JP2001023236A - 光学情報記録媒体およびその初期化方法 - Google Patents
光学情報記録媒体およびその初期化方法Info
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Abstract
容量光学情報記録媒体をレーザ光を用いて安定して初期
化する方法を提供する。特に、レーザ光入射側(基板
側)に近い情報層の反射率が低く、遠い情報層の反射率
が高い場合にも、これら情報層の初期化を容易に行う。 【解決手段】 基板に近い第1の情報層21のみが存在
する領域を形成し、この領域から初期化を開始する。ま
た、基板から遠い第2の情報層22が存在する領域で
は、第2の情報層22を初期化してから第1の情報層2
1を初期化する。
Description
大容量の情報を記録および再生する光学情報記録媒体
と、その初期化方法に関する。
することのできる光学情報記録媒体としては、相変化形
光ディスク、光磁気ディスク、色素ディスク等がある。
記録・消去可能な相変化型光ディスクでは、記録層材料
として、一般にカルコゲン化物が用いられ、通常、記録
層材料が結晶状態の場合を未記録状態とし、レーザ光を
照射して記録層材料を溶融・急冷して非晶質状態とする
ことにより、信号が記録される。一方、信号を消去する
場合は、記録時よりも低いパワーのレーザ光を照射し
て、記録層を結晶状態とする。また、記録した信号の再
生は、記録層材料の相変化が生じないパワーのレーザ光
を照射して行われる。
成膜されるため、予め記録領域全面を結晶化して未記録
状態を得る必要があり、この記録領域の全面結晶化が初
期化と呼ばれる。初期化処理は、通常、ディスク製造工
程の一部に組み込まれており、レーザ光源またはフラッ
シュ光源を用いて行われる。
変化型光ディスクの記録容量を増加させるために、いわ
ゆる片面2層構成の記録媒体が提案されている。この片
面2層構成の光ディスクは、基板上に2層の記録層を備
えており、この基板を通して照射される(すなわち同じ
方向から照射される)レーザ光により、信号の記録また
は消去が行われる。
成の相変化型光ディスクにおいては、レーザ光入射面に
近い側(基板に近い側)の第1の情報層を記録(非晶質
マークの形成)によって反射率が低下する「Hi to Lo構
成」(H−L構成)とするとともに、レーザ光入射面か
ら遠い(基板から遠い)第2の情報層を記録(非晶質マ
ークの形成)によって反射率が高くなる「Lo to Hi構
成」(L−H構成)とすると、第1の情報層と第2の情
報層との記録感度および再生信号レベルが揃った光学情
報記録媒体を得ることができる(本出願人による特願平
10−132982号明細書に提案されている構成)。
の初期化プロセスにおいて重要な点は、各情報層の初期
化時において、安定したフォーカス制御が可能であるか
どうか、である。しかしながら、上記のように、第1の
情報層をH−L構成、第2の情報層をL−H構成とした
光学情報記録媒体では、第2の情報層では記録層が結晶
状態の場合よりも非晶質状態である場合の反射率が高い
ものの、第1の情報層では記録層が結晶状態の場合より
も非晶質状態である場合の反射率が低くなる。このよう
にレーザ光の反射光量のバランスがとれていないため、
記録領域における記録層の全面結晶化の際に、第2の情
報層からフォーカス・エラー信号を得ることは容易であ
るが、第1の情報層からフォーカス・エラー信号を得る
ことが難しいという課題があった。
学情報記録媒体の初期化方法、およびこれに適した光学
情報記録媒体を提供することを目的とする。
に、本発明の第1の光学情報記録媒体は、基板上に、少
なくとも、第1の情報層、光学分離層および第2の情報
層をこの順に備え、前記第1および第2の情報層に前記
基板を通して信号を記録し、かつ再生できる光学情報記
録媒体であって、前記基板上に、前記第1の情報層が存
在し、前記第2の情報層が存在しない領域を備えている
ことを特徴とする。
円盤状であって、第1の情報層が存在し、第2の情報層
が存在しない領域が、前記第1の情報層が存在する領域
の最外周部および最内周部から選ばれる少なくとも一方
に設けられていることが好ましい。また、第1の情報層
が第1の記録層を含み、第2の情報層が第2の記録層を
含み、前記第1および第2の記録層が、基板側からのレ
ーザ光の照射によって非晶質状態と結晶状態との間を可
逆的に変化する材料からなることが好ましい。
よび第2の記録層に記録された信号を再生するために基
板側から照射される波長λ0のレーザ光に対し、前記第
1の記録層が非晶質状態であるときの第1の情報層の反
射率R0(1amo)、前記第1の記録層が結晶状態であると
きの前記第1の情報層の反射率R0(1cry)、前記第2の
記録層が非晶質状態であるときの第2の情報層の反射率
R0(2amo)、および前記第2の記録層が結晶状態である
ときの前記第2の情報層の反射率R 0(2cry)が、 R0(1amo)<R0(1cry)、およびR0(2amo)>R0(2cry) の関係を満たすことが好ましい。
の光学情報記録媒体の第1の初期化方法は、基板上に、
少なくとも、第1の情報層、光学分離層および第2の情
報層をこの順に備え、前記第1および第2の情報層に前
記基板を通して信号を記録し、かつ再生できる構成を有
し、前記基板上に、前記第1の情報層が存在し、前記第
2の情報層が存在しない領域を備えている光学情報記録
媒体を、前記基板側からレーザ光を照射して初期化する
