS2に噛合するとともにリングギヤR2(R3)に噛合し、他方が小径のサンギヤS3に噛合する一対のピニオンギヤP2,P3を支持するキャリアC2(C3)からなるラビニヨ式のギヤセットで構成されている。
【0019】
減速プラネタリギヤG1は、そのサンギヤS1を変速機ケース10に固定され、リングギヤR1を入力要素として入力軸11に連結され、キャリアC1を出力要素としてクラッチC−1及びクラッチC−3を介してプラネタリギヤセットGに連結されている。プラネタリギヤセットGの小径のサンギヤS3は、クラッチC−1に連結され、大径のサンギヤS2は、クラッチC−3に連結されるとともに、バンドブレーキで構成されるブレーキB−1により自動変速機ケース10に係止可能とされている。また、キャリアC2(C3)は、クラッチC−2を介して入力軸11に連結され、かつ、ブレーキB−2により変速機ケース10に係止可能とされるとともに、ワンウェイクラッチF−1により変速機ケース10に一方向回転係止可能とされている。そして、リングギヤR2(R3)がカウンタドライブギヤ19に連結されている。
【0020】
こうした構成からなる自動変速機は、図示しない電子制御装置と油圧制御装置とによる制御で、運転者により選択されたレンジに応じた変速段の範囲で車両負荷と車速に基づき、変速を行う。図3は各クラッチ及びブレーキの係合及び解放(○印で係合、無印で解放を表す)で達成される変速段を図表化して示す。また、図4は各クラッチ及びブレーキの係合(●印でそれらの係合を表す)により達成される変速段と、そのときの各変速要素の回転数比との関係を速度線図で示す。
【0021】
両図を併せ参照してわかるように、第1速(1ST)は、クラッチC−1 とブレーキB−2の係合(本形態において、作動表を参照してわかるように、このブレーキB−2の係合に代えてワンウェイクラッチF−1の自動係合が用いられているが、この係合を用いている理由及びこの係合がブレーキB−2の係合に相当する理由については後に詳述する。)により達成される。この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−1経由で小径サンギヤS3に入力され、ワンウェイクラッチF−1の係合により係止されたキャリアC3に反力を取って、リングギヤR3の最大減速比の減速回転がカウンタドライブギヤ19に出力される。
【0022】
次に、第2速(2ND)は、クラッチC−1 とブレーキB−1の係合により達成される。この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−1経由で小径サンギヤS3に入力され、ブレーキB−1の係合により係止された大径サンギヤS2に反力を取って、リングギヤR2(R3)の減速回転がカウンタドライブギヤ19に出力される。このときの減速比は、図4にみるように、第1速(1ST)より小さくなる。
【0023】
また、第3速(3RD)は、クラッチC−1とクラッチC−3の同時係合により達成される。この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−1とクラッチC−3経由で同時に大径サンギヤS2と小径サンギヤS3に入力され、プラネタリギヤセットGが直結状態となるため、両サンギヤへの入力回転と同じリングギヤR2(R3)の回転が、入力軸11の回転に対しては減速された回転として、カウンタドライブギヤ19に出力される。
【0024】
更に、第4速(4TH)は、クラッチC−1とクラッチC−2の同時係合により達成される。この場合、一方で入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−1経由でサンギヤS3に入力され、他方で入力軸11からクラッチクラッチC−2経由で入力された非減速回転がキャリアC3に入力され、2つの入力回転の中間の回転が、入力軸11の回転に対しては僅かに減速されたリングギヤR3の回転としてカウンタドライブギヤ19に出力される。
【0025】
次に、第5速(5TH)は、クラッチC−2とクラッチC−3の同時係合により達成される。この場合、一方で入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−3経由でサンギヤS2に入力され、他方で入力軸11からクラッチクラッチC−2経由で入力された非減速回転がキャリアC2に入力され、リングギヤR2の入力軸11の回転より僅かに増速された回転がカウンタドライブギヤ19に出力される。
