JP2003109225A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光記録媒体及びその製造方法

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JP2003109225A JP2001298999A JP2001298999A JP2003109225A JP 2003109225 A JP2003109225 A JP 2003109225A JP 2001298999 A JP2001298999 A JP 2001298999A JP 2001298999 A JP2001298999 A JP 2001298999A JP 2003109225 A JP2003109225 A JP 2003109225A
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film
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Toshifumi Tanaka
敏文 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層された一の情報記録層に対するデータの
記録及び/又は再生を行う際に、他の情報記録層から受
ける影響の変動が低減された光記録媒体を提供する。 【解決手段】 積層された複数の情報記録層を有する光
記録媒体であって、少なくとも一つの情報記録層の未記
録領域における所定の範囲内の平均反射率が、結晶状態
における反射率とアモルファス状態における反射率との
間の値を有している。本発明によれば、一の情報記録層
にビームのフォーカスを合わせた場合に、他の情報記録
層のうち、ビームスポットが照射された領域が記録領域
である場合と未記録領域である場合とで反射率の差が小
さく、また、ビームスポット内に記録領域と未記録領域
との境界が存在する場合であってもビームスポット内に
おける反射率分布がほぼ一定となることから、安定した
記録/再生が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体及びそ
の製造方法に関し、さらに詳細には、積層された複数の
情報記録層を有する光記録媒体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、デジタルデータを記録するた
めの記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録
媒体が広く利用されている。このような光記録媒体に要
求される記録容量は年々増大し、これを実現するために
種々の提案がなされている。かかる提案の一つとして、
光記録媒体に含まれる情報記録層を2層構造とする手法
が提案され、再生専用の光記録媒体であるDVD−Vi
deoやDVD−ROMに実用化されている。このよう
な再生専用の光記録媒体においては、基板表面に形成さ
れたプレピットが情報記録層となり、このような基板が
中間層を介して積層された構造を有している。
【0003】また、近年、ユーザによるデータの書き込
みが可能な光記録媒体についても、情報記録層が2層構
造であるタイプの光記録媒体が提案されている。このよ
うな書き込み可能な光記録媒体においては、記録膜及び
これを挟んで形成された誘電体膜が情報記録層となり、
このような情報記録層が積層された構造を有している。
【0004】これら光記録媒体に対するデータの再生に
おいては、再生用レーザビームのフォーカスがいずれか
一方の情報記録層に合わせられ、その反射光量が検出さ
れる。したがって、下層の情報記録層(光入射面から遠
い側の情報記録層)に記録されたデータを再生する場合
には、上層の情報記録層(光入射面から近い側の情報記
録層)を介して再生用レーザビームが照射され、その反
射光は、上層の情報記録層を介して光学系に入射され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、2層の情
報記録層を有する光記録媒体においては、下層の情報記
録層に記録されたデータの再生が上層の情報記録層を介
して行われることから、下層の情報記録層からの反射光
量は、上層の情報記録層の影響を受けることになる。特
に、ユーザによるデータの書き込みが可能な光記録媒体
においては、情報記録層の光透過率が再生専用の光記録
媒体における情報記録層の光透過率よりも低いため、こ
の影響はより顕著となる。
【0006】すなわち、ユーザによるデータの書き込み
が可能な光記録媒体においては、情報記録層のうち、デ
ータが記録されている領域(記録領域)においては多数
の記録マークが形成され、データが記録されていない領
域(未記録領域)においては記録マークが全く形成され
ていないことから、下層の情報記録層に記録されたデー
タを再生する場合において、その上部に位置する上層の
情報記録層が記録領域であるか未記録領域であるかによ
って、得られる反射光量は異なってしまう。特に、下層
の情報記録層に記録されたデータを再生する場合におい
て、その上部に位置する上層の情報記録層が記録領域と
未記録領域の境界に相当する場合には、再生用レーザビ
ームのスポット内における反射率分布が一定とならず、
このため、反射光量の安定した検出が妨げられるという
問題が生じていた。
【0007】かかる現象について、図面を参照してより
詳細に説明する。
【0008】図14は、下層の情報記録層1に再生用レ
ーザビームのフォーカスを合わせた際に、その上部に位
置する上層の情報記録層2が記録領域である場合(レー
ザ位置A)、未記録領域である場合(レーザ位置B)、
並びに、記録領域と未記録領域の境界部分である場合
(レーザ位置C)における再生用レーザビームの光路を
それぞれ模式的に示す断面図である。尚、同図におい
て、3は光透過層、4は中間層、5は基体を示してい
る。光透過層3及び中間層4は、いずれも透明な材料に
よって構成される。
【0009】図15(a)〜(c)は、再生用レーザビ
ームがレーザ位置A、B、Cにある場合において、上層
の情報記録層2上に照射されるビームスポット内の状態
をそれぞれ模式的に示す平面図である。
【0010】図15(a)に示されるように、再生用レ
ーザビームがレーザ位置Aにある場合においては、上層
の情報記録層2に照射されるビームスポット内には、多
数の記録マークMが存在する。具体的には、当該光記録
媒体の情報記録層1、2が相変化型の記録膜を含む場
合、記録マークMが形成された部分の反射率は、一般
に、記録マークMが形成されていない記録マーク間の反
射率よりも低くなる。このため、上層の情報記録層2に
照射されるビームスポット内における平均反射率は、記
録マークMが形成された部分の反射率と記録マークMが
形成されていない部分の反射率のほぼ中間の値となる。
【0011】また、図15(b)に示されるように、再
生用レーザビームがレーザ位置Bにある場合において
は、上層の情報記録層2に照射されるビームスポット内
には、記録マークMが全く存在しない。このため、上層
の情報記録層2に照射されるビームスポット内における
平均反射率は、記録マークMが形成されていない部分の
反射率に一致する。
【0012】さらに、図15(c)に示されるように、
再生用レーザビームがレーザ位置Cにある場合において
は、上層の情報記録層2に照射されるビームスポットの
うち、トラック方向に沿って分割される一方の領域(内
周方向)には多数の記録マークMが存在し、他方の領域
(外周方向)には記録マークMが全く存在しない。この
ため、上層の情報記録層2に照射されるビームスポット
