JP2000215516A - 光学的情報記録媒体とその製造方法、その記録再生方法および記録再生装置 - Google Patents

光学的情報記録媒体とその製造方法、その記録再生方法および記録再生装置

Info

Publication number
JP2000215516A
JP2000215516A JP11218722A JP21872299A JP2000215516A JP 2000215516 A JP2000215516 A JP 2000215516A JP 11218722 A JP11218722 A JP 11218722A JP 21872299 A JP21872299 A JP 21872299A JP 2000215516 A JP2000215516 A JP 2000215516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording
recording medium
optical information
transparent substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11218722A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3853543B2 (ja
Inventor
Hideki Kitaura
英樹 北浦
Katsumi Kawahara
克巳 河原
Noboru Yamada
昇 山田
Hiroyuki Ota
啓之 大田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP21872299A priority Critical patent/JP3853543B2/ja
Publication of JP2000215516A publication Critical patent/JP2000215516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3853543B2 publication Critical patent/JP3853543B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2403Layers; Shape, structure or physical properties thereof
    • G11B7/24035Recording layers
    • G11B7/24038Multiple laminated recording layers

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロスイレースが抑制され、高密度の情報の
記録再生に好適な光学的情報記録媒体、高密度・高線速
度なオーバーライトにおいても消去率が高く、かつジッ
タの小さい情報の記録再生が可能な光学的情報記録媒体
を提供する。 【解決手段】 透明基板1上に、下側保護層2、記録層
3、上側保護層4、中間層5、反射層6を順次積層し、
熱伝導率を反射層、中間層、上側保護層の順に大きく
し、記録層膜厚を4〜16nmとする。また、中間層に
代えて光吸収層を用い、光吸収層の屈折率が反射層の屈
折率よりも2〜6大きく、反射層を光吸収層よりも厚く
形成する。あるいは光吸収層の膜厚d1が、この層の屈
折率をn1、消衰係数をk1として、0.1λ/(n1
1)≦d1≦1.0λ/(n1・k1)の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た薄膜に、レーザービーム等の高エネルギーの光ビーム
を照射することにより、信号品質の高い情報信号を記録
・再生することのできる光学的情報記録媒体、その製造
方法、その記録再生方法、および光学的記録再生装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板上に形成したカルコゲン材料等の薄
膜に、照射条件を調整しながらレーザー光線を照射して
局所的な加熱を行うと、照射部分を光学定数(屈折率
n、消衰係数k)の異なる非晶質相と結晶相との間で相
変化させることができる。このような相変化を利用し
て、特定の波長の光に対する反射光量または透過光量の
差を信号として検出する高速・高密度情報記録を行う媒
体とその利用方法の開発が行われてきた。
【0003】相変化記録においては、単一のレーザービ
ームのみを使い、レーザー出力を記録レベルと消去レベ
ルの2レベル間で情報信号に応じて変調し情報トラック
上に照射すると、既存の信号を消去しつつ新しい信号を
記録することが可能となる(例えば特開昭56−145
530号公報)。この方法は、光磁気記録に要するよう
な磁気回路部品が不要であってヘッドを簡素化できる
点、消去と記録とが同時に行えるために書換時間を短縮
できる点で有利である。
【0004】相変化記録を高密度化するためには、記録
に用いる光源の短波長化、対物レンズの高NA(開口
数)化等によってより小さい記録マークを形成し、円盤
状の基板における記録マークの周方向の線密度および径
方向のトラック密度を向上させる手法が採用されてい
る。また、周方向の密度向上のためには記録マークの長
さに情報を持たせるマークエッジ記録が、径方向の密度
向上のためには基板上に設けられたレーザー光案内用の
溝であるグルーブとその案内溝間のランドの両方を記録
トラックとするランド&グルーブ記録がそれぞれ提案さ
れている。
【0005】また、高密度化のみならず、情報処理速
度、すなわち情報の記録再生の速度を向上させることも
重要であり、そのために、同じ半径位置でも高い回転数
でディスクを回転させて記録再生を行う高線速度化につ
いても検討が進められている。
【0006】さらに、記録可能な情報層を分離層を介し
て複数積層し、容量を倍増させた記録媒体(例えば特開
平9−212917号公報)、およびこのような複数の
情報層のいずれか一つを選択して記録再生を行うための
層認識手段や層切り換え手段(例えば特表平10−50
5188号公報)が提案されている。
【0007】記録の高密度化を進展させると、オーバー
ライト歪や繰り返し劣化も問題となるが、特に、あるト
ラックに記録マークを記録した際に、隣のトラックの記
録マークを部分的にでも消してしまう現象(以下、「ク
ロスイレース」という)が問題となる。クロスイレース
は、径方向の記録密度を向上させるためにトラックの間
隔を短くするほど顕著となる。特にランド&グルーブ記
録においては、グルーブまたはランドの一方のみに記録
する場合に比べて記録マーク同士の径方向の間隔がおよ
そ半分となるために影響が大きくなる。
【0008】クロスイレースは、記録時に絞り込まれた
レーザー光のスポットが記録しようとするトラックに隣
接するトラックにまで影響を及ぼすために生じる。具体
的には、レーザー光による隣接トラックの直接加熱、お
よび記録しようとするトラックからの熱伝導による隣接
トラックの間接加熱が、クロスイレース発生の要因とな
っていると考えられる。
【0009】また、単一ビームによるオーバーライトの
場合、非晶質部と結晶部とで光吸収率が異なり、また、
結晶部では融解潜熱が必要であるために、両者の間に、
同じパワーのビームを照射した場合の到達温度の差が生
じ、オーバーライト時にオーバーライト前の信号の影響
を受けてマークエッジ位置の不揃いが生じてしまう。そ
して、これにより、再生信号の時間軸方向の誤差(ジッ
タ)の増大や消去率の低下が起きてしまう。この現象
は、記録の高線速度・高密度化、とりわけマークエッジ
記録方式の導入に際して大きな問題となる。
【0010】この問題を解決するためには、結晶部と非
晶質部における、同じパワーのビームを照射した場合の
到達温度を等しくする必要がある。そして、そのために
は、波長λのレーザービームを照射したときの、結晶部
の吸収率をAcry、非晶質部のそれをAamoとして、結晶
部の融解潜熱分を補償するために光吸収率比Acry/Aa
moが1.0よりも大きいことが必要である。加えて、波
長λのレーザービームを照射したときの、結晶部の反射
率をRcry、非晶質部のそれをRamo として、高いC/
N比を得るために反射率差ΔR=Rcry−Ramoが大きい
ことが望ましい。
【0011】従来、上記のようにAcry/AamoとΔRを
共に大きくする技術として、反射層を有さない3層構成
(特開平3−113844号公報、特開平5−2987
48号公報)、反射率の低い材料を用いた反射層、ある
いは膜厚が十分薄い反射層を有する4層構成(特開平4
−102243号公報、特開平5−298747号公
報)などが提案されている。
【0012】しかし、上記のような手段を用いてAcry
/AamoとΔRとを共に大きくしても、十分な記録再生
特性が得られるとは限らない。例えば、反射層の膜厚が
薄い場合や反射層の熱伝導率が低い場合には、記録層の
光吸収から生じる発熱を反射層に逃がす、いわゆる冷却
能が不十分となり、非晶質化の妨げとなる。この現象
は、特に非晶質であるマークの前端部分で顕著であり、
マーク前端部分の幅がマーク後端部分の幅よりも小さく
なるというアンバランスが生じてしまう。また、マーク
エッジ位置が物理的に所望の位置からずれてしまうばか
りでなく、マーク幅が均一でないために、電気信号とし
てのエッジ位置がさらに大きくずれてしまい、その結
果、ジッタの増大につながってしまう。これは、高密度
・高線速度な記録において大きな問題となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クロスイレ
ースの小さい、高密度の情報の記録再生に好適な光学的
情報記録媒体を提供することを目的とする。また、本発
明は、高密度・高線速度のオーバーライトにおいても消
去率が高く、かつ、ジッタの小さい情報の記録再生が可
能な光学的情報記録媒体を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、これらの光学的情報記録媒体の製造
方法および記録再生方法、ならびに上記光学的情報記録
媒体を利用した光学的情報記録再生装置を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の光学的情報記録媒体は、透明基板
と、この透明基板上に形成された多層膜とを含み、この
多層膜が、上記透明基板に近い側から順に、下側保護
層、光ビームの照射により光学的に検出可能な異なる2
状態間で可逆的に変化する記録層、上側保護層、中間層
および反射層を含み、上側保護層、中間層および反射層
の熱伝導率が上記記録層から遠い層ほど大きく、上記記
録層の膜厚が4nm以上16nm以下であることを特徴
とする。
【0015】このような光学的情報記録媒体とすること
により、記録層から多層膜の厚さ方向への熱伝導が促進
され、クロスイレースを低減することが可能となる。記
録層の膜厚については、6nm以上14nm以下である
ことが好ましい。
【0016】本発明の第2の光学的情報記録媒体は、透
明基板と、前記透明基板上に形成された多層膜とを含
み、前記多層膜が、前記透明基板に近い側から順に、下
側保護層、光ビームの照射により光学的に検出可能な異
なる2状態間で可逆的に変化する記録層、上側保護層、
光吸収層および反射層を含み、前記光ビームの波長λに
おける前記光吸収層の屈折率n1と前記反射層の屈折率
2との差Δn=n1−n2が2以上6以下であり、か
つ、前記反射層の膜厚が前記光吸収層の膜厚以上である
ことを特徴とする。
【0017】このような光学的情報記録媒体とすること
により、Acry/AamoとΔRとを共に大きくすることが
でき、十分な冷却効果を得ることができる。その結果、
高密度・高線速度なオーバーライトにおいても消去率が
高く、かつ、ジッタの小さい情報の記録再生が可能な光
学的情報記録媒体を実現することができる。
【0018】上記第2の光学的情報記録媒体において
は、光吸収層の膜厚が、前記光吸収層の消衰係数をk1
として、0.1λ/(n1・k1)≦d1≦1.0λ/
(n1・k1)の範囲が好ましい。この好ましい例によれ
ば、C/N比、消去率およびジッタについて良好な値が
得られる。
【0019】また、本発明の第3の光学的情報記録媒体
は、透明基板と、前記透明基板上に形成された多層膜と
を含み、前記多層膜が、前記透明基板に近い側から順
に、下側保護層、光ビームの照射により光学的に検出可
能な異なる2状態間で可逆的に変化する記録層、上側保
護層、光吸収層および反射層を含み、前記光吸収層の膜
厚d1が、前記光ビームの波長をλ、前記波長λにおけ
る前記光吸収層の屈折率および消衰係数をそれぞれn1
およびk1として、0.1λ/(n1・k1)≦d1≦1.
