JPH07109654B2 - 光学的情報記録媒体およびその情報記録再生方法 - Google Patents

光学的情報記録媒体およびその情報記録再生方法

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JPH07109654B2
JPH07109654B2 JP1175859A JP17585989A JPH07109654B2 JP H07109654 B2 JPH07109654 B2 JP H07109654B2 JP 1175859 A JP1175859 A JP 1175859A JP 17585989 A JP17585989 A JP 17585989A JP H07109654 B2 JPH07109654 B2 JP H07109654B2
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信夫 赤平
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光・熱等を用いて高速かつ高密度に情報を記
録再生する光学的情報記録媒体に関するものである。
従来の技術 レーザー光をレンズ系によって収束させると直径がその
光の波長のオーダーの小さな光スポットを作ることがで
きる。したがって小さい出力の光源からでも単位面積あ
たりのエネルギー密度の高い光スポットを作ることが可
能である。したがって物質の微小な領域を変化させるこ
とが可能であり、またその微小領域の変化を読みだすこ
とも可能である。これを情報の記録・再生に利用したも
のが光学的情報記録媒体である。以下、「光記録媒体」
あるいは単に「媒体」と記述する。
光記録媒体の基本的な構造は表面が平坦な基板上にレー
ザースポット光照射によって何らかの状態が変化する記
録薄膜層を設けたものである。信号の記録・再生は以下
のような方法を用いる。すなわち、平板状の媒体を例え
ばモーター等による回転手段や並進手段により移動さ
せ、この媒体の記録薄膜面上にレーザー光を収束し照射
する。記録薄膜はレーザー光を吸収し昇温する。レーザ
ー光の出力をある閾値以上に大きくすると記録薄膜の状
態が変化して情報が記録される。この閾値は記録薄膜自
体の特性の他に基材の熱的な特性・媒体の光スポットに
対する相対速度等に依存する量である。記録された情報
は記録部に前記閾値よりも十分低い出力のレーザー光ス
ポットを照射し、その透過光強度、反射光強度あるいは
それらの偏光方向等何らかの光学的特性が記録部と未記
録部で異なることを検出して再生する。
したがって、小さいレーザーパワーで状態が変化し、大
きな光学的変化を示す材料および構造が望まれる。
記録薄膜としてはBi、Teあるいはこれらを主成分とする
金属薄膜、Teを含む化合物薄膜が知られている。これら
はレーザー光照射により薄膜が溶融あるいは蒸発し小孔
を形成する穴開け型の記録を行い、この記録部とその周
辺部からの反射光あるいは透過光の位相が異なるため干
渉で打ち消しあって、あるいは回折されて検出系に至る
反射光量あるいは透過光量が変化することを検出して再
生を行う。また、他に相変化型と呼ばれる、形状の変化
を伴わずに光学的な変化をする記録媒体がある。材料と
してはアモルファスカルコゲン化物薄膜、テルルおよび
酸化テルルからなるTe-TeO2を主成分とする酸化物系薄
膜がある(特公昭54-3725号公報)。また、Te-TeO2‐Pd
を主成分とする薄膜も知られている(特開昭和61-68296
号公報)。これらはレーザー光照射により薄膜の屈折率
あるいは消衰係数のうち少なくともいずれか1つが変化
して記録を行い、この部分で透過光あるいは反射光の振
幅が変化し、その結果検出系に至る透過光量あるいは反
射光量が変化することを検出して信号を再生する。
光は波動であり振幅と位相によって記述される。上記の
ように信号の再生は透過光量あるいは反射光量の変化に
よって検出されるが、その変化の原因としては膜自体の
微少領域における透過光振幅あるいは反射光振幅が変化
する場合(振幅変化記録)と、透過光あるいは反射光の
位相が変化する場合(位相変化記録)がある。
発明が解決しようとする課題 以上のような光記録媒体の中で穴開け型のものは反射光
量変化は大きく取れ、位相変化記録であるため記録密度
が大きい記録が行えるが、きれいな穴を形成することが
難しく再生時のノイズが大きい。また、密着した保護構
造がとれず、いわゆるエアーサンドイッチ構造といわれ
る複雑な中空構造をとる必要があり、製造が難しくコス
ト高である。また、変形記録であるので消去書き換えが
不可能である。
これに比べて相変化型の記録媒体は形状変化を伴わない
ので簡単な構造がとれ製造が容易で低コストの媒体であ
るが、反射光振幅変化記録であるため穴開け型の記録に
