JP3250989B2 - 光学情報記録媒体、その記録再生方法、その製造法及び光学情報記録再生装置 - Google Patents

光学情報記録媒体、その記録再生方法、その製造法及び光学情報記録再生装置

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    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2403Layers; Shape, structure or physical properties thereof
    • G11B7/24035Recording layers
    • G11B7/24038Multiple laminated recording layers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
大容量の情報を記録及び再生する光学情報記録媒体、特
に光ディスク、及び、その記録再生に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光を用いて信号を再生する、いわ
ゆる再生専用の光学情報記録媒体には、コンパクトディ
スク(CD)と称される光ディスク、レーザディスク
(LD)と称される光ディスク、デジタルビデオディス
ク(DVD)と称される光ディスクなどがある。現在、
市販されている再生専用の光学情報記録媒体のうち、最
も高密度に信号が記録されているものはDVDである。
直径120mmの再生専用DVDは、ユーザ容量が最大
で4.7GBの片面読み出し単層タイプ、最大9.4GB
の両面読み出し単層タイプ、最大8.5GBの片面読み
出し2層タイプなどのフォーマットが規格で決められて
いる。たとえば、片面読み出し2層タイプの光ディスク
では、2つの情報層が備えられ、光ディスクの一方の側
からのレーザ光を用いて、2つの情報層のいずれに記録
されている信号をも再生できる。多層構造の再生専用光
ディスクを製造する方法は、たとえば米国特許第5,1
26,996号に示されている。
【0003】また、レーザ光を用いて信号が記録及び再
生される光学情報記録媒体として、相変化型光ディス
ク、光磁気ディスク、色素ディスクなどがある。このな
かで、記録・消去可能な相変化型光ディスクでは、記録
層材料としては一般的にカルコゲン化物を用いる。一般
には、記録層材料が結晶状態の場合を未記録状態とし、
レーザ光を照射し、記録層材料を溶融・急冷して非晶質
状態とすることにより、信号を記録する。一方、信号を
消去する場合は、記録時よりも低パワーのレーザ光を照
射して、記録層を結晶状態とする。カルコゲン化物から
なる記録層は非晶質で成膜されるので、予め記録領域の
全面を結晶化して未記録状態を得る必要がある。この初
期結晶化は、通常はディスク製造工程の一部に組み込ま
れており、レーザ光源またはフラッシュ光源を用いて記
録層を結晶状態にする。
【0004】記録・消去可能な相変化光ディスクへの信
号記録速度を高めるために、高線速度記録に適したいわ
ゆる光吸収補正構成の提案がなされている(たとえば特
開平5−298747号公報、特公平8−1707号公
報、特開平7−78354号公報、特開平7−2626
12号公報など)。これらの構成ではいずれも、記録の
ために照射するレーザ光に対する記録層の光吸収率が、
記録層が非晶質の場合よりも記録層が結晶の場合の方が
大きくなるように設計されている。光吸収補正を行って
いない通常の相変化光ディスクでは、記録のために照射
するレーザ光に対する記録層の光吸収率が、記録層が非
晶質の場合よりも記録層が結晶の場合の方が小さい。こ
の光ディスクでは、特に高線速度で記録を行う際、レー
ザ照射に伴う記録層の溶融到達温度が、レーザ照射前に
記録層が非晶質であった領域の方が、レーザ照射前に記
録層が結晶であった領域に比べて高くなることが知られ
ている。この原因は、記録層の溶融において、結晶相を
出発点とした場合には融点において潜熱の供給が必要と
なるが、非晶質を出発点とした場合にはその必要がない
ため、また、非晶質と結晶では前者の方が熱伝導度が小
さく効率的に加熱昇温されるため、と説明されている。
また、光吸収補正を行っていない光ディスクにおいて、
特に高線速度記録において到達溶融温度に大きな差が生
じるのは、レーザ照射による直接昇温以外の昇温効果、
即ち、レーザ照射点の前後からの熱拡散による昇温効果
が、低線速度記録の場合のそれと比べて小さいからであ
る。記録のためのレーザ照射前の記録層が非晶質か結晶
か、即ち、記録マークか未記録部かによって到達溶融温
度が変わる場合には、オーバライト(重ね書き)によっ
て新たに形成した記録マークの形状が歪むので、良好な
再生ジッタが得られない。光吸収補正は、記録層が非晶
質であるか結晶であるかに起因する昇温プロファイルの
差をキャンセルし、高線速度の記録においても良好なオ
ーバライト特性が得られるように提案された。
【0005】また、記録可能または記録消去可能な光デ
ィスクの記録密度を向上する観点から、基板表面に設け
た案内溝(グルーブ)と案内溝間(ランド)の双方に信
号を記録する、いわゆるランド&グルーブ記録の提案が
なされている(たとえば特開平5−282705号公
報)。
【0006】また、記録可能または記録消去可能な相変
化光ディスクの記録容量を増大する観点から片面2層構
成の光ディスクが提案されている(たとえば特開平9−
212917号公報)。片面2層構成の光ディスクは、
2つの相変化記録薄膜を備え、片面から光を入射してそ
れぞれの相変化記録薄膜で情報の記録と消去をする。複
数の記録薄膜を設けることにより記録容量を倍増させ
る。また、片面2層構成の相変化光ディスクの初期化方
法に関しては、2層の記録薄膜に同時に光照射を行って
初期化を短縮する提案がなされている(たとえば特開平
9−91700号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】記録・消去可能な片面
2層構成の光ディスクはすでに提案されている(たとえ
ば特開平9−212917号公報)が、以下のような課
題を解決する方法が見つかっていなかったため実用化に
至っていない。なお、以下の説明において、第1の情報
層とは記録・再生のためのレーザ光の入射側からみて手
前にある記録可能な記録薄膜を指し、第2の情報層とは
記録・再生のためのレーザ光の入射側からみて奥にある
記録可能な記録薄膜を指す。
【0008】1.信号の記録・消去・再生のためのレー
ザ光の波長において、透過率が高く、記録感度が高く、
ランド&グルーブ記録が可能で、記録・消去の繰り返し
特性が良好な第1の情報層の構成が見つかっていない。
【0009】2.信号の記録・消去・再生のためのレー
ザ光の波長において、記録感度が高く、未記録部の反射
率が十分高く、ランド&グルーブ記録が可能で、記録・
消去の繰り返し特性が良好な第2の情報層の構成が見つ
かっていない。
【0010】3.第1の情報層にも第2の情報層にも高
速でオーバライト可能な2層光ディスクの構成が見つか
っていない。
【0011】4.相変化記録薄膜を2層有する片面2層
タイプの光学情報記録媒体の初期結晶化においては、第
1の情報層と第2の情報層との初期結晶化感度が異なる
のが通常であるため、異なる初期化条件で初期化する必
要がある。ただし、それぞれの情報層にフォーカスサー
ボをかけて初期化する方法が発明されてはいる(たとえ
ば特開平9−91700号公報)が、分離層の厚さより
も焦点深度の狭い光学系を必要とされる。この点が、大
面積にレーザ光を照射して高速に初期化する初期化装置
を実現する場合に、課題となる。
【0012】5.第1の情報層の透過率が、第1の情報
層に信号を記録している場合と、信号を記録していない
場合で異なる。このため、第1の情報層に信号を記録し
ているか否かによって第2の情報層の再生信号振幅が異
なり、第2の情報層の読み取りエラーの原因となる。ま
た、第1の情報層に信号を記録しているか否かによって
第2の情報層の記録感度が異なり、第2の情報層におけ
る最適記録パワーを決定できない。
【0013】6.記録可能な多層構成の光学情報記録媒
体は、第2の情報層の再生を可能にするため、第1の情
報層の透過率を高くする必要がある。同時に第1の情報
層における光吸収率をある程度確保しないと、第1の情