0λ/(n1・k1)の範囲にあることを特徴とする。
【0020】本発明の光学的情報記録媒体は、複数の記
録層を備えていてもよく、記録層を含む多層膜からなる
2以上の情報層を含んでいてもよい。この場合、2以上
の情報層は、分離層を介して積層されていることが好ま
しい。このような光学的情報記録媒体は、例えば、透明
基板と、前記透明基板上に前記透明基板に近い側から順
に形成された、第1情報層、分離層および第2情報層を
含んでいる。
【0021】このように2層の情報層を備えている場
合、特に制限されないが、上記に説明した多層膜の各構
成は第2の情報層に適用することが好ましい。レーザ光
が入射する透明基板側から見て遠い第2情報層は、高感
度であることが重要となる。上記多層膜では、中間層ま
たは光吸収層が、記録層と同様、レーザ光を吸収するた
めに記録層が昇温しやすくなって良好な感度が得られ
る。しかも、上記多層膜では、発熱が、熱伝導率が高い
反射層による速やかな冷却により解消される。このた
め、記録層内での熱拡散が増大せず、クロスイレース特
性の劣化を抑制できる。
【0022】本発明の光学的情報記録媒体の第1の製造
方法は、透明基板上に、前記透明基板に近い側から順
に、下側保護層、光ビームの照射により光学的に検出可
能な異なる2状態間で可逆的に変化する記録層、上側保
護層、中間層および反射層を含む多層膜を形成する工程
を含み、前記上側保護層、前記中間層および前記反射層
の熱伝導率を前記記録層から遠い層ほど大きく、前記記
録層の膜厚を4nm以上16nm以下とすることを特徴
とする。この製造方法により、クロスイレースが低減さ
れた光学的情報記録媒体を得ることができる。
【0023】本発明の光学的情報記録媒体の第2の製造
方法は、透明基板上に、前記透明基板に近い側から順
に、下側保護層、光ビームの照射により光学的に検出可
能な異なる2状態間で可逆的に変化する記録層、上側保
護層、光吸収層および反射層を含む多層膜を形成する工
程を含み、前記光ビームの波長λにおける前記光吸収層
の屈折率n1と前記反射層の屈折率n2との差Δn=n1
−n2が2以上6以下であり、かつ、前記反射層の膜厚
を前記光吸収層の膜厚以上とすることを特徴とする。こ
の製造方法により、高密度・高線速度なオーバーライト
においても消去率が高く、かつ、ジッタの小さい情報の
記録再生が可能な光学的情報記録媒体を得ることができ
る。
【0024】本発明の光学的情報記録媒体の第3の製造
方法は、透明基板上に、前記透明基板に近い側から順
に、下側保護層、光ビームの照射により光学的に検出可
能な異なる2状態間で可逆的に変化する記録層、上側保
護層、光吸収層および反射層を含む多層膜を形成する工
程を含み、前記光吸収層の膜厚をd1、前記光ビームの
波長をλ、前記波長λにおける前記光吸収層の屈折率お
よび消衰係数をそれぞれn1およびk1として、0.1λ
/(n1・k1)≦d1≦1.0λ/(n1・k1)が成立
するように前記光吸収層を形成することを特徴とする。
【0025】上記各製造方法は、2以上の情報層を備え
た光学的情報記録媒体にも適用できる。この場合、透明
基板上に第1情報層を形成する工程と、保護基板上に第
2情報層を形成する工程と、前記透明基板と前記保護基
板とを分離層を介して貼り合わせることにより、前記透
明基板上に、前記第1情報層、前記分離層および前記第
2情報層をこの順に形成する工程とを含む製造方法とす
ることが好ましい。この場合、保護基板は、情報層を保
護する層として機能する。この場合も、上記で説明した
多層膜の各構成が第2情報層に適用されるように、保護
基板上に第2情報層を形成することが好ましい。
【0026】本発明の光学的情報記録媒体の記録再生方
法は、上記に記載した本発明の光学的情報記録媒体に光
ビームを透明基板側から入射させて情報を記録再生する
方法であって、前記光ビームの強度を、照射部を瞬時溶
融させることができるパワーレベルP1、照射部を瞬時
溶融させることができないパワーレベルP2およびP
3(ただし、P1>P2≧P3≧0)、および記録層の記録
マークの光学的な状態が変化せず、かつ照射により前記
記録マークの再生に足りる反射率が得られるパワーレベ
ルP0(ただし、P1>P0>0)により表示したとき
に、前記記録層に記録する少なくとも1つの記録マーク
を、光ビームをパワーレベルP1とP3との間で変調する
ことにより生成させた一群のパルスからなる記録パルス
列により形成し、記録マークを形成しない場合には光ビ
ームをパワーレベルP2に保持し、パワーレベルP0の光
ビームを照射することにより、前記記録層に記録した情
報を再生することを特徴とする。
【0027】このように、強度を変調させて生成させた
パルス列により記録マークを形成することにより、例え
ば上記第1の光学情報記録媒体を用いると、クロスイレ
ースを抑制しながら情報を記録再生することが可能とな
る。また例えば、上記第2または第3の光学情報記録媒
体を用いると、特に長いマークを形成する場合に、過剰
な熱を除いてマーク幅を均一化できる。
【0028】上記各記録再生方法は、2以上の情報層を
備えた光学的情報記録媒体にも適用できる。この場合
は、光ビームを透明基板側から入射させて、第1情報層
および第2情報層に含まれる記録層の状態を変化させる
ことが好ましい。
【0029】本発明の光学的情報記録媒体の記録再生装
置は、上記に記載した本発明の光学的情報記録媒体と、
前記光学的情報記録媒体に照射される光ビームを発生さ
せる光ビーム発生手段と、前記光ビームの強度を変調さ
せる光ビーム強度変調手段とを備え、前記光ビームの強
度を、照射部を瞬時溶融させることができるパワーレベ
ルP 1、照射部を瞬時溶融させることができないパワー
レベルP2およびP3(ただし、P1>P2≧P3≧0)、
および記録層の記録マークの光学的な状態が変化せず、
かつ照射により前記記録マークの再生に足りる反射が得
られるパワーレベルP 0(ただし、P1>P0>0)によ
り表示したときに、前記光ビーム強度変調手段が、記録
層に記録マークを形成することにより情報を記録する場
合には、光ビームをパワーレベルP1とP3との間で変調
することにより生成させた一群のパルスからなる記録パ
ルス列により前記記録マークの少なくとも1つを形成
し、記録マークを形成しないときには光ビームの強度を
パワーレベルP2に保持し、前記記録層に記録した情報
を再生する場合には、光ビームの強度をパワーレベルP
0に保持することを特徴とする。
【0030】上記各記録再生装置は、2以上の情報層を
備えた光学的情報記録媒体にも適用できる。この場合、
透明基板側からレーザ光が入射するように、光ビーム発
生手段を記録媒体の透明基板側に配置することが好まし
い。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について説明する。
【0032】(第1の実施形態)本実施形態では、主と
して、本発明の第1の光学的情報記録媒体について説明
する。本発明者は、基板上に形成する多層膜の様々な層
構成を検討した結果、クロスイレースには、記録層の膜
厚、および記録層より空気側(基板とは反対側)の層の
熱伝導率の関係が大きく影響を及ぼすことを見い出し
て、この形態の媒体を完成させた。
【0033】上記光学的情報記録媒体においては、上側
保護層の膜厚が10nm以上であることが好ましい。上
側保護層が薄すぎると、記録層と中間層との間の距離が
短くなりすぎ、中間層自体が有する熱の影響により、結
果的に記録層から中間層への熱伝導が抑制されるからで
ある。また、上側保護層の膜厚は200nm以下が好ま
しい。
【0034】また、上記光学的情報記録媒体において
は、記録層に接するように形成された界面層をさらに含
むことが好ましい。界面層は、上側保護層と記録層との
間、下側保護層と記録層との間の少なくとも一方の界面
に形成される。界面層としては、Geを含有する層であ
ることが好ましい。上側保護層および/または下側保護
層と、記録層との間の原子の相互拡散を抑制できるから
である。界面層は、Ge、Si、Cr、TiおよびAl
から選ばれる少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0035】また、上記光学的情報記録媒体において
は、記録層がGe、SbおよびTeを含むことが好まし
い。記録層において消去と記録とを同時に行う場合の材
料として好適だからである。記録層は、Ge、Sbおよ
びTeを主成分とし、さらに6.0原子%以下のNを含
むことがさらに好ましい。繰り返し特性の改善に有効だ
からである。
【0036】また、上記光学的情報記録媒体において
は、上側保護層および/または下側保護層が、ZnSを
60〜100モル%、SiO2を40〜0モル%含有す
ることが好ましい。このような保護層は、耐熱性に優
れ、適当な熱伝導率を有し、さらに媒体の光学特性の調
整に適当な屈折率を備えているからである。
【0037】また、上記光学的情報記録媒体において
は、反射層がAu、Ag、CuおよびAlから選ばれる
少なくとも1つを含むことが好ましい。これら金属を含
む合金を用いてもよい。
【0038】また、上記光学的情報記録媒体において
は、中間層が、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W、Mn、Os、Al、Ga、In、C、S
i、Ge、Sn、Pb、SbおよびBiから選ばれる少
なくとも1つの元素を含むことが好ましい。さらに具体
的には、上記元素から選ばれる少なくとも1つを含む酸
化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物、セレン化物
およびテルル化物から選ばれる少なくとも1つの化合物
からなることが好ましい。中間層は、その熱伝導率が上
側保護層の熱伝導率と反射層の熱伝導率の間の値を有す
るような材料から構成される。
【0039】また、中間層は、例えばGe−Cr、Si
−Wのような、上記元素の元素間化合物からなることが
好ましい。なお、本明細書では、2以上の元素からなる
化合物を元素間化合物という。
【0040】また、上記光学的情報記録媒体において
は、光ビームが記録媒体に反射される比率である反射率
および記録層に吸収される比率である吸収率を、それぞ
れ記録層が結晶相である場合にはRcryおよびAcry、記
録層がアモルファス相である場合にはRamoおよびAamo
として、反射率差(Rcry−Ramo)が5%以上(%表示
で5ポイント以上)であり、かつ、吸収率比(Acry/
Aamo)が1.0以上であることが好ましい。
【0041】また、この光学的情報記録媒体の製造方法
では、記録層を200nm/分以下の速度で成膜するこ
とが好ましい。記録層の膜厚精度を確保するためであ
る。
【0042】また、記録層を、不活性ガスと窒素ガスと
を含み、記録層に窒素原子が6.0原子%以下含有され
るように上記窒素ガスの含有量を調整した雰囲気中にお
いて成膜することが好ましい。
【0043】この光学的情報記録媒体の記録再生方法で
は、記録パルス列の少なくとも一部を、パルス幅および
各パルス間の間隔が略同一となるように生成させること
が好ましい。
【0044】また、上記光学的情報記録媒体の記録再生
方法においては、記録パルス列の最後のパルスの直後に
パワーレベルP4(ただし、P2>P4≧0)の冷却区間
を設けることが好ましい。
【0045】以下、本実施形態を図面を参照しながら具
体的に説明する。図1および図2は、それぞれ、本実施
形態の光ディスクの部分断面図および部分斜視図であ
る。図1に示したように、この光ディスクには、透明な
ディスク基板1上に、下側保護層2、記録層3、上側保
護層4、中間層5、反射層6が順次積層され、さらにオ
ーバーコート層7が設けられて構成されている。また、
図2に示したように、基板1には深さDのグルーブ8が
形成されているため、上記各層からなる積層膜10の表
面にも互いに平行な凹部および凸部がそれぞれグルーブ
8およびランド9として形成されている。記録層3に
は、基板1側から光ビームとしてレーザー光が照射さ
れ、記録マーク11が形成される。図2に示したよう
に、高密度記録のためにはグルーブ8およびランド9の
両方に記録マークを形成することが好ましい(ランド&
グルーブ記録)。
【0046】基板1としては、ポリカーボネイト樹脂、
ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、
アートン樹脂、ガラス等の透明材料を用いることができ
る。なお、基板1の厚さは、特に限定されないが、0.
