JP3750253B2 - 自動変速機及びその組立て方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載される自動変速機とその組立て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車に搭載される自動変速機は、トルクコンバータと変速歯車機構とを組み合わせ、この変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素の選択的作動により切り換えて、エンジン側から駆動車輪側への動力伝達の変速比を自動的に切り換えるように構成したものであるが、この種の自動変速機においては、例えば特開平8−100844号公報に開示されているように、1速で変速歯車機構を構成する所定の回転部材を固定するに際し、エンジンブレーキを必要としないDレンジではワンウェイクラッチを用い、エンジンブレーキを必要とするLレンジ等においては油圧式の多板クラッチを用いて、上記回転部材を当該変速機のケースに結合するように構成することが行われる。
【0003】
その場合に、上記公報に開示された自動変速機においては、図9に示すように、変速歯車機構をエンジンに近い方のフロント遊星歯車機構aとエンジンから遠い方のリヤ遊星歯車機構bとで構成し、フロント遊星歯車機構aのインターナルギヤ(フロントインターナルギヤ)a1とリヤ遊星歯車機構bのピニオンキャリヤ(リヤキャリヤ)b1とをケースcに固定して1速を実現するように構成すると共に、その固定用の摩擦要素として、上記フロントインターナルギヤa1の前端部の外周面とケースcの内周面との間に多板クラッチでなるローリバースブレーキdを配置し、また、同じくフロントインターナルギヤa1の前端部の内周面とケースcの隔壁部c1に設けられたボス部c2の外周面との間にワンウェイクラッチeを配置した構成とされている。
【0004】
そして、このような構成の場合、上記ローリバースブレーキd及びワンウェイクラッチeは、次のような手順でケースcに組み付けられることになる。
【0005】
つまり、まず、図10に示すように、ケースcの後端部からローリバースブレーキdのピストンd1及びディッシュプレートd2を挿入して該ケースc内における隔壁部c1の後方に組み込んだ後、外周部にスプラインが形成された複数の固定側クラッチプレートd3…d3と内周部にスプラインが形成された回転側クラッチプレートd4…d4とを交互に重ねた状態で、固定側クラッチプレートd3…d3のスプラインをケースcの周壁部内周面に設けられたスプラインc3に噛み合わせながら挿入し、さらに、その後方にリテーナプレートd5を組み込んだ上でスナップリングd6を装着することにより、上記クラッチプレートd3…d3,d4…d4等をケースcの周壁部内側に組み付ける。
【0006】
また、ケースcのボス部c2には、上記ピストンd1のリターンスプリングd7を組み込んだ後、ワンウェイクラッチeのインナーレースe1をスプライン嵌合させ、その後方にスナップリングe2を装着することにより、該インナーレースe1をボス部c2に組み付ける。
【0007】
一方、フロントインターナルギヤa1の前端部内周面をワンウェイクラッチeのアウターレースe3とし、その内側に複数のロック部材e4…e4と、これらのロック部材e4…e4を前後両側から保持する断面コ字状の一対のリング部材e5,e5とを嵌合すると共に、その前後にリテーナ部材e6とスナップリングe7とをそれぞれ装着することにより、該フロントインターナルギヤa1の前端部内側にワンウェイクラッチeのロック部材e4…e4等を組み付ける。
【0008】
そして、このロック部材e4…e4等が装着されたフロントインターナルギヤa1をケースcの後部から組み込んで、該インターナルギヤa1の前端部外周面に形成されたローリバースブレーキdのハブ部材を構成するスプラインd8を、ケースc側に組み付けられている該ブレーキdの回転側クラッチプレートd4…d4の内周部のスプラインに順次噛み合わせると共に、該インターナルギヤa1の先端部内周面に保持されたワンウェイクラッチeのロック部材e4…e4をケースc側に組み付けられているインナーレースe1の外周面に嵌合させる。これにより、変速歯車機構を構成するフロントインターナルギヤa1の前端部の径方向の外側にローリバースブレーキdが、内側にワンウェイクラッチeがそれぞれ構成されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような構成の場合、ローリバースブレーキdとワンウェイクラッチeの組立て時に、次のような問題が発生することになる。
【0010】
つまり、フロントインターナルギヤa1をケースc内に組み込む際に、該インターナルギヤa1の前端部外周のスプラインd8をケースc側に組み付けられている回転側クラッチプレートd4…d4の内周のスプラインに噛み合わせて行くことになるが、この作業中にワンウェイクラッチeのロック部材e4…e4がケースc側に組み付けられているインナーレースe1に嵌合することになる。
【0011】
