JP2004324753A - 自動変速機の動力伝達装置 - Google Patents

自動変速機の動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004324753A
JP2004324753A JP2003119362A JP2003119362A JP2004324753A JP 2004324753 A JP2004324753 A JP 2004324753A JP 2003119362 A JP2003119362 A JP 2003119362A JP 2003119362 A JP2003119362 A JP 2003119362A JP 2004324753 A JP2004324753 A JP 2004324753A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating member
gear mechanism
way clutch
transmission
spline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003119362A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4231963B2 (ja
Inventor
Shigeto Hongawara
成人 本瓦
Toshihisa Marusue
敏久 丸末
Kenichi Ohara
憲一 大原
Yoshiaki Uetake
嘉晶 上竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2003119362A priority Critical patent/JP4231963B2/ja
Publication of JP2004324753A publication Critical patent/JP2004324753A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4231963B2 publication Critical patent/JP4231963B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)

Abstract

【課題】ワンウェイクラッチと多板ブレーキとが軸方向のほぼ同位置で半径方向の外側と内側に配置された自動変速機において、回転部材の組み付け作業性を向上させる。
【解決手段】変速機ケース28の周壁部283の内側に多板ブレーキ46の固定側及び回転側の摩擦プレート462…462,463…463が組み付けられ、かつ該ケース281の筒状のボス部282の外側にワンウェイクラッチ45のインナレース452及びローラ453が組みつけられた状態で、これらの間に回転部材100の環状部102を軸方向に挿入したときに、まず外周部の外スプライン103が多板ブレーキ46における回転側摩擦プレート463…463の内スプライン463a…463aに嵌合し、その後、内周部(アウタレース451)がワンウェイクラッチ45のローラ453に係合するように、外スプライン103の延長部103aを設ける。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速歯車機構を構成する回転部材用の摩擦締結要素とワンウェイクラッチとが、軸方向のほぼ同じ位置で、半径方向の外側と内側に配置されている自動変速機の動力伝達装置に関し、自動変速機のコンパクト化と組立作業性改善の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車に搭載される自動変速機は、トルクコンバータと、遊星歯車機構等でなる変速歯車機構と、クラッチやブレーキ等の複数の摩擦締結要素とを有し、該摩擦締結要素を選択的に締結して、上記変速歯車機構の動力伝達経路を切り換えることにより、運転状態に応じた変速段が自動的に得られるように構成したものであるが、上記遊星歯車機構は、サンギヤと、リングギヤと、これらの間に介設されたピニオンを支持するキャリヤとで構成され、また、摩擦締結要素は、例えば多板クラッチや多板ブレーキの場合、通例、ドラム(ブレーキの場合はケース)と、ハブと、これらの間に介設された摩擦板とで構成され、これらの部材が選択的に連結されて所要の変速段を実現するための動力伝達経路が構成されることになる。
【0003】
また、上記摩擦締結要素としては、動力を一方向にのみ伝達するワンウェイクラッチが用いられることがあり、その場合、該ワンウェイクラッチのインナレース、アウタレース、及びこれらの間に介設されたローラ等のロック部材が動力伝達経路を構成することになる。
【0004】
