JP2006031844A - 多層型記録媒体の初期化方法及び初期化装置 - Google Patents

多層型記録媒体の初期化方法及び初期化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 記録媒体の全体に亘って短時間に均一な初期化が行える多層型記録媒体の初期化方法を提供すること。
【解決手段】 基板上に積層された複数の記録層を初期化する多層型記録媒体の初期化方法において、複数の半導体レーザを備えた初期化用半導体レーザアレイ2から発光される複数のレーザビームからなる初期化レーザビーム28は、各レーザビームの焦点位置が多層型記録媒体1の深さ方向に所定の間隔でずれた状態に配置され、シリンドリカルレンズ5により長円ビーム形状に調整された後、対物レンズ8により、多層型記録媒体1に照射され、複数の記録層が同時に初期化される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多層型記録媒体の初期化方法等に関し、より詳しくは、記録可能な相変化型光記録層が多層に積層された多層型記録媒体の初期化方法等に関する。
情報産業の発展に伴い、記録媒体として書き換え可能な光ディスクが盛んに用いられ、例えば、映像信号、音声信号、電子計算機のデータ、ファクシミリ信号等の各種の情報信号が一般的に記録されている。なかでも、書き換え可能な光ディスクの例としては、相変化型光ディスクが知られており、このような相変化型光ディスクには、照射される光によって、結晶−非晶質間の相変化を生じる材料(相変化材料)が記録層(相変化型記録層)に使用されている。このような相変化材料が、情報を記録するためのレーザ照射時間とほぼ同じ程度の時間で結晶化する場合、1つのエネルギービームのパワーを、読み出しパワーレベルより高い2つのレベル、即ち、高いパワーレベルと中間のパワーレベルとの間で変化させることにより、既存の情報を消去しながら新しい情報を記録する重ね書きによる書き換え(オーバーライト)が可能である。
このような相変化型記録層は、通常、真空蒸着法又はスパッタリング法等で形成されるが、記録層が形成された直後は、少なくとも記録層の一部分が非晶質状態又は準安定な結晶状態であるas depo.状態となっている。as depo.状態の記録層は、通常、反射率が低く、対物レンズの自動焦点制御(オートフォーカス)や記録トラックの追跡(トラッキング)が不安定になり易いため、高出力半導体レーザの幅広いビームを照射し、記録層を予め安定な結晶状態にする初期結晶化(以下、「初期化」という)が行なわれる(特許文献1参照)。
このような初期化の方法としては、正確な合焦状態を維持し均一な初期化を行うために、例えば、フォーカス制御用のレーザと初期化用のレーザとの2個のレーザを用いる方法が報告されている(特許文献2参照)。
一方、最近、情報量の膨大化に伴い、光ディスク1枚当たりの記録容量を大きくする検討が各社で行われており、その中で、複数の記録層が積層された多層型記録媒体の提案がされている。このような多層型記録媒体に用いられる記録層が相変化型記録層の場合は、同様に初期化を行う必要がある。このような多層型記録媒体の初期化方法としては、例えば、複数の記録層のそれぞれに対物レンズを配置し、同時に初期化を行う方法(特許文献3参照)、或いは、2個の半導体レーザと1個の対物レンズを用いて2個の記録層を同時に初期化する方法が報告されている(特許文献4参照)。
また、多層型記録媒体としては、超多層の電界効果型光ディスクの開発も進められている(特許文献5)。この方式では、記録層を挟む電極間に電圧を印加して、記録用又は読み出し用レーザ光の吸収率を増大させることにより、他の層への干渉を低減し記録層間を狭くすることができるとされている。
特開平11−161957号公報 特開平10−241212号公報 特開平09−091700号公報 特開2003−317277号公報 特開2003−346378号公報
ところで、多層型記録媒体は複数の記録層を有するため、これら複数の記録層を効率良く初期化する必要がある。しかし、特許文献3又は特許文献4において報告されている多層型記録媒体の初期化方法では、1個の層を初期化するのに1個のビームスポットが必要とされるため、積層される記録層の数だけレーザ光源又は絞り込みレンズが必要となる。そのため、記録層の数が多くなるほど光学系が複雑になり、さらに、装置が高価になるという問題が生じる。