くらべて記録密度が小さいという課題がある。さらに、
位相変化型の記録媒体である凹凸ピットによる複製盤
(オーディオディスク、ビデオディスク等)との互換が
取りにくいという課題もある。さらに、同一の媒体上に
凹凸ピットあらかじめ信号情報の記録状態を形成した領
域を相変化型の記録領域を混在させた場合に、両者にお
ける再生信号の質が異なるという課題がある。
課題を解決するための手段 入射した光の反射光あるいは透過光の位相を変化させる
凹凸をあらかじめ形成した基材上に、レーザ光照射によ
って光学定数が変化する薄膜材料を設けて、変化の前後
で入射した光の反射光あるいは透過光の位相が変化し、
この位相変化による全体の反射光量あるいは透過光量の
変化を検知する構成とする。さらに、その際に変化の前
後で反射光振幅あるいは透過光振幅は変化がない、ある
いは小さい構成とする。
作用 上記のような構成にすると光学的には凹凸による位相変
化記録と等価な記録が行なえる。従って、相変化記録で
ありながら記録密度の大きい記録が行え、凹凸ピットに
よる複製盤(オーディオディスク、ビデオディスク等)
との互換も取り易い。さらに、凹凸によりあらかじめ形
成した情報信号の記録状態からの再生光と相変化記録を
行った状態からの再生光が等価となり同じ再生光学系お
よび、信号処理回路を用いて情報信号の再生が行なえ
る。また、相変化記録は形状変化を伴わず材料を選ぶこ
とによって記録した状態をもとに戻す、すなわち消去・
書き換えも可能であり、書き換え型の位相変化記録が実
現できる。
実施例 従来の相変化形光記録媒体の構造の一例を第2図に示
す。相変化形記録材料はレーザー光を照射して発熱昇温
させその相を変化させると複素屈折率が変化する。その
変化は一般的に屈折率と消衰係数が同方向に変化する。
例えばアモルファス状態が結晶状態に変化すると一般に
屈折率と消衰係数が増大する。この様な記録薄膜層の反
射率は記録薄膜層3の薄膜t2に依存する。これを第3図
および第4図を用いて説明する。基材1側から光を入射
した場合の記録薄膜の反射率Rは記録薄膜の光入射側の
界面からの反射光と、その反対側の界面からの反射光の
多重干渉の結果である。膜厚t2を変化させると反射率は
干渉の結果、波長と屈折率によって決まる周期で増減す
るが膜厚が増加するにしたがい吸収により光入射側と反
対の界面に到達して反射する光量が減少するため干渉の
効果がなくなっていく。その結果として第3図に示すよ
うに干渉による増減が膜厚の増加にともないしだいに減
衰する曲線を描く。複素屈折率が大きくなると屈折率の
増加により干渉による膜厚周期が小さくなると同時に消
衰係数の増加により減衰する膜厚が小さい方向にシフト
する。以上の結果、第4図に示すように相変化した時の
反射率差ΔRも膜厚により変化するが、一般には複素屈
折率の小さい相で反射率が極小になる膜厚で極大にな
る。一方このような構成では反射光の位相の相変化の前
後での変化は小さい。すなわち反射率変化は反射光の位
相の変化によるものである。従来相変化形の記録媒体は
この反射率変化が極大になる膜厚で用いていた。従って
記録状態の再生はこの反射率の差を検出することによっ
てなされる。ミクロンオーダーの微少な領域の記録再生
の場合には、記録された部分の大きさと再生に用いる光
ビームの大きさが同じオーダーになる。例えば、波長80
0nm前後のレーザー光をNA0.5程度のレンズ系で絞ると半
値幅が約0.9μmのビームに絞れる。この様なビームを
用いて強いパワーで記録を行うと約0.5〜1μm前後の
範囲が相変化をおこして記録状態となる。これを同じビ
ームで読みだす場合を考えると、読み出しビームの光強
度は一般的にはガウス分布あるいは、それに近い形状の
分布をしており、相変化した記録状態の領域よりも外側
に広がっているため反射光量は記録状態の反射率と回り
の未記録状態の反射率にそれぞれの面積と光強度分布を
加重して平均した値に比例する。したがって、読み出し
ビームの大きさに比べて十分大きな範囲の記録状態の面
積がないと十分な再生信号が得られない。この大きさに
よって記録密度が制限される。
一方、穴開け形の場合には記録状態は凹凸の形状であり
周辺部と記録部からの反射光の位相が異なりそれらが干
渉しあって反射光量が変化することを利用している。従
って周辺部と穴部での反射光の位相差が(1±2n)π
(nは整数、πは円周率)のとき最も反射光量変化が大
きく、この値に近いことが、特に略々等しいことが望ま
しい。また、読み出しビームの強度分布として穴部に入
射する強度と周辺部に入射する強度が等しいとき最も干
渉の効果が大きく、従って反射光強度変化が大きい。す
なわち、読み出しビームの大きさよりも小さい記録状態
のときが再生信号が大きくとれる。
以上から同じ再生光ビームで再生する場合、反射光振幅