【0026】
そして、第6速(6TH)は、クラッチC−2とブレーキB−1の係合により達成される。この場合、入力軸11からクラッチクラッチC−2経由で非減速回転がキャリアC2にのみ入力され、ブレーキB−1の係合により係止されたサンギヤS2に反力を取るリングギヤR2の更に増速された回転がカウンタドライブギヤ19に出力される。
【0027】
なお、後進(REV)は、クラッチC−3とブレーキB−2の係合により達成される。この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−3経由でサンギヤS2に入力され、ブレーキB−2の係合により係止されたキャリアC2に反力を取るリングギヤR2の逆転がカウンタドライブギヤ19に出力される。
【0028】
ここで、先に触れたワンウェイクラッチF−1とブレーキB−2との関係について説明する。上記の第1速と第2速時の両ブレーキB−1,B−2の係合・解放関係にみるように、これら両ブレーキは、両変速段間でのアップダウンシフト時に、一方の解放と同時に他方の係合が行われる、いわゆる掴み替えされる摩擦要素となる。こうした摩擦要素の掴み替えは、それらを操作する油圧サーボの係合圧と解放圧の精密な同時制御を必要とし、こうした制御を行うには、そのためのコントロールバルブの付加や油圧回路の複雑化等を招くこととなる。そこで、本形態では、第1速と第2速とで、キャリアC2(C3)にかかる反力トルクが逆転するのを利用して、ワンウェイクラッチF−1の係合方向を第1速時の反力トルク支持方向に合わせた設定とすることで、ワンウェイクラッチF−1に実質上ブレーキB−2の係合と同等の機能を発揮させて、第1速時のブレーキB−2の係合に代えて(ただし、ホイール駆動の車両コースト状態ではキャリアC2(C3)にかかる反力トルクの方向がエンジン駆動の状態に対して逆転するので、エンジンブレーキ効果を得るためには、図3に括弧付きの○印で示すようにブレーキB−2の係合を必要とする)、キャリアC2(C3)の係止を行っているわけである。したがって、変速段を達成する上では、ワンウェイクラッチを設けることなく、ブレーキB−2の係合により第1速を達成する構成を採ることもできる。
【0029】
このようにして達成される各変速段は、図4の速度線図上で、リングギヤR2,R3の速度比を示す○印の上下方向の間隔を参照して定性的にわかるように、各変速段に対して比較的等間隔の良好な速度ステップとなる。この関係を具体的に数値を設定して、定量的に表すと、図3に示すギヤ比となる。この場合のギヤ比は、減速プラネタリギヤG1のサンギヤS1とリングギヤR1の歯数比λ1=44/78、プラネタリギヤセットGの大径サンギヤ側のサンギヤS2とリングギヤR2(R3)の歯数比λ2=36/78、小径サンギヤ側のサンギヤS3とリングギヤR3の歯数比λ3=30/78に設定すると、入出力ギヤ比は、
第1速(1ST):(1+λ1)/λ3=4.067
第2速(2ND):(1+λ1)(λ2+λ3)/λ3(1+λ2)=2.354
第3速(3RD):1+λ1=1.564
第4速(4TH):(1+λ1)/(1+λ1−λ1・λ3)=1.161
第5速(5TH):(1+λ1)/(1+λ1+λ1・λ2)=0.857
第6速(6TH):1/(1+λ2)=0.684
後進(REV):−(1+λ1)/λ2=3.389
となる。そして、これらギヤ比間のステップは、
第1・2速間:1.73
第2・3速間:1.51
第3・4速間:1.35
第4・5速間:1.35
第5・6速間:1.25
となる。
【0030】
前記のギヤトレインの説明から明らかなように、この変速機では、プラネタリギヤセットGに減速プラネタリギヤG1により減速されて増幅されたトルクが入力されるところから、プラネタリギヤセットG自体の大型化と、それに伴う各部材の大型化が避けられない。そこで、こうした各部材の大型化にも拘わらず、各部材配置の工夫により、主として変速機構の軸長を短縮すべく、前記のようなギヤトレイン構成が採られている。
【0031】
次に、詳細な各部の構成と部材配置について、図5の全体断面、図6のA−A断面、図7及び図8の部分拡大断面を参照して説明する。なお、本明細書を通じて、各クラッチ及びブレーキという用語は、摩擦部材と油圧サーボを総称するものとする。したがって、クラッチC−1は摩擦部材63と油圧サーボ6で、同様にクラッチC−2は摩擦部材53と油圧サーボ5で、クラッチC−3は摩擦部材73と油圧サーボ7で構成されている。また、ブレーキB−1は、バンド83と図示しない油圧サーボで構成され、ブレーキB−2は、摩擦部材93と油圧サーボ9で構成されている。