1mm〜2.0mmが好ましい。
【0047】下側保護層2および上側保護層4は、レー
ザー光照射時の基板1または記録層3の熱的損傷による
ノイズ増加の抑制、およびレーザー光に対する反射率、
吸収率および反射光の位相調整等のために形成される。
保護層2,4としては、例えば、Sc、Y、Ce、L
a、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Zn、Al、
Si、Te等の酸化物、Ti、Zr、Hf、V、Nb、
Ta、Cr、Mo、W、Zn、B、Al、Ga、In、
Si、Ge、Sn、Pb等の窒化物、Ti、Zr、H
f、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Zn、B、A
l、Ga、In、Si等の炭化物、Zn、Cd、Ga、
In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等の硫化
物、セレン化物もしくはテルル化物、Mg、Ca等のフ
ッ化物、C、Si、Ge等の単体、またはこれらの混合
物からなる誘電体材料を用いることができる。
【0048】上側保護層4の膜厚は、10nm以上20
0nm以下が好ましい。上側保護層4が薄すぎると、上
記のように中間層5自体が有する熱の影響により記録層
3から中間層5への熱の逃げが悪くなる。このように層
の厚さ方向への熱伝導が低下すると記録層3の面内での
熱拡散が大きくなるためにクロスイレースが増大するお
それがある。上側保護層4を10nm以上とすると、例
えばトラックピッチ(隣接する一対のランドおよびグル
ーブの幅の平均(グルーブピッチの1/2)、グルーブの
みに記録する場合にはグルーブピッチに同じ)が0.6
μmであってもクロスイレースが許容範囲に収まるよう
になる。上側保護層4は厚くするほど、クロスイレース
を小さくすることができる。しかし、光学特性は膜厚λ
/2n(λはレーザー光の波長、nは上側保護層4の屈
折率)の周期で繰り返すため、媒体の光学特性を所望の
特性とするために膜厚を必要以上に厚くすることは工業
的に不利である。従って、波長λおよび屈折率nにもよ
るが、膜厚は200nm以下が好ましい。以上に説明し
た理由から、上側保護層4の膜厚は、10nm以上20
0nm以下、特に20nm以上200nm以下であるこ
とが好ましい。
【0049】一方、下側保護層2の膜厚は、特に限定さ
れないが、10nm以上200nm以下が好ましい。下
側保護層の膜厚を10nm未満とすると、基板が熱変形
するおそれがある。下側保護層を200nm以下とする
ことが好ましい理由は、上側保護層を200nm以下と
することが好ましい上記の理由と同様である。
【0050】記録層3としては、TeやSeをベース材
料とするカルコゲナイド、例えばGe−Sb−Te、G
e−Te、Pd−Ge−Sb−Te、In−Sb−T
e、Sb−Te、Ag−In−Sb−Te、Ge−Sb
−Bi−Te、Ge−Sb−Se−Te、Ge−Sn−
Te、Ge−Sn−Te−Au、Ge−Sb−Te−C
r、In−Se、In−Se−Co等を主成分とする合
金を用いることができる。また、これらの合金に酸素、
窒素等を添加した材料を用いてもよい。
【0051】記録層3の膜厚は、4nm以上16nm以
下が適当である。従来、クロスイレースがさほど問題に
ならない程度にトラックピッチが大きい場合には、光学
的コントラストを大きくとるためには20nm以上の膜
厚が有利であった。しかし、このように記録層が厚いと
記録層の面内方向への熱伝導が大きいために、トラック
ピッチが短くなるにつれて(例えば0.6μm以下)、
クロスイレースが顕著となる。クロスイレースを低減す
るためには、記録層は薄いほうが有利である。記録層を
薄くすることにより、層の面内方向への熱伝導を低減す
ることができる。例えば記録層の膜厚を16nm以下と
すると、トラックピッチが0.6μmであっても、クロ
スイレースは許容範囲に収まるようになる。ただし、記
録層の膜厚を4nm未満とすると、光学的コントラスト
が確保できなくなるばかりか、繰り返し記録による膜厚
変動の影響が大きくなってトラッキング等が不安定にな
るために却ってクロスイレースが大きくなる。従って、
記録層の膜厚は、4nm以上16nm以下、さらには6
nm以上14nm以下が好ましい。
【0052】中間層5としては、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、
Ru、Os、Al、Ga、In、C、Si、Ge、S
n、Pb、SbおよびBiから選ばれる少なくとも1つ
の元素(特に、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W、Mn、Os、Al、Ga、In、C、S
i、Ge、Sn、Pb、SbおよびBiから選ばれる少
なくとも1つの元素)を含む材料、あるいはこれら元素
の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物、セレン
化物、テルル化物および元素間化合物から選ばれる少な
くとも1つの化合物を含む材料であることが好ましく、
さらに具体的には、Cr、Mo、W、Ti、Zr、N
b、Ta、Ge−Cr、Ge−Mo、Ge−W、Si−
Cr、Si−Mo、Si−W等を用いることができる。
【0053】中間層5の膜厚としては、特に限定されな
いが、5nm以上100nm以下が好ましい。
【0054】反射層6は、レーザー光に対する反射率、
吸収率および反射光の位相の調整、記録薄膜の熱負荷軽
減等の目的で形成される。反射層としては、上記のよう
に、Al、Au、Ag、Cu等の比較的熱伝導率の高い
金属材料、またはこれらをベースとした合金材料を用い
ることができる。
【0055】反射層6の膜厚としては、特に限定されな
いが、10nm以上200nm以下が好ましい。
【0056】各層に用いる材料としては、上記に例示し
た材料から個別に適したものを選択すればよいが、反射
層6、中間層5および上側保護層4については、この順
に熱伝導率が大きくなるように選択する。このように熱
伝導率を設定することにより、記録層3から多層膜の膜
厚方向への熱伝導が加速される。従って、記録層3の面
内方向への熱伝導が相対的に抑制され、隣接トラックに
影響が及びにくくなる。
【0057】上記光学的情報記録媒体には、図3に示し
たように界面層12を設けることができる。界面層12
は、図3に示すように記録層3の両側に設けてもよい
が、いずれか一方にのみ設けることとしても構わない。
界面層12を設けると、保護層2、4と記録層3との間
の原子拡散が抑制されるために、記録媒体の繰り返し特
性を向上させることができる。界面層12としては、保
護層2、4に用いる材料に対して拡散防止効果を有する
ものを用いることができるが、Geを含有する材料が好
ましく、Geの窒化物を主成分とする材料が特に優れて
いる。
【0058】界面層12の膜厚としては、特に限定され
ないが、1nm以上50nm以下が好ましい。
【0059】上記各層2〜6、12は、例えば真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CV
D(Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecul
ar Beam Epitaxy)法等の気相薄膜堆積法によって形成
することができる。ただし、成膜レート、製造コスト、
得られる膜の品質等の観点からは、スパッタリング法が
最もバランスに優れている。各層は、一般には、高真空
状態のチャンバー内に不活性ガスを流しながら成膜され
るが、不活性ガスに酸素、窒素等を混入させながら成膜
してもよい。これにより、膜中にO原子、N原子等が混
入し、膜の特性を調整することができる。特に記録層3
においては、これらの原子の混入(例えば6.0原子%
以下の窒素原子の混入)が、媒体の繰り返し特性向上や
クロスイレース低減に有効となる場合がある。
【0060】また、上記光学的情報記録媒体は、枚葉式
成膜装置により、各層2〜6、12をそれぞれ別のチャ
ンバー内で並行して順次成膜していくことが工業的には
有利である。このような成膜法を採用する場合、上記記
録層は、相対的に遅い速度で成膜しても全体の成膜の能
率に影響を及ぼさない。上記記録層3の膜厚は好ましく
は4nm以上16nm以下であって、例えば下側保護層
2の通常膜厚(100nm以上)の1桁程度薄いからで
ある。記録層3の膜厚を正確に制御することは、上記の
ようにクロスイレース低減等のためにも重要であるか
ら、記録層の成膜時間は最低5秒程度確保することが好
ましい。従って、記録層の成膜速度は200nm/分以
下が好ましい。
【0061】このようにして形成された各層の上には、
図1に示したように、さらにオーバーコート層7を設け
てもよい。この層7は、紫外線硬化性樹脂を塗布するこ
とにより形成することが好ましい。
【0062】もっとも、本発明の光学的情報記録媒体
は、図1に示したような単板の片面ディスクに限られ
ず、紫外線硬化性樹脂および/またはホットメルトタイ
プの接着剤により、上記と同様に記録層を含む多層膜を
形成した基板と膜面同士が対向するように貼り合わせて
両面ディスクとしてもよい。この場合は、各々が情報層
となる多層膜同士が直接接触しないように、分離層を介
して、基板を貼り合わせることが好ましい。また、上記
接着剤により、多層膜を形成した面をダミー基板と貼り
合わせて片面ディスクとしても構わない。
【0063】図4は、光学的情報記録媒体の記録・再生
を行うための装置の例の概略を示す図である。入力され
た信号に応じて半導体レーザー13から出射されたレー
ザー光10は、コリメートレンズ14により集光されて
平行光線となり、ビームスプリッター15、1/4波長
板16、対物レンズ17を順次通過して、光ディスク1
8上に照射される。レーザー光10は、ボイスコイル1
9を上下に動かすことによってフォーカシングされる。
光ディスク18は、ターンテーブル20上に固定されて
いる。モーター21によって所定速度で回転する光ディ
スク18にレーザー光が照射されることにより、情報信
号の記録・再生が行われる。
【0064】図5は、情報信号の記録を行う際のレーザ
ー光のパルス波形の例である。図5に示したように、レ
ーザー光の強度は、P1、P2、P3およびP4の間で変調
される。ここで、P1は、照射部を瞬時溶融させること
ができ、好ましくは図5に示したように当該パワーレベ
ル以下で強度を変調しつつ照射した場合においても照射
部を瞬時溶融させることができるパワーレベルである。
また、P2およびP3は、照射部を瞬時溶融させることが
できず、好ましくは無変調で照射した場合であっても照
射部を瞬時溶融させることができないパワーレベルであ
る。また、P4は、最後の記録パルス列の直後に記録層
を冷却するためのパワーレベルである。図5には、P1
>P2≧P3≧P4≧0となるように各パワーレベルを設
定した場合の例が示されている。なお、レーザービーム
の強度を上記のように変調するには、半導体レーザーの
駆動電流を変調して行えばよいが、電気光学変調器、音
響光学変調器などの手段を用いてもよい。
【0065】ただし、すべての記録マークを図5に示し
たような記録パルス列により形成する必要はなく、マー
ク長が短いパルス列については、パワーレベルP1の単
一矩形パルスにより形成してもよい。しかし、長いマー
クを形成する場合には、繰り返し特性向上およびクロス
イレース低減のために、上記のようなパワーレベルP 1
をパワーピークとして含むパルス列により形成すること
により、過剰な熱を抑制することが好ましい。
【0066】P2は、図5に示したように光ビームをそ
の強度に保持して照射しても記録マークを形成できない
パワーレベルである。このパワーレベルは、記録マーク
を形成できないが記録マークを消去できるパワーレベル
としてもよい。この場合、パワーレベルP2の光ビーム
が照射されている部分では、記録マークが消去される。
【0067】例えば、相変化型光ディスクにおいて、記
録状態をアモルファス状態、消去状態を結晶状態に対応
させて使用する場合、P1を、記録層を結晶状態からア
モルファス状態へと可逆的に変化させうるパワーレベ
ル、P2を、記録層をアモルファス状態から結晶状態へ
と可逆的に変化させうるパワーレベルとして設定しても
よい。
【0068】図5に示した記録パルス列の直後には、パ
ワーレベルP4による冷却区間が設けられている。この
ように冷却のためのパワーレベルを設けると、特に熱過
剰になり易いマーク後端部分の熱を除去できてクロスイ
レース抑制に効果がある。
【0069】また、図5に示した記録パルス列のよう
に、最初および最後のパルスを除いてパルス幅および各
パルス間の長さを一定とすると、単一周波数で変調でき
るために変調手段を簡略化することができる。
【0070】なお、記録マークの長さやその前後のスペ
ースの長さ、さらには隣のマークの長さ等の各パターン
によってマークエッジ位置に不揃いが生じ、ジッタ増大
の原因となることがある。上記光学的情報記録媒体の記
録再生方法では、これを防止し、ジッタを改善するため
に、上記パルス列のパルス位置またはパルスの長さをパ
ターン毎にエッジ位置が揃うように必要に応じて調整・
補償することが好ましい。
【0071】こうして記録された情報信号を再生する場
合には、記録層3が相変化しない程度のパワーレベルP
0のレーザー光(不変調光)を光ディスクに照射し、そ
の反射光を検出器22に入射させ、その反射光量変化が
再生信号23として検出される。