報層に記録ができないため、第1の情報層の反射率は必
然的に低くなる。このため、第1の情報層に記録された
信号を良好に再生することが困難である。
【0014】7.第2の情報層に記録された信号は、光
吸収性のある第1の情報層を2度通過(往復)した再生
光で再生するため、再生信号が非常に小さい。このた
め、第2の情報層に記録された信号を良好に再生するこ
とが困難である。
【0015】本発明の主たる目的は、上記課題を解決し
た多層構成の記録・再生可能な光学情報記録媒体、その
記録再生方法、その製造法及び光学情報記録再生装置を
提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学情報記
録媒体は、光束の照射によって結晶状態と非結晶状態と
の間で可逆的な相変化をおこすことにより情報を記録し
得る第1の記録層を含む第1の情報層と、前記光束の照
射によって結晶状態と非結晶状態との間で可逆的な相変
化をおこすことにより情報を記録し得る第2の記録層を
含む第2の情報層とを備え、前記第1の記録層が結晶状
態にある場合の前記光束に対する前記第1の記録層の光
吸収率をA1c、前記第1の記録層が非結晶状態にある
場合の前記光束に対する前記第1の記録層の光吸収率を
A1a、前記第2の記録層が結晶状態にある場合の前記
光束に対する前記第2の記録層の光吸収率をA2c、前
記第2の記録層が非結晶状態にある場合の前記光束に対
する前記第2の記録層の光吸収率をA2aとしたとき A1a<A1c かつ A2a<A2c の関係を満たし、かつ、前記第1の記録層が結晶状態に
ある場合の前記光束に対する前記第1の情報層の反射率
をR1c、前記第1の記録層が非結晶状態にある場合の
前記光束に対する前記第1の情報層の反射率をR1aと
したとき、 R1a<R1c の関係を満たす。
【0017】
【0018】また、好ましくは、この光学情報記録媒体
において、第1の情報層と第2の情報層との間に、光束
を透過する透明層が配置されている。また、好ましく
は、前記透明層と前記第1の情報層との間、または、前
記透明層と前記第2の情報層との間の少なくとも一方に
オーバーコート層が形成されている。好ましくは、この
オーバーコート層がアクリル系樹脂からなり、透明層が
エポキシ系樹脂からなる。
【0019】また、好ましくは、この光学情報記録媒体
において、第1の記録層は、予め記録マークが形成され
た領域を含む。好ましくは、この光学情報記録媒体にお
いて、予め記録マークが形成された領域では、単位面積
当たりの前記記録マークの面積比が20%以上50%以
下である。
【0020】また、好ましくは、この光学情報記録媒体
において、前記第1の記録層の厚さが5nm以上9nm
以下である。また、好ましくは、この光学情報記録媒体
において、第1の記録層の記録材料がGe、Sb、Te
の3元素を主成分とする。
【0021】また、好ましくは、この光学情報記録媒体
において、第1の記録層は第1の誘電体層と第2の誘電
体層に挟まれており、窒化物または炭化物からなる界面
層が、第1の記録層と第1の誘電体層との間、または、
第1の記録層と第2の誘電体層との間の少なくとも一方
に配置されている。また、好ましくは、この光学情報記
録媒体において、第1の情報層と第2の情報層の記録デ
ータに関する情報を、第1の記録層と第2の記録層の少
なくとも一方に記録している。
【0022】
【0023】好ましくは、この光学情報記録媒体におい
て、前記第2の記録層が結晶状態にある場合の前記光束
に対する前記第2の情報層の反射率をR2c、前記第2
の記録層が非結晶状態にある場合の前記光束に対する前
記第2の情報層の反射率をR2aとしたとき、 R2a>R2c の関係を満たす。
【0024】
【0025】
【0026】本発明による光学情報記録媒体の製造法で
は、光束の照射によって結晶状態と非結晶状態との間で
可逆的な相変化をおこすことにより情報を記録し得る第
1の記録層を含む第1の情報層を形成し、前記光束の照
射によって結晶状態と非結晶状態との間で可逆的な相変
化をおこすことにより情報を記録し得る第2の記録層を
含む第2の情報層を形成する。そして、第1の情報層と
第2の情報層の少なくとも一方を初期結晶化させ、次
に、少なくとも一方を初期結晶化させた第1の情報層と
第2の情報層とを密着する。ここで、第1の記録層が結
晶状態にある場合の前記光束に対する第1の記録層の光
吸収率をA1c、第1の記録層が非結晶状態にある場合
の前記光束に対する第1の記録層の光吸収率をA1a、
第2の記録層が結晶状態にある場合の前記光束に対する
第2の記録層の光吸収率をA2c、第2の記録層が非結
晶状態にある場合の前記光束に対する第2の記録層の光
吸収率をA2aとしたとき、A1a<A1c かつ A
2a<A2cの関係を満たす。さらに、第1の記録層が
結晶状態にある場合の前記光束に対する第1の情報層の
反射率をR1c、第1の記録層が非結晶状態にある場合
の前記光束に対する第1の情報層の反射率をR1aとし
たとき、R1a<R1cの関係を満たす。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
の図面に基づいて説明する。なお、本発明はこの図面に
よって限定されるものではない。図1は本発明の一実施
の形態に係る多層光学情報記録媒体(光ディスク)の積
層構成の概略を示す半径方向の断面図である。この光デ
ィスクには、複数の情報層が備えられる。図1に示すよ
うに、光ディスクにおいて、基板1、第1の情報層2、
光学分離層3、第2の情報層4および基板5が順次積層
される。光学分離層3を介在して設けられる2つの情報
層2、4は、それぞれ、記録薄膜(図示しない)を備
え、情報は、2つの情報層2、4に記録される。
【0033】図2は、第1の情報層2と第2の情報層4
の構成の1例を示す。第1の情報層2は、保護層21、
界面層22、第1の記録層23、第2の界面層24、保
護層25が順次積層されたものである。また、第2の情
報層4は、半透明層41、保護層42、界面層43、第
2の記録層44、第2の界面層45、保護層46および
反射層47が順次積層されたものである。また、基板5
は保護基板である。記録及び再生を行うレーザ光は基板
1の側から入射させる。
【0034】以下に、多層光学情報記録媒体の各構成部
分について説明する。基板1は、ポリカーボネート、P
MMAなどの樹脂板、紫外線硬化樹脂、ガラス板、また
は、透明な無機質薄膜などからなり、基板の表面26
は、スパイラルまたは同心円状の連続溝(案内溝,トラ
ック)で覆われている。また、基板1はスピンコート法
によって形成される場合もある。この場合の1例とし
て、保護基板15の上に第2の情報層を成膜した後、表
面がスパイラルまたは同心円状の連続溝(案内溝,トラ
ック)で覆われた光学分離層を2P法で形成し、さらに
その上に第1の情報層を成膜する。スピンコート法で基
板1を形成する場合には、基板厚さは通常数10μm以
下となる。
【0035】保護層21、25、42、46の材料は、
物理的・化学的に安定であること、すなわち、第1の記
録層23や第2の記録層44に適用した材料の融点より
も、融点及び軟化温度が高く、かつ記録層材料と相固溶
しないことが望ましい。たとえば、Al23、SiOx
Ta25、MoO3、WO3、ZrO2、ZnS、AlNx、B
N、SiNx、TiN、ZrN、PbF2、MgF2などの
誘電体またはこれらの適当な組み合わせからなる。ただ
し、保護層21、25、42、46に供する材料は誘電
体や透明材料である必要はなく、たとえば、可視光線及
び赤外線に対して光吸収性をもつZnTeなどで形成し
てもよい。また、保護層21、25及び保護層42、4
6を異なる材料で形成すると、熱的及び光学的なディス
ク設計の自由度が大きくなる利点がある。もちろん同一
材料で形成してもよい。
【0036】界面層22、24、43、45は、その両
隣の層を構成する元素の相互拡散を抑制するために設け
られる。第1の記録層23は2つの保護層(誘電体層)
21、25に挟まれており、界面層22、24が、第1
の記録層23と保護層21との間、または、第1の記録
層23と誘電体層25との間の少なくとも一方に配置さ
れる。また、第2の記録層44は2つの保護層(誘電体
層)42、46に挟まれており、界面層43、45が、
第2の記録層44と保護層42との間、または、第2の