その場合に、複数枚のクラッチプレートd4…d4のスプラインは凹凸が一致していないから、フロントインターナルギヤa1のスプラインd8を噛み合わせる際に、1枚づつ順番にスプラインの凹凸を合わせながら噛み合わせなけれならず、また、ワンウェイクラッチeのロック部材e4…e4も、インナーレースe1に嵌合させる際に外方に寄せなければ円滑に嵌合させることができないのである。そして、このスプラインの噛み合わせ作業とロック部材e4…e4の嵌合作業とを同時に行う必要があるため、このフロントインターナルギヤa1の組み付け作業が著しく困難なものとなるのである。
【0012】
そして、この作業が困難なため、図10に鎖線で示すフロントキャリヤa2やフロントサンギヤa3、及びリヤキャリヤb1等を予めフロントインターナルギヤa1に組み付けておく所謂サブ組立てを行うことができず、該インターナルギヤa1の組み付け後に、上記フロントキャリヤa2等を改めて組み付けなければならないことになる。その場合、ケースcに各部品を順次組み付けてゆく当該自動変速機のメイン組立ラインに、フロントインターナルギヤa1の組み付けステーションに連続させて、上記フロントキャリヤa2等の組み付けステーションを設けなければならず、そのため、該メイン組立ライン上での作業工数が多くなって該ラインが長くなると共に、作業順序や作業者の配置、或は部品供給等の自由度が制限され、ひいては生産性の向上が妨げられることになるのである。
【0013】
なお、図9、図10の例では、フロントインターナルギヤa1にフロントキャリヤa2等を予め組み付けてなるサブ組立て体をケースcに組み込もうとした場合、前述のローリバースブレーキdのスプラインの噛み合わせ作業及びワンウェイクラッチeのロック部材e4…e4の嵌合作業と同時に、上記フロントキャリヤa2の前端のスプラインa2′を、ケースcのボス部c2にベアリングf,fを介して予め組み付けられた出力ギヤgの後端のスプラインg′に嵌合させる作業も行わなければならないことになり、そのため、このサブ組立て体の組み込み作業が一層困難なものとなるのである。
【0014】
そこで、本発明は、上記のような構成の自動変速機の組立てに際し、上記フロントインターナルギヤa1、フロントキャリヤa2、フロントサンギヤa3、及びリヤキャリヤb1等の変速歯車機構の所定の構成部品でなるサブ組立て体の組み込みを可能とし、これにより当該組立て作業の作業性の向上、ひいては当該自動変速機の生産性の向上を図ることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では次のような手段を用いる。
【0016】
まず、本願の請求項1に係る発明(以下、第1発明という)は、変速歯車機構を構成する所定回転部材の径方向外側及び内側に該所定回転部材を変速機ケースに結合するためのブレーキとワンウェイクラッチとが配置されている自動変速機であって、上記ブレーキが、外周部が上記変速機ケースの内面に形成されたスプラインに係合された複数の固定側クラッチプレートと、該固定側クラッチプレートに交互に重ねられて、内周部が上記所定回転部材であるハブの外周面に形成されたスプラインに係合された複数の回転側クラッチプレートとを有するものであり、上記ワンウェイクラッチが、上記所定回転部材であるアウターレースと、該アウターレースの内側に配置され、上記変速機ケースに固定されたインナーレースと、前記アウターレースの内周面とインナーレースの外周面との間に配置されたロック部材とを有するものであり、上記所定回転部材に変速歯車機構を構成する他の回転部材と上記ワンウェイクラッチのロック部材とを予め組み付けてなるサブ組立て体を、上記ブレーキの固定側及び回転側クラッチプレートと上記ワンウェイクラッチのインナーレースとを予め組み付けてなる変速機ケースへ軸方向に組み込むときに、サブ組立て体のハブのスプラインが変速機ケース側の全ての回転側クラッチプレートに噛み合ってから、サブ組立て体のロック部材が変速機ケース側のインナーレースに嵌合し始めるように、上記ハブのスプラインを上記回転側クラッチプレートの組み付け位置よりもサブ組立て体の組み込み方向前方に延長したことを特徴とする。
【0018】
さらに、請求項に係る発明(以下、第発明という)は、上記第1発明において、サブ組立て体に変速歯車機構を構成する第2の回転部材が予め組み付けられ、変速機ケースに出力ギヤが予め組み付けられ、これらの第2の回転部材と出力ギヤとがスプライン嵌合される構成において、上記サブ組立て体を上記変速機ケースへ軸方向に組み込むときに、サブ組立て体のハブのスプラインが変速機ケース側の全ての回転側クラッチプレートに噛み合ってから、サブ組立て体のロック部材が変速機ケース側のインナーレースに嵌合し始めるまでに、サブ組立て体の第2の回転部材が変速機ケース側の出力ギヤに嵌合し始めるように、上記出力ギヤのスプラインの後端部を所定寸法だけ切り欠いたことを特徴とする。
【0019】
そして、請求項に係る発明(以下、第発明という)は、上記第1発明または第2発明において、ブレーキは、変速機ケースに支持されて油圧の供給時に固定側クラッチプレートと回転側クラッチプレートとを締結するピストンを有し、このピストンの外周面と該面に対向する変速機ケースの内周面との間の空間が変速機ケースの内部を外部に連通させるブリーザ室とされていることを特徴とする。
【0020】
一方、請求項に係る発明(以下、第発明という)は、変速歯車機構を構成する所定回転部材の径方向外側及び内側に該所定回転部材を変速機ケースに結合するためのブレーキとワンウェイクラッチとが配置されている自動変速機の組立て方法であって、上記ブレーキが、外周部が上記変速機ケースの内面に形成されたスプラインに係合された複数の固定側クラッチプレートと、該固定側クラッチプレートに交互に重ねられて、内周部が上記所定回転部材であるハブの外周面に形成されたスプラインに係合された複数の回転側クラッチプレートとを有するものであり、上記ワンウェイクラッチが、上記所定回転部材であるアウターレースと、該アウターレースの内側に配置され、上記変速機ケースに固定されたインナーレースと、前記アウターレースの内周面とインナーレースの外周面との間に配置されたロック部材とを有するものであり、上記所定回転部材に変速歯車機構を構成する他の回転部材と上記ワンウェイクラッチのロック部材とを予め組み付けてサブ組立て体とし、上記ブレーキの固定側及び回転側クラッチプレートと上記ワンウェイクラッチのインナーレースとを変速機ケースへ予め組み付け、サブ組立て体のハブのスプラインが変速機ケース側の全ての回転側クラッチプレートに噛み合ってから、サブ組立て体のロック部材が変速機ケース側のインナーレースに嵌合し始めるように、上記サブ組立て体を上記変速機ケースへ軸方向に組み込むことを特徴とする。
【0021】
上記の各発明によれば、それぞれ次の作用が得られる。
【0022】
まず、第1発明によれば、サブ組立て体のハブのスプラインが変速機ケース側の全ての回転側クラッチプレートに噛み合ってから、サブ組立て体のロック部材が変速機ケース側のインナーレースに嵌合し始めるように、上記ハブのスプラインを上記回転側クラッチプレートの組み付け位置よりもサブ組立て体の組み込み方向前方に延長したから、当該変速機の組立て時において変速歯車機構を変速機ケースの内部に組み込む際に、所定回転部材がブレーキ及びワンウェイクラッチの構成部材に時間差を設けて順番に係合されることになって、該回転部材とブレーキの構成部材との係合が終了した後に、該回転部材とワンウェイクラッチの構成部材との係合を開始させることが可能となる。
【0024】
また、第発明によれば、所定回転部材を変速機ケースに組み込むに先立って予め該回転部材に組み付けられる第2の回転部材と予め変速機ケースに組み付けられる出力ギヤとが備えられ、これらの第2の回転部材と出力ギヤとがスプライン嵌合されるようになっている自動変速機において、変速歯車機構を変速機ケースの内部に組み込む際に、上記回転部材とブレーキ及びワンウェイクラッチの構成部材との係合動作と、上記第2の回転部材と出力ギヤとのスプライン嵌合動作の合計3つの動作が、いずれも時間差を設けて順番に行われることになる。
【0025】
さらに、第発明によれば、上記第1発明または第2発明の作用に加えて、変速機ケースの内部を外部に連通させるブリーザ室が、ブレーキのピストンの外周面と該面に対向する変速機ケース内周面との間の空間を利用して設けられることになるが、この空間は、ピストン及び変速機ケースが共に回転しないので、ブリーザ室内における遠心力による潤滑油の飛散がなく、該潤滑油飛沫の変速機ケース外部への排出が抑制されることになる。
【0026】
そして、特に、ハブのスプラインを延長するために、外側に配置されるブレーキのピストンを軸方向に延長させた場合には、この延長により該ピストンの外側に生じる空間を利用して上記のブリーザ室とすることができ、デッドスペースの有効利用が図られることになる。
【0027】
一方、第発明によれば、変速機ケースブレーキ及びワンウェイクラッチの所定の構成部品を予め組み付けておくと共に、回転部材には当該変速歯車機構を構成する他の回転部材及びワンウェイクラッチのロック部材を予め組み付けてサブ組立て体を構成し、このサブ組立て体を変速機ケースに組み込むことにしたから、変速歯車機構の所定回転部材に他の回転部材を組み付ける作業を当該自動変速機のメイン組立ラインの外部で行うことが可能となる。そして、このサブ組立て体の組み込み時においては、ハブのスプラインを回転側クラッチプレートの組み付け位置よりもサブ組立て体の組み込み方向前方に延長したから、所定回転部材をブレーキ及びワンウェイクラッチの構成部品に時間差を設けて順番に組み付けることが可能となって、その組み付け作業が容易に行われることになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につい説明する。
【0029】
まず、図1の骨子図により本実施の形態に係る自動変速機1の全体の概略構成を説明する。
【0030】
この自動変速機1は、主たる構成要素として、変速機ケース10内に、トルクコンバータ20と、該コンバータ20の出力により駆動される変速歯車機構を構成するフロント(トルクコンバータに近い側)及びリヤ(トルクコンバータから遠い側)の遊星歯車機構30,40と、これらの遊星歯車機構30,40でなる動力伝達経路を切り換える多板クラッチやワンウェイクラッチでなる複数の摩擦要素50〜100とを収納した構成で、これらによりDレンジにおける1〜4速、Sレンジにおける1〜3速及びLレンジにおける1〜2速と、Rレンジにおける後退速とが得られるようになっている。
【0031】
上記トルクコンバータ20は、エンジン出力軸2に連結されたケース21内に固設されたポンプ22と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポンプ22とタービン23との間に介設され、かつ、変速機ケース10にワンウェイクラッチ24を介して支持されてトルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース21とタービン23との間に設けられ、該ケース21を介してエンジン出力軸とタービン23とを直結するロックアップクラッチ26とで構成されている。そして、上記タービン23の回転がタービンシャフト27を介して遊星歯車機構30,40側に出力されるようになっている。
【0032】
ここで、このトルクコンバータ20の反エンジン側には、該トルクコンバータ20のケース21を介してエンジン出力軸2に駆動されるオイルポンプ111が配置されている。
【0033】
一方、上記フロント及びリヤ遊星歯車機構30,40は、いずれも、サンギヤ31,41と、このサンギヤ31,41に噛み合った複数のピニオン32…32,42…42と、これらのピニオン32…32,42…42を支持するピニオンキャリヤ33,43と、ピニオン32…32,42…42に噛み合ったインターナルギヤ34,44とで構成されている。
【0034】
そして、上記タービンシャフト27とフロントサンギヤ(フロント遊星歯車機構30のサンギヤ、以下同様に略記する)31との間にフォワードクラッチ50が、同じくタービンシャフト27とリヤサンギヤ41との間にリバースクラッチ60が、また、タービンシャフト27とリヤキャリヤ43との間に3−4クラッチ70がそれぞれ介設されていると共に、リヤサンギヤ41を固定する2−4ブレーキ80が備えられている。
【0035】
さらに、フロントインターナルギヤ34とリヤキャリヤ43とが連結されて、これらと変速機ケース10との間にローリバースブレーキ90とワンウェイクラッチ100とが並列に配置されていると共に、フロントキャリヤ33とリヤインターナルギヤ44とが連結されて、これらに出力ギヤ112が接続されている。
【0036】
そして、この出力ギヤ112が、中間伝動機構120を構成するアイドルシャフト121上の第1中間ギヤ122に噛み合わされていると共に、該アイドルシャフト121上の第2中間ギヤ123と差動装置130の入力ギヤ131とが噛み合わされて、上記出力ギヤ112の回転が差動装置130のデフケース132に入力され、該差動装置130を介して左右の車軸133,134が駆動されるようになっている。
【0037】
ここで、上記各クラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチ等の摩擦要素50〜100の作動状態と変速段との関係をまとめると、次の表1に示すようになる。
【0038】
なお、図2は図1の構成を具体的に記載したものであるが、この図2に示すように、変速機ケース10には、タービンシャフト27と一体的に回転するフォワードクラッチ50のドラム部材51の回転速度を検出するタービン回転数センサ113や、ワンウェイクラッチ100に潤滑油を供給するパイプ部材114等が設けられている。
【0039】
【表1】
Figure 0003750253
次に、図3により、この自動変速機1における本案の特徴部の構成を詳しく説明する。
【0040】
変速機ケース10の中間部には、該ケース10内を前後(エンジン側、反エンジン側)に仕切る隔壁部11が設けられ、この隔壁部11の内周部に後方へ延びる円筒状のボス部12が設けられている。そして、このボス部12の内部に、隔壁部11の前方に配置された出力ギヤ112の後方に延びるボス部112aがベアリング13,13を介して嵌合されて、該出力ギヤ112がケース10に回転自在に支持されている。
【0041】
また、上記隔壁部11の後方には、ローリバースブレーキ90、ワンウェイクラッチ100、並びにフロント及びリヤ遊星歯車機構30,40でなる変速歯車機構が配置されており、この変速歯車機構を構成するフロントキャリヤ33の前方に延びるボス部33aが上記出力ギヤ112のボス部112aの内側にスプライン嵌合されている。ここで、このスプライン嵌合部Xにおいては、出力ギヤ112側のスプライン112bの後端部が所定寸法だけ切り欠かれ、フロントキャリヤ33側のスプライン33bが後方から嵌合されるときに、その切り欠き部112cの寸法だけ前方位置で噛み合い始めるようにされている。
【0042】
また、このフロントキャリヤ33の後部には、リヤインターナルギヤ44が連結されていると共に、フロントサンギヤ31の前方へ延びるボス部31aは、上記出力ギヤ112のボス部112内を貫通して、該ギヤ112の前方に配置されたフォワードクラッチ50のハブ部材52に一体のボス部材53にスプライン嵌合され、スナップリング54により抜け止めされている。
【0043】
さらに、リヤサンギヤ41は、後方に配置された2−4ブレーキ80のドラム部材81(図2参照)にディスク部材45を介して連結されていると共に、リヤキャリヤ43の前方に延びるボス部43aには、3−4クラッチ70のハブ部材71に結合されて前方に延びるボス部材72がスプライン嵌合されている。そして、フロントインターナルギヤ34に設けられた後方への延長部34aの後端部に上記リヤキャリヤ43の外周部が一体回転するように係合されて、スナップリング35により結合されている。
【0044】
そして、このフロントインターナルギヤ34は前方にも延長され、その延長部34bが、該延長部34bの外周面と変速機ケース10の周壁部14の内周面との間に配置されたローリバースブレーキ90のハブ91、及び同じく該延長部34bの内周面と変速機ケース10のボス部12の外周面との間に配置されたワンウェイクラッチ100のアウターレース101として用いられるように構成されている。
【0045】
上記ローリバースブレーキ90は、変速機ケース10の隔壁部11の直後方において該ケース10のボス部12と周壁部14とに内外周面が前後に摺動自在に嵌合されたピストン92と、該ピストン92の後方へ延びる筒状部92aの後方に配置されて、外周部が上記ケース周壁部14の内面に形成されたスプライン14aに係合された複数の固定側クラッチプレート93…93と、これらのクラッチプレート93…93に交互に重ねられて、内周部が上記ハブ91(フロントインターナルギヤ34の延長部34b)の外周面に形成されたスプライン91aに係合された複数の回転側クラッチプレート94…94と、これらのクラッチプレート93…93,94…94の前後にそれぞれ配置されたディッシュプレート95及びリテーナプレート96とで構成されている。
【0046】
また、ケース周壁部14の内面における上記リテーナプレート96の後方には、上記クラッチプレート93…93,94…94等の後方への移動を阻止するスナップリング97が装着されていると共に、上記ピストン92と後述するワンウェイクラッチ100のインナーレース102との間には、皿バネでなるリターンスプリング98が装着されている。
【0047】
そして、ピストン92とケース隔壁部11との間の油圧室99に油圧が供給されたときに、該ピストン92がリターンスプリング98に抗して後方に移動して、その筒状部92aの後端部がディッシュプレート95を介して固定側クラッチプレート93…93と回転側94…94とを締結し、これにより、上記フロントインターナルギヤ34をケース10に結合して、該ギヤ34を固定するようになっている。
【0048】
また、上記ワンウェイクラッチ100は、上記アウターレース101(フロントインターナルギヤ34の延長部34b)と、その内側に配置されたインナーレース102と、該アウターレース101の内周面とインナーレース102の外周面との間に配置された複数のロック部材103…103と、これらのロック部材103…103を前後から保持する断面コ字状の一対のリング部材104,104とで構成されている。
【0049】
そして、上記インナーレース102は変速機ケース10のボス部12の外周部に後方からスプライン嵌合されて、スナップリング105により固定されていると共に、ロック部材103…103はリング部材104,104に挟持された状態で、アウターレース101の先端部に取り付けられたリテーナ部材106と該アウターレース101の後部に装着されたスナップリング107との間に保持されており、これにより、アウターレース101側から所定方向のトルクが作用したときに、ロック部材103…103が該アウターレース101とインナーレース102との間でロックして、アウターレース101、即ちフロントインターナルギヤ34を固定するようになっている。
【0050】
ここで、上記フロントキャリヤ33のボス部33aと出力ギヤ112のボス部112aとのスプライン嵌合部Xと、ワンウェイクラッチ100のインナーレース102とロック部材103…103との嵌合部Yと、ローリバースブレーキ90のハブ91と回転側クラッチプレート94…94とのスプライン嵌合部Zは、変速歯車機構の組立て性を考慮して、スプライン嵌合部Zのハブ91のスプライン91aを延長している。また、スプライン嵌合部Xの出力ギヤ112のスプライン112bの後端部を切り欠いている。次に、その位置関係を含めて変速歯車機構の組立て手順を説明する。
【0051】
まず、図4に示すように、予め変速機ケース10における隔壁部11の前方に出力ギヤ112を配置し、そのボス部112aを上記隔壁部11に設けられたボス部12内にベアリング13,13を介して回転自在に支持させる。また、上記隔壁部11の後方における変速機ケース10のボス部12と周壁部14との間の空間に、ローリバースブレーキ90のピストン92を収納すると共に、該ピストン92の後方にそのリターンスプリング98を配置した上で、ワンウェイクラッチ100のインナーレース102を上記ボス部12にスプライン嵌合し、スナップリング105により固定する。
【0052】