【0072】以上に説明したようなレーザー光のパワー
レベルの変更は、レーザーダイオードの駆動電流を制御
することにより行うことができる。また、電気光学変調
器または音響光学変調器等を光ビーム強度変調手段とし
て用いてもよい。
【0073】(第2の実施形態)本実施形態では、主と
して、本発明の第2および第3の光学的情報記録媒体に
ついて説明する。
【0074】上記光学的情報記録媒体においては、下側
保護層と記録層との間、および記録層と上側保護層との
間の少なくとも一方の界面に、さらに界面層を備えてい
ることが好ましい。この好ましい例によれば、消去特性
を向上させることができる。界面層は、Ge、Si、C
r、TiおよびAlから選ばれる少なくとも一つを含む
ことが好ましい。
【0075】また、上記光学的情報記録媒体において
は、記録層の膜厚が4nm以上16nm以下であること
が好ましい。記録層が薄すぎると光学的コントラストや
信号振幅が小さくなってしまい、厚すぎると記録層の内
面方向の熱拡散が大きくなって、マーク間の熱干渉が大
きくなるからである。
【0076】また、上記光学的情報記録媒体において
は、上側保護層の膜厚が10nm以上200nm以下が
好ましい。上側保護層が薄すぎると光吸収層の光吸収に
よる発熱が記録層に影響を及ぼし、マーク間の熱干渉が
大きくなってしまい、厚すぎると反射層による冷却効果
が小さくなってしまい、マークの前後端がアンバランス
になってしまうからである。特に限定されないが、本実
施形態においても、下側保護層の膜厚は、10nm以上
200nm以下が好ましい。
【0077】また、上記光学的情報記録媒体において
は、記録層がGe、SbおよびTeを含むことが好まし
く、さらに、Ge、SbおよびTeを主成分とし、さら
に6.0原子%のNを含むことが好ましい。
【0078】また、上記光学的情報記録媒体において
は、上側保護層および/または下側保護層が、60〜1
00モル%のZnSおよび40〜0モル%のSiO2
含有することが好ましい。
【0079】また、上記光学的情報記録媒体において
は、反射層がAu、AgおよびCuか選ばれる少なくと
も1つを含むことが好ましい。
【0080】また、上記光学的情報記録媒体において
は、光吸収層が、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、A
l、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Pb、Sbお
よびBiから選ばれる少なくとも1つの元素(特に、T
i、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、M
n、Os、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、
Pb、SbおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元
素)を含むことが好ましい。さらに具体的には、上記元
素から選ばれる少なくとも1つを含む酸化物、窒化物、
炭化物、硫化物、フッ化物、セレン化物およびテルル化
物から選ばれる少なくとも1つの化合物からなることが
好ましく、上記元素から選ばれる少なくとも2つからな
る元素間化合物であることが好ましい。
【0081】また、上記光学的情報記録媒体において
は、光ビームが記録媒体に反射される比率である反射率
および記録層に吸収される比率である吸収率を、それぞ
れ記録層が結晶相である場合にはRcryおよびAcry、記
録層がアモルファス相である場合にはRamoおよびAamo
として、反射率差(Rcry−Ramo)が5%以上(%表示
で5ポイント以上)であり、かつ、吸収率比(Acry/
Aamo)が1.0以上であることが好ましい。この好ま
しい例によれば、オーバーライト時のマークエッジ位置
の不揃いを解消することができる。
【0082】また、上記光学的情報記録媒体の製造方法
では、記録層を200nm/分以下の速度で成膜するこ
とが好ましい。記録層の膜厚精度を確保するためであ
る。
【0083】また、記録層を、不活性ガスと窒素ガスと
を含み、記録層に窒素原子が6.0原子%以下含有され
るように上記窒素ガスの含有量を調整した雰囲気中にお
いて成膜することが好ましい。
【0084】この光学的情報記録媒体の記録再生方法で
は、記録パルス列の少なくとも一部を、パルス幅および
各パルス間の間隔が略同一となるように生成させること
が好ましい。
【0085】また、上記光学的情報記録媒体の記録再生
方法においては、記録パルス列の最後のパルスの直後に
パワーレベルP4(ただし、P2>P4≧0)の冷却区間
を設けることが好ましい。この好ましい例によれば、特
に熱過剰になり易いマーク後端部分の熱を除去すること
ができて効果的である。
【0086】以下、本実施形態を図面を参照しながら具
体的に説明する。図6は本実施形態の光学的情報記録媒
体を示す部分断面図であり、図7は本実施形態の光学的
情報記録媒体の他の例の部分断面図である。
【0087】図6に示すように、基板31上には、下側
保護層32、記録層33、上側保護層34、光吸収層3
5、反射層36が順次積層されており、反射層36の上
にはさらにオーバーコート層37が設けられている。こ
のディスクには、基板31側からレーザービーム38が
照射され、これによりディスクの記録・再生が行われ
る。
【0088】基板31、下側保護層32、記録層33お
よび上側保護層34の材料としては、第1の実施形態で
説明した材料を適用できる。
【0089】光吸収層35は、レーザービーム38に対
する反射率、吸収率および反射光の位相の調整等を目的
として形成される。この層を構成する材料としては、例
えばTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、
W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Al、Ga、I
n、C、Si、Ge、Sn、Pb、SbおよびBiから
選ばれる少なくとも一つを含む材料、あるいはこれらの
元素の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物、セ
レン化物、テルル化物および元素間化合物から選ばれる
少なくとも1つの化合物を含む材料が好ましい。さらに
具体的には、Cr、Mo、W、Si、Ge、Te、Ge
−Cr、Ge−Mo、Ge−W、Si−Cr、Si−M
o、Si−W、Ge−Te、Sn−Te、Pb−Te、
Sb−Te、Bi−Te等を用いることができる。
【0090】なお、上記化合物材料は、化学量論組成近
傍のものを用いてもよいし、必要に応じて化学量論組成
からずれた組成のものを用いてもよい。なお、この点
は、第1の実施形態における中間層等においても同様で
ある。
【0091】反射層36は、レーザービーム38に対す
る反射率、吸収率および反射光の位相の調整、記録薄膜
の熱負荷軽減等を目的として形成される。反射層の材料
としては、例えばAl、Au、Ag、Cu等の比較的熱
伝導率の高い金属材料、なかでも波長600nm台での
屈折率が0.5より小さいAu、Ag、Cu、またはこ
れらをベースとした合金材料が好ましい。なかでも、A
g合金は、熱伝導率および光学定数の面で優れており、
同等の特性を有するAuなどに比べて安価である。特
に、Agに、Pd、Cu、Tiなどの元素を10原子%
以内の範囲で添加した材料は腐食しにくく、耐環境性、
信頼性の観点からも好ましい。
【0092】また、上記光学的情報記録媒体において
は、図7に示すように、下側保護層32と記録層33と
の間、および/または記録層33と上側保護層34との
間に、記録層33の結晶化の促進を目的として、界面層
39を設けることが好ましい。界面層39としては、下
側保護層32および上側保護層34として用いることの
できる材料中にその役割を果たす誘電体材料が幾つか存
在し、これらを用いることもできるが、特にGeの窒化
物を主成分とする材料が最も優れている。また、このよ
うな界面層39を設けることにより、消去特性を向上さ
せることができる。
【0093】下側保護層32、記録層33、上側保護層
34、光吸収層35、反射層36および界面層39は、
第1の実施形態と同じ方法により成膜できる。
【0094】また、上記光学的情報記録媒体は、図6に
示すように、紫外線硬化性樹脂によってオーバーコート
することにより、単板の片面ディスクとして用いること
ができる。また、第1の実施形態で説明したように、両
面ディスクとして用いることもできる。さらには、その
膜面をダミー基板と対向させて貼り合わせることによ
り、片面ディスクとして使用することもできる。
【0095】本実施形態の光学的情報記録媒体は、光吸
収層35(屈折率n1、消衰係数k1、膜厚d1)および
反射層36(屈折率n2、消衰係数k2、膜厚d2)の材
料および膜厚の組み合わせに特徴を有する。以下、各層
の役割および効果について説明する。
【0096】光学的には、光吸収層35の屈折率n1
反射層36の屈折率n2よりも適度に大きくすることに
より、上記Acry/AamoとΔRを共に大きくすることが
できる。その屈折率の差Δn=n1−n2は2以上6以下
が好ましく、3以上5以下がより好ましい。
【0097】上記範囲は、以下の光学計算によって裏付
けられる。すなわち、多層膜の各層の材料の屈折率、消
衰係数および膜厚を決め、全ての界面に対して、エネル
ギー保存則に基づいて各界面における光エネルギー収支
の連立方程式を立て、これを解くことにより、多層膜全
体の反射率・透過率および各層の吸収率を求めることが
できる。この手法自体は、例えばマトリックス法として
公知である(例えば久保田広等「波動光学」岩波書店、
1971年等)。ここでは、光ビーム(波長660n
m)の入射側から順に配置された基板31/下側保護層
32(任意の膜厚)/記録層33(10nm)/上側保
護層34(任意の膜厚)/光吸収層35(膜厚d1)/
反射層36(80nm)の多層構造媒体について、Acr
y/AamoおよびΔRの値を計算した。
【0098】その際、各層の屈折率nおよび消衰係数k
を、基板31がn=1.6、k=0.0、下側保護層3
2がn=2.1、k=0.0、記録層33が非晶質状態
でn=4.1、k=1.6、結晶状態でn=3.9、k
=4.2、上側保護層34がn=2.1、k=0.0、
光吸収層35がn=n1、k=k1、反射層36がn=n
2、k=k2として計算した。
【0099】様々なn1とn2の組み合わせについて、k
1、k2、d1を任意に変化させ、Acry/Aamo≧1.0
の範囲でのΔRの最大値を求めた。結果を(表1)に示
す。下記(表1)中、「A」および「B」は、実用的な
記録媒体として十分な特性が期待できるもの、「C」は
十分とは言えないが、密度・線速度・記録再生方式等の
仕様によっては実用的記録媒体として使用できる可能性
のあるもの、「D」は実用に適さないものを示してい
る。なお、さらに具体的には、「A」は、Acry/Aamo
≧1.0の条件を満たすΔRの最大値が15%以上とな
る構成が存在する場合を示し、「B」は、同条件を満た
すΔRの最大値が10%以上15%未満となる構成が存
在する場合を示し、「C」は、同条件を満たすΔRの最
大値が5%以上10%未満となる構成が存在する場合を
示し、「D」は、同条件を満たすΔRの最大値が5%以
上となる構成が存在しない場合を示す。
【0100】 (表1) ―――――――――――――――――――――――――― n2\n1 1 2 3 4 5 6 ―――――――――――――――――――――――――― 1 D D B A A A 2 D D D B A A 3 D D D C A A 4 D D D D C B 5 D D D D D C ――――――――――――――――――――――――――
【0101】(表1)の結果からも、Δn=n1−n2
2以上が好ましく、3以上がより好ましいことがわか
る。
【0102】また、光吸収層35の膜厚が薄すぎると、
光吸収層35の光学的効果が小さくなり、光吸収層35
の膜厚が厚すぎると、反射層36の光学的効果が小さく
なる。このため、光吸収層35の膜厚は、入射光を適度
に透過・吸収するような膜厚にする必要がある。光吸収
層35の膜厚d1は、後述する実施例などの実験結果か
ら、入射光の波長をλとして、0.1λ/(n1・k1
≦d1≦1.0λ/(n1・k1)の範囲が好ましく、
0.2λ/(n1・k1)≦d1≦0.8λ/(n1
1)の範囲がより好ましいことが確認された。
【0103】十分な冷却能を得るために、反射層36と
して熱伝導率の大きい材料を用いており、マーク幅を均
一にしてジッタを低減している。この反射層の熱伝導率
としては、例えば300K近傍の温度条件で50W/m
・K以上であることが好ましく、100W/m・K以
上、さらには150W/m・K以上がより好ましい。さ
らに十分な冷却効果を得るためには、反射層36の膜厚
2は、後述する実施例などの実験結果から、光吸収層
35の膜厚d1以上であることが好ましく、d1の1.5
倍以上、さらには2倍以上がより好ましいことが確認さ
れた。
【0104】本実施形態の光学情報記録媒体の製造方
法、記録再生方法、記録再生装置は、第1の実施形態と
同様とすればよい。
【0105】なお、上記では、記録層の膜厚を10nm
に設定したが、記録層の膜厚は必ずしもこの膜厚に限定
されるものではない。
【0106】(第3の実施形態)本実施形態では、記録
層を含む多層膜が2以上形成された光学的情報記録媒体