記録層44と誘電体層46との間の少なくとも一方に配
置される。界面層22、24、43、45の材料は、窒
化物または炭化物であり、たとえば一般式X-NやX-O
-Nで表される材料である。ただし、XはGe、Cr、S
i、Al、Teのうち少なくとも1つの元素を含む材料
が好ましいが、必須ではない。この界面層を設けること
により、第1及び/または第2の記録層23、44を構
成する元素と、保護層21、25、42、46の誘電体
層を構成する元素との相互拡散が抑制され、記録消去の
繰り返し特性が向上する。界面層の効果に関しては、た
とえば特開平4−52188号公報などに詳細な記載が
なされている。また、ダミー記録に関連しては後で説明
する。
【0037】第1の情報層2に含まれる第1の記録層2
3の材料と、第2の情報層4に含まれる第2の記録層4
4の材料は、結晶状態と非晶質状態との間で構造変化を
おこす物質であればよく、たとえばTe、InまたはS
eなどを主成分とする相変化材料である。よく知られた
相変化材料の主成分としては、Te-Sb-Ge、Te-
Ge、Te-Ge-Sn、Te-Ge-Sn-Au、Sb-S
e、Sb-Te、Sb-Se-Te、In-Te、In-S
e、In-Se-Tl、In-Sb、In-Sb-Se、I
n-Se-Teなどが挙げられる。これらの第1及び第2
の記録層23及び44は通常非晶質状態で成膜され、レ
ーザ光などのエネルギーを吸収して結晶化し、光学定数
(屈折率n、消衰係数k)が変化する。なかでも記録消
去の繰り返し特性が良好な材料及びその材料組成を実験
によって調べたところ、Ge、Sb、Teの3元素系を
主成分とした構成が好ましいことがわかった。それぞれ
の元素の原子量比をGexSbyTezと表すと、0.10
≦x≦0.35、0.10≦y、0.45≦z≦0.65
(ここにx+y+z=1)で表される組成が特に優れて
いる。
【0038】光学分離層3は、第1の情報層2と第2の
情報層4の間に配置される中間層であり、第1の情報層
と第2の情報層とをそれぞれ再生する場合に、他の情報
層からの再生信号の影響が無視しうるほど小さくなるよ
うにするために設けられる。光学分離層3の厚さは、通
常10μm以上100μm以下、望ましくは30μm以上
60μm以下である。光学分離層3に供する材料は、第
2の情報層4に信号を記録・再生するために照射するレ
ーザ光の波長に対して透明な材料であればよい。第1と
第2の情報層2、4を光学的に分離する機能を備える場
合もある。材料は、たとえばエポキシ系の紫外線硬化樹
脂などや、光ディスク貼り合わせ用の両面テープ(たと
えば日東電工(株)の粘着シートDA−8320)など
である。
【0039】光学分離層3はスピンコート法、2P法な
どによって作成される。光学分離層3を2P法で作成す
る場合には次の2通りの場合がある。第1の場合では、
基板1の上に第1の情報層2を成膜した後、表面がスパ
イラルまたは同心円状の連続溝(案内溝,トラック)の
凹凸パターンで覆われた光学分離層3を2P法で形成
し、さらにその上に第2の情報層4を成膜する。この場
合には、保護基板5はなくてもよい。もう1つの場合で
は、保護基板5の上に第2の情報層4を成膜した後、表
面がスパイラルまたは同心円状の連続溝(案内溝,トラ
ック)の凹凸パターンで覆われた光学分離層3を2P法
で形成し、さらにその上に第1の情報層2を成膜する。
この場合には、基板1はスピンコート法などで形成され
る。
【0040】半透過層41は、Au、Al、Siなどの
金属元素を主元素とした材料からなる。半透過層41
は、第2の記録層44における光吸収補正構成を実現容
易たらしめるため、備えることが好ましいが、必須では
ない。第2の情報層の記録感度を高める観点からいう
と、半透過層41の厚さは10nm以下、好ましくは5
nm以下が好ましい。また、半透過層の代わりに屈折率
の異なる2種類の誘電体層を積層することによっても、
半透過層と同様の光学特性を得ることができる。
【0041】反射層47は、Au、Al、Ni、Fe、
Crなどの金属元素またはこれらの合金からなる。反射
層47は、第2の記録層44への光吸収効率を高める働
きをするため、備えることが好ましい。
【0042】保護基板5は、たとえばスピンコートした
樹脂層でもよく、また、基板1と同様の樹脂板、ガラス
板としてもよい。光学分離層3の表面に第2の情報層4
の案内溝を2P法によって形成する場合には、保護基板
5の表面51は平面でよく、たとえば接着材を用いて第
2の情報層3の上に貼り合わせて形成することができ
る。また、光学分離層3の表面に第2の情報層4の案内
溝を形成しない場合には、保護基板5の表面51をスパ
イラルまたは同心円状の連続溝(案内溝,トラック)で
覆う。この場合には、保護基板5の表面51に直接第2
の情報層4が形成され、第1の情報層2と、光学分離層
3を介して貼り合わせることになる。
【0043】さらに、4層構造の光学情報記録媒体は、
2つの上述の片面2層光学情報記録媒体を第2の情報層
4どうしを内側にして接着剤を用いて貼り合わせること
により製造できる。4層構造の光学情報記録媒体では、
両面から記録と再生が可能である。
【0044】上述の第1の記録層23、第2の記録層4
4、保護層21、25、42、46、界面層22、2
4、43、45、半透過層41、反射層47などの各層
の形成法としては、通常、電子ビーム蒸着法、スパタリ
ング法、イオンプレーティング法、CVD法、レーザス
パタリング法などが適用される。
【0045】次に、第1の情報層2の基本構成について
述べる。第1の情報層2に求められる特性の中で特に重
要な特性は、高い透過率、高感度で高速でオーバライト
可能な光吸収補正構成、かつ、未記録部においてもある
程度大きな反射率である。透過率を大きくするために
は、第1の記録層23以外に光を吸収する層、たとえば
反射層などがない構造とするべきである。
【0046】光吸収補正構成とは前述のように、記録の
ためのレーザ光の波長に対して、第1の情報層2の第1
の記録層23が非晶質であるときの光吸収率A1aが、
第1の記録層23が結晶であるときの光吸収率A1cよ
りも低くなる構成である(A1a<A1c)。光吸収補
正を行っていない通常のディスク構成では、第1の情報
層の光吸収率が、第1の記録層が非晶質であるとき、第
1の記録層が結晶であるときよりも高くなる。そのよう
な構成では、6m/sを越える記録線速度では、十分に
高い消去特性を得ることが困難であることが実験的に明
らかになった。通常、記録のためのレーザ光の波長と再
生のためのレーザ光の波長は同一であるから、以下で
は、記録・再生のためのレーザ光の波長が同一であると
して説明を続ける。
【0047】非晶質状態と結晶状態の平均透過率を高
め、平均記録感度を高めるためには、第1の記録層23
が非晶質状態であるときにおける第1の情報層2の反射
率R1aと、第1の記録層23が結晶状態であるときに
おける第1の情報層2の反射率R1cのいずれか一方を
限りなく0に近づけることが好ましい。一方、未記録部
において反射率がある程度なければ、フォーカスサーボ
特性やトラッキングサーボ特性が得られない。また、ピ
ット列によって形成されたアドレス部を基板1の表面に
設ける場合には、そのアドレス信号を再生できない。前
述の通り、相変化材料を第1の記録層23に用いる書き
換え可能な光ディスクでは、通常、第1の記録層23が
結晶状態を未記録部に、また、非晶質状態を記録マーク
にあてる。すなわち、第1の記録層23が結晶状態であ
る場合の第1の情報層2の反射率を0に近づけることは
できない。それ故、第1の記録層23が非晶質状態であ
るときの第1の情報層2の反射率R1aを限りなく0に
近づけることが好ましい。すなわち、第1の情報層2に
おいて、記録部(記録層が結晶状態の場合)の反射率R
1cは、未記録部(記録層が非晶質状態の場合)の反射
率R1aよりも高くなければならない(R1a<R1
c)。
【0048】また、第1の情報層2において、ランド&
グルーブ記録に適した構成とするためには、第1の情報
層2に記録された信号を再生するために基板1を通して
照射するレーザ光に対して、第1の記録層23が非晶質
状態における第1の情報層2からの反射光の位相φ1a
と、第1の記録層23が結晶状態における第1の情報層
2からの反射光の位相φ1cとの関係が、 (2n−0.1)×π < φ1a−φ1c < (2n+0.
