JP2005196942A - 光学的情報記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光学的情報記録媒体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005196942A
JP2005196942A JP2004349502A JP2004349502A JP2005196942A JP 2005196942 A JP2005196942 A JP 2005196942A JP 2004349502 A JP2004349502 A JP 2004349502A JP 2004349502 A JP2004349502 A JP 2004349502A JP 2005196942 A JP2005196942 A JP 2005196942A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
information layer
initialization
recording medium
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004349502A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4397801B2 (ja
Inventor
Yoshitaka Sakagami
嘉孝 坂上
Kenichi Nishiuchi
健一 西内
Kenichi Osada
憲一 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004349502A priority Critical patent/JP4397801B2/ja
Publication of JP2005196942A publication Critical patent/JP2005196942A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4397801B2 publication Critical patent/JP4397801B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 光学的情報記録媒体の初期化を適切に行うこと、あるいは初期化処理が途中で止まる現象を防止し光学的情報記録媒体製造の歩留まりを向上させることを課題とする。
【解決手段】 バーストカッティングエリア(以下、BCAという)を有する情報層の初期化では、BCA領域と情報を記録再生するデータエリアとで、レーザパワー、線速度、レーザ光の情報層に対する焦点位置のうち少なくとも1つの初期化条件を変える。BCAを有しない情報層の初期化においては、BCA領域に対応する領域とデータエリアとでレーザパワー、線速度、レーザ光の情報層に対する焦点位置、送りピッチのうち少なくとも1つの初期化条件を変える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ光等の光学的手段を用いて情報を記録、再生する光学的情報記録媒体およびその製造方法に関するものである。
レーザ光を利用して高密度な情報の再生あるいは記録を行う従来技術が知られている。この従来技術は、主に光ディスクとして実用化されている。
光ディスクは、再生専用型、追記型、書き換え型に大別することができる。
再生専用型は、コンパクトディスクやレーザーディスクとして、また追記型や書き換え型は、文書ファイル、データファイル等を記録するディスクとして実用化されている。書き換え型光ディスクとしては、主に、光磁気ディスクと相変化型光ディスクとが知られている。
相変化型光ディスクは、記録層がレーザ光の照射によってアモルファスと結晶との間(あるいは結晶とさらに異なる構造の結晶との間)で可逆的に状態変化を起こすことを利用する。より具体的には、相変化型光ディスクでは、レーザ光が照射され、薄膜の屈折率あるいは消衰係数のうち少なくともいずれか一つが変化することにより記録が行われる。また、相変化型光ディスクでは、記録が行われた部分に照射されたレーザ光の透過光あるいは反射光の振幅が変化し、その結果、検出系に至る透過光量あるいは反射光量が変化することを検出して信号を再生する。
一般には、相変化型光ディスクでは、記録層材料が結晶状態である場合を未記録状態とし、レーザ光を照射することにより記録層材料を溶融、急冷し、記録層材料がアモルファス状態となる場合を記録状態とする。また、信号を消去する場合は、記録時よりも低いレーザ光パワーを照射し、記録層を結晶状態とする。
記録層材料としては、一般的にカルコゲン化合物を用いることが多い。カルコゲン化合物からなる記録層は、アモルファス状態で成膜されるので、予め記録領域全面を結晶化して未記録状態としておく必要がある。この全面結晶化を「初期化」と呼ぶ。
初期化処理は、ディスク製造工程の一部に組み込まれており、レーザ光あるいはフラッシュ光源を用いて記録層を結晶状態にする。レーザ光を用いる場合には、ディスクを回転させながらレーザ光を照射するとともに情報層にフォーカスシングし、その光学ヘッドの位置をディスクの半径方向にずらすことにより、ディスク全面を初期化する。
この初期化におけるレーザ光のレーザパワー、線速度、デフォーカス量、送りピッチなどの初期化条件は、次の基準を満たすように求められる。すなわち、初期化条件は、一般に、初期化領域全面においてアモルファス状態が残ることなく均一に結晶化され、かつ情報をオーバーライトした場合に、1回目の記録から複数回(数10回ぐらい)オーバーライトした場合の信号品質が一定となるように求められる。
初期化条件を求めるに際して、ディスクの中周付近(情報を記録再生するデータエリア領域内の所定位置)において初期化条件の検出を行う。さらに、検出された初期化条件を用いて、後で述べるバーストカッティングエリアを含めたディスク全面の初期化を行っている。すなわち、ディスク全面にわたり、同一条件で初期化を行っている。
なお、単位面積あたりの光ディスクの記録容量を増加させる観点から、片面2層構成、およびその製造方法が提案されており、それぞれの層における初期化条件を変える技術について知られている(例えば、特許文献1参照)。また、片面2層構成のディスクについて、青紫レーザ光を用いた片面2層構成の相変化光ディスクの製造方法が記述されている文献もある(例えば、特許文献2参照)。
ディスクには1枚1枚のディスクを識別するためのバーストカッティングエリア(以下、BCAという)を設けることがDVD−RAMやBlu−rayディスクの規格書に記載されている。
このBCAは、例えば、高出力レーザ光を用いて膜を焼き切る、あるいは通常の初期化工程において初期化部、未初期化部を半径方向帯び状にバーコード状に設ける(図1参照)ことにより形成される。
初期化工程においてBCAを形成する場合、初期化のためのレーザ光の光学ヘッドとディスクの相対角速度を一定にして、レーザ光をオンオフさせることにより初期化部と未初期化部とを設ける。
また、BCAの情報を読み取る場合には、ディスクを回転させ、レーザ光をBCAの形成されたBCA領域でフォーカシングし、膜の有る部分と無い部分と、あるいは初期化部と未初期化部との反射率差によりBCAの情報を読みとる。なお、DVD−RAMやBlu−rayディスクの規格書には、BCAは、レーザ光入射側からみて奥側の層の最内周に設けると記載されている。
特願平10ー132982号 特願2000ー400442号
本願出願人は、青紫色レーザ光を用いた相変化型片面多層構成の光ディスクの開発を行っている。例えば、図1に示すように、透明基板上に第1の情報層、光学分離層、第2の情報層、光透過層を設けた光ディスクの開発を行っている。また、この光ディスクでは、初期化工程において、BCAを第1の情報層に形成している。
本願出願人の調査により、この初期化工程において、以下の2つの課題が確認されている。
課題の1つめは、第1の情報層と第2の情報層を1層ずつこの順に初期化処理する際、第1の情報層にBCAを設ける工程で、第2の情報層が部分的に初期化されてしまうというものである。
課題の2つめは、第1の情報層の初期化後、第2の情報層の初期化工程で、第1の情報層のBCA領域と同一半径領域でフォーカスがはずれ、初期化処理が止まってしまうというものである。
本発明の主たる目的は、上記課題を解決した片面多層構成の光学的情報記録媒体の製造方法および光学的情報記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明における光学的情報記録媒体の製造方法は、
1)
円盤状の基板の上に、半径方向帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるバーストカッティングエリア(以下、BCAという)を有する情報層が形成された光学的情報記録媒体の製造方法である。BCAは、情報層の半径r1〜半径r2の領域に初期化部分と未初期化部分を設けることで形成される。さらに、半径r1〜r2を初期化する場合とその他の半径領域を初期化する場合で、レーザパワー、線速度、レーザ光の情報層に対する焦点位置のうち少なくとも1つ初期化条件を変える。
具体的には、
(1)光学的情報記録媒体は、円盤状の基板の上に、複数の情報層と、光透過層がこの順に形成され、かつ複数の情報層の間に光学分離層が設けられたものである。情報層は、エネルギービームの照射によって、アモルファス相と結晶相の間で光学的に検出可能な可逆的変化を生じる記録層を少なくとも有している。複数の情報層のうち少なくとも1つの情報層は、半径方向の帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるBCAを有する。