変化記録よりも位相変化記録の方が小さな記録状態で信
号量が大きくとれるすなわち高密度な記録が出来ること
がわかる。
従って相変化記録において位相変化を得ることが出来れ
ば凹凸記録並の記録密度が得られる。しかも反射率変化
は無いことあるいは小さいことが望ましい。
一方、光ディスク等の光記録媒体においては溝状の基材
の凹凸を用いたトラッキングの手法が一般的に用いられ
る。(例えば、尾上守夫監修「光ディスク技術」ラジオ
技術社刊、第1章、1.2.5p79〜参照)この場合の凹凸溝
も入射光の反射光の位相を変化させてトラッキングに必
要な情報を検出系にあたえる。従って、溝トラックを使
ってトラッキングを行いながら位相変化の記録再生を行
うときには溝による位相変化と記録による位相変化が重
畳する。従って、トラッキング機能を損なわず位相変化
の記録再生を行うための配慮が必要である。
具体的には、溝トラックの深さは通常第7図に示すよう
にレーザー光入射側に凸の形状をしており−π/2の位相
差を与える様に設計されてるため、相変化の記録による
位相差が±πの場合には両者が重畳してトータルの位相
差は+π/2あるいは−3/2×πとなってトラッキング信
号の極性が反転してしまう。(詳しくは前掲書参照)。
従ってこの様な場合には、トラッキングに影響を与えず
に充分な再生信号を得るには相変化記録による位相変化
は+π/2となるようにする必要がある。この場合には記
録部の記録による位相差と溝による位相差のトータルの
位相差は0となるため、あたかも溝がなくなった状態と
等価となり、溝をとぎれさせて番地等の信号をあらかじ
め形成した部分からの再生光と等価な再生光が得られる
という利点もある。
また、第8図とは反対に溝トラックの形状がレーザー入
射側からみて凹になっている場合も考えられるが、その
場合には溝による位相差はπ/2であるので相変化記録に
おける位相変化は−π/2となるようにすればよい。
トラッキング用の溝形状の形態として第8図に示すよう
ないわゆる「オンランド」と言われる方式も知られてい
る。(前掲書参照)このような場合には溝によるトラッ
キング信号には影響を与えないので相変化記録の位相差
を最大限の±πとすることが可能である。
以上のような技術を用いると例えば第9図に示すように
光ディスクの記録薄膜を設ける面を分割して、一方をあ
らかじめ形成した凹凸による信号記録面、他方を相変化
を利用した追記型あるいは書き換え可能型の記録面とし
てその双方を同じ光学系、信号処理系を用いて再生する
ことが可能である。従って、簡単で低コストな系で複数
の機能を持った光ディスクとその再生方法を得ることが
できる。相変化型の記録薄膜材料を用いて上述のような
位相変化型の光記録媒体を構成するには、記録薄膜層の
少なくとも片面に基材あるいは保護層と使用するレーザ
ー光の波長において屈折率の異なる透明層を設けること
によって実現できる。記録薄膜に接する材料の屈折率が
変化すると各界面での反射光が変化する。記録薄膜から
の反射光は記録薄膜の光入射側の界面からの反射光とそ
の反対側の界面からの反射光の多重干渉の結果である。
記録薄膜が十分薄く記録薄膜の光入射側と反対の界面ま
で到達する光の大きさが十分大きい場合には、未記録状
態の光学定数の小さいときは光入射側と反対の界面まで
到達して反射される光が光入射側の界面からの反射光よ
りも大きく、記録状態の光学定数の大きいときは逆に光
入射側の界面からの反射光が光入射側と反対の界面まで
到達して反射される光よりも大きくなる条件が存在す
る。両者は光路長が異なるため位相差を持っている。こ
の位相差が大きければ干渉による打ち消し合いの結果、
記録により光学定数が変化した時に全体の反射光の位相
が大きく変化することが可能になる。さらに両者の振幅
の差が記録の前後でほぼ等しければ(もちろん大小関係
は逆転するのであるが)反射光振幅の変化はほとんどな
いということが可能である。
さらに基材上に基材と屈折率が異なる第一の透明層を設
け、その上に記録薄膜層を設け、さらにその上に第二の
透明層を設け、その上に反射層を設けた構成にして前記
第一の透明層、記録薄膜層、第二の透明層および反射層
の膜厚を選ぶことによってより効率的な位相変化型の光
記録媒体を得ることができる。それは記録薄膜層を透過
した光が反射層によって反射されて上記の干渉による打
ち消し合いが効率的に行われるからである。
つぎに、具体的な実施例を使って説明する。
記録媒体の構成としては第1図に示すように基材1上に
透明な誘電体等の光学層2を設け、その上に記録薄膜3
を設けさらに透明な誘電体層4を設け、さらに反射層5
を設ける。さらにその上に透明な密着した保護層6を設
ける。この他に図には示さないが保護層を施さない構成
でもよい。この場合は保護層の代わりに空気(屈折率1.