内における反射率分布に変動が生じている。
【0013】このように、2層の情報記録層を有する従
来の光記録媒体においては、下層の情報記録層1からの
反射光量は、上層の情報記録層2の状態によって変動す
るため、安定したデータの再生が困難となるおそれがあ
った。特に、下層の情報記録層1からデータを読み出す
場合において、上層の情報記録層2に照射されるビーム
スポット内に記録領域と未記録領域の境界が含まれる場
合(レーザ位置C)には、上述の通り、ビームスポット
内における反射率分布が一定とならず、安定したデータ
の再生が困難となるおそれがより高まるという問題が生
じていた。
【0014】また、上層の情報記録層2を介して下層の
情報記録層1にレーザビームを照射する点は、データの
記録時においても同様であるため、下層の情報記録層1
へのデータの記録に際しても、上層の情報記録層2の状
態による影響を受け、安定したデータの記録が損なわれ
るおそれがあった。
【0015】このような問題を解決するための手法とし
て、特開2000−285469号公報に開示された方
法が知られている。同公報に開示されている方法は、デ
ータの記録を上層の情報記録層から順次行い、これによ
り上層の情報記録層に未記録領域がなくなった後に、下
層の情報記録層にデータを記録するというものである。
しかしながら、このような方法では、一般的な光記録媒
体の特徴であるランダムアクセス性が大きく制限される
のみならず、不良代替セクタの使用もできなくなるた
め、利便性が大きく損なわれてしまう。また、このよう
な方法を実現するためには、ドライブ側の特別な制御が
必要となるため、汎用性が低いという問題もある。
【0016】したがって、本発明の目的は、積層された
複数の情報記録層を有する改良された光記録媒体を提供
することである。
【0017】また、本発明の他の目的は、積層された複
数の情報記録層を有する光記録媒体において、一の情報
記録層に対するデータの記録及び/又は再生を行う際
に、他の情報記録層から受ける影響の変動が低減された
光記録媒体を提供することである。
【0018】また、本発明のさらに他の目的は、積層さ
れた複数の情報記録層を有する光記録媒体において、一
の情報記録層に対するデータの記録及び/又は再生を行
う際に、対応する位置における他の情報記録層が記録状
態であるか未記録状態であるかによる記録条件及び/又
は再生条件の変動が低減された光記録媒体を提供するこ
とである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
積層された複数の情報記録層を有し、前記複数の情報記
録層のうち少なくとも一つの情報記録層の各部分を互い
に反射率の異なる第1の状態及び第2の状態のいずれか
一方とすることによって情報の記録が可能な光記録媒体
であって、前記複数の情報記録層のうち少なくとも一つ
の情報記録層の未記録領域における所定の範囲内の平均
反射率が、前記第1の状態における反射率と前記第2の
状態における反射率との間の値を有していることを特徴
とする光記録媒体によって達成される。
【0020】本発明によれば、一の情報記録層にビーム
のフォーカスを合わせた場合に、他の情報記録層のう
ち、ビームスポットが照射された領域が記録領域である
場合と未記録領域である場合とで反射率の差が小さく、
また、ビームスポット内に記録領域と未記録領域との境
界が存在する場合であってもビームスポット内における
反射率分布がほぼ一定となることから、安定した記録/
再生を行うことが可能となる。
【0021】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の情報記録層が、相変化膜によって構成される。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第1の状態がアモルファス状態であり、前記第
2の状態が結晶状態である。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記所定の範囲が、レーザビームのスポットが一の
情報記録層に有効に照射された場合に、他の情報記録層
に照射される前記レーザビームの径に相当する。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記他の情報記録層が、前記一の情報記録層よりも
光入射面側に位置している。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記未記録領域のほぼ全面が、規則的に、前記第1
の状態及び前記第2の状態とされている。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記未記録領域のほぼ全面に、微小な記録マークが
形成されている。
【0027】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、特別な装置を用いることなく、一般的なデータ記録
装置を用いて、未記録領域における上記所定の範囲内の
平均反射率を第1の状態における反射率と第2の状態に
おける反射率との間の値とすることが可能となる。
【0028】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記未記録領域のほぼ全面に、トラックに沿った方
向における長さの方がトラックに垂直な方向における長
さよりも短い矩形状のアモルファス状態の領域が形成さ
れている。
【0029】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
速やかに未記録領域における上記所定の範囲内の平均反
射率を第1の状態における反射率と第2の状態における
反射率との間の値とすることが可能となる。
【0030】本発明の別のさらに好ましい実施態様にお
いては、アモルファス状態の前記領域のトラックに沿っ
た方向における前記長さが、前記所定の範囲を規定する
径よりも短い。
【0031】本発明の別のさらに好ましい実施態様によ
れば、上記矩形領域の存在によるトラッキングへの影響
が低減される。
【0032】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、前記未記録領域がほぼ全面的に、前記第1の状
態における反射率と前記第2の状態における反射率との
間の値とされている。
【0033】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
より速やかに、未記録領域における上記所定の範囲内の
平均反射率を第1の状態における反射率と第2の状態に
おける反射率との間の値とすることが可能となる。
【0034】本発明の前記目的はまた、積層された複数
の情報記録層を有する光記録媒体の製造方法であって、
前記複数の情報記録層のうち少なくとも一つの情報記録
層を溶融初期化する工程と、前記溶融初期化した情報記
録層のほぼ全面に微小な記録マークを形成する工程とを
備えることを特徴とする光記録媒体の製造方法によって
達成される。
【0035】本発明の前記目的はまた、積層された複数
の情報記録層を有する光記録媒体の製造方法であって、
情報記録層のほぼ全面にトラックに沿った方向における
長さの方がトラックに垂直な方向における長さよりも短
い矩形状のアモルファス状態の領域と結晶領域とを約5
0%のデューティで放射状に形成する工程とを備えるこ
とを特徴とする光記録媒体の製造方法によって達成され
る。
【0036】本発明の前記目的はまた、積層された複数
の情報記録層を有する光記録媒体の製造方法であって、
前記複数の情報記録層のうち少なくとも一つの情報記録
層を固相初期化する工程を備えることを特徴とする光記
録媒体の製造方法によって達成される。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
【0038】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る光記録媒体10の構造を概略的に示す断面図である。
【0039】図1に示されるように、本実施態様にかか
る光記録媒体10は、厚さが約1.1mmのポリカーボ
ネートからなる基体11と、厚さが約50nmの銀を主
成分とする合金からなる反射膜12と、厚さが約90n
mのZnS−SiOからなる第4の誘電体膜13と、
厚さが約10nmのAgInSbTeからなる下層記録
膜14と、厚さが約90nmのZnS−SiOからな
る第3の誘電体膜15と、厚さが約0.02mmの紫外
線硬化型アクリル樹脂からなる中間層16と、厚さが約
80nmのZnS−SiOからなる第2の誘電体膜1
7と、厚さが約6nmのAgInSbTeからなる上層
記録膜18と、厚さが約50nmのZnS−SiO
らなる第1の誘電体膜19と、厚さが約0.08mmの
紫外線硬化型アクリル樹脂からなる光透過層20によっ
て構成される。また、光記録媒体10の中央部分には孔
21が設けられている。尚、下層記録膜14を挟むよう
に設けられた第4の誘電体膜13及び第3の誘電体膜1
5は、下層記録膜14に対する保護膜として機能し、上
層記録膜18を挟むように設けられた第2の誘電体膜1
7及び第1の誘電体膜19は、上層記録膜18に対する
保護膜として機能する。
【0040】以上の構成により、下層記録膜14、第4
の誘電体膜13及び第3の誘電体膜15は下層の情報記
録層を構成し、上層記録膜18、第2の誘電体膜17及
び第1の誘電体膜19は上層の情報記録層を構成する。
【0041】図1においては図示を省略しているが、基
体11及び中間層16にはいずれもプリグルーブが形成
されており、データの記録/再生においては、これに沿
って再生用レーザビームまたは記録用レーザビームが照
射される。
【0042】このような構造を有する光記録媒体10か
らのデータの読み出しに際しては、光透過層20側から
例えば約405nmの波長を持つ再生用レーザビームが
照射され、下層記録膜14または上層記録膜18にフォ
ーカスが合わせられる。ここで、下層記録膜14及び上
層記録膜18を構成するAgInSbTeは相変化化合
物であり、結晶状態である場合とアモルファス状態であ
る場合とで光反射率が異なっていることから、再生用レ
ーザビームを光透過層20側から照射して下層記録膜1
4及び上層記録膜18の一方にフォーカスを合わせ、そ
の反射光量を検出することにより、再生用レーザビーム
が照射された部分における下層記録膜14または上層記
録膜18が結晶状態であるかアモルファス状態であるか
を判別することができる。下層記録膜14及び上層記録
膜18が上述のようにAgInSbTeからなる場合、
下層の記録層においては、下層記録膜14が結晶状態で
ある場合の光反射率は約35%となり、アモルファス状
態である場合の光反射率は約18%となる。また、上層
の記録層においては、上層記録膜18が結晶状態である
場合の光反射率は約9%となり、アモルファス状態であ
る場合の光反射率は約5%となる。
【0043】ここで、図2に示されるように、下層記録
膜14にフォーカスが合わせられる場合、照射された再
生用レーザビームは、下層記録膜14を通って反射膜1
2によって反射し、再び下層記録膜14を通って光透過
層20から射出される。このとき、再生用レーザビーム
が下層記録膜14に達するまでの間、並びに、反射膜1
2により反射した光が光透過層20に達するまでの間に
は上層記録膜18が存在するため、光透過層20より射
出される反射光の光量は、下層記録膜14の状態のみな
らず、上層記録膜18の状態による影響を受けることに
なる。もちろん、下層記録膜14にフォーカスが合わせ
られている状態においては、再生用レーザビームのビー
ムスポットは、下層記録膜14において実質的に最小サ
イズまで絞られ、上層記録膜18においてはこれよりも
十分に大きなサイズとなるため、光透過層20より射出
される反射光の光量は、下層記録膜14の状態に主に依
存する。
【0044】一方、図3に示されるように、上層記録膜
18にフォーカスが合わせられる場合、照射された再生
用レーザビームは、上層記録膜18を通って反射膜12
によって反射し、再び上層記録膜18を通って光透過層
20から射出される。このとき、上層記録膜18を通過
した再生用レーザビームが反射膜12に達するまでの
間、並びに、反射膜12により反射した光が上層記録膜
18に達するまでの間には下層記録膜14が存在するた
め、光透過層20より射出される反射光の光量は、上層
記録膜18の状態のみならず、下層記録膜14の状態に
よる影響を受けることになる。もちろん、上層記録膜1
8にフォーカスが合わせられている状態においては、再
生用レーザビームのビームスポットは、上層記録膜18
において実質的に最小サイズまで絞られ、下層記録膜1
4においてはこれよりも十分に大きなサイズとなるた
め、光透過層20より射出される反射光の光量は、上層
記録膜18の状態に主に依存する。
【0045】また、光記録媒体10へのデータの書き込
みに際しては、光透過層20側から例えば約405nm
の波長を持つ記録用レーザビームが照射され、下層記録
膜14または上層記録膜18にフォーカスが合わせられ
る。これにより、フォーカスが合わせられた下層記録膜
14または上層記録膜18のうち、記録用レーザビーム
が照射された部分の状態が、結晶状態及びアモルファス
状態のいずれか一方とされる。より具体的には、記録す
べきデータにしたがい、下層記録膜14または上層記録
膜18の所定の部分を融点を超える温度に加熱した後、
急冷すれば、当該部分の状態がアモルファス状態とな
り、下層記録膜14または上層記録膜18の所定の部分
を融点を超える温度に加熱した後、除冷すれば、当該部
分の状態が結晶状態となる。一般に、アモルファス状態
となった部分は、「記録マーク」と呼ばれる。記録マー
クの始点から終点までの長さ及び終点から次の記録マー
クまでの長さにそれぞれ情報をもち、各記録マークの長
さ及び記録マーク間の長さ(エッジ間)は、特に限定さ
れるものではないが、(1,7)RLLの変調方式が採
用される場合、2T〜8T(Tは、クロックの周期)に
対応する長さのいずれかに設定される。
【0046】本実施態様にかかる光記録媒体10におい
ては、下層記録膜14及び上層記録膜18の未記録領域
に、2Tに対応する長さの記録マークが約50%のデュ
ーティであらかじめ形成されている。したがって、初期
状態においては、光記録媒体10を構成する下層記録膜
14及び上層記録膜18のほぼ全面に、2Tに対応する
長さの記録マークが形成されていることになる。
【0047】次に、本実施態様にかかる光記録媒体10
の製造方法について説明する。
【0048】図4〜図8は、光記録媒体10の製造方法
を示す工程図である。
【0049】まず、図4に示されるように、スタンパ3
0を用いて、プリグルーブ31を有する厚さが約1.1
mmの基体11を射出成形する。
【0050】次に、図5に示されるように、基体11の
うちプリグルーブ31が形成されている面のほぼ全面
に、スパッタリング法によって銀を主成分とする合金、
ZnS−SiO、AgInSbTe及びZnS−Si
を順次形成し、これにより厚さが約50nmの反射
膜12、厚さが約90nmの第4の誘電体膜13、厚さ
が約10nmの下層記録膜14及び厚さが約120nm
の第3の誘電体膜15を形成する。
【0051】次に、図6に示されるように、基体11〜
第3の誘電体膜15からなる成膜基板上に、紫外線硬化
型アクリル樹脂をスピンコートし、その表面にスタンパ
32を被せた状態でスタンパ32を介して紫外線を照射
することにより、プリグルーブ33を有する厚さが約
0.02mmの中間層16を形成する。
【0052】次に、図7に示されるように、プリグルー
ブ33が形成された中間層16のほぼ全面に、スパッタ
リング法によってZnS−SiO、AgInSbTe
及びZnS−SiOを順次形成し、これにより厚さが
約80nmの第2の誘電体膜17、厚さが約6nmの上
層記録膜18及び厚さが約50nmの第1の誘電体膜1
9を形成する。
【0053】そして、図8に示されるように、基体11
〜第1の誘電体膜19からなる成膜基板上に、紫外線硬
化型アクリル樹脂をスピンコートし、紫外線を照射する
ことによって厚さが約0.08mmの光透過層20を形
成する。以上により、全ての成膜工程が完了する。本明
細書においては、成膜工程が完了した状態の光記録媒体
を「光記録媒体前駆体」と呼ぶことがある。
【0054】次に、光記録媒体前駆体をレーザ照射装置
の回転テーブル(図示せず)に載置し、回転させながら
トラックに沿った方向における長さが短く、且つ、トラ
ックに垂直な方向における長さが長い矩形状のレーザビ
ームを連続的に照射し、光記録媒体前駆体が1回転する
ごとに照射位置をトラックに垂直な方向にずらすことに
よって、矩形状のレーザビームを下層記録膜14及び上
層記録膜18のほぼ全面に照射する。これにより、下層
記録膜14及び上層記録膜18を構成するAgInSb
Teは融点を超える温度に加熱され、その後除冷される
ことから、下層記録膜14及び上層記録膜18の全面が
結晶状態、すなわち、未記録状態となる。本明細書にお
いては、かかる工程を「溶融初期化」と呼ぶことがあ
る。溶融初期化を行うと結晶粒径が比較的大きくなり、
これにより、反射率が非常に高くなる。本明細書におい
ては、溶融初期化後の結晶状態を「第1の結晶状態」と
呼ぶことがあり、下層記録膜14及び上層記録膜18の
うち第1の結晶状態となっている領域を「第1の結晶領
域C1」と呼ぶことがある。
【0055】尚、記録用レーザビームのパワーを消去レ
ベルPeに設定して下層記録膜14及び上層記録膜18
に照射した場合、下層記録膜14及び上層記録膜18の
結晶状態は、実質的に第1の結晶状態と同じ状態とな
る。
【0056】溶融初期化が完了すると、次に、光記録媒
体前駆体をデータ記録装置の回転テーブル(図示せず)
に載置し、回転させながら記録用レーザビームを下層記
録膜14及び上層記録膜18に断続的に照射することに
より、下層記録膜14及び上層記録膜18のほぼ全面に
2Tに対応する長さの記録マークを約50%のデューテ
ィで形成する。記録マークが形成された部分の下層記録
膜14及び上層記録膜18はアモルファス状態となって
その反射率が低下させられることから、下層記録膜14
及び上層記録膜18の平均的な反射率は、アモルファス
状態である場合の反射率と第1の結晶状態である場合の
反射率との間の値となる。これにより、本実施態様にか
かる光記録媒体10が完成する。本明細書においては、
下層記録膜14及び/又は上層記録膜18の平均的な反
射率をアモルファス状態である場合の反射率と第1の結
晶状態である場合の反射率との間の値に設定するための
工程を「平均化」と呼ぶことがある。
【0057】このようにして製造された光記録媒体10
に対しては、上述の通り、記録用レーザビームのフォー
カスを下層記録膜14及び上層記録膜18のいずれかに
合わせて記録マークを形成することにより、所望のデジ
タルデータを記録することができる。この場合、あらか
じめ形成されている2Tに対応する長さの記録マーク
は、記録用レーザビームによって上書きされるため、デ
ータを記録した領域(記録領域)においては、あらかじ
め形成されていた2Tに対応する長さの記録マークは消
失する。また、このようにして光記録媒体10の下層記
録膜14及び/又は上層記録膜18にデータが記録され
ると、上述の通り、再生用レーザビームのフォーカスを
下層記録膜14及び上層記録膜18のいずれかに合わせ
てその反射光量を検出することにより、記録されたデジ
タルデータを再生することができる。
【0058】図9(a)は、下層記録膜14に再生用レ
ーザビームのフォーカスを合わせた際に、その上部に位
置する上層記録膜18が記録領域である場合(図14に
示すレーザ位置A)において、上層記録膜18に照射さ
れるビームスポット内の相状態を模式的に示す平面図で
あり、図9(b)は、下層記録膜14に再生用レーザビ
ームのフォーカスを合わせた際に、その上部に位置する
上層記録膜18が未記録領域である場合(図14に示す
レーザ位置B)において、上層記録膜18に照射される
ビームスポット内の相状態を模式的に示す平面図であ
り、図9(c)は、下層記録膜14に再生用レーザビー
ムのフォーカスを合わせた際に、その上部に位置する上
層記録膜18が記録領域と未記録領域の境界部分である
場合(図14に示すレーザ位置C)において、上層記録
膜18に照射されるビームスポット内の相状態を模式的
に示す平面図である。
【0059】図9(a)に示されるように、再生用レー
ザビームがレーザ位置Aにある場合においては、上層記
録膜18に照射されるビームスポット内には、記録され
たデータに対応する多数の記録マークMが存在する。ま
た、記録マークMが形成された部分以外の部分は第1の
結晶状態である。この場合、上述のとおり記録されたデ
ータは各記録マークの長さ及び記録マーク間の長さ(エ
ッジ間)によって表現されることから、記録マークのデ
ューティはほぼ50%となり、上層記録膜18に照射さ
れるビームスポット内には、記録マークMと第1の結晶
領域C1とがある決まった割合で存在することになる。
したがって、上層記録膜18に照射されるビームスポッ
ト内における平均反射率は、ある決まった値となり、具
体的には、記録マークMが形成された部分(アモルファ
ス状態)の反射率(約5%)と記録マークMが形成され
ていない部分(第1の結晶状態)の反射率(約9%)の
中間に近い値となる。
【0060】また、図9(b)に示されるように、再生
用レーザビームがレーザ位置Bにある場合においては、
上層記録膜18に照射されるビームスポット内は上述し
た平均化後の状態であり、上述の通り、2Tに対応する
長さの記録マークMが約50%のデューティで形成され
ている。また、記録マークMが形成された部分以外の部
分は第1の結晶状態である。このため、上層記録膜18
に照射されるビームスポット内には、記録マークMと第
1の結晶領域C1とが上記割合と実質的に同じ割合で存
在することになる。したがって、上層記録膜18に照射
されるビームスポット内における平均反射率は、再生用
レーザビームがレーザ位置Aにある場合と実質的に同じ
値となる。
【0061】さらに、図9(c)に示されるように、再
生用レーザビームがレーザ位置Cにある場合において
は、上層記録膜18に照射されるビームスポットのう
ち、トラック方向に沿って分割される一方の領域(内周
方向)には記録されたデータに対応する多数の記録マー
クMが存在し、他方の領域(外周方向)には2Tに対応
する長さの記録マークMが約50%のデューティで存在
する。また、記録マークMが形成された部分以外の部分
は第1の結晶状態である。このため、上層記録膜18に
照射されるビームスポット内では、上記一方の領域(内
周方向)においても、上記他方の領域(外周方向)にお
いても、記録マークMと第1の結晶領域C1とが上記割
合と実質的に同じ割合で存在することになる。したがっ
て、上層記録膜18に照射されるビームスポット全体の
平均反射率は、再生用レーザビームがレーザ位置A及び
Bにある場合と実質的に同じ値となる。
【0062】このため、本実施態様においては、下層記
録膜14に再生用レーザビームのフォーカスを合わせた
場合、図9(a)〜(c)に示されるように、再生用レ
ーザビームの位置に関わらず、上層記録膜18に照射さ
れるビームスポット内における平均反射率はほぼ一定と
なり、且つ、上層記録膜18に照射されるビームスポッ
ト内における反射率分布もほぼ一定となる。これによ
り、本実施態様においては、下層記録膜14に記録され
たデータの再生において、上層記録膜18による影響の
変動をほとんど伴わないことから、データの再生を非常
に安定的に行うことが可能となる。
【0063】図10は、上層記録膜18に再生用レーザ
ビームのフォーカスを合わせた際に、その下部に位置す
る下層記録膜14が記録領域である場合(レーザ位置
D)、未記録領域である場合(レーザ位置E)及び記録
領域と未記録領域の境界部分である場合(レーザ位置
F)における再生用レーザビームの光路をそれぞれ模式
的に示す断面図である。
【0064】再生用レーザビームがレーザ位置Dにある
場合においては、図9(a)に示すレーザ位置Aに対応
するビームスポット内の状態と同様、下層記録膜14に
照射されるビームスポット内には、記録されたデータに
対応する多数の記録マークMが存在する。また、再生用
レーザビームがレーザ位置Eにある場合においては、図
9(b)に示すレーザ位置Bに対応するビームスポット
内の状態と同様、下層記録膜14に照射されるビームス
ポット内には、2Tに対応する長さの記録マークMが約
50%のデューティで形成されている。さらに、再生用
レーザビームがレーザ位置Fにある場合においては、図
9(c)に示すレーザ位置Cに対応するビームスポット
内の状態と同様、下層記録膜14に照射されるビームス
ポットのうち、トラック方向に沿って分割される一方の
領域には記録されたデータに対応する多数の記録マーク
Mが存在し、他方の領域には2Tに対応する長さの記録
マークMが約50%のデューティで形成されている。
【0065】このため、本実施態様においては、上層記
録膜18に再生用レーザビームのフォーカスを合わせた
場合、図9(a)〜(c)に示される状態と同様、再生
用レーザビームの位置に関わらず、下層記録膜14に照
射されるビームスポット内における平均反射率はほぼ一
定となり、且つ、下層記録膜14に照射されるビームス
ポット内における反射率分布もほぼ一定となる。これに
より、本実施態様においては、上層記録膜18に記録さ
れたデータの再生において、下層記録膜14による影響
の変動をほとんど伴わないことから、データの再生を非
常に安定的に行うことが可能となる。
【0066】このように、下層記録膜14に記録された
データの再生において上層記録膜18による影響の変動
がほとんどなく、且つ、上層記録膜18に記録されたデ
ータの再生において下層記録膜14による影響の変動が
ほとんどないということは、データの記録時において
も、下層記録膜14にデータを記録する際には上層記録
膜18による影響の変動がほとんどなく、且つ、上層記
録膜18にデータを記録する際には下層記録膜14によ
る影響の変動がほとんどないことを意味する。したがっ
て、本実施態様においては、下層記録膜14及び上層記
録膜18へのデータの記録についても、これを非常に安
定的に行うことが可能となる。
【0067】以上説明したように、本実施態様にかかる
光記録媒体10は、初期化工程において下層記録膜14
及び上層記録膜18のほぼ全面を結晶化した後、2Tに
対応する長さの記録マークを約50%のデューティで形
成したことから、再生位置に関わらず非常に安定したデ
ータの再生を行うことが可能となるとともに、記録位置
に関わらず非常に安定したデータの記録を行うことが可
能となる。
【0068】次に、本発明の好ましい他の実施態様につ
いて説明する。
【0069】上記実施態様にかかる光記録媒体10にお
いては、下層記録膜14及び上層記録膜18の未記録領
域に、2Tに対応する長さの記録マークが約50%のデ
ューティであらかじめ形成されているのに対し、本実施
態様にかかる光記録媒体40においては、下層記録膜1
4に再生用レーザビームのフォーカスを合わせた際にそ
の上部に位置する上層記録膜18に照射されるビームス
ポットの径、及び/又は、上層記録膜18に再生用レー
ザビームのフォーカスを合わせた際にその下部に位置す
る下層記録膜14に照射されるビームスポットの径より
も、トラックに沿った方向における長さが短く、且つ、
トラックに垂直な方向における長さが長い矩形状のアモ
ルファス状態が、未記録領域における下層記録膜14及
び上層記録膜18のほぼ全面に約50%のデューティで
放射状に形成されている点において異なる。その他の点
については、上述した光記録媒体10と同じ構成を有し
ている。
【0070】図11は、本実施態様にかかる光記録媒体
40における下層記録膜14の相状態を部分的に示す略
平面図である。
【0071】図11に示されるように、本実施態様にか
かる光記録媒体40の下層記録膜14のほぼ全面には、
矩形状のアモルファス領域Rが約50%のデューティで
放射状に形成されている。特に限定されるものではない
が、矩形状のアモルファス領域Rのサイズは、トラック
に沿った方向における長さが約2μm以下、トラックに
垂直な方向における長さが約10μm以下とすることが
好ましい。
【0072】このような光記録媒体40の製造方法にお
いては、上述した光記録媒体10の製造における溶融初
期化工程の代わりに、かかる溶融初期化工程において照
射した矩形状のレーザビームのパワーを2段階に切り替
えながら下層記録膜14及び上層記録膜18に連続的に
照射することにより、下層記録膜14及び上層記録膜1
8のほぼ全面に、矩形状のアモルファス領域Rと第1の
結晶領域C1とを約50%のデューティで放射状に形成
すればよい。これにより、下層記録膜14及び上層記録
膜18の平均的な反射率は、アモルファス状態である場
合の反射率と第1の結晶状態である場合の反射率との間
の値となる。すなわち、平均化される。これにより、本
実施態様にかかる光記録媒体40が完成する。
【0073】図12(a)は、下層記録膜14に再生用
レーザビームのフォーカスを合わせた際に、その上部に
位置する上層記録膜18が記録領域である場合(図14
に示すレーザ位置A)において、上層記録膜18に照射
されるビームスポット内の相状態を模式的に示す平面図
であり、図12(b)は、下層記録膜14に再生用レー
ザビームのフォーカスを合わせた際に、その上部に位置
する上層記録膜18が未記録領域である場合(図14に
示すレーザ位置B)において、上層記録膜18に照射さ
れるビームスポット内の相状態を模式的に示す平面図で
あり、図12(c)は、下層記録膜14に再生用レーザ
ビームのフォーカスを合わせた際に、その上部に位置す
る上層記録膜18が記録領域と未記録領域の境界部分で
ある場合(図14に示すレーザ位置C)において、上層
記録膜18に照射されるビームスポット内の相状態を模
式的に示す平面図である。
【0074】図12(a)に示されるように、再生用レ
ーザビームがレーザ位置Aにある場合においては、上層
記録膜18に照射されるビームスポットのうち、トラッ
クに沿った領域には記録されたデータに対応する多数の
記録マークMが存在する。また、トラック間において
は、矩形状のアモルファス領域Rの一部が残存してい
る。また、記録マークM形成された部分及び矩形状のア
モルファス領域Rの一部が残存している部分以外の部分
は第1の結晶状態である。この場合、記録マークのデュ
ーティは上述の通りほぼ50%であり、トラック間に残
存する矩形状のアモルファス領域Rの一部のデューティ
もほぼ50%であることから、上層記録膜18に照射さ
れるビームスポット内には、アモルファス状態である領
域(記録マークM形成された部分及び矩形状のアモルフ
ァス領域Rの一部が残存している部分)と第1の結晶領
域C1とが実質的に同じ割合で存在することになる。し
たがって、上層記録膜18に照射されるビームスポット
内における平均反射率は、アモルファス状態の反射率
(約5%)と第1の結晶状態の反射率(約9%)の中間
値にほぼ一致する。
【0075】また、図12(b)に示されるように、再
生用レーザビームがレーザ位置Bにある場合において
は、上層記録膜18に照射されるビームスポット内は平
均化後の状態であり、矩形状のアモルファス領域Rが約
50%のデューティで形成されている。また、矩形状の
アモルファス領域R以外の部分は第1の結晶状態であ
る。このため、上層記録膜18に照射されるビームスポ
ット内には、矩形状のアモルファス領域Rと第1の結晶
領域C1とが実質的に同じ割合で存在することになる。
したがって、上層記録膜18に照射されるビームスポッ
ト内における平均反射率は、アモルファス状態の反射率
(約5%)と第1の結晶状態の反射率(約9%)の中間
値にほぼ一致する。
【0076】さらに、図12(c)に示されるように、
再生用レーザビームがレーザ位置Cにある場合において
は、上層記録膜18に照射されるビームスポットのう
ち、トラック方向に沿って分割される一方の領域(内周
方向)には記録されたデータに対応する多数の記録マー
クMが存在し、他方の領域(外周方向)には矩形状のア
モルファス領域Rが約50%のデューティで形成されて
いる。また、上記一方の領域(内周方向)のトラック間
においては、矩形状のアモルファス領域Rの一部が残存
している。これ以外の部分は第1の結晶状態である。こ
のため、上層記録膜18に照射されるビームスポット内
では、上記一方の領域(内周方向)においても、上記他
方の領域(外周方向)においても、アモルファス状態で
ある領域(記録マークMが形成された部分及び矩形状の
アモルファス領域Rの一部が残存している部分)と第1
の結晶領域C1とが実質的に同じ割合で存在することに
なる。したがって、上層記録膜18に照射されるビーム
スポット全体の平均反射率は、アモルファス状態の反射
率(約5%)と第1の結晶状態の反射率(約9%)の中
間値にほぼ一致する。
【0077】このため、本実施態様においても、下層記
録膜14に再生用レーザビームのフォーカスを合わせた
場合、図12(a)〜(c)に示されるように、再生用
レーザビームの位置に関わらず、上層記録膜18に照射
されるビームスポット内における平均反射率はほぼ一定
となり、且つ、上層記録膜18に照射されるビームスポ
ット内における反射率分布もほぼ一定となる。これによ
り、本実施態様においては、下層記録膜14に記録され
たデータの再生において、上層記録膜18による影響の
変動をほとんど伴わないことから、データの再生を非常
に安定的に行うことが可能となる。
【0078】かかる効果は、上層記録膜18に再生用レ
ーザビームのフォーカスを合わせた場合にも同様に得ら
れ、再生用レーザビームが図10に示されるレーザ位置
Dにある場合には、下層記録膜14に照射されるビーム
スポット内の相状態は図12(a)に示される状態であ
り、再生用レーザビームが図10に示されるレーザ位置
Eにある場合には、下層記録膜14に照射されるビーム
スポット内の相状態は図12(b)に示される状態であ
り、再生用レーザビームが図10に示されるレーザ位置
Fにある場合には、下層記録膜14に照射されるビーム
スポット内の相状態は図12(c)に示される状態であ
る。これにより、上層記録膜18に再生用レーザビーム
のフォーカスを合わせた場合においても、再生用レーザ
ビームの位置に関わらず、下層記録膜14に照射される
ビームスポット内における平均反射率はほぼ一定とな
り、且つ、下層記録膜14に照射されるビームスポット
内における反射率分布もほぼ一定となる。これにより、
本実施態様においては、上層記録膜18に記録されたデ
ータの再生において、下層記録膜14による影響の変動
をほとんど伴わないことから、データの再生を非常に安
定的に行うことが可能となる。
【0079】このように、下層記録膜14に記録された
データの再生において上層記録膜18による影響の変動
がほとんどなく、且つ、上層記録膜18に記録されたデ
ータの再生において下層記録膜14による影響の変動が
ほとんどないということは、データの記録時において
も、下層記録膜14にデータを記録する際には上層記録
膜18による影響の変動がほとんどなく、且つ、上層記
録膜18にデータを記録する際には下層記録膜14によ
る影響の変動がほとんどないことを意味する。したがっ
て、下層記録膜14及び上層記録膜18へのデータの記
録についても、これを非常に安定的に行うことが可能と
なる。
【0080】次に、本発明の好ましいさらに他の実施態
様について説明する。
【0081】本実施態様にかかる光記録媒体50は、未
記録領域における下層記録膜14及び上層記録膜18の
全面が、ほぼ一様に、第1の結晶状態である場合の反射
率とアモルファス状態である場合の反射率との間の値に
設定されている。その他の点については、上述した光記
録媒体10及び40と同じ構成を有している。
【0082】上述の通り、下層記録膜14及び上層記録
膜18がAgInSbTeからなる場合、第1の結晶状
態である場合の上層の記録層の光反射率は約9%であ
り、アモルファス状態である場合の上層の記録層の光反
射率は約5%であることから、未記録領域における下層
記録膜14及び上層記録膜18の反射率は、約5%〜約
9%に設定される。この場合、第1の結晶状態である場
合の光反射率と、アモルファス状態である場合の光反射
率のほぼ中間の値に設定することが好ましい。
【0083】このような光記録媒体50の製造において
は、上述した光記録媒体10の製造における溶融初期化
工程の代わりに「固相初期化工程」が行われる。固相初
期化工程は、上述した溶融初期化工程において用いたレ
ーザビームの強度を下げて行われる。これにより、下層
記録膜14及び上層記録膜18を構成するAgInSb
Teは結晶化温度以上、融点未満の温度に加熱され、そ
の後除冷されることになる。これにより、本実施態様に
かかる光記録媒体50が完成する。固相初期化を行う
と、溶融初期化を行った場合に比べて結晶の粒径は小さ
くなり、このため、その反射率は第1の結晶状態の反射
率よりもやや低くなる。すなわち、平均化される。本明
細書においては、固相初期化工程による結晶状態を「第
2の結晶状態」と呼ぶことがあり、下層記録膜14及び
上層記録膜18のうち第2の結晶状態となっている領域
を「第2の結晶領域C2」と呼ぶことがある。
【0084】図13(a)は、下層記録膜14に再生用
レーザビームのフォーカスを合わせた際に、その上部に
位置する上層記録膜18が記録領域である場合(図14
に示すレーザ位置A)において、上層記録膜18に照射
されるビームスポット内の相状態を模式的に示す平面図
であり、図13(b)は、下層記録膜14に再生用レー
ザビームのフォーカスを合わせた際に、その上部に位置
する上層記録膜18が未記録領域である場合(図14に
示すレーザ位置B)において、上層記録膜18に照射さ
れるビームスポット内の相状態を模式的に示す平面図で
あり、図13(c)は、下層記録膜14に再生用レーザ
ビームのフォーカスを合わせた際に、その上部に位置す
る上層記録膜18が記録領域と未記録領域の境界部分で
ある場合(図14に示すレーザ位置C)において、上層
記録膜18に照射されるビームスポット内の相状態を模
式的に示す平面図である。
【0085】図13(a)に示されるように、再生用レ
ーザビームがレーザ位置Aにある場合においては、上層
記録膜18に照射されるビームスポットのうち、トラッ
クに沿った領域には記録されたデータに対応する多数の
記録マークMが約50%のデューティで存在し、記録マ
ークM間は第1の結晶状態となっている。また、トラッ
ク間は固相初期化後の第2の結晶状態となっている。し
たがって、上層記録膜18に照射されるビームスポット
内には、記録マークM、第1の結晶領域C1及び第2の
結晶領域C2がある決まった割合で存在することにな
る。したがって、上層記録膜18に照射されるビームス
ポット内における平均反射率もある決まった値となり、
具体的には、第2の結晶状態における反射率と同じか、
或いはこれに近い値となる。
【0086】また、図13(b)に示されるように、再
生用レーザビームがレーザ位置Bにある場合において
は、上層記録膜18に照射されるビームスポット内は固
相初期化後の第2の結晶状態となっている。したがっ
て、上層記録膜18に照射されるビームスポット内にお
ける平均反射率は、第2の結晶状態における反射率に一
致する。
【0087】さらに、図13(c)に示されるように、
再生用レーザビームがレーザ位置Cにある場合において
は、上層記録膜18に照射されるビームスポットのう
ち、トラック方向に沿って分割される一方の領域(内周
方向)は、図13(a)に示すビームスポット内の状態
と等しく、他方の領域(外周方向)は全て固相初期化後
の第2の結晶状態である。したがって、上層記録膜18
に照射されるビームスポット内における平均反射率は、
第2の結晶状態における反射率と同じか、或いはこれに
非常に近い値となる。
【0088】このため、本実施態様においても、下層記
録膜14に再生用レーザビームのフォーカスを合わせた
場合、図13(a)〜(c)に示されるように、再生用
レーザビームの位置に関わらず、上層記録膜18に照射
されるビームスポット内における平均反射率はほぼ一定
となり、且つ、上層記録膜18に照射されるビームスポ
ット内における反射率分布もほぼ一定となる。これによ
り、本実施態様においては、下層記録膜14に記録され
たデータの再生において、上層記録膜18による影響の
変動をほとんど伴わないことから、データの再生を非常
に安定的に行うことが可能となる。
【0089】かかる効果は、上層記録膜18に再生用レ
ーザビームのフォーカスを合わせた場合にも同様に得ら
れ、再生用レーザビームが図10に示されるレーザ位置
Dにある場合には、下層記録膜14に照射されるビーム
スポット内の相状態は図13(a)に示される状態であ
り、再生用レーザビームが図10に示されるレーザ位置
Eにある場合には、下層記録膜14に照射されるビーム
スポット内の相状態は図13(b)に示される状態であ
り、再生用レーザビームが図10に示されるレーザ位置
Fにある場合には、下層記録膜14に照射されるビーム
スポット内の相状態は図13(c)に示される状態であ
る。これにより、上層記録膜18に再生用レーザビーム
のフォーカスを合わせた場合においても、再生用レーザ
ビームの位置に関わらず、下層記録膜14に照射される
ビームスポット内における平均反射率はほぼ一定とな
り、且つ、下層記録膜14に照射されるビームスポット
内における反射率分布もほぼ一定となる。これにより、
本実施態様においては、上層記録膜18に記録されたデ
ータの再生において、下層記録膜14による影響の変動
をほとんど伴わないことから、データの再生を非常に安
定的に行うことが可能となる。
【0090】このように、下層記録膜14に記録された
データの再生において上層記録膜18による影響の変動
がほとんどなく、且つ、上層記録膜18に記録されたデ
ータの再生において下層記録膜14による影響の変動が
ほとんどないということは、データの記録時において
も、下層記録膜14にデータを記録する際には上層記録
膜18による影響の変動がほとんどなく、且つ、上層記
録膜18にデータを記録する際には下層記録膜14によ
る影響の変動がほとんどないことを意味する。したがっ
て、下層記録膜14及び上層記録膜18へのデータの記
録についても、これを非常に安定的に行うことが可能と
なる。
【0091】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0092】例えば、上記各実施態様においては、2層
の記録層を有する光記録媒体について説明したが、本発
明の適用が可能な光記録媒体がこれに限定されるもので
はなく、3層以上の記録層を有する光記録媒体に対して
も本発明を適用することも可能である。また、本発明に
おいて「情報記録層」とは、情報が読み出し可能に記録
されてる限り再生専用の情報記録層であっても構わな
い。この場合、プレピットが形成された基板若しくは光
透過性基体の表面が「情報記録層」となる。但し、本発
明においては、複数の情報記録層のうち少なくとも1層
が、情報の書き込みが可能な記録膜を含む情報記録層で
あることが要求される。
【0093】また、上記各実施態様にかかる光記録媒体
10、40、50においては、下層記録膜14及び上層
記録膜18の両方に対して平均化を行っているが、下層
記録膜14及び上層記録膜18の両方を平均化すること
は必須でなく、少なくとも一つの記録層を平均化すれば
足りる。ここで、データの記録/再生を行う際の他の記
録層から受ける影響は、記録/再生対象となっている記
録層よりも上層の記録層による影響の方が、記録/再生
対象となっている記録層よりも下層の記録層による影響
よりも大きいことから、一部の記録層のみを平均化する
場合、より上層の記録層に対して平均化を行うことが望
ましい。
【0094】さらに、上記実施態様にかかる光記録媒体
10においては、2Tに対応する長さの記録マークを5
0%のデューティで形成することによって平均化を行っ
ているが、平均化するために利用可能な記録マークとし
ては2Tに対応する長さの記録マークに限られず、他の
長さを持った記録マークを用いることも可能である。但
し、より高精度な平均化を行うためには、より長さの短
い記録マークを用いることが好ましい。また、平均化す
るために利用可能な記録マークとしては、1種類の記録
マークに限られず、複数種類の記録マークを混在させる
ことによって平均化を行っても構わない。さらに、記録
マークのデューティとしては50%に限定されず、これ
以上或いはこれ以下のデューティに設定しても構わな
い。但し、未記録領域における平均反射率を記録領域に
おける平均反射率により近づけるためには、記録マーク
のデューティとしては50%により近い方が好ましい。
【0095】また、上記実施態様にかかる光記録媒体4
0においては、トラックに沿った方向における長さが短
く、トラックに垂直な方向における長さが長い矩形状の
アモルファス領域を形成することによって平均化を行っ
ているが、逆に、トラックに沿った方向における長さが
長く、トラックに垂直な方向における長さが短い矩形状
のアモルファス領域を形成することによって平均化を行
っても構わない。但し、トラッキングへの影響をより少
なくするためには、トラックに沿った方向における長さ
を短く、トラックに垂直な方向における長さを長く設定
した方が好ましい。また、かかる矩形の向きとしては、
トラックに対して斜めであっても構わない。したがっ
て、例えば、記録層の内周から外周に亘る螺旋状のアモ
ルファス領域を形成することによって、平均化を行って
も構わない。この場合、かかる螺旋の巻回数をプリグル
ーブの巻回数よりも十分に少なくすることによって、ト
ラッキングへの影響を低減することが好ましい。さらに
この場合、かかる螺旋の旋回方向をプリグルーブの旋回
方向と逆に設定することによって、トラッキングへの影
響を低減することも好ましい。
【0096】さらに、図4乃至図8を用いて説明した成
膜工程は一例であり、これとは異なる成膜工程により光
記録媒体前駆体を作製しても構わない。例えば、それぞ
れプリグルーブが形成された2つの成膜基板を張り合わ
せることによって光記録媒体前駆体を作製しても構わな
い。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、複数の記録層を有する光記録媒体において、未記録
状態における記録層の平均的な反射率が、記録状態にお
ける記録層の平均的な反射率に近いことから、一の記録
層に記録されたデータの記録/再生において、他の記録
層による影響の変動が低減される。このため、本発明に
よれば、安定したデータの記録/再生を行うことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様にかかる光記録媒体
10の構造を概略的に示す断面図である。
【図2】下層記録膜14にフォーカスを合わせた場合に
おける再生用レーザビームの光路を模式的に示す断面図
である。
【図3】上層記録膜18にフォーカスを合わせた場合に
おける再生用レーザビームの光路を模式的に示す断面図
である。
【図4】光記録媒体10の製造方法を示す工程図であ
る。
【図5】光記録媒体10の製造方法を示す工程図であ
る。
【図6】光記録媒体10の製造方法を示す工程図であ
る。
【図7】光記録媒体10の製造方法を示す工程図であ
る。
【図8】光記録媒体10の製造方法を示す工程図であ
る。
【図9】(a)〜(c)は、光記録媒体10において、
再生用レーザビームがレーザ位置A、B、Cにある場合
に、上層の記録層18上に照射されるビームスポット内
の状態をそれぞれ模式的に示す平面図である。
【図10】上層記録膜18に再生用レーザビームのフォ
ーカスを合わせた際に、その下部に位置する下層記録膜
14が記録領域である場合(レーザ位置D)、未記録領
域である場合(レーザ位置E)及び記録領域と未記録領
域の境界部分である場合(レーザ位置F)における再生
用レーザビームの光路をそれぞれ模式的に示す断面図で
ある。
【図11】本発明の好ましい他の実施態様にかかる光記
録媒体40における下層記録膜14の相状態を部分的に
示す略平面図である。
【図12】(a)〜(c)は、光記録媒体40におい
て、再生用レーザビームがレーザ位置A、B、Cにある
場合に、上層の記録層18上に照射されるビームスポッ
ト内の状態をそれぞれ模式的に示す平面図である。
【図13】(a)〜(c)は、本発明の好ましいさらに
他の実施態様にかかる光記録媒体10において、再生用
レーザビームがレーザ位置A、B、Cにある場合に、上
層の記録層18上に照射されるビームスポット内の状態
をそれぞれ模式的に示す平面図である。
【図14】下層の記録層1に再生用レーザビームのフォ
ーカスを合わせた際に、その上部に位置する上層の記録
層2が記録領域である場合(レーザ位置A)、未記録領
域である場合(レーザ位置B)、並びに、記録領域と未
記録領域の境界部分である場合(レーザ位置C)におけ
る再生用レーザビームの光路をそれぞれ模式的に示す断
面図である。
【図15】(a)〜(c)は、従来の光記録媒体におい
て、再生用レーザビームがレーザ位置A、B、Cにある
場合に、上層の記録層2上に照射されるビームスポット
内の状態をそれぞれ模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 下層記録層 2 上層記録層 3 光透過層 4 中間層 5 基体 10 光記録媒体 11 基体 12 反射膜 13 第4の誘電体膜 14 下層記録膜 15 第3の誘電体膜 16 中間層 17 第2の誘電体膜 18 上層記録膜 19 第1の誘電体膜 20 光透過層 21 孔 30,32 スタンパ 31,33 プリグルーブ 40,50 光記録媒体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された複数の情報記録層を有し、前
    記複数の情報記録層のうち少なくとも一つの情報記録層
    の各部分を互いに反射率の異なる第1の状態及び第2の
    状態のいずれか一方とすることによって情報の記録が可
    能な光記録媒体であって、前記複数の情報記録層のうち
    少なくとも一つの情報記録層の未記録領域における所定
    の範囲内の平均反射率が、前記第1の状態における反射
    率と前記第2の状態における反射率との間の値を有して
    いることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記複数の情報記録層が、相変化型記録
    膜を含むことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記第1の状態がアモルファス状態であ
    り、前記第2の状態が結晶状態であることを特徴とする
    請求項2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記所定の範囲が、レーザビームのスポ
    ットが一の情報記録層に有効に照射された場合に、他の
    情報記録層に照射される前記レーザビームの径に相当す
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記
    載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記他の情報記録層が、前記一の情報記
    録層よりも光入射面側に位置していることを特徴とする
    請求項4に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記未記録領域のほぼ全面が、規則的
    に、前記第1の状態及び前記第2の状態とされているこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    光記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記未記録領域のほぼ全面に、微小な記
    録マークが形成されていることを特徴とする請求項6に
    記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記未記録領域のほぼ全面に、トラック
    に沿った方向における長さの方がトラックに垂直な方向
    における長さよりも短い矩形状のアモルファス状態の領
    域が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の
    光記録媒体。
  9. 【請求項9】 アモルファス状態の前記領域のトラック
    に沿った方向における前記長さが、前記所定の範囲を規
    定する径よりも短いことを特徴とする請求項8に記載の
    光記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記未記録領域がほぼ全面的に、前記
    第1の状態における反射率と前記第2の状態における反
    射率との間の値とされていることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれか1項に記載の光記録媒体。
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