このように、自動変速機においては、動力伝達経路を構成する多数の部材が備えられ、これらを所要の連結状態でケースに収納することになるが、その配置についてはさまざまなものが提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、所定の回転部材用の多板ブレーキとワンウェイクラッチとを、また、特許文献2には、所定の回転部材用のバンドブレーキとワンウェイクラッチとを、軸方向のほぼ同じ位置で、半径方向の外側と内側に配置したものが開示されている。これらによれば、多板ブレーキやバンドブレーキ等の摩擦締結要素とワンウェイクラッチとを軸方向に直列に配置する場合よりも、自動変速機の軸方向寸法が短縮され、該変速機がコンパクト化されることとなる。
【0006】
ところで、回転部材用のワンウェイクラッチを設けた場合、該回転部材とワンウェイクラッチのアウタレースまたはインナレースとを結合する必要があり、上記2つの特許文献のものでは以下のような構成とされている。まず、特許文献1のものにおいては、この結合を、回転部材とワンウェイクラッチのインナレースとを一体成形することで達成している。また、特許文献2のものにおいては、回転部材は、ワンウェイクラッチのアウタレース及びインナレースとは別部材とされる一方、多板ブレーキの回転側摩擦プレートのハブとして用いられており、その場合、これらの組立て時においては、ハブとしての回転部材を回転側摩擦プレートに嵌合させた後、該回転部材とワンウェイクラッチの構成部材(アウタレース)とを結合するようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特公平7−30816号公報
【特許文献2】
特開平5−231484号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
つまり、特許文献1,2に記載の変速機においては、回転部材はワンウェイクラッチまたは摩擦締結要素のいずれか一方の部材と兼用されているわけであるが、例えば部品数の削減等を目的として、回転部材を、摩擦締結要素のハブ、及びワンウェイクラッチの構成部材(アウタレースまたはインナレース)の両方と共用した場合、該回転部材の組み付け時に以下のような問題が生じる。
【0009】
まず、その問題を説明するために、特許文献2のものとは異なるが、図5を用いて、多板ブレーキの摩擦板とワンウェイクラッチとが軸方向(図5においては左右方向)のほぼ同位置で半径方向の外側と内側に配置された自動変速機について説明すると、この変速機は、変速歯車機構を構成する所定の回転部材aを変速機ケースbに対して固定する多板ブレーキcと、該回転部材aの回転をケースbに対して一方向のみ許容するワンウェイクラッチdとが、軸方向のほぼ同位置で、半径方向の外側と内側に配置されている。
【0010】
上記回転部材aは、その環状部a1が、該環状部a1の外周面と変速機ケースbの周壁部b1との間に配置された上記ブレーキcのハブc1として、また同じく環状部a1の内周面と変速機ケースbのボス部b2の外周面との間に配置された上記ワンウェイクラッチdのアウタレースd1として用いられるように構成されている。
【0011】
また、上記多板ブレーキcの固定側摩擦板c2は、その外周側のスプラインc2aが、ケースbの周壁部b1の内面に設けられたスプラインb3に嵌合され、回転側摩擦板c3は、その内周側のスプラインc3aが、上記回転部材aの一端側の環状部a1の外周面に形成されたスプラインa2に嵌合されている。回転部材aの他端側は、例えば遊星歯車機構を構成するサンギヤ等に連結されている。
【0012】
ワンウェイクラッチdのインナレースd2は、ケースbの中央部に設けられたボス部b2の外周面に設けられたスプラインb4に嵌合されていると共に、該インナレースd2に、ロック部材としてのローラd3が支持部材d4を介して支持されている。
【0013】
このような構成の場合、これらの部材は、以下のように組み付けられる。まず、図6に示すように、多板ブレーキcを構成する固定側摩擦プレートc2…c2と回転側摩擦プレートc3…c3とを交互にケースb側に組み付ける。また、ワンウェイクラッチdについては、ローラd3及び支持部材d4が予め組み付けられたインナレースd2を、ケースbのスプラインb4に組み付ける。
【0014】
次いで、この状態で回転部材aを組み付ける。すなわち回転部材aの環状部a1を摩擦プレートc2…c2,c3…c3と、ワンウェイクラッチdのローラd3との間に挿入することとなるが、その場合、上記摩擦板c2…c2、c3…c3のうち、回転側摩擦板c3…c3は単に固定側摩擦板c2…c2に挟まれているだけであるから、回転側摩擦板c3…c3の内周側にそれぞれ設けられたスプラインc3a…c3aの位置は、図7に示すようにずれているのが通例である。
【0015】