(2)BCAを有する情報層における半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合より初期化パワーを低くする。
(3)BCAを有する情報層における半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合より初期化線速度を速くする。
(4)BCAを有する情報層における半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合より初期化レーザ光の焦点位置を初期化しようとする情報層からはずした状態で初期化する。
2)
円盤状の基板の上に、半径方向帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるバーストカッティングエリア(以下、BCAという)を有する情報層(以下、第1情報層という)を含む複数の情報層が形成された光学的情報記録媒体の製造方法である。BCAは、第1情報層の半径r1〜半径r2の領域に初期化部分と未初期化部分を設けることで形成される。さらに、BCAを有しない情報層における半径r1〜r2を初期化する場合とその他の半径領域を初期化する場合で、レーザパワー、線速度、レーザ光のBCAを有しない情報層に対する焦点位置、レーザ光の送りピッチのうち少なくとも1つ初期化条件が変える。
ここで、光学的情報記録媒体は、以下のものであってもよい。すなわち、光学的情報記録媒体は、円盤状の基板の上に、複数の情報層と、光透過層がこの順に形成され、かつ複数の情報層の間に光学分離層が設けられたものである。それぞれの情報層は、エネルギービームの照射によって、アモルファス相と結晶相の間で光学的に検出可能な可逆的変化を生じる記録層を少なくとも有している。複数の情報層のうち少なくとも1つの情報層(第1情報層)は、半径方向の帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるBCAを有する
具体的には、
(1)BCAを有しない情報層における半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合より初期化レーザ光パワーを高くする。
(2)BCAを有しない情報層における半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合より初期化線速度を遅くする。
(3)BCAを有しない情報層における半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合より初期化レーザ光の焦点位置を初期化しようとする情報層に合わせた状態で初期化する。
(4)BCAを有しない情報層における半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合より初期化レーザ光の送りピッチを狭くする。
さらに、1)、2)の光学的情報記録媒体の製造方法における光学的情報記録媒体は、BCAを有する情報層を第1情報層、前記BCAを有しない情報層を第2情報層とし、結晶化するためのレーザ光の波長における第1情報層のアモルファス状態での反射率をRa1、結晶状態での反射率をRc1、第2情報層のアモルファス状態での反射率をRa2、結晶状態での反射率をRc2とした場合、Ra1>Ra2、かつRc1<Rc2であることを特徴とする。
また、第1情報層と第2情報層とは、1つの光学ヘッドを用いて第1情報層、第2情報層の順に初期化されることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明における光学的情報記録媒体は、
1)
円盤状の基板の上に、半径方向帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるバーストカッティングエリア(以下、BCAという)を有する情報層が形成された光学的情報記録媒体である。BCAは、半径r1〜半径r2の領域(以下、BCA領域という)に初期化部分と未初期化部分を情報層に設けることで形成される。さらに、データエリアに隣接するBCA領域の初期化部の半径をr3、BCA領域に隣接するデータエリアの初期化部の半径をr4としたとき、BCAを有する情報層の半径r3と半径r4での反射率が異なる。
具体的には、
(1)光学的情報記録媒体は、円盤状の基板の上に、複数の情報層と、光透過層がこの順に形成され、かつ複数の情報層の間に光学分離層が設けられている。情報層は、エネルギービームの照射によって、アモルファス相と結晶相の間で光学的に検出可能な可逆的変化を生じる記録層を少なくとも有している。複数の情報層のうち少なくとも1つの情報層は、半径方向の帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるBCAを有する。
(2)BCAを有する情報層の半径r3での反射率の方が半径r4での反射率より低い光学的情報記録媒体。
(3)BCAを有する情報層の半径r1〜r2を初期化する場合とその他の半径領域を初期化する場合で、レーザパワー、線速度、レーザ光の情報層に対する焦点位置のうち少なくとも1つ初期化条件を変えた初期化工程により製造した光学的情報記録媒体。
(4)BCAを有する情報層の半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合よりレーザパワーを低くした初期化工程により製造した光学的情報記録媒体。
(5)BCAを有する情報層の半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合より初期化線速度を速くした初期化工程により製造した光学的情報記録媒体。
(6)BCAを有する情報層の半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合より初期化レーザ光の焦点位置を初期化しようとする情報層からはずした状態で初期化する初期化工程により製造した光学的情報記録媒体。
2)
円盤状の基板の上に、半径方向帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるバーストカッティングエリア(以下、BCAという)を有する情報層(以下、第1情報層という)を含む複数の情報層が形成された光学的情報記録媒体である。BCAは、第1情報層の半径r1〜半径r2の領域(以下、BCA領域という)に初期化部分と未初期化部分を設けることで形成される。さらに、データエリアに隣接するBCA領域の初期化部の半径をr3、BCA領域に隣接するデータエリアの初期化部の半径をr4としたとき、BCAを有しない情報層の半径r3とr4での反射率が異なる。
ここで、光学的情報記録媒体は、以下のものであってもよい。すなわち、光学的情報記録媒体は、円盤状の基板の上に、複数の情報層と、光透過層がこの順に形成され、かつ複数の情報層の間に光学分離層が設けられたものである。それぞれの情報層は、エネルギービームの照射によって、アモルファス相と結晶相の間で光学的に検出可能な可逆的変化を生じる記録層を少なくとも有している。複数の情報層のうち少なくとも1つの情報層(第1情報層)は、半径方向の帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるBCAを有する。
具体的には、
(1)BCAを有しない情報層の半径r3での反射率より半径r4での反射率の方が高い光学的情報記録媒体。
(2)BCAを有しない情報層における半径r1〜半径r2を初期化する場合とその他の半径領域を初期化する場合で、レーザパワー、線速度、レーザ光の情報層に対する焦点位置、レーザ光の送りピッチのうち少なくとも1つ初期化条件が異なる初期化工程により製造した光学的情報記録媒体。
(3)BCAを有しない情報層の半径r1〜半径r2を初期化する場合、その他の領域を初期化する場合よりレーザパワーを高くした初期化工程により製造した光学的情報記録媒体。
(4)BCAを有しない情報層の半径r1〜半径r2を初期化する場合、その他の領域を初期化する場合より初期化線速度を遅くした初期化工程により製造した光学的情報記録媒体。
(5)BCAを有しない情報層の半径r1〜r2を初期化する場合、その他の半径領域を初期化する場合よりレーザ光の焦点位置を初期化しようとする情報層に合わせた状態で初期化する初期化工程により製造したにより製造した光学的情報記録媒体。
(6)BCAを有しない情報層の半径r1〜半径r2を初期化する場合、その他の領域を初期化する場合より、初期化レーザ光の送りピッチを狭くし初期化する初期化工程により製造した光学的情報記録媒体。
さらに、1)、2)の光学的情報記録媒体は、BCAを有する情報層、あるいはBCAを有しない情報層における半径位置r3と半径位置r4とにおける反射率の差が0.2%以上あることを特徴とする。
また、半径位置r3と半径位置r4との距離は、0.2mm以下であることを特徴とする。
本発明により、光学的情報記録媒体の初期化を適切に行うことが可能となる、あるいは初期化処理が途中で止まることが防がれ、光学的情報記録媒体製造の歩留まりが向上する。
(発明の概要)
《初期化処理の原理について》
まず、図2を用いて、第1の情報層と第2の情報層との初期化処理の原理について具体的に説明する。
図2に示すように、初期化レーザ光を照射する光学ヘッドを光透過層に近づけていくと、光透過層、第2の情報層、第1の情報層(図1参照)からのフォーカスエラー信号が順に3つ検出される。この3つのフォーカスエラー信号の大きさは、各情報層の反射率が高い場合には大きく、低い場合には小さく検出される。