また、特許文献5に報告されているような記録層を一対の電極間に挟んで電圧を印加することにより多層の記録層間を狭くした多層型記録媒体の場合でも、記録層の総数が増加すると絞り込みレンズの焦点深度内に収まらず初期化ムラを生じる可能性がある。
本発明は、このような多層型記録媒体の初期化技術における問題点を解決するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、記録媒体の全体に亘って短時間に均一な初期化が行える多層型記録媒体の初期化方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、多層型記録媒体の初期化装置を提供することにある。
かかる課題を解決するために、本発明においては、複数のレーザビームを1個の対物レンズを用いて多層の記録層に同時に照射している。
即ち、本発明によれば、基板上に積層された複数の記録層を初期化する多層型記録媒体の初期化方法であって、複数のレーザビームを、レーザビームの各焦点位置が多層型記録媒体の深さ方向に所定の間隔でずれた状態に配置するレーザビーム配置ステップと、レーザビーム配置ステップにより各焦点位置がずれた状態に配置された複数のレーザビームを多層型記録媒体に入射し、複数の記録層を同時に初期化する初期化ステップと、を有する多層型記録媒体の初期化方法が提供される。
本発明が適用される多層型記録媒体の初期化方法におけるレーザビーム配置ステップは、所定の段差を有する支持体上に、複数の半導体レーザをアレイ状に設けたレーザアレイを形成することが好ましい。即ち、本発明が適用される多層型記録媒体の初期化方法においては、初期化用のレーザアレイから発光される複数のレーザビームの焦点位置が、多層型記録媒体の深さ方向にずれていることを特徴としている。そして焦点位置における個々の深さ方向の距離は、例えば、初期化用のレーザアレイにおいて、個々のレーザを所定の段差を有する支持体上に固定することにより、一定の間隔を設けることができる。また、段差の大きさを変えることにより、多層型記録媒体内での焦点位置を変えることができる。
さらに、複数のレーザビームの各焦点位置は、焦点深度に相当する間隔でずれた状態に配置することが好ましい。この範囲で焦点位置をずらすことにより、多層型記録媒体の複数の記録層を同時に初期化することができる。但し、初期結晶化されやすい記録膜を用いた場合には、各レーザスポットの焦点位置が多少ずれても初期化は可能な為、各レーザスポットの焦点位置を深さ方向に焦点深度以上離しても良い。また、個々のレーザビームの焦点制御は行わないので、装置が簡略化でき、低価格化が可能となる。
また、装置の簡略化の点では、本発明が適用される多層型記録媒体の初期化方法における初期化ステップにおいて、複数のレーザビームを1つの対物レンズを用いて集光することを特徴とすれば、複雑な光学系を用いることなく、多層型記録媒体の複数の記録層を効率よく初期化することができる。
初期化ステップにおいて、レーザビームの形状を長円形状とし、さらに、長円形状の長手方向が多層型記録媒体の記録トラック方向と略垂直になるようにレーザビームを配置することを特徴とすれば、短時間で複数の記録層を同時に初期化することができる。このような長円形状のレーザビームは、例えば、半導体レーザ等の点光源から発光された光ビームをシリンドリカルレンズまたはプリズム等を用いて形成される。この場合、個々のビームスポットは、必ずしも平面的に重ならなくても良いが、重ねた方がより確実な初期化が行える。
初期化ステップにおいて、レーザビームの光強度が、基板側より奥側に設けられた記録層に入射するレーザビームほど大きいことを特徴とすれば、基板側より奥側に設けられた記録層を確実に初期化することができる。