【0032】
本発明の主題に係り、変速機構を収容するケース10Bは、一端に一体形成された後端壁部10eをリヤカバー部として有するとともに、後端壁部10eから前方に向かってテーパ状に拡径する周壁部10fを有し、他端に開口部10hを有する。本体10Bの周壁部10f内面には、ほぼ後端壁部10eから前端の開口部10hに達する複数条のスプライン歯10gが形成され、後端壁部10bには、入力軸11の後端を支持すべく、後端壁部から前方に突出する後側ボス部10bと、後に詳記するブレーキB−2の油圧サーボのシリンダの内周壁を構成する環状壁10e’が形成されている。そして、ケース10Bの軸方向ほぼ中央部には、開口部10hを通してケース10Bに着脱自在に、カウンタドライブギヤ19の支持のためのサポート壁10Cが設けられている。
【0033】
ケース10Bは、サポート壁10Cの取付け位置と、開口部10hの位置とに、開口部側に面し、互いに周方向の位置をずらして形成された端面10i,10jを有する。図6に示すように、サポート壁10Cは、ケース10Bの開口部10hの端面10jを通過可能で、サポート壁10Cの取付け位置の端面10iに当接する突出部10mを有し、取付け位置の端面10iに突出部10mを当接させてケース10Bにボルト止め固定され、ケース10Bの開口部10hは、その端面10jに当接させてボルト止め固定されて開口部10hを覆うカバー10Aにより閉じられている。このカバー10Aは、本形態では、オイルポンプボディと、それに固定のオイルポンプカバーから構成されている。また、カバー10Aには、オイルポンプカバーから後方に突出する前側ボス部10aが形成されている。
【0034】
更に詳しくは、ケース10Bは、その周壁10fの内周に沿って軸方向に延設され、変速機構におけるブレーキB−2の摩擦部材93を回り止め支持する複数条のスプライン歯10gを有し、スプライン歯10gは、サポート壁10Cの取付け位置で終端する短いスプライン歯10g’と、ケース10Bの開口部10hまで延びて終端する長いスプライン歯10g”とから構成されている。サポート壁10Cは、長いスプライン歯10g”の内周径より小径の外径部10kと、外径部から長いスプライン歯10g”の歯間を通過可能に突出して、短いスプライン歯10g’の終端面10iに当接可能な突出部10mとを有し、短いスプライン歯10g’の終端面10iに突出部10mを係止させてケースに固定されている。そして、ケース10Bの開口部10hは、長いスプライン歯10g”の終端面10jに当接させて固定されて開口部10hを覆うカバー10Aにより閉じられている。
【0035】
また、サポート壁10Cは、ケース10Bのスプライン歯10gの内周に嵌合可能な環状突出部10nを有する。この環状突出部10nは、サポート壁10Cの壁面から後方に外径部10kに沿って設けられ、放射方向のリブにより補強されている。
【0036】
次に、入力軸11は、加工の便宜上から前後2軸11A,11Bに分割され、スプライン係合で相互に連結一体化され、軸前半部11Aの軸内には、潤滑圧の供給油路11rとサーボ圧の供給油路11pが形成され、軸後半部11Bの軸内には、潤滑圧油路11sが形成されている。また、軸前半部11Aの後端寄りの外周には、フランジ11aが形成され、軸後半部11Bの後端寄りの外周には、フランジ11bが形成されている。そして、軸前半部11Aは、オイルポンプ配設位置の内周側と、フランジ11aの直前部で、それぞれブッシュを介して前側ボス部10aの内周に嵌挿されたスリーブ軸に支持され、軸後半部11Bは、前端を軸前半部11Aとのスプライン係合で、また後端をケース10の後側ボス部10bにベアリングを介して径方向支持され、支持部に隣接させて形成されたそれぞれのフランジ11a,11bと両ボス部先端との間に介装されたスラストベアリングにより軸方向支持されている。
【0037】