0)を考えると光学的には同等であり、同じ効果が得ら
れる。透明層2には基材1と屈折率の異なる材質を用い
る。
これらの記録薄膜の厚さt2、透明光学層の厚さt1、t3
よび反射層の厚さt4を適当に選ぶことによって位相変化
の大きい媒体を得ることができる。
基材としてはガラス・樹脂等の透明で平滑な平板を用い
る。また基材表面にトラッキングガイド用の溝状の凹凸
があってもよい。
保護層としては樹脂を溶剤に溶かして塗布・乾燥したも
のや樹脂板を接着剤で接着したもの等が使える。
記録薄膜材料としてはアモルファス・結晶間の相変化を
する材料たとえばSbTe系、InTe系、GeTeSn系、SbSe系、
TeSeSb系、SnTeSe系、InSe系、TeGeSnO系、TeGeSnAu
系、TeGeSnSb系、Te-Ge-Sb等のカルコゲン化合物を用い
る。Te-TeO2系、Te-TeO2‐Au系、Te-TeO2‐Pd系等の酸
化物系材料も使える。また、結晶・結晶間の相移転をす
るAgZn系、InSb系等の金属化合物も使える。
透明な光学層としてはSiO2、SiO、TiO2、MgO、GeO2等の
酸化物、Si3N4、BN、AlN等の窒化物、ZnS、ZnTe、ZnS
e、PbS等の硫化物、あるいはこれらの混合物が使える。
反射層としてはAu、Al、Cu等の金属材料あるいは所定の
波長における反射率の大きな誘電体多層膜等が使える。
これらの材料を作る方法としては多元蒸着源を用いた真
空蒸着法やモザイク状の複合ターゲットを用いたスパッ
タリング法その他が使える。
比較例 記録薄膜として相変化材料であるGe2Sb2Te5の組成を持
つゲルマニウム、アンチモンおよびテルルの3元化合物
を用いる。形成法としてGe、Sb、Teの3つの蒸発源を用
いた電子ビーム蒸着法を用いる。記録薄膜はアモルファ
ス状態で形成される。ガラス板上に上記組成のGe2Sb2Te
5だけを蒸着したアモルファス状態の光学定数を測定し
たところ、波長830nmにおいて複素屈折率n+kiが4.8+
1.3iであった。これを不活性雰囲気中で300℃・5分間
熱処理して結晶状態にすると5.8+3.6iに変化する。
この膜をポリカーボネート樹脂板(PC、屈折率1.58)上
に蒸着し、さらに同じ屈折率の材質の樹脂をコーティン
グした第2図のような従来例の構成の場合の熱処理前後
すなわちアモルファス状態と結晶状態での波長830nmの
光の反射率Rの変化ΔRのおよび反射光の位相変化の膜
厚依存性の計算値を第4図に示す。
反射率および反射光の位相の計算には各層の複素屈折率
と膜厚からマトリックス法で計算した。(たとえば、久
保田広著「波動光学」岩波書店、1971年 第3章参照)
また、基材1と密着保護層6は無限大の膜厚をもつもの
として(基材−空気界面、密着保護層−空気界面の効果
を無視)、反射率Rは基材から入射した光の基材中に出
射してくる比率としてもとめ、位相は基材1と透明層2
の界面での位相を基準としてもとめた。位相は2πの周
期で等価であるので図中ではこれを考慮してある。
アモルファス状態と結晶状態の反射率差ΔRは膜厚15nm
および85nmで極大にありそれぞれ14%および24%になる
が位相変化は殆んどなくπ/6以下である。
実施例1 本発明の1実施例として第1図に示すように基材1とし
てポリカーボネート樹脂板(PC、屈折率1.58)上に透明
層2として硫化亜鉛(ZnS、屈折率n=2.10)をエレク
トロンビーム蒸着法で厚さt1蒸着したうえに記録薄膜層
3として実施例1に示した記録薄膜Ge2Sb2Te5を実施例
1と同様の方法で形成し、さらに透明層4としてZnSを
厚さT3蒸着同様に蒸着した。この上に反射層5として金
(Au、屈折率0.20+5.04i)を厚さt4=20nmエレクトロ
トンビーム蒸着法で形成し、さらに保護層6として基材
と同屈折率の材質の樹脂をコーティングした。
このような構成で記録薄膜相の膜厚t1が10nmの場合の熱
処理前後すなわちアモルファス状態と結晶状態での反射
率Rの差ΔRと位相差φの透明相2、4の厚さt1、t3
存性の計算値を第5図に示す。第5図においてはt1、t3
は光学的厚さnt1、nt3換算して示してある。第5図から
膜厚t1、t3により反射率差ΔRおよび位相差φは変化
し、その変化のしかたが互いに異なるために、ΔR=0
でかつ位相差が大きい膜厚t1、t3が存在することがわか
る。
例えば、透明層2の膜厚t1が142nm(23/64×λ相当)、
透明層4の膜厚t3が37nm(6/24/λ相当)のときに位相
差約0.9πで反射率差約0%がえられる。また透明層2
の膜厚t1が37nm(6/64×λ相当)、透明層4の膜厚t3
37nm(6/64×λ相当)のときに位相差約0.46πで反射率
差約0%がえられる。
以上の結果から各層の厚さを適当に選ぶことによって反
射率の変化がほとんどなく、反射光の位相だけが変化す
る構成を得ることがわかる。この計算をもとに以下の実
験を行った。
第6図に示すようにあらかじめ溝トラックを形成した基
材に厚さ1.2mm・直径200mmのPC樹脂円板を用い、これを
真空中で回転させながら上記の方法でZnS薄膜を142nm蒸
着し、さらに記録薄膜Ge2Sb2Te5を同様に10nmの膜厚で
アモルファス状態で形成した。さらにZnS薄膜を厚さ235
nm蒸着しAuを厚さ20nm蒸着した。また同じ構成の多層薄
膜を18×18mm厚さ0.2mmのガラス基板上にも形成した。
さらに樹脂円盤上に成膜したものは同じPC樹脂円盤を紫
外線硬化性の接着剤で張り付けて密着保護層を設け光記
録媒体を形成した。
ガラス基板上に形成したサンプルを300℃で5分間アル
ゴン雰囲気中で加熱して全面を結晶化し結晶化前後で基
材側からの反射率を測定したところともに約11%で変化
がなかった。
この媒体を回転させ、線速度10m/secの線速度で波長830
nmの半導体レーザー高を開口数5.0のレンズkで絞って
記録薄膜上に焦点をあわせて溝トラックにトラッキング
制御をかけながら照射した。記録薄膜面上で8mWの出力
で単一周波数5MHz変調度50%で変調した光を照射して記
録薄膜を部分的に結晶化させて記録を行い、1mWの連続
出力を照射してその反射光をフォトディテクターで検出
して再生を行ったところ、再生信号振幅が観測された。
前記のガラス基板上のサンプルにおいては結晶化で反射
率変化が見られないことからこの再生信号は記録部と未
記録部で反射光の位相が異なることによるものであるこ
とがわかる。
さらに記録する信号の周波数を変化させて記録再生を行
ったところ、第2図に示すような従来例の記録薄膜の膜
厚85nmの構成に比べて周波数特性が高域側に伸びること
が確認された。
また信号を記録した上に線速度10m/secで記録薄膜面上
で16mWの出力で同様にレーザーを連続的に照射したとこ
ろ記録薄膜が溶融してアモルファス状態に変化し、すで
に記録されていた信号が消去されたことが確認された。
発明の効果 本発明によれば、光学的には凹凸による位相変化記録と
等価な記録が行なえる。従って、相変化記録でありなが
ら記録密度の大きい記録が行え、凹凸ピットによる複製
盤(オーディオディスク、ビデオディスク等)との互換
も取り易い。さらに、凹凸によりあらかじめ形成した情
報信号の記録状態からの再生光と相変化記録を行った状
態からの再生光が等価となり同じ再生光学系および、信
号処理回路を用いて情報信号の再生が行なえる。また、
相変化記録は形状変化を伴わず材料を選ぶことによって
記録した状態をもとに戻す、すなわち消去・書き換えも
可能であり、書き換え型の位相変化記録が実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成を示す模式図、第2図
は従来例の構成を示す模式図、第3図および第4図は従
来例の構成での反射率変化と反射光の位相変化の記録薄
膜の膜厚依存性を示すグラフ、第5図は本発明の一実施
例の反射率変化と反射光の位相変化の透明層の膜厚依存
性を示すグラフ、第6図、第7図および第8図は本発明
の一実施例の形態を示す断面模式図、第9図は同光ディ
スクの斜視図である。 1……基材、2,4……透明層、3……記録薄膜層、5…
…反射層、6……保護層。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、レーザー光照射によって光学的
    に検知し得る変化を生じる記録薄膜材料層を設けた光学
    的情報記録媒体であって、基材の記録薄膜層を設ける面
    に入射した光の反射光あるいは透過光の位相を変化させ
    る凹凸をあらかじめ形成し、薄膜材料はレーザー光照射
    により光学定数が変化し、検知し得る変化が主として入
    射した光の反射光あるいは透過光の位相の変化によるも
    のであることを特徴とする光学的情報記録媒体。
  2. 【請求項2】変化の前後で入射した光の透過光振幅ある
    いは反射光振幅の変化が小さいことを特徴とする請求項
    (1)記載の光学的情報記録媒体。
  3. 【請求項3】基材上に基材と屈折率が異なる第一の透過
    層を設け、その上に記録薄膜層を設け、さらにその上に
    第二の透過層を設け、その上に反射層を設けた構造の光
    学的情報記録媒体であって、前記第一の透過層、記録薄
    膜層、第二の透過層および反射層の膜厚を記録材料の変
    化に際して入射した光の反射光の位相が変化するように
    選ぶことを特徴とする請求項(1)または(2)のいず
    れかに記載の光学的情報記録媒体。
  4. 【請求項4】位相変化が略々 (1±2n)π n:整数 であることを特徴とする請求項(1)または(2)のい
    ずれかに記載の光学的情報記録媒体。
  5. 【請求項5】位相変化が略々 (−1/2±2n)π n:整数 であることを特徴とする請求項(1)または(2)のい
    ずれかに記載の光学的情報記録媒体。
  6. 【請求項6】位相変化が略々 (+1/2±2n)π n:整数 であることを特徴とする請求項(1)または(2)のい
    ずれかに記載の光学的情報記録媒体。
  7. 【請求項7】基材上の一部に、レーザー光照射によって
    光学的に検知し得る変化を生じる記録薄膜材料層を設け
    た光学的情報記録媒体であって、基材の記録薄膜層を設
    ける部分以外の部分に入射した光の反射光あるいは透過
    光の位相を変化させる凹凸をあらかじめ形成し、薄膜材
    料はレーザー光照射により光学定数が変化し、検知し得
    る変化が主として入射光の反射光あるいは透過光の位相
    の変化によるものであることを特徴とする光学的情報記
    録媒体。
  8. 【請求項8】位相変化が略々 (1±2n)π n:整数 であることを特徴とする請求項(7)に記載の光学的情
    報記録媒体。
  9. 【請求項9】請求項(1)に記載の光学的情報記録媒体
    の情報記録再生方法であって、基材の記録薄膜層を設け
    る面にあらかじめ形成され、入射した光の反射光の位相
    を変化させる凹凸によりトラッキングを行いながら情報
    の記録再生を行うことを特徴とする光学的情報記録媒体
    の情報再生方法。
  10. 【請求項10】請求項(1)または(7)のいずれかに
    記載の光学的情報記録媒体の情報記録再生方法であっ
    て、基材の記録薄膜層を設ける面にあらかじめなんらか
    の情報信号により変調して形成され、入射した光の反射
    光の位相を変化させる凹凸に再生光を照射して前記の情
    報の再生を行うことを特徴とする光学的情報記録媒体の
    情報再生方法。
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