について説明する。ここでは、各々が記録層を含む多層
膜(情報層)が分離層を介して2層配置された形態につ
いて説明する。
【0107】図8に示したように、本実施形態の光学的
情報記録媒体では、透明基板41上に、第1情報層4
2、分離層43、第2情報層44および保護層45がこ
の順に形成されている。第1情報層42および第2情報
層43には、それぞれ記録層が含まれている。これらの
記録層には、透明基板側から照射されるレーザ光によ
り、情報が記録、再生される。
【0108】本実施形態の第2情報層44には、上記実
施形態で説明した多層膜が適用される。また、第1情報
層42には、少なくとも、記録層と、この記録層の両側
に配置された下側保護層および上側保護層とを含む多層
膜を用いることが好ましい。これらの多層膜に含まれる
各層および透明基板は、上記実施形態で説明した材料を
用いて形成することができる。なお、第1情報層は、予
め透明基板の表面上に凹凸パターンとして蓄積された情
報を再生の対象とする、再生専用層であってもよい。
【0109】また、第2情報層44で情報の記録再生を
行うため、第1情報層42は照射されるレーザ光の少な
くとも30%を透過させることが好ましい。
【0110】分離層43としては、レーザ光の波長λに
おいて透明であり、耐熱性および接着性に優れた材料で
あることが好ましく、具体的には、接着樹脂(例えば紫
外線硬化性樹脂)、両面テープ、各種誘電体膜等を用い
ることができる。分離層43の膜厚は、第1情報層42
および第2情報層44のいずれか一方に情報の記録再生
を行う際に、他方の情報層の情報が漏れ込まないよう
に、2μm以上とすることが好ましい。一方、分離層4
3の膜厚は、第1情報層42と第2情報層44のいずれ
にもレーザ光をフォーカシングするべく基板厚との合計
が基板厚公差範囲となるように、100μm以下とする
ことが好ましい。
【0111】保護層45は、第2の情報層44を形成す
るための基板(保護基板)として利用してもよい。この
場合は、第1の情報層42を形成した透明基板41と、
第2の情報層44を形成した保護基板とを、分離層43
を介して貼り合わせて光ディスクが製造される。保護基
板の材料としては、透明基板41と同様の材料を用いる
ことができるが、必ずしも透明である必要はなく、その
他の材料を用いてもよい。また、基板表面の形状も、透
明基板表面の形状と同じである必要はなく、例えば、グ
ルーブおよびランドを形成する案内溝の形状が異なって
いてもよく、案内溝のスパイラル方向が逆であってもよ
い。さらに、分離層の第2情報層側の表面に、例えば2
P法(photo-polymerization法)により案内溝を設けて
おけば、保護基板の表面は平面であっても構わない。ま
た、保護層45は、透明基板上に形成した第2情報層4
4上に形成した層であってもよい。このような保護層
は、例えば樹脂のスピンコートや接着剤による樹脂板の
貼付により形成できる。
【0112】本実施形態の製造方法の一例について説明
する。それぞれに案内溝を形成した透明基板および保護
基板の表面に、上記で説明したスパッタリング法などに
より、各々、第1情報層および第2情報層を形成する。
次いで、第1情報層または第2情報層の表面上に、紫外
線硬化性樹脂を塗布して分離層とする。さらに、この分
離層を介して第1情報層と第2情報層とが対向するよう
に、透明基板と保護基板とを向かい合わせて加圧し、紫
外線を照射して分離層を硬化させる。
【0113】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものでは
ない。
【0114】(実施例1)基板としては、厚さ0.6m
mのポリカーボネイト樹脂を用いた。この基板上には、
ともに幅を0.6μmとしたランドおよびグルーブを形
成した。グルーブの深さは約70nmとした。
【0115】この基板上に、ZnS−SiO2(分子数
比ZnS:SiO2=80:20)ターゲットを用いて
約1200nmの下側保護層、Ge−Sb−Te(原子
数比Ge:Sb:Te=22:25:53)ターゲット
を用いて様々な膜厚の記録層、ZnS−SiO2(分子
数比ZnS:SiO2=80:20)ターゲットを用い
て様々な膜厚の上側保護層、様々な材料のターゲットを
用いて約40nmの中間層、様々な材料のターゲットを
用いて約40nmの反射層を、いずれもスパッタリング
法により順次積層した。いずれの層も直径10cm、厚
さ6mmのスパッタリングターゲットを用い、記録層以
外はArガス中で、記録層はArとN2の混合ガス(全
圧2mTorr、N2ガス分圧は約5%)中で成膜し
た。
【0116】こうして得られた光ディスクに紫外線硬化
性樹脂でオーバーコートを施した後、レーザー光でアニ
ールすることにより全面を初期結晶化し、No.1〜No.21
の光ディスクとした。これらはクロスイレースの材料お
よび膜厚構成に対する依存性を調べるために意図的に記
録層、上側保護層の膜厚および中間層と反射層の材料を
変えて作製したものである。
【0117】表2に各光ディスクの記録層・上側保護層
の膜厚、および中間層・反射層の材料を示す。
【0118】これらの光ディスクを波長660nm、N
A0.6の光学系を用い、線速6.0m/s(半径位
置:約32mm、回転数:約1800rpm)の条件で
マークエッジ記録を行い、クロスイレースを測定した。
【0119】具体的には、まず、グルーブに9.7MH
zの3T信号を記録し、このトラックを再生して3T信
号振幅A0をスペクトラムアナライザーで測定する。次
に、そのグルーブの両隣のランドに2.6MHzの11
T信号を記録し、再びグルーブを再生して3T信号振幅
1をスペクトラムアナライザーで測定する。こうして
測定した3T信号振幅の低下量ΔA=A1−A0をクロス
イレース評価の指標とする。これと同じことをランドと
グルーブとを逆にして行い、同様に3T信号振幅低下量
ΔA’を測定する。
【0120】表2には各ディスクのΔAの値による優劣
を記載する。ただし、上記測定の結果、いずれのサンプ
ルにおいても測定トラックをグルーブとした場合が3T
信号振幅の低下量が大きくなったので(ΔA>Δ
A’)、その場合の結果(ΔA)のみで判定した。ΔA
の値が1dB未満のものは「A」、1dB以上2dB未
満のものは「B」、2dB以上5dB未満のものは
「C」、5dB以上のものは「D」で示した。
【0121】なお、信号を記録する際のレーザー変調波
形は、3T信号の場合はパルス幅51.3ns(パワー
レベルP1)の単一矩形パルスとし、11T信号の場合
は9個のパルスからなるパルス列(パワーレベルP1
とし、その先頭は51.3ns、2番目以降はすべて1
7.1nsのパルス幅で、各パルス間の幅も17.1n
s(パワーレベルP3)とし、最終のパルスの直後に3
4.2nsの冷却区間(パワーレベルP4)を設けた。
マークを記録しない部分ではパワーレベルP2の連続光
(不変調光)とした。
【0122】記録パワーレベルP1は、3T信号を記録
した場合にそのC/N比が45dBを超えるパワーの下
限値の1.5倍とし、パワーレベルP2は消去比、すな
わち3T信号を記録した上に11T信号をオーバーライ
トした際の3T信号振幅の減衰比が25dBを超えるパ
ワー範囲の中央値とし、パワーレベルP3およびP4は、
再生パワーレベルと同じ1mWとした。
【0123】 (表2) ―――――――――――――――――――――――――――――― No. 記録層 上側保護層 中間層材料反射層材料 ΔA ―――――――――――――――――――――――――――――― 1 4nm 15nm Cr Al C 2 8nm 15nm Cr Al A 3 12nm 15nm Cr Al B 4 16nm 15nm Cr Al C 5 20nm 15nm Cr Al D 6 12nm 3nm Cr Al D 7 12nm 6nm Cr Al D 8 12nm 9nm Cr Al C 9 12nm 12nm Cr Al B 10 12nm 18nm Cr Al B 11 12nm 21nm Cr Al A 12 12nm 15nm PbTe Al A 13 12nm 15nm WSi2 AL A 14 12nm 15nm Ti Al B 15 12nm 15nm Cr WSi2 D 16 12nm 15nm Cr Ti D 17 12nm 15nm Al Cr D 18 12nm 15nm Al ZnS−SiO2 D 19 12nm 15nm Cr ZnS−SiO2 D 20 12nm 15nm なし Al D 21 12nm 15nm Cr なし D ――――――――――――――――――――――――――――――
【0124】中間層および反射層に用いた各材料の熱伝
導率は温度依存性があるが、おおよその値の範囲は以下
のように特定できる。熱伝導率の大きい順に、Al(3
0〜600℃における熱伝導率は、約150〜250W
/m・k)、Cr(50〜100W/m・k)、Ti
(20〜50W/m・k)、WSi2(5〜20W/m
・k)、PbTe(1.0〜3.0W/m・k)、Zn
S−SiO2(0.1〜0.5W/m・k)である。
【0125】表2より、まず記録層膜厚の異なるNo.1〜
No.5の光ディスクを比較すると、No.5ではクロスイレー
スが大きく、No.1およびNo.4ではクロスイレースがある
程度改善され、No.3およびNo.4ではクロスイレースが十
分小さかった。従って、クロスイレース低減の観点から
は、記録層の膜厚は4nm以上16nm以下が要求さ
れ、6nm以上14nm以下が好ましい。
【0126】次に、上側保護層の膜厚が異なるNo.3およ
びNo.6〜No.11の光ディスクを比較すると、上側保護層
の膜厚が厚いほどクロスイレースが小さいことがわか
る。これより上側保護層の膜厚は、クロスイレース低減
の観点からは10nm以上、さらには20nm以上が好
ましいことがわかる。
【0127】さらに、中間層および反射層の材料が異な
るNo.3およびNo.12〜No.21の光ディスクを比較する。こ
の中で、No.3以外では、No.12〜No.14がクロスイレース
が小さい。これらはいずれも反射層として、今回用いた
材料の中で最も熱伝導率の高いAlを用いており、中間
層は上側保護層と反射層の間の熱伝導率を有する材料で
ある。一方、その他のNo.15〜No.21はいずれもクロスイ
レースが大きい。
【0128】No.15〜No.19はいずれも中間層の熱伝導率
が反射層のそれよりも高く、特にNo.17はNo.3の中間層
と反射層の材料を入れ換えたものであるが、クロスイレ
ースの点では大きな差が認められた。また、No.20およ
び21は、中間層または反射層のどちらか一方を省いた構
成であるが、両者ともクロスイレースは大きい。
【0129】以上より、記録層上に複数の層が積層され
ている場合、記録層から近い順に熱伝導率が低い材料か
ら高い材料へと段階的に変わっていく構成を採用すれ
ば、クロスイレースを抑制できることが確認できた。こ
れは、記録層から上側保護層、中間層を経て反射層へと
熱が伝達していく過程で、その伝達速度が加速されるた
めに、記録層の面内の熱伝導が低減されて隣接トラック
への影響も抑制されるからである。
【0130】また、No.3として示した構成について、図
3に示したように、記録層の上下に接してGe、Oおよ
びNからなる約10nmの界面層を形成した光ディスク
を作製した。GeON膜は、Geターゲットを用い、A
r、N2およびO2ガス中で反応性スパッタリングにより
成膜した。この光ディスクの繰り返し特性を調べるため
に、3Tおよび11T信号を交互に1万回あるいは10
万回記録し、10回記録後と比べて3T信号の振幅変化
を測定した。
【0131】その結果、1万回記録後ではNo.3も、これ
に界面層を挿入した光ディスクも振幅低下は0.5dB
以下の誤差範囲であったが、10万回記録後ではNo.3の
光ディスクは3dB程度振幅が低下したのに対し、これ
に界面層を挿入した光ディスクは依然として0.5dB
以下の振幅低下であった。このことから、界面層を挿入
することにより、クロスイレース低減に加え、繰り返し
記録特性のさらなる向上が可能になることが確認され
た。
【0132】なお、上記光ディスクの記録層の組成をオ
ージェ電子分光法により分析した結果、N原子の占める
割合は約2.2原子%であった。ここで、さらにNo.3と
同じ構成の光ディスクを、記録層成膜時のN2ガス分圧
を変化させて複数成膜したところ、記録層中のN原子の
占める割合が、分析の結果それぞれ約0.0、0.2、
0.8、4.0、7.6原子%となった。
【0133】これらの光ディスクの繰り返し特性を調べ
るために、3Tおよび11T信号を交互に1万回または
10万回記録し、10回記録後と比べての3T信号の振
幅変化を測定した。その結果、1万回記録後ではいずれ
のディスクも振幅低下は0.5dB以下の誤差範囲であ
ったが、10万回記録後では記録層中のN原子の占める
割合が約0.0原子%のものだけが、約2dB低下して
いたが、約0.2原子%のものは1dB程度、その他は
0.5dB以内の誤差範囲の低下であった。また、これ
らのディスクに3T信号を記録して3T信号の振幅を測
定し、次に90℃相対湿度80%の環境下で100時間
保存し、その後に3T信号振幅を測定して振幅変化を調
べたところ、記録層中のN原子の占める割合が7.6原
子%のディスクは5dB以上振幅が低下したが、4.0
原子%のものは2dB程度の低下で、その他はほとんど
低下しなかった。この結果より、繰り返し特性、耐湿性
の観点からは、記録層中にN原子の占める割合は、0.
0〜6.0原子%、さらには0.5〜4.0原子%が好
ましいことが確認された。
【0134】(実施例2)基板としては、ポリカーボネ
イト樹脂からなり、厚さが0.6mm、グルーブおよび
ランドの幅がともに0.6μm、グルーブの深さが約7
0nmのものを用いた。この基板の上に、ZnS−Si
2(ZnS:SiO2=80:20)ターゲットを用い
て膜厚約150nmの下側保護層、Ge−Sb−Te
(原子数比Ge:Sb:Te=22:25:53)ター
ゲットを用いて膜厚約10nmの記録層、ZnS−Si
2(分子数比ZnS:SiO2=80:20)ターゲッ
トを用いて膜厚約30nmの上側保護層、様々な材料、
例えばPbTe(原子数比Pb:Te=50:50)タ
ーゲットを用いて様々な膜厚の光吸収層、様々な材料、
例えばAuターゲットを用いて様々な膜厚の反射層を、
スパッタリング法によって順次積層した。いずれの場合
においても直径10cm、厚さ6mmのターゲットを用
い、記録層以外はArガス中で、記録層はArとN2
混合ガス(全圧1mTorr中、N2ガス分圧は約5
%)中でスパッタした。
【0135】このようにして得られたディスクの反射層
の上に、紫外線硬化性樹脂を用いてオーバーコート層を
形成した後、レーザービームによってアニールすること
により、全面を初期結晶化し、No.31〜47のディスクを
得た。これらのディスクは、記録再生特性の材料および
膜厚構成に対する依存性を調べるために、意図的に、光
吸収層、反射層の材料および膜厚を変えて作製したもの
である。下記(表3)に、各ディスクの光吸収層、反射
層の材料および膜厚を示す。
【0136】ここで、実測によって求めた波長660n
mにおける各層の光学定数(屈折率n、消衰係数k)
は、基板がn=1.6、k=0.0、下側保護層および
上側保護層としてのZnS−SiO2がn=2.1、k
=0.0、記録層としてのGe−Sb−Teが非晶質状
態でn=4.1、k=1.6、結晶状態でn=3.9、
k=4.2、光吸収層および反射層としてのPbTeが
n=5.0、k=3.2、Auがn=0.3、k=3.
6、Alがn=1.4、k=6.4、Pdがn=2.
2、k=4.4、Crがn=3.6、k=3.4、Ti
Nがn=2.5、k=1.2、PdTeがn=3.2、
k=2.2、Ge80Cr20がn=4.5、k=2.5、
Ag98Pd1Cu1がn=0.3、k=4.0であった。
この値に基づいて光学計算を行って、算出されたAcry
/AamoおよびΔRの値を(表3)に併せて示す。
【0137】これらのディスクに、波長660nm、開
口数(NA)0.6の光学系を用いて、線速6.0m/
s(半径位置約32mm、回転数約1800rpm)の
条件でマークエッジ記録を行い、以下の測定を行った。
まず、グルーブおよびランドに9.7MHzの3T信号
と2.6MHzの11T信号を交互に11回記録し、3
T信号が記録された状態でこのトラックを再生して、そ
のC/N比および消去率をスペクトラムアナライザーを
用いて測定した。ここでは、消去率を、3T信号の振幅
3と11T残留信号の振幅A11との差(A3−A11)と
して定義した。
【0138】また、(8−16)変調のランダム信号を
11回記録し、ジッタをタイムインターバルアナライザ
ーを用いて測定した。ここで、ジッタとは、記録の原信
号と再生信号の時間軸上のズレであり、3T〜11Tの
各信号の持つジッタの標準偏差の総和(σsum )をと
り、これを信号検出のウィンドウ幅(T)で割った値
(σsum /T)として表現される。例えば、ジッタが1
2.8%以下であるということは、前記時間軸上のズレ
が正規分布になると仮定した場合、ビットエラー率が1
-4以下であることに相当することが知られている。
【0139】なお、信号を記録する際のレーザー変調波
形は、nT(nは整数、3≦n≦11)信号の場合、
(n−2)個のパルスからなるパルス列(パワーレベル
1)とし、その先頭は51.3ns、2番目以降はす
べて17.1nsのパルス幅で、各パルス間の幅も1
7.1ns(パワーレベルP3)とし、最終のパルスの
直後に34.2nsの冷却区間(パワーレベルP4)を
設けた。マークを記録しない部分においては、パワーレ
ベルP2の連続光とした。記録パワーレベルP1は、3T
信号を記録した場合にそのC/N比が45dBを超える
パワーの下限値の1.5倍とし、パワーレベルP2は消
去率が最大となるパワーとし、パワーレベルP3および
4は、再生パワーレベルと同じ1mWとした。
【0140】上記の条件で測定した結果を上記(表3)
に示す。なお、表中の測定結果は、実用的な記録媒体と
して十分であるといえる結果を「B」、なかでも特に優
れているものを「A」、不十分であるが、密度・線速度
・記録再生方式等の仕様によっては使用できる可能性の
あるものを「C」、使用できる可能性のないものを
「D」として表した。なお、さらに具体的には、C/N
比について、「A」は53dB以上、「B」は50dB
以上53dB未満、「C」は47dB以上50dB未
満、「D」は47dB未満にそれぞれ該当する。また、
消去率については、「A」は24dB以上、「B」は2
0dB以上24dB未満、「C」は16dB以上20d
B未満、「D」は16dB未満にそれぞれ該当する。ま
た、ジッタについては、「A」は8%未満、「B」は8
%以上10%未満、「C」は10%以上13%未満、
「D」は13%以上にそれぞれ該当する。
【0141】 (表3) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 光吸収層 反射層 光学計算 測定結果 No. 材料 膜厚 材料 膜厚 Ac/Aa ΔR C/N比 消去率 シ゛ッタ (nm) (nm) (%) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 31 PdTe 20 Au 10 1.12 19.3 B B C 32 PdTe 20 Au 20 1.13 19.5 A B B 33 PdTe 20 Au 40 1.15 19.5 A A A 34 PdTe 20 Au 80 1.16 19.4 A A A 35 PdTe 5 Au 80 1.04 16.5 B C C 36 PdTe 10 Au 80 1.15 18.0 A B B 37 PdTe 40 Au 80 1.06 19.6 A C C 38 PdTe 60 Au 80 1.06 19.8 B C D 39 PdTe 20 Pd 80 1.11 19.8 B B B 40 PdTe 20 Cr 80 1.04 19.8 B C C 41 Al 20 Au 80 0.89 16.8 B D D 42 Pd 20 Au 80 0.97 18.5 A D C 43 Cr 20 Au 80 1.13 19.4 A A A 44 Cr 20 Al 80 1.05 19.6 B C C 45 Au 20 PdTe 80 0.93 17.3 B D D 46 TiN 60 Au 80 1.13 18.1 B A B 47 PdTe 40 Au 80 1.10 18.5 B A A 48 Ge80Cr20 40 Au 80 1.18 20.1 A A A 49 Ge80Cr20 40 Ag98Pd1Cu1 80 1.18 20.1 A A A ――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0142】ディスクNo.31〜No.38は、光吸収層として
nの大きいPbTe、反射層としてnが小さく熱伝導率
の大きいAuを用いたディスクであり、ディスクNo.31
〜No.34は、反射層の膜厚を変化させたディスクであ
り、ディスクNo.34〜No.38は、光吸収層の膜厚を変化さ
せたディスクである。
【0143】ディスクNo.31〜No.34を比較すると、反射
層のAuの膜厚が厚くなるほど冷却能が上がるために、
ジッタが良好となっており、反射層の膜厚が光吸収層の
膜厚以上となる辺りからジッタが10%以下となってい
る。
【0144】ディスクNo.34〜No.38を比較すると、ディ
スクNo.35のように光吸収層の膜厚が薄すぎるか、ディ
スクNo.37、No.38のように光吸収層の膜厚が厚すぎるデ
ィスクの場合、光学特性・評価結果ともに悪くなってい
る。一方、ディスクNo.34、No.36の場合には、光吸収層
の膜厚が適当であるために、C/N比、消去率、ジッタ
ともに良好な値が得られている。このように、光吸収層
の適当な膜厚は、0.1λ/(n1・k1 )以上1.0
λ/(n1・k1)以下の範囲である。
【0145】また、ディスクNo.39〜No.47は、光吸収層
および反射層の材料を変えたディスクである。ディスク
No.34がΔn=4.7であるのに対し、ディスクNo.40
(Δn=1.4)、ディスクNo.41(Δn=1.1)、
ディスクNo.42(Δn=1.9)、ディスクNo.44(Δn
=1.4)、ディスクNo.45(Δn=−4.7)など
は、Δnの値が2よりも小さいために光学特性が悪く、
C/N比や消去率も低くなっており、当然ジッタも大き
くなっている。ディスクNo.39(Δn=2.8)、ディ
スクNo.43(Δn=3.3)、ディスクNo.46(Δn=
2.2)、ディスクNo.47(Δn=2.9)などは、Δ
nが2以上で各特性も良好となってはいるが、やはりΔ
nが小さいものほど記録再生特性は劣っており、Δnは
2.5以上、さらには3以上がより好ましいことがわか
る。
【0146】また、ディスクNo.34の構成について、図
7に示すような、記録層33の基板31側および/また
は基板31と反対側の面にGeON膜からなる膜厚約5
nmの界面層39が形成されたディスクを作製した。G
eON膜は、Geターゲットを用い、Ar、N2および
2ガス中で反応性スパッタによって成膜した。これら
のディスクに対し、ディスクNo.34と同様の測定を行っ
た。その結果、いずれのディスクも、C/N比はディス
クNo.34と変わらないものの、界面層39(GeON
膜)を記録層33の基板31側のみ、基板31と反対側
のみ、基板31側および基板31と反対側に設けたディ
スクのそれぞれについて、消去率がディスクNo.34に対
して、それぞれ約2dB、約4dB、約5dBだけ向上
し、ジッタ値についても8%未満の良好な値が得られ
た。このことから、界面層39を挿入することにより、
本実施形態の光学的情報記録媒体は消去特性がさらに向
上することが明らかになった。
【0147】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
クロスイレースが小さく、高密度の情報の記録再生に好
適な光学的情報記録媒体を提供できる。また、本発明に
よれば、高密度・高線速度なオーバーライトにおいても
消去率が高く、かつ、ジッタの小さい情報の記録再生が
可能な光学的情報記録媒体を提供できる。また、本発明
によれば、このような光学的情報記録媒体の製造方法と
ともに、上記媒体に好適な光学的情報記録媒体の記録再
生方法、および光学的情報記録媒体の再生装置を提供す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学的情報記録媒体の一形態(第1
の実施形態)の部分断面図である。
【図2】 本発明の光学的情報記録媒体の一形態の部分
斜視図である。
【図3】 本発明の光学的情報記録媒体の別の一形態
(第1の実施形態)の部分断面図である。
【図4】 本発明の光学的情報記録再生装置の一形態の
構成を示す図である。
【図5】 本発明の光学的情報記録媒体の記録再生方法
に適用されるパルス波形の一例を示す波形図である。
【図6】 本発明の光学的情報記録媒体のまた別の一形
態(第2の実施形態)の部分断面図である。
【図7】 本発明の光学的情報記録媒体のさらに別の一
形態(第2の実施形態)の部分断面図である。
【図8】 本発明の光学的情報記録媒体のまた別の一形
態(第3の実施形態)の部分断面図である。
【符号の説明】
1、31 透明基板 2、32 下側保護層 3、33 記録層 4、34 上側保護層 5 中間層 35 光吸収層 6、36 反射層 7、37 オーバーコート層 8 グルーブ 9 ランド 10 レーザー光 11 記録マーク 12、39 界面層 13 半導体レーザー 14 コリメートレンズ 15 ビームスプリッター 16 λ/4波長板 17 対物レンズ 18 光ディスク 19 ボイスコイル 20 ターンテーブル 21 モーター 22 検出器 23 再生信号 41 透明基板 42 第1情報層 43 分離層 44 第2情報層 45 保護層(保護基板)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/00 626 G11B 7/00 626Z 7/26 531 7/26 531 (72)発明者 山田 昇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大田 啓之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、前記透明基板上に形成され
    た多層膜とを含み、前記多層膜が、前記透明基板に近い
    側から順に、下側保護層、光ビームの照射により光学的
    に検出可能な異なる2状態間で可逆的に変化する記録
    層、上側保護層、中間層および反射層を含み、前記上側
    保護層、前記中間層および前記反射層の熱伝導率が前記
    記録層から遠い層ほど大きく、前記記録層の膜厚が4n
    m以上16nm以下であることを特徴とする光学的情報
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 記録層の膜厚が6nm以上14nm以下
    である請求項1に記載の光学的情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 反射層が、Au、Ag、CuおよびAl
    から選ばれる少なくとも1つを含む請求項1または2に
    記載の光学的情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 中間層が、Ti、Zr、Hf、V、N
    b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Os、Al、Ga、
    In、C、Si、Ge、Sn、Pb、SbおよびBiか
    ら選ばれる少なくとも1つの元素を含む請求項1〜3の
    いずれかに記載の光学的記録情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 中間層が、酸化物、窒化物、炭化物、硫
    化物、フッ化物、セレン化物およびテルル化合物から選
    ばれる少なくとも1つの化合物からなる請求項4に記載
    の光学的記録情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 中間層が、元素間化合物からなる請求項
    4に記載の光学的情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 透明基板と、前記透明基板上に形成され
    た多層膜とを含み、前記多層膜が、前記透明基板に近い
    側から順に、下側保護層、光ビームの照射により光学的
    に検出可能な異なる2状態間で可逆的に変化する記録
    層、上側保護層、光吸収層および反射層を含み、前記光
    ビームの波長λにおける前記光吸収層の屈折率n1と前
    記反射層の屈折率n2との差Δn=n1−n2が2以上6
    以下であり、かつ、前記反射層の膜厚が前記光吸収層の
    膜厚以上であることを特徴とする光学的情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 光吸収層の膜厚d1が、前記光吸収層の
    消衰係数をk1として、0.1λ/(n1・k1)≦d1
    1.0λ/(n1・k1)の範囲にある請求項7に記載の
    光学的情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 透明基板と、前記透明基板上に形成され
    た多層膜とを含み、前記多層膜が、前記透明基板に近い
    側から順に、下側保護層、光ビームの照射により光学的
    に検出可能な異なる2状態間で可逆的に変化する記録
    層、上側保護層、光吸収層および反射層を含み、前記光
    吸収層の膜厚d1が、前記光ビームの波長をλ、前記波
    長λにおける前記光吸収層の屈折率および消衰係数をそ
    れぞれn1およびk1として、0.1λ/(n1・k1)≦
    1≦1.0λ/(n1・k1)の範囲にあることを特徴
    とする光学的情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 反射層が、Au、AgおよびCuから
    選ばれる少なくとも1つを含む請求項7〜9のいずれか
    に記載の光学的情報記録媒体。
  11. 【請求項11】 光吸収層が、Ti、Zr、Hf、V、
    Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Os、Al、G
    a、In、C、Si、Ge、Sn、Pb、SbおよびB
    iから選ばれる少なくとも1つの元素を含む請求項7〜
    10のいずれかに記載の光学的情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 光吸収層が、酸化物、窒化物、炭化
    物、硫化物、フッ化物、セレン化物およびテルル化物か
    ら選ばれる少なくとも1つの化合物からなる請求項11
    に記載の光学的記録情報記録媒体。
  13. 【請求項13】 光吸収層が、元素間化合物からなる請
    求項11に記載の光学的情報記録媒体。
  14. 【請求項14】 記録層の膜厚が4nm以上16nm以
    下である請求項6〜13のいずれかに記載の光学的情報
    記録媒体。
  15. 【請求項15】 下側保護層と記録層との間、および記
    録層と上側保護層との間の少なくとも一方の界面に、さ
    らに界面層を備えた請求項1〜14のいずれかに記載の
    光学的情報記録媒体。
  16. 【請求項16】 界面層が、Ge、Si、Cr、Tiお
    よびAlから選ばれる少なくとも一つを含む請求項15
    に記載の光学的情報記録媒体。
  17. 【請求項17】 上側保護層の膜厚が10nm以上20
    0nm以下である請求項1〜16のいずれかに記載の光
    学的情報記録媒体。
  18. 【請求項18】 記録層が、Ge、SbおよびTeを含
    む請求項1〜17のいずれかに記載の光学的情報記録媒
    体。
  19. 【請求項19】 記録層がGe、SbおよびTeを主成
    分とし、さらに6.0原子%以下のNを含む請求項18
    に記載の光学的情報記録媒体。
  20. 【請求項20】 上側保護層および下側保護層から選ば
    れる少なくとも一層が、60〜100モル%のZnSお
    よび40〜0モル%のSiO2を含有する請求項1〜1
    9のいずれかに記載の光学的情報記録媒体。
  21. 【請求項21】 光ビームが記録媒体に反射される比率
    である反射率および記録層に吸収される比率である吸収
    率を、それぞれ前記記録層が結晶相である場合にはRcr
    yおよびAcry、前記記録層がアモルファス相である場合
    にはRamoおよびAamoとして、反射率差(Rcry−Ram
    o)が5%以上であり、かつ、吸収率比(Acry/Aam
    o)が1.0以上である請求項1〜20のいずれかに記
    載の光学的情報記録媒体。
  22. 【請求項22】 透明基板と、前記透明基板上に前記透
    明基板に近い側から順に形成された、第1情報層、分離
    層および第2情報層とを含み、 前記第1情報層および前記第2情報層が、それぞれ、光
    ビームの照射により光学的に検出可能な異なる2状態間
    で可逆的に変化する記録層を含み、 前記第2情報層が、請求項1〜21のいずれかに記載の
    多層膜であることを特徴とする光学的情報記録媒体。
  23. 【請求項23】 透明基板上に、前記透明基板に近い側
    から順に、下側保護層、光ビームの照射により光学的に
    検出可能な異なる2状態間で可逆的に変化する記録層、
    上側保護層、中間層および反射層を含む多層膜を形成す
    る工程を含み、前記上側保護層、前記中間層および前記
    反射層の熱伝導率を前記記録層から遠い層ほど大きく、
    前記記録層の膜厚を4nm以上16nm以下とすること
    を特徴とする光学的情報記録媒体の製造方法。
  24. 【請求項24】 透明基板上に、前記透明基板に近い側
    から順に、下側保護層、光ビームの照射により光学的に
    検出可能な異なる2状態間で可逆的に変化する記録層、
    上側保護層、光吸収層および反射層を含む多層膜を形成
    する工程を含み、前記光ビームの波長λにおける前記光
    吸収層の屈折率n1と前記反射層の屈折率n2との差Δn
    =n1−n2が2以上6以下であり、かつ、前記反射層の
    膜厚を前記光吸収層の膜厚以上とすることを特徴とする
    光学的情報記録媒体の製造方法。
  25. 【請求項25】 透明基板上に、前記透明基板に近い側
    から順に、下側保護層、光ビームの照射により光学的に
    検出可能な異なる2状態間で可逆的に変化する記録層、
    上側保護層、光吸収層および反射層を含む多層膜を形成
    する工程を含み、前記光吸収層の膜厚をd1、前記光ビ
    ームの波長をλ、前記波長λにおける前記光吸収層の屈
    折率および消衰係数をそれぞれn1およびk1として、
    0.1λ/(n1・k1)≦d1≦1.0λ/(n1
    1)が成立するように前記光吸収層を形成することを
    特徴とする光学的情報記録媒体の製造方法。
  26. 【請求項26】 透明基板上に第1情報層を形成する工
    程と、保護基板上に第2情報層を形成する工程と、前記
    透明基板と前記保護基板とを分離層を介して貼り合わせ
    ることにより、前記透明基板上に、前記第1情報層、前
    記分離層および前記第2情報層をこの順に形成する工程
    とを含み、 前記第2情報層が、前記透明基板に近い側から、下側保
    護層、光ビームの照射により光学的に検出可能な異なる
    2状態間で可逆的に変化する記録層、上側保護層、中間
    層および反射層をこの順に含み、前記上側保護層、前記
    中間層および前記反射層の熱伝導率を前記記録層から遠
    い層ほど大きく、前記記録層の膜厚が4nm以上16n
    m以下となるように、前記第2情報層を前記保護基板上
    に形成することを特徴とする光学的情報記録媒体の製造
    方法。
  27. 【請求項27】 透明基板上に第1情報層を形成する工
    程と、保護基板上に第2情報層を形成する工程と、前記
    透明基板と前記保護基板とを分離層を介して貼り合わせ
    ることにより、前記透明基板上に、前記第1情報層、前
    記分離層および前記第2情報層をこの順に形成する工程
    とを含み、 前記第2情報層が、前記透明基板に近い側から、下側保
    護層、光ビームの照射により光学的に検出可能な異なる
    2状態間で可逆的に変化する記録層、上側保護層、光吸
    収層および反射層をこの順に含み、前記光ビームの波長
    λにおける前記光吸収層の屈折率n1と前記反射層の屈
    折率n2との差Δn=n1−n2が2以上6以下であり、
    かつ、前記反射層の膜厚が前記光吸収層の膜厚以上とな
    るように、前記第2情報層を前記保護基板上に形成する
    ことを特徴とする光学的情報記録媒体の製造方法。
  28. 【請求項28】 透明基板上に第1情報層を形成する工
    程と、保護基板上に第2情報層を形成する工程と、前記
    透明基板と前記保護基板とを分離層を介して貼り合わせ
    ることにより、前記透明基板上に、前記第1情報層、前
    記分離層および前記第2情報層をこの順に形成する工程
    とを含み、 前記第2情報層が、前記透明基板に近い側から順に、下
    側保護層、光ビームの照射により光学的に検出可能な異
    なる2状態間で可逆的に変化する記録層、上側保護層、
    光吸収層および反射層をこの順に含み、前記光吸収層の
    膜厚をd1、前記光ビームの波長をλ、前記波長λにお
    ける前記光吸収層の屈折率および消衰係数をそれぞれn
    1およびk1として、0.1λ/(n1・k1)≦d1
    1.0λ/(n1・k1)が成立するように、前記第2情
    報層を前記保護基板上に形成することを特徴とする光学
    的情報記録媒体の製造方法。
  29. 【請求項29】 記録層を200nm/分以下の速度で
    成膜する請求項23〜28のいずれかに記載の光学的情
    報記録媒体の製造方法。
  30. 【請求項30】 記録層を、不活性ガスと窒素ガスとを
    含み、前記記録層に窒素原子が6.0原子%以下含有さ
    れるように前記窒素ガスの含有量を調整した雰囲気中に
    おいて成膜する請求項23〜29のいずれかに記載の光
    学的情報記録媒体の製造方法。
  31. 【請求項31】 請求項1〜22のいずれかに記載の光
    学的情報記録媒体に光ビームを透明基板側から入射させ
    て情報を記録再生する方法であって、 前記光ビームの強度を、照射部を瞬時溶融させることが
    できるパワーレベルP 1、照射部を瞬時溶融させること
    ができないパワーレベルP2およびP3(ただし、P1
    2≧P3≧0)、および記録層の記録マークの光学的な
    状態が変化せず、かつ照射により前記記録マークの再生
    に足りる反射が得られるパワーレベルP 0(ただし、P1
    >P0>0)により表示したときに、 前記記録層に記録する少なくとも1つの記録マークを、
    光ビームをパワーレベルP1とP3との間で変調すること
    により生成させた一群のパルスからなる記録パルス列に
    より形成し、記録マークを形成しない場合には光ビーム
    をパワーレベルP2に保持し、 パワーレベルP0の光ビームを照射することにより、前
    記記録層に記録した情報を再生することを特徴とする光
    学的情報記録媒体の記録再生方法。
  32. 【請求項32】 記録パルス列の直後にパワーレベルP
    4(ただし、P2>P4≧0)の冷却区間を設ける請求項
    31に記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。
  33. 【請求項33】 記録パルス列の少なくとも一部を、パ
    ルス幅および各パルス間の間隔が略同一となるように生
    成させる請求項31または32に記載の光学的情報記録
    媒体の記録再生方法。
  34. 【請求項34】 請求項1〜22のいずれかに記載の光
    学的情報記録媒体と、前記光学的情報記録媒体に照射さ
    れる光ビームを発生させる光ビーム発生手段と、前記光
    ビームの強度を変調させる光ビーム強度変調手段とを備
    え、 前記光ビームの強度を、照射部を瞬時溶融させることが
    できるパワーレベルP 1、照射部を瞬時溶融させること
    ができないパワーレベルP2およびP3(ただし、P1
    2≧P3≧0)、および記録層の記録マークの光学的な
    状態が変化せず、かつ照射により前記記録マークの再生
    に足りる反射が得られるパワーレベルP 0(ただし、P1
    >P0>0)により表示したときに、 前記光ビーム強度変調手段が、記録マークを形成するこ
    とにより情報を記録する場合には、光ビームをパワーレ
    ベルP1とP3との間で変調することにより生成させた一
    群のパルスからなる記録パルス列により前記記録マーク