さらに、本発明が適用される多層型記録媒体の初期化方法の初期化ステップにおいて、レーザビームの波長より短波長のオートフォーカス(AF)制御レーザビームを、レーザビームとは異なる位置に照射するオートフォーカス制御ステップを、さらに有することが好ましい。即ち、AF制御レーザビームのレーザ波長は、記録層のas depo.状態での反射率が高くなる波長であり、また、初期化用に使用するレーザビームのレーザ波長は、記録層における吸収率が大きい波長が好ましい。このとき、初期化用のレーザは高出力である必要があり、AF制御レーザビームのレーザ波長よりも長い波長のレーザを用いる方が好ましい。
また、オートフォーカス制御ステップにおいて、オートフォーカス制御レーザビームを、多層型記録媒体における最も高反射率を示す層に照射することが好ましい。即ち、初期化状態によってAF制御に影響が及ぶことを防ぐことができる。また、初期化用のレーザアレイと同じ筐体にAF制御用レーザを設けることにより、装置が単純化できる。またAF制御レーザビームは円形に近い方が好ましい。
さらに、オートフォーカス制御ステップにおいて、オートフォーカス制御レーザビームを、初期化用のレーザビームより時間的に前側に配置することが好ましい。このとき、オートフォーカスがあっている状態で、予め、初期化用のレーザビームとAF制御レーザビームとの上下位置関係を求めておくことにより、初期化用のレーザビームの中心位置を、初期化しようとする記録層に合わせることができる。
次に、本発明によれば、所定の間隔をもって焦点位置がずれた複数の初期化レーザビームを発光するレーザアレイを備えたレーザドライバと、レーザアレイから発光される複数の初期化レーザビームを、初期化が必要とされる複数の記録層を備えた多層型記録媒体に集光する対物レンズと、複数の記録層を同時に初期化する初期化手段と、を有する多層型記録媒体の初期化装置が提供される。
本発明が適用される初期化装置において、レーザアレイは、所定の段差を有するステップ形状が形成された支持体上に、複数の半導体レーザがアレイ状に設けられたものであることを特徴とすれば、各レーザスポットの照射位置が、多層型記録媒体の深さ方向にずれ、複数の記録層を同時に初期化することが可能となる。ここで、レーザアレイの個々のレーザパワーを変え、多層型記録媒体において奥側に焦点がくるビームほどレーザパワーを高くすることにより確実な初期化が行える。
さらに、本発明が適用される初期化装置においては、対物レンズに対してほぼ垂直に入射するオートフォーカス(AF)制御レーザビームを発光するレーザドライバをさらに有することが好ましい。AF制御レーザビームを用いることにより、初期化を確実に行うことができる。このAF制御レーザビームは、初期化用のレーザアレイとは別に単体のレーザとして用いても良い。また、レーザアレイと同一筐体内に設けても良い。この場合、初期化用のレーザビームとAF制御レーザビームは媒体上で重ならないように配置するのが好ましい。
また、多層型記録媒体の記録層としては、Ge−Sb−Te系相変化膜及びBi−Ge−Te系相変化膜から選ばれるものであることが好ましい。Ge−Sb−Te系相変化膜は、安定性が高く、また、Bi−Ge−Te系相変化膜は高速消去が可能である。
さらに、多層型記録媒体としては、複数の記録層のトータル膜厚が小さいものが好ましい。複数の記録層のトータル膜厚が小さい場合は、少ないレーザで初期化が行えるので、装置コストを小さくすることができる。特に、例えば、特許文献5(特開2003−346378号公報)に記載されているような、超多層の、電界効果型光ディスク媒体に適用する場合に効果が大きい。
かくして本発明によれば、短時間で均一な初期化が行える多層型記録媒体の初期化方法が得られる。
以下、図面に基づき、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。
