JP2000090502A - 相変化光記録媒体の初期化装置および相変化光記録媒体 - Google Patents

相変化光記録媒体の初期化装置および相変化光記録媒体

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JP2000090502A
JP2000090502A JP10260249A JP26024998A JP2000090502A JP 2000090502 A JP2000090502 A JP 2000090502A JP 10260249 A JP10260249 A JP 10260249A JP 26024998 A JP26024998 A JP 26024998A JP 2000090502 A JP2000090502 A JP 2000090502A
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Kazumine Itou
和峰 伊東
Manami Nakamura
真奈美 中村
Shin Kawakubo
伸 川久保
Hiroshi Kawase
洋 川瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォーカスサーボ手段を不要として安定且つ
容易に被初期化光記録媒体を初期化する初期化装置を提
供し、これを用いて情報信号の記録再生領域全面を均一
な結晶状態の記録層を有する相変化光記録媒体を提供す
ることである。 【解決手段】 レーザ光光源から出射されたレーザ光を
相変化光記録媒体の前駆体である被初期化光記録媒体1
に形成されたアモルファス状態の記録層に照射し、この
記録層を結晶状態に変化させる相変化光記録媒体の初期
化装置において、レーザ光光源、たとえばYAGレーザ
3が発振を開始しない状態のまま励起する高速シャッタ
を有し、数10ns〜数100ns程度の極めて短い時
間内に、そのピークパワーを連続発振時の10000倍
以上とするレーザ光を出射することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は相変化光記録媒体の
初期化装置および相変化光記録媒体に関し、さらに詳し
くは、相変化光記録媒体の前駆体である被初期化光記録
媒体のアモルファス状態である記録層にレーザ光を照射
し、レーザ光の熱によりアモルファス状態を結晶状態に
変化させる相変化光記録媒体の初期化装置および相変化
光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】消去、書き換え可能な光記録媒体の一例
に相変化光記録媒体がある。この相変化光記録媒体の一
般的な概略構成について、相変化光記録媒体の概略断面
図である図7および図8を参照して説明する。図7に示
したように、半導体レーザから出射されたレーザ光が透
明基板7側から入射するタイプでは、主面にランド7a
およびグルーブ7bが予め形成された透明基板7上に順
次、第1の誘電体層8、相変化材料で構成された記録層
9、第2の誘電体層10、反射層11、保護膜12が形
成されている。また、図8に示したように、半導体レー
ザから出射されたレーザ光が透明カバー層13側から入
射するタイプでは、主面にランド7aおよびグルーブ7
bが予め形成された透明基板7上に順次、反射層11、
第2の誘電体層10、相変化材料で構成された記録層
9、第1の誘電体層8、樹脂あるいはフィルム等で構成
された透明カバー層13が形成されている。この透明基
板7や透明カバー層13の厚さは集光レンズのNA(Num
erical Aperture)に関係し、集光レンズのNAが大とな
るほど薄くなる傾向にある。
【0003】ところで、上記した記録層9、第1,2の
誘電体層8,10および反射層11は、一般的にスパッ
タリングや蒸着等を用いた成膜工程により形成される。
この成膜工程後における記録層9の状態はアモルファス
状態であり、さらに記録層9をアモルファス状態から結
晶状態にする初期化が行われる。そして、相変化光記録
媒体に情報を記録する場合は、レーザ光の照射強度に応
じて記録マーク部がアモルファス状態となり、未記録部
は結晶状態となる。すなわち、通常ユーザが使用する前
の相変化光記録媒体は、情報信号の記録再生に寄与する
領域全面が結晶状態となっている。
【0004】上記した初期化において、記録層9をアモ