    の少なくとも1つを形成し、記録マークを形成しないと
    きには光ビームの強度をパワーレベルP 2に保持し、 前記記録層に記録した情報を再生する場合には、光ビー
    ムの強度をパワーレベルP0に保持することを特徴とす
    る光学的情報記録媒体の記録再生装置。
JP21872299A 1998-08-05 1999-08-02 光学的情報記録媒体とその製造方法、その記録再生方法および記録再生装置 Expired - Lifetime JP3853543B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21872299A JP3853543B2 (ja) 1998-08-05 1999-08-02 光学的情報記録媒体とその製造方法、その記録再生方法および記録再生装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22192498 1998-08-05
JP32989098 1998-11-19
JP10-329890 1998-11-19
JP10-221924 1998-11-19
JP21872299A JP3853543B2 (ja) 1998-08-05 1999-08-02 光学的情報記録媒体とその製造方法、その記録再生方法および記録再生装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006073326A Division JP2006155896A (ja) 1998-08-05 2006-03-16 光学的情報記録媒体、その製造方法、その記録再生方法及び光学的記録再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000215516A true JP2000215516A (ja) 2000-08-04
JP3853543B2 JP3853543B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=27330181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21872299A Expired - Lifetime JP3853543B2 (ja) 1998-08-05 1999-08-02 光学的情報記録媒体とその製造方法、その記録再生方法および記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3853543B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005289044A (ja) * 2004-03-12 2005-10-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学的情報記録媒体とその製造方法、記録方法及び記録装置
WO2006025162A1 (ja) 2004-08-30 2006-03-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光学的情報記録媒体およびその製造方法
US7074471B2 (en) 2003-03-27 2006-07-11 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical information recording medium, method for producing the medium, and method and apparatus for recording information using the medium
US7132147B2 (en) 2003-07-01 2006-11-07 Kabushiki Kaisha Toshiba Phase-change optical recording medium
US7357969B2 (en) 2003-10-30 2008-04-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Phase-change optical recording medium
US7431973B2 (en) 2004-03-12 2008-10-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical information recording medium, and manufacturing method, recording method, and recording apparatus thereof
US7439007B2 (en) 2002-12-20 2008-10-21 Ricoh Company, Ltd. Phase change information recording medium having multiple layers and recording and playback method for the medium
US7601481B2 (en) 2004-03-19 2009-10-13 Ricoh Company, Ltd. Multilayer phase-change information recording medium, and method for recording and reproducing using the same
KR101010163B1 (ko) 2003-01-10 2011-01-20 파나소닉 주식회사 정보기록 매체와 그 제조 방법
US8034426B2 (en) 2005-03-17 2011-10-11 Ricoh Company, Ltd. Two-layered optical recording medium

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7439007B2 (en) 2002-12-20 2008-10-21 Ricoh Company, Ltd. Phase change information recording medium having multiple layers and recording and playback method for the medium
KR101010163B1 (ko) 2003-01-10 2011-01-20 파나소닉 주식회사 정보기록 매체와 그 제조 방법
US7074471B2 (en) 2003-03-27 2006-07-11 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical information recording medium, method for producing the medium, and method and apparatus for recording information using the medium
US7132147B2 (en) 2003-07-01 2006-11-07 Kabushiki Kaisha Toshiba Phase-change optical recording medium
US7291375B2 (en) 2003-07-01 2007-11-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Phase-change optical recording medium
US7294382B2 (en) 2003-07-01 2007-11-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Phase-change optical recording medium
US7357969B2 (en) 2003-10-30 2008-04-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Phase-change optical recording medium
US7431973B2 (en) 2004-03-12 2008-10-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical information recording medium, and manufacturing method, recording method, and recording apparatus thereof
JP2005289044A (ja) * 2004-03-12 2005-10-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学的情報記録媒体とその製造方法、記録方法及び記録装置
JP4542922B2 (ja) * 2004-03-12 2010-09-15 パナソニック株式会社 光学的情報記録媒体とその製造方法
US7601481B2 (en) 2004-03-19 2009-10-13 Ricoh Company, Ltd. Multilayer phase-change information recording medium, and method for recording and reproducing using the same
WO2006025162A1 (ja) 2004-08-30 2006-03-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光学的情報記録媒体およびその製造方法
US8034426B2 (en) 2005-03-17 2011-10-11 Ricoh Company, Ltd. Two-layered optical recording medium

Also Published As

Publication number Publication date
JP3853543B2 (ja) 2006-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0978831B1 (en) Optical information recording medium and method for producing the same, method for recording and reproducing information thereon and recording/reproducing apparatus
KR100506553B1 (ko) 광정보 기록매체, 그 기록 및 재생방법, 및 광정보 기록 및 재생장치
JP3250989B2 (ja) 光学情報記録媒体、その記録再生方法、その製造法及び光学情報記録再生装置
JP4567750B2 (ja) 情報記録媒体とその製造方法
US6469977B2 (en) Optical information recording medium, method for producing the same, and method and apparatus for recording/reproducing information thereon
JP2000298875A (ja) 光記録媒体
KR100381852B1 (ko) 광학정보 기록매체
JP4339999B2 (ja) 光学的情報記録媒体とその製造方法、記録再生方法及び記録再生装置
KR100365675B1 (ko) 광학적정보 기록매체와 그 제조방법, 기록재생방법 및기록재생장치
JPWO2004085167A1 (ja) 情報記録媒体およびその製造方法
JP3853543B2 (ja) 光学的情報記録媒体とその製造方法、その記録再生方法および記録再生装置
EP1345218A2 (en) Optical information recording medium and manufacturing method and recording/reproducing method for the same
JP2003323743A (ja) 情報記録媒体とその製造方法
US5273861A (en) Optical information recording medium, method of making an optical information recording medium and method of recording/reproducing optical information
JP2001023236A (ja) 光学情報記録媒体およびその初期化方法
JP4227278B2 (ja) 情報記録媒体とその製造方法およびその記録再生方法
JP3087454B2 (ja) 光学的情報記録媒体およびその構造設計方法
JP2001028148A (ja) 光学的情報記録媒体とその製造方法、記録再生方法及び記録再生装置
JPH11339311A (ja) 光学情報記録媒体およびその記録再生方法
JP4308741B2 (ja) 情報記録媒体及びその製造方法
JPH08329521A (ja) 光記録媒体
JPWO2010061557A1 (ja) 情報記録媒体、記録装置、再生装置および再生方法
JP4542922B2 (ja) 光学的情報記録媒体とその製造方法
JPWO2006112165A1 (ja) 光学的情報記録媒体とその製造方法
JP2002230839A (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040716

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060316

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3853543

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130915

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term