そのため、回転部材aのスプラインa2と回転側摩擦板c3…c3のスプラインc3aとを嵌合させるときには、1枚目の回転側摩擦板c3のスプラインc3aと回転部材aのスプラインa2とを噛合させた後、この噛合した状態で、回転部材a及びこれに噛合された回転側摩擦板c3を回転させて、2枚目の回転側摩擦板c3のスプラインc3aと回転部材aのスプラインa2とを噛合させる必要がある。そして、3枚目の回転側摩擦板c3のスプラインc3aと回転部材aのスプラインa2とを噛合させる場合にも、同様に、この噛合した状態で、回転部材a及びこれに噛合された回転側摩擦板c3を回転させて、3枚目の回転側摩擦板c3のスプラインc3a…c3aと回転部材aのスプラインa2とを噛合させる必要がある。
【0016】
つまり、この噛合作業時には、一枚一枚噛合させる都度、回転部材aを細かく回転させる必要があるが、多板ブレーキcの回転側摩擦板c3…c3とワンウェイクラッチdのローラd3とが軸方向のほぼ同位置に配置されていると、一枚目の回転側摩擦板c3のスプラインc3aと回転部材aのスプラインa2とを噛合させたときには、ワンウェイクラッチdのアウタレースd1(回転部材aの内周面)がローラd3に係合するから、その後は、回転部材aを一方向にしか回転させることができない。すなわち、回転部材aのスプラインa2と回転側摩擦板c3のスプラインc3aとを嵌合させるときの前述した細かく回転させる微調整作業が困難となる。
【0017】
そこで、本発明は、ワンウェイクラッチと多板ブレーキとが軸方向においてほぼ同位置に配置した自動変速機において、回転部材の組み付け作業性を向上させることができる自動変速機の動力伝達装置を提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の発明は、変速歯車機構と、該機構を構成する回転部材を変速機ケースに対して固定する多板式摩擦締結要素と、変速機ケースに対して該回転部材の回転を一方向にのみ許容するワンウェイクラッチとを有し、かつ上記摩擦締結要素とワンウェイクラッチとが、軸方向のほぼ同じ位置で、半径方向の外側と内側に配置されている自動変速機の動力伝達装置であって、上記回転部材は、外周部が上記摩擦締結要素の回転側摩擦板の内スプラインに嵌合する外スプラインとされ、内周部が上記ワンウェイクラッチのロック部材が係合するアウタレースとされた環状部を有すると共に、上記変速機ケースの周壁部の内側に上記摩擦締結要素の固定側及び回転側の摩擦板が組み付けられ、かつ該ケースの中央部に設けられた筒状部の外側に上記ワンウェイクラッチのインナレース及びロック部材が組み付けられた状態で、これらの間に上記回転部材の環状部を軸方向に挿入したときに、まず外周部の外スプラインが摩擦締結要素における回転側摩擦板の内スプラインに嵌合し、その後、内周部のアウタレースがワンウェイクラッチのロック部材に係合するように、該外スプラインが軸方向に延長されていることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、回転部材の外スプラインが、ケースの中央部に設けられた筒状部の外側に上記ワンウェイクラッチのインナレース及びロック部材が組み付けられた状態で、これらの間に上記回転部材の環状部を軸方向に挿入したときに、まず外周部の外スプラインが摩擦締結要素における回転側摩擦板の内スプラインに嵌合し、その後、内周部のアウタレースがワンウェイクラッチのロック部材に係合するように、該外スプラインが軸方向に延長されているから、回転部材の外スプラインと回転側摩擦板の内側スプラインとの嵌合時に、回転部材を両方向に回転させることができ、この結果、回転部材の組み付け性が改善されることとなる。
【0020】
また、ワンウェイクラッチと多板式摩擦締結要素とが、軸方向のほぼ同位置で、半径方向の外側と内側に配置されているから、これらの部材が軸方向において異なる位置に配置されている場合よりも、自動変速機の軸方向寸法が短縮され、自動変速機がコンパクトになる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、回転部材の外スプラインは、多板式摩擦締結要素の押圧ピストンの筒状部内の空間に延長されていることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、回転部材の外スプラインを、押圧ピストンの筒状部内の空間すなわちデッドスペースを利用して設けることができるから、自動変速機の軸方向寸法が長くなることがない。
【0023】
ところで、前述の特許文献2には、変速歯車機構として、入力軸上に主変速歯車機構が備えられ、かつ出力軸上に副変速歯車機構が備えられており、該副変速歯車機構を構成する回転部材をケースに対して固定する摩擦締結要素としてバンドブレーキが用いられているが、バンドブレーキは、そのバンドの締結制御を行うサーボ機構を設置するために大きなスペースが必要となり、副変速歯車機構が大型化する。その場合に、副変速歯車機構は、一般にエンジンルーム内において主変速歯車機構よりも後方側に位置するが、この後方側には例えばフレーム等の車体構造物や駆動輪のサスペンション等が配置されることから、コンパクト化の要求が大きい。
【0024】
そこで、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、変速歯車機構として、入力軸上に主変速歯車機構が備えられ、かつ入力軸に平行に配置された出力軸上に副変速歯車機構が備えられた自動変速機の動力伝達装置であって、副変速歯車機構を構成する回転部材のうちの所定の回転部材の外スプラインが延長されていることを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、副変速歯車機構がコンパクト化され、フレーム等の車体構造物や駆動輪のサスペンション等のレイアウトの自由度が増す。しかも、副変速歯車機構の組み立て性の改善も達成するすることができる。
【0026】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、変速歯車機構には遊星歯車機構が備えられており、外スプラインが延長される回転部材は、遊星歯車機構を構成するサンギヤに連結される回転部材であることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、遊星歯車機構を構成するサンギヤに連結される回転部材において、上記作用、効果が実現される。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、本実施の形態に係る自動変速機1は、エンジン2の出力が入力されるトルクコンバータ3と、2つの遊星歯車機構4,5を有する主変速歯車機構6と、これらの軸線と平行な軸線上に配置されて遊星歯車機構7を有する副変速歯車機構8とを備える。トルクコンバータ3はエンジン2の出力をエンジン出力軸9を介して入力し、タービン軸10(主変速歯車機構6の入力軸)を介して主変速歯車機構6に出力する。トルクコンバータ3の反エンジン側に配置されたオイルポンプ11はコンバータケース12及びポンプ13を介してエンジン出力軸9により駆動される。
【0029】
主変速歯車機構6について説明すると、タービン軸10と第1遊星歯車機構4のサンギヤ20との間にフォワードクラッチ21が、タービン軸10と第2遊星歯車機構5のサンギヤ22との間にリバースクラッチ23が、タービン軸10と第2遊星歯車機構5のピニオンキャリヤ24との間に3−4クラッチ25がそれぞれ備えられている。2−4ブレーキ26は第2遊星歯車機構5のサンギヤ22を固定する。第1遊星歯車機構4のリングギヤ27と第2遊星歯車機構5のピニオンキャリヤ24とが連結され、これらと変速機ケース28との間にローリバースブレーキ29と主変速ワンウェイクラッチ30とが並列に配置されている。第1遊星歯車機構4のピニオンキャリヤ31と第2遊星歯車機構5のリングギヤ32とが連結され、これらに出力ギヤ33が接続されている。
【0030】
次に副変速歯車機構8について説明すると、上記主変速歯車機構6の出力ギヤ33に常時噛み合った入力ギヤ40が該第3遊星歯車機構7のリングギヤ41に連結されていると共に、サンギヤ42とピニオンキャリア43の間に直結クラッチ44が備えられている。また、サンギヤ42と変速機ケース28との間には、副変速ワンウェイクラッチ45と減速ブレーキ46とが並列に配置されている。そして、第3遊星歯車機構7のピニオンキャリヤ43が出力軸47に連結され、該軸47に備えられた出力ギヤ48により、副変速歯車機構8の出力回転が該ギヤ48からデファレンシャル装置49の入力ギヤ50を介して左右の駆動軸51,52に伝達される。
【0031】
表1に示すように、上記主変速歯車機構6及び副変速歯車機構8の各摩擦要素21,23,25,26,29,30,44,46,45を選択的に作動させることにより前進5速、後退1速が得られる。
【0032】
【表1】
Figure 2004324753
【0033】
ここで、副変速ワンウェイクラッチ45は主に4速から5速への変速を円滑に行うために設けられている。すなわち、4−5シフトアップ変速においては、副変速歯車機構8の減速ブレーキ46が開放されて直結クラッチ44が締結される。そのときに、減速ブレーキ46が先に開放されても直結クラッチ44が締結されるまでは、ワンウェイクラッチ45がロック状態となってエンジン2の吹き上がりが防止される。
【0034】
次に、図2を用いて、前述した副変速歯車機構8の構造について説明する。変速機ケース28の中央部には、側壁部281から図面右側(エンジン側)に延びるボス部(筒状部)282が設けられ、該ボス部282の内側に軸47の反エンジン側端部がベアリング61を介して回転自在に支持されている。
【0035】
上記入力ギヤ40の後方には、前述した第3遊星歯車機構7、直結クラッチ44,減速ブレーキ46,副変速ワンウェイクラッチ45が配置されており、該第3遊星歯車機構7のサンギヤ42のボス部42aが、副変速ワンウェイクラッチ45及び多板式の減速ブレーキ46に連結される回転部材100のエンジン側端のボス部101にスプライン嵌合されている。該回転部材100と変速機ケース28のボス部282との間には、ベアリング62とオイルシール63とが設けられている。