各情報層の反射率はその薄膜構成や、その相状態(アモルファスか結晶か)の組み合わせにより変化し、検出されるフォーカスエラー信号が小さい場合に、初期化処理を失敗する確率が高くなる。
今回用いた情報層の構成では、第1の情報層および第2の情報層を結晶化するためのレーザ光の波長において、第1の情報層のアモルファス状態での反射率をRa1、結晶状態での反射率をRc1、第2の情報層のアモルファス状態での反射率をRa2、結晶状態での反射率をRc2とした時、Ra1>Ra2、かつRc1<Rc2である。ここで、第1の情報層と第2の情報層とが未初期化状態の場合に初期化レーザ光を照射すると、Ra1>Ra2であるために、第1の情報層にフォーカシングし、第1の情報層を初期化することができる。次に第2の情報層を初期化する場合には、第2の情報層に少しでも初期化された部分(結晶化された部分)をつくることによりRc1<Rc2となり、第2の情報層にフォーカシングし、第2の情報層を初期化することができる。
《課題の発生原因について》
本願出願人の調査により、上記課題は、以下の理由により発生していると考えられている。
まず、課題の1つ目である、第1の情報層を初期化している際に第2の情報層が部分的に初期化される原因は、以下のように考えられる。
第1の情報層を初期化する場合、初期化レーザ光は、フォーカシングされていない状態で第2の情報層にも照射されている。本願出願人の開発しているディスクでは、第2の情報層を初期化するために必要な初期化レーザパワーは、第1の情報層を初期化するために必要なレーザパワーよりも高い必要がある。このため、第1の情報層を初期化している場合に、第2の情報層は初期化されないはずである。
しかし、ディスク構成によって、結晶化(初期化)されるのに必要なエネルギー量が変化する。今回採用したディスクでは、第1の情報層の初期化感度が悪く、第2の情報層の初期化感度が良いディスク構成となっている。また、各情報層を構成する多層膜は、それぞれディスクの半径方向に膜厚分布を持っている。この膜厚分布により、初期化感度もディスクの半径方向で変化する。今回採用したディスクの第2の情報層では、この膜厚分布により、BCAが形成されるディスク最内周において、初期化感度がさらに良くなっていると考えられる。
このため、従来と同様の初期化方法を用いると、第1の情報層を初期化している際に第2の情報層が部分的に初期化される結果となっている。
次に、課題の2つ目である、第2の情報層を初期化中、第1の情報層のBCA領域と同一半径領域上でフォーカスがはずれ、初期化が止まってしまう原因は、以下のように考えられる。
今回採用したディスクでは、未初期化部を設けているBCA領域と同一半径領域では、半径方向の膜厚分布により、第1の情報層と第2の情報層のRa1とRc2との差が通常より小さい構成となっている。このため、第2の情報層を初期化中のレーザ光がBCAと同一半径領域にさしかかったとき、フォーカシングが不安定になる。
このため、従来と同様の初期化方法を用いると、第2の情報層を初期化中、第1の情報層のBCA領域上でフォーカスがはずれ、初期化が止まる結果となっている。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に記載の技術は、上述の課題の1つ目を解決するものであり、第1の情報層を初期化している際に第2の情報層が部分的に初期化されることを防止するものである。
《ディスクの構造》
図3を用いて、本実施の形態で用いたディスクの構造について説明する。図3において、情報の記録、再生および情報層の初期化を行うそれぞれのレーザ光は、光透過層7側から入射される。基板1は、ポリカーボネート、PMMA等の樹脂板、ガラス板等からなる。基板表面2は、スパイラルまたは同心円状の連続溝等で覆われている。
基板1の上(レーザ光入射側)には、第1の情報層3を設ける。第1の情報層3は、少なくとも反射層8、保護層9,11、記録層10を有する。
第1の情報層3の上には、光学分離層4が形成される。光学分離層4は、第1の情報層3に信号を記録再生するために照射するレーザ光の波長に対して透明な材料で構成され、第1の情報層と第2の情報層とを光学的に分離する機能を備える。光学分離層4は、紫外線硬化樹脂等からなる層をスピンコートにより形成する方法や、透明フィルムを粘着テープあるいは紫外線硬化樹脂等により接着する方法等により形成される。光学分離層の表面5は、スパイラルまたは同心円状の連続溝等で覆われている。
光学分離層4の上には、第2の情報層6が形成される。第2の情報層6は、少なくとも反射層12、保護層13,15、記録層14を有する。
第2の情報層6の上には、光透過層7が形成される。光透過層7は、紫外線硬化樹脂等からなる層をスピンコートによって形成する方法や、粘着テープあるいは紫外線硬化樹脂等により透明フィルムを第2の情報層6の上に接着する方法などにより形成される。
保護層9,11,13,15の材料としては、Al、Si、Ta、Mo、W、Zr等の酸化物、ZnS等の硫化物、Al、B、Ge、Si、Ti、Zr等の窒化物、Pb、Mg、La等のフッ化物等を主成分とする材料を用いることができる。本実施の形態では、ZnS−20mol%SiO2の組成のものを用いた。
記録層10,14の材料としては、Te、In、Se等を主成分とする相変化材料を用いることができる。よく知られた相変化材料の主成分としては、TeGeSb、TeGeSn、TeGeSnAu、SbSe、SbTe、SbSeTe、In−Te、In−Se、In−Se−Tl、InSbInSbSe、GeSbTeAg等が挙げられる。現在、相変化光ディスクで商品化されたもの、あるいは研究が盛んに行われている材料系としては、GeSbTe系、AgGeSbTe系等が挙げられる。これらの記録層は、通常アモルファス状態で成膜される。これらの記録層材料を用いた場合、記録層の初期化に一般に用いられる赤外光波長において、結晶状態の透過率の方がアモルファス状態の透過率よりも小さくなる。本実施の形態では、GeSbTe系の記録層材料を主に用いた。
反射層8,12としては、Ag、Au、Al等の金属元素を主成分とする材料を用いることができる。また、金属反射層の代わりに、屈折率の異なる2種類以上の保護層を積層することによっても、反射層と同様の光学特性を得ることができる。本実施の形態では、Agを主成分とする金属反射層を用いた。
保護層、記録層、反射層、各層の形成方法としては、通常、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、CVD法、レーザスパッタリング法等が適応される。本実施の形態では、スパッタリング法を用いた。
《初期化処理》
次に、上述した片面2層構成の光学的情報記録媒体を、レーザ光を用いて、初期化するプロセスについて説明する。
図4を用いて、初期化装置の概略を説明する。レーザ光源から照射されたレーザ光は、対物レンズにより、第2の情報層6あるいは第1の情報層3上に、例えば非点収差法を用いてフォーカシングされる。フォーカシングに際して、第1の情報層3、第2の情報層6から得られるフォーカスエラー信号が用いられる。フォーカシング制御を行う方法としては、ナイフエッジ法等、種々の方法を採用することができる。
次に、形成されたそれぞれの情報層(第1の情報層3と第2の情報層6)を初期化する際に、第1の情報層3と第2の情報層6とを区別して、所望の情報層に初期化レーザ光のフォーカスをかける手順を説明する。
まず、初期化のためのレーザ光を照射する光学ヘッドを光透過層に近づけていくと、光透過層7、第2の情報層6、第1の情報層3からのフォーカスエラー信号が順に3つ検出される(図2参照)。例えば、第2の情報層6を初期化するためには、光学ヘッドを光透過層に近づけていく場合に検出されるフォーカスエラー信号のうち、2つめのフォーカスエラー信号にフォーカスをかける。あるいは、第1の情報層3からのフォーカスエラー信号を検出した後、光学ヘッドを光透過層から離していき、2つめのフォーカスエラー信号にフォーカスをかけるという作業を初期化装置内で行う(なお、情報層が2層でなく複数層ある場合にも、同様の方法でフォーカスシングを行う)。
第1および第2の情報層3,6を初期化する方法としては、以下の複数のパターンが考えられる。
(1)それぞれの情報層を形成した直後にそれぞれの情報層の初期化を行う。
(2)それぞれの情報層を形成し、その上に光学分離層4(第2の情報層6の場合には光透過層7)を形成した直後に初期化を行う。
(3)基板1上に第1の情報層3、光学分離層4、第2の情報層6、光透過層7を形成した後に初期化を行う(なお、光透過層7は初期化後に形成することもある)。
(4)(3)の場合、第1の情報層3を第2の情報層6より先に初期化する(なお、その逆であってもよい)。
また、レーザ光を用いた結晶化(初期化)には、高出力のレーザパワーが必要なことから、そのレーザ光波長については、800nm前後の赤外レーザを用いることが一般的である。
本実施の形態では、BCAを初期化工程を用いて設けた。初期化工程の対象となる初期化領域は、ディスクの半径21mmから59mmまでの領域であり、BCAは、ディスクの半径21mmから22mmの間に、半径方向帯び状に初期化していない部分(未初期化部分)をバーコード状になるように設けた。また、BCAを形成する場合(半径21〜22mmの範囲)、ディスクは角速度一定で回転させた状態(2728rpm)で初期化を行った。線速度に直すと、半径21mmで6.0m/s、半径22mmで6.28m/sになる。
本実施の形態で用いたディスクの構造をさらに詳細に説明する。