プラネタリギヤセットGは、入力軸11の軸後半部11Bの外周に配置され、サンギヤS3は、そのギヤ部と延長軸部をそれぞれブッシュを介して軸後半部11Bに両端支持され、サンギヤS2は、そのギヤ部と延長軸部をそれぞれブッシュを介してサンギヤS3の延長軸部に両端支持されている。キャリアC2(C3)は、その前端側をブッシュを介してサンギヤS2の延長軸部に片持ち支持され、リングギヤR2は、フランジ部材を介するスプライン連結で、カウンタドライブギヤ19に支持されている。そして、プラネタリギヤセットGのサンギヤS2は、その延長軸部をスプライン係合で動力伝達部材13に連結され、動力伝達部材13は、クラッチC−3のドラム72に端面噛み合いで連結されている。また、サンギヤS3は、その延長軸部をクラッチC−1の油圧サーボのシリンダ60の延長部にスプライン係合で連結されている。そして、キャリアC2(C3)は、その後端に固定されてプラネタリギヤセットGの外周側を前方に向かって延びるクラッチC−2のハブ54とブレーキB−2のハブとワンウェイクラッチF−1のインナレースとを一体化した部材に連結されている。更に、リングギヤR2(R3)は、上記のように、連結部材を介してカウンタドライブギヤ19に連結されている。
【0038】
減速プラネタリギヤG1は、前側ボス部10aの内周に嵌合固定されて前端部でトルクコンバータのステータをワンウェイクラッチを介してオイルポンプカバーに固定するスリーブ軸13の後端部に反力要素としてのサンギヤS1をスプライン係合で固定し、入力要素としてのリングギヤR1を入力軸11のフランジ11aの外周にスプライン係合で連結させて、変速機構の前側に配置されている。そして、出力要素としてのキャリアC1は、その前端側を、後に詳記するクラッチC−1,C−3に共通のハブ74に固定されている。
【0039】
次に、クラッチC−1,C−3の油圧サーボ6,7は、減速プラネタリギヤG1を挟んでその両側に、前後に向かい合わせに配置されている。そして、クラッチC−1の油圧サーボ6は、入力軸の軸前半部11Aの後端部外周に回転自在に支持され、外周側にドラム62を固定されたシリンダ60と、シリンダ60に摺動自在に嵌挿されたピストン61と、ピストン61の背面にかかる遠心油圧を相殺するキャンセルプレート65と、リターンスプリング66とから構成されている。この油圧サーボに対するサーボ圧の給排は、軸前半部11Aの軸内油路11pを介して行われる。
【0040】
このクラッチC−1に油圧サーボ6は、該クラッチの摩擦部材63の内周側に配置され、プラネタリギヤセットGのサンギヤS3に延長軸部でスプライン連結させて、クラッチC−1のドラム62からプラネタリギヤセットGのサンギヤS3に動力を伝達する部材とされている。そして、プラネタリギヤセットGのリングギヤR3からの出力をカウンタ軸に伝達するカウンタドライブギヤ19の支持部材としてのサポート壁10Cの内周側で入力軸に支持されている。
【0041】
クラッチC−3の油圧サーボ7は、前側ボス部10aの外周にブッシュを介して回転自在に支持され、外周側を拡径してドラム72とされたシリンダ70と、シリンダ70に摺動自在に嵌挿されたピストン71と、ピストン71の背面にかかる遠心油圧を相殺するキャンセルプレート75と、リターンスプリング76とから構成されている。この油圧サーボ7に対するサーボ圧の給排は、前側ボス部10aに形成されたケース内油路10qを介して行われる。
【0042】
クラッチC−1の摩擦部材63とクラッチC−3の摩擦部材73は、減速プラネタリギヤG1の外周側に並べて配置されている。そして、クラッチC−1の摩擦部材63は、内周側をハブ74にスプライン係合させ、外周側をドラム62にスプライン係合させた多板の摩擦材とセパレータプレートから構成され、ドラム62の先端に固定されたバッキングプレートと、油圧サーボ6内への油圧の供給によりシリンダ60から押し出されるピストン61とで挟持されるクラッチ係合作動により、ハブ74からドラム62にトルクを伝達する構成とされている。
【0043】
クラッチC−3の摩擦部材73は、内周側をハブ74にスプライン係合させ、外周側をドラム72にスプライン係合させた多板の摩擦材とセパレータプレートから構成され、ドラム72の先端に固定されたバッキングプレートと、油圧サーボ7内への油圧の供給によりシリンダ70から押し出されるピストン71とで挟持されるクラッチ係合作動により、ハブ74からドラム72にトルクを伝達する構成とされている。
【0044】
他方、クラッチC−2の油圧サーボ5は、プラネタリギヤセットGの後側、すなわち変速機構の最後部に配置され、内周側を入力軸後半部11Bのフランジ部11bに連結され、外周側を拡径延長してドラム52とされたシリンダ50と、シリンダ50に内包されたピストン51と、遠心油圧のキャンセルプレート55と、リンターンスプリング56とで構成されている。この油圧サーボ6の油圧の給排は、変速機ケースの後側ボス部10bに形成されたケース内油路10tを介して行われる。
