JP2002245679A - 光情報記録媒体、その初期化方法及び初期化装置 - Google Patents

光情報記録媒体、その初期化方法及び初期化装置

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JP2002245679A
JP2002245679A JP2001044214A JP2001044214A JP2002245679A JP 2002245679 A JP2002245679 A JP 2002245679A JP 2001044214 A JP2001044214 A JP 2001044214A JP 2001044214 A JP2001044214 A JP 2001044214A JP 2002245679 A JP2002245679 A JP 2002245679A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は好適な初期化が可能な光情報
記録媒体、及びその初期化方法を提供する。 【解決手段】 案内溝を有した透明基板に少なくとも第
1誘電層、記録層、第2誘電層及び反射層を積層して形
成され、前記案内溝の間隔であるトラックピッチが1.
2μm以下、基板厚さが1.1mm〜1.3mmである光
情報記録媒体あり、前記光情報記録媒体に1回の走査で
照射するエネルギー密度を1100〜1400[J/m 2]とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD−RW、DV
D−RAM、DVD−RW、DVD+RW、PD等の相
変化型光ディスクに代表される光情報記録媒体、特にC
D−RW等の高密度化し、相変化を用いた書換え型の光
情報記録媒体及びその初期化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開平8-77614号公報に
は、相変化型の光情報記録媒体の初期化装置が開示され
ている。これには、テンデム光学系を用いて均一に高速
に初期を行う初期化装置に関する技術が開示され、光学
系と媒体に照射するレーザービームの形状を規定してい
る。しかし、これには照射エネルギーに関する記述は無
く、この発明の内容だけでは信号品質の良好な媒体を得
ることは出来ない。またマルチスピードでの記録、線速
4.8m/s以上での記録特性改善に関する記述は無い。
【0003】また、特開平9-73666号公報には、光情報
記録媒体とその製造方法および製造装置が開示されてい
る。これには、情報記録領域外に光学的に読み取り可能
なマークを記録し、メディアの識別情報を書き込む技術
が開示されるだけである。
【0004】また、特開平9-2129218号公報には、情報
の記録媒体とおよびその初期化方法および初期化装置が
開示されている。これは初期化に際し、記録膜の少なく
とも一部が融解することを特徴とした光情報記録媒体と
その初期化方法および初期化装置に関する。同時に初期
化に使用するビームの媒体上での形状を規定している。
さらに、長方形或いは楕円形で長手方向を記録トラック
に垂直に配置して初期化を行うことで、記録信号の改善
を行っている。また、媒体の層構成についても規定して
いる。
【0005】しかし、この特開平9-2129218号公報では
媒体に照射するエネルギー密度に関する記述は無く、記
録層が融解するだけで特性が改善できるとしているが、
実際には照射するエネルギーに大きく依存するので、改
善は期待できない。また、マルチスピード記録、記録線
速度4.8m/s以上の記録特性に関する記述は無い。
【0006】また、特開平10-241211号公報には、光記
録媒体の製造方法が開示されている。これでは、初期化
の前に改質工程を行うことで、初期化品質の向上を実現
している。しかし、実質、2回初期化を行うことにな
り、生産性の低下を招く。また、マルチスピード記録で
の記録品質、記録線速4.8m/s以上の高速記録に関する記
述は無い。
【0007】また、特開平10-289447号公報には、情報
記録媒体とその初期化方法及び初期化装置が開示されて
いる。これには、初期化に使用するビームスポットの角
度をトラックに対して平行以外とし、ビームをデフォー
カスすることで、初期化による反射率のむらを低減した
初期化方法および媒体が示されている。初期化の重なり
によるむらを低減し、トラック外れを防止している。し
かし、媒体にかかるエネルギー密度に関する記述は無
く、また、マルチスピード記録、記録線速4.8m/s以上で
記録特性に関する記述も無い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】CD-RW、DVD-RAM、DVD-
RW、DVD+RW、PDに代表される、相変化を用いた書き換え
型の光情報記録媒体では、媒体を作成した後に初期化を
行うのが一般的である。記録膜が成膜された直後ではア
モルファス状態であり、情報を記録する前に、記録領域
を結晶化させることが必要であるためである。この初期
化工程では高出力半導体レーザー、ガスレーザー等の光
源から発する光を集光し媒体に照射および走査させるこ
とで記録層を加熱、融解または融解に近い状態にし結晶
化または結晶化に近い状態にする。
【0009】この初期化方法によって媒体の記録信号特
性、特に書き換え型の光情報記録媒体の特徴であるオー
バーライト特性に大きく影響する。近年、媒体への記録
速度の高速化が進むと同時に、CAV記録のように異なる
記録速度(マルチスピード記録)で記録でき、かつ記録後
の信号が良好である光情報記録媒体が求められている。
【0010】また、このような高速化と同時に。高密度
化の傾向も進んでおり、CD規格を拡張したエンハンス
トスタンダード等が検討されているが、このような高密
度記録では、さらに記録マージンが狭く、初期化の影響
が大きくなっている。
【0011】前述したように、この初期化に関して従来
では十分な検討がなされていない。
【0012】したがって、本発明の目的は好適な初期化
が可能な光情報記録媒体を提供すること、さらにその初
期化方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は請求項1に記
載される如く、案内溝を有した透明基板に少なくとも第
1誘電層、記録層、第2誘電層及び反射層を積層して形
成され、前記案内溝の間隔であるトラックピッチが1.
2μm以下、基板厚さが1.1mm〜1.3mmであり、
光学的に情報を記録、消去及び読み出しを行うことが可
能である光情報記録媒体により達成される。
【0014】また、請求項2に記載の如く、請求項1に
記載の光情報記録媒体において、前記記録層の材料とし
て少なくともAg、In、Sb、Teを含有し、その原子パーセ
ントを表記する組成がAgαInβSbγTeδのとき、0.1≦
α≦3.0、5.0≦β≦12.0、0.0≦γ≦72.0、22.0≦δ≦3
0.0 (単位:原子パーセント)であることが好ましい。
【0015】そして、上記目的は、請求項3に記載の如
く、請求項1又は2に記載の光情報記録媒体を初期化す
る方法であって、高出力半導体レーザーの照射スポット
を走査させ、1回の走査で前記光情報記録媒体に照射す
るエネルギー密度を1100[J/m 2]以上とした光情報記録媒
体の初期化方法によっても達成される。
【0016】また、上記目的は、請求項4に記載の如
く、請求項1又は2に記載の光情報記録媒体を初期化す
る方法であって、高出力半導体レーザーの照射スポット
を走査させ、1回の走査で前記光情報記録媒体に照射す
るエネルギー密度を1400[J/m2]以下とした光情報記録媒
体の初期化方法によっても達成される。
【0017】また、請求項5に記載の如く、請求項1又
は2に記載の光情報記録媒体を初期化する方法であっ
て、高出力半導体レーザーの照射スポットを走査させ、
1回の走査で前記光情報記録媒体に照射するエネルギー
密度を1100〜1400[J/m2]とすることが好ましい。
【0018】さらに、本発明の範疇には、請求請6に記
載の如く、案内溝を有した透明基板に少なくとも第1誘
電層、記録層、第2誘電層及び反射層を積層して形成さ
れ、前記案内溝の間隔であるトラックピッチが1.2μ
m以下、基板厚さが1.1mm〜1.3mmである光情報
記録媒体を初期化する装置であって、高出力半導体レー
ザーの照射スポットを走査させ、1回の走査で前記光情
報記録媒体に照射するエネルギー密度を1100〜1400[J/m
2]とした初期化装置も含む。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態及び実施例を説明する。
【0020】本発明の光情報記録媒体20の一例には、
図1に示す構成を採用することができる。透明基板21
上に第1誘電層22、記録層23、第2誘電層24、反射
層25、保護層26を順次積層する。また、保護層26
の上に印刷層27や透明基板21の下面にハードコート
層28を設けてもよい。
【0021】透明基板21は光情報を記録、消去、再生
する光の波長領域で透明であることが必要である。透明
基板21の厚さは1.1〜1.3mm程度とすることが好まし
い。この透明基板21の材料としてはガラス、セラミク
ス、樹脂等が例示でき、透明性および成型の容易さか
ら、樹脂を用いるのが好ましい。このような樹脂として
はポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共
重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、
シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタ
ン樹脂などを挙げることができるが、特に成型性、光学
特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、アク
リル系樹脂が好ましい。
【0022】透明基板21上には案内溝(グルーブ)が
形成されており、その間隔は高密度記録に対応するため
には1.2μm程度とされている。
【0023】第1誘電層22、第2誘電層24は熱特性、
光学特性から、誘電体を用いる。誘電体としては、Si
O2、SiO、ZnO、SnO2、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2等の酸化
物、Si 3N4、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、ZnS、In
2S3、TaS4硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrC等の炭
化物又はダイヤモンド状炭素があり、これらの誘電体の
単体、もしくは2種以上の混合物が用いられる。
【0024】各誘電層は真空成膜を用いて成膜され、成
膜方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法、CVD法等が例としてあげられ、生
産性・低コスト性から、スパッタリング法を用いるのが
好ましい。第1誘電層及び第2誘電層の材料及び膜厚は、
各々独立に任意に設定でき、光学特性、熱特性から最適
値を設定する。これらの膜厚としては、10nm〜5000nm程
度である。
【0025】また、前記記録層23には相変化材料を用
いる。光情報記録媒体に適している相変化材料として
は、合金系の材料を用いるが好ましく、GeTe、GeTeSe、
GeTeS、GeSeSb、GeSeSb、GeAsSe、InTe、SeTe、SeAs、G
e-Te-(Sn、Au、Pd)、GeTeSeSb、 GeTeSb、 AgInSbTe、G
eInSbTe、GeAgInSbTe の合金系を例示できる。各合金
系の組成比は、記録線速度によって最適化される。ま
た、上記の元素を主成分とする合金系に任意の元素を不
純物として混入しても良く、混入する不純物としては、
B、N、C、O、Si、P、Ge、S、Se、Al、Ti、Zr、V、Mn、F
e、Co、Ni、Cr、Cu、Zn、Sn、Pd、Pt、Au等を例示でき
る。
【0026】特に上記記録層にAg、In、Sb、Teを少なく
とも用いた場合、記録によって形成される、安定相(結
晶化相)と準安定相(アモルファス相)の境界が明瞭なた
め、マークエッジ記録方式を用いた記録方式には適して
おり、不純物として微量のNを添加することで、記録線
速マージンを広く取ることが可能である。
【0027】また、上記の材料を用いた場合、各元素の
原子パーセントで表記される組成がAgαInβSbγTeδの
とき、0.1≦α≦3.0、5.0≦β≦12.0、60.0≦γ≦72.
0、22.0≦δ≦30.0 (単位:原子パーセント)であるこ
とが望ましい。
【0028】この記録層は真空成膜法で積層され、真空
成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、CVD法等があげられ、生産性・
低コストからスパッタリング法を採用するのが望まし
い。
【0029】また、前記反射層25は、記録再生光の反
射および記録時に発生する熱を放熱する機能を有する。
反射放熱層25の材料として金属および合金が用いら
れ、例としてAg、Au、Alまたはこれらの金属にTi、Si、
Cr、Ta、Cu、Pd、C等を1種以上混合した合金があり、熱
的特性、光学的特性、および生産性を考慮すると、Alを
主成分とする合金を用いるのが好ましい。合金の組成お
よび反射層の膜厚は任意に設定でき、熱的特性および光
学的特性から最適化するのが望ましい。
【0030】前記保護層26は、光硬化樹脂、電子線硬
化樹脂等を主成分とする樹脂材料を用いる。これらの樹
脂としては、成膜性、硬化の簡易性から光硬化樹脂を主
成分とする樹脂材料を用いることが望ましい。光硬化樹
脂としては、紫外線硬化樹脂が一般的である。また、成
膜方法としては、ディッピング法、スピンコート法等が
例示できる。
【0031】さらに、媒体の保護層26上に1層以上の
印刷層27を設けて、レーベルを作成したり、基板の下
面上にハードコート層28を設けて引掻き強度を向上さ
せても良い。印刷層の材料としては公知の光硬化インク
を使用でき、成膜はスクリーン印刷を用いるのが一般的
である。ハードコート層28の材料および成膜方法は保
護層26と同様のものが利用できる。また、2つの媒体
を保護層面同士を張り合わせてもよい。
【0032】前記光情報記録媒体20の好適な初期化方
法および初期化装置は以下に記述するエネルギー密度で
特徴付けられる。
【0033】光情報記録媒体20の初期化に用いる照射
光の出力、走査速度は1回の走査による照射で媒体にか
かるエネルギー密度Eによって決定されなければならな
い。光源の射出出力をP、走査速度をV、ビームの媒体
上での照射面積をS、ビームの走査方向の幅をWt、走
査方向に垂直な方向の幅をWrとするとき、エネルギー
密度Eは以下の式で表される。
【0034】 E=P・V/(S・Wt)=P/(Wr・V) このエネルギー密度Eは1回の走査で光情報記録媒体の
単位面積当たりにかかるエネルギーを表したもので、記
録層の初期化状態に直接影響する量である。このエネル
ギー密度Eが高いと記録層に熱量が強くかかるため、記
録層が融解したときの温度が上昇する。その結果として
安定な結晶化状態となる。CD規格に代表されるような
低密度の記録媒体では、このような状態の記録層にアモ
ルファスマークを形成すると、記録マークを形成すると
きのエネルギーで、マークのエッジ部がさらに安定な結
晶化状態となる。
【0035】そのために低密度の光情報記録媒体の場合
では、この安定なマークの上にランドをオーバーライト
すると、アモルファスマークを十分にイレースできなく
なってしまう。このような現象は1回目のオーバーライ
トでのジッタの悪化という結果になる。
【0036】ところが、案内溝の間隔が1.2μm以下で
あるような本発明の高密度の光情報記録媒体に対して
は、記録には高いNAの光ピックアップを用いることが
多く、NAとしては、0.55以上であることが望ましい。
その場合、記録時の媒体に照射されるエネルギー密度が
高いため、初期の結晶化状態の影響が少なくなると同時
に、低いエネルギー密度での初期化で発生する、反射率
の微小変動が、ジッタに大きく影響する。この反射率変
動は、1回目のオーバーライト時のジッタに大きく影響
する。1回目のオーバーライトの特性を良好とするよう
な、Eの下限値EminはEmin=1100J/m2である。よっ
て、本発明での初期化方法ではE≧Eminを満たすよう
に、光情報記録媒体20の初期化がなされる。
【0037】その一方で、高いエネルギー密度で初期化
した場合、記録層、および誘電層にダメージがあり、劣
化を促進させる場合がある。そのため、多数回のオーバ
ーライト時のジッタを著しく低下させる傾向にある。そ
のようなエネルギー密度の上限はEmax=1400J/m2であ
る。よって、初期化方法ではE≦Emaxであることが好
ましく、本発明の光情報記録媒体20はこの範囲で初期
化される。
【0038】さらに、前述した光情報記録媒体を初期化
する初期化装置について説明する。本発明の初期化装置
は図2に示すような構成を取り、少なくともレーザー光
源(1)、射出光を平行光にするコリメータレンズ(2)、反
射光を分割するスプリッタ(3)、対物レンズ(4)、コリメ
ータレンズ(5)、少なくともディテクタとアクチュエー
タから構成されるオートフォーカスを行うAF機構
(6)からなる。
【0039】レーザー光源は公知のものを用いることが
でき、半導体レーザー、ガスレーザー等があり、装置の
小型化および低コスト化の観点から、高出力の半導体レ
ーザーが好ましい。出力としては400〜1000mW程度のも
のを用いることができる。レーザーのビーム形状は任意
に設定できるが、近接像で楕円または長方形のものが好
ましく、長手方向で10〜500μm、短手方向で0.5〜10μ
m程度が好ましい。
【0040】また、長手方向を走査方向に対して垂直も
しくは垂直に近い角度に設定すると、一回の走査による
照射面積が向上するため、初期化時間の短縮となるので
好ましい。出力は光源の性能の範囲内で任意の値を設定
できる。
【0041】光源(1)から射出されたレーザーはコリメ
ータレンズ(2)により平行光にされ、対物レンズ(4)によ
り光情報記録媒体の記録層またはその近傍にフォーカス
し入射され、媒体にエネルギーを加える。媒体からの反
射光は対物レンズ(4)を通りビームスプリッタ(3)により
コリメータレンズ(5)の方向に分割され、AF機構(6)に
より、対物レンズを移動させフォーカシングを行う。フ
ォーカシングの方法としては、公知の方法を用いること
ができ、例としてはナイフエッジ法、非点収差法が挙げ
られる。
【0042】図3には初期化装置の初期化ヘッド10の
周部が拡大して示されている。本発明の初期化方法は、
この初期化ヘッド10を光情報記録媒体上を走査させる
ことで行う。走査の方法は任意に設定できるが、本発明
の光情報記録媒体がディスク形状の場合を例に取り、そ
の方法を図3に基づいて説明する。
【0043】図3において、初期化装置はディスク状の
光情報記録媒体(20)を回転させるスピンドル機構(11)は
有する共に、アクチュエータを有し光情報記録媒体(20)
の半径方向に移動可能な初期化ヘッド(10)を有してい
る。スピンドル機構(11)を回転させると同時に、アクチ
ュエータ付き初期化ヘッド(10)が半径方向に移動するこ
とでビームが光情報記録媒体(20)上を螺旋状に走査され
るようになっている。
【0044】このとき、初期化ヘッド(10)のアクチュエ
ータとスピンドル機構(11)は連動しており、光情報記録
媒体(20)上の初期化ヘッドの位置(半径)と連動して回転
し、ビーム照射位置での初期化ヘッドと光情報記録媒体
(20)の回転方向の相対速度、つまり走査速度は常に一定
の値Vとなるように制御される。
【0045】初期化ヘッド(10)の移動方向は光情報記録
媒体(20)の最外周から内周に向けて移動しても最内周か
ら外周に向けて移動してもよい。走査は少なくとも光情
報記録媒体(20)の記録可能領域について行われるが、記
録領域外まで初期化してもよい。光情報記録媒体(20)を
隙間無く走査するためには、光情報記録媒体(20)の1回
転あたりの初期化ヘッドの移動量dはビーム強度の半径
方向の強度プロファイルの半値幅Wrに対してd<Wr
とすることが望ましい。
【0046】また、走査によるビーム照射の重なりは、
複数回の初期化部分を形成してしまう。複数回の初期化
領域は初期化状態の空間的な変動を発生させ、光情報記
録媒体の微視的反射率が重なり部分で変動してしまう。
その反射率の変動を低く抑えるために、重なり部分Wr
-dとビームの走査方向に垂直な方向のビーム幅Wrの
関係をWr-d<0.5Wrとすることが好ましい。 [実施例]以下さらに本発明の実施例を説明する。連続グ
ルーブ(案内溝)が螺旋状に形成された、1.2mm厚さの
ポリカーボネート製の透明基板21に、先の図1で示し
た構成により第1誘電層22、記録層23、第2誘電層2
4、反射層25、保護層26を順次成膜し、相変化型光
ディスクを作成した。このとき、グルーブの間隔を約1.
2μmとし、高速CD−RWの標準規格である、オレン
ジブックパートIIIvol2に準拠した、ATIPを作成し
た。ただし、ウォブル変調の基本線速度は1.0m/sとし、
高密度の光ディスクとした。
【0047】第1誘電層22及び第2誘電層24は、Zn
SとSiOの混合物をRFスパッタリングを用いて成
膜し、記録層にはAg、In、Sb及びTeを主成分と
する合金をDCスパッタリング法により成膜した。また
反射放熱層はAl、Tiを主成分とする合金を用いDC
スパッタリング法を用いて成膜した。
【0048】第1誘電層22の膜厚は80nm、記録層膜厚
23は20nm、第2誘電層24の膜厚は30nm、反射層25
の膜厚は150nmとした。このメディアに紫外線硬化型の
アクリル樹脂をスピンコート法にて塗布、紫外線を照射
することで硬化させて保護層25を形成して光情報記録
媒体を得た。
【0049】上記光情報記録媒体を次の仕様を有するの
初期化装置で初期化を行った。初期化ヘッドの仕様は、
λ=810nm、Rr=100μm、Rt=1.0μm、d=60μ
mである。
【0050】そのときの初期化条件を下記表1に示す。
【0051】
【表1】 本実施例で作製し、初期化した光情報記録媒体をCD−
RW評価装置の光ピックアップを高密度用に改造した評
価装置で記録を行った。その結果、EFMのコーディン
グで、CDの8倍速相当の情報を8.0m/sの記録線速で、
記録、消去、読み出しが出来るものとなった。
【0052】なお、記録再生に用いた光ピックアップの
仕様はλ=795nm、NA=0.55、記録線速度=8.0m/
S、コーディング:EFM(通常のCDの8倍速)であ
り、記録パワーは19〜21mWであった。記録は初期記録、
ダイレクトオーバーライト1回(DOW1)、ダイレクトオ
ーバーライト1000回(DOW1000)の種類を行った。
記録したサンプルを先述の光ピックアップの評価装置で
読み出しを行い、3Tランドジッタを測定した。このと
き、再生線速は1.0m/sであり、再生LDパワーは0.7mWと
した。
【0053】初期化エネルギー密度と3Tランドジッタの
関係を図4に示す。本結果から、初期化エネルギー密度
Eが1100J/m2≦E≦1400J/m2である範囲でオーバーライ
トジッタを低減できることが確認できる。
【0054】以上本発明の好ましい実施例について詳述
したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の
範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかなよう
に、請求項1記載の発明によれば、多数回のオーバーラ
イト特性が良好な光情報記録媒体を得ることができる。
【0056】また、請求項2記載の発明によれば、記録
層にAg、In、Sb、Te系材料を用い、その組成を
最適化しているので、4.8m/s以上での記録線速度で良好
な特性を得ることができる光情報記録媒体となる。
【0057】また、請求項3記載の発明によれば、初期
化時に照射するエネルギー密度を1100J/m2以上としてい
るので、記録層を十分に結晶化することができ、高いNA
での記録による高密度の記録エネルギーに対応すること
ができると同時に、微小な反射率変動を低減できるた
め、1回目のオーバーライトでのジッタを低減して光情
報記録媒体を初期化できる。
【0058】また、請求項4記載の発明によれば、初期
化時に照射するエネルギー密度を1400J/m2以下として
いるので、熱的ダメージを低減することができるので、
多数回記録後のジッタを低減して光情報記録媒体を初期
化できる。
【0059】また、請求項5記載の発明によれば、初期
化時に照射するエネルギー密度を1100J/m2以上としてい
るので、記録層を十分に結晶化することができ、高いNA
での記録による高密度の記録エネルギーに対応すること
できると同時に微小な反射率変動を低減でき、さらに初
期化時に照射するエネルギー密度を1400J/m2以下とし
ているので熱的ダメージを低減して光情報記録媒体を初
期化できる。
【0060】さらに、請求項6記載の発明によれば、オ
ーバーライト特性の良好な光情報記録媒体を容易に製造
することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の構成例を示す図であ
る。
【図2】本発明の初期化装置の構成例を示す図である。
【図3】初期化装置の初期化ヘッドの周部を拡大して示
した図である。
【図4】初期化エネルギー密度と3Tランドジッタとの関
係について示した図である。
【符号の説明】
10 初期化ヘッド 20 光情報記録媒体 21 基板 22 第1誘電層 23 記録層 24 第2誘電層 25 反射層 26 保護層 27 印刷層 28 ハードコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/26 531 G11B 7/26 531 Fターム(参考) 5D029 JA01 JB18 KB14 WC01 WD10 5D090 AA01 BB05 CC11 DD01 KK03 5D119 AA25 BB04 DA08 EC09 FA02 5D121 AA01 GG02 GG26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 案内溝を有した透明基板に少なくとも第
    1誘電層、記録層、第2誘電層及び反射層を積層して形
    成され、前記案内溝の間隔であるトラックピッチが1.
    2μm以下、基板厚さが1.1mm〜1.3mmであり、
    光学的に情報を記録、消去及び読み出しを行うことが可
    能である光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光情報記録媒体におい
    て、 前記記録層の材料として少なくともAg、In、Sb、Teを含
    有し、その原子パーセントを表記する組成がAgαInβSb
    γTeδのとき、0.1≦α≦3.0、5.0≦β≦12.0、0.0≦γ
    ≦72.0、22.0≦δ≦30.0 (単位:原子パーセント)で
    あることを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光情報記録媒体
    を初期化する方法であって、 高出力半導体レーザーの照射スポットを走査させ、1回
    の走査で前記光情報記録媒体に照射するエネルギー密度
    を、1100[J/m2]以上としたことを特徴とする光情報記録
    媒体の初期化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の光情報記録媒体
    を初期化する方法であって、 高出力半導体レーザーの照射スポットを走査させ、1回
    の走査で前記光情報記録媒体に照射するエネルギー密度
    を1400[J/m2]以下としたことを特徴とする光情報記録媒
    体の初期化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の光情報記録媒体
    を初期化する方法であって、 高出力半導体レーザーの照射スポットを走査させ、1回
    の走査で前記光情報記録媒体に照射するエネルギー密度
    を1100〜1400[J/m2]としたことを特徴とする光情報記録
    媒体の初期化方法。
  6. 【請求項6】 案内溝を有した透明基板に少なくとも第
    1誘電層、記録層、第2誘電層及び反射層を積層して形
    成され、前記案内溝の間隔であるトラックピッチが1.
    2μm以下、基板厚さが1.1mm〜1.3mmである光
    情報記録媒体を初期化する装置であって、 高出力半導体レーザーの照射スポットを走査させ、1回
    の走査で前記光情報記録媒体に照射するエネルギー密度
    を1100〜1400[J/m2]としたことを特徴とする初期化装
    置。
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