ルファス状態から結晶状態へと変化させる代表的な方法
としては、概略プロセス図である図9および図10に示
した二通りの方法がある。また、これら方法を行うには
何れも初期化装置が用いられる。図9に示した方法は溶
融結晶化方式と称されており、アモルファス状態を相変
化材料の融点以上に昇温して溶融状態とした後、これを
徐冷することにより結晶状態を得る方法である。また、
図10に示した方法は固相結晶化方式と称されており、
アモルファス状態を相変化材料の結晶化温度以上に昇温
し、結晶成長に要する間はこの温度を保持し、後に冷却
して結晶状態を得る方法である。すなわち、何れの方法
を採用しても、初期化装置にはアモルファス状態を昇温
するための手段、たとえばレーザ光光源等の熱源が必要
となる。レーザ光光源を用いる場合、集光レンズを用い
てレーザ光の焦点を相変化材料で構成された記録層9に
結び、焦点におけるエネルギー密度を大にしている。
【0005】図11は、レーザ光光源からの集光レンズ
を介して収束するレーザ光を、相変化光記録媒体の前駆
体である被初期化光記録媒体のアモルファス状態である
記録層9に照射し、記録層9がアモルファス状態から結
晶状態へと変化する過程の概略説明図である。図11に
示したように、所定の回転数で回転する被初期化光記録
媒体のアモルファス状態である記録層9には、レーザ光
光源からの集光レンズを介して収束するレーザ光の光ス
ポットが形成される。光スポットが形成された領域内は
相変化材料の結晶化温度を超えて昇温された後、被初期
化光記録媒体の回転による移動で光スポットから外れ、
冷却されて結晶化する。このような過程を経て、情報信
号の記録再生に寄与する領域全面が結晶状態の相変化光
記録媒体が完成する。
【0006】ところで、情報信号の記録再生に寄与する
領域全面を均一な結晶状態とするためには、相変化材料
で構成された記録層9に対して、レーザ光光源から出射
されるレーザ光のエネルギー密度を一定に保つ必要があ
る。通常、被初期化光記録媒体には透明基板7の平面度
に起因する微妙な反りが内在しており、たとえば被初期
化光記録媒体がディスク状媒体である場合には、回転時
に±500μm程度の面振れが生じる。一方、集光レン
ズの開口数をNAとし、レーザ光光源から出射されるレ
ーザ光の波長をλとした場合、集光レンズを介して集光
される光スポットの焦点深度dは、d=±λ/2NA2
で求められる。たとえば、λ=680nm、NA=0.
45であれば、d=±1.68μmとなり、この値は上
記したディスク状媒体の回転時に生じる面振れ量±50
0μmに対して非常に小である。このため、被初期化光
記録媒体の記録層9に対して、常に集光レンズを介して
集光される光スポットを焦点深度内に制御する、たとえ
ば非点収差法、フーコー法あるいは臨界角法等を用いた
フォーカスサーボ手段が被初期化光記録媒体の初期化装
置には必要不可欠となっている。
【0007】しかしながら、フォーカスサーボ手段を備
える初期化装置には、以下に記す二つの問題点がある。
第1の問題点は、集光レンズに関してである。透明基板
7や透明カバー層13の厚さは被初期化光記録媒体の種
類毎に異なり、球面収差の影響を受けずに正常な光スポ
ットを形成するためには特定の厚さに合わせた専用の集
光レンズを初期化装置に備えなければならない。すなわ
ち、初期化装置を構成する一種類の集光レンズをもっ
て、他の種類の被初期化光記録媒体の初期化を行うこと
が困難なことである。第2の問題点は、フォーカスサー
ボ手段に関してである。フォーカスサーボに引き込む前
には、集光レンズをフォーカス方向に移動させ、集光レ
ンズの焦点を被初期化光記録媒体の記録層9にロックオ
ンさせるフォーカスサーチが行われる。この場合、記録
層9表面の検出にあたっては反射強度のピークをもって
判断するのが一般的な手法である。すなわち、複数の膜
が積層された被初期化光記録媒体では、この積層膜部分
と透明基板7や透明カバー層13表面との2箇所におい
て反射強度のピークが得られる。図12および図13
は、図7に示したタイプの被初期化光記録媒体の透明基
板7の厚さが0.6mmであり、図12は記録層9の反
射率が大、図13は記録層9の反射率が小である場合の
反射強度信号およびフォーカスエラー信号波形である。
また、図14および図15は、図8に示したタイプの被
初期化光記録媒体の透明カバー層13の層厚が0.1m
mであり、図14は記録層9の反射率が大、図15は記
録層9の反射率が小である場合の反射強度信号およびフ
ォーカスエラー信号波形である。
【0008】図12〜図15から明らかなように、記録
層9と透明基板7あるいは透明カバー層13表面の2箇
所で反射強度のピークが観測されている。このため、こ
れらのピークを分離し、集光レンズの焦点を記録層9表
面にロックオンする必要がある。しかしながら、図14
および図15に示したように、透明カバー層13の層厚
が薄くなるにつれてこれらのピークを分離するのが困難
となり、集光レンズの焦点を記録層9表面にロックオン
するのが困難な状態となる。特に、図13および図15
に示したように、記録層9の反射率が透明基板7や透明
カバー層13の反射率よりも小である場合に、記録層9
からの反射強度が透明基板7や透明カバー層13からの
反射強度に埋もれてしまい、さらに集光レンズの焦点を
記録層9表面にロックオンするのが困難な状態となって
いた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、フォ
ーカスサーボ手段が不要であるとともに、安定且つ容易
に被初期化光記録媒体を初期化する初期化装置を提供
し、この初期化装置を用いて情報信号の記録再生に寄与
する領域全面に均一な結晶状態の記録層を有する相変化
光記録媒体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明の相変化光記録媒体の初期化装置で
は、レーザ光光源から出射されたレーザ光を相変化光記
録媒体の前駆体である被初期化光記録媒体に形成された
アモルファス状態の記録層に照射し、このアモルファス
状態の記録層を結晶状態に変化させる相変化光記録媒体
の初期化装置において、レーザ光光源、たとえばYAG
レーザが発振を開始しない状態のまま励起する高速シャ
ッタを有し、数10ns〜数100ns程度の極めて短
い時間内に、そのピークパワーを連続発振時の1000
0倍以上とするレーザ光を出射することを特徴とする。
【0011】請求項6の発明の相変化光記録媒体の初期
化装置では、レーザ光光源から出射されたレーザ光を、
レーザ光の光軸が相変化光記録媒体の前駆体である被初
期化光記録媒体に形成されたアモルファス状態の記録層
に対して傾斜するように照射し、アモルファス状態の記
録層を結晶状態に変化させる相変化光記録媒体の初期化
装置であって、レーザ光光源、たとえばYAGレーザが
発振を開始しない状態のまま励起する高速シャッタを有
し、数10ns〜数100ns程度の極めて短い時間内
に、そのピークパワーを連続発振時の10000倍以上
とするレーザ光を出射することを特徴とする。
【0012】また、上記した請求項1または請求項6の
相変化光記録媒体の初期化装置を用いて作製された相変
化光記録媒体を特徴とする。
【0013】なお、請求項1および請求項6の発明の相
変化光記録媒体の初期化装置において、アモルファス状
態の記録層に入射させるレーザ光はほぼ平行な光束であ
ることが望ましいが、アモルファス状態である記録層を
結晶状態へと変化させるに充分なエネルギー密度を有す
る緩やかな収束光あるいは発散光であっても良い。
【0014】上述した手段による作用について以下に記
す。請求項1の発明の相変化光記録媒体の初期化装置に
高速シャッタを有するレーザ光光源を用いれば、短時間
(昇温してアモルファス状態から結晶状態に変化させる
には充分な時間)に従来比10000倍以上のピークパ
ワーを集中することが可能となる。したがって、単位面
積当たりのパワー密度向上を目的するフォーカスサーボ
手段が不要になるとともに、透明基板や透明カバー層の
厚さの異なる、あらゆる種類の相変化光記録媒体の初期
化の対応が可能となる。
【0015】請求項6の発明の相変化光記録媒体の初期
化装置に高速シャッタを有するレーザ光光源を用いれ
ば、短時間(昇温してアモルファス状態から結晶状態に
変化させるには充分な時間)に従来比10000倍以上
のピークパワーを集中することが可能となる。また、レ
ーザ光光源から出射されたレーザ光を、レーザ光の光軸
が被初期化光記録媒体に形成されたアモルファス状態の
記録層に対して傾斜して照射することにより、透明基板
や透明カバー層と記録層との間に生じる光の多重干渉の
影響を抑制することが可能となる。そして結果的に反射
率むらが小である結晶状態の記録層が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した相変化光
記録媒体の初期化装置の実施の形態例について、図1〜
図6および従来の技術において参照した図7,8を再び
参照して説明する。
【0017】実施の形態例1 本実施の形態例は、レーザ光光源に高速シャッタを内蔵
するYAGレーザを用い、このYAGレーザから出射さ
れたレーザ光を被初期化光記録媒体に対してほぼ垂直に
照射する事例である。これを初期化装置の概略構成図で
ある図1および図4を参照して説明する。まず、図1に
示した初期化装置について説明する。被初期化光記録媒
体1はスピンドルモータ2に装着されており、この被初
期化光記録媒体1の主面に対してほぼ垂直にYAGレー
ザ3から出射されるレーザ光が入射するように構成され
ている。また、スピンドルモータ2あるいはYAGレー
ザ3の何れか一方には、被初期化光記録媒体1に形成さ
れた記録層9の全面にレーザ光が走査するスライド機構
4が設けられている。なお、図1ではスピンドルモータ
2側にスライド機構を設けた事例を示している。
【0018】従来、集束レンズを用いてアモルファス状
態にある記録層9を結晶化するのに必要な単位面積当た
りのエネルギーは2mW/μm2 であった。これから鑑
みて、たとえばピーク強度の半値幅で規定したビーム径
2mmを収束せずに用いた場合では1000×1000
×π(μm2 )×2(mW/μm2 )≒6.3kWが必
要となる。本実施の形態例のYAGレーザ3には高速シ
ャッタが内蔵されており、発振が開始しないようにした
状態のまま励起を行うことにより反転分布密度を充分高
めた後、高速シャッタを開き発振を急速に立ち上げるこ
とができる。この場合、数10ns〜数100ns程度
の極めて短い時間内にレーザ光が出射され、そのピーク
パワーは連続発振時の10000倍以上となる。一般的
にこのような発振方式をQスイッチ発振あるいはジャイ
アントパルス発振と称されている(以下、代表してQス
イッチ発振と記す)。
【0019】図2は、Qスイッチ発振によりYAGレー
ザ3から出射されたレーザ光のパワー波形である。図2
から明らかなように、そのピークパワーは被初期化光記
録媒体1のアモルファス状態である記録層9を結晶化す
るのに充分なエネルギーを有し、パルス幅も結晶化のた
めの昇温に充分な時間を有している。すなわち、被初期
化光記録媒体1に平行なレーザ光を照射することによ
り、初期化が可能であることが判る。
【0020】そこで、実際に2種類のディスク状の被初
期化光記録媒体1を作製し、確認を行った。なお、ここ
で作製した2種類の被初期化光記録媒体1は従来の技術
において参照した図7および図8の事例と同様のもので
ある。先に、図7に示した事例の被初期化光記録媒体1
の作製工程を説明する。まず、厚さ0.6mmの透明基
板7上に層厚110nmのZnS/SiO2 混合物で構
成された第1の誘電体層8を形成する。つぎに、第1の
誘電体層8上に層厚24nmのGe21Sb25Te54で構
成された記録層9を形成する。つぎに、記録層9上に層
厚18nmのZnS/SiO2 混合物で構成された第2
の誘電体層10を形成する。つぎに、第2の誘電体層1
0上に層厚150nmのAl合金で構成された反射層1
1を形成する。つぎに、反射層11上に層厚6μmの紫
外線硬化樹脂で構成された保護膜12を形成し、一方の
種類の被初期化光記録媒体1の作製を完了した。
【0021】つぎに、図8に示した事例の被初期化光記
録媒体1の作製工程を説明する。まず、厚さ1.2mm
の透明基板7上に層厚150nmAl合金で構成された
反射層11を形成する。つぎに、反射層11上に層厚1
8nmのZnS/SiO2 混合物で構成された第2の誘
電体層10を形成する。つぎに、第2の誘電体層10上
に層厚24nmのGe21Sb25Te54で構成された記録
層9を形成する。つぎに、記録層9上に層厚110nm
のZnS/SiO2 混合物で構成された第1の誘電体層
8を形成する。つぎに、第1の誘電体層8上に層厚10
0μmの紫外線硬化樹脂で構成された透明カバー層13
を形成し、他方の種類の被初期化光記録媒体1の作製を
完了した。
【0022】上記した2種類のディスク状の被初期化光
記録媒体1を図1に示した初期化装置を用いて初期化し
た。2種類のディスク状の被初期化光記録媒体1が何れ