1)×π でなければならないことが光学シミュレーションにより
導かれた。たとえば、第1の情報層2において、第1の
記録層23を厚さ7nmのGe-Sb-Te(Ge:Sb:
Te=4:3:7)に選び、第1の情報層2を介して基
板1の側に100nmの厚さの保護層21を、基板1と反
対側に110nmの厚さの、ZnS-20mol%SiO2の保
護層25を形成したとする。この場合、上述の条件を満
足するとともに、良好な記録消去の繰り返しが得られる
ことを確かめた。これらの結果は、後で実施例において
詳述する。
【0049】次に、第2の情報層4の基本構成について
述べる。第2の情報層4に求められる特性の中で特に重
要な特性は、高い感度、高い反射率、高速でオーバライ
ト可能な光吸収補正構成である。光吸収補正構成とは、
前述のように、記録のためのレーザ光の波長に対して、
第2の情報層4の第2の記録層44が非晶質であるとき
の光吸収率A2aが、第2の記録層44が結晶であると
きの光吸収率A2aよりも低くなるような構成である。
光吸収補正を行っていない通常のディスク構成では、第
2の情報層の光吸収率が、第2の記録層が非晶質である
とき、第2の記録層が結晶であるときよりも高くなる。
そのような構成では、6m/sを越える記録線速度では
十分に高い消去特性を得ることが困難であることが、実
験的に明らかになった。非晶質状態と結晶状態の平均記
録感度を高めるために、第2の情報層4の透過率が小さ
ければ小さいほどよいことはいうまでもない。すなわ
ち、第2の情報層4に入射したレーザ光は、主に第2の
記録層44で吸収され、残りはできるだけ多くが反射さ
れることが望ましい。光吸収補正を実現する観点から、
第2の情報層4を、第2の記録層44が非晶質状態であ
るときの光吸収率A2aが、第2の記録層44が結晶状
態であるときの光吸収率A2cよりも小さくなるような
構成とする(A2a<A2c)。このため、効率的に入
射光のエネルギーを用いる観点からは、第2の記録層4
4が非晶質状態であるときの第2の情報層4の反射率R
2aが、第2の記録層44が結晶状態であるときの第2
の情報層4の反射率R2cよりも大きい方が望ましい
(R2a>R2c)。
【0050】また、第2の情報層4において、ランド&
グルーブ記録に適した構成とするためには、第2の情報
層4に記録された信号を再生するために基板1を通して
照射するレーザ光に対して、第2の記録層44が非晶質
状態であるときの第2の情報層4からの反射光の位相φ
2aと、第2の記録層44が結晶状態であるときの第2
の情報層4からの反射光の位相φ2cとの関係が、 (2n−0.1)×π < φ2a−φ2c < (2n+
0.1)×π でなければならないことが光学シミュレーションにより
導かれた。たとえば、光学分離層3の上の第2の情報層
4は、Auの半透明層41、ZnS-20mol%SiO2
保護層42、Ge-Sb-Te(Ge :Sb:Te=
4:2.7:7)の記録層44、ZnS-20mol%SiO
2の保護層46、Al-2at%Crの反射層47の順に、1
0nm、70nm、10nm、80nm、16nmの厚
さとした構成とする。この場合、上述の条件を満足する
とともに、良好な記録消去の繰り返しが得られることを
確かめた。これらの結果は、後で実施例において詳述す
る。
【0051】以上に第1と第2の情報層2、4を備える
光学情報記録媒体について、第1と第2の記録層を含む
第1と第2の情報層の光学的性質について説明した。上
述のように、レーザ光のパワーに制限がある現状では、
記録可能な多層構成の光ディスクにおいて、レーザ光入
射方向の手前の第1の情報層2は記録によって反射率が
小さくなる構成、レーザ光入射方向の奥の第2の情報層
4は記録によって反射率が大きくなる構成とすることに
よって(すなわち、R1a<R1cかつR2a>R2
c)、実際に使用可能な媒体の実現が可能になる。この
場合、記録された信号を再生するドライブは、反射率の
変化が逆向きの2つの層の情報を再生できるようなもの
でなければならないことはいうまでもない。もちろん、
将来レーザ光のパワーが飛躍的に高まった場合には、た
とえば、奥の第2の情報層4も記録によって反射率が小
さくなる構成として、両層の反射率変化の特性を揃える
ことも可能となる。ここで、好ましくは、さらに、第1
の記録層の光吸収率がA1a<A1cの関係を満たす。
また、好ましくは、第2の記録層の光吸収率がA2a<
A2cの関係を満たす。したがって、最も好ましくは、
第1と第2の情報層は、R1a<R1c、R2a>R2
c、A1a<A1cおよびA2a<A2cの関係を満た
す。また、別の解決法では、第1と第2の情報層を備え
る光学情報記録媒体について、第1の記録層の光吸収率
と第2の記録層の光吸収率とはA1a<A1cかつA2
a<A2cの関係を満たすことによって、実際に使用可
能な媒体の実現が可能になる。ここで、好ましくは、さ
らに、第1の情報層の反射率がR1a<R1cの関係を
満たす。また、好ましくは、第2の情報層の反射率がR
2a>R2cの関係を満たす。
【0052】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。相変化記録薄膜を2層有する片面2層タイプの
光学情報記録媒体の初期結晶化においては、第1の情報
層と第2の情報層の初期結晶化感度が異なるのが通常で
ある。このため、各情報層を異なる初期化条件で光を照
射し初期化する必要がある。第1及び第2のそれぞれの
情報層にフォーカスサーボをかけて初期化する方法が提
案されてはいる(たとえば特開平9−91700号公
報)が、この方法では分離層の厚さよりも焦点深度の狭
い光学系を必要とされる。この点が、大面積にレーザ光
を照射して高速に初期化する初期化装置を実現する場合
には課題となる。
【0053】そこで、光学分離層3を介して第1の情報
層2を密着形成する前に、第1の情報層2及び第2の情
報層4の少なくとも一方の記録層(記録薄膜)をレーザ
初期化装置を用いて初期化する。この新たな初期化方法
では、片面2層タイプの光学情報記録媒体の製造におい
て、まず、基板1の上に、記録層を含む第1の情報層2
を形成する。同様に、保護基板5の上に、記録層を含む
第2の情報層4を形成する。スパイラルまたは同心円状
の連続溝(案内溝,トラック)などの凹凸パターンは、
たとえば、基板1、保護基板5の上に形成される。両者
を光学分離層3を介して密着する前に、レーザ初期化装
置を用いて、第1の情報層2及び第2の情報層4の少な
くとも一方の記録層、たとえば第2の情報層4の記録
層、を初期化する。その後に、両情報層2、4を光学分
離層3を介在して密着する。この方法によると、焦点深
度の広い、すなわち比較的安価な初期化装置を用いて、
各々の情報層に応じた初期結晶化条件で記録層を初期化
できる。
【0054】第1の情報層2は透過率が高いので、基板
1の側からレーザ光を入射して初期結晶化させてもよい
し、基板1を通さずに第1の情報層2の側からレーザ光
を入射して初期結晶化させてもよい。一方、第2の情報
層4は透過率が低いので、保護基板5の側からレーザ光
を入射させて初期結晶化することは通常困難である。初
期化された2枚の基板を第1の情報層2と第2の情報層
4とが向き合うようにして密着する。密着の手法として
は、たとえば、エポキシ系紫外線硬化樹脂を用いて紫外
線を照射して硬化させる。この場合、密着層が光学分離
層3となるわけであるが、その厚さは、第1の情報層2
と第2の情報層4をそれぞれ再生する場合に、他の層か
らの再生信号の影響が無視しうるほど小さくなり、か
つ、できるだけ薄くなるように設定すればよい。
【0055】第1の情報層と第2の情報層とを貼り合わ
せてから、焦点深度が光学分離層の厚さに比べて広い、
すなわち、比較的安価な初期化装置を用いて両情報層を
初期結晶化する場合に、特に問題になるのは、第1の情
報層及び第2の情報層のうち、初期結晶化感度の比較的
低い層の場合である。すなわち、低感度層を十分なパワ
ーで初期化しようとすると、どうしても高感度層に最適
条件に比べ過剰の初期化パワーが供給され、ひどい場合
には、高感度層を破壊してしまう。それ故、第1の情報
層と第2の情報層のうち、低感度な層のみを密着前に初
期結晶化処理しておき、高感度な層は密着後に初期結晶
化をするようにしてもよい。各層の結晶化感度の大小
は、各情報層の構成や、初期結晶化に用いるレーザの波
長により変わりうる。
【0056】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。第1の情報層と第2の情報層との少なくともい
ずれかを密着前に初期結晶化すると、密着前に初期結晶
化した情報層の記録消去の繰り返し特性が、十分でない