ディスク構造の一例であるが、表面がピッチ0.3μm、溝深さ20nmの凹凸の案内溝で覆われている直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネートを基板1として採用した。その上にAg反射層、GeN、ZnS−20mol%SiO2、Ge22Sb25Te53(at%)、ZnS−20mol%SiO2をこの順にマグネトロンスパッタ法で形成し、第1の情報層3を形成した。続いて、表面がピッチ0.3μm、溝深さ20nmの凹凸の案内溝で覆われている直径120mm、厚さ25μmのポリカーボネートを紫外線硬化樹脂で形成し、第1の情報層3の上にトータル厚さ30μmの光学分離層4を形成した。続いて、光学分離層4の上に、Ag反射層、GeN、Ge22Sb25Te53(at%)、ZnS−20mol%SiO2をこの順にマグネトロンスパッタ法で形成し、第2の情報層6を形成した。続いて、スピンコート法により厚さ0.1mmの光透過層7を形成した。
検討に用いたディスクの構成、特に情報層の構成は以下のとおりである。
第1の情報層3は、基板1上にAg反射層を100nm、GeN層を5nm、ZnS−20mol%SiO2層を25nm、GeSbTe記録層を15nm、ZnS−20mol%SiO2層を60nm形成した構成である。
第2の情報層6は、第1の情報層3の上に光学分離層4を形成した後、Ag反射層を10nm、GeN層を5nm、ZnS−20mol%SiO2層を24nm、GeSbTe記録層を6nm、ZnS−SiO2層を50nm形成した構成とした。さらに、第2の情報層6上に光透過層7を形成した。
各情報層の初期化は、図4に示した波長810nmのレーザ光源を有する初期化装置を用いた。初期化条件は、事前にディスクの半径40mmにおいて、オーバーライト時の信号品質の悪化がない条件(ジッタ増加のない条件)を求めた。
第1の情報層3では、求められた初期化条件(第2初期化条件)は、レーザ光のデフォーカス量+3μm(プラスとは、レーザ入射側から見て第1の情報層3の奥側にジャストフォーカス位置がある状態であり、マイナスとは、手前側にジャストフォーカス位置がある状態をいう)、線速度6m/s、送りピッチ40μm、レーザパワー1650mW〜1750mW(本実施の形態では1700mWで実施)であった。
第2の情報層6では、求められた初期化条件(第4初期化条件)は、デフォーカス量+3μm、線速度3m/s、送りピッチ40μm、レーザパワー870〜930mW(本実施の形態では900mWで実施)であった。
なお、初期化のためのレーザ光のディスク半径方向の幅は、100μmのものを用いた。
各情報層の初期化は、第1の情報層3、光学分離層4、第2の情報層6、光透過層7を形成した後に行った。
第1の情報層3を初期化する場合、BCAが形成されるBCA領域(第1領域:図1参照)とその他の初期化領域(第2領域:図1参照)とで初期化レーザパワー、線速度、デフォーカス量を変化させた場合の初期化安定性を検討した結果について述べる。
本実施の形態では、第1の情報層3のBCA領域(半径21〜22mm)とデータエリア(半径22〜59mm)とを初期化する際の初期化条件を変化させ(第1初期化条件と第2初期化条件)、第1の情報層3の初期化終了時点で光学顕微鏡観察を行い、初期化状態を確認した。この際、第2の情報層6が誤って初期化されているか否かを確認した。
「線速度を6m/s」、「デフォーカス量を+3μm」と一定とした上で「初期化レーザパワーを変化」させた場合の結果を(表1)に、「初期化レーザパワーを1700mW」、「デフォーカス量を+3μm」と一定にした上で「線速度を変化」させた場合の結果を(表2)に、「初期化レーザパワーを1700mW」、「線速度を6m/s」と一定とした上で「デフォーカス量を変化」させた場合の結果を(表3)に示す。
さらに、それぞれの表では、それぞれの初期化条件を用いた場合の、第1の情報層3の半径位置r3=21.9mmと半径位置r4=22.1mmとにおける反射率を示す(図1参照)。より具体的には、半径位置r3は、BCA領域(第1領域)中の半径位置であり、データエリア(第2領域)に近接した半径位置である。また、半径位置r4は、第1の情報層3においてデータエリア(第2領域)中の半径位置であり、BCA領域(第1領域)に近接した半径位置である。さらに、反射率は、半径位置r3と半径位置r4とからの波長405nmの反射光のミラー部における反射率を示す。
Figure 2005196942
Figure 2005196942
Figure 2005196942
(表1)より、次の事実が確認される。
BCA領域の初期化レーザパワーをデータエリアでの最適パワーである1650〜1750mW以上とすると、第2の情報層6の一部が誤って初期化されている。BCA領域の初期化レーザパワーをデータエリアでの最適パワーである1650mW未満とすると(すなわち、単位面積あたりのレーザパワー密度を小さくすると)、第2の情報層6まで初期化されることはなくなる。BCAは、初期化部と未初期化部の反射率差により信号を読み取るだけであるため、均一に結晶化されておればよく、例えば1550mWでBCAを形成しても反射率には大きな影響はないため問題ない。但し、例えば1450mWまで初期化レーザパワーを下げるとBCAに初期化ムラが形成されるため、1450mWを超えかつ1650mW未満の初期化レーザパワーで、より好ましくは、1500mW以上1600mW以下の初期化レーザパワーで初期化を行うのがよい。
また、BCA領域での初期化レーザパワーをデータエリアでの初期化レーザパワーの−5.9%〜−11.8%とした場合(レーザパワーを下げた場合)に良好な結果が得られた。なお、この値の範囲は、本実施の形態で採用したディスクの構成や初期化装置の構成に対して求められた値であり、この範囲内でのみ本発明が有効であるというものではない。例えば、ディスクの構成や、初期化装置の構成により、最適範囲は変化してもよい。
(表2)より、次の事実が確認される。
BCA領域の初期化線速度をデータエリアでの線速度である6m/sより遅くした場合、第2の情報層6の一部が誤って初期化されている。一方、初期化線速度を6.5m/s以上にした場合(すなわち、単位面積あたりのレーザパワー密度が小さい場合)には、第2の情報層6まで初期化されることはなくなる。但し、例えば7.5m/sまで初期化線速度を上げるとBCAに初期化ムラが形成されるため、6.0m/sを超えかつ7.5m/s未満の初期化線速度で、より好ましくは、6.5m/s以上7.0m/s以下の初期化線速度で初期化を行うのがよい。
また、BCA領域での初期化線速度をデータエリアでの初期化線速度の+8.3%〜+16.7%とした場合(線速度を上げた場合)に良好な結果が得られた。なお、この値の範囲は、本実施の形態で採用したディスクの構成や初期化装置の構成に対して求められた値であり、この範囲内でのみ本発明が有効であるというものではない。例えば、ディスクの構成や、初期化装置の構成により、最適範囲は変化してもよい。
(表3)より、次の事実が確認される。
BCA領域の初期化時のデフォーカス量をデータエリアでのデフォーカス量である+3μmよりジャストフォーカスにした場合、第2の情報層6まで誤って一部初期化されている。しかし、よりデフォーカスさせた場合には、第2の情報層6まで初期化されることはなくなる。このため、+3μmを超えるデフォーカス量で、より好ましくは、+3.5μm以上のデフォーカス量で初期化を行うのがよい。
また、BCA領域でのデフォーカス量をデータエリアでのデフォーカス量の、+16.7%以上とした場合(デフォーカス量を上げた場合)に良好な結果が得られた。なお、この値の範囲は、本実施の形態で採用したディスクの構成や初期化装置の構成に対して求められた値であり、この範囲内でのみ本発明が有効であるというものではない。例えば、ディスクの構成や、初期化装置の構成により、最適範囲は変化してもよい。
以上のように、BCA領域とデータエリアとで異なる初期化条件を用いる場合、より具体的には、BCA領域においてレーザパワー、線速度、デフォーカス量を調整し、単位面積あたりのレーザパワー密度をデータエリアでの初期化条件より低くした初期化条件を用いる場合には、第2の情報層6を誤って初期化することがなくなることがわかる。
また、(表1〜3)より、半径21.9mm(BCA領域中の半径位置)と半径22.1mm(データエリア中の半径位置)での初期化部の反射率の差が0.2%以上あり、かつ半径21.9mmでの反射率の方が低い場合に、第2の情報層6が初期化されていない。なお、単位面積あたりのレーザパワー密度が低すぎる場合にも上記反射率の差が生じているが、この場合は、もともと初期化が均一にできていないため初期化工程エラーとなる。
ここで、半径方向が0.2mm程度の差では、各層の膜厚分布による反射率の差はほとんどないと考えられる。このため、(表1〜3)のディスク反射率の差は、初期化条件が異なることによる差であると考えられる。例えば、単位面積あたりのレーザパワー密度が高い場合には、初期化の度合いが進み、反射率が高くなる。但し、ある程度以上レーザパワー密度が高くなると、反射率は飽和する。このため、半径0.2mm以内で0.2%以上の反射率差がある場合には、上記反射率の差は、初期化条件の差により生じたものと判断できる。