さらに、変速機ケース10の周壁部14の内側には、該ケース10の後方から上記ローリバースブレーキ90のディッシュプレート95を挿入した後、固定側及び回転側クラッチプレート93…93,94…94を交互に重ね合わせた状態で、固定側クラッチプレート93…93の外周のスプラインを上記周壁部14の内面のスプライン14aに係合させながら挿入し、さらにその後方にリテーナプレート96を挿入した後、スナップリング97を装着する。これにより、上記クラッチプレート93…93,94…94等が変速機ケース10の周壁部14の内側に取り付けられることになる。
【0053】
一方、変速機ケース10内に組み込まれる変速歯車機構については、予め、フロントインターナルギヤ34にワンウェイクラッチ100及びフロント、リヤ遊星歯車機構30,40の各構成部材を組み付けてなるサブ組立て体Aを構成しておく。
【0054】
つまり、フロントインターナルギヤ34の前方への延長部34bの内周面に、ワンウェイクラッチ100のロック部材103…103を前後一対のリング部材104,104に保持させた状態で嵌合して、リテーナ部材106とスナップリング107とによりこれらを固定しておく。
【0055】
また、該フロントインターナルギヤ34の中間部ないし後方への延長部34aの内側には、フロントキャリヤ33とリヤインターナルギヤ44との結合体、フロントサンギヤ31、及びリヤキャリヤ43、並びに複数のスラストベアリング36,46,47等を収納し、上記フロントキャリヤ33に支持されたピニオン32…32と該フロントインターナルギヤ34のギヤ部34c及びフロントサンギヤ31とを噛み合わせ、また、リヤキャリヤ43に支持されたピニオン42…42とリヤインターナルギヤ44とを噛み合わせる。そして、この状態で、リヤキャリヤ43の外周部とフロントインターナルギヤ34の後方への延長部34aの後端部とを係合させてスナップリング35を装着することにより、これらの構成部材を一体化したサブ組立て体Aを構成する。
【0056】
そして、このサブ組立て体Aを変速機ケース10の後部から前方へ組み込んで、まず、フロントインターナルギヤ34の外周に設けられたローリバースブレーキ90を構成するハブ91のスプライン91aを該ブレーキ90の回転側クラッチプレート94…94の内周のスプライン94a…94aに噛み合わせることになるが、このスプライン嵌合部Zは、ワンウェイクラッチ100の嵌合部Yや、出力ギヤ112とフロントキャリヤ33とのスプライン嵌合部Xに対して十分後方にオフセットされているので、図4に示すように、上記ハブ91のスプライン91aが回転側クラッチプレート94…94のスプライン94a…94aに噛み合い始める時点で、他の嵌合部X,Yにおける嵌合動作が開始されることはない。
【0057】
そして、同図に鎖線で示すように、上記ハブ91のスプライン91aが最も前方に位置する回転側クラッチプレート94のスプライン94aに噛み合った時点で、フロントキャリヤ33のスプライン33bと出力ギヤ112のスプライン112bとの間には、後者のスプライン112bの後端に設けられた切り欠き部112cによって寸法L1の間隔が生じており、また、ワンウェイクラッチ100におけるアウターレース102の後端部とロック部材103…103の先端部との間には寸法L2の間隔が生じている。
【0058】
したがって、上記ハブ91のスプライン91aを回転側クラッチプレート94…94のスプライン94a…94aに順次噛み合わせている間に、他の嵌合部X,Yにおける嵌合動作は行われないことになり、上記ハブ91のスプライン91aを各回転側クラッチプレート94…94のスプライン94a…94aに噛み合わせる作業のみを行えばよいことになる。
【0059】
そして、次に、図4に鎖線で示す状態から寸法L1だけサブ組立て体Aをさらに前方へ組み込んでゆくと、図5に示すように、上記フロントキャリヤ33のスプライン33bと出力ギヤ112のスプライン112bとの噛み合いが開始されることになるが、このとき、ワンウェイクラッチ100のインナレース102の後端とロック部材103…103の前端との間には、まだ寸法L3の間隔があり、したがって、図5に示す時点では、フロントキャリヤ33のスプライン33bと出力ギヤ112のスプライン112bとを噛み合わせるだけでよいことになる。
【0060】
また、図5に示す状態から上記寸法L3だけさらにサブ組立て体Aを前方へ組み込んでゆくと、次に上記ワンウェイクラッチ100のロック部材103…103がインナレース102に嵌合し始めることになるが、この時点では、図6に示すように、ローリバースブレーキ90におけるハブ91と回転側クラッチプレート94…94とのスプライン嵌合が完了しており、また、フロントキャリヤ33のスプライン33bと出力ギヤ112のスプライン112bとの噛み合わせも既に始まっているから、上記ワンウェイクラッチ100のロック部材103…103をインナレース102に嵌合させる作業を行うだけでよいことになる。
【0061】