ことがわかった。発明者等は、第1の情報層また第2の
情報層を、熱伝導率の小さい空気にさらしたまま初期結
晶化すると、不必要に熱が情報層に蓄積されて基板の熱
変形などの劣化を起こし、その結果記録消去の繰り返し
特性が低下すると考えた。そこで、密着前に初期結晶化
させる場合には、初期化する情報層の表面をオーバコー
ト層で覆うことを試みたところ、記録消去の繰り返し特
性が改善された。
【0057】図3は、第3の実施形態の多層光学情報記
録媒体(光ディスク)を示す。光ディスクは、基板10
1、第1の情報層102、オーバコート層103、光学
分離層104、オーバコート層105、第2の情報層1
06および基板107が順次積層される構造を備える。
光学分離層104を介在して設けられる2つの情報層1
02、106は、それぞれ、記録薄膜層(図示しない)
を備え、情報は、情報層102、106に記録される。
基板101、107、2つの情報層102、106およ
び光学分離層104は、それぞれ、たとえば第1の実施
形態の記録媒体における対応層と同じ構成を備える。な
お、この光ディスクは2つのオーバコート層103と1
05を備えるが、一方のオーバコート層のみでもよい。
【0058】オーバコート層103、105は、たとえ
ばアクリル系の紫外線硬化樹脂をスピンコーティングに
より形成した膜を紫外線で硬化させたものである。オー
バコート層103、105と光学分離層104とは、2
つの情報層102、104の間の中間層を複数層で構成
したものともいえる。オーバコート層103、105と
光学分離層104とを合わせた厚さは、第1の情報層と
第2の情報層とをそれぞれ再生する場合に、他の情報層
からの再生信号の影響が無視しうるほど小さくなり、か
つ、できるだけ薄くなるように設定すればよい。また、
オーバコート層の厚さのディスク面内均一性を高めるた
めには、オーバコート層を10μm以下と薄くすること
が好ましいことがわかった。これを達成するための一手
段としては、たとえば、オーバコート層103、105
は光学分離層104よりも粘性の低い樹脂を用いる。実
験の結果、オーバコート層103、105を設けてから
初期結晶化させ、その後に光学分離層104を介して密
着することで、記録消去の繰り返し特性が格段に改善さ
れることが確認された。
【0059】同じ理由で、凹凸パターンが形成された基
板101の上に第1の情報層102を形成し、第1の情
報層102の上に凹凸パターンが形成された光学分離層
104を2P法などで形成し、光学分離層104の上に
第2の情報層106を形成する光ディスク製造法では、
第1の情報層102を形成した後、第1の情報層102
の上にオーバコート層103を形成し、まず第1の情報
層102を初期結晶化する。次に、光学分離層104と
第2の情報層106とを順に形成し、最後に第2の情報
層106を初期結晶化する。当然、このような光ディス
クが効果的なのは、第1の情報層が第2の情報層よりも
初期結晶化感度が低い場合である。
【0060】次に、本発明の第4の実施形態の多層光学
情報記録媒体(光ディスク)について説明する。記録可
能な第1の情報層を有し、レーザ入射側からみて第1の
情報層の奥に、少なくとも第2の情報層を有する多層光
学情報記録媒体において、信号を再生する場合、第1の
情報層が未記録状態か、または、記録状態かよって第1
の情報層の透過率が異なるために、どのような課題が生
じるかを考察する。第2の情報層に記録された信号を再
生する場合には、再生したい第2の情報層の領域の手前
において、第1の情報層に信号が記録されている場合
と、されていない場合で、再生された第2の情報層の信
号振幅は変化する。たとえば第1の情報層に記録されて
いない場合の透過率をTnr、記録されている場合をTr
とすると、第1の情報層に信号が記録されている場合の
第2の情報層の再生信号振幅は、第1の情報層に信号が
記録されていない場合の(Tnr/Tr)×(Tnr/Tr
倍となる。すなわち、第1の情報層の透過率の比の2乗
に比例する。また、第2の情報層への記録感度にも、第
1の情報層に記憶されているか否かが、影響を与える。
すなわち、第1の情報層に信号が記録されている場合の
第2の情報層の記録感度は、第1の情報層に信号が記録
されていない場合の(Tnr/Tr)倍となる。
【0061】このような不都合をなくすために、本発明
の第4の実施形態の多層光学情報記録媒体では、第1の
情報層2の記録領域に予め記録マークを形成する。この
記録マークとは、一般に、通常のデータを記録する場合
とほぼ同一の透過率が得られるように形成されたマーク
である。たとえば、記録可能な第1の情報層2に予めダ
ミー信号を記録しておく。ダミー信号は、記録すること
によって、通常のデータを記録する場合とほぼ同一の透
過率が得られるように記録されていればよい。もちろ
ん、何らかの情報を再生できる形で、第1の情報層2に
記録マークが記録されていれば多くの利点が得られる
が、第1の情報層2に記録するダミー信号は必ずしも情
報を有していなくてもよい。
【0062】重要な点は、ダミー信号が記録された領域
において、ダミー信号が記録された面積と記録されてい
ない面積の比である。この比が、第1の情報層2にユー
ザが信号を隙間無く記録した後の、信号が記録された面
積と記録されていない面積とほぼ同一であれば、上記の
問題はすべて解決できる。第1の情報層2にユーザがど
んなに高密度にダミー信号を記録しようとした場合で
も、記録マークが全体に占める面積は、50%を上回る
ことはない。また、記録マークが全体に占める面積が2
0%以下では、本実施形態の効果が十分には得られない
ことが実験的に確かめられた。
【0063】ダミー信号は、たとえば記録可能なトラッ
クに弱い記録パワーでDC的に記録してもよいし、また
は記録可能なトラック1本おきに通常の記録パワーでD
C的に記録してもよいし、または記録可能なトラックに
一定周期の記録マークを形成してもよいし、前述のよう
に、何らかの情報が得られるような形で信号を記録して
おいてもよい。
【0064】図4は、多層光学情報記録媒体の記録領域
において、単位面積あたり記録マークが30%の面積を
占めるように記録した場合の1例を示す。並列に設けら
れる案内溝(トラック)27の中に、未記録領域(結晶
状態)28の中に記録マーク(非晶質状態)29が記録
される。図において左側の6本の案内溝27には信号が
隙間なく記録されている。一方、右側の6本の案内溝2
7が、信号が記録されていない部分であり、ここにダミ
ー信号があらかじめ記録される。この例では、ダミー信
号は、記録可能なトラック1本おきに通常の記録パワー
でDC的に記録される。
【0065】特に、第2の情報層が記録・消去・再生可
能な媒体である場合は、記録パワーマージンの確保が特
に重要であるから、本実施形態の効果が最大限に活かさ
れる。さらに、第1の情報層2及び第2の情報層4が記
録・消去可能な相変化型記録薄膜23、44を有する場
合、本実施形態の効果は最大となる。なぜなら、相変化
型記録薄膜を有する光学情報記録媒体では、信号の再生
品質が第1及び第2のそれぞれの情報層2、4の反射率
変化に依存すると同時に、レーザ入射側の第1の情報層
2の透過率に依存するからである。
【0066】透過率が十分に大きく、かつ、記録消去可
能な第1の情報層2を実現することはたやすくない。我
々は、第1の情報層2として、図2に示す構成を用い、
適当な組成からなるGe-Sb-Te記録層23が厚さ5
nm以上9nm以下であり、かつ、記録層23以外に吸
収係数が1以上の材料からなる層を有さないようにする
ことにより、上記特性を満足させることができた。特
に、図2に示す構成において、第1の記録層23にそっ
て界面層22及び/または24(特に、窒化物の界面層
22)を設けると、記録消去の繰り返し特性が非常に良
好であった。詳細については、後で実施例の欄で述べ
る。
【0067】なお、第1の情報層にダミー信号を予め記
録したことによる効果は、相変化型光ディスクにのみ適
用可能なものではなく、記録可能な多層光学情報記録媒
体であれば、どのようなものにでも適用可能であること
はいうまでもない。特に、光磁気記録材料または書き込
み可能な有機色素材料からなる記録薄膜を有する光学情
報記録媒体においても所望の効果が得られる。
【0068】次に、本発明の第5の実施形態について説
明する。記録可能な第1の情報層2を有し、レーザ入射
側からみて第1の情報層の奥に、記録可能な第2の情報
層4を少なくとも有する多層光学情報記録媒体におい
て、第1の情報層2に前もってダミー信号を記録してい
ない場合を考えてみる。この場合には、まず、第1の情
報層2に記録を行ってから、第2の情報層4に記録する
ようにすると、第2の情報層4に記録された信号は、安
定して記録・再生することができる。しかし、必ずし
