JP2002208143A - 相変化型光情報記録媒体の初期化方法、初期化装置及び相変化型光情報記録媒体 - Google Patents

相変化型光情報記録媒体の初期化方法、初期化装置及び相変化型光情報記録媒体

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JP2002208143A
JP2002208143A JP2001005734A JP2001005734A JP2002208143A JP 2002208143 A JP2002208143 A JP 2002208143A JP 2001005734 A JP2001005734 A JP 2001005734A JP 2001005734 A JP2001005734 A JP 2001005734A JP 2002208143 A JP2002208143 A JP 2002208143A
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Masanori Kato
将紀 加藤
Yuki Nakamura
有希 中村
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4.8m/s以上のマルチスピード記録に対
応した相変化型光情報記録媒体において、媒体の保証す
る最高線速でのオーバーライト特性が良好な相変化型光
情報記録媒体の初期化方法を提供すること。 【解決手段】 光学的に情報を記録、消去および読み出
しを行う相変化型光情報記録媒体の初期化方法におい
て、高出力半導体レーザーの照射スポットを走査させ、
1回の走査で媒体に照射するエネルギー密度を、100
0[J/m2 ]以下にすることを主要な構成とする。そ
の他6項ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体に
関し、更に詳しくは、CD−RW、DVD−RAM、D
VD−RW、DVD+RW、PD等の相変化型光ディス
クに代表される光情報記録媒体、その初期化方法および
初期化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平8−77614号公報には、相変
化型光情報記録媒体の初期化装置に関して、タンデム光
学系を用いて均一に高速に初期化を行うものが記載され
ており、光学系と媒体に照射するレーザービームの形状
が規定されている。しかし、この発明では照射エネルギ
ーに関する記述は無く、この記載内容だけでは信号品質
の良好な媒体を得ることは出来ない。またマルチスピー
ドでの記録、線速4.8m/s以上での記録特性改善に
関する記述は無い。
【0003】また、特開平9−73666号公報には、
光情報記録媒体とその製造方法および製造装置につい
て、情報記録領域外に光学的に読み取り可能なマークを
記録し、メディアの識別情報を書き込む光記録、光記録
媒体についての記述がある。
【0004】また特開平9−212918号公報は、情
報の記録媒体とその初期化方法および初期化装置に関す
るものであるが、初期化に際し、記録膜の少なくとも一
部が融解することを特徴とするものである。その初期化
方法および初期化装置に関して、同時に初期化に使用す
るビームの媒体上での形状を規定し、長方形または楕円
形で長手方向を記録トラックに垂直に配置して初期化を
行い、記録信号の改善を行っている。その媒体の層構成
も規定している。しかしながら、この発明では媒体に照
射するエネルギー密度に関する記述は無く、記録層が融
解するだけで特性が改善できるとしているが、実際には
照射するエネルギーに大きく依存するので、改善は出来
ない。また、マルチスピード記録、記録線速度4.8m
/s以上の記録特性に関する記述は無い。
【0005】また特開平10−241211号公報の光
記録媒体の製造方法においては、初期化の前に改質工程
を行うことで、初期化品質の向上を実現している。この
発明では、実質、2回初期化を行うことになり、生産性
の低下に繋がる。また、マルチスピード記録での記録品
質、記録線速4.8m/s以上の高速記録に関する記述
は無い。
【0006】また特開平10−289447号公報に
は、情報記録媒体とその初期化方法及び初期化装置にお
いて、初期化に使用するビームスポットの角度をトラッ
クに対して平行以外にし、ビームをデフォーカスするこ
とで、初期化による反射率のむらを低減した初期化方法
および媒体.初期化の重なりによるむらを低減し、トラ
ックはずれを防止する方法が提案されているが、媒体に
かかるエネルギー密度に関する記述は無く、マルチスピ
ード記録、記録線速4.8m/s以上で記録特性に関す
る記述は無い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】CD−RW、DVD−
RAM、DVD−RW、DVD+RW、PDに代表され
る、相変化を用いた書き換え型光情報記録媒体では、媒
体を作製した後に初期化を行うのが一般的である。記録
膜が成膜された直後ではアモルファス状態であり、情報
を記録する前に、記録領域を結晶化させることが必要で
ある。この初期化工程では高出力半導体レーザー、ガス
レーザー等の光源から発する光を集光し、媒体に照射お
よび走査させることで記録層を加熱、融解または融解に
近い状態にし結晶化または結晶化に近い状態にする。こ
の初期化方法によって媒体の記録信号特性、特に書き換
え型光情報記録媒体の特徴であるオーバーライト特性に
大きく影響する。
【0008】近年、媒体への記録速度の高速化が進むと
同時に、CAV記録のように異なる記録速度(マルチス
ピード記録)で記録でき、かつ記録後の信号が良好であ
る光情報記録媒体が求められている.
【0009】本発明は、上記背景に鑑みてなされたもの
で、4.8m/s以上のマルチスピード記録に対応した
相変化型光情報記録媒体において、媒体の保証する最高
線速でのオーバーライト特性が良好な相変化型光情報記
録媒体の初期化方法および初期化装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題は、下
記の手段により達成される。すなわち、第一に、請求項
1では、光学的に情報を記録、消去および読み出しを行
う相変化型光情報記録媒体の初期化方法において、高出
力半導体レーザーの照射スポットを走査させ、1回の走
査で媒体に照射するエネルギー密度を、1000[J/
2 ]以下にすることを主要な特徴とする。
【0011】第二に、請求項2では、上記請求項1に記
載の相変化型光情報記録媒体の初期化方法において、エ
ネルギー密度を600以上[J/m2 ]とすることを特
徴とする。
【0012】第三に、請求項3では、上記請求項1また
は2に記載の相変化型光情報記録媒体の初期化方法にお
いて、レーザースポットの走査速度が3.5m/s〜
6.5m/sであることを特徴とする。
【0013】第四に、請求項4では、上記請求項1乃至
3のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体の初期化
方法において、使用する初期化装置の高出力レーザーの
射出強度が330mW以上であることを特徴とする。
【0014】第五に、請求項5では、上記請求項1乃至
4のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体の初期化
方法において、初期化時のビーム強度の走査方向に垂直
方向の強度プロファイルの半値幅をWrとするとき、1
度走査した領域に隣接した領域を走査するときの走査の
重なりが0.5Wr以下であることを特徴とする。
【0015】第六に、請求項6では、上記請求項1乃至
5のいずれかに記載の相変化型光情報記録媒体の初期化
方法が採用された相変化型光情報記録媒体の初期化装置
を特徴とする。
【0016】第七に、請求項7では、上記請求項1乃至
5のいずれかに記載の初期化方法で初期化された相変化
型光情報記録媒体を特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の相変化型光情報記録媒体の初期化方法およびそ
の方法を採用した初期化装置について説明する。本発明
の初期化装置は、図1に示すように、少なくともレーザ
ー光源(1)、射出光を平行光にするコリメータレンズ
(2)、反射光を分割するスプリッタ(3)、対物レン
ズ(4)、コリメータレンズ(5)、少なくともディテ
クタとアクチュエータから構成されるオートフォーカス
を行うAF機構(6)からなる。
【0018】レーザー光源は公知のものを用いることが
でき、半導体レーザー、ガスレーザー等があり、装置の
小型化および低コスト化の観点から、高出力の半導体レ
ーザーが好ましい。出力としては400〜1000mW
程度のものが一般的である。レーザーのビーム形状は任
意に設定できるが、近接像で楕円または長方形のものが
好ましく、長手方向で10〜500μm、短手方向で
0.5〜10μm程度が好ましい。また、長手方向を走
査方向に対して垂直もしくは垂直に近い鈍角に設定する
と、一回の走査による照射面積があがるため、初期化時
間の短縮となるので好ましい。出力は光源の性能の範囲
内で任意の値を設定できる。光源(1)から射出された
レーザーはコリメータレンズ(2)により平行光にさ
れ、対物レンズ(4)により光情報記録媒体の記録層ま
たはその近傍にフォーカスし入射され、媒体にエネルギ
ーを加える。媒体からの反射光は対物レンズ(4)を通
りビームスプリッタ(3)によりコリメータレンズ
(5)の方向に分割され、AF機構(6)により、対物
レンズを移動させフォーカシングを行う。フォーカシン
グの方法としては、公知の方法を用いることができ、例
としてはナイフエッジ法、非点収差法が挙げられる。図
1に示した部分を初期化ヘッドと呼ぶ。
【0019】本発明の初期化方法は、この初期化ヘッド
を光情報記録媒体上を走査させることで行う。走査の方
法は任意に設定できるが、媒体がディスク形状の場合に
ついて、その方法を図2に示す。
【0020】ディスク状の光情報記録媒体(9)を回転
させるスピンドル機構(11)と媒体の半径方向に初期
化ヘッドを移動させるアクチュエータが装着された、初
期化ヘッド(10)とからなる。スピンドル機構(1
1)を回転させると同時に、アクチュエータつき初期化
ヘッド(10)が半径方向に移動することでビームが媒
体上をらせん状に走査していく。このとき、初期化ヘッ
ドのアクチュエータとスピンドル機構は連動しており、
媒体上の初期化ヘッドの位置(半径)と連動して回転
し、ビーム照射位置での初期化ヘッドと媒体の回転方向
の相対速度、つまり走査速度は常に一定の値Vとなるよ
うに制御さる。
【0021】初期化ヘッドの移動方向は媒体の最外周か
ら内周に向けて移動しても最内周から外周に向けて移動
しても良い。走査は少なくとも媒体の記録可能領域につ
いて行われ、記録領域外まで初期化しても良い。媒体を
隙間無く走査するためには、媒体1回転あたりの初期化
ヘッドの移動量dはビーム強度の半径方向の強度プロフ
ァイルの半値幅Wrにたいしてd<Wrとしなくてはな
らない。
【0022】また、走査によるビーム照射の重なりは、
複数回の初期化部分を形成してしまう。複数回の初期化
領域は初期化状態の空間的な変動を発生させ、媒体の微
視的反射率が重なり部分で変動してしまう。その反射率
の変動を低く抑えるために、重なり部分Wr−dとビー
ムの走査方向に垂直な方向のビーム幅Wrの関係が、W
r−d<0.5Wrであることが好ましい。
【0023】本発明で使用される光情報記録媒体は、一
例を挙げると図3に示す構成をとる。透明基板21上に
第1誘電層22、記録層23、第2誘電層24、反射層
25、保護層26を順次積層する。また、保護層の上に
印刷層27や透明基板の仮面にハードコート層28を設
けても良い。
【0024】透明基板21は媒体を記録、再生する光の
波長領域で透明であることが必要である。透明基板材料
としてはガラス、セラミクス、樹脂等が例示でき、透明
性および成型の容易さから、樹脂を用いるのが好まし
く、樹脂としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、AB
S樹脂、ウレタン樹脂などがあげられるが、成型性、光
学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、ア
クリル系樹脂が好ましい。透明基板上には案内溝(グル
ーブ)が形成されていてもかまわない。
【0025】第1誘電層22、第2誘電層24は、熱特
性、光学特性から、誘電体を用いる。誘電体としては、
SiO2 、SiO、ZnO、SnO2 、TiO2 、In
2 3 、MgO、ZrO2 等の酸化物、Si3 4 、A
lN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、ZnS、In
2 3 、TaS4 硫化物、SiC、TaC、B4 C、W
C、TiC、ZrC等の炭化物またはまたはダイヤモン
ド状炭素があり、これらの誘電体単体、もしくは2種以
上の混合物が用いられる。
【0026】各誘電層は真空成膜を用いて成膜され、成
膜方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法、CVD法等が例としてあげられ、生
産性・低コスト性から、スパッタリング法を用いるのが
好ましい。第1誘電層、第2誘電層の材料・膜厚は独立
に任意に設定でき、光学特性、熱特性から最適値を設定
する。膜厚としては、10nm〜5000nm程度であ
る。
【0027】記録層23には相変化材料を用いる。光情
報記録媒体に適している相変化材料としては、合金系の
材料を用いるが好ましく、GeTe、GeTeSe、G
eTeS、GeSeSb、GeSeSb、GeAsS
e、InTe、SeTe、SeAs、Ge−Te−(S
n、Au、Pd)、GeTeSeSb、GeTeSb、
AgInSbTe、GeInSbTe、GeAgInS
bTeの合金系が例示できる。各合金系の組成比は、記
録線速度によって最適化される。また、上記の元素を主
成分とする合金系に任意の元素を不純物として混入して
も良く、混入する不純物としては、B、N、C、O、S
i、P、Ge、S、Se、Al、Ti、Zr、V、M
n、Fe、Co、Ni、Cr、Cu、Zn、Sn、P
d、Pt、Auが例示できる。
【0028】特に記録層23にAgInSbTeを用い
た場合、記録によって形成される安定相(結晶化相)と
準安定相(アモルファス相)の境界が明瞭なため、マー
クエッジ記録方式を用いた記録方式には適しており、不
純物として微量のNを添加することで、記録線速マージ
ンを広く取ることが可能である。
【0029】記録層23は真空成膜法で積層され、真空
成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、CVD法等があげられ、生産性・
低コストからスパッタリング法を利用するのが望まし
い。
【0030】反射層25は、記録再生光の反射および記
録時に発生する熱を放熱する機能をもつ.反射放熱層の
材料として金属および合金が用いられ、例としてAg、
Au、Alまたはこれらの金属にTi、Si、Cr、T
a、Cu、Pd、C等を1種以上混合した合金があり、
熱的特性、光学的特性、および生産性を考慮すると、A
lを主成分とする合金を用いるのが好ましい。合金の組
成および反射層の膜厚は任意に設定でき、熱的特性およ
び光学的特性から最適化するのが望ましい。
【0031】保護層26は、光硬化樹脂、電子線硬化樹
脂等を主成分とする樹脂材料を用いる。これらの樹脂と
しては、成膜性、硬化の簡易性から光硬化樹脂を主成分
とする樹脂材料を用いることが望ましい。光硬化樹脂と
しては、紫外線硬化樹脂が一般的である。また、成膜方
法としては、ディッピング法、スピンコート法等が例示
できる。
【0032】また、媒体の保護層上に1層以上の印刷層
27を設けて、レーベルを作製したり、基板の下面上に
ハードコート層28を設け引っかき強度を上昇しても良
い。印刷層の材料としては公知の光硬化インクが使用で
き、成膜はスクリーン印刷を用いるのが一般的である。
ハードコートの材料および成膜方法は保護層と同様のも
のが利用できる。また、2つの媒体を保護層面同士を張
り合わせても良い。
【0033】本発明の光情報記録媒体の初期化方法およ
び初期化装置は以下に記述するエネルギー密度で特徴付
けられる。媒体の初期化に用いる照射光の出力、走査速
度は1回の走査による照射で媒体にかかるエネルギー密
度Eによって決定されなければならない。光源の射出出
力をP、走査速度をV、ビームの媒体上での照射面積を
S、ビームの走査方向の幅をWt、走査方向に垂直な方
向の幅をWrとするとき、エネルギー密度Eは以下の式
で表される。
【0034】
【数1】 エネルギー密度は1回の走査で媒体の単位面積あたりに
かかるエネルギーを表したもので、記録層の初期化状態
に直接影響する量である。このエネルギー密度が高いと
記録層に熱量が強くかかるため、記録層が融解したとき
の温度が上昇する。その結果として安定な結晶化状態と
なる。このような状態の記録層にアモルファスマークを
形成すると、記録マークを形成するときのエネルギー
で、マークのエッジ部がさらに安定な結晶化状態とな
る。この安定なマークの上にランドをオーバーライトす
ると、アモルファスマークを十分にイレースできなくな
ってしまう。このような現象は1回目のオーバーライト
のときのジッタの悪化という結果になる。1回目のオー
バーライトの特性を良好にするEの上限値Emaxは Emax=1000J/m2 となる。本発明の初期化方法ではE≦Emaxであるこ
とが必要であり、本発明の光情報記録媒体はこの方法で
初期化されなければならない。従来の光情報記録媒体で
は、このEmaxよりも高いエネルギー密度で初期化す
るのが一般的であり、たとえば記録線速度1.2〜4.
8m/sに対応しているCD−RWでは、Eは1100
〜1400J/m2 程度である。このような高いエネル
ギー密度の初期化方法では1回目のオーバーライトが特
に高い線速で悪化することになる。
【0035】一方、エネルギー密度が低いと記録層にか
かる熱量が不十分になり、十分な結晶化がされなくな
る。その結果として結晶化されない領域が発生し、媒体
の反射率が低下する。このような初期化状態の媒体に多
数回のオーバーライトを行うと、記録回数の増加と共に
不十分であった結晶化が促進されて、初期と反射率が大
きく変わってきてしまう。従って多数回オーバーライト
後の信号品質が初期のと大きく変わることになる。結果
として多数回記録後のジッタが悪化してしまうことにな
る。多数回記録後のジッタが悪化しないエネルギー密度
の下限値Eminは Emin=600J/m2 となる。本発明の初期化方法はE≧Eminであること
が好ましく、本発明の光情報記録媒体はこの範囲で初期
化されることが好ましい。
【0036】走査速度Vは初期化による反射率むらに大
きく影響する。走査速度が高すぎると、上記のエネルギ
ー密度範囲でもフォーカスサーボの追従性の低下により
初期化不十分な領域が発生しやすくなる。その結果とし
て媒体の反射率が変動するため、反射率むらが大きくな
り、トラック外れ等の原因となる。また、走査速度が低
すぎると、媒体に光を照射する時間が上がるため、記録
層および誘電層に熱ダメージが入りやすくなり、多数回
のオーバライトを行ったときの特性、特にジッタが悪化
する。上記のことを考慮すると、走査速度の上限値Vm
ax、下限値Vminは以下のようになり、走査速度は Vmin≦V≦Vmax、Vmin=3.5m/s、V
max=6.5m/s であることが好ましい。
【0037】(実施例)次に、実施例によって本発明を
さらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例
によって限定されるものではない。連続グルーブがらせ
ん状に形成された、ポリカーボネート製のCD−RW用
透明基板に、図3に示す構成に従い第1誘電層、記録
層、第2誘電層、反射層、保護層を順次成膜し、CD−
RWディスクを作製した。第1誘電層、第2誘電層はZ
nSとSiO2 の混合物をRFスパッタリングを用いて
成膜し、記録層にはAgInSbTeを主成分とする合
金をDCスパッタリング法により成膜した。また反射放
熱層はAl、Tiを主成分とする合金を用いDCスパッ
タリング法を用いて成膜した。第1誘電層の膜厚は80
nm、記録層膜厚は20nm、第2 誘電層膜厚は30n
m、反射層膜厚は150nmであった。このメディアに
紫外線硬化型のアクリル樹脂をスピンコート法にて塗
布、紫外線を照射することで硬化させた。この媒体を以
下の仕様の初期化装置で初期化を行った。 初期化ヘッド仕様 λ=810nm Rr=100μm Rt=1.0μm d=60μm
【0038】初期化条件を表1に示した。また、初期化
パワー330mW以下では、初期化中にオートフォーカ
スがかからず、初期化不能となった。作製したCD−R
WはオレンジブックパートIII vol2に記載の方法で
通常のCDの4倍から10倍で記録、書き換え、消去可
能なCD−RW High−speedディスクとなっ
た。
【0039】各サンプルを以下の方法で記録した。記録
にはCD−RW評価機であるパルステック社製スピンテ
スターDDU1000を用いた。記録はオレンジブック
パートIII vol2に準拠した記録方法で記録を行っ
た。DDU1000の光ピックアップの仕様を以下に示
す。 λ=795nm NA=0.50 記録線速度=12.0m/s(通常のCDの再生速度の
10倍速) コーディング:EFM 記録パワーはオレンジブック記載の方法で行い、19〜
21mWで行った。記録は初期記録、ダイレクトオーバ
ーライト1回(DOW1)、ダイレクトオーバーライト
1000回(DOW1000)の種類を行った。記録し
たサンプルをDDU1000にて再生し、各記録回数で
の3Tランドジッタを測定した。測定結果を表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】初期化パワーPと初期化ヘッドの走査速度
Vに対するDOW1での3Tランドジッタの測定結果を
図4に示す。Vが低くなり、Pが低くなるほどジッタが
高くなっている。同時にPとVに対するエネルギー密度
Eを図5に示す。この結果を比較すると、Eが低いほど
DOW1ジッタが高くなる傾向にある。DOW1ジッタ
がオレンジブック記載のジッタ規格35nsを超えてし
まう条件は以下の通りである。 E>1000J/m2
【0042】同様にP、Vに対するDOW1000での
3Tランドジッタの測定結果を図6に示す。図5のエネ
ルギー密度の結果と比較するとEが低いほど3Tランド
ジッタが高くなっている。ジッタが35nsを超えてし
まう条件は以下の通りである。
【0043】E<600J/m2 上記を考慮すると 1000J/m2 ≦E≦600J/m2 とすることでDOW1、DOW1000のジッタを低減
できる。つまりオーバーライト特性の良好なCD−RW
ディスクとなる。また、表1から走査速度が3m/sで
はDOW1000がPによらず高い値をとっている。し
たがって、V≧3.5m/sとすることでオーバーライ
ト特性を向上できる。
【0044】初期化直後の未記録状態のディスクの反射
率変動ΔRgbを測定した。ΔRgbは以下ように求め
る。未記録状態での反射率Rgbのディスク周内での最
大値をRmax、最小値をRmin、平均値をRavg
とするとき、反射率変動ΔRgbは
【0045】
【数2】 で求められる。初期化による反射率むらが大きいほどR
gbは高い値となる。図7にΔRgbのP、Vに対する
依存性を示す。反射率変動が0.1を超えるとトラック
エラー信号が増大しトラックはずれを発生する恐れがあ
る。したがってV≧3.5m/sとすることで、反射率
変動を抑えることができる。
【0046】以上を考慮すると、図8に示す範囲で初期
化した記録媒体の特性が良好であることがわかった。
【0047】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、1回
の走査で媒体に照射されるエネルギー密度を1000
[J/m2 ]以下としたことから、記録層へ加わるエネ
ルギーを低く抑え、結晶化エネルギーを下げているの
で、1回目のオーバーライトにおけるジッタの低い相変
化型光情報記録媒体の初期化方法を得ることができる。
【0048】請求項2の発明は、1回の走査で媒体に照
射されるエネルギー密度を600[J/m2 ]以上とし
たことから、記録膜へ十分な熱量が加わり、結晶化のむ
らを小さく抑えることができ、オーバーライトで信号の
変動が少ないオーバーライト特性に優れた相変化型光情
報記録媒体の初期化方法を得ることができる。
【0049】請求項3の発明は、走査速度を最適化して
いるので媒体記録層のアモルファス化を低減できると同
時に記録膜への熱的ダメージを抑えることができるの
で、反射率の変動が小さく、かつオーバーライト特性の
良好な相変化型光情報記録媒体の初期化方法を得ること
ができる。
【0050】請求項4の発明は、初期化時のレーザー出
力を330mW以上としていることから、初期化動作時
に十分な反射率を得ることができるので、正確なフォー
カシングの初期化方法を得ることができる.
【0051】請求項5の発明は、走査時の重なりを0.
3Wr以下としているので、重なり初期化部分の少ない
トラッキング性能の高い相変化型光情報記録媒体を得る
初期化方法を提供することができる。
【0052】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいず
れかに記載の初期化方法が採用された初期化装置である
ことから、相変化型光情報記録媒体に良好な初期化特性
を付与することができる。
【0053】請求項7の発明は、請求項1乃至5のいず
れかに記載の初期化方法で初期化された相変化型光情報
記録媒体であることから、良好な記録信号特性を実現す
ることができる記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の初期化ヘッドの構成図である。
【図2】本発明の初期化ヘッドを用いてデイ スク状媒体
を走査する説明図である。
【図3】本発明で使用される光情報記録媒体の一例を示
す説明図である。
【図4】初期化パワーP、初期化ヘッド走査速度Vに対
するオーバーライト1回におけるランドジッタを示すグ
ラフである。
【図5】P、Vに対するオーバーライト1回におけるエ
ネルギー密度を示すグラフである。
【図6】P、Vに対するオーバーライト1000回にお
けるランドジッタを示すグラフである。
【図7】反射率変動ΔRgbの初期化パワーとヘッド走
査速度に対する依存性示すグラフである。
【図8】初期化した記録媒体の特性が良好となる範囲を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2、5 コリメータレンズ 3 スプリッタ 4 対物レンズ 6 オートフォーカス機構 9 光情報記録媒体 10 初期化ヘッド 11 スピンドル機構

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に情報を記録、消去および読み出
    しを行う相変化型光情報記録媒体の初期化方法におい
    て、高出力半導体レーザーの照射スポットを走査させ、
    1回の走査で媒体に照射するエネルギー密度を、100
    0[J/m2 ]以下にすることを特徴とする相変化型光
    情報記録媒体の初期化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の相変化型光情報記録媒
    体の初期化方法において、エネルギー密度を600[J
    /m2 ]以上とすることを特徴とする相変化型光情報記
    録媒体の初期化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の相変化型光情
    報記録媒体の初期化方法において、レーザースポットの
    走査速度が3.5m/s〜6.5m/sであることを特
    徴とする相変化型光情報記録媒体の初期化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の相変
    化型光情報記録媒体の初期化方法において、高出力半導
    体レーザーの射出強度が330mW以上であることを特
    徴とする相変化型光情報記録媒体の初期化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の相変
    化型光情報記録媒体の初期化方法において、初期化時の
    ビーム強度の走査方向に垂直方向の強度プロファイルの
    半値幅をWrとするとき、1度走査した領域に隣接した
    領域を走査するときの走査の重なりが0.5Wr以下で
    あることを特徴とする相変化型光情報記録媒体の初期化
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の相変
    化型光情報記録媒体の初期化方法を採用したことを特徴
    とする相変化型光情報記録媒体の初期化装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載の相変
    化型光情報記録媒体の初期化方法で初期化されたことを
    特徴とする相変化型光情報記録媒体。
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