JPH11161957A - 情報の記録媒体の初期化方法及び装置 - Google Patents

情報の記録媒体の初期化方法及び装置

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JPH11161957A
JPH11161957A JP9326856A JP32685697A JPH11161957A JP H11161957 A JPH11161957 A JP H11161957A JP 9326856 A JP9326856 A JP 9326856A JP 32685697 A JP32685697 A JP 32685697A JP H11161957 A JPH11161957 A JP H11161957A
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beam spot
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JP9326856A
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Yasushi Miyauchi
靖 宮内
Motoyasu Terao
元康 寺尾
Nobuhiro Tokujiyuku
伸弘 徳宿
Makoto Miyamoto
真 宮本
Akemi Hirotsune
朱美 廣常
Yoshiki Umezawa
芳樹 梅澤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録媒体の全体に亘って均一な結晶化を行なう
ことができる新規の情報の記録媒体の初期化方法及び装
置を提供すること。 【解決手段】記録膜面上において、ビームスポット9の
幅(ピークパワーの半値幅)x[μm]とビームスポッ
トの長さ(ピークパワーの半値幅)y[μm]とを3<
x<20及び20<y/2Pη<80のように設定す
る。P[W]はレーザの出力パワー、ηは光学系の効率
である。ビームは、従来と同様、長手方向が記録トラッ
ク10の方向に対して平行以外の角度をなすように配置
する。 【効果】ビームスポットの重なりによる反射率むらを防
止することができ、短時間でかつ確実な初期結晶化を行
なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビーム等を
用いて情報を記録媒体に記録する技術に係り、特に記録
媒体の初期化方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報産業の発展に伴い、記録媒体として
書換可能な光ディスクが盛んに用いられ、映像信号、音
声信号、電子計算機のデータ或いはファクシミリ信号等
の各種の情報信号を同光ディスクに記録することが一般
的に行なわれるようになってきた。書換可能な光ディス
クの例として、結晶−非晶質間の相変化を利用して情報
の記録を行なう相変化型光ディスクがある。
【0003】記録するレーザ照射時間とほぼ同じ程度の
時間で結晶化が行なうことが可能な相変化型記録膜を光
ディスクに用いた場合、1つのエネルギービームのパワ
ーを読み出しパワーレベルより高い2つのレベル、即ち
高いパワーレベルと中間のパワーレベルとの間で変化さ
せることにより、既存の情報を消去しながら新しい情報
を記録する、所謂オーバーライト(重ね書きによる書き
換え)が可能である。
【0004】このような記録膜を真空蒸着法又はスパッ
タリング法などで形成した直後は、少なくとも一部分が
非晶質状態となっているか、又は準安定な結晶状態とな
っている。このような状態をas depo.状態という。as d
epo.状態の記録膜は、通常、反射率が低く、対物レンズ
の自動焦点制御(オートフォーカス)や記録トラックの
追跡(トラッキング)が不安定になり易い。
【0005】そこで、記録膜を予め安定な結晶状態にす
る初期結晶化(以下単に「初期化」という)が行なわれ
る。従来の初期化の手段の一例が特開平4−18653
0号公報によって示されている。上記例においては、出
力1Wの高出力半導体レーザのビームが用いられる。同
レーザビームは、長円形の光スポットとなって光ディス
クの記録膜に照射される。
【0006】その際、記録膜が結晶化温度以上融点以下
の温度範囲になって結晶化されるように、ビームは、長
手方向が記録トラック方向に対して平行以外の角度に配
置される。更に、as depo.状態の記録膜は原子配列の乱
れが大きく、1回の照射で十分に結晶化させることが困
難であるため、送りピッチを小さくして、記録媒体の同
一場所に多数回照射することが行なわれる。それによっ
て結晶化が進むが、最初の照射で反射率が上昇して光吸
収が増すため、完全な初期化が困難という問題点があっ
た。
【0007】初期化が不十分の場合、再生信号波形のジ
ッタ(時間のゆらぎ)が大きくなるという問題点が発生
する。これは、ビームスポットの重なりによる記録トラ
ック上の反射率むらが結晶粒径のばらつきを生じさせ、
それによって記録部分の位置に様々なずれが起こるため
と考えられる。
【0008】また、多数回照射のため、ディスク全体の
初期化に1分以上の時間を要し、ディスクの量産に障害
となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の前記問題点を解決し、記録媒体の全体に亘って均
一な結晶化を行なうことが可能な新規の情報の記録媒体
の初期化方法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、数多くの実
験の結果、長円形のレーザビームの幅を従来よりもやや
広くし、かつ、長手方向の長さをビームパワーと関係付
けることによってビームスポットの重なりによる反射率
むらが小さくなり、良好な初期化を行なうことが可能で
あることを見い出した。本発明は、そのような実験結果
に基づくものである。即ち、本発明の前記課題は、記録
膜の上面において、ビームスポットの幅(ピークパワー
の半値幅)x[μm]とビームスポットの長さ(ピーク
パワーの半値幅)y[μm]とを式(1)及び式(2)の
ように設定することによって効果的に解決することがで
きる。式(2)において、P[W]はレーザの出力パワ
ー、ηは光学系の効率である。
【0011】 3<x<20 ・・・・(1) 20<y/2Pη<80 ・・・・(2) この範囲で、5<x<10、30<y/2Pη<70に
おいて、特に良好な結果が得られる。なお、記録膜上面
のビームスポットは、従来と同様、長手方向が記録トラ
ック方向に対して平行以外の角度をなすように、ビーム
スポットの長手方向の記録トラック方向に対する角度α
が0<α≦90度をなすように配置される。特に角度α
をほぼ90度とすることにより、1回転で最も多くの領
域の初期化が可能となり、初期化時間が短縮される。本
発明によって、反射率むらが小さくなることにより、こ
の90度採用の可能性が高まるとともに、ビームスポッ
トの送りピッチの増大が可能となり、短時間の初期化が
可能となる。
【0012】次に、ビームスポットの幅を広くする1方
法として、後で詳述するように、ビームの焦点位置が記
録膜上から離れたところに存在するように対物レンズの
位置を設定する方法がある。記録媒体上にビームスポッ
トの焦点が合っている場合に比べて、短径方向の幅が広
がる。このとき、ビームの入射側から見て記録膜よりも
遠いところに焦点が存在するようにした方が一周むら低
減には効果が大きく、更に、書き換え後の読み出し信号
品質も良好という実験結果が得られた。焦点位置が記録
膜よりも遠いところにあるビームスポットのプロファイ
ルは、ガウス分布とは異なっている。ここで、ピーク強
度の1/3と2/3の高さでビームスポットの光強度プ
ロファイルを切ったときの切り口の幅方向の比が1.
1:1以上1.4:1以下の場合に好ましい結果を得る
ことができた。
【0013】更に、ビームスポットの長さを式(2)の
ように設定する方法として、後で詳述するように、例え
ばレーザビームが平行光線となっているところにシリン
ドリカルレンズ(円柱レンズ)又はプリズムを配置する
方法がある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る情報の記録媒
体の初期化方法及び装置を実施例に基づく発明の実施の
形態を参照して更に詳細に説明する。
【0015】
【実施例】<実施例1>図1において、11は、案内溝
を有する書換型光ディスク、12は、最大出力1W、波
長810nmの半導体レーザ、13は、半導体レーザの
発光レーザを平行光線にするコリメートレンズ、14
は、平行光線をディスク照射用とモニタ用の2方向に分
ける偏光ビームスプリッタ、15は、コリメートレンズ
13と偏光ビームスプリッタ14の間に配置したシリン
ドリカルレンズ、16は、偏光ビームスプリッタ14を
経た平行光線をビームスポットに絞る対物レンズ、17
は、光ディスクを反射し、対物レンズ16及び偏光ビー
ムスプリッタ14を経た光ディスクからの反射ビームを
2方向に分けるビームスプリッタ、18,19は、自動
焦点用の検出器、20は、以上の各光学素子からなる光
学系を示す。
【0016】更に、図1において、21は、検出器1
8,19からの信号を用いて対物レンズ16の焦点位置
を調整するための自動焦点制御回路(図では「AF制御
回路」と記す)、22は、半導体レーザ12の発光を制
御するためのレーザドライバ、23,24は、それぞれ
上記モニタ用の平行光線を検出して、半導体レーザ12
発光のレーザビームのパワーを制御するための回路(図
では「APC」と記す)及びプロファイルを制御するた
めの回路(図では「ADC」と記す)、25は、自動焦
点、パワー制御、プロファイル制御を総合的に制御する
マイクロプロセッサを示す。
【0017】このような初期化装置を用い、光ディスク
11の記録膜上面のレーザスポットの幅xの設定は、制
御回路21によって自動焦点が行なわれている状態で検
出器18,19を光軸方向に動かし、それに伴って対物
レンズ16の位置を変えることによって実行した。この
場合、検出器18,19によって得られる焦点誤差信号
は、レーザスポットの幅xが設定した値になるときに0
レベルとなる。また、レーザスポットの長さyの設定
は、シリンドリカルレンズ15を所定の焦点距離のもの
にすることによって実行した。更に、レーザビームの長
手方向の記録トラックに対する向きの変化は、光学系2
0を対物レンズ16の光軸を軸にして回転させることに
よって実行した。
【0018】なお、図1では、図の複雑化を避けるた
め、対物レンズ16の位置を調整するためのアクチュエ
ータ、検出器18,19を光軸方向に動かすための移動
装置及び光学系20を対物レンズ16の光軸を軸に回転
させるための装置は、図示を省略した。また、レーザス
ポットを光ディスク11の半径方向に移動させるための
光学系20の移動装置及び光ディスク11の回転装置
は、従来の装置と基本的には同一であり、図示を省略し
た。
【0019】また、本実施例では810nmの半導体レ
ーザ12を使用したが、これに限らず600nm〜90
0nmの半導体レーザを用いて良好な結晶化がえられ、
更にレーザは、半導体レーザに限らずガスレーザ等の他
の構造のレーザを用いることができ、同様の効果を得る
ことができる。
【0020】次に、光ディスク11の詳細を図2に示
す。同ディスクの作製では、まず、直径120mm,厚
さ0.6mmの案内溝(トラックピッチ1.48μm、U
字型溝)を有するポリカーボネート基板1上に、マグネ
トロンスパッタリング法によって厚さ約100nmのZ
nS−SiO保護層2を形成した。続いて、Ge2Sb2Te5
の組成の記録膜3を約20nmの膜厚に形成した。次に
ZnS−SiO中間層4を約20nmの膜厚に形成した。
その後、第1反射層となるSi層5を80nm、続いて
第2反射層となるAl−Ti層6を約100nm形成し
た。これらの膜の形成は、同一スパッタリング装置内で
順次行なった。次に、Al−Ti層6の上に紫外線硬化樹
脂層7を塗布した後、2液混合室温硬化型接着剤による
接着層8を形成して同じ構造のもう一枚のディスクを密
着貼り合わせ、両面型ディスクとした。
【0021】このようにして作製した光ディスク11の
初期化方法について述べる。まず、ディスク12を12
m/s一定(線速度一定)で回転させ、レーザビームの
焦点が記録膜面よりも8μm遠くに存在するように照射
した。半導体レーザの出力パワーを800mWとした。
なお、光学系の効率ηは0.6である。また、記録膜上
面において、ビームスポットの幅xを約5μm、長さy
を約50μmに設定した。
【0022】このときのビームスポットを図3に示す。
同図において、9は、記録膜上面のビームスポット、1
0は、記録トラックである。初期化用のビームスポット
9の長径方向は、記録トラック10方向に対してほぼ直
交(90度)するように配置した。これにより、ディス
ク1回転で最も多くの領域の初期化が行なえるため、短
時間でディスク全面を初期化することができた。また、
線速度が大きいので熱拡散による記録膜以外の部分の温
度上昇が抑制され、変形などによるノイズ上昇を防ぐこ
とができた。
【0023】ここで、このビームスポット9を記録トラ
ック10の方向に対して垂直方向(半径方向)へ移動さ
せ、ディスク1回転でビームスポット9が移動する距離
(送りピッチ)と初期化状態との関係を調べた。
【0024】 送りピッチ 初期化状態 6μm 反射率むら多い 12μm 均一な初期化 24μm 均一な初期化 36μm 均一な初期化 42μm 大きな初期化不足むら発生 これらの結果から、ビームスポット9の送りピッチを2
4μmに設定して初期化を行なったところ、ディスク全
面にわたって均一な初期化を行なうことができた。
【0025】なお、全面初期化に要する時間を短縮する
ための一つの方法として、線速度を更に大きくすること
が考えられる。すなわち、線速度が大きくすることによ
りビームスポット9の1回転あたりの半径方向への送り
速度も早くなり、ディスク全面の初期化時間を短縮する
ことができる。今回の結果からは、記録媒体の線速度V
[m/s]が、6≦V≦15の場合に、反射率の一周むら
も少なく確実な初期化を行なうことができた。
【0026】本実施例では、ビームスポット9を長径方
向が記録トラック10方向に対してほぼ直交するように
配置したが、これに限らず、記録媒体によっては、90
度より小さくすることの方が良好な結果が得られる場合
があった。90度より小さくするに従って、実効的にス
ポット幅が広くなりかつ長さが短くなる。
【0027】また、本実施例では、ビームスポットの焦
点を記録膜上から遠くなるように設定したが、逆に近く
なるように設定することも可能である。遠くする場合と
同様に、ビームスポットの幅を広げることができる。但
し、一周むら低減と書換後の特性の点で、焦点を遠くに
設定したときの方が効果が大きい場合が多かった。
【0028】ここで、ビームスポットの幅x[μm]、ビ
ームスポットの長さy[μm]、半導体レーザの出力パワ
ーP[W]及び光学系の効率ηとジッタ値(測定値/ウイ
ンド幅)と反射率の一周むらの関係を調べた。ビームス
ポットの焦点は、記録面から8μm遠くに設定した。な
お、ジッタ値は、記録跡の前エッジ又は後エッジの本来
の位置からのずれを記録跡の幅の設定値(ウインド幅)
で除したパーセントで表わされる。
【0029】(1)y:50μm,P:800mW,
η:0.6の場合 x[μm] ジッタ値(後エッジ) 1 20% 2 17% 3 15% 5 10% 10 10% 15 12% 20 15% 30 23% (2)x:5μm,P:800mW,η:0.6の場合 y/2Pη ジッタ値(後エッジ) 10 19% 20 15% 30 12% 40 10% 50 10% 60 10% 70 12% 80 15% 90 20% 以上の結果から、3<x<20、20<y/2Pη<8
0の範囲で初期化を行なうことにより良好な結果が得ら
れることが判明した。更に、5<x<10、30<y/
2Pη<70において、特に良好な結果を得られること
が判明した。なお、本実施例の前記したビームスポット
幅設定の手段により、3<x<20の範囲の設定したx
で、焦点誤差信号が0となる。
【0030】次に、本実施例の記録面上のビームスポッ
トのプロファイルは、ガウス分布とは異なっている。ピ
ーク強度の1/3と2/3の高さでビームスポットの光
強度プロファイルを切ったときの切り口の幅方向の比が
異なるビームについて検討した結果、この比が1.1:
1以上1.4:1以下において良好な結果を得ることが
できた。このようなプロファイルによって、記録膜を初
期化に最適な温度に長く保つことができる。
【0031】本実施例のレーザビームは、1個の光スポ
ットを所定の形状に成型して用いているが、これに限ら
ず、図4に示したような複数の光スポット9aを合成し
て細長くしたレーザビームを用いることが可能である。
このようなレーザビームは、半導体レーザ12として、
例えば、複数の半導体レーザをアレイ状に並べて形成し
たレーザーアレイを用いることによって得ることができ
る。この場合、シリンドリカルレンズ15は使用しな
い。ビームスポットの長さyは、合成したレーザビーム
によるスポットの全体の長さとなる。
【0032】また、上記では光ディスク11の回転が線
速度一定の場合について述べたが、云うまでもなく、本
発明は、回転数が一定の場合にも適用可能である。この
場合は、初期化しようとする半径が大きくなるのに従っ
て、レーザのビームパワーを大きくする、又は、ビーム
スポットの長手方向と記録トラック方向とが交わる角度
を小さくする、或いは、パワーと角度の両方を大きくす
ることによって、光ディスク11の全面に亘って良好な
初期化を行なうことができる。また、場合によっては、
半径が大きくなるに従って送りピッチを小さくすること
も有効である。その他に、初期化しようとする全領域を
いくつかの領域に分割し、それぞれの領域の最適条件で
初期化する方法を採用することも可能である。
【0033】<実施例2>実施例1におけるシリンドリ
カルレンズをプリズムに変更した実施例を図5に示す。
本実施例では、プリズム26によって平行光線の光路長
が平行光線の位置によって変化することを利用して、レ
ーザスポットの長さを変化させるもので、シリンドリカ
ルレンズ15を用いた場合と同様の効果を得ることがで
きる。
【0034】なお、実施例1,2において前記した光デ
ィスク11の構造を採用したのは、次の見解による。即
ち、本発明では、基板上に少なくとも保護層、光記録
膜、中間層、反射層を順に形成した記録媒体を用いる。
このとき、各層の膜厚を以下の範囲にすることにより良
好な特性が得られる。まず、保護層の膜厚は、50nm
以上150nm以下が好ましく、特に60nm以上13
0nm以下が好ましい。光記録膜の膜厚は、10nm以
上50nm以下が好ましく、特に12nm以上40nm
以下が好ましい。中間層の膜厚は、5nm以上50nm
以下が好ましく、特に10nm以上30nm以下が好ま
しい。反射層の膜厚は、30nm以上400nm以下が
好ましく、特に50nm以上300nm以下が好まし
い。
【0035】更に、記録膜として、高速結晶化が可能な
結晶−非晶質相変化光記録膜や、非晶質−非晶質間変化
を利用する記録膜、結晶系や結晶粒径の変化などの結晶
−結晶間相変化記録膜が好適である。特に、Ge-Sb-T
e系記録膜やAg-In-Sb-Te系記録膜などの相変化を利
用した記録膜は、良い結果を得ることができる。
【0036】また、記録膜中に主成分材料よりも高融点
であるCr2Te3などの高融点材料を添加した場合は、反
射層を2層にすることによって膜の流動による記録膜の
膜厚変化を抑制することができ、好ましい結果を得るこ
とができる。反射層を2層にした場合の第1層目の膜厚
は、20nm以上300nm以下が好ましく、特に50
nm以上150nm以下が好ましい。第2層目の膜厚
は、30nm以上400nm以下が好ましく、特に50
nm以上300nm以下が好ましい。
【0037】記録膜の初期結晶化は、基板上に上記の記
録膜等の各層を形成してから、少なくとも例えば紫外線
硬化樹脂の保護コートを施した後で行なうことが好まし
い。記録膜へのダメージを抑えることができる。特に、
紫外線硬化樹脂の保護層を塗布した構造の光記録媒体と
保護板とを紫外線硬化樹脂等の接着剤を用いて密着貼り
合わせを行なった後、又はホットメルト法により密着貼
りあわせを行なった後に初期結晶化を行なうことが好ま
しい。その他、前記光記録媒体同志の密着貼り合わせを
行なって両面記録媒体とした後で両面に照射を行なうこ
とにより良好な結果を得ることができる。
【0038】次に、記録媒体のサーティファイ(読み出
しによる欠陥検査)は、記録膜の初期化と同時又はその
前後に行なうことができる。そのため、記録膜初期化
は、記録媒体の製造工程の一環として実施することが可
能である。また、本発明は、ディスク状のみならず、カ
ード状などの他の形態の記録媒体にも適用可能であり、
同様の効果を得ることができる。
【0039】なお、ビームスポット内に光透過量が減少
する領域を生じさせるマスク層を設けて高密度の記録再
生を可能とする光ディスク媒体を初期化する場合にも、
本発明を適用することができる。そのようなマスク層と
してナフタロシアニンなどの色素を用いた膜や低融点の
無機物層がある。
【0040】本発明は、上記したように各種の記録媒体
への適用が可能である。その場合、記録媒体によって
は、(1)結晶化が起こり始める程度の低いパワーでの
多数回照射を行なう、(2)まず結晶化が起こり始める
程度の低いパワーでビームパワーを照射し、その後に記
録膜が確実に結晶化するビームパワーで照射を行なう、
(3)最初に記録膜の融点より低い温度となるようなビ
ームパワーを照射し、その後で記録膜が融解する融点以
上の温度となるビームパワーの少なくとも2段階の照射
を行なう、のいずれかの初期化方法を採用する方が良い
場合がある。その他に、逆に最初に記録膜が融点に近い
温度となるビームパワーで照射し、その直後に記録膜の
融点より低い温度となるようなビームパワーで照射して
初期化することによって良好な結果が得られる場合があ
る。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ビームスポットの幅を
広くするとともにその長さをビームパワーと関係付ける
ことにより、反射率むらが少ない良好な初期化が可能と
なり、ディスクの全面に亘って均一に結晶化することが
可能となる。そのような結晶化により、記録跡の位置ず
れによって起こるジッタを低減することができる。加え
て、短時間の初期化が可能となり、ディスクの量産が容
易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報の記録媒体の初期化方法及び
装置の第1の実施例を説明するためのブロック図。
【図2】光ディスクの構造を説明するための断面図。
【図3】1個のビームスポットによる初期化を説明する
ための平面図。
【図4】複数の光スポットを合成したビームスポットに
よる初期化を説明するための平面図。
【図5】本発明の第2の実施例を説明するためのブロッ
ク図。
【符号の説明】
1…ディスク基板、2,7…保護層、3…記録膜、4…
中間層、5…第1反射層、6…第2反射層、8…接着
層、9…ビームスポット、10…記録トラック、11…
光ディスク、12…半導体レーザ、15…シリンドリカ
ルレンズ、16…対物レンズ、18,19…自動焦点用
検出器、26…プリズム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳宿 伸弘 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所映像情報メディア事業部 内 (72)発明者 宮本 真 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 廣常 朱美 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 梅澤 芳樹 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所映像情報メディア事業部 内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録用の記録媒体を最初に記録可能
    な状態にするためにレーザビームを照射して当該記録媒
    体の初期結晶化を行なう初期化方法において、前記レー
    ザビームのビームスポットをその長手方向の記録トラッ
    ク方向に対する角度αが0<α≦90度をなすように配
    置し、かつ、記録膜面上において、ビームスポットの幅
    (ピークパワーの半値幅)x[μm]とビームスポット
    の長さ(ピークパワーの半値幅)y[μm]とを、レー
    ザの出力パワーをP[W]、光学系の効率をηとして、 3<x<20 20<y/2Pη<80 の範囲に設定することを特徴とする情報の記録媒体の初
    期化方法。
  2. 【請求項2】 ビームスポットの幅x及び長さyを 5<x<10 30<y/2Pη<70 の範囲に設定することを特徴とする請求項1に記載の情
    報の記録媒体の初期化方法。
  3. 【請求項3】 前記角度αがほぼ90度をなすことを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報の記録媒体
    の初期化方法。
  4. 【請求項4】 記録媒体の記録トラックの移動速度V
    [m/s]が、 6≦V≦15 であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか
    一に記載の情報の記録媒体の初期化方法。
  5. 【請求項5】 前記レーザビームのビームスポットが複
    数の光スポットにより形成されていることを特徴とする
    請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の情報の記録媒
    体の初期化方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザビームの焦点位置を記録膜の
    上面から離れたところに設定することを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれか一に記載の情報の記録媒体の
    初期化方法。
  7. 【請求項7】 前記レーザビームの焦点位置をビーム入
    射側から見て記録膜の上面よりも遠くに離れたところに
    設定することを特徴とする請求項6に記載の情報の記録
    媒体の初期化方法。
  8. 【請求項8】 ピーク強度の1/3と2/3の高さでビ
    ームスポットの光強度プロファイルを切った切り口の幅
    方向の比が1.1:1以上1.4:1以下であることを特
    徴とする請求項6に記載の情報の記録媒体の初期化方
    法。
  9. 【請求項9】 情報記録用の記録媒体を最初に記録可能
    な状態にするために当該記録媒体を回転させながらレー
    ザから出射されたビームを照射して記録媒体の初期結晶
    化を行なう初期化装置において、前記レーザビームを記
    録膜付近に集光してビームスポットとする手段と、当該
    ビームスポットをその長手方向の記録トラック方向に対
    する角度αが0<α≦90度をなすように配置する手段
    と、記録膜の上面においてビームスポットの幅(ピーク
    パワーの半値幅)x[μm]を 3<x<20 に設定する手段と、記録膜の上面においてビームスポッ
    トの長さ(ピークパワーの半値幅)y[μm]を、レー
    ザの出力パワーをP[W]、光学系の効率をηとして、 20<y/2Pη<80 に設定する手段とを備えてなることを特徴とする情報の
    記録媒体の初期化装置。
  10. 【請求項10】 前記レーザは、複数の出射ビームを有
    し、前記レーザビームのビームスポットは、当該複数の
    出射ビームによる複数の光スポットによって形成されて
    いることを特徴とする請求項9に記載の情報の記録媒体
    の初期化装置。
  11. 【請求項11】 ビームスポットの幅xの設定範囲が、 5<x<10 であり、長さyの設定範囲が、 30<y/2Pη<70 であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載
    の情報の記録媒体の初期化装置。
  12. 【請求項12】 前記ビームスポットの幅xは、レーザ
    ビームのスポット化可能な幅の最小値よりも大きく、前
    記ビームスポットの幅xを設定する手段は、レーザビー
    ムの焦点位置を制御するための自動焦点制御装置を具備
    し、当該制御装置は、3<x<20の範囲で設定された
    xにおいて焦点誤差信号が0レベルとなる光検出手段を
    有していることを特徴とする請求項9又は請求項10に
    記載の情報の記録媒体の初期化装置。
  13. 【請求項13】 前記レーザビームの焦点位置がビーム
    入射側から見て記録膜の上面よりも遠くに離れたところ
    に存在することを特徴とする請求項12に記載の情報の
    記録媒体の初期化装置。
  14. 【請求項14】 前記ビームスポットは、ピーク強度の
    1/3と2/3の高さでビームスポットの光強度プロフ
    ァイルを切った切り口の幅方向の比が1.1:1以上
    1.4:1以下であることを特徴とする請求項9〜請求
    項13のいずれか一に記載の情報の記録媒体の初期化装
    置。
  15. 【請求項15】 前記ビームスポットは、角度αがほぼ
    90度をなすように配置されていることを特徴とする請
    求項9〜請求項14のいずれか一に記載の情報の記録媒
    体の初期化装置。
  16. 【請求項16】 記録媒体の記録トラックの線速度V
    [m/s]が、 6≦V≦15 の範囲となる記録媒体回転手段を有することを特徴とす
    る請求項9〜請求項15のいずれか一に記載の情報の記
    録媒体の初期化装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003102933A1 (fr) * 2002-05-30 2003-12-11 Hitachi Computer Peripherals Co., Ltd. Dispositif et procédé d'initialisation d'un disque optique

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