JP2000195112A - 相変化型情報記録媒体の初期化方法 - Google Patents
相変化型情報記録媒体の初期化方法Info
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Abstract
に、溝に対する垂直方向での結晶状態、反射率の均一性
が良い初期化を行うことにより、ドライブでの信号記
録、再生品質を安定させた初期化方法を提供する。 【解決手段】光ディスク初期化のためのレーザー光の強
度分布(光ディスクの記録溝方向に対して垂直方向の強
度分布)を、最大強度の半値幅のそれぞれの再端部から
10%までの部分の平均強度が半値幅の平均強度より小
さくする。
Description
することにより記録層材料に相変化を生じさせ、情報の
記録・再生を行い、かつ、書き換えが可能である相変化
型情報記録媒体の初期化方法に関するものである。
録媒体は、円盤状の基板上に第1誘電体層、記録層、第
2誘電体層、金属又は合金層をスパッタリング法により
形成し、その上にUV硬化樹脂層を塗布法によって形成
している。記録層はスパッタした状態では非晶質状態で
あるため、記録装置(ドライブ)で記録できるように結
晶化してやる必要がある。この記録層の結晶化工程を初
期化工程と呼んでいる。記録層膜を一旦メルティング温
度にまで昇温した後、冷却の時間を長くとれば結晶化
し、短い時間で冷却してやれば、非晶質状態となる。
性、重量、価格等の観点から、ほとんどがポリカーボネ
ート樹脂を使用している。そのため、全面を同等に初期
化しようとするとパワー密度が高くなりずきて、樹脂の
耐熱温度を越えてしまう恐れがある。そこで初期化の方
法としては、ディスクを回転させながら強度のレーザー
光をフォーカシングしながら照射してやり、部分的に結
晶化を進めて行くのが一般的である。
のレーザー光の長手方向をトラックと垂直になるように
して、レーザーヘッドまたは回転するディスクを半径方
向に少しずつ移動させていくことにより全面の初期化が
完了できる。この際、特にトラックに対して垂直の方向
の、長楕円状のレーザー光強度分布に大きなばらつきが
あると、初期化完了後のディスクの反射率が溝に対して
垂直方向に高低のあるものとなり、トラッキング信号が
ばらついてドライブでの書き込み、読み出しに支障を来
す恐れがある。
スク全面にスキャンさせながらゆっくり冷却させるた
め、初期化完了までには長い時間がかかる。
化型光ディスクの初期化工程において、特に溝に対して
垂直方向における結晶化状態や、反射率の均一性が良い
初期化を行うことにより、ドライブでの信号記録、再生
品質を安定させることである。また、本発明の他の目的
は、初期化全体にかかる時間を短縮することにより、生
産量を向上することである。
光ディスクの初期化について次のように考察した。本発
明はこれらに基づいてなされたものである。
度分布は、相変化型情報記録媒体の初期化工程におい
て、出来上がった記録媒体の信号品質、特にトラッキン
グ信号品質を大きく左右する。
し垂直方向のレーザー光強度分布において、その両端部
分のレーザー光強度をレーザー中央部の光強度と同じ又
は小さくすることにより、記録媒体の初期化後品質が良
くなる。つまり、長楕円状のレーザー光の長手方向のレ
ーザー光強度を両端部で鈍らせることにより、トラック
と垂直方向に均一な初期化品質を得ることができる。
ると、活性化層あるいは反射層の両端部でパワーが集中
するため、長手方向の両端部の出力が大きくなる傾向が
ある。そこで、レーザー光の出射面を正面として活性層
又は反射層の両側の側面を研摩することにより、両端部
の出力の上昇を抑えることができる。
ってしまった場合は、楕円ビームの長手方向の両端部に
相当する部分の出力を減衰させる光学フィルターを、光
学系の光路に挟み込むことにより、目的とするレーザー
光強度分布を持った初期化装置を得ることができる。
ザーを使用して行く内に、少しずつ低くなって行くこと
が解っている。そこで、初期化装置の光学系を組み立て
る前や、組み立てた後の実使用前に、許容電力の範囲内
で通電、遮断のON、OFFを繰り返すことにより、両
端部のレーザー光強度が鈍ったレーザーヘッドを製造す
ることができる。
力が鈍った初期化装置で、相変化型情報記録媒体を初期
化する場合の、送りステップ(相変化型情報記録媒体が
1回転する間に初期化のヘッドが記録溝に対して垂直
に、かつ相対的に移動する量)は、楕円ビームの長手方
向のレーザー光強度分布の、半値幅の2分の1以上、か
つ半値幅以下であることで、初期化工程のスピードアッ
プが可能となる。
向のレーザー光強度分布の半値幅は80μm以上である
ことが初期化工程のスピードアップのためには望まし
い。
型情報記録媒体に半導体レーザー光を照射して初期化す
る方法において、該相変化型情報記録媒体の記録溝方向
に対して垂直方向の該半導体レーザー光の強度分布は、
最大強度の50%に当たる強度を示す幅(半値幅)のそ
れぞれの両端部から10%までの部分の平均強度が、該
半値幅内の平均強度より小さいことを特徴とする相変化
型情報記録媒体の初期化方法が提供される。
度分布を得るために、半導体レーザーの活性化層または
反射層において、半導体レーザーの発光面に対して垂直
方向の側面を研摩することを特徴とする相変化型情報記
録媒体の初期化方法が提供される。
度分布を得るために、初期化装置の光学系に、相変化型
情報記録媒体の記録溝方向に対して垂直の強度分布の両
端部に当たる部分のレーザー光強度を減衰させるための
フィルターを付加したことを特徴とする、相変化型情報
記録媒体の初期化方法が提供される。
度分布を得るために、半導体レーザーに前もって許容電
力の80%以上の電力をかけて、6時間以上の通電を行
なってから使用することを特徴とする相変化型情報記録
媒体の初期化方法が提供される。
おいて、相変化型情報記録媒体が1回転する間に記録溝
に対して垂直に及び相対的に移動する初期化のためのヘ
ッド送り量が、半導体レーザー光の記録溝に対して垂直
の強度分布では半値幅の2分の1以上で、かつ半値幅以
内であることを特徴とする相変化型情報記録媒体の初期
化方法が提供される。
に対して垂直方向の強度分布で、半値幅が80μm以上
である半導体レーザー光を使用することを特徴とする相
変化型情報記録媒体の初期化方法が提供される。
に説明する。相変化型光ディスクの形態を図1に示す。
基本的な構成は、案内溝を有する基板51上に、第1保
護層52、記録層53、第2保護層54、反射放熱層5
5、オーバーコート層56を有する。さらに、好ましく
は、オーバーコート層56上に印刷層57、基板1の裏
面にハードコート層58を有する。
ス、樹脂などであり、特に成型性、光学特性、コストの
点で優れるポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂が好
ましい。また、基板の形状としてはディスク状、カード
状あるいはシート状であってもよい。基板の厚さは1.
2mm、0.6mmなどが好適である。一方、第1誘電
体層、記録層、第2誘電体層、反射放熱層はスパッタリ
ングにより形成し、その上のオーバーコート層はUV硬
化樹脂を塗布によって形成している。
含む四元素の相変化型記録材を主成分として含有する材
料が、記録(アモルファス化)感度・速度、消去(結晶
化)感度・速度、及び消去比が良好なため適している。
記録層の厚さは15〜35nmくらいが適当である。
は、SiO、SiO2、TiO2などの金属酸化物、Si
3N4、AlNなどの窒化物、ZnS、In2S3などの硫
化物、SiC、TaCなどの炭化物やダイヤモンド状カ
ーボンなどがあげられる。第1誘戯体層の厚さは65〜
130nmくらいが適当であり、第2誘電体層の厚さは
15〜45nmくらいが適当である。
u、Taなどの金属材料、またはこれらの合金などを用
いることができる。反射放熱層の厚さは7〜180nm
くらいが適当である。
作製した紫外線硬化樹脂が一般的であり、その厚さは7
〜15μmが適当である。
磁波としてはレーザー光、電子線、X線、紫外線、可視
光線、赤外線、マイクロ波など種々のものが採用可能で
ある。中でも小型でパワーが制御し易い半導体レーザー
が最適である。
以下に説明する。初期化装置はディスクを回転させる機
能と、ディスク回転軸をディスクの半径方向に移動させ
る、またはレーザーユニットをディスクの半径方向に移
動させる駆動機構と、LD発光機構、レーザー光をディ
スクの記録層に合焦させる光学系合焦機構、全体を制御
する電気制御機構を備えた装置となっている。
の非晶質状態から結晶化状態にまで一度に初期化するた
めには、ディスクを回転させながら、レーザー光による
加熱後冷却を行うことにより可能になる。ディスクの回
転数を一定にする角速度一定(CAV)の回転の場合、
半径値25cmの内周部と、半径値55cmの外周のパ
ワー密度が2倍以上違ってしまうため、通常は、半径値
に従って回転速度を調整する線速度一定(CLV)モー
ドで初期化を行う。
ザー)は、活性層の厚さが約100nm、幅が100〜
300μmの断面からレーザー光を発光し、レーザー光
は図2のような光学系を通して収束され、基板側から入
射したレーザー光は、ディスクの記録層で更に収束し、
その部分の温度を結晶化温度にまで上昇させる。
す端面から出射するが、エネルギーの分布は活性層の出
射面側の形状に近い、短辺0.2〜40μm×長辺80
〜200μmの長楕円形となる。これを光学系を使って
収束して短辺0.5〜20μm×長辺50〜150μm
の光束として、情報記録媒体に当たることになる。
長手方向のエネルギー分布は、光学系の収束後の分布に
も影響し、相変化型情報記録媒体の溝に対して垂直方向
の、初期化仕上がり特性に直接関係してくる。
れる情報記録媒体の全面積に対して最低1回、望ましく
は2回以上当たっている必要がある。収束されたレーザ
ー光は円形の記録媒体の場合は、楕円ビームの長手方向
の約100μm×円周分の面積を、情報記録媒体が1回
転する間にスキャンすることができる。このビームを情
報記録媒体の1回転する間に、溝と垂直方向に楕円ビー
ムの長手方向の大きさの100μmより小さい距離を移
動させることにより、全面に1回以上ビームをスキャン
させることが可能となる。
することにより、初期化に必要な時間は大きく短縮でき
る。例として、長手方向のビーム長が100μmである
レーザー光を使って、送り量を80μmとすると、図4
のように中央部の60μmにはレーザー光が1回だけ当
たり、両端部の20μmは2回レーザー光が当たるよう
になる。ここで、送り量をレーザービームの半値幅より
も大きくしてしまうと、記録媒体全面のうち、レーザー
ビームが1回も当たらない部分が生じるため、初期化は
完全に行なえない。
適な条件で初期化を行う。1回目レーザー光が当たるま
でに、ディスクが1回転する間の冷却の時間があるた
め、入射するエネルギーが単純に倍になるような計算に
はならないが、両端の各20μmの部分はある程度の過
度の初期化が行われて、中央部の60μm部よりも反射
率が大きくなり、溝に対して垂直方向のトラッキング信
号にばらつきが大きくなる。そのため、2回レーザー光
が当たる部分に相当する両端部のレーザーパワーが、1
回だけレーザー光が当たる部分に相当する中央部のレー
ザーパワーより低いようにしてやると、この不都合を回
避できる。
った場合、両端部のレーザーパワーが強くなっているの
が一般的なため、両端の各20μmに当たる部分の反射
率が高くなり、溝に対して垂直方向のトラッキング信号
にばらつきが大きくなる(図4(b))。そこで、今回
の発明の半導体レーザーや光学系を備えた初期化装置を
使った場合、重なり合う両端の各20μmの部分の反射
率が、中央部の60μmの部分の反射率との差が小さく
なり、トラッキング信号のばらつきが小さくなり、ドラ
イブでの書き込み、読み出しに関してのエラー発生率が
非常に小さくなる(図4(a))。
する。
mm厚のポリカーボネート基板に、第1保護層(65〜
130nm)、記録層(15〜35nm)、第2保護層
(15〜45nm)、反射放熱層(7〜180nm)を
枚葉型スパッタ装置によって連続製膜し、次いで、紫外
線硬化樹脂のスピンコートによるハードコート(2〜6
μm)、オーバーコート層(7〜15μm)を形成し、
相変化形光ディスクを作製した。記録層にはAgInS
bTeを用いた。第1保護層および第2保護層にはZn
S−SiO2を用いた。反射層にはアルミニウム合金を
用いた。
体レーザーを使った初期化装置を使用して初期化を行っ
た。ビーム強度の楕円長手方向の強度分布は図5のよう
になっており、半値幅は101μmで、両端部から半値
幅の10%入った部分までのレーザー光強度は、半値幅
内部の平均強度の−5%〜−10%になっている。
た初期化装置のビーム強度の楕円長手方向の強度分布は
図6のようになっており、半値幅は98μmで、両端部
から半値幅の10%入った部分までのレーザー光強度
は、半値幅内部の平均強度の±0%〜+13%になって
いる。
レーザーを120時間通電、及び遮断の試験を行なった
後のビーム強度分布である。初期の強度分布では両端部
強度が±5%〜+10%高かったが、両端部のレーザー
光強度が低下することにより、初期化完了後の信号品質
は向上した。
100μmの場合、レーザーヘッドの送り量を50μm
以下にすると、全面積で2回以上レーザー光が当たるた
め、パワー設定を低めにして均一な初期化後品質が得ら
れる。しかし、送り量80μmの時と比較すると生産量
が50%以下に落ちてしまう。この送り量を50μm以
上100μm以下にするには、本発明のレーザーヘッド
を持つ初期化装置が不可欠である。
情報記録媒体の記録溝に対し垂直方向の初期化状態が、
非常に均一な初期化が適切な速さが行なえる。また初期
化状態が均一なため、ドライブで書き込み読み出しを行
った場合のエラー発生率が低下する。 2)請求項2の発明によれば、相変化型情報記録媒体の
初期化に適切な初期化装置の一部品である高出力半導体
レーザーを、歩留良く簡単に製造することができる。 3)請求項3の発明によれば、初期化装置の一部品であ
る高出力半導体レーザーが、相変化型情報記録媒体の初
期化に適していないレーザー光強度分布を持つ特性だっ
た場合でも、初期化装置の光学系に少しの部品を加える
ことにより使用することができる。 4)請求項4の発明によれば、初期化装置の一部品であ
る高出力半導体レーザーが、相変化型情報記録媒体の初
期化に適していないレーザー光強度分布を持つ特性だっ
た場合でも、暫く通電試験を行ないエージングを施すこ
とにより使用することができる。 5)請求項5および6の発明によれば、相変化型情報記
録媒体の初期工程で、上記の良好な特性を持つ初期化を
早い速度で完了することができる。
変化型情報記録媒体に当たるレーザー光の強度分布を示
した図、(b)は通常のレーザー光を使ったときの相変
化型情報記録媒体に当たるレーザー光の強度分布を示し
た図。
布を示した図。
後のレーザー光の強度分布を示した図。
Claims (6)
- 【請求項1】 相変化型情報記録媒体に半導体レーザー
光を照射して初期化する方法において、該相変化型情報
記録媒体の記録溝方向に対して垂直方向の該半導体レー
ザー光の強度分布は、最大強度の50%に当たる強度を
示す幅(半値幅)のそれぞれの両端部から10%までの
部分の平均強度が、該半値幅内の平均強度より小さいこ
とを特徴とする相変化型情報記録媒体の初期化方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の半導体レーザー光の強度
分布を得るために、半導体レーザーの活性化層または反
射層において、半導体レーザーの発光面に対して垂直方
向の側面を研摩することを特徴とする相変化型情報記録
媒体の初期化方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の半導体レーザー光の強度
分布を得るために、初期化装置の光学系に、相変化型情
報記録媒体の記録溝方向に対して垂直の強度分布の両端
部に当たる部分のレーザー光強度を減衰させるためのフ
ィルターを付加したことを特徴とする、相変化型情報記
録媒体の初期化方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の半導体レーザーの強度分
布を得るために、半導体レーザーに前もって許容電力の
80%以上の電力をかけて、6時間以上の通電を行なっ
てから使用することを特徴とする相変化型情報記録媒体
の初期化方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の初期化
方法において、相変化型情報記録媒体が1回転する間に
その記録溝に対して垂直に及び相対的に移動する初期化
のためのヘッド送り量が、半導体レーザー光の記録溝に
対して垂直の強度分布では半値幅の2分の1以上で、か
つ半値幅以内であることを特徴とする相変化型情報記録
媒体の初期化方法。 - 【請求項6】 請求項5記載の初期化方法において、記
録溝に対して垂直方向の強度分布で、半値幅が80μm
以上である半導体レーザー光を使用することを特徴とす
る相変化型情報記録媒体の初期化方法。
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