も、第1の情報層2の記録可能領域全てに記録してから
でないと、第2の情報層4に記録できないものではな
い。必要な点は、第2の情報層4に記録する際、その領
域の手前において、第1の情報層2が記録されているこ
とである。そこで、本実施形態では、2層光学情報記録
媒体に信号を記録するとき、レーザ入射位置において、
第1の情報層に信号が記録されている場合にのみ、第2
の情報層に信号を記録する。
【0069】図5に示す記録・再生装置において、光デ
ィスク301は、スピンドルモータ302により回転さ
れる。モータドライバ303は、スピンドルモータ30
2を駆動する。一方、光ディスク301の上に位置され
る光ヘッド311において、記録・再生のためのレーザ
光源312からのレーザ光は、ハーフミラー313を透
過し、対物レンズ314をへて光ディスク301を照射
する。光ディスクからの反射光は、ハーフミラー313
で反射され、フォトディテクタ315により検出され
る。光ヘッド311は、送り機構316により駆動さ
れ、光ディスク301に対してフォーカスサーボとトラ
ッキングサーボが行なわれる。制御装置321は、CP
Uを備え、モータドライバ302と送り機構316を制
御する。この記録・再生装置の構成は従来のものと同じ
である。さらに、制御装置321は、記録の際に、第2
の情報層へのレーザ入射位置においてその手前の第1の
情報層に信号が記録されている場合にのみ、第2の情報
層に信号を記録する。
【0070】そこで、記録可能な多層光学情報記録媒体
の第2の情報層4に信号を記録する場合には、その手前
の領域の第1の情報層2に信号が記録されているかを、
チェックするステップが必須となる。少なくとも第1の
情報層2のどの領域に信号が記録されているかを多層光
学情報記録媒体のどこかの領域に情報として記録してお
けばよい。
【0071】図6は、制御装置321における記録制御
のフローを示す。はじめに、レーザ入射位置(記録位
置)が設定される(ステップS20)。つぎに、レーザ
入射位置から、第2情報層への記録であるか否かが判断
される(ステップS22)。第2情報層への記録である
と判断されると、そのレーザ入射位置の手前にある第1
の記録層上に信号が記録されているか否かを判断する
(ステップS24)。手前に信号が記録されていると判
断される場合、第2情報層のレーザ入射位置に記録を行
なう(ステップS26)。入射位置に信号が記録されて
いないと判断される場合は、ステップS20に戻り、新
たなレーザ入射位置(記録位置)について上述の処理を
繰り返す。ステップS22で第2情報層への記録でない
と判断されると、第1情報層への記録であるので、第1
の情報層上の記録位置を記録媒体の所定領域に情報とし
て記憶した後(ステップS28)、ステップS26に進
み、記録を行なう。
【0072】この光学情報記録媒体の光学情報記録法に
適用できる多層光学情報記録媒体は、第1の情報層2と
第2の情報層4をそれぞれ凹凸パターンのある基板1、
5の上に形成して光学分離層3を介して貼り合わせたも
のでもよい。また、第1の情報層2の上に、2P法など
を用いて凹凸パターンのある光学分離層3を形成し、そ
の上に第2の情報層4を形成したものでもよい。
【0073】次に、本発明の第6の実施形態について説
明する。記録可能な第1の情報層を有し、レーザ入射側
からみて第1の情報層の奥に、記録可能な第2の情報層
を少なくとも有する多層光学情報記録媒体において、第
1の情報層及び第2の情報層に記録された信号を効果的
に再生する方法について述べる。すでに述べたように、
第2の情報層に記録された信号の再生振幅は、第1の情
報層の透過率の2乗に比例する。それ故、第2の情報層
の反射率はできるだけ大きく、かつ、第1の情報層の透
過率をできるだけ大きくなるように設計するのである
が、いずれも限界がある。第2の情報層に記録された信
号からの反射光量が小さいので、信号を再生する場合は
ドライブの信号ノイズなどの影響を大きく受け、良好な
SN比(信号雑音比)が得られない。
【0074】この点を解決する方法として、本実施形態
の光学情報再生装置(本装置が記録可能なものであって
ももちろん問題はない)では、第1の情報層2に記録さ
れた信号を再生する場合に比べ、第1の情報層2の奥に
ある第2の情報層4を再生する場合の再生光のパワーを
高くする。本光学情報再生装置では、たとえば、第1の
情報層2からの再生信号振幅と第2の情報層4からの再
生信号振幅をほぼ同一に揃えることができる。また、両
層からの反射光量をほぼ同一に揃えることも可能であ
る。いずれにしても、再生光のパワーを同一にした場合
に、第2の情報層4のSN比が第1の情報層2のSN比
に比べて劣る光学情報記録媒体に対して、この光学情報
再生法は大きな効果を示し、両情報層のSN比をほぼ同
一にできる。再生光のパワーの上限は、レーザの出力許
容値以外に、各層に記録された信号が再生光によって劣
化しないようなパワーといった観点から決定される。こ
の光学情報再生法では、現在再生している層が第1の情
報層なのか第2の情報層なのかを判断するステップと、
第2の情報層を再生すると判断すると、再生光のパワー
を高くするステップとを必須とする。
【0075】同様に、再生専用の光学情報記録媒体と、
記録可能な片面多層光学情報記録媒体のどちらも再生す
ることのできる光学情報再生装置(本装置が記録可能な
ものであってももちろん問題はない)において、片面多
層光学情報記録媒体を再生する場合は、再生専用の光学
情報記録媒体を再生する場合に比べて再生光のパワーを
大きくすることも、両媒体に記録された信号を良好に再
生するという観点から、効果が大きい。これは、片面多
層光学情報記録媒体の各層からの反射光量が、再生専用
の光学情報記録媒体からの反射光量に比べて通常小さい
ためである。この光学情報再生法は、現在再生している
層が高反射率の再生専用の光学情報記録媒体か、低反射
率の多層光学情報記録媒体かを判断するステップと、片
面多層光学情報記録媒体であると判断すると再生光のパ
ワーを高くするステップとを必須とする。
【0076】なお、本発明の光学情報の記録再生法及び
記録再生装置は、前述したように、再生専用の光ディス
ク、単層構成の書換可能型光ディスクなどの、本実施形
態の片面多層光学情報記録媒体ではない光学情報記録媒
体をも記録・再生(場合によっては消去)できる。そこ
で、本発明の多層光学情報記録媒体を識別する識別子
を、第1の情報層2または第2の情報層4の少なくとも
何れか一方の所定の領域に設け、当該識別領域に記録さ
れた情報を読み取り、光学情報記録媒体の種類に応じた
記録・再生(場合によっては消去)の制御を行うことが
好ましい。光学情報記録媒体に備える識別領域として
は、たとえばリードイン領域の内周または外周が挙げら
れ、第1の情報層の内周のリードイン領域に備える構成
が好ましい。
【0077】図7は、制御装置321における再生制御
のフローを示す。はじめに、多層光学情報記録媒体か否
か判断される(ステップS40)。これは、たとえば多
層光学情報記録媒体を識別する識別子から判断される。
多層光学情報記録媒体であれば、半導体レーザの再生光
のパワーを高く設定する(ステップS42)。次に、レ
ーザ入射位置(再生位置)が設定され(ステップS4
4)、レーザ入射位置から、第2情報層からの再生であ
るか否かが判断される(ステップS46)。これは、た
とえば所定領域に記憶された記録位置から判断される。
第2情報層への記録であると判断される場合、半導体レ
ーザの再生光のパワーをさらに高く設定する(ステップ
S48)。そして、レーザ光束を入射して再生を行なう
(ステップS50)。第2情報層への記録でないと判断
されると、第1情報層への記録であるので、ただちにス
テップS50に進み、再生を行なう。一方、多層光学情
報記録媒体でなければ、すなわち、再生専用の光学情報
記録媒体であれば、レーザ入射位置(再生位置)が設定
され(ステップS52)、レーザ光束を入射して通常の
パワーで再生を行なう(ステップS54)。
【0078】以下、具体例をもって、本発明の実施形態
をさらに詳しく説明する。表面が、ピッチ0.60μ
m、溝深さ70nmの凹凸パターンで覆われている半径
120mm、厚さ0.58mmのポリカーボネートを第
1の基板101として用い、その上に順次、ZnS-20
mol%SiO2の保護層、Ge29Sb21Te50の記録層、
ZnS-20mol%SiO2の保護層をそれぞれ100n
m、7nm、110nmの厚さにマグネトロンスパッタ
法で形成し、第1の情報層102とした。また、同じく
ピッチ0.60μm、溝深さ70nmの凹凸パターンで
覆われている半径120mm、厚さ0.6mmのポリカ
ーボネートを第2の基板107として用い、その上に順
次、Al-2at%Crの半透過層、ZnS-20mol%SiO
2の保護層、Ge29Sb21Te50の記録層、ZnS-20m
ol%SiO2の保護層、Auの反射層をそれぞれ、16
nm、80nm、10nm、70nm、10nmの厚さ
にマグネトロンスパッタ法で形成し、第2の情報層10
6とした。第1の基板101及び第2の基板107にお
ける溝幅は、溝上に記録した信号を再生した場合と、溝
間に記録した信号を再生した場合とに、それぞれの再生
信号振幅がほぼ等しくなるように設定した。通常、第1
の基板と第2の基板における最適な溝幅は一致しなかっ
た。
【0079】第1の情報層102を成膜した後、スピン
コート法により、アクリル系の紫外線硬化樹脂を5μm
の厚さで膜面に塗布し、その後、紫外線を照射して硬化
させ、オーバコート層103を形成した。同様に第2の
情報層106を成膜した後、スピンコート法により、ア
クリル系の紫外線硬化樹脂を5μmの厚さで膜面に塗布
し、その後、紫外線を照射して硬化させ、オーバコート
層105を形成した。
【0080】オーバコートを施した第1及び第2の情報
層102、106を含む基板に対して、図8に示す初期
結晶化装置によって、内部の記録層(Ge-Sb-Te薄
膜)の結晶化を行った。この初期結晶化装置において、
オーバコート層で被覆された情報層を備える基板201
は、スピンドルモータ202により回転される。初期化
のためのレーザ光源203からのレーザ光は、ミラー2
04で反射され、対物レンズ205をへて基板201
(したがって、その中の情報層)を照射する。ここで、
ミラー204と対物レンズ205を含む光ヘッドは送り
機構206により基板201の上方を移動され、フォー
カス制御がおこなわれる。
【0081】なお、第1の情報層102は、第1の基板
101を通してレーザ光を照射することによっても、ま
た、オーバコート層103を通してレーザ光を照射する
ことによっても、その内部の記録層を結晶化できる。た
だし、第2の情報層106は、オーバコート層105を
通してレーザ光を照射することによってのみ、その内部
の記録層を結晶化できる。第2の基板107を通してレ
ーザ光を照射すると、その内部に設けるAl-Cr反射層
によってレーザ光の大部分が吸収ないし反射されて、十
分な光が記録層に届かないためである。
【0082】初期結晶化を終えた第2の情報層106の
オーバコート層105の上に、エポキシ系の紫外線硬化
樹脂を30μm厚さで塗布し、その上に第1の情報層1
02をオーバコート層103側が第2の情報層のオーバ
コート層105と向かい合うように載せた後、紫外線照
射を行う。これにより、光学分離層104が形成され
る。得られた光ディスクは、第1の基板101、第1の
情報層102、オーバコート層103、光学分離層10
4、オーバコート層105、第2の情報層106、第2
の基板107の順に積層された構造を備える。なお、こ
の実施例においては第2の基板107は保護基板であ
る。
【0083】これら光ディスクは、記録層の結晶状態を
未記録状態とし、記録層の非晶質状態を記録マークにあ
てる。表1は、波長650nmに対する光学特性の設計値
を示し、表2は、実測値を示す。実測値は、溝による回
折の影響を除去するため、光学特性は、案内溝のない鏡
面基板を用いて測定した。
【0084】表1 波長650nmに対する光学特性の
設計値
【0085】表2 波長650nmに対する光学特性の
実測値
【0086】表1と表2に示される反射率及び透過率の
値から、作製した光ディスクにおいて設計どおりの光学
特性が得られていることが予想される。注意すべき点
は、密着した後のディスク構成において第2の情報層を
再生する場合、手前の第1の情報層の存在によって、第
2の情報層の反射率に第1の情報層の透過率を2乗した
値をかけた値が、実効的な第2の情報層の反射率になっ
ている点である。たとえば、第1の情報層に記録がなさ
れていない場合には、第2の情報層における未記録時の
反射率は38%×45%×45%=8%にすぎない。
【0087】この光ディスクに、図6に示す記録再生装
置を用いて、案内溝の上(グルーブ)、及び案内溝の間
(ランド)に信号を記録し、かつ再生した。記録と再生
に用いたレーザ光源312は波長650nmの半導体レ
ーザであり、対物レンズ314のNAは、0.6であ
る。記録情報は、8/16、RLL(2,10)の変調
方式で変調して記録した。この時、記録線速度は8m/
s、記録信号の線密度を0.31μm/ビットとした。
記録パルスのデューティ比を50%とした場合には、ピ
ークパワーを13mWとすることで、第1の情報層にも
第2の情報層にも信号をオーバライト記録することがで
きた。
【0088】図9に記録パルスの変調波形を示す。記録
時の先頭パルスの形状は、対称マークの長さ及び対称マ
ークの前に記録するマークとの間隔に応じて、再生ジッ
タが最小となるように適応型で決定した。また、記録時
のラストパルスの形状は、対称マークの長さ及び対称マ
ークの次に記録するマークとの間隔に応じて、再生ジッ
タが最小となるように適応型で決定した。
【0089】表3は、記録条件と再生特性を示す。ただ
し、第2の情報層に信号を記録する場合には、第2の情
報層に記録しようとする位置において、手前の第1の情
報層のグルーブ及びランドの双方に予め信号を記録して
いる。ただし、表3の中で、G、Lとあるのはそれぞれ
グルーブとランドにおける記録特性のことであり、O/
Wとあるのはオーバライト記録のことである。
【0090】表3 記録条件と再生特性
【0091】表3より、再生パワーを十分に上げた場合
には、第1の情報層及び第2の情報層のそれぞれグルー
ブに記録した信号もランドに記録した信号も、良好なジ
ッタ値で再生できることがわかる。再生ジッタの値が最
小となる最小再生パワーは、第1の情報層では2.0m
W、第2の情報層では2.5mWである。これらの値の
絶対値は、記録・再生装置の回路ノイズの大小や再生装
置の光学系によって変わりうることはいうまでもない。
【0092】また、1万回までの繰り返し記録では再生
ジッタはほとんど悪化しないことがわかる。ただし、オ
ーバコート層を設けずに、第1及び/または第2の情報
層を空気にさらしたまま初期化してから密着したディス
クの場合は、初期化条件をどのように最適化しても、1
000回の繰り返し記録によって、すでに大幅なジッタ
増が観察された。したがって、密着前に初期化する場合
には、オーバコート層を設けてから初期化することが望
ましい。また、本ディスクは、記録線速度を10m/sと
高めても再生ジッタの悪化は認められなかった。
【0093】また、ディスク構成の最適化のため、本デ
ィスクの第1の情報層において、第1の記録層の膜厚を
変化して特性を調べた。その結果、第1の記録層の膜厚
が5nmよりも薄いと再生信号振幅及び、消去特性が極端
に悪化し、記録再生媒体として特性が不十分であること
がわかった。また、第1の記録層の膜厚が10nmよりも
厚いと平均透過率が50%以下の構成しか得られなくな
り、第2の情報層に感度よく記録ができなくなり、ま
た、第2の情報層の再生信号振幅も大きくできなくなる
ことがわかった。
【0094】次に、上述のディスクにおいて、第1の情
報層及び第2の情報層の繰り返し記録特性を向上させる
ことを目的として、さらに、記録層に接して、窒化物か
らなる界面層を設けた。実験では、第1の記録層及び第
2の記録層とZnS-20mol%SiO2の保護層との間
に、種々の窒化物からなる厚さ5nmの窒化物界面層を挿
入して、繰り返し記録特性が向上するか否かについて調
べた。実験した窒化物材料は、Al-N、Si-N、Ti-
N、Cr-N、Ge-N、Ti-Nの6種類である。すべて
の窒化物界面層はArとN2雰囲気中でマグネトロンス
パタリング法により作製した。
【0095】1例として、表4は、厚さ5nmのGe-N
界面層を第1の記録層及び第2の記録層のそれぞれの記
録層の両側に設けた場合の、繰り返し記録回数と再生ジ
ッタの関係を示す。
【0096】表4 繰り返し記録回数と再生ジッタの
関係
【0097】実験の結果、以下の点が明らかになった。 1.いずれの界面層においても、界面層を設けない場合
に比べて、第1の情報層及び第2の情報層の繰り返し記
録回数(10回繰り返し記録における再生ジッタが1%
以上劣化するまでの繰り返し記録回数)が、2倍以上に
のびた。 2.界面層は、記録層に接してレーザ光入射側の記録層
に設けた場合も、その反対側の記録層界面に設けた場合
においても、繰り返し記録回数を改善する効果があっ
た。最も効果が最大となるのは、記録層に接して両側に
界面層を設けた場合であった。
【0098】
【発明の効果】以上に説明したように、光学情報記録媒
体における反射率がR1a<R1cかつR2a>R2c
の関係を満たすので、片面から2層の情報層に記録でき
る大容量の光学情報記録媒体を提供できる。
【0099】また、光学情報記録媒体における光吸収率
がA1a<A1cかつA2a<A2cの関係を満たすの
で、高感度、高速で記録が可能である。
【0100】また、光学情報記録媒体において、界面層
が、第1の記録層とそれに隣接する層との間に配置され
るので、記録消去の繰り返し特性が改善される。
【0101】また、多層光学情報記録媒体において、オ
ーバーコート層を第1の情報層と中間透明層との間、ま
たは、第2の情報層と中間透明層との間に形成するの
で、記録消去の繰り返し特性が改善される。
【0102】また、第1の情報層と第2の情報層の少な
くとも一方を初期結晶化させた後で、第1の情報層と第
2の情報層とを密着するので、比較的安価な初期結晶化
装置を用いて初期結晶化が行なえる。
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の2層光ディスクの
断面図
【図2】 第1と第2の情報層をより具体的に示す断面
【図3】 本発明の第2の実施形態の2層光ディスクの
断面図
【図4】 ダミー信号の記録の1例の図
【図5】 光ディスクに情報を記録・再生する記録再生
装置の図
【図6】 制御装置における記録制御のフローチャート
【図7】 制御装置における再生制御のフローチャート
【図8】 光ディスクの初期結晶化装置を示す図
【図9】 光ディスクに情報を記録する際の記録パルス
の変調波形を示す図
【符号の説明】
2 第1の情報層、 3 光学分離層、 4 第2
の情報層、 5 保護基板、 23 第1の記録
層、 44 第2の記録層、 102 第1の情報
層、 103 オーバコート層、 104 光学分
離層、 105オーバコート層、 106 第2の
情報層、 107 保護基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤平 信夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−198709(JP,A) 特開 平8−63781(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光束の照射によって結晶状態と非結晶状
    態との間で可逆的な相変化をおこすことにより情報を記
    録し得る第1の記録層を含む第1の情報層と、 前記光束の照射によって結晶状態と非結晶状態との間で
    可逆的な相変化をおこすことにより情報を記録し得る第
    2の記録層を含む第2の情報層とを備え、 前記第1の記録層が結晶状態にある場合の前記光束に対
    する前記第1の記録層の光吸収率をA1c、前記第1の
    記録層が非結晶状態にある場合の前記光束に対する前記
    第1の記録層の光吸収率をA1a、前記第2の記録層が
    結晶状態にある場合の前記光束に対する前記第2の記録
    層の光吸収率をA2c、前記第2の記録層が非結晶状態
    にある場合の前記光束に対する前記第2の記録層の光吸
    収率をA2aとしたとき A1a<A1c かつ A2a<A2c の関係を満たし、 前記第1の記録層が結晶状態にある場合の前記光束に対
    する前記第1の情報層の反射率をR1c、前記第1の記
    録層が非結晶状態にある場合の前記光束に対する前記第
    1の情報層の反射率をR1aとしたとき、 R1a<R1c の関係を満たすことを特徴とする光学情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学情報記録媒体であ
    って、 前記第1の情報層と前記第2の情報層との間に、前記光
    束を透過する透明層が配置されていることを特徴とする
    光学情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光学情報記録媒体であ
    って、 前記透明層と前記第1の情報層との間、または、前記透
    明層と前記第2の情報層との間の少なくとも一方にオー
    バーコート層が形成されていることを特徴とする光学情
    報記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光学情報記録媒体であ
    って、 前記オーバーコート層がアクリル系樹脂からなり、前記
    透明層がエポキシ系樹脂からなることを特徴とする光学
    情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の光学情報記録媒体であ
    って、 前記第1の記録層は、予め記録マークが形成された領域
    を含むことを特徴とする光学情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の光学情報記録媒体であ
    って、 前記予め記録マークが形成された前記領域では、単位面
    積当たりの前記記録マークの面積比が20%以上50%
    以下であることを特徴とする光学情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の光学情報記録媒体であ
    って、 前記第1の記録層の厚さが5nm以上9nm以下である
    ことを特徴とする光学情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の光学情報記録媒体であ
    って、 前記第1の記録層の記録材料がGe、Sb、Teの3元
    素を主成分とすることを特徴とする光学情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の光学情報記録媒体であ
    って、 前記第1の記録層は第1の誘電体層と第2の誘電体層に
    挟まれており、窒化物または炭化物からなる界面層が、
    前記第1の記録層と前記第1の誘電体層との間、およ
    び、前記第1の記録層と前記第2の誘電体層との間の少
    なくとも一方に配置されていることを特徴とする光学情
    報記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の光学情報記録媒体で
    あって、 前記第1の情報層と前記第2の情報層の記録データに関
    する情報を、前記第1の記録層と前記第2の記録層の少
    なくとも一方に記録していることを特徴とする光学情報
    記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の光学情報記録媒体で
    あって、 前記第2の記録層が結晶状態にある場合の前記光束に対
    する前記第2の情報層の反射率をR2c、前記第2の記
    録層が非結晶状態にある場合の前記光束に対する前記第
    2の情報層の反射率をR2aとしたとき、 R2a>R2c の関係を満たすことを特徴とする光学情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 光束の照射によって結晶状態と非結晶
    状態との間で可逆的な相変化をおこすことにより情報を
    記録し得る第1の記録層を含む第1の情報層を形成し、 前記光束の照射によって結晶状態と非結晶状態との間で
    可逆的な相変化をおこすことにより情報を記録し得る第
    2の記録層を含む第2の情報層を形成し、 第1の情報層と第2の情報層の少なくとも一方を初期結
    晶化させ、 次に、少なくとも一方を初期結晶化させた第1の情報層
    と第2の情報層とを密着する光学情報記録媒体の製造法
    であって、 前記第1の記録層が結晶状態にある場合の前記光束に対
    する前記第1の記録層の光吸収率をA1c、前記第1の
    記録層が非結晶状態にある場合の前記光束に対する前記
    第1の記録層の光吸収率をA1a、前記第2の記録層が
    結晶状態にある場合の前記光束に対する前記第2の記録
    層の光吸収率をA2c、前記第2の記録層が非結晶状態
    にある場合の前記光束に対する前記第2の記録層の光吸
    収率をA2aとしたとき A1a<A1c かつ A2a<A2c の関係を満たし、 前記第1の記録層が結晶状態にある場合の前記光束に対
    する前記第1の情報層の反射率をR1c、前記第1の記
    録層が非結晶状態にある場合の前記光束に対する前記第
    1の情報層の反射率をR1aとしたとき、 R1a<R1c の関係を満たすことを特徴とする製造法。
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