図1は、本実施の形態が適用される多層型記録媒体の初期化装置を説明する図である。図1には、複数の記録層が積層された多層型記録媒体1の記録層を初期化する初期化装置100の光学系の一例が示されている。初期化装置100は、波長810nmのレーザ光を発光する複数の半導体レーザからなる初期化用半導体レーザアレイ2と、初期化用半導体レーザアレイ2から発光される複数のレーザビームをそれぞれ平行光線に整えるコリメートレンズ3と、複数のレーザビームの個々のビームスポットを多層型記録媒体1のトラック方向に対して略垂直方向に長い形状の長円スポットに調整するシリンドリカルレンズ5と、コリメートレンズ3を透過した平行光線を初期化照射用とモニタ用との2方向に分けるビームスプリッター4と、初期化レーザビーム28及びAF(Auto Focus)制御レーザビーム29を集光し、多層型記録媒体1上に焦点を絞る対物レンズ8と、ビームスプリッター4により分けられたモニタ用の平行光線を絞り込む絞り込みレンズ9と、初期化レーザビーム28のプロファイル制御用の検出器10と、を有している。
また、初期化装置100は、波長405nmのレーザ光を発光するAF制御用半導体レーザ13と、コリメートレンズ14と、ビームスプリッター6と、λ/4波長板15と、偏光ビームスプリッター7からのレーザ光を絞り込む絞り込みレンズ11と、AF制御用半導体レーザ13におけるレーザパワー制御用の検出器12と、反射ミラー16と、絞り込みレンズ17と、多層型記録媒体1からの反射ビームを2方向に分けるビームスプリッター18と、AF制御用の検出器19,20と、を光学素子として有する。
更に、初期化装置100は、初期化用半導体レーザアレイ2を制御するレーザドライバ22と、AF制御用半導体レーザ13を制御するレーザドライバ23と、検出器19,20からの信号を用いて対物レンズ8の焦点位置を調整するAF制御回路21(自動焦点制御回路)と、初期化用半導体レーザアレイ2から発光されるレーザビームのパワーの制御回路であるAPC24と、初期化用半導体レーザアレイ2のプロファイルの制御回路であるADC25と、自動焦点、パワー制御及びプロファイル制御を総合的に制御するマイクロプロセッサー26と、を備えている。
尚、初期化装置100は、対物レンズ8の位置を調整するアクチュエータと、検出器19,20を光軸方向に動かす移動装置と、シリンドリカルレンズ5を回転させる装置と、を備え、さらに、レーザスポットを多層型記録媒体1の半径方向に移動させる移動装置と、多層型記録媒体1の回転装置と、を有し、これらは図示を省略した。
また、本実施の形態においては、初期化用半導体レーザアレイ2を、例えば、波長(λ)600nm〜900nmのレーザ光を発光する半導体レーザを用いて構成した場合も、多層型記録媒体1が有する複数の記録層を効率よく初期化することができる。また、初期化レーザビーム28を構成するレーザビームの波長は、多層型記録媒体1が有する記録層において吸収率が大きい波長であることが好ましい。
AF制御用半導体レーザ13から発光されるAF制御レーザビーム29は、多層型記録媒体1の記録層が初期化前の状態(as depo.状態)において反射率が高くなる波長のレーザが好ましい。通常、初期化レーザビーム28には高出力パワーが必要とされるため、AF制御レーザビーム29の波長よりも長い波長のレーザが用いられる。また、AF制御は、AF制御レーザビーム29の波長に対して反射率の高い膜からの反射光を用いて行う場合、安定した焦点の絞込み(AF)を行うことができるので好ましい。このような反射光としては、例えば、反射層、電極等からの反射光が挙げられる。尚、AF制御レーザビーム29の焦点位置と初期化レーザビーム28の焦点位置(中心)とはずれていても良い。
次に、初期化用半導体レーザアレイ2について説明する。
図2は、初期化用半導体レーザアレイ2を説明する図である。図2に示すように、初期化用半導体レーザアレイ2は、所定の段差dを有するステップが形成された支持体Sと、支持体Sに固定された5個の半導体レーザ2a,2b,2c,2d,2eと、を有している。5個の半導体レーザ2a,2b,2c,2d,2eは、支持体Sに形成された各ステップ上にそれぞれ固定されることにより、隣接する各半導体レーザから発光されるレーザビームのそれぞれの焦点位置が、多層型記録媒体1の深さ方向に、互いに段差dだけずれるように配置されている。尚、図2は、実際の長さ等を表すものではない。
支持体Sに形成されたステップの段差dの大きさは、通常、対物レンズ8の焦点深度の幅程度に調整され、例えば、1μm〜2μmである。尚、多層型記録媒体1の記録層が結晶化されやすい材料から構成されている場合には、段差dの大きさは、焦点深度の幅よりも大きくしても良い。
また、図2に示された初期化用半導体レーザアレイ2では、5個の半導体レーザ2a,2b,2c,2d,2eから発光される総てのレーザビームが、多層型記録媒体1の記録層の初期化に使用されるが、場合により、その内の一個の半導体レーザをAF制御用半導体レーザとして用いても良い。この場合、AF制御レーザとして使用されるレーザビームの波長は初期化レーザとして使用されるレーザビームの波長よりも短いのが好ましい。また、このように初期化用半導体レーザアレイ2にAF制御用半導体レーザを設けた場合には、AF制御用半導体レーザ13、コリメートレンズ14及び偏光ビームスプリッター7は使用しない。
次に、初期化装置100の作用について説明する。
初期化装置100においては、搭載される多層型記録媒体1の複数の記録層が、初期化用半導体レーザアレイ2から発光される初期化レーザビーム28により、同時に初期化される。即ち、初期化用半導体レーザアレイ2を構成する5個の半導体レーザ2a,2b,2c,2d,2eは、隣接する各半導体レーザから発光されるレーザビームのそれぞれの焦点位置が、多層型記録媒体1の深さ方向に、互いに段差dだけずれるように配置されている。これらの複数のレーザビームが多層型記録媒体1に照射され、多層型記録媒体1の複数の記録層が同時に初期化される。
尚、後述するように、初期化レーザビーム28を構成する複数のレーザビームの個々の形状は、多層型記録媒体1のトラック方向と略垂直方向に長い形状の長円スポットになるようにそれぞれ調整されている。このような長円スポットは、点光源である初期化用半導体レーザアレイ2から発光されたビームをシリンドリカルレンズ5を用いて形成される。尚、シリンドリカルレンズ5の替わりにプリズムを使用したり、レーザ光源を予め線光源に形成しても良い。
図3は、初期化レーザビーム28を説明する図である。図3(a)は、記録トラックに照射される初期化レーザビーム28の長円スポットを示し、図3(b)は、初期化レーザビーム28の照射位置を示す。尚、図3は、実際の長さ等を表すものではない。
図3(a)に示すように、初期化レーザビーム28は、5個の半導体レーザ2a,2b,2c,2d,2e(図2)から発光されたレーザビームから調整された5個の長円スポット28a,28b,28c,28d,28eから構成されている。これらの長円スポット28a,28b,28c,28d,28eは、それぞれ、長円形状の長手方向が多層型記録媒体1のディスク回転方向に対して略垂直方向に長くなるように配置され、複数の記録トラックを照射する。
また、AF制御レーザビーム29の円スポット29aは、初期化レーザビーム28の長円スポット28a,28b,28c,28d,28eより、時間的に前側に配置されている。AF制御レーザビーム29の円スポット29aを初期化レーザビーム28の長円スポット28a,28b,28c,28d,28eより時間的に前側に配置することにより、多層型記録媒体1を、AF制御しながら、その後ろ側で初期化を行うことができる。この方式によれば、初期化によって生じる反射率変化(反射率ムラを含む)による影響を低減することができるので好ましい。
次に、図3(b)に示すように、対物レンズ8を透過した初期化レーザビーム28を構成する5個の長円スポット28a,28b,28c,28d,28eは、多層型記録媒体1の深さ方向に、それぞれの焦点位置が互いにずれた状態で、複数の記録層33,34,35の総てを同時に照射し、これらを初期化する。この場合、初期化レーザビーム28の入射面から最も奥側の長円スポット28aが照射される部分から、入射面から最も手前の長円スポット28eが照射される部分までの範囲が、初期化領域である。
5個の長円スポット28a,28b,28c,28d,28eのそれぞれの焦点位置が、多層型記録媒体1の透明基板32面に対する深さ方向のずれ量は、対物レンズ8の焦点深度程度が好ましい。このずれ量は、前述したように、初期化用半導体レーザアレイ2(図2)における所定の段差dを調整することにより、多層型記録媒体1内の焦点位置を変えることができる。
尚、結晶化されやすい材料からなる記録膜を用いた場合には、各レーザスポットの焦点位置が多少ずれても初期化は可能なため、ずれ量は焦点深度以上でも初期化が可能である。
また