方法であって、前記第1の情報層の初期化を、前記領域
から開始することを特徴とする。
を初期化する波長λ1のレーザ光に対する、前記第1の
情報層を初期化する前の前記第1の情報層の反射率R
1(1前)、前記第1の情報層を初期化した後の前記第1の
情報層の反射率R1(1後)、第2の情報層を初期化する前
の前記第2の情報層の反射率R1(2前)、前記第2の情報
層を初期化した後の前記第2の情報層の反射率R1(2
後)、および前記第1の情報層を初期化する前の前記第
1の情報層の透過率T1(1前)が、 R1(1前)<R1(1後)、R1(1前)<R1(2前)×[T1(1
前)]2、およびR1(1前)<R1(2後)×[T1(1前)]2 の関係を満たすことが好ましい。
の光学情報記録媒体の第2の初期化方法は、基板上に、
少なくとも、第1の情報層、光学分離層および第2の情
報層をこの順に備え、前記第1および第2の情報層に前
記基板を通して信号を記録し、かつ再生できる光学情報
記録媒体を、前記基板側からレーザ光を照射して初期化
する方法であって、少なくとも、前記第1の情報層と前
記第2の情報層とが形成されている領域においては、前
記第2の情報層を初期化してから前記第1の情報層を初
期化することを特徴とする。
を初期化する波長λ2のレーザ光に対する、第1の情報
層を初期化する前の前記第1の情報層の透過率T2(1
前)、および前記第1の情報層を初期化した後の前記第
1の情報層の透過率T2(1後)が、 T2(1前)>T2(1後) の関係を満たすことが好ましい。
情報層を初期化する波長λ1のレーザ光に対する、前記
第1の情報層を初期化する前の前記第1の情報層の反射
率R1(1前)、第2の情報層を初期化する前の前記第2の
情報層の反射率R1(2前)、前記第2の情報層を初期化し
た後の前記第2の情報層の反射率R1(2後)および前記第
1の情報層を初期化する前の前記第1の情報層の透過率
T1(1前)、ならびに、前記第2の情報層を初期化する波
長λ2のレーザ光に対する、前記第1の情報層を初期化
する前の前記第1の情報層の反射率R2(1前)、前記第2
の情報層を初期化する前の前記第2の情報層の反射率R
2(2前)、および前記第1の情報層を初期化する前の前記
第1の情報層の透過率T2(1前)が、 R1(1前)<R1(2前)×[T1(1前)]2、R1(2前)>R1(2
後)、およびR2(1前)<R2(2前)×[T2(1前)]2 の関係を満たすことが好ましい。
情報層を初期化するレーザ光の波長λ1と第2の情報層
を初期化するレーザ光の波長λ2とが等しいことが好ま
しい。
の第3の光学情報記録媒体の初期化方法は、基板上に、
少なくとも、第1の情報層、光学分離層および第2の情
報層をこの順に備え、前記第1および第2の情報層に前
記基板を通して信号を記録し、かつ再生できる構成を有
し、前記基板上に、前記第1の情報層が存在し、前記第
2の情報層が存在しない領域を備えている光学情報記録
媒体を、前記基板側からレーザ光を照射して初期化する
方法であって、前記第1の情報層の初期化を、前記領域
から開始し、少なくとも、前記第1の情報層と前記第2
の情報層とが形成されている領域においては、前記第2
の情報層を初期化してから前記第1の情報層を初期化す
ることを特徴とする。
を初期化する波長λ1のレーザ光に対する、前記第1の
情報層を初期化する前の前記第1の情報層の反射率R
1(1前)、前記第1の情報層を初期化した後の前記第1の
情報層の反射率R1(1後)、第2の情報層を初期化する前
の前記第2の情報層の反射率R1(2前)、前記第2の情報
層を初期化した後の前記第2の情報層の反射率R1(2後)
および前記第1の情報層を初期化する前の前記第1の情
報層の透過率T1(1前)、ならびに、前記第2の情報層を
初期化する波長λ2のレーザ光に対する、前記第1の情
報層を初期化する前の第1の情報層の透過率T2(1前)、
前記第1の情報層を初期化した後の前記第1の情報層の
透過率T2(1後)が、 R1(1前)<R1(1後)、R1(1前)<R1(2前)×[T1(1
前)]2、R1(1前)<R1(2後)×[T1(1前)]2、および
T2(1前)>T2(1後) の関係を満たすことが好ましい。
情報層を初期化する波長λ1のレーザ光に対する、前記
第1の情報層を初期化する前の前記第1の情報層の反射
率R1(1前)、前記第1の情報層を初期化した後の前記第
1の情報層の反射率R1(1後)、第2の情報層を初期化す
る前の前記第2の情報層の反射率R1(2前)、前記第2の
情報層を初期化した後の前記第2の情報層の反射率R
1(2後)および前記第1の情報層を初期化する前の前記第
1の情報層の透過率T1(1前)、ならびに、前記第2の情
報層を初期化する波長λ2のレーザ光に対する、前記第
1の情報層を初期化する前の前記第1の情報層の反射率
R2(1前)、前記第2の情報層を初期化する前の前記第2
の情報層の反射率R2(2前)、および前記第1の情報層を
初期化する前の前記第1の情報層の透過率T2(1前)が、 R1(1前)<R1(1後)、R1(1前)<R1(2前)×[T1(1
前)]2、R1(1前)<R1(2後)×[T1(1前)]2、R1(2
前)>R1(2後)、およびR2(1前)<R2(2前)×[T2(1
前)]2 の関係を満たすことが好ましい。
情報層を初期化するレーザ光の波長λ1と第2の情報層
を初期化するレーザ光の波長λ2が等しいことが好まし
い。
面に基づいて説明する。図1〜図3は、本発明の一実施