【0045】
クラッチC−2の摩擦部材53は、プラネタリギヤセットGの外周側における後方で、かつ、リングギヤのない部位に、内周側をハブ54にスプライン係合させ、外周側をドラム52にスプライン係合させた多板の摩擦材ディスクとセパレータプレートから構成され、ドラム52の先端に固定されたバッキングプレートと、油圧サーボ5内への油圧の供給によりシリンダ50から押し出されるピストン51とで挟持されるクラッチ係合作動により、ドラム52からハブ54にトルクを伝達する構成とされている。
【0046】
次に、ブレーキB−1はバンドブレーキとされ、そのブレーキバンド83は、クラッチC−3のドラム72を締めつける構成とされている。なお、このバンドブレーキの油圧サーボは、ブレーキバンド83と同じ軸方向位置で、ドラム72に対して接線方向に延びるものであるため、図示を省略している。
【0047】
ブレーキB−2は、各クラッチと同様に多板構成とされ、その摩擦部材93は、プラネタリギヤセットGの外周側における前方に配置され、ブレーキB−2の油圧サーボ9は、クラッチC−2の油圧サーボ5の外周側におけるケース10の後端壁部10eに配置され、クラッチC−2の摩擦部材53の外側を通してブレーキB−2の摩擦部材93を係合可能とされ、ワンウェイクラッチF−1と並べて配置されている。そして、ブレーキB−2の油圧サーボ9は、変速機ケース10の後端壁部10eに、ピストン91を内包するシリンダを内蔵させた形態で設けられている。更に詳しくは、摩擦部材93のセパレータプレートが、それらの外周をスプライン係合でケース10の周壁部10fに回り止め支持され、摩擦材ディスクが、それらの外周をスプライン係合でブレーキハブに回り止め支持されている。また、油圧サーボ9は、ケース10の周壁部10fと、後端壁部10eと、後端壁部10eから軸方向に延びる環状壁10e’とで画定されるシリンダに環状のピストン91を嵌挿した構成とされ、ピストン91の延長部がクラッチC−2のドラム52の外周を通って摩擦部材93に対峙する配置とされている。ブレーキB−2の油圧サーボ9のリターンスプリング96とその受け部96’は、ブレーキB−2の摩擦部材93を支持するスプライン歯10gの歯間に配置されている。
【0048】
次に、カウンタドライブギヤ19の支持に関しては、該ギヤ19は、その支持部材を構成するサポート壁10Cの内周を後方に延びるボス部の外周にベアリング12を介して支持されている。このサポート壁10Cのケース本体10Bへの固定は前述のとおりである。
【0049】
最後に、上記のように変速機構が配置された入力軸10に対して、図5を参照してわかるように、カウンタ軸20の前端部には、オイルポンプボディを一部切り欠く形態でカバー10Aに軸方向に重ねて、ディファレンシャル装置3のデフリングギヤ31に噛み合うデフドライブピニオンギヤ22が配置されている。この最前部へのデフドライブピニオンギヤ22の配置に伴い、カウンタ軸20の前側は、デフドライブピニオンギヤ22の後方でケース10Bにベアリングを介して支持されている。そして、この位置関係から、クラッチC−3の油圧サーボ7は、デフリングギヤ31と径方向に重なった位置に配置され、クラッチC−3の摩擦部材93は、減速プラネラリギヤG1の外周でデフリングギヤ31と軸方向に一部重なった配置とされている。
【0050】
以上詳述したように、本実施形態のケース構成によれば、変速機構上必要なサポート壁10Cのケース10B内への配設を可能としながら、リヤケース部をケース10Bに一体化し、それによりケース外径方向への合わせ部の張出をなくしているので、ケース10Bのほぼ全長に渡ってバルブボディの付設面を確保することができ、バルブボディの面積の制約をなくすことができる。また、ケース10Bの後端を閉じることで、ケース10Bと別体とされるサポート壁10Cについて、サポート壁10Cをケース10Bに固定するための端面10iと、ケース開口部10hを閉じるカバー10Aをケース10Bに固定するための端面10jとを、ケース10Bの周方向にずらして配置することで、これら両端面10i,10jをほぼ同径部に配置しながらケース内へのサポート壁10Cの組み込みを可能としている。