なお、本実施の形態では、レーザパワー、線速度、デフォーカス量の各パラメーターを個別に変化させ、単位面積あたりのレーザパワー密度を変化させた。一方、これらのパラメーターを組み合わせて、レーザパワー密度を変化させた場合にも同様の結果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、初期化を内周から外周に向かって行った。一方、外周から内周に向かって初期化を行った場合にも同様の結果を得ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態に記載の技術は、上述の課題の2つ目を解決するものであり、第2の情報層を初期化中、フォーカスがはずれ、初期化が止まることを防止するものである。
第2の情報層6を初期化する場合において、第1の情報層3におけるBCA領域(第1領域:図1参照)と同一半径の領域(第3領域:図1参照)と、第1の情報層3におけるデータエリア(第2領域:図1参照)と同一半径の領域(第4領域:図1参照)とで、初期化パワー、線速度、デフォーカス量を変化させた場合の初期化安定性を検討した結果について述べる。本実施の形態で用いたディスク構成や初期化装置等は、実施の形態1と同じものであるため、詳しい説明を省略する。
第1の情報層3では、予め半径21〜22mmまでのBCA領域においてBCAを初期化工程により設け、さらに、半径22〜59mmまでのデータエリアにおいて初期化を行っておいた。
本実施の形態では、引き続き、第2の情報層6の半径21〜59mmまでの領域を初期化する。その際、第1の情報層3のBCA領域と同一半径である半径21〜22mmの領域では、半径22〜59mmの領域に対して事前に求めた適正な初期化条件(第4初期化条件)を変化させた初期化条件(第3初期化条件)を用いて初期化を行い、半径22〜59mmの領域では事前に求めた適正な初期化条件で初期化を行った。この際、第2の情報層6の初期化処理が途中で止まらずに最後まで行われるかどうかを確認した。
ここで、実施の形態1で記載したように、第2の情報層6のデータエリアで求められた適正な初期化条件は、デフォーカス量+3μm、線速度3m/s、送りピッチ40μm、レーザパワー870〜930mW(本実施の形態では900mWで実施)であった。
第2の情報層6の半径21〜22mmの領域の初期化において、「線速度を3m/s」、「デフォーカス量を+3m」と一定とした上で「初期化レーザパワーを変化」させた場合の結果を(表4)に、「初期化レーザパワーを900mW」、「デフォーカス量を+3μm」と一定にした上で「線速度を変化」させた場合の結果を(表5)に、「初期化レーザパワーを900mW」、「線速度を3m/s」と一定とした上で「デフォーカス量を変化」させた場合の結果を(表6)に示す。
さらに、それぞれの表では、それぞれの初期化条件を用いた場合の、第2の情報層6の半径位置r3=21.9mmと半径位置r4=22.1mmとにおける反射率を示す(図1参照)。より具体的には、半径位置r3は、第2の情報層6においてBCA領域(第1領域)に対応する半径の領域(第3領域)中の半径位置であり、データエリア(第4領域)に近接した半径位置である。また、半径位置r4は、第2の情報層6においてデータエリア(第4領域)中の半径位置であり、BCA領域(第1領域)に対応する半径の領域(第3領域)に近接した半径位置である。さらに、反射率は、半径位置r3と半径位置r4とからの波長405nmの反射光のミラー部における反射率を示す。
Figure 2005196942
Figure 2005196942
Figure 2005196942
(表4)より、次の事実が確認される。
第2の情報層6の半径21〜22mmの領域の初期化処理をデータエリアでの適正レーザパワーである870〜930mW以下で行うと、半径21〜22mmの領域の途中でフォーカスがはずれてしまい、初期化処理が止まってしまう。そこで、レーザパワーを適正レーザパワーより上げることで、途中でフォーカスがはずれることがなくなり、初期化処理が止まることなく初期化歩留まりが改善した。例えば、930mWを超えるレーザパワーで、より好ましくは、960mW以上のレーザパワーで初期化処理を行うのがよい。
また、BCA領域に対応する領域の初期化レーザパワーをデータエリアでの初期化レーザパワーの、+6.7%以上とした場合(レーザパワーを上げた場合)に良好な結果が得られた。なお、この値の範囲は、本実施の形態で採用したディスクの構成や初期化装置の構成に対して求められた値であり、この範囲内でのみ本発明が有効であるというものではない。例えば、ディスクの構成や、初期化装置の構成により、最適範囲は変化してもよい。
(表5)より、次の事実が確認される。
第2の情報層6の半径21〜22mmの領域の初期化処理をデータエリアでの適正線速度である3.0m/s以上で行うと、半径21〜22mmの領域の途中でフォーカスがはずれてしまい、初期化処理が止まってしまう。そこで、線速度を適正線速度より遅くすることで、途中でフォーカスがはずれることがなくなり、初期化処理が止まることなく初期化歩留まりが改善した。例えば、3.0m/s未満の線速度で、より好ましくは、2.7m/s以下の線速度で初期化処理を行うのがよい。
また、BCA領域に対応する領域の線速度をデータエリアでの線速度の−10%未満とした場合(線速度をより下げた場合)に良好な結果が得られた。なお、この値の範囲は、本実施の形態で採用したディスクの構成や初期化装置の構成に対して求められた値であり、この範囲内でのみ本発明が有効であるというものではない。例えば、ディスクの構成や、初期化装置の構成により、最適範囲は変化してもよい。
(表6)より、次の事実が確認される。
第2の情報層6の半径21〜22mmの領域の初期化処理をデータエリアでの適正デフォーカス量である+3μmよりさらにデフォーカスして行うと、半径21〜22mmの領域の途中でフォーカスがはずれてしまい、初期化処理が止まってしまう。そこで、よりジャストフォーカスにすることで、途中でフォーカスがはずれることがなくなり、初期化処理が止まることなく初期化歩留まりが改善した。例えば、+3μm未満の焦点位置で、より好ましくは、+2.5μm以下の焦点位置で初期化処理を行うのがよい。
また、BCA領域に対応する領域のデフォーカス量をデータエリアでのデフォーカス量の−16.7%未満とした場合(デフォーカス量をより下げた場合)に良好な結果が得られた。なお、この値の範囲は、本実施の形態で採用したディスクの構成や初期化装置の構成に対して求められた値であり、この範囲内でのみ本発明が有効であるというものではない。例えば、ディスクの構成や、初期化装置の構成により、最適範囲は変化してもよい。
以上のように、第2の情報層6の半径21〜22mmの領域(BCA領域と同一半径の領域)と半径22〜59mmの領域(第1の情報層のデータエリアと同一半径の領域)とで異なる初期条件を用いる場合、より具体的には、半径21〜22mmの領域においてレーザパワー、線速度、デフォーカス量を調整し、単位面積あたりのレーザパワー密度を半径22〜59mmの領域の初期化条件より高くした初期条件を用いる場合には、フォーカスが途中ではずれることもなく、初期化工程での歩留まりが改善することがわかる。
ここで、フォーカスが途中ではずれなくなる理由は、次のように考えられる。
初期化処理は、レーザ光を1周毎に少しずつ半径方向にずらして(少しずつオーバーラップするように)行う。本実施の形態では、100μmのビーム径に対して、送りピッチを40μmとしているので、1周目で結晶化された100μmのうち60μmは、次の周回でも初期化レーザ光が照射されることになる。従来、第2の情報層6においてBCA領域と同一半径の領域でフォーカスがはずれるのは、BCA領域の未初期化部の反射率が高いためであると考えられる。一方、本実施の形態のように、単位面積あたりのレーザパワー密度をあげることで、半径方向に初期化される領域が広がり、BCA領域の未初期化部からの反射光が減少し、フォーカスがはずれにくくなっているものと考えられる。
また、(表4〜6)より、半径21.9mm(BCA領域と同一半径の領域中の半径位置)と半径22.1mm(データエリア中の半径位置)での初期化部の反射率の差が0.2%以上あり、かつ半径21.9mmでの反射率の方が高い場合に、第2の情報層6の初期化が半径21〜22mmでストップしてしまわない。
ここで、半径方向が0.2mm程度の差では、各層の膜厚分布による反射率の差はほとんどないと考えられる。このため、(表4〜6)のディスク反射率の差は、初期化条件が異なることによる差であると考えられる。例えば、単位面積あたりのレーザパワー密度が高い場合には、初期化の度合いが進み、反射率が高くなる。但し、ある程度以上レーザパワー密度が高くなると、反射率は飽和する。このため、半径0.2mm以内で0.2%以上の反射率差がある場合には、上記反射率の差は、初期化条件の差により生じたものと判断できる。
なお、本実施の形態では、レーザパワー、線速度、デフォーカス量の各パラメーターを個別に変化させ、単位面積あたりのレーザパワー密度を変化させた。一方、これらのパラメーターを組み合わせて、レーザパワー密度を変化させた場合にも同様の結果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、初期化を内周から外周に向かって行った。一方、外周から内周に向かって初期化を行った場合にも同様の結果を得ることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態に記載の技術は、上述の課題の2つ目を解決するものであり、第2の情報層を初期化中、フォーカスがはずれ、初期化が止まることを防止するものである。
第2の情報層6を初期化する場合において、第1の情報層3におけるBCA領域(第1領域:図1参照)と同一半径の領域(第3領域:図1参照)と、第1の情報層3におけるデータエリア(第2領域:図1参照)と同一半径の領域(第4領域:図1参照)とで、初期化レーザ光の送りピッチを変化させた場合の初期化安定性を検討した結果について述べる。本実施の形態で用いたディスク構成や初期化装置等は、実施の形態1と同じものであるため、詳しい説明を省略する。