その結果、各嵌合部X,Y,Zにおける嵌合動作を順次タイミングをずらせて行うことができるようになり、したがって、上記のように、フロントインターナルギヤ34(ハブ91、アウターレース101)に、フロントキャリヤ33、フロントサンギヤ31、及びリヤキャリヤ43や、ワンウェイクラッチ100のロック部材103…103等を予め組み付けてなるサブ組立て体Aを構成し、これを変速機ケース10内に組み込むようにすることが可能となるのである。
【0062】
そして、これに伴い、上記サブ組立て体Aの組み立てを、変速機ケース10に各部品を順次組み付けて行くメイン組立てラインの外部で行うことが可能となり、これにより、メイン組立てラインが短縮化されると共に、上記サブ組立て体Aの組み立て作業をメイン組立てライン上での作業とは切り離して行うことが可能となって、作業順序や作業者の配置、或は部品供給等の自由度が増大することになる。
【0063】
ここで、この実施の形態においては、図7に示すように、嵌合部Zにおいて、ローリバースブレーキ90におけるハブ91のスプライン91aの先端に設けられる面取り角度θが約60°の比較的大きな角度とされている。
【0064】
これは、鎖線で示すように、この面取り角度を30°程度の小さな角度とすると、該スプライン91aとクラッチプレート94のスプライン94aとの噛み合わせ時において両スプライン91a,94aの凸部同士が当接したときに、そのまま喰い込んでしまって正しく噛み合わせることができなくなる場合が生じるからであり、上記のように、面取り角度θを大きくすることにより、両スプライン91a,94aの凸部と凹部とが対応位置した場合にのみ噛み合うようになって、上記のような食い込みが防止されることになるのである。
【0065】
また、この面取り角度θを大きくすることにより、鎖線で示す該面取り角度が小さい場合より、寸法L4だけ両スプライン91a,94aの噛み合い開始時点を早めることができ、また噛み合い終了時点を早めることができる。
【0066】
さらに、この実施の形態においては、図3に示すように、ハブ91のスプライン91aを前方に延長するためにローリバースブレーキ90の嵌合部Zを後方に配置するに際し、ピストン92の後方に延びる筒状部92aの寸法を長くしており、これにより、変速機ケース10の隔壁部11の後方における上記筒状部92aの外側に軸方向寸法が比較的長い空間Bが生じている。その場合に、この空間Bは、図3及び図8に示すように、外周及び内周がいずれも回転しない変速機ケース10とピストン92の筒状部92aとにより構成されるので、この実施の形態では、この空間Bを変速機ケース10の内部を外部に連通させるためのブリーザ室15として利用しているのである。
【0067】
つまり、ブリーザ室が回転部材の周面等によって構成されると、該部材に付着したオイルが遠心力によって飛散して、その飛沫がケースの外部に排出され易くなるのであるが、上記のように、ブリーザ室15が非回転部材のみで構成されると、上記のようなオイル飛沫のケース外部への排出が防止されて、良好なエアブリージングが行われることになるのである。
【0068】
なお、このブリーザ室15は、図8に示すように、変速機ケース10の周壁部14に固着されたパイプ部材16と、これに接続されたホース17とを介して当該変速機1の所定の部位に設置されたブリーザユニット18に導かれており、該ユニット18を通じて変速機ケース10内が外部に連通されるようになっている。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、サブ組立て体のハブのスプラインが変速機ケース側の全ての回転側クラッチプレートに噛み合ってから、サブ組立て体のロック部材が変速機ケース側のインナーレースに嵌合し始めるように、上記ハブのスプラインを上記回転側クラッチプレートの組み付け位置よりもサブ組立て体の組み込み方向前方に延長したので、当該変速機の組立て時において変速歯車機構を変速機ケースの内部に組み込む際に、所定回転部材ないし該部材に予め組み付けられた部材が、変速機ケースに予め組み付けられたブレーキ及びワンウェイクラッチの構成部材に所定の時間差を設けて順番に係合されることになる。
【0070】
したがって、該所定回転部材等とブレーキの構成部材との係合が終了した後に、該所定回転部材等とワンウェイクラッチの構成部材との係合を開始させることが可能となり、これにより、上記所定回転部材に当該変速歯車機構を構成する他の部材を予め組み付けてサブ組立て体を構成し、これを変速機ケースに組み込むことが可能となって、変速機ケースに各部品を順次組み付けて行くメイン組立てライン上での作業工数が削減されることになる。その結果、該メイン組立てラインの短縮が可能となると共に、上記サブ組立て体の組立て作業をメイン組立てライン上での作業とは独立させて行うことが可能となって、作業順序や作業者の配置、或は部品供給等の自由度が増大し、ひいては当該自動変速機の生産性が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る自動変速機の機械的構成を示す骨子図である。
【図2】 同自動変速機の断面図である。
【図3】 同自動変速機における変速歯車機構とその周辺の拡大断面図である。
【図4】 サブ組立て体の組み付け作業の第1段階を示す断面図である。