【0036】
この回転部材100は、図3に示すように、図面左側(反エンジン側)に延び、その反エンジン側端の環状部102が、該環状部102の外周面と変速機ケース28の周壁部283との間に配置された減速ブレーキ46のハブ460として、また同じく環状部102の内周面と変速機ケース28のボス部282の外周面との間に配置された副変速ワンウェイクラッチ45のアウタレース451として用いられるように構成されている。減速ブレーキ46と副変速ワンウェイクラッチ45とは、軸方向のほぼ同じ位置で、半径方向の外側と内側に配置されている。
【0037】
上記減速ブレーキ46は、変速機ケース28の側壁部281側においてボス部282と周壁部283とに内外周面が前後に摺動自在に嵌合されたピストン461と、該ピストン461の筒状部461aの前方に配置されて、上記ケース周壁部283の内面に形成されたスプライン284に、外周側のスプライン462a…462aが嵌合された複数の固定側摩擦プレート462…462と、固定側摩擦プレート462…462に交互に重ねられて、上記回転部材100の環状部102の外周面に形成されたスプライン103(以下、外スプライン103という)に、内周側のスプライン463a…463a(以下、内スプライン463a…463aという)が嵌合された複数の回転側摩擦プレート463…463と、これらの摩擦プレート462…462,463…463の反エンジン側及びエンジン側(図面上左右)にそれぞれ配置されたディッシュプレート464及びリテーナプレート465とを有する。ケース周壁部283の内面におけるリテーナプレート465のエンジン側に、上記摩擦プレート462…462,463…463等の図面右側への移動を阻止するスナップリング466が装着されている。上記ピストン461と後述する副変速ワンウェイクラッチ45との間には、保持部材466,467で保持されたリターンスプリング468が配置され、スナップリング469で保持されている。
【0038】
そして、ピストン461とケース28の側壁部283との間の油圧室Yに油圧が供給されたときに、該ピストン461がリターンスプリング468に抗して図面右側に移動して、その筒状部461aのエンジン側端部がディッシュプレート464を介して固定側摩擦プレート462…462と回転側摩擦プレート463…463とを締結し、これにより、上記回転部材100を介してサンギヤ42をケース28に結合して固定するようになっている。
【0039】
また、上記副変速ワンウェイクラッチ45は、上記アウタレース451(回転部材100の環状部102の内周面)と、その内側に配置されて、変速機ケース28のボス部282の外周部に形成されたスプライン285にスプライン嵌合されたインナレース452と、アウタレース451の内周面とインナレース452の外周面との間に配置された複数のロック部材としてのローラ453…453と、これらのローラ453…453を挟持する一対のリング部材454,455とで構成されており、これにより、アウタレース451側から所定方向のトルクが作用したときに、ローラ453…453がアウタレース451とインナレース452との間でロックして、アウタレース451、すなわち回転部材100と、これに連結されたサンギヤ42との所定方向の回転を阻止して固定するようになっている。
【0040】
ここで、上記回転部材100は、該回転部材100の組み付け性を考慮して、環状部102の外スプライン103が反エンジン側に(図面左方に)延長されて、組立て用ガイドとしての延長部103aが設けられており、以下、その組立て手順について副変速歯車機構8の組立て手順を含めて説明する。
【0041】
まず、図4に示すように、変速機ケース28の側壁部281とボス部282との間の空間に、減速ブレーキ46のピストン461を収納すると共に、該ピストン461のエンジン側に保持部材466,467、及びリターンスプリング468を配置した上で、スナップリング469により固定する。
【0042】
次いで、変速機ケース28の周壁部283の内側に、該ケース28のエンジン側から上記減速ブレーキ46のディッシュプレート464を挿入した後、固定側及び回転側摩擦プレート462…462,463…463を交互に重ね合わせた状態で、固定側摩擦プレート462…462の外周のスプライン462a…462aを上記周壁部283の内面のスプライン284に係合させながら挿入し、さらにそのエンジン側にリテーナプレート465を挿入した後、スナップリング466を装着する。これにより、上記摩擦プレート462…462,463…463等が変速機ケース28の周壁部283の内側に取り付けられることになる。
【0043】
次いで、変速機ケース28の上記ボス部282の外面のスプライン285に、
副変速ワンウェイクラッチ45のインナレース452の内面のスプラインを係合させながら挿入する。なお、リング部材454,455、及びローラ453…453は、予めインナレース452に組み付けられている。
【0044】
次いで、変速機ケース28のボス部282の内周面にベアリング61を装着すると共に、ボス部282の外周面にオイルシール63を装着した後、変速機ケース28のボス部282のエンジン側端面にベアリング62を装着する。
【0045】
一方、上記回転部材100には、直結クラッチ44を構成するドラム440、ピストン441、固定側及び回転側摩擦プレート442…442,443…443等を予め組み付けて、サブ組立て体120を構成しておく。
【0046】
そして、このサブ組立て体120を変速機ケース28のエンジン側から反エンジン側へ移動させて組み込むこととなるが、その場合、回転部材100の環状部102を、減速ブレーキ46の摩擦プレート682…682,463…463と、副変速ワンウェイクラッチ45のローラ453…453との間に挿入することとなる。その場合、回転部材100の外周面に設けられた外スプライン103を、減速ブレーキ46の回転側摩擦プレート463…463の内周面に設けられたスプライン463a…463aに嵌合させることになるが、図4に示すように、延長部103a上の外スプライン103と、最もエンジンに近い側に位置する回転側摩擦プレート463の内スプライン463aとが噛合した時点では、副変速ワンウェイクラッチ45のアウタレース451(回転部材100の環状部102の内周面)とローラ453とは、まだ係合していない。次いで、回転部材100をさらに反エンジン側に組み込んでいって2番目にエンジンに近い側に位置する回転側摩擦プレート463の内スプライン463aと回転部材100の外スプライン103とを噛合させ、さらに、最もエンジンから遠い側に位置する回転側摩擦プレート463の内スプライン463aと回転部材100の外スプライン103とを噛合させることとなる。
【0047】
その場合に、それぞれの回転側摩擦プレート463…463の内スプライン463a…463aは、前述したように、通例、周方向等にずれているから、回転部材100の外スプライン103を、減速ブレーキ46の回転側摩擦プレート463…463の内スプライン463a…463aに係合させるときには、回転部材100を周方向に回転させなければならないが、本実施の形態においては、回転部材100の外周側スプライン103に延長部103aが設けられているから、鎖線で示すように、該外周側スプライン103の延長部103aと、該減速ブレーキ46の回転側摩擦プレート463…463の内スプライン463a…463aとが全て噛合した状態においても、副変速ワンウェイクラッチ45のローラ453は、副変速ワンウェイクラッチ45のアウタレース451とは、まだ係合しておらず、この結果、回転部材100を、副変速ワンウェイクラッチ45の制約なく周方向に回転させることができ、回転部材100、ひいてはサブ組立て体120の組み付け性が向上するのである。
【0048】
また、本実施の形態においては、図3に示すように、回転部材100の外スプライン103は、デッドスペースである押圧ピストン461の筒状部461aの内周面とリターンスプリング468との間の空間Zに延長されているから、回転部材100の外周側スプライン103に延長部103を設けても、自動変速機10の軸方向寸法が長くなることがない。
【0049】
また、本実施の形態においては、副変速歯車機構8は、エンジンルーム内において主変速歯車機構6よりも車両後方側に位置しており(図1において下方が車両後方側)、この後方側には図示しないフレーム等の車体構造物や駆動輪のサスペンション等を配置していることから、コンパクト化の要求が大きいが、軸方向のほぼ同位置に減速ブレーキ46と副変速ワンウェイクラッチ45とを配置したことにより副変速歯車機構8の軸方向寸法が短縮され、該副変速歯車機構8、ひいては自動変速機1がコンパクト化されることとなる。また、この結果、上記車体構造物やサスペンション等のホイール等の駆動系のレイアウトの自由度が増す。
【0050】
なお、本実施の形態においては、サンギヤ42に連結される回転部材100に延長部103aを設けたが、状況に応じて他の部材に設けてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、変速歯車機構を構成する回転部材用の摩擦締結要素とワンウェイクラッチとが、軸方向のほぼ同じ位置で、半径方向の外側と内側に配置されている自動変速機において、上記変速機ケースの周壁部の内側に上記摩擦締結要素の固定側及び回転側の摩擦板が組み付けられ、かつ該ケースの中央部に設けられた筒状部の外側に上記ワンウェイクラッチのインナレース及びロック部材が組み付けられた状態で、これらの間に上記回転部材の環状部を軸方向に挿入したときに、まず外周部の外スプラインが摩擦締結要素における回転側摩擦板の内スプラインに嵌合し、その後、内周部のアウタレースがワンウェイクラッチのロック部材に係合するように、該外スプラインが軸方向に延長されているから、回転部材の外スプラインと回転側摩擦板の内側スプラインとの嵌合時に、回転部材を両方向に回転させることができ、この結果、回転部材の組み付け性が改善されることとなる。
【0052】
また、ワンウェイクラッチと多板式摩擦締結要素とが、軸方向のほぼ同位置で、半径方向の外側と内側に配置されているから、これらの部材が軸方向において異なる位置に配置されている場合よりも、自動変速機の軸方向寸法が短縮され、自動変速機がコンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動変速機の骨子図である。
【図2】上記自動変速機の副変速歯車機構の構造図である。
【図3】副変速歯車機構の拡大構造図である。
【図4】回転部材組み付け中の一状態を示す図である。
【図5】従来の自動変速機の構造図である。
【図6】従来の自動変速機のにおける回転部材組み付け中の一状態を示す図である。
【図7】回転部材組み付け時における多板式摩擦締結要素の回転側摩擦プレートのスプラインの位置状態の説明図である。
【符号の説明】
1 自動変速機
6 主変速歯車機構
7 第3遊星歯車機構
8 副変速歯車機構
28 変速機ケース
45 副変速ワンウェイクラッチ(ワンウェイクラッチ)
46 減速ブレーキ(多板式摩擦締結要素)
51 第3遊星歯車機構のサンギヤ
100 回転部材
102 回転部材の環状部
103 回転部材の外スプライン
103a 回転部材の延長部
282 変速機ケースのボス部(変速機ケースの筒状部)
283 変速機ケースの周壁部
451 副変速ワンウェイクラッチのアウタレース(ワンウェイクラッチのアウタレース)
452 副変速ワンウェイクラッチのインナレース(ワンウェイクラッチのインナレース)
453 副変速ワンウェイクラッチのローラ(ワンウェイクラッチのロック部材)
461 減速ブレーキの押圧ピストン(多板式摩擦締結要素の押圧ピストン)
461a 減速ブレーキの押圧ピストンの筒状部(多板式摩擦締結要素の押圧ピストンの筒状部)
462 減速ブレーキの固定側摩擦プレート(多板式摩擦締結要素の固定側の摩擦板)
463 減速ブレーキの回転側摩擦プレート(多板式摩擦締結要素の回転側の摩擦板)
463a 減速ブレーキの回転側摩擦プレートの内スプライン(多板式摩擦締結要素の回転側の摩擦板の内スプライン)

Claims (4)

  1. 変速歯車機構と、該機構を構成する回転部材を変速機ケースに対して固定する多板式摩擦締結要素と、変速機ケースに対して該回転部材の回転を一方向にのみ許容するワンウェイクラッチとを有し、かつ上記摩擦締結要素とワンウェイクラッチとが、軸方向のほぼ同じ位置で、半径方向の外側と内側に配置されている自動変速機の動力伝達装置であって、上記回転部材は、外周部が上記摩擦締結要素の回転側摩擦板の内スプラインに嵌合する外スプラインとされ、内周部が上記ワンウェイクラッチのロック部材が係合するアウタレースとされた環状部を有すると共に、上記変速機ケースの周壁部の内側に上記摩擦締結要素の固定側及び回転側の摩擦板が組み付けられ、かつ該ケースの中央部に設けられた筒状部の外側に上記ワンウェイクラッチのインナレース及びロック部材が組み付けられた状態で、これらの間に上記回転部材の環状部を軸方向に挿入したときに、まず外周部の外スプラインが摩擦締結要素における回転側摩擦板の内スプラインに嵌合し、その後、内周部のアウタレースがワンウェイクラッチのロック部材に係合するように、該外スプラインが軸方向に延長されていることを特徴とする自動変速機の動力伝達装置。
  2. 回転部材の外スプラインは、多板式摩擦締結要素の押圧ピストンの筒状部内の空間に延長されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の動力伝達装置。
  3. 変速歯車機構として、入力軸上に主変速歯車機構が備えられ、かつ入力軸に平行に配置された出力軸上に副変速歯車機構が備えられた自動変速機の動力伝達装置であって、副変速歯車機構を構成する回転部材のうちの所定の回転部材の外スプラインが延長されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動変速機の動力伝達装置。
  4. 変速歯車機構には遊星歯車機構が備えられており、外スプラインが延長される回転部材は、遊星歯車機構を構成するサンギヤに連結される回転部材であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動変速機の動力伝達装置。