第1の情報層3では、予め半径21〜22mmまでのBCA領域においてBCAを初期化工程により設け、さらに、半径22〜59mmまでのデータエリアにおいて初期化を行っておいた。
本実施の形態では、引き続き、第2の情報層6の半径21〜59mmの領域を初期化する。その際、第1の情報層3のBCA領域と同一半径である半径21〜22mmの領域では、半径22〜59mmの領域に対して事前に求めた適正な送りピッチを変化させた送りピッチを用いて初期化を行い、半径22〜59mmの領域では事前に求めた適正な送りピッチを用いて初期化を行った。この際、第2の情報層6の初期化処理が途中で止まらずに最後まで行われるかどうかを確認した。
ここで、実施の形態1で記載したように、第2の情報層6のデータエリアで求められた適正な初期化条件は、デフォーカス量+3μm、線速度3m/s、送りピッチ40μm、レーザパワー870〜930mW(本実施の形態では900mWで実施)であった。
第2の情報層6の半径21〜22mmの領域の初期化において、「線速度を3m/s」、「デフォーカス量を+3μm」、「初期化レーザパワーを900mW」とし、「送りピッチを変化」させた場合の結果を(表7)に示す。
さらに、(表7)では、それぞれの初期化条件を用いた場合の、第2の情報層6の半径位置r3=21.9mmと半径位置r4=22.1mmとにおける反射率を示す。より具体的には、半径位置r3は、第2の情報層6においてBCA領域(第1領域)に対応する半径の領域(第3領域)中の半径位置であり、データエリア(第4領域)に近接した半径位置である。また、半径位置r4は、第2の情報層6においてデータエリア(第4領域)中の半径位置であり、BCA領域(第1領域)に対応する半径の領域(第3領域)に近接した半径位置である。さらに、反射率は、半径位置r3と半径位置r4とからの波長405nmの反射光のミラー部における反射率を示す。
Figure 2005196942
(表7)より、次の事実が確認される。
第2の情報層6の半径21〜22mmの領域の初期化処理をデータエリアでの適正な送りピッチである40μm以上の送りピッチで行うと、半径21〜22mmの領域の途中でフォーカスがはずれてしまい、初期化処理が止まってしまう。そこで、送りピッチをデータエリアでの適正な送りピッチより狭くすることで、途中でフォーカスがはずれることがなくなり、初期化処理がとまることなく初期化歩留まりが改善した。例えば、40μm未満の送りピッチで、より好ましくは、30μm以下の送りピッチで初期化処理を行うのがよい。
ここで、フォーカスが途中ではずれなくなる理由は、実施の形態2でも述べたように、送りピッチを狭くすることでBCA領域の未初期化部からの反射光が減少し、フォーカスがはずれにくくなっているものと考えられる。
また、BCA領域に対応する領域の送りピッチをデータエリアでの初期化レーザ光の送りピッチの−25%未満とした場合(送りピッチをより狭くした場合)に良好な結果が得られた。なお、この値の範囲は、本実施の形態で採用したディスクの構成や初期化装置の構成に対して求められた値であり、この範囲内でのみ本発明が有効であるというものではない。例えば、ディスクの構成や、初期化装置の構成により、最適範囲は変化してもよい。
また、(表7)より、半径21.9mm(BCA領域と同一半径の領域中の半径位置)と半径22.1mm(データエリア中の半径位置)での初期化部の反射率の差が0.2%以上あり、かつ半径21.9mmの方が高い場合に、第2の情報層6の初期化が半径21〜22mmでストップしてしまわない。
ここで、半径方向が0.2mm程度の差では、各層の膜厚分布による反射率の差はほとんどないと考えられる。このため、(表7)のディスク反射率の差は、初期化条件が異なることによる差と考えられる。例えば、送りピッチが狭いということは、一度初期化された部分(結晶化された部分)に再度、レーザパワーを与えてよりその初期化の度合いを進めていることになる。そのため、反射率が高くなる。半径0.2mm以内で0.2%以上の反射率差がある場合には、上記反射率の差は、初期化条件の差により生じたものと判断できる。
なお、本実施の形態では、初期化を内周から外周に向かって行った。一方、外周から内周に向かって初期化を行った場合にも同様の結果を得ることができる。
また、本実施の形態に用いたディスクを光学顕微鏡で観察すると、初期化状態の差による縞模様のピッチが初期化条件である送りピッチにより違って見えた。この縞模様は、初期化レーザビームの重なりによる初期化度合いの差の違いで生じる。このように送りピッチの違いは、縞模様の違いとして光学顕微鏡で観察することができる。
(実施の形態1〜3の変形例)
実施の形態1と実施の形態2と実施の形態3とにおいて説明した技術は、それぞれ独立して用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよい。より具体的には、第1の情報層3を実施の形態1で説明した技術により初期化するとともに、第2の情報層6を実施の形態2や実施の形態3で説明した技術により初期化してもよい。
また、上記実施の形態においては、2層の情報層を有するディスクの初期化について記載を行った。しかし本発明をさらに多層の情報層を有するディスクの初期化に適用することも可能である。
本発明の光学的情報記録媒体およびその製造方法は、片面多層光ディスクの初期化方法として、その生産性向上の観点から有用である。
本発明の実施の形態に用いた光ディスクの構造図 本発明の実施の形態に用いた光ディスクの初期化のためのフォーカスエラー信号の図 本発明の実施の形態に用いた光ディスクの構造図 本発明の実施の形態に用いた光ディスクの初期化装置の構造図
符号の説明
1 基板
2 基板表面
3 第1の情報層
4 光学分離層
5 光学分離層の表面
6 第2の情報層
7 光透過層
8 反射層
9 保護層
10 記録層
11 保護層
12 反射層
13 保護層
14 記録層
15 保護層

Claims (28)

  1. 円盤状の基板の上に、半径方向帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるバーストカッティングエリア(以下、BCAという)を有する情報層が形成された光学的情報記録媒体の製造方法であって、
    レーザパワー、線速度、レーザ光の前記情報層に対する焦点位置のうち少なくとも1つを含む第1初期化条件により、前記情報層の半径r1〜半径r2の領域(以下、第1領域という)に初期化部分と未初期化部分を設けることで前記BCAを形成しつつ、前記第1領域の初期化を行う第1領域初期化工程と、
    前記第1初期化条件と、レーザパワー、線速度、レーザ光の前記情報層に対する焦点位置のうち少なくとも1つが異なる第2初期化条件により、前記情報層の前記第1領域以外の領域(以下、第2領域という)の初期化を行う第2領域初期化工程と、
    を含むことを特徴とする、
    光学的情報記録媒体の製造方法。
  2. 前記光学的情報記録媒体には、円盤状の前記基板の上に、複数の情報層と光透過層とがこの順に形成され、かつ前記複数の情報層の間に光学分離層が設けられており、
    前記複数の情報層は、前記レーザ光の照射によって、アモルファス相と結晶相の間で光学的に検出可能な可逆的変化を生じる記録層を少なくとも有しており、
    前記複数の情報層のうち少なくとも1つの情報層は、前記BCAを有している、
    請求項1に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  3. 前記第1領域を初期化する際の前記第1初期化条件におけるレーザパワーは、前記第2初期化条件におけるレーザパワーより低いことを特徴とする、
    請求項1または2に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  4. 前記第1領域を初期化する際の前記第1初期化条件における線速度は、前記第2初期化条件における線速度より速いことを特徴とする、
    請求項1または2に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  5. 前記第1領域を初期化する際の前記第1初期化条件における焦点位置は、前記第2初期化条件における焦点位置より前記情報層から離れた位置であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  6. 円盤状の基板の上に、半径方向帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるバーストカッティングエリア(以下、BCAという)を有する情報層(以下、第1情報層という)を含む複数の情報層が形成された光学的情報記録媒体の製造方法であって、
    前記第1情報層の半径r1〜半径r2の領域に初期化部分と未初期化部分を設けることで形成された前記BCAを有しない情報層(以下、第2情報層という)の半径r1〜r2の領域(以下、第3領域という)を初期化する工程であって、レーザパワー、線速度、レーザ光の前記第2情報層に対する焦点位置、前記レーザ光の送りピッチのうち少なくとも1つを含む第3初期化条件により、前記第2情報層の前記第3領域の初期化を行う第3領域初期化工程と、
    前記第3初期化条件と、レーザパワー、線速度、レーザ光の前記第2情報層に対する焦点位置、レーザ光の送りピッチのうち少なくとも1つが異なる第4初期化条件により、前記第2情報層の前記第3領域以外の領域(以下、第4領域という)の初期化を行う第4初期化工程と、