も±500μm程度の面振れがあったにもかかわらず、
結晶化された記録層9の反射率は、集光レンズを用いる
とともにフォーカスサーボを行う従来の初期化装置で初
期化したものと、何れも同等であった。そして、初期化
後の結晶の反射率変動は情報信号の記録再生に何ら影響
のないレベルであった。また、一般的にポリカーボネー
ト樹脂で構成される透明基板7や透明カバー層13の入
射するレーザ光による熱的なダメージについては、図3
に示したポリカーボネート樹脂の波長分散特性図からも
明らかなように、波長が400nm以上1500nm以
下では透過率が大であり、実際、透明基板7および透明
カバー層13には何れも熱的ダメージは見られなかっ
た。当然、本実施の形態例の初期化装置では、従来の初
期化装置に設けられていた集光レンズおよびこの集光レ
ンズをフォーカス方向に制御するフォーカスサーボ手段
は不要であり、透明基板7や透明カバー層13の厚さに
合わせた専用の集光レンズを用意する必要もない。
【0023】上記した事例ではほぼ平行な光束を被初期
化光記録媒体1に照射する事例を示したが、たとえばY
AGレーザ3と被初期化光記録媒体1との間の光軸中に
レンズを配置し、アモルファス状態である記録層9を結
晶状態へと変化させるに充分なエネルギー密度を有する
緩やかな収束光あるいは発散光を被初期化光記録媒体1
に照射しても良く、当然この場合においてもフォーカス
サーボ手段は不要である。
【0024】つぎに、図4に示した初期化装置について
説明する。この図4に示した初期化装置の図1に示した
事例と異なる点は、YAGレーザ3と被初期化光記録媒
体1との間の光路中に拡散板5を配置したことである。
この拡散板5により、被初期化光記録媒体1に入射する
レーザ光の可干渉性を小とすることができる。すなわ
ち、透明基板7あるいは透明カバー層13と記録層9と
の間で生じる光の多重干渉が抑制され、これによりレー
ザ光の強度変動に対する影響を小にすることができる。
そして、図4に示した初期化装置を用いて、上記した2
種類のディスク状の被初期化光記録媒体1を初期化した
結果、被初期化光記録媒体1の全面にわたって均一な反
射率が得られた。すなわち、図4に示した初期化装置に
より、被初期化光記録媒体1のアモルファス状態である
記録層9全面を均一な結晶状態に変化できることが確認
できた。このようにして被初期化光記録媒体1を初期化
して完成した相変化光記録媒体は、当然情報信号の記録
再生条件を満たしている。なお、拡散板5は回転させる
のが望ましく、光路中に配設された拡散板5を回転させ
ることにより拡散板5を介して拡散されるレーザ光の拡
散特性をより平均化することができ、さらなる結晶状態
の均一化を図ることができる。
【0025】また図示を省略するが、図4に示した事例
では、YAGレーザ3と被初期化光記録媒体1との間の
光軸中に、拡散板5とともに記録層9に対して緩やかな
収束光あるいは発散光を照射するレンズを配置しても良
く、当然この場合においてもフォーカスサーボ手段は不
要である。
【0026】実施の形態例2 本実施の形態例は、レーザ光光源に高速シャッタを内蔵
するYAGレーザを用い、このYAGレーザから出射さ
れたレーザ光を、そのレーザ光の光軸が被初期化光記録
媒体の記録層形成面に対して傾斜して照射する事例であ
る。これを初期化装置の概略構成図である図5を参照し
て説明する。被初期化光記録媒体1はスピンドルモータ
2に装着されており、この被初期化光記録媒体1のアモ
ルファス状態である記録層9の形成面に対して傾斜した
状態でYAGレーザ3から出射されたレーザ光が入射す
るように構成されている。また、スピンドルモータ2あ
るいはYAGレーザ3の何れか一方には、被初期化光記
録媒体1に形成された記録層9の全面にレーザ光が走査
するスライド機構4が設けられている。そして、YAG
レーザ3と被初期化光記録媒体1との間の光軸中には、
アモルファス状態である記録層9に対して緩やかな収束
光あるいは発散光が照射されるようにレンズ5が配置さ
れている。なお、図5ではスピンドルモータ2側にスラ
イド機構を設けた事例を示している。
【0027】そして、実施の形態例1において図7,8
を参照しつつ説明したのと同等の2種類の被初期化光記
録媒体1を作製し、図5に示した初期化装置を用いてこ
れらを初期化した。本実施の形態例のように、被初期化
光記録媒体1の記録層9の形成面に対して傾斜するレー
ザ光を照射した場合、透明基板7あるいは透明カバー層
13と記録層9との間で光の多重干渉が生じるが、結果
的には被初期化光記録媒体1の全面にわたって均一な反
射率が得られた。この記録層9が結晶状態となった被初
期化光記録媒体1の反射率のノイズスペクトラム図であ
る図6から明らかなように、多重干渉の影響が生じてい
る状態と比較して、低域でのノイズが抑えられているこ
とが判る。これは、透明基板7あるいは透明カバー層1
3の厚みむらに起因した光路長の変化が生じた場合にお
いても、記録層9での干渉状態をピッチが小である干渉
縞に置き換えることにより、記録層9の全面にわたり均
一な結晶状態が得られていることを意味している。一般
的に、相変化光記録媒体に対して情報信号の記録再生
は、レーザ光の照射による熱を利用した結晶状態とアモ
ルファス状態との可逆的な記録層9の相変化を利用して
おり、これらの結晶状態およびアモルファス状態におけ
る反射率は均一であることが望ましい。すなわち、図5
に示した本実施の形態例の初期化装置により、被初期化
光記録媒体1のアモルファス状態である記録層9の全面
を均一な結晶状態に変化できることが確認できた。
【0028】なお、本実施の形態例では、YAGレーザ
3と被初期化光記録媒体1の間の光路中に、レンズ6と
ともに可干渉性を小とする拡散板を配置しても良く、当
然この場合においてもフォーカスサーボ手段は不要であ
る。
【0029】
【発明の効果】本発明の相変化光記録媒体の初期化装置
のように、アモルファス状態から結晶状態へと変化させ
るための手段としてQスイッチ発振のレーザ光光源を用
いれば、従来比10000倍以上のピークパワーを得る
ことが可能となる。この結果、従来の集光レンズを用い
てレーザ光を焦点に絞り込んだ光スポットと同等な単位
面積当たりのエネルギー密度を有する、ほぼ平行な光束
や緩やかに収束する光束あるいは緩やかに発散する光束
を得ることが可能となった。これらの光束を用いれば、
被初期化光記録媒体の面振れに起因する光軸上の移動が
生じた際に記録層が受けるエネルギー密度の変動は極め
て小であり、これにより従来の初期化装置に構成されて
いたフォーカスサーボ手段を不要とすることができる。
したがって、透明基板の板厚や透明カバー層の層厚が異
なるあらゆる種類の相変化光記録媒体の前駆体である被
初期化光記録媒体に対応可能であるとともに、安定且つ
容易に被初期化光記録媒体を初期化する初期化装置の提
供が可能となる。そして、この被初期化光記録媒体を初
期化する初期化装置を用いれば、情報信号の記録再生に
寄与する領域全面を均一な結晶状態の記録層を有する相
変化光記録媒体の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態例1の初期化装置の概略
構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態例1に係るYAGレーザ
のQスイッチ発振によるレーザ光のパワー波形である。
【図3】 本発明の実施の形態例1に係る透明基板およ
び透明カバー層の波長分散特性図である。
【図4】 本発明の実施の形態例1の他の事例の初期化
装置の概略構成図である。
【図5】 本発明の実施の形態例2の初期化装置の概略
構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態例2に係る記録層の反射
率のノイズスペクトラム図である。
【図7】 従来の相変化光記録媒体の概略断面図であ
る。
【図8】 従来の他の相変化光記録媒体の概略断面図で
ある。
【図9】 従来の被初期化光記録媒体を初期化する概略
プロセス図である。
【図10】 従来の被初期化光記録媒体を初期化する、
他の概略プロセス図である。
【図11】 従来の記録層がアモルファス状態から結晶
状態へと変化する過程を説明する概略説明図である。
【図12】 従来の透明基板厚0.6mmである被初期
化光記録媒体の、反射率が大である記録層の反射強度信
号およびフォーカスエラー信号波形である。
【図13】 従来の透明基板厚0.6mmである被初期
化光記録媒体の、反射率が小である記録層の反射強度信
号およびフォーカスエラー信号波形である。
【図14】 従来の透明カバー層厚0.1mmである被
初期化光記録媒体の、反射率が大である記録層の反射強
度信号およびフォーカスエラー信号波形である。
【図15】 従来の透明カバー層厚0.1mmである被
初期化光記録媒体の、反射率が小である記録層の反射強
度信号およびフォーカスエラー信号波形である。
【符号の説明】
1…被初期化光記録媒体、2…スピンドルモータ、3…
YAGレーザ、4…スライド機構、5…拡散板、6…レ
ンズ、7…透明基板、8…第1の誘電体層、9…記録
層、10…第2の誘電体層、11…反射層、12…保護
膜、13…透明カバー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川瀬 洋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D090 BB05 CC11 CC14 CC16 DD03 DD05 HH01 KK03 KK05 KK06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光光源から出射されたレーザ光
    を、相変化光記録媒体の前駆体である被初期化光記録媒
    体のアモルファス状態である記録層に照射し、 前記記録層を結晶状態に変化させる相変化光記録媒体の
    初期化装置において、 前記レーザ光光源が、 発振を開始しない状態のまま励起する高速シャッタを有
    することを特徴とする相変化光記録媒体の初期化装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザ光光源が、YAGレーザであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の相変化光記録媒体
    の初期化装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光光源と前記被初期化光記録
    媒体との間の光路中に拡散板を配設したことを特徴とす
    る請求項1に記載の相変化光記録媒体の初期化装置。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光が、ほぼ平行光束であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の相変化光記録媒体の初
    期化装置。
  5. 【請求項5】 前記レーザ光の波長が、400nm以上
    1500nm以下であることを特徴とする請求項1に記
    載の相変化光記録媒体の初期化装置。
  6. 【請求項6】 レーザ光光源から出射されたレーザ光
    を、前記レーザ光の光軸が相変化光記録媒体の前駆体で
    ある被初期化光記録媒体のアモルファス状態である記録
    層に対して傾斜して照射し、 前記記録層を結晶状態に変化させる相変化光記録媒体の
    初期化装置であって、 前記レーザ光光源が、 発振を開始しない状態のまま励起する高速シャッタを有
    することを特徴とする相変化光記録媒体の初期化装置。
  7. 【請求項7】 前記レーザ光光源が、YAGレーザであ
    ることを特徴とする請求項6に記載の相変化光記録媒体
    の初期化装置。
  8. 【請求項8】 前記レーザ光光源と前記被初期化光記録
    媒体との間の光路中に拡散板を配設したことを特徴とす
    る請求項6に記載の相変化光記録媒体の初期化装置。
  9. 【請求項9】 前記レーザ光が、ほぼ平行光束であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の相変化光記録媒体の初
    期化装置。
  10. 【請求項10】 前記レーザ光の波長が、400nm以
    上1500nm以下であることを特徴とする請求項6に
    記載の相変化光記録媒体の初期化装置。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の相変化光記録媒体の
    初期化装置を用いて作製されたことを特徴とする相変化
    光記録媒体。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載の相変化光記録媒体の
    初期化装置を用いて作製されたことを特徴とする相変化
    光記録媒体。
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