形態に係る光学情報記録媒体(光ディスク)を示し、図
1は光ディスクの部分切り欠き斜視図、図2は部分切り
欠き平面図、図3は断面図である。なお、図2は、光デ
ィスクを基板1側から見た平面図である。この光ディス
クは、情報層を2層(第1の情報層21、第2の情報層
22)備え、情報層がそれぞれ1層の記録層(第1の記
録層4、第2の記録層11)を含む片面2層構成の相変
化型光ディスクであり、各情報層への信号の記録、再生
等、さらに初期化を行うレーザ光は、基板1側から入射
する。
の樹脂板、ガラス板等の透明材料から構成することが好
ましい。基板は、紫外線硬化樹脂を用いて形成してもよ
い。基板の表面は、スパイラル状または同心円状の連続
溝(案内溝、トラック)で覆われていることが好まし
い。なお、基板1は、スピンコート法を用いて形成して
もよい。この場合は、例えば、保護基板15上に第2の
情報層22を成膜した後、表面が連続溝で覆われた光学
分離層7を2P法で形成し、さらにその上に第1の情報
層21を成膜し、この第1の情報層上にスピンコート法
で樹脂を塗布して基板とすればよい。スピンコート法で
基板1を形成する場合、基板の厚さは、通常数10μm
以下となる。
・化学的に安定であって、第1の記録層4や第2の記録
層11に用いる材料の融点よりも高い融点と軟化温度と
を有し、かつ記録層材料と相固溶しないことが好まし
い。このような材料としては、例えば、Al2O3、Si
O2、Ta2O5、MoO3、WO3、ZrO2、ZnS、A
lN、BN、Si3N4、TiN、ZrN、PbF2、M
gF2等の誘電体、またはこれら材料の適当な組み合わ
せから構成できる。ただし、上記に例示した材料に含ま
れる元素は、化学量論比から外れた値となっていてもよ
い。また、保護層に用いる材料は、必ずしも、誘電体で
あり、また透明である必要はなく、例えば可視光線およ
び赤外線に対して光吸収性を有するZnTe等を用いて
もよい。なお、各情報層21,22における一対の保護
層は、同一材料で形成してもよいが、異なる材料で形成
すると、熱的、光学的なディスク設計の自由度が大きく
なるという利点が得られる。
式X-N、X-O-N、X-Cのいずれかにより表される
か、あるいはこれらの混合物であることが好ましい。こ
こで、Xは、特に限定されないが、Ge、Cr、Si、
AlおよびTeから選ばれる少なくとも一つの元素が好
ましい。また、界面層には、窒素が含まれていることが
好ましい。界面層は必須の層ではないが、この層を形成
すると、記録層4,11を構成する元素と、保護層2,
6,9,13を構成する元素との相互拡散が抑制され、
記録消去の繰り返し特性が向上する。
質状態との間を可逆的に変化すればよく、Te、In、
Se等を主成分とする相変化材料を用いることができ
る。相変化材料の主成分としては、Te-Sb-Ge、T
e-Ge、Te-Ge-Sn、Te-Ge-Sn-Au、Sb
-Se、Sb-Te、Sb-Se-Te、In-Te、In-
Se、In-Se-Tl、In-Sb、In-Sb-Se、
In-Se-Te等が挙げられる。第1および第2の記録
層4,11は、通常、非晶質状態で成膜され、照射され
るレーザ光等のエネルギーを吸収して結晶化(初期化)
する。記録層の材料は、相変化に伴い、光学定数(屈折
率n、消衰係数k)も変化する。
形成するためには、Ge,Sb,Teの3元素を主成分
とする材料を用いることが好ましい。また、実験により
確認したところでは、記録層は、GexSbyTe
z(x、y、zは原子比)により表示して、0.10≦x≦
0.35,0.10≦y,0.45≦z≦0.65,x+y+z=1の範
囲にある材料から構成することが特に好ましい。
を記録・再生するために照射するレーザ光の波長に対し
て、透明な材料を用いて形成すればよく、第1の情報層
21と第2の情報層22とを光学的に分離する機能を有
する。光学分離層に供する材料としては、紫外線硬化樹
脂、光ディスク貼り合わせ用の両面テープ(例えば日東
電工(株)製の粘着シート「DA−8320」)等を例
示できる。光学分離層は、スピンコート法、2P法等に
よって作製される。光学分離層を2P法で作製する場合
には、次の2つの場合がある。第1には、基板1上に第
1の情報層21を成膜した後、表面にスパイラル状また
は同心円状の連続溝で覆われた光学分離層を2P法で形
成し、さらにその上に第2の情報層を成膜する場合であ
る。この場合、保護基板15は形成しなくても構わな
い。第2には、保護基板15上に第2の情報層を成膜し
た後、表面がスパイラル状または同心円状の連続溝で覆
われた光学分離層を2P法で形成し、さらにその上に第
1の情報層を成膜する場合である。この場合には、基板
1はスピンコート法等で形成される。
元素を主成分とし、第2の記録層11における光吸収補
正構成を実現するためには形成することが好ましいが、
必須の層ではない。また、半透過層に代えて、屈折率が
異なる2種類の誘電体層を積層して用いても、半透過層
と同様の光学特性を得ることができる。
Cr等の金属元素、またはこれらの合金から形成するこ
とが好ましい。反射層14は、必須の層ではないが、第
2の記録層11への光吸収効率を高めるためには、形成
することが好ましい。
樹脂層でもよく、また、基板1と同様、樹脂板、ガラス
板から構成してよい。光学分離層7の表面に第2の情報
層22の案内溝を2P法によって形成する場合には、保
護基板15の表面は平面でよく、例えば接着剤を用いて
第2の情報層22上に貼り合わせて形成することができ
る。なお、光学分離層7の表面に第2の情報層22の案
内溝を形成しない場合には、保護基板15の表面をスパ
イラル状または同心円状の連続溝(案内溝)で覆う構成
とすることが好ましい。この場合には、保護基板15の
表面に直接第2の情報層22が形成され、基板1上に形
成された第1の情報層21と光学分離層7を介して貼り
合わされることになる。
クを第2の情報層どうしを内側にして接着剤等を用いて
貼り合わせることにより、両面から記録、再生可能な4
層構造の光学情報記録媒体としてもよい。
態の光ディスクには、レーザ光の入射側(基板1側)か
ら見て、第1の情報層が存在し、第2の情報層が存在し
ない領域が設けられる。本実施形態では、上記領域を、
リング状(ドーナツ状)に設けられた記録領域の最内周
側に設けている。上記領域は、図4および図5に示すよ
うに、記録領域の最外周側に設けてもよい。このよう
に、円盤状基板の上方に設けられたリング状の記録領域
において、第1の情報層のみが存在する領域は、この領
域の最外周側および/または最内周側に形成することが
好ましい。
ば、第1の情報層を成膜する際に用いる内周マスクの外
径を第2の情報層を成膜する際に用いる内周マスクの外
径よりも小さくする、あるいは、第1の情報層を成膜す
る際に用いる外周マスクの内径を第2の情報層を成膜す
る際に用いる外周マスクの内径よりも大きくすることに
より形成することができる。
1、保護層2,6,9,13、界面層3,5,10,1
2、半透過層8、反射層14等上記各層の成膜方法とし
ては、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法、化学蒸着法(CVD法)、レーザスパ
ッタリング法等を適用できる。
は、高透過率、高感度、高速でオーバライト可能である
ことであり、未記録部においてもある程度大きい反射率
が得られることである。透過率を大きくするためには、
第1の記録層以外に光を吸収する層(例えば反射層)が
ない構成とすることが好ましい。このような特性を得る
ために、記録のためのレーザ光の波長に対して、第1の
記録層が非晶質状態であるときの第1の情報層の光吸収
率が、第1の記録層が結晶状態であるときの第1の情報
層の光吸収率よりも低くなる光吸収補正構成を有するこ
とが好ましい。
は、高感度、高反射率、高速でオーバライト可能である
ことである。これらの特性を得るためには、第1の情報
層を記録(非晶質マークの形成)によって反射率が低下
するH−L構成とし、第2の情報層を記録(非晶質マー
クの形成)によって反射率が高くなるL−H構成とする
ことが好ましい。このような構成によれば、第1の情報
層と第2の情報層との記録感度、および再生信号レベル
の揃った片面多層の光学情報記録媒体を実現することが
できる。
示する。第1の情報層として、第1の記録層を厚さ7n
mのGe-Sb-Teとし、第1の記録層に接して基板側
に厚さ100nm、基板と反対側に厚さ110nmのZ
nS-SiO2混合物層を形成する。また、第2の情報層
として、光学分離層上に、厚さ10nmのAu、厚さ7
0nmのZnS-SiO2、厚さ10nmのGe-Sb-T
e、厚さ80nmのZnS-SiO2、厚さ16nmのA
l-Crをこの順に形成する。特に消去特性を改善する
目的で、各記録層と各保護層との間に窒化物等からなる
界面層を設けても構わない。いずれの構成にしても、第
1の情報層の反射率は、第1の記録層が結晶状態の場合
よりも非晶質状態の場合のほうが小さく、第2の情報層
の反射率は、第2の記録層が結晶状態の場合よりも非晶
質状態の場合のほうが大きい。なお、上記構成は、基本
的には、いずれも波長660nm近傍のレーザ光を記録
・再生に用いることを前提として設計された構成であ
る。
スクをレーザ光を用いて、初期化する方法について説明
する。初期化は、成膜時点において非晶質状態にある第
1および第2の記録層を記録領域において全面結晶化す
るプロセスである。初期化工程を短時間に終了させるた
めには、大出力のレーザ光を用いて各記録層を結晶化さ
せることが好ましい。この観点からは、初期化に用いる
レーザ光としては、記録・再生に用いる波長660nm
のレーザ光よりも、波長800nm前後の近赤外域のレ
ーザ光が好ましい。近赤外レーザ光により、高出力光を
安価に得られるからである。
この例では、レーザ光源26から照射されたレーザ光は
対物レンズ25によって、スピンドルモータ24により
回転している光ディスク23の第1の情報層または第2
の情報層上に、例えば非点収差法を用いてフォーカシン
グされる。このフォーカシングには、各情報層から得ら
れるフォーカス・エラー信号を用いることが好ましい。
ただし、フォーカシング制御は、ナイフエッジ法等、種
々の方法をとることもできる。なお、図6に示した装置
は、光ディスクへの信号の記録、再生にも用いることが
できる。この装置には、信号の再生のために、フォトデ
ィテクター27が準備されている。
めのレーザ光の波長に対し、本実施形態の光ディスクで
は、第1の情報層の反射率は、第1の記録層が結晶状態
の場合よりも非晶質状態の場合のほうが小さく、第2の
情報層の反射率は、第2の記録層が結晶状態の場合より
も非晶質状態の場合のほうが大きい。このような反射率
の大小関係は、波長780nm、830nm等、大出力
が入手容易な波長のレーザ光に対しても同様である。こ
のような反射率の大小関係は、特願平10−13298
2号明細書で提案されている構成についても同様に成立
する。
感度、信号変調度を同時に高める必要があるため、通
常、第1の記録層が非晶質状態における第1の情報層の
反射率は数%台と非常に低くなる。これとは対照的に、
第2の情報層は、第1の情報層を透過したレーザ光で記
録された信号を再生することから、記録層が非晶質状態
であれ結晶状態であれ、第1の情報層よりも高い反射率
を選ぶ必要がある。これは、初期化に用いるレーザ光と
して、波長660nm、780nm、830nm等当該
技術分野で一般に適用されているいずれのレーザ光を用
いても、第1の情報層の記録層が非晶質の場合、第1の
情報層から得られるフォーカス・エラー信号は、第2の
情報層から得られるフォーカス・エラー信号に比べて常
に小さくなり、第1の情報層からのフォーカスエラー信
号が得にくくなることを意味する。
形成されていない領域では、第1の情報層からフォーカ
ス・エラー信号を得ることは容易である。すなわち、例
えば初期化装置の検出器のゲインを高めれば、第1の情
報層から容易にフォーカス・エラー信号を得ることがで
きる。一方、第1の情報層上に第2の情報層が存在する
領域では、初期化装置の検出器のゲインを高めても、両
情報層のフォーカス・エラー信号の比は変わらないた
め、第1の情報層にフォーカシングすることはやはり困
難である。
初期化を開始すれば、初期化のためのレーザ光が照射さ
れている領域内に結晶化領域が生成して反射率が高まる
ため、初期化装置の検出器に到達する光量が増える。し
たがって、第2の情報層が存在する領域においても、第
1の情報層の初期化を継続することは、(照射領域をス
キャニングさせて初期化を続けても)比較的容易とな
る。
ている領域から第1の情報層を初期化していく本発明の
初期化方法の一形態は、第1の情報層を初期化する波長
λ1のレーザ光に対し、初期化前の第1の情報層から
得られる反射光量が初期化後の第1の情報層から得られ
る反射光量よりも小さく、初期化前の第1の情報層か
ら得られる反射光量よりも、第2の情報層から得られる
反射光量が大きい場合に特に好適である。このような場
合には、第1の情報層から得られるフォーカス・エラー
信号が、初期化によって大きくなり、初期化の結果、第
1の情報層から得られるフォーカス・エラー信号の強度
が、第2の情報層から得られるフォーカス・エラー信号
の強度に近づくからである。
得られる各フォーカス・エラー信号の強度を比較するた
めには、第1の情報層の反射率と、第2の情報層の反射
率に第1の情報層の透過率の二乗を掛けた値とを比較す
ればよい。第2の情報層から得られる信号強度は、第1
の情報層を2度通過するからである。
期化の順序について説明する。第2の情報層を初期化す
る波長λ2のレーザ光に対し、初期化前の第1の情報層
の透過率が初期化後の第1の情報層の透過率よりも大き
い場合は、第1の情報層よりも先に第2の情報層を初期
化することが好ましい。最初に第1の情報層を初期化す
ると第2の情報層の初期化時に第1の情報層の透過率が
低減し、第2の情報層の初期化に必要なレーザパワーが
相対的に大きくなるからである。
の情報層を初期化する本発明の初期化方法の一形態は、
特に、第1の情報層を初期化する波長λ1のレーザ光
に対する、初期化前の第1の情報層から得られる反射光
量が初期化前の第2の情報層から得られる反射光量より
も小さく、波長λ1のレーザ光に対する、初期化前の
第2の情報層から得られる反射光量が初期化後の第2の
情報層から得られる反射光量よりも大きく、第2の情
報層を初期化する波長λ2のレーザ光に対する、初期化
前の第1の情報層から得られる反射光量が初期化前の第
2の情報層から得られる反射光量よりも小さい場合に適
用することが好ましい。この順に初期化することによ
り、第1の情報層から得られるフォーカス・エラー信号
と第2の情報層から得られるフォーカス・エラー信号と
の強度のアンバランスが矯正される(両者の強度比が1
に近づく)からである。
は、本発明の最も好ましい形態に相当する。この形態で
は、第1の情報層の初期化の開始点を、第1の情報層上
に第2の情報層がない領域とするとともに、上記両情報
層が形成されている領域では、第2の情報層を第1の情
報層よりも先に初期化する。
る場合について説明する。第1には、第1の情報層を
初期化する波長λ1のレーザ光に対する、初期化前の第
1の情報層から得られる反射光量が初期化後に得られる
反射光量よりも小さく、波長λ1のレーザ光に対す
る、初期化前の第1の情報層から得られる反射光量が、
初期化前・後いずれの第2の情報層から得られる反射光
量よりも小さく、第2の情報層を初期化する波長λ2
のレーザ光に対する、初期化前の第1の情報層の透過率
が初期化後の第1の情報層の透過率よりも大きい場合で
ある。
長λ1のレーザ光に対する、初期化前の第1の情報層か
ら得られる反射光量が初期化後に得られる反射光量より
も小さく、波長λ1のレーザ光に対する、初期化前の
第1の情報層から得られる反射光量が、初期化前・後い
ずれの第2の情報層から得られる反射光量よりも小さ
く、波長λ1のレーザ光に対する、第2の情報層の反
射率が初期化前に比べて初期化後が小さく、第2の情
報層を初期化する波長λ2のレーザ光に対する、初期化
前の第1の情報層から得られる反射光量が、初期化前の
第2の情報層から得られる反射光量よりも小さい場合で
ある。
報層と第2の情報層とを同じ波長のレーザ光で初期化し
てもよい。また、第2の情報層を先に初期化する場合で
あっても、必ずしも、第2の情報層を完全に初期化し終
わってから第1の情報層の初期化を開始する必要はな
く、初期化用の光源を情報層ごとに準備した初期化装置
を用いて、第2の情報層の初期化処理を行いながら、第
2の情報層の初期化が終了した領域において第1の情報
層を初期化してもよい。また、レーザ光源は1つであっ
ても、レーザ光をビームスプリッターで2つ以上に分割
して、各情報層にレーザ光を照射して、照射する位置を
ずらしながら各情報層を初期化してもよい。この場合に
は、第2の情報層の初期化が済んだ領域において第1の
情報層の初期化が行われるようなビーム配列とする。
説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるも
のではない。
m、溝深さ70nmの凹凸の案内溝で覆われている半径
120mm、厚さ0.58mmの円盤状ポリカーボネー
トを第1の基板として、その上にZnS-20mol%Si
O2、Ge29Sb21Te50、ZnS-20mol%SiO2を
この順に、それぞれ、100nm、7nm、110nm
の厚さとなるようにマグネトロンスパッタリング法を用
いて成膜し、第1の情報層とした。一方、同じくピッチ
0.60μm、溝深さ70nmの凹凸の案内溝で覆われ
ている半径120mm、厚さ0.6mmの円盤状ポリカ
ーボネートを第2の基板として、その上に順次、Al-2
at%Cr、ZnS-20mol%SiO2、Ge29Sb21Te
50、ZnS-20mol%SiO2、Auを、それぞれ、1
6nm、80nm、10nm、70nm、10nmの厚
さとなるようにマグネトロンスパッタリング法で成膜
し、第2の情報層とした。なお、第1の情報層は、円盤
の半径20mmから59mmまでの領域に形成し、第2
の情報層は円盤の半径23mmから59mmまでの領域
に形成した。
系の紫外線硬化樹脂を塗布し、その上に第1の情報層が
第2の情報層と向かい合うように、第1の基板と第2の
基板とを密着させ、紫外線照射を行うことにより、第1
の基板(基板)、第1の情報層、中間樹脂層(光学分離
層)、第2の情報層,第2の基板(保護基板)の順に並
んだ光ディスクを得た。なお、中間樹脂層の厚さとして
は、30μm以上60μm以下が好ましい結果が得られ
たが、ここでは、厚さ40μmとした場合の実験結果に
ついて示す。
未記録状態、記録層の非晶質状態を記録マークとする。
波長660nm、波長830nmのレーザ光に対する光
学特性の設計値を(表1)に、実測値(溝による回折の
影響を除去するため、光学特性は、案内溝のない鏡面基
板を用いて測定した)を(表2)に示す。
ディスクにおいてほぼ設計どおりの光学特性が得られて
いることがわかる。なお、第2の情報層を再生する場
合、手前の第1の情報層の存在によって、第2の情報層
の反射率に、第1の情報層の透過率を2乗した値をかけ
た値が、実効的な第2の情報層の反射率になる。例え
ば、第1の情報層に記録がなされていない場合には、波
長660nmにおける第2の情報層における未初期化時
の反射率は38%×45%×45%=8%である。
6に示した装置と同様の初期化装置を用いて初期化し
た。初期化に用いるレーザ光の波長は830nmとし
た。初期化のためのレーザ光は、各情報層にフォーカシ
ングされた時、ディスク半径方向に100μm、周方向
に20μmとなるように整形されている。
域とない領域において、初期化を行う前にレーザを照射
して、フォーカシングを行うためのフォーカス・エラー
信号をオシロスコープを用いて観察した。検出器の感度
はオートゲインコントローラによって調整した。各層か
ら得られたフォーカス・エラー信号の振幅比を(表3)
に示す。
上に第2の情報層が存在する場合には、第1の情報層か
らフォーカス・エラー信号を分離することが極端に困難
であった。実際、第2の情報層が存在する領域で第1の
情報層にフォーカシングを行うことはできなかった。し
かし、第2の情報層がない領域では、容易に第1の情報
層にフォーカシングできた。第1の情報層は、線速度6
m/s、レーザ電流値1000mAで初期化することが
できた。
クを用いて、第1の情報層および第2の情報層のいずれ
を先に初期化すれば好ましいか、図6に示した装置と同
様の初期化装置を用いて検討した。ここでも、各情報層
の初期化に用いたレーザ光の波長は830nmとした。
初期化のためのレーザ光は、各情報層にフォーカシング
された時、ディスク半径方向に100μm、周方向に2
0μmとなるように整形されている。
も存在する領域において、初期化前の各層から得られる
フォーカス・エラー信号の比は(表3)に示した通りで
ある。2つの情報層が存在する領域では、最初に第1の
情報層にフォーカシングすることは不可能であったが、
第2の情報層を先に初期化した場合には、第1の情報層
にフォーカシングでき、かつ、第1の情報層を初期化す
ることができた。この時、第2の情報層は線速度8m/
s、レーザ電流値1000mAで初期化できた。
1の情報層を初期化した後に、第2の情報層を初期化し
ようとすると、線速度を5m/sに落とさなければ10
00mAで初期化することができなかった。しかも、第
1の情報層を第2の情報層よりも先に初期化しようとす
ると、その逆の場合に比べて外乱に弱く、わずかの振動
により第1の初期化作業中にフォーカシング動作が中断
することがあった。しかし、第2の情報層を第1の情報
層よりも先に初期化した場合には、外乱によりフォーカ
シング作業が中断されることはなかった。
いて第1の情報層を初期化することにより、安定した初
期化が実現できることがわかる。また、第1の情報層に
おいて初期化のためのフォーカシングを最初に行う場所
は、前述のように、第1の情報層のみが存在し、第2の
情報層が存在しない領域内が好ましい。
いて、第1の情報層、および第2の情報層を初期化した
片面2層の光ディスクを用いて信号の記録・再生実験を
行った。図6に示したと同様の構成を有する記録・再生
装置を用いて、案内溝(グルーブ)と案内溝間(ラン
ド)双方に信号を記録し、かつ再生した。記録および再
生に用いたレーザ光源は波長660nmの半導体レー
ザ、対物レンズのNAは0.6とした。また、線速度9
m/sでディスクを回転させながら、図7に示す記録パ
ルスストラテジィを用いて、8/16,RLL(2,1
0)の変調方式で記録情報を記録した。ピークパワーお
よびバイアスパワーは、繰り返しオーバライト記録した
ランダム信号の再生ジッタが最小となるように選択し
た。
は、1回目から100回目までランダム信号を繰り返し
オーバライト記録した場合の再生信号の最悪ジッタ値が
10%と良好な値であった。ちなみに初期化をほどこし
ていない第1の情報層にはフォーカシングできなかった
ので信号を記録することができなかった。
いて第1の情報層を初期化した場合、第2の情報層は、
1回目から100回目までランダム信号を繰り返しオー
バライト記録した場合の再生信号の最悪ジッタ値が10
%と良好な値であった。
いて第2の情報層を初期化した場合、第2の情報層は、
1回目から100回目までランダム信号を繰り返しオー
バライト記録した場合の再生信号の最悪ジッタ値が14
%とよくなかった。これは、第1の情報層を最初に初期
化したことによって第2の情報層の初期化時の線速度を
5m/sに下げざるを得なかったことに起因していると
考えられる。初期化時の線速度が遅いと第2の情報層に
対する熱負荷が増加し、ディスクノイズが増加する傾向
にあるからである。
に記録した場合には、1回目から10回目までの繰り返
しオーバライト記録においては、再生信号のジッタ値は
20%以上と非常に悪く、記録した情報を正しく再生す
ることができなかった。
片面から複数の情報層に信号を記録できる大容量の光学
情報記録媒体を、レーザ光を用いて安定して初期化する
ことができる。特に、本発明は、基板に近い側の情報層
をH−L構成とするとともに、基板から遠い情報層をL
−H構成とした場合の光学情報記録媒体の初期化に好適
である。
分切り欠き斜視図である。
分切り欠き平面図である。
分断面図である。
す部分切り欠き斜視図である。
す部分切り欠き平面図である。
体への信号の記録・再生等を行う装置の構成を示す図で
ある。
る際の、記録パルスの変調波形の一例を示す図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 基板上に、少なくとも、第1の情報層、
光学分離層および第2の情報層をこの順に備え、前記第
1および第2の情報層に前記基板を通して信号を記録
し、かつ再生できる光学情報記録媒体であって、 前記基板上に、前記第1の情報層が存在し、前記第2の
情報層が存在しない領域を備えていることを特徴とする
光学情報記録媒体。 - 【請求項2】 基板の形状が円盤状であって、 第1の情報層が存在し、第2の情報層が存在しない領域
が、前記第1の情報層が存在する領域の最外周部および
最内周部から選ばれる少なくとも一方に設けられている
請求項1に記載の光学情報記録媒体。 - 【請求項3】 第1の情報層が第1の記録層を含み、第
2の情報層が第2の記録層を含み、前記第1および第2
の記録層が、基板側からのレーザ光の照射によって非晶
質状態と結晶状態との間を可逆的に変化する材料からな
る請求項1に記載の光学情報記録媒体。 - 【請求項4】 第1および第2の記録層に記録された信
号を再生するために基板側から照射される波長λ0のレ
ーザ光に対し、 前記第1の記録層が非晶質状態であるときの第1の情報
層の反射率R0(1amo)、前記第1の記録層が結晶状態で
あるときの前記第1の情報層の反射率R0(1cry)、前記
第2の記録層が非晶質状態であるときの第2の情報層の
反射率R0(2amo)、および前記第2の記録層が結晶状態
であるときの前記第2の情報層の反射率R 0(2cry)が、 R0(1amo)<R0(1cry)、およびR0(2amo)>R0(2cry) の関係を満たす請求項3に記載の光学情報記録媒体。 - 【請求項5】 基板上に、少なくとも、第1の情報層、
光学分離層および第2の情報層をこの順に備え、前記第
1および第2の情報層に前記基板を通して信号を記録
し、かつ再生できる構成を有し、前記基板上に、前記第
1の情報層が存在し、前記第2の情報層が存在しない領
域を備えている光学情報記録媒体を、前記基板側からレ
ーザ光を照射して初期化する方法であって、 前記第1の情報層の初期化を、前記領域から開始するこ
とを特徴とする光学情報記録媒体の初期化方法。 - 【請求項6】 第1の情報層を初期化する波長λ1のレ
ーザ光に対する、前記第1の情報層を初期化する前の前
記第1の情報層の反射率R1(1前)、前記第1の情報層を
初期化した後の前記第1の情報層の反射率R1(1後)、第
2の情報層を初期化する前の前記第2の情報層の反射率
R1(2前)、前記第2の情報層を初期化した後の前記第2
の情報層の反射率R1(2後)、および前記第1の情報層を
初期化する前の前記第1の情報層の透過率T1(1前)が、 R1(1前)<R1(1後)、R1(1前)<R1(2前)×[T1(1
前)]2、およびR1(1前)<R1(2後)×[T1(1前)]2 の関係を満たす請求項5に記載の光学情報記録媒体の初
期化方法。 - 【請求項7】 基板上に、少なくとも、第1の情報層、
光学分離層および第2の情報層をこの順に備え、前記第
1および第2の情報層に前記基板を通して信号を記録
し、かつ再生できる光学情報記録媒体を、前記基板側か
らレーザ光を照射して初期化する方法であって、 少なくとも、前記第1の情報層と前記第2の情報層とが
形成されている領域においては、前記第2の情報層を初
期化してから前記第1の情報層を初期化することを特徴
とする光学情報記録媒体の初期化方法。 - 【請求項8】 第2の情報層を初期化する波長λ2のレ
ーザ光に対する、第1の情報層を初期化する前の前記第
1の情報層の透過率T2(1前)、および前記第1の情報層
を初期化した後の前記第1の情報層の透過率T2(1後)
が、 T2(1前)>T2(1後) の関係を満たす請求項7に記載の光学情報記録媒体の初
期化方法。 - 【請求項9】 第1の情報層を初期化する波長λ1のレ
ーザ光に対する、前記第1の情報層を初期化する前の前
記第1の情報層の反射率R1(1前)、第2の情報層を初期
化する前の前記第2の情報層の反射率R1(2前)、前記第
2の情報層を初期化した後の前記第2の情報層の反射率
R1(2後)および前記第1の情報層を初期化する前の前記
第1の情報層の透過率T1(1前)、ならびに、前記第2の
情報層を初期化する波長λ2のレーザ光に対する、前記
第1の情報層を初期化する前の前記第1の情報層の反射
率R2(1前)、前記第2の情報層を初期化する前の前記第
2の情報層の反射率R2(2前)、および前記第1の情報層
を初期化する前の前記第1の情報層の透過率T2(1前)
が、 R1(1前)<R1(2前)×[T1(1前)]2、R1(2前)>R1(2
後)、およびR2(1前)<R2(2前)×[T2(1前)]2 の関係を満たす請求項7に記載の光学情報記録媒体の初
期化方法。 - 【請求項10】 第1の情報層を初期化するレーザ光の
波長λ1と第2の情報層を初期化するレーザ光の波長λ2
とが等しい請求項7に記載の光学情報記録媒体の初期化
方法。 - 【請求項11】 基板上に、少なくとも、第1の情報
層、光学分離層および第2の情報層をこの順に備え、前
記第1および第2の情報層に前記基板を通して信号を記
録し、かつ再生できる構成を有し、前記基板上に、前記
第1の情報層が存在し、前記第2の情報層が存在しない
領域を備えている光学情報記録媒体を、前記基板側から
レーザ光を照射して初期化する方法であって、 前記第1の情報層の初期化を、前記領域から開始し、 少なくとも、前記第1の情報層と前記第2の情報層とが
形成されている領域においては、前記第2の情報層を初
期化してから前記第1の情報層を初期化することを特徴
とする光学情報記録媒体の初期化方法。 - 【請求項12】 第1の情報層を初期化する波長λ1の
レーザ光に対する、前記第1の情報層を初期化する前の
前記第1の情報層の反射率R1(1前)、前記第1の情報層
を初期化した後の前記第1の情報層の反射率R1(1後)、
第2の情報層を初期化する前の前記第2の情報層の反射
率R1(2前)、前記第2の情報層を初期化した後の前記第
2の情報層の反射率R1(2後)および前記第1の情報層を
初期化する前の前記第1の情報層の透過率T1(1前)、な
らびに、前記第2の情報層を初期化する波長λ2のレー
ザ光に対する、前記第1の情報層を初期化する前の第1
の情報層の透過率T2(1前)、前記第1の情報層を初期化
した後の前記第1の情報層の透過率T2(1後)が、 R1(1前)<R1(1後)、R1(1前)<R1(2前)×[T1(1
前)]2、 R1(1前)<R1(2後)×[T1(1前)]2、およびT2(1前)
>T2(1後) の関係を満たす請求項11に記載の光学情報記録媒体の
初期化方法。 - 【請求項13】 第1の情報層を初期化する波長λ1の
レーザ光に対する、前記第1の情報層を初期化する前の
前記第1の情報層の反射率R1(1前)、前記第1の情報層
を初期化した後の前記第1の情報層の反射率R1(1後)、
第2の情報層を初期化する前の前記第2の情報層の反射
率R1(2前)、前記第2の情報層を初期化した後の前記第
2の情報層の反射率R1(2後)および前記第1の情報層を
初期化する前の前記第1の情報層の透過率T1(1前)、な
らびに、前記第2の情報層を初期化する波長λ2のレー
ザ光に対する、前記第1の情報層を初期化する前の前記
第1の情報層の反射率R2(1前)、前記第2の情報層を初
期化する前の前記第2の情報層の反射率R2(2前)、およ
び前記第1の情報層を初期化する前の前記第1の情報層
の透過率T2(1前)が、 R1(1前)<R1(1後)、R1(1前)<R1(2前)×[T1(1
前)]2、 R1(1前)<R1(2後)×[T1(1前)]2、R1(2前)>R1(2
後)、およびR2(1前)<R2(2前)×[T2(1前)]2 の関係を満たす請求項11に記載の光学情報記録媒体の
初期化方法。 - 【請求項14】 第1の情報層を初期化するレーザ光の
波長λ1と第2の情報層を初期化するレーザ光の波長λ2
が等しい請求項11に記載の光学情報記録媒体の初期化
方法。
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