しかも、上記両端面10i,10jを、変速機構のブレーキB−2のためのスプライン歯10gの端面を利用して構成し、かつ、スプライン歯10gの歯間をサポート壁10Cを開口部10h側から組み込みのための挿入空間として利用しているので、本来、変速機構のブレーキB−2の摩擦部材93の組み込みと支持のために必要な空間を利用したサポート壁10Cの組み込みが可能となり、サポート壁10Cの組み込みのためにケース10Bが大型化するのを防いでいる。したがって、サポート壁10Cの組み込みのために、特にケース10Bの開口部側の外径を拡げる必要がなくなるため、外径を小さくすることができ、バルブボディの付設のためのケース軸方向長さのみならず、搭載スペースをも確保することができる。更に、サポート壁10Cの環状突出部10nをケース10Bのスプライン歯10gの内周に嵌合させることで、ケース10Bに対するサポート壁10Cの心だし位置決めがなされ、それによりサポート壁10Cに支持されるカウンタドライブギヤ19の入力軸11に対する確実な同心性を得ている。
【0051】
以上、本発明を特に適用効果の高いラビニヨ式のギヤセット主体とする6速の変速機構のものに適用して詳説したが、本発明は、変速機ケース内にサポート壁を必要とする種々の変速機構の自動変速機に適用可能なものであり、例示した実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用自動変速機の一実施形態の変速機構を展開して示すスケルトン図である。
【図2】上記変速機の実際の3軸位置関係を示す軸方向端面図である。
【図3】上記変速機の作動及び達成されるギヤ比並びにギヤ比ステップを示す図表である。
【図4】上記変速機の速度線図である。
【図5】上記変速機の全体構成を示す断面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】上記変速機の主軸部分の前半部を示す拡大断面図である。
【図8】上記変速機の主軸部分の後半部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 変速機ケース
10A カバー
10B ケース
10C サポート壁
10e 後端壁部(リヤケース部)
10f 周壁部
10g スプライン歯
10g’ 短いスプライン歯
10g” 長いスプライン歯
10h 開口部
10i,10j 端面
10k 外径部
10m 突出部
10n 環状突出部
11 入力軸
19 ギヤ(カウンタドライブギヤ)
20 カウンタ軸(他の軸)
93 摩擦部材
B−2 ブレーキ

Claims (4)

  1. ケース内に収容して、入力軸の周りに変速機構が配置され、該変速機構の出力を入力軸に並行する他の軸に伝達するギヤが、ケースのサポート壁に支持された車両用自動変速機において、
    前記ケースは、一端に一体形成されたリヤカバー部を有するとともに、他端に開口部を有し、更に前記ケースの周壁内周に沿って軸方向に延設され、前記変速機構におけるブレーキの摩擦部材を回り止め支持するスプライン歯を有し、
    前記サポート壁は、前記スプライン歯の終端面に当接可能な突出部を有し、前記開口部を通して前記スプライン歯の終端面に前記突出部を係止させて前記ケースに固定されることを特徴とする車両用自動変速機。
  2. 前記ケースは、前記サポート壁の取付け位置と、開口部の位置とに、開口部側に面し、互いに周方向の位置をずらして形成された端面を有し、
    前記サポート壁は、前記突出部が前記ケースの開口部の端面を通過して、前記サポート壁の取付け位置の端面に突出部を当接させて前記ケースに固定され、
    前記ケースの開口部は、該開口部の端面に当接させて固定されて開口部を覆うカバーにより閉じられた、請求項1記載の車両用自動変速機。
  3. サポート壁の取付け位置で終端する短いスプライン歯と、ケースの開口部まで延びて終端する長いスプライン歯とを備え、前記スプライン歯は、上記短いスプライン歯であり、
    前記サポート壁の突出部は、前記長いスプライン歯の内周径より小径の外径部を有し、該外径部から長いスプライン歯の歯間を通過可能に突出して、前記短いスプライン歯の終端面に当接可能に構成され
    前記ケースの開口部は、前記長いスプライン歯の終端面に当接させて固定されて開口部を覆うカバーにより閉じられた、請求項1記載の車両用自動変速機。
  4. 前記サポート壁は、前記ケースのスプライン歯の内周に嵌合可能な環状突出部を有する、請求項記載の車両用自動変速機。
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