【図5】 同じく第2段階を示す断面図である。
【図6】 同じく第3段階を示す断面図である。
【図7】 同自動変速機のローリバースブレーキの嵌合部の拡大図である。
【図8】 図3のx−x線で切断したブリーザ室の拡大断面図である。
【図9】 従来の自動変速機における変速歯車機構とその周辺の拡大断面図である。
【図10】 同自動変速機の組立て時の問題点を示す断面図である。
【符号の説明】
1 自動変速機
10 ケース部材(変速機ケース)
15 ブリーザ室
30,40 遊星歯車機構
34 所定回転部材(フロントインターナルギヤ)
90 摩擦要素(ローリバースブレーキ)
92 ピストン
93,94 クラッチプレート
100 摩擦要素(ワンウェイクラッチ)
A サブ組立て体

Claims (4)

  1. 変速歯車機構を構成する所定回転部材の径方向外側及び内側に該所定回転部材を変速機ケースに結合するためのブレーキとワンウェイクラッチとが配置されている自動変速機であって、
    上記ブレーキが、外周部が上記変速機ケースの内面に形成されたスプラインに係合された複数の固定側クラッチプレートと、該固定側クラッチプレートに交互に重ねられて、内周部が上記所定回転部材であるハブの外周面に形成されたスプラインに係合された複数の回転側クラッチプレートとを有するものであり、
    上記ワンウェイクラッチが、上記所定回転部材であるアウターレースと、該アウターレースの内側に配置され、上記変速機ケースに固定されたインナーレースと、前記アウターレースの内周面とインナーレースの外周面との間に配置されたロック部材とを有するものであり、
    上記所定回転部材に変速歯車機構を構成する他の回転部材と上記ワンウェイクラッチのロック部材とを予め組み付けてなるサブ組立て体を、上記ブレーキの固定側及び回転側クラッチプレートと上記ワンウェイクラッチのインナーレースとを予め組み付けてなる変速機ケースへ軸方向に組み込むときに、サブ組立て体のハブのスプラインが変速機ケース側の全ての回転側クラッチプレートに噛み合ってから、サブ組立て体のロック部材が変速機ケース側のインナーレースに嵌合し始めるように、上記ハブのスプラインを上記回転側クラッチプレートの組み付け位置よりもサブ組立て体の組み込み方向前方に延長したことを特徴とする自動変速機。
  2. サブ組立て体に変速歯車機構を構成する第2の回転部材が予め組み付けられ、
    変速機ケースに出力ギヤが予め組み付けられ、
    これらの第2の回転部材と出力ギヤとがスプライン嵌合される構成において、
    上記サブ組立て体を上記変速機ケースへ軸方向に組み込むときに、サブ組立て体のハブのスプラインが変速機ケース側の全ての回転側クラッチプレートに噛み合ってから、サブ組立て体のロック部材が変速機ケース側のインナーレースに嵌合し始めるまでに、サブ組立て体の第2の回転部材が変速機ケース側の出力ギヤに嵌合し始めるように、上記出力ギヤのスプラインの後端部を所定寸法だけ切り欠いたことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機。
  3. ブレーキは、変速機ケースに支持されて油圧の供給時に固定側クラッチプレートと回転側クラッチプレートとを締結するピストンを有し、
    このピストンの外周面と該面に対向する変速機ケースの内周面との間の空間が変速機ケースの内部を外部に連通させるブリーザ室とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動変速機。
  4. 変速歯車機構を構成する所定回転部材の径方向外側及び内側に該所定回転部材を変速機ケースに結合するためのブレーキとワンウェイクラッチとが配置されている自動変速機の組立て方法であって、
    上記ブレーキが、外周部が上記変速機ケースの内面に形成されたスプラインに係合された複数の固定側クラッチプレートと、該固定側クラッチプレートに交互に重ねられて、内周部が上記所定回転部材であるハブの外周面に形成されたスプラインに係合された複数の回転側クラッチプレートとを有するものであり、
    上記ワンウェイクラッチが、上記所定回転部材であるアウターレースと、該アウターレースの内側に配置され、上記変速機ケースに固定されたインナーレースと、前記アウターレースの内周面とインナーレースの外周面との間に配置されたロック部材とを有するものであり、
    上記所定回転部材に変速歯車機構を構成する他の回転部材と上記ワンウェイクラッチの ロック部材とを予め組み付けてサブ組立て体とし、
    上記ブレーキの固定側及び回転側クラッチプレートと上記ワンウェイクラッチのインナーレースとを変速機ケースへ予め組み付け、
    サブ組立て体のハブのスプラインが変速機ケース側の全ての回転側クラッチプレートに噛み合ってから、サブ組立て体のロック部材が変速機ケース側のインナーレースに嵌合し始めるように、上記サブ組立て体を上記変速機ケースへ軸方向に組み込むことを特徴とする自動変速機の組立て方法。
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