    を含むことを特徴とする、
    光学的情報記録媒体の製造方法。
  7. 前記第3領域を初期化する際の前記第3初期化条件におけるレーザパワーは、前記第4初期化条件におけるレーザパワーより高いことを特徴とする、
    請求項6に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  8. 前記第3領域を初期化する際の前記第3初期化条件における線速度は、前記第4初期化条件における線速度より遅いことを特徴とする、
    請求項6に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  9. 前記第3領域を初期化する際の前記第3初期化条件における焦点位置は、前記第4初期化条件における焦点位置より前記第2情報層に近い位置であることを特徴とする、
    請求項6に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  10. 前記第3領域を初期化する際の前記第3初期化条件における送りピッチは、前記第4初期化条件における送りピッチより狭いことを特徴とする、
    請求項6に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  11. 前記光学的情報記録媒体は、前記BCAを有する情報層を第1情報層、前記BCAを有しない情報層を第2情報層とし、結晶化するためのレーザ光の波長における前記第1情報層のアモルファス状態での反射率をRa1、結晶状態での反射率をRc1、前記第2情報層のアモルファス状態での反射率をRa2、結晶状態での反射率をRc2とした場合、Ra1>Ra2、かつRc1<Rc2であることを特徴とする、
    請求項1〜10のいずれかに記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  12. 前記第1情報層と前記第2情報層とは、1つの光学ヘッドを用いて前記第1情報層、前記第2情報層の順に初期化されることを特徴とする、
    請求項11に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  13. 円盤状の基板の上に、半径方向帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるバーストカッティングエリア(以下、BCAという)を有する情報層が形成された光学的情報記録媒体であって、
    前記情報層の半径r1〜半径r2の領域(以下、第1領域という)には初期化部分と未初期化部分を設けることで前記BCAが形成されており、
    前記情報層の第1領域以外の領域(以下、第2領域という)に近接する前記第1領域の初期化部分の半径位置をr3、前記第1領域に近接する前記第2領域の初期化部分の半径位置をr4としたとき、前記情報層の半径位置r3と半径位置r4とにおける反射率が異なることを特徴とする、
    光学的情報記録媒体。
  14. 円盤状の前記基板と、
    前記基板の上に形成され、レーザ光の照射によって、アモルファス相と結晶相の間で光学的に検出可能な可逆的変化を生じる記録層を少なくとも有する複数の情報層と、
    前記複数の情報層のそれぞれの間に形成された光学分離層と、
    前記複数の情報層の上に形成された光透過層と、
    を備え、
    前記複数の情報層のうち少なくとも1つの情報層は、前記BCAを有している、
    請求項13に記載の光学的情報記録媒体。
  15. 前記BCAを有する前記情報層の前記半径位置r3における反射率は、前記半径位置r4における反射率より低いことを特徴とする、
    請求項13または14に記載の光学的情報記録媒体。
  16. 前記第1領域と、前記第2領域とは、レーザパワー、線速度、レーザ光の前記情報層に対する焦点位置のうち少なくとも1つが異なる初期化条件でそれぞれ初期化されていることを特徴とする、
    請求項13または14に記載の光学的情報記録媒体。
  17. 前記第1領域を初期化する初期化条件のレーザパワーは、前記第2領域を初期化する初期化条件のレーザパワーより低いことを特徴とする、
    請求項16に記載の光学的情報記録媒体。
  18. 前記第1領域を初期化する初期化条件の線速度は、前記第2領域を初期化する初期化条件の線速度より速いことを特徴とする、
    請求項16記載の光学的情報記録媒体。
  19. 前記第1領域を初期化する初期化条件の焦点位置は、前記第2領域を初期化する初期化条件の焦点位置より前記情報層から離れた位置であることを特徴とする、
    請求項16記載の光学的情報記録媒体。
  20. 円盤状の基板の上に、半径方向帯び状に反射率の異なるバーコード状の部分からなるバーストカッティングエリア(以下、BCAという)を有する情報層(以下、第1情報層という)を含む複数の情報層が形成された光学的情報記録媒体であって、
    前記第1情報層の半径r1〜半径r2の領域には初期化部分と未初期化部分を設けることで前記BCAが形成されており、
    前記BCAを有しない情報層(以下、第2情報層という)の半径r1〜r2の領域(以下、第3領域という)以外の領域(以下、第4領域という)に近接する前記第3領域の初期化部分の半径位置をr3、前記第3領域に近接する前記第4領域の初期化部分の半径位置をr4としたとき、前記第2情報層の半径位置r3と半径位置r4とにおける反射率が異なることを特徴とする、
    光学的情報記録媒体。
  21. 前記第2情報層の前記半径位置r3における反射率は、前記半径位置r4における反射率より低いことを特徴とする、
    請求項20に記載の光学的情報記録媒体。
  22. 前記第3領域と、前記第4領域とは、レーザパワー、線速度、レーザ光の前記第2情報層に対する焦点位置、レーザ光の送りピッチのうち少なくとも1つが異なる初期化条件でそれぞれ初期化されていることを特徴とする、
    請求項20に記載の光学的情報記録媒体。
  23. 前記第3領域を初期化する初期化条件のレーザパワーは、前記第4領域を初期化する初期化条件のレーザパワーより高いことを特徴とする、
    請求項22に記載の光学的情報記録媒体。
  24. 前記第3領域を初期化する初期化条件の線速度は、前記第4領域を初期化する初期化条件の線速度より遅いことを特徴とする、
    請求項22に記載の光学的情報記録媒体。
  25. 前記第3領域を初期化する初期化条件の焦点位置は、前記第4領域を初期化する初期化条件の焦点位置より前記第2情報層に近い位置であることを特徴とする、
    請求項22に記載の光学的情報記録媒体。
  26. 前記第3領域を初期化する初期化条件の送りピッチは、前記第4領域を初期化する初期化条件の送りピッチより狭いことを特徴とする、
    請求項22に記載の光学的情報記録媒体。
  27. 前記BCAを有する情報層、あるいは前記BCAを有しない情報層における半径位置r3と半径位置r4とにおける反射率の差が0.2%以上あることを特徴とする、
    請求項13〜15、20、21のいずれかに記載の光学的情報記録媒体。
  28. 前記半径位置r3と前記半径位置r4との距離は、0.2mm以下であることを特徴とする、
    請求項13〜15,20、21、27のいずれかに記載の光学的情報記録媒体。
JP2004349502A 2003-12-08 2004-12-02 光学的情報記録媒体の製造方法 Expired - Fee Related JP4397801B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004349502A JP4397801B2 (ja) 2003-12-08 2004-12-02 光学的情報記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003408594 2003-12-08
JP2004349502A JP4397801B2 (ja) 2003-12-08 2004-12-02 光学的情報記録媒体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005196942A true JP2005196942A (ja) 2005-07-21
JP4397801B2 JP4397801B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=34828869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004349502A Expired - Fee Related JP4397801B2 (ja) 2003-12-08 2004-12-02 光学的情報記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4397801B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007323776A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Toshiba Corp 光記録媒体、情報記録方法、情報再生方法
JP2008004151A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Toshiba Corp 片面多層光ディスク、bca記録装置、bca記録方法及び光ディスク装置
JP2011018442A (ja) * 2010-09-22 2011-01-27 Toshiba Corp 多層光ディスク、情報記録方法、情報再生方法、およびディスクドライブ
JP2011138606A (ja) * 2011-03-07 2011-07-14 Toshiba Corp 光記録媒体、情報記録方法、情報再生方法
US8023394B2 (en) 2006-05-10 2011-09-20 Nec Corporation Optical data recording medium and method of manufacturing the same
JP2012133885A (ja) * 2012-04-09 2012-07-12 Toshiba Corp 多層光ディスク、情報記録方法、情報再生方法、およびディスクドライブ
JP2012164372A (ja) * 2011-02-03 2012-08-30 Sony Corp 光情報記録媒体の製造方法および光情報記録媒体
US8509049B2 (en) 2006-06-02 2013-08-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical recording medium having intermediate layer of prescribed thickness and thickness range for use with 405nm laser
US8743672B2 (en) 2011-08-08 2014-06-03 Panasonic Corporation Optical disk manufacturing apparatus and optical disk manufacturing method

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8023394B2 (en) 2006-05-10 2011-09-20 Nec Corporation Optical data recording medium and method of manufacturing the same
JP2007323776A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Toshiba Corp 光記録媒体、情報記録方法、情報再生方法
US7778144B2 (en) 2006-06-02 2010-08-17 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical recording medium, information recording method, and information reproducing method
US7864654B2 (en) 2006-06-02 2011-01-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical recording medium, information recording method, and information reproducing method
US8509049B2 (en) 2006-06-02 2013-08-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical recording medium having intermediate layer of prescribed thickness and thickness range for use with 405nm laser
US8593930B2 (en) 2006-06-02 2013-11-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical recording medium, information recording method, and information reproducing method
JP2008004151A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Toshiba Corp 片面多層光ディスク、bca記録装置、bca記録方法及び光ディスク装置
JP2011018442A (ja) * 2010-09-22 2011-01-27 Toshiba Corp 多層光ディスク、情報記録方法、情報再生方法、およびディスクドライブ
JP2012164372A (ja) * 2011-02-03 2012-08-30 Sony Corp 光情報記録媒体の製造方法および光情報記録媒体
JP2011138606A (ja) * 2011-03-07 2011-07-14 Toshiba Corp 光記録媒体、情報記録方法、情報再生方法
US8743672B2 (en) 2011-08-08 2014-06-03 Panasonic Corporation Optical disk manufacturing apparatus and optical disk manufacturing method
JP2012133885A (ja) * 2012-04-09 2012-07-12 Toshiba Corp 多層光ディスク、情報記録方法、情報再生方法、およびディスクドライブ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4397801B2 (ja) 2010-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7292525B2 (en) Optical information recording method and apparatus for multiple recording layer medium
JP2005174528A (ja) 光ディスク及びその製造方法並びに記録再生装置
WO2001004888A1 (fr) Support d'enregistrement d'information optique et procede d'initialisation correspondant
JP4397801B2 (ja) 光学的情報記録媒体の製造方法
EP1542210B1 (en) Optical information recording medium and method for manufacturing the medium
US7813258B2 (en) Optical information recording medium and optical information reproducing method
JP4209557B2 (ja) 光学情報記録媒体およびその初期化方法
US20050259552A1 (en) Method and apparatus for initializing recording films of optical recording medium and optical recording medium
TW200305150A (en) Method for reproducing information from optical recording medium, information reproducer, and optical recording medium
KR100912150B1 (ko) 광학적 정보기록매체
WO2003067582A1 (en) Method for initializing optical recording medium
JP5229222B2 (ja) 光学情報記録媒体及び光学情報再生装置,光学情報再生方法,光学情報再生用プログラム
JP2008097794A (ja) 片面2層光記録媒体
JP2007172671A (ja) パワー決定方法、片面多層光ディスク、記録方法、プログラム及び記録媒体、並びに光ディスク装置
EP1501086A1 (en) Method and apparatus for recording/reproducing optical information
JP2001148140A (ja) 書換え可能型コンパクトディスク及びその製造方法
JP2003323744A (ja) 光ディスク
JP2009026374A (ja) 光情報媒体
JP2009026430A (ja) 光情報媒体
JP2005149588A (ja) 情報記録媒体およびその製造方法
JP2007207427A (ja) 光ディスクの記録再生装置、再生方法及び製造方法
JP2007103007A (ja) 光ディスク及びその製造方法並びに記録再生装置
JP2009032307A (ja) 光情報媒体
JP2007066403A (ja) 光情報記録媒体
JP2012018730A (ja) 光記録再生方法、光記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090424

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090929

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091021

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees