JP3356488B2 - 光記録媒体の記録方法および製造方法 - Google Patents

光記録媒体の記録方法および製造方法

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JP3356488B2
JP3356488B2 JP14464193A JP14464193A JP3356488B2 JP 3356488 B2 JP3356488 B2 JP 3356488B2 JP 14464193 A JP14464193 A JP 14464193A JP 14464193 A JP14464193 A JP 14464193A JP 3356488 B2 JP3356488 B2 JP 3356488B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光・熱等を用いて高速
に、かつ高密度に情報を記録再生する光学的情報記録媒
体および記録再生方法と記録再生装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】レーザ光のように位相の揃った光ビーム
をレンズ系によって収束させると、直径がその光の波長
のオーダーの小さな光スポットを作ることができる。し
たがって小さい出力の光源からでも単位面積あたりのエ
ネルギー密度の高い光スポットを作ることが可能であ
る。この特徴を利用して物質の微少な領域を変化させる
ことが可能であり、またその微少領域の変化を読みだす
ことも可能である。これを情報の記録・再生に利用した
ものが光学的情報記録媒体である。以下、「光記録媒
体」あるいは単に「媒体」と記述する。
【0003】光記録媒体の基本的な構造は、表面が平坦
な基板上にレーザスポットの光照射によって何らかの状
態が変化する記録薄膜層を設けたものである。この媒体
への、信号記録・再生は以下のような方法により行う。
記録媒体を例えばモーター等による回転手段や並進手段
により移動させ、この媒体の記録薄膜面上に集束したレ
ーザ光を照射する。記録薄膜はレーザ光を吸収し昇温す
る。レーザ光の出力をある閾値以上に大きくすると記録
薄膜の状態が変化して情報が記録される。この閾値は記
録薄膜自体の特性の他に、基材の熱的な特性あるいは媒
体の光スポットに対する相対速度等に依存する量であ
る。記録された情報は記録部に前記閾値よりも十分低い
出力のレーザ光スポットを照射し、その透過光強度、反
射光強度あるいはそれらの偏光方向等何らかの光学的特
性が記録部と未記録部で異なることを検出して再生す
る。
【0004】記録薄膜としてはBi、Teあるいはこれ
らを主成分とする金属薄膜、Teを含む化合物薄膜が知
られている。これらはレーザ光照射により薄膜が溶融あ
るいは蒸発し小孔を形成することを利用した形状変化型
の記録である。記録した部分からの信号再生は、小孔部
とその周辺部の間で生じる反射光量あるいは透過光量の
差を検出することにより行う。
【0005】また、形状変化を伴わずに光学的な変化を
示すものに相変化型記録薄膜がある。相変化型記録薄膜
は、レーザ光の照射条件により相状態が変化し、その間
で複素屈折率が変化する。一般的に複素屈折率の屈折率
nと消衰係数kは同一方向に変化し、光記録媒体として
検討されているほとんどの物質は、相状態がアモルファ
ス状態から結晶状態に変化すると、2つの値は増大す
る。記録薄膜からの信号再生は、相状態の差として形成
された信号パターン上に、微弱な光を照射し、媒体から
の透過光量あるいは反射光量を測定することにより行
う。
【0006】光は波動であり振幅と位相によって記述さ
れる。記録媒体からの情報は、再生光学系の光検出器上
の透過光量あるいは反射光量の変化を検出することで行
われるが、その変化の原因としては膜自体の微少領域に
おける透過光振幅あるいは反射光振幅が変化する場合
(振幅変化記録)と、透過光あるいは反射光の位相が変
化する場合(位相変化記録)がある。相変化による複素
屈折率の変化は、前記振幅変化と位相変化の双方の変化
の合成として再生信号が得られている。この中で現在、
実用化されている相変化型の記録材料を用いた光ディス
クは、主として反射光の振幅変化を利用しており前者の
振幅変化記録に相当する。一方位相変化記録は、振幅変
化記録に比べ信号の記録密度を高める記録方式として提
案されている(特開平2−73537号公報)。
【0007】相変化光ディスクは、回転している記録媒
体上に強度変調したレーザ光を照射することにより、記
録薄膜に局部的な相状態の差(記録マーク)を形成する
事で信号を記録し、その状態間で生じた差を反射率差と
して検出することで信号の再生を行う。なお、得られる
記録マークの大きさは、集光する光スポットの大きさ、
即ち波長オーダーとなる。例えば、波長780nm前後
のレーザ光をNA0.5程度のレンズ系を用いて絞る
と、半値の強度幅が約0.9μmのスポットに絞れる。
なお光スポットの強度は、一般的にはガウス分布あるい
はそれに近い形状の分布をしている。この様なスポット
を用いて強いパワーで記録を行うと約0.5〜1μm前
後の範囲が相変化をおこして記録状態となる。
【0008】図2は相変化記録薄膜を、振幅変化記録を
示す構造とした場合(a)と、位相変化記録を示す構造
とした場合(b)のそれぞれにおいて最大の信号変化が
得られる記録マークと光スポットの関係を示したもので
ある。振幅変化記録(a)示す構造では、基板1上の記
録薄膜2に形成された振幅変化記録マーク3は、主とし
て反射率が変化する。マーク3上を再生用の微弱な光I
0からなる光スポット4を走査した場合に、再生光学系
で得られる光検出器上の光量変化、即ち信号振幅が最大
となる条件、即ち記録マーク部の反射光I2と未記録状
態の反射光I1の差を最大にする条件は、相変化した記
録マーク3の大きさを、再生スポット4と同等以上とす
ることである。
【0009】一方、位相変化記録の場合においても
(b)のように、記録薄膜2そのものの状態変化は振幅
変化と同じであり、同様の光照射により記録マーク6を
形成する。理想的な位相変化記録を示す記録マークは、
入射した光量I0に対し、未記録状態の反射光I3と同じ
強度の反射光I4を反射し、光の位相がφだけ変化す
る。この位相変化による記録状態は、光スポットに対し
図1(c)に示すように平面部に凹凸ピット7を形成
し、その凹凸の段差により位相が変化したた場合と同様
に作用する。ここで位相変化記録による最大の信号振幅
を示す条件は、再生スポット4が記録マーク上を走査し
た場合に位相差による光の回折効果が最大となる条件で
ある。即ち光スポット4の中で、記録マーク6に入射す
る領域の光強度と周辺部に入射する光量が等しくなる場
合に、最も干渉の効果が大きくなり、光検出器への光量
が最小となる。ここでは記録マークからの反射光I4
未記録部からの反射光I3が干渉する事で打ち消し合う
条件で反射光量が最小となり、従って位相変化記録の最
大の信号振幅が得られる。
【0010】このように2つの記録モードを最大振幅を
示す記録マークで比較すると位相変化記録マーク6は、
反射率変化記録マーク3よりも小さい形状で記録できる
ことから、位相変化記録が高密度の記録再生が可能であ
ることがわかる。また、位相変化記録が実現できれば、
コンパクトディスク等のような凹凸ピットを記録情報と
する再生専用の光ディスクと互換性のある記録媒体を提
供することが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、位相変
化記録を示す相変化媒体は、光の熱を利用したヒートモ
ードの記録であるために、記録薄膜の光の照射部は、熱
拡散現象を伴う。即ち、光エネルギーを吸収した部分
は、温度上昇すると共に、同時に発生した熱は周囲の温
度の低い部分へ拡散していく。このため、照射部に形成
される記録マークは、照射する光の強度分布だけでな
く、投入するエネルギー量(照射パワー)に応じて、そ
の大きさが変化するという課題がある。従来の反射光変
化の場合は、マーク形状がスポット径(光の強度が1/
2となる大きさ)と同等で最大の信号振幅となる。ま
た、トラック方向に記録するマークのピッチは、記録密
度をできるだけ高めるという観点から、スポット径と同
等または同等以下の値としている。よって記録部からの
信号再生を安定に行うには、記録マークを一定範囲の大
きさとする必要がある。それには、記録時に照射する光
のエネルギー、即ち記録パワーを一定の範囲内に設定す
る必要がある。記録パワーに対するマーク形状の変化が
大きい場合は、このパワー範囲が小さくなり、記録用レ
ーザ光の変動やばらつき等を含めた記録装置の設計が著
しく困難となる。位相変化記録は、振幅変化記録よりも
同じ振幅を得るためのマーク形状が相対的に小さくでき
るため、高密度記録に適しているといえる。しかし、小
さな記録マークを形成するということは、記録パワー変
動に対しる許容幅、即ち記録パワーを一定許容範囲内に
保つことがより困難となるという課題がある。
【0012】本発明の目的は、微小な記録マークを安定
に形成する記録媒体、およびその記録方法、装置を提供
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による光記録媒体
の記録方法は、トラッキング用のガイド溝を備えた基板
上に、強度変調した光ビームを照射することにより局部
的に相状態を変化させることで情報信号の記録を行い、
前記情報信号の記録領域と未記録領域における反射光の
位相差に基づいて情報の再生を行う記録薄膜層を備えた
光記録媒体に対する記録方法であって、前記光ビームの
波長をλ、前記基板の屈折率をnとしたとき、前記ガイ
ド溝の深さがλ/4nであり、前記光ビームとは異なる
波長の第2の光ビームによって前記記録媒体の前記ガイ
ド溝でトラッキングを行いながら、前記第2の光ビーム
を強度変調することにより前記ガイド溝の上に記録マー
クを形成することを特徴とする。前記記録薄膜層に記録
された前記情報信号の前記記録領域と前記未記録領域に
おける反射光の位相差が、前記ガイド溝の深さに対応し
て生じる反射光の位相差と同じ大きさであることも特徴
の1つである。 また、本発明による光記録媒体の製造方
法は、トラッキング用のガイド溝を備えた基板上に、強
度変調した光ビームを照射することにより局部的に相状
態を変化させることで情報信号の記録を行い、前記情報
信号の記録領域と未記録領域における反射光の位相差に
基づいて情報の再生を行う記録薄膜層を備えた光記録媒
体の製造方法であって、前記光ビームの波長をλ、前記
基板の屈折率をnとしたとき、前記ガイド溝の深さがλ
/4nであり、前記記録薄膜層を前記基板の上に形成す
る成膜工程と、前記光ビームとは異なる波長の第2の光
ビームを強度変調して前記ガイド溝の上に記録マークを
形成する初期化工程とを含むことを特徴とする。前記記
録薄膜層が相変化記録膜からなり、前記成膜工程と前記
初期化工程との間に、前記記録薄膜層の状態をアモルフ
ァス相から結晶相に変化させる第2の初期化工程を含ん
でもよい。前記記録薄膜層に記録された前記情報信号の
前記記録領域と前記未記録領域における反射光の位相差
が、前記ガイド溝の深さに対応して生じる反射光の位相
差と同じ大きさであることも特徴の1つである。
【0014】
【作用】本発明による光記録媒体の記録方法および製造
方法によれば、光ビームによる通常の情報信号の記録以
外に、この光ビームと波長の異なる第2の光ビームによ
って、ガイド溝の上に記録マークを形成することができ
る。 この記録方法と製造方法の対象となる記録媒体は、
情報信号の記録領域と未記録領域における反射光の位相
差に基づいて情報の再生を行う光記録媒体であり、前記
光ビームの波長をλ、基板の屈折率をn、ガイド溝の深
さがλ/4nであることを前提とする。このような記録
媒体は、記録密度を高くする点などにおいて有利である
が、光ビームの波長と基板の屈折率とガイド溝深さとの
関係から、波長λの光ビームによる記録を行った場合、
記録薄膜層に記録された情報信号の記録領域と未記録領
域における反射光の位相差が、ガイド溝の深さに対応し
て生じる反射光の位相差と同じとなる。したがって、こ
のような記録媒体では、情報が記録されていない初期状
態においては、光学的にガイド溝を検知できず、トラッ
キングやフォーカス制御が不可能である。 しかし、本発
明の記録方法および製造方法によれば、波長λの光ビー
ムとは波長の異なる第2の光ビームを用いるため、ガイ
ド溝の深さがλ/4nであってもガイド溝を検知するこ
とができるので、初期状態においてもトラッキング制御
等が可能となり、それによって、ガイド溝の上に記録マ
ークを形成している。このため、波長λの光ビームによ
って通常の情報記録を行う場合、最初の記録時にも前記
記録マークに基づいてトラッキング制御等が可能とな
り、情報の記録を問題なく行うことができる。
【0015】この結果、記録密度が高く、かつ記録時の
環境及び装置の光学系の経年変化などに対応する光学情
記録媒体および装置を得ることが可能となる。
【0016】
【実施例】以下本発明の一実施例の光記録媒体およびそ
の記録方法について、図面を参照しながら説明する。
【0017】初めに位相変化を示す記録媒体の構成例に
ついて説明する。図1にその記録媒体の構成と、薄膜構
成の断面図を示す。光記録媒体の一つである光ディスク
10を、モータ等の回転手段により回転させながら、光
学系11により光ビームを光ディスク上の記録薄膜層に
集光する。光学系は、半導体レーザなどのレーザ光源1
2と光ビームを集光するための対物レンズ13と、光デ
ィスクからの反射光を検出する光検出器14から構成さ
れている。光検出器14からの信号をもとに、光ビーム
15を光ディスク上の特定トラックを追従させる制御
と、光ディスクに記録されている信号の再生を行う。
【0018】光ビームを照射した部分の光ディスクの断
面構造を上図に示す。基板21の上に光学的に透明な誘
電体等の透明層22、記録層23、透明層24、反射層
25を設けた構成とする。さらにその上に透明な密着し
た保護層26を設ける。この他に図には示さないが保護
層26を施さない構成でもよい。この場合は保護層の代
わりに空気(屈折率1.0)を考えると光学的には同等
であり同じ効果が得られる。透明層22には基板21と
屈折率の異なる材質を用いる。
【0019】これらの記録層の厚さt2、透明層の厚さ
t1、t3および反射層の厚さt4を特定の値とするこ
とによって位相変化の大きい媒体を得ることができる。
なお、位相変化を示す薄膜構成、ここでは記録層23、
透明層22、24、反射層25を総合した層構成を記録
薄膜層と記述する。
【0020】基板21としてはガラス・樹脂等の透明で
平滑な平板を用いる。基板の形状は、用途に応じて異な
り、光ディスクであれば円形平板、光カードであれば四
角平板、光テープであればテープ状となる。基板表面に
は、後で詳述するが位相変化記録の光学特性を生かしか
つ記録マークの形状を確保するための凹凸形状をしたガ
イド溝27が形成されている。保護層26としては樹脂
を溶剤に溶かして塗布・乾燥したものや樹脂板を接着剤
で接着したもの等が使える。
【0021】記録層23としてはアモルファス・結晶間
の相変化を生じる材料たとえばSbTe系、InTe
系、GeTeSn系、SbSe系、TeSeSb系、S
nTeSe系、InSe系、TeGeSnO系、TeG
eSnAu系、TeGeSnSb系、等のカルコゲン化
合物を用いる。Te−TeO2系、Te−TeO2−Au
系、Te−TeO2−Pd系等の酸化物系材料も使え
る。また、結晶・結晶間の相転移をするAgZn系、I
nSb系等の金属化合物も使える。これらの材料は、用
途に応じて一方向だけの相転移を行う場合、あるいは多
数回の可逆的変化を生じる場合など目的とする記録媒体
の用途に応じて組合せ、あるいは組成を選択することが
できる。
【0022】光学的に透明な透明層24としてはSiO
2、SiO、TiO2、MgO、GeO2等の酸化物、S
34、BN、AlN等の窒化物、ZnS、ZnTe、
PbS等の硫化物が使える。反射層としてはAu、A
l、Cu等の金属材料あるいは所定の波長の反射率の大
きな誘電体多層膜等が使える。
【0023】各記録薄膜層の膜厚は、光学計算により求
めることができる。マトリックス法により、各層の複素
屈折率と膜厚に対する反射率および反射光の位相を計算
した(例えば、久保田広著「波動光学」岩波書店、19
71年第3章参照)。また、基板21と密着保護層26
は無限大の膜厚をもつものとして(基材−空気界面、密
着保護層−空気界面の効果を無視)、反射率は基板から
入射した光の基材中に出射してくる比率としてもとめ、
位相は基板21と透明層22の界面での位相を基準とし
て求めた。なお、位相は2πの周期で等価となる。
【0024】光学計算には、照射する光の波長を780
nmとし、この波長に対する各層の光学定数を定義し
た。各薄膜層は、それぞれの材料をガラス基板上にスパ
ッタリング法により形成し、初めに得られた薄膜膜厚を
測定し、の分光光度系によりその透過率、反射率を測定
すし、それらの値を元に光学定数を算出した。記録層2
3として相変化材料であるGe2Sb2Te5の組成を持
つゲルマニウム、アンチモンおよびテルルの3元化合物
を用い、スパッタリングにより形成したままの状態(ア
モルファス状態)の光学定数を測定したところ、複素屈
折率(n+ki)は(4.5+1.3i)であった。こ
れを300℃で5分間熱処理した結晶状態では(5.5
+3.4i)となった。このようにGe2Sb2Te
5は、アモルファスと結晶間の相変化を示し、この状態
はレーザ光の照射条件により可逆的な変化を示す。基板
1にはポリカーボネート樹脂(PC)、透明層2、4に
は硫化亜鉛(ZnS)、反射層5には金(Au)を用
い、複素屈折率はそれぞれ(1.58+0i)、(2.
10+0i)、(0.18+4.64i)とした。
【0025】各層の膜厚を変化させた光学計算を行い、
その結果から光記録媒体として位相変化が有効に作用す
るように、次の3点から最適な膜厚条件を決定した。
【0026】1)記録層のアモルファス状態(記録部)
と結晶状態(未記録部:アモルファス状態以外の周辺
部)からの反射光の位相差が最大となる条件、即ち位相
差=(1±2s)πに近いこと(sは整数)。
【0027】2)記録層の状態変化により生じる光学的
変化の中で、振幅変化が位相変化による記録密度向上の
効果を低減させないように、記録部と未記録部の反射率
が同等、または記録部の反射率が未記録部よりも大きい
こと。
【0028】3)装置を構成した場合のサーボ動作の信
頼性、あるい得られる信号振幅が大きいという観点か
ら、状態の反射率ができるだけ高いこと。
【0029】各層の膜厚を変化させた計算結果は、記録
層23が40nm以下の場合に、大きな位相変化を示し
た。その中で、記録層23の厚さを15nm、反射層2
5の厚さを50nm、透明層22、24の膜厚をそれぞ
れ116nm、35nmとした時に、アモルファス状態
の反射率が6.8%、結晶状態の反射率が7.6%、位
相変化量が(−0.86)πとなった。以下、この膜厚
構成の位相変化記録層を用いて、本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0030】本発明の目的とする記録時のパワー変動に
対する動作マージンを確保する方法として、特定の形状
のガイド溝27を備えた基板上に位相変化媒体を形成す
る。ガイド溝による記録マークの形状制限の効果を図3
のモデルを用いて説明する。
【0031】(a)は表面が平面の基板31に記録薄膜
層32を形成した例であり、(b)は、表面に凹凸から
なるガイド溝27を設けた基板21に記録薄膜層32を
設けた構成である。それぞれの条件において照射する光
のパワーが低い場合の記録マークの形状を波線33、3
4で示し、記録パワーが高い場合に形成される記録マー
クの形状を実線35、36で示す。(a)のように平面
部に記録した場合は、記録パワーが高くなると薄膜の膜
面方向の熱拡散37により記録マークがトラック方向
と、トラックと垂直方向の両方に拡大する。このような
記録マーク形状の変化は、再生時の信号振幅の変化とな
り、この結果信号復調時のエラーとなる。これに対し
(b)のようにガイド溝上に信号を記録した場合は、記
録パワーが低い場合は平面に記録した場合と同等の記録
マーク36なるが、パワーが高い場合は、記録マークの
トラックと垂直方向のマークの拡大が抑制された形状の
記録マーク38が得られる。即ちトラッックと垂直方向
の熱拡散38は小さいことを意味する。これはガイド溝
により、熱拡散のための実質的な距離が拡大すること、
またエッジ部の記録薄膜層の膜厚が小さくなること等が
考えられる。この熱遮蔽効果により、記録パワーの変動
に対して、得られる記録マークの大きさ(面積)の差が
小さくなることから信号振幅の変動が小さくなり、光記
録装置からみた動作パワーマージンを拡大することが可
能となる。
【0032】なお、ガイド溝の形状は、記録薄膜層の位
相変化量に応じてその形状を一定に範囲とする必要があ
る。記録マークの大きさが同じであっても、平面上への
記録と、ガイド溝への記録では、再生時の信号振幅が異
なる。ガイド溝が存在する場合は、記録マークによる位
相変化の上に、さらにガイド溝の凹凸間の段差で生じる
位相差とが重畳された結果が再生信号となる。このた
め、記録マーク36上を光スポットが移動した場合の反
射光量は、トラック方向成分は主にガイド溝の凹部の間
で生じる位相差により、トラックと垂直方向はガイド溝
の凸部との間で生じる位相差により決定される。すなわ
ち、ガイド溝の凸部で生じる位相差は、記録薄膜の持つ
位相差の項を減少する方向に作用する場合が多い。この
ため本実施例では、ガイド溝凹凸により生じる位相差を
相殺する方向に、位相変化を示す記録マークを形成され
るように設定する。
【0033】なお本実施例に用いる相変化記録媒体の記
録モードは、結晶状態(周辺部)の上にアモルファス状
態のマークを形成する形態で説明するが、光学的に位相
差を与える変化であれば逆方向の記録モードであっても
よい。また結晶状態と他の結晶状態間の状態変化を利用
した記録であってもよい。また、基板の溝形状について
は、レーザ光側に凸の形状を用いるが、逆にレーザ光側
に凹であっても良い。さらに、凹凸溝の溝深さについて
はλ/4n(n:基板の屈折率)について述べるが、記
録装置のサーボ系の構成、あるいはサーボの許容量に応
じて、本発明と同等の効果を示す値であれば良い。
【0034】本実施例では、位相変化媒体の書換えに関
しては詳述しないが、本発明は従来の振幅変化に用いて
いる相変化型記録材料を用い、その膜厚構成を変化させ
ることで位相変化を得るものであり、書換え後において
も同様の効果を得ることができる。
【0035】また位相変化を示す記録薄膜の構造は、図
2に示した4層構造以外に図4(a)に示すように、記
録層23の両側に透明層22、24を設けた3層構造、
あるいは(b)のように基板21と記録層23の間に透
明層22を設けた2層構造であっても実現できる。例え
ば記録層3として、Te4923P28の組成の3元合金
薄膜を用い、この薄膜の複素屈折率を測定したところ、
アモルファス状態が(3.1+1.2i)、300゜Cで
5分間の熱処理後の結晶状態が(3.9+1.6i)で
あった。光学計算から膜厚構成を求めた結果、2層構造
としては、透明層24にZnS、記録層をTe4923P
28の組成の薄膜を用い、それぞれの膜厚を97nm、
20nmとした場合に位相変化量が約(−π/2)とな
った。また3層構造として同様の材料を用い、透明層2
2、記録層23、透明層24をそれぞれ76nm、30
nm、130nmとした場合に、位相変化量が約(−π
/2)となった。以上のような薄膜の構成においても、
同様の位相変化構造のディスクを得ることが可能であ
る。さらに、複素屈折率の虚数部、即ち減衰係数が小さ
く、かつ2つの状態間で屈折率変化の大きな記録層を適
用すれば、基板上に記録層のみを形成した単層構造にお
いても、位相変化記録を実現することができる。
【0036】(実施例1)記録パワーの変化に対し、記
録マークの形状を制限するガイド溝の構成に付いて説明
する。図5はガイド溝の巾を一定として、溝深さdを変
化させた場合に光学系の光検出器上に入射する反射光量
を示す。平面部(d=0)からの反射光量を基準として
相対値で示している。溝が深くなるにつれ反射光量が低
下し、λ/4nにおいて極小となる変化を示す。さらに
λ/4n以上になると光量が増大し、λ/2nにおいて
溝部からの反射光の位相が一回転(λ=2π)に等しく
なり平面と同等の反射光量となる。図よりガイド溝の変
化、即ち位相変化記録において最大の反射光量変化を示
す条件は、平面部とλ/4n深さの位相記録マークを形
成した場合であるといえる。なお、図はガイド溝のエッ
ジ部の形状が垂直であると仮定した理想状態を示してお
り、基板の形成条件によりエッジ部が斜面となった場合
は、曲線は、深さdの大きい方向にシフトし、かつ反射
光量の極小値は0よりも大きくなる。
【0037】図6はガイド溝の深さdを変えた基板上に
位相変化記録を行った場合の概念図を示す。前述のよう
に位相変化記録の記録状態は、形状変化により生じるも
のではないが、薄膜の反射率が変化せずに位相だけが変
化するということから、凹凸を形成する記録とみなすこ
とができる。図6(a)、(b)、(c)の順に、0、
λ/8n、λ/4nの深さのガイド溝の場合を示す。記
録薄膜で生じる位相変化量は、記録マーク部と未記録部
で最大の位相差を示す−πとした。なお、ここでλ/n
=2πであり、溝深さを示す場合はλで示し、位相差の
場合はπを基準に記述する。平面、ガイド溝60、61
上に記録により生じた記録マークによる位相の変化は、
図1で説明したように入射した光ビーム15に対し、凹
凸ピットを形成した場合と同様に作用する。このため図
6では、ガイド溝の60、61と記録マークの位相関係
の理解を容易にするため、位相を凹凸で表現した仮想マ
ーク62で用いる。相変化体媒体への記録、ここでは結
晶状態の上にアモルファスの記録マークを形成した状態
は、平面あるいはガイド溝61、62の上に−πの位相
差に相当するλ/4の凹凸ピットを形成した形状とな
る。この際の反射光量は、(b)の場合はそれぞれの構
造において位相変化による凹凸(仮想マーク)と、ガイ
ド溝の凹面60、61と、平面63の間で生じる位相3
つの成分の合成で表わされる。ここで溝深さλ/4nの
(c)の場合は、平面部に記録した(a)と同様に仮想
マーク62と基板の平面63が同一平面となり、未記録
部と記録マークの間で生じる反射光量差が最大となる。
この結果、従来の再生専用のピット信号と同等の位相変
化量が得られることがわかる。
【0038】例えば、前述の構成の位相変化媒体を深さ
λ/4nのガイド溝を有する基板に形成し、このガイド
溝に信号を記録した場合は、記録マークの位相変化量が
−0.86πであるため、仮想マークと平面の段差が+
0.14πとなり通常のガイド溝の深さが約1/7とな
る記録を行ったことになる。この場合においても信号振
幅としては充分なレベルが得られる。なお、この−0.
86πの位相変化を示す域録媒体に対しては、理想的に
は、0.86πの位相差を与えるガイド溝、即ち0.2
15λの深さのガイド溝を用ることで最大の振幅を得る
ことができる。
【0039】以上のように位相変化媒体の位相変化を最
大に利用するには、記録薄膜層による位相変化量と、ガ
イド溝による位相差の絶対値を一致させ、かつその位相
の方向が逆極性であること。またいずれの位相差につい
ても、その絶対値はλ(位相変化量=2π)の整数倍の
値を加算した値としても同等の効果が得られる。
【0040】しかし図5で示したように、溝深さλ/4
nの未記録状態のガイド溝からは、従来のプッシュプル
のトラッキング方式では、照射した光に対し無反射条件
となるため制御信号が得られない。これを解決するた
め、図7では、データ領域71とサーボ領域72を分離
できるサンプルサーボ方式を採用する。連続的なガイド
溝73から構成される記録トラックの中央線上から両側
にpだけずれたサンプルピット74、75を、データ領
域に配置し、このサンプルピット74からの再生信号を
もとにトラッキング信号を得る方法である。トラッキン
グサーボに際しては、前方のサンプルピットと一対をな
す後方のサンプルピット74、75からの再生光量が一
定になるようなサーボを行い、データ領域の連続溝73
では、前述のサンプルピットからの制御信号をホールド
することでトラッキング制御を行う。このサンプルピッ
ト場合は、たとえピットの深さがλ/4nであったとし
ても、いずれかのピットからは信号が得られるため、安
定なトラッキングサーボ状態が得られる。位相変化の信
号はクロックピット76からのタイミング信号に応じ
て、レーザー光を変調することにより記録を行う。な
お、フォーカス信号についても同様に上記連続溝の領域
外で、主としてサーボを行うことが望ましい。
【0041】次にガイド溝の溝幅W1の設定方法につい
て述べる。このマークを記録するガイド溝の溝幅W1を
段階的に変化させて記録パワーに対する信号の測定を行
った。前記層構成の薄膜を、線速度10m/sの線速度
で回転させ、780nmの半導体レーザ光を開口数NA
=0.5のレンズで記録層上に絞り込み、6MHzの信
号を記録する実験を行った。レーザ光のパワーをバイア
スレベルを5mWとし、ピークレベルのパワーを段階的
に変え、各パワーに対する信号品質(C/N)を測定し
た。この結果、溝の存在しない平面に記録した場合は、
ピークパワー15mWを最大とする変化を示したのに対
し、溝幅0.2〜0.8μmの範囲では、C/Nが記録
パワー変動±5%の範囲で±1dB以下範囲で変動の小
さい領域が存在した。特に0.3〜0.6μmの範囲に
おいては、ピークパワー±10%の増大に対し信号振幅
の変化が小さかった。また、信号振幅が一定値を示すパ
ワーは、溝幅が大きいほど高パワー側にシフトした。こ
の信号振幅変化が小さかったパワー領域の記録状態を透
過電子顕微鏡で観察した結果、ガイド溝のエッジにおい
てマークの幅が制限されていることが確認できた。これ
は溝のエッジ部における段差によって、記録マークの中
心からの熱の拡散が妨げられることを意味している。こ
の結果から溝幅を上記の条件に設定する基板を用いるこ
とにより、記録パワーの変動に対して一定の記録幅を持
つ記録が可能となる。即ち、位相変化記録のように小さ
いマークを形成する場合は、溝エッジによる断熱条件
を、最適に選択することにより、良好な記録条件を得る
ことが可能となる。
【0042】ここで示した溝幅条件は波長780nm、
開口数=0.5により決定される光スポットの場合での
結果であり、光学系の設計により絞りが変わった場合
は、次式の関係となる。上記条件で得られた0.2〜
0.8μmの溝幅、即ちパワー変動±5%に対して、C
/Nの変化が±1dB以下となる溝幅W1は、波長を
λ、開口数NAとすると次式の関係となる。
【0043】 0.13 ≦ W1×NA/λ ≦ 0.51 (式1) なお、本実施例と記録媒体の薄膜各層の膜厚構成、ある
いは構成する物質の熱伝導率が大きく異なる場合は上記
の溝幅だけでなく、必要に応じて溝の深さ、および溝エ
ッジ形状を含めた最適な値を選ぶ必要がある。
【0044】(実施例2)溝幅のエッジによる断熱効果
を得る方法としては、記録マークの周囲を溝エッジで囲
むと更に効果的である。従来の反射率変化を利用した相
変化媒体において、繰返し記録の耐久性を向上させる方
法として、連続溝からなるガイドトラックの代わりに、
カプセル状のピットを形成する方法が提案されている
(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.31(1992)p.482)。カプセル状
のピットの中央にレーザ光を短時間パルス照射すること
により、記録時のトータルの照射エネルギーが従来方式
よりも小さくできることから、薄膜の記録寿命が向上す
ることが報告されている。本実施例では、同様の配置か
らなるピットカプセルを備えた基板上に、位相変化を示
す薄膜を形成する事により記録媒体を得る。図8は、実
施例1で示したガイド溝に対応した部分を、円形の凹凸
ピットを近接して設けるピットカプセルで構成したもの
である。なおトラッキング方式は前述のサンプルサーボ
方式を用い、ピットカプセル81は、クロックピット7
6から一定の間隔で形成し、かつ各ピットカプセルのト
ラック方向のピッチCpは、カプセルの直径W2の2倍
以下で近接して設ける。信号の記録時には、光ビームが
クロックピット76を検出したタイミングから一定の時
間間隔のレーザパルスを照射することにより、所定のピ
ットカプセルの中央に記録を行うものである。
【0045】このピットカプセル81に、前述の記録薄
膜層を形成し、その上にマークを形成した場合の位相か
ら見た記録状態の概念図を図9に示す。基板91の表面
には、深さdがλ/4nピットカプセル81を設けた。
記録薄膜層は結晶状態(未記録状態)の薄膜に記録光を
照射すると、アモルファス状態の記録マークが形成し、
その間で生じる位相差をーπとする。アモルファス状態
となった記録マークは、入射する光ビーム15に対し、
仮想マーク92で示すように、ピットカプセルによる段
差が消滅し平面部93と同等の高さとなったように作用
する。
【0046】つぎに、実際にピットカプセル81を備え
た基板上に位相変化薄膜を形成し、信号を記録した実験
結果に付いて説明する。カプセルの直径を0.7μmと
し、0.8μmのピッチで配列したピットカプセル列を
設け、各カプセルに交互にアモルファスマークを形成す
る記録を行った。記録の光学系は前記連続溝と同じ条件
で、記録パルス幅を20nsとして、ピットカプセルに
交互にパルスを照射する記録を行った。この結果、C/
Nは18mWを中心として±15%以上の範囲でほぼ一
定の値を示し、ピットカプセルのエッジにより記録マー
クの断熱効果が有効に働いていることがわかった。ま
た、同様の検討を、従来の反射率変化を示す薄膜の測定
結果と比較すると、記録パワーに対するC/Nの変化は
同等であったが、信号振幅がC/Nの絶対値が6dB以
上と大きく上昇していることがわかった。即ち、ピット
カプセルは、従来の反射率変化を利用した記録の場合に
は、熱的なダメージを改善する効果はあるが、反対に信
号検出から見ると、ピットカプセルが反射率変化をの信
号振幅を減少させる方向に機能する。これに対し、位相
変化媒体を用いた場合は、信号振幅を大きく、かつ記録
パワーの動作マージンを大きく確保することが可能とな
る。さらに、薄膜の熱的なダメージを抑制する効果は、
反射率変化と同様に小さくする事が可能となる。
【0047】以上のようにピットカプセルを用いた基板
を用いることにより、記録時のパワー変動に対する許容
幅を大幅に拡大することが可能となる。さらに、同方式
の従来反射率変化記録に比べ、信号品質の高い記録が可
能となる。
【0048】なお、ここで示したピットカプセルを用い
たガイド溝の効果は、連続溝の熱遮断効果をさらに促進
するものであるが、再生時に得られる信号としては連続
溝に記録した場合と同様に扱うことができる。よって以
降の実施例では、説明を簡素化させるためガイド溝の表
現の中には、連続溝とカプセルピットの2つの概念を含
めて説明する。
【0049】(実施例3)実施例2、3は、サンプルサ
ーボ方式のガイド溝を用いる方法であったが、ここでは
連続サーボ方式にガイド溝を用いて記録する方式につい
て説明する。
【0050】(表1)は溝深さに対する光量変化とサー
ボ動作の安定性を示す。なお、サーボ方式としてはフォ
ーカス制御には非点収差法あるいはナイフエッジ法を、
トラッキング制御には再生専用ディスクに用いられてい
る3スポット法を用いた場合の比較である。
【0051】
【表1】
【0052】従来のサーボ方式では、(表1)から信号
振幅が大きくかつサーボ信号が得られるという2つを同
時に満足する条件が存在しないことがわかる。これを解
決する方法として以後の実施例は、深さλ/4n近傍の
ガイド溝を用いた記録媒体のフォーカス制御を可能にす
ることにより信号を記録再生する方法を示す。
【0053】図10に本光学情報記録装置の光学系
(a)と光の変調波形と得られる記録マークの関係を示
す。光記録媒体100をモータ101により回転させた
状態で、光を照射する。半導体レーザ102からの光
は、ビーム分割用の回折格子103で、0次、±1次の
回折光となり、コリメータレンズ104で平行光とな
り、PBS105、λ/4板106、対物レンズ107
を透過し、記録媒体100の記録薄膜面に3つの光スポ
ットとなって集光される。記録薄膜からの反射光は、対
物レンズ107、λ/4板106を透過し、PBS10
5により反射され、円筒レンズ108により、複数の受
光面を有する光検出器109上に集光される。光検出器
109からの出力信号をもとに、信号を増幅し、再生信
号、フォーカスエラー信号、あるいはトラッキングエラ
ー信号を作成し、ボイスコイル107bによりサーボ動
作を行う。
【0054】図11は光記録部材上の光スポットの構成
を示す。凹凸状の連続溝から形成されたガイド溝110
に、回折光子の回折された光の0次光に対応した1のス
ポット111、±1次の回折光に対応した第2のサブス
ポット112、113の3つのスポット列が集光され
る。以後、第1次のスポット111をメインスポット、
第2、第3次のスポットをサブスポットとも呼ぶ。な
お、各スポットを結ぶ中心軸は、ガイド溝110の方向
に傾いた傾き、傾き量としてはメインスポット111と
サブスポット112、113はガイド溝の方向にトラッ
クピッチTpの1/4程度ずれた位置に配置する。サブ
スポット112、113からの反射光あるいは透過光を
検出することにより、光ビームのフォーカス制御とトラ
ッキング制御を行う。メインスポット111により記録
媒体に信号を記録し、さらに記録媒体からの反射光ある
いはあるいは透過光を検出することにより記録された情
報信号を再生する。
【0055】図のようにガイド溝110の中央にメイン
スポット111が位置する場合には、ガイド溝からの反
射光は回折により光検出器上には入射しなくなる。しか
し、サブスポット112、113は、ガイド溝の中央か
ら一定の距離ずれた位置に照射される。このため、各サ
ブスポット112、113には一定の光量が光検出器に
入射する。このことを利用して本発明では制御信号を得
る。
【0056】本実施例の位相変化記録に用いている相変
化材料は、単一の光ビームの強度変調により記録が行わ
れる。図10(b)記録時のレーザ光の強度変化と得ら
れる記録マークを示す。なお、各パワーはメインスポッ
ト111の強度変化とする。メインスポットのパワー
を、再生時パワーPrから情報信号に対応してピークパ
ワーPpとバイアスパワーPbの間で変調した光を光デ
ィスク上のトラック110上の記録薄膜に照射すること
により行う。このような光が照射されると、照射部はピ
ークパワーの照射された部分3aはアモルファス状態
に、バイアスパワーの照射された部分3bは結晶状態に
変化する。これは以前の記録状態がいずれであっても、
関係なくそれぞれの状態となる。以上の特性から相変化
媒体によるオーバライトが行われる。
【0057】ここで問題となるのは、メインビーム11
1とサブビーム112、113は同一の半導体レーザか
ら出射されているため、メインビームの変化は同時にサ
ブビームのパワー変化となる点である。光記録装置は、
使用環境や光学系の変動、さらに光記録媒体の経時変化
等を考慮し、照射パワー変動に対して一定の許容巾を持
つことが必要である。このため、想定される最大のピー
クパワーによる記録がなされた場合に、サブビーム11
2、113により記録トラック、あるいは隣接トラック
の記録信号を消去しないことが必要である。ここでは、
回折格子により分離されたサブビームとメインビームと
の光量比が、次の条件を一定の範囲に設定しる。記録時
のアモルファス化を行うメインビームの最大ピークパワ
ーPp-maxと、結晶化を行う最小のバイアスパワーPb-min
とした場合、メインビームパワーP-mainと片方のサブビ
ームのパワーP-subの間には、 P-main/P-sub > Pp-max/Pb-min (式2) の関係が成立する値とする。以上の構成とすることで前
述のサブビームによる記録マークの消去は防止できる。
【0058】図12は光検出器の構成を示し、(a)は
従来から用いられている3ビームサーボ用であり、
(b)は本発明の構成を示す。(a)に示すサーボ方式
は、メインスポット111からの反射光を検出器120
に受光し、その分布を一定とすることでフォーカス制御
を行い、サブスポット112、113からの反射光を光
検出器121、122により検出し、その強度差からト
ラッキング制御信号TEを得、制御を行っていた。しか
し、(表1)で示したように深さλ/4nのガイド溝を
用いた場合は、未記録の状態で、ガイド溝上に光ビーム
が照射された場合は、無反射条件となり反射光がディテ
クタ上に入射しなくなる。このため、メインビームによ
るフォーカスサーボが不可能となる。
【0059】これを解決するため、図12(b)のよう
に、サブスポット112、113の反射光を4分割の検
出器124、125を用いて、その出力信号により光検
出器上の光の分布が一定になるようにする事でフォーカ
ス制御を行う。前述のように、サブスポットは、ガイド
溝のトラックピッチの1/4程度ずれた位置にあるた
め、メインビームがガイド溝の中央にある状態にでも一
定の光量が光検出器上に入射する。この結果、λ/4n
のガイド溝にサーボが可能となる。
【0060】なお、ここでは2つの検出器124、12
5を同時に用いてフォーカス制御を行う例を示したが、
いずれか一方の検出器だけを用いてもよい。また、メイ
ンスポット用の光検出器123の受光面を1つとした
が、4分割とすれば従来の3ビームサーボを併用した制
御を行うことも可能である。また、フォーカス制御法と
してナイフエッジ法を適用する場合は、図10に示すレ
ンズ108を通常の球面レンズとし、光検出器109の
直前に反射光の一部を遮蔽する遮蔽板を設ければよい。
【0061】(実施例4)実施例3では、照射する3ス
ポットの中のサブスポットを用いてフォーカス制御を行
うことを示したが、ここでは図12(a)で示した従来
の光検出系系によりサーボ動作が可能な方法に関する。
【0062】(表1)に示したようにλ/4nのガイド
溝を用いた場合は、未記録状態ではフォーカス制御が不
可能である。また、記録状態ではメインスポットからの
反射光は、光検出器上に入射する。このことを利用して
本実施例では、光記録媒体の形成時に疑似的な記録を行
うことで従来の光検出器でフォーカス制御を可能とす
る。
【0063】本発明の光記録媒体の製造工程を図13に
示す。ディスクそのものを形成するため工程としては、
表面にガイド溝を有する基板を射出成形等の方法で形成
する基板成形工程131、基板の基板上に記録薄膜層を
スパッタリング法などにより形成する成膜工程132、
薄膜層の上に樹脂などの保護層を形成する保護処理工程
133がある。この段階での記録薄膜は成膜されたまま
のアモルファス状態である。つぎに初期化A134によ
り、アモルファスからを結晶状態に変化させる処理を行
う。この状態が実施例1、2、3で示した未記録状であ
る。本発明においては、さらにこの状態の記録媒体にレ
ーザ光を照射する初期化B135を行う。初期化Bは、
照射するレーザ光の波長を、実際にデータ記録を行うレ
ーザ光と異なる値のものを用いる。ここでは、レーザー
光源にArレーザを用い、例えば図10に示した光学系
の半導体レーザ部を置き換え、かつArレーザの波長に
合わせた光学部品で構成することにより、光記録媒体上
に、フォーカス制御を行う。この場合は、ガイド溝の深
さは、前述の波長780nmの半導体レーザに適合させ
ているため、Arレーザの波長524nmでは、溝深さ
が1.5倍となる。即ち、780nmのλ/4nの深さ
の溝は、524nmでは3λ/8nに相当し、メインビ
ームにおいても充分な光量が検出器上に入射し、フォー
カス制御が可能となる。またトラッキング制御は、従来
と同等にサブビームの反射光を用いて行う。このような
工程により、フォーカス・トラッキング制御を行った状
態で、Arレーザー光をAO変調器、あるいはEO変調
器により所定の周波数の変調を行うことにより、光記録
媒体のガイド溝上に一定の濃淡パターンからなる記録マ
ークが形成される。一旦この状態が得られたならば、図
10に示す半導体レーザを搭載した光学系により照射し
た光が反射され、光検出器に入射することによりフォー
カス制御が可能となり、以後のデータの記録が可能とな
る。なお、初期化Bにおいて形成される記録マークは、
実使用状態のデータ信号とは識別可能な形態とする。こ
れには実データではないことを示す識別信号を記録媒体
上の特定の領域に設ける、あるいはパターンをデータパ
ターンと異なる形態とすることで未記録状態であること
を確認することが可能となる。
【0064】なお、ここではサーボに3スポットを用い
た制御方式を用いたが、前述のように溝深さは524n
mでは3λ/8nと、プッシュプル法によっても充分な
トラッキングエラー信号を確保することができる。この
ように、初期化に用いるレーザ光の波長をディスク構成
に応じて選択するなどにより、単一のレーザスポットを
用いたフォーカシングあるいはトラッキングも可能であ
る。
【0065】一方、ここまで記録モードは、記録媒体は
結晶とアモルファスマークを形成する場合のみについて
説明したが、光学的に位相差を与える変化であれば逆方
向の記録モード、あるいは結晶と結晶間の状態変化を利
用した記録であってもよい。また、溝形状については、
レーザ光側に凸の形状で示してきたが、逆にレーザ光側
に凹であっても良い。さらに、凹凸溝の溝深さについて
はλ/4nについてのみ説明したが、記録装置のサーボ
系の構成、あるいはサーボの許容量に応じて、本発明と
同等の効果を示す値であれば良い。
【0066】本実施例では、位相変化媒体の書換えに関
しては詳述しなかったが、本発明は従来の相変化媒体を
用いてその膜厚構成を変化させただけであり、繰返し記
録、特にオーバライト特性に付いては同等の特性が得ら
れる。
【0067】(実施例5)ここでは、位相変化記録媒体
により得られた記録マークが、凹凸ピットを備えた再生
専用のディスクと同様に再生スポットに作用することを
利用し、図14に示すように同ーのディスク平面を分割
して、再生専用の領域と記録再生可能な領域を設け、そ
の双方からの情報を同じ光学系、信号処理回路を用いて
再生することが可能となる。これに用いる基板141
は、例えば内周側に凹凸のピットからなる再生専用領域
143を、外周側に連続の凹凸溝あるいはカプセルピッ
ト列からなる記録再生領域144を設ける。この基板1
41上に記録薄膜層142を形成することにより、光デ
ィスクを構成する。
【0068】図15(a)に再生専用領域の斜視断面
図、(b)に連続溝を用いた記録再生領域の斜視断面図
を示す。なお、再生専用ピット列152及び記録再生領
域の溝153の形態は、実施例1で示したサンプルサー
ボ方式、あるいは実施例3で示した連続溝方式のいずれ
の形態であってもよいが、双方の領域で同じ信号フォー
マットであることが重要である。例えば、記録再生領域
がサンプルフォーマットである場合は、再生専用領域も
サンプルフォーマット用のサンプルピットを備えた形態
とする。以上の構成とすることで、サーボ方式切り替え
ることなく、再生専用領域と記録再生領域に形成された
信号を再生することが可能となる。
【0069】信号復調を簡素化するためには、再生専用
領域の信号振幅と、記録再生領域の記録マークからの信
号振幅が等しいことが望ましい。このためには、次の条
件を満たすことが重要である。
【0070】1)位相変化を示す記録薄膜151が、再
生専用領域と記録再生領域の双方に同じ条件で形成され
ていること。即ち未記録状態の反射率が、再生専用の領
域の反射率と同じであること。
【0071】2)再生専用領域の凹凸ピットの深さd3
と、記録再生領域のガイド溝d4あるいはサンプルピッ
トの深さが同じであること。
【0072】3)再生専用領域の凹凸ピットの幅W3
と、記録再生領域のガイド溝W4あるいはサンプルピッ
トの幅が同じであること。
【0073】4)記録薄膜に記録マークを形成した場合
の位相変化量が、記録再生領域の溝深さあるいはサンプ
ルピットによる位相差と同等であり、かつその極性が逆
であること。
【0074】5)記録薄膜の未記録状態と記録マークを
形成した状態の反射率が同等であること。
【0075】以上の条件から、再生専用領域と記録再生
領域からの信号を同じの光学系、信号処理系を用いて再
生することが可能となり、簡単でかつ低コストの系によ
り、複数の機能を有する光ディスクとその再生装置を得
ることができる。
【0076】(実施例6)ここまでは熱遮断用のガイド
溝の凹凸のいずれか一方に記録する方法であったが、こ
こでは図16に示すようにガイド溝の凹部と凸部の両側
に記録する方法について説明する。このガイド溝の双方
に情報を記録・再生する場合は、隣接するトラックの記
録マークが再生トラックに影響を及ぼすという課題があ
る。例えばグルーブ上の情報を再生するためにトラック
161に光ビーム162を集光させた場合、再生信号に
はトラック161だけでなく隣接するランドトラック1
63、164の両方の信号を含んだものがクロストーク
として重畳される。このクロストーク量は、ガイド溝の
深さd5により異なる値を示す。
【0077】クロストークの量を溝深さd5を変化させ
た基板上に位相変化媒体を設けた場合の実験結果を図1
7に示す。なお、測定条件としては、実施例1で用いた
光学系および記録条件と同等のものを用いた。記録に用
いた基板は、ランドピッチが1.6μmであり、双方の
溝に記録された信号の振幅が同等となるようにランド部
とグルーブ部の溝幅W5,W6を同じとした。結果は、
溝深さがλ/8n近傍で、記録信号が大きくかつクロス
トーク量が小さくなる傾向が見られた。これは用いた記
録薄膜の位相変化量が0.86πであることから、溝に
より生じる位相差の1/2近傍のの条件でクロストーク
が最低となることを示している。以上の結果は、連続溝
を有する基板上に位相変化記録薄膜を形成することによ
り、トラック密度の高い光ディスクを提供することが可
能となる。
【0078】さらにトラックと垂直方向のマークの幅を
制限する方法として図18(b)に示すガイド溝が考え
られる。従来の深さd13の第1のガイド溝の凹部と凸
部の双方に深さd15の第2ガイド溝と、深さd14の
第3ガイド溝を設ける。第2、第3のガイド溝の深さ
は、上記のようにランドグルーブを形成する溝の深さの
約2倍となるように設定する。以上の構成のガイド溝を
設けることにより、第1のガイド溝の凹部内あるいは凸
部内を考えた場合の、トラックの垂直方向のスポットの
回折効果を良好に保つことができる。
【0079】なお、ランド・グルーブ記録を行う装置に
ついては詳述しないが、従来の記録再生装置に加えて、
ランドとグルーブのいずれに情報を記録するか、あるい
はいずれの情報を再生するかは、目的とするトラックに
応じてトラッキングの極性を反転する機能を設けること
で対応できる。
【0080】(実施例7)実施例6において示したラン
ドとグルーブの双方に信号を記録する方法は、図14で
示したように、同一平面を分割して再生専用領域と記録
再生領域を設ける方法に展開することができる。
【0081】再生専用領域143は、図18に示すよう
に予め同一条件の、クロストークを考慮した深さd10
の凸部凹部の溝巾W11、W12が等しいガイド溝を形
成し、さらにガイド溝の凸部凹部の双方に深さd11,
d12からなる凹凸ピットを形成することで得られる。
再生専用領域と同一平面上の異なる位置に形成された記
録再生領域144には、実施例6において用いたガイド
溝を備えた構成とする。基本的な構成をすべて、記録再
生領域のトラック方向に長い凹凸ピット形成する場合と
同じ形状の熱遮断用のガイド溝を設ける。即ち、それぞ
れの領域のランドとグルーブの段差d13、d10を等
しくする。凹凸ピット深さと熱遮断溝の深さd14,d
15、d11,d12、凹凸ピットの巾と熱遮断ガイド
溝の巾W11,W12,W14,W15をそれぞれ等し
くことが望ましい。さらに実施例5で示した条件
(1)、(4)、(5)を加えた媒体設計が必要であ
る。上記の条件とすることにより、実施例4に比較しさ
らにトラック密度を高めた複合型の光ディスクとその再
生装置を得ることができる。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明はレーザ光照射によ
り発生した熱の拡散を抑制するための凹凸溝を形成した
基板状に位相変化を示す記録薄膜層を形成することによ
り、記録パワーの変動に対し信号品質の劣化の少なく、
かつ記録信号品質の高い記録部材および記録装置を提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学情報記録装置の全体構成と光学記
録媒体の構成を示す断面図
【図2】振幅変化記録と位相変化記録の信号再生の概念
【図3】本発明のガイド溝による記録マークのマーク形
状制限効果の概念図
【図4】本発明の光学情報記録媒体の第2、第3の構成
例の断面図
【図5】未記録状態の記録媒体から得られる反射光量の
ガイド溝深さ依存性を示す特性図
【図6】深さの異なるガイド溝上に位相変化記録を行っ
た状態の概念図
【図7】本発明の第1の実施例におけるガイド溝の構成
を示す平面図
【図8】本発明の第2の実施例におけるピットカプセル
の構成を示す平面図
【図9】同実施例におけるピットカプセル上に位相変化
記録行をった状態の概念図
【図10】本発明の第3の実施例における光学情報記録
装置を説明するための図
【図11】同実施例における光記録媒体上の光スポット
の配置図
【図12】同実施例における光学情報記録装置の光検出
器の構成図
【図13】第4の実施例における初期化処理工程のフロ
ーチャート
【図14】本発明の第5の実施例における記録部材の構
成図
【図15】同実施例における記録部材の詳細構成図
【図16】本発明の第6の実施例における光学情報記録
部材の構成図
【図17】同実施例における隣接トラックからのクロス
トーク量のガイド溝深さ依存性を示す特性図
【図18】本発明の第7の実施例における光学情報記録
部材の構成図
【符号の説明】
15 光ビーム 21 基材 22、24 透明層 23 記録薄膜層 25 反射層 26 保護層 27 ガイド溝
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 7/24 565 G11B 7/24 565A (72)発明者 大野 鋭二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 山田 昇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 長田 憲一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−150246(JP,A) 特開 平3−41638(JP,A) 特開 昭61−260426(JP,A) 特開 平4−102227(JP,A) 特開 平4−102228(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラッキング用のガイド溝を備えた基板
    上に、強度変調した光ビームを照射することにより局部
    的に相状態を変化させることで情報信号の記録を行い、
    前記情報信号の記録領域と未記録領域における反射光の
    位相差に基づいて情報の再生を行う記録薄膜層を備えた
    光記録媒体に対する記録方法であって、前記光ビームの
    波長をλ、前記基板の屈折率をnとしたとき、前記ガイ
    ド溝の深さがλ/4nであり、 前記光ビームとは異なる波長の第2の光ビームによって
    前記記録媒体の前記ガイド溝でトラッキングを行いなが
    ら、前記第2の光ビームを強度変調することにより前記
    ガイド溝の上に記録マークを形成することを特徴とする
    記録方法。
  2. 【請求項2】 前記記録薄膜層に記録された前記情報信
    号の前記記録領域と前記未記録領域における反射光の位
    相差が、前記ガイド溝の深さに対応して生じる反射光の
    位相差と同じ大きさであることを特徴とする請求項1に
    記載の記録方法。
  3. 【請求項3】 トラッキング用のガイド溝を備えた基板
    上に、強度変調した光ビームを照射することにより局部
    的に相状態を変化させることで情報信号の記録を行い、
    前記情報信号の記録領域と未記録領域における反射光の
    位相差に基づいて情報の再生を行う記録薄膜層を備えた
    光記録媒体の製造方法であって、前記光ビームの波長を
    λ、前記基板の屈折率をnとしたとき、前記ガイド溝の
    深さがλ/4nであり、 前記記録薄膜層を前記基板の上に形成する成膜工程と、 前記光ビームとは異なる波長の第2の光ビームを強度変
    調して前記ガイド溝の上に記録マークを形成する初期化
    工程とを含むことを特徴とする製造方法。
  4. 【請求項4】 前記記録薄膜層が相変化記録膜からな
    り、 前記成膜工程と前記初期化工程との間に、前記記録薄膜
    層の状態をアモルファス相から結晶相に変化させる第2
    の初期化工程を含むことを特徴とする請求項3記載の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記記録薄膜層に記録された前記情報信
    号の前記記録領域と前記未記録領域における反射光の位
    相差が、前記ガイド溝の深さに対応して生じる 反射光の
    位相差と同じ大きさであることを特徴とする請求項3に
    記載の製造方法
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