JP2003119362A 2003-04-24 2003-04-24 自動変速機の動力伝達装置 Expired - Fee Related JP4231963B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003119362A JP4231963B2 (ja) 2003-04-24 2003-04-24 自動変速機の動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003119362A JP4231963B2 (ja) 2003-04-24 2003-04-24 自動変速機の動力伝達装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004324753A true JP2004324753A (ja) 2004-11-18
JP4231963B2 JP4231963B2 (ja) 2009-03-04

Family

ID=33498602

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003119362A Expired - Fee Related JP4231963B2 (ja) 2003-04-24 2003-04-24 自動変速機の動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4231963B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006200690A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Mazda Motor Corp ワンウェイクラッチのインナーレース支持構造
JP2007192366A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機の摩擦係合装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103056822B (zh) * 2011-10-21 2014-09-10 盛瑞传动股份有限公司 一种自动变速器箱体的装配方法及其专用工具

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006200690A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Mazda Motor Corp ワンウェイクラッチのインナーレース支持構造
JP4654698B2 (ja) * 2005-01-24 2011-03-23 マツダ株式会社 ワンウェイクラッチのインナーレース支持構造
JP2007192366A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機の摩擦係合装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4231963B2 (ja) 2009-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3414077B2 (ja) 車両用自動変速機
JP3246139B2 (ja) 自動変速機用歯車変速装置
JP4085979B2 (ja) 自動変速機
US6835158B2 (en) Automatic transmission
US7998011B2 (en) Speed change apparatus
JP2000220705A (ja) 車両用自動変速機
US6878086B2 (en) Automatic transmission
US20090114501A1 (en) Frictional engagement device
JP3730457B2 (ja) 自動変速機
US6863635B2 (en) Speed change mechanism of automatic transmission
JP4175419B2 (ja) 自動変速機
JP2004324753A (ja) 自動変速機の動力伝達装置
JPH08100844A (ja) 自動変速機の動力伝達装置
JPH0794855B2 (ja) 自動変速機におけるクラツチ装置
JP3304847B2 (ja) 自動変速機
JP3712936B2 (ja) 自動変速機
JP4086080B2 (ja) 自動変速機
JP4086078B2 (ja) 自動変速機
JP2007092821A (ja) 摩擦係合装置
JP2008303962A (ja) 自動変速機
JPH02113151A (ja) 自動変速機におけるクラッチ連動装置
JPH0289869A (ja) 自動変速機
JP4900193B2 (ja) 自動変速機
JP3244082B2 (ja) 自動変速機
JP2007205579A (ja) 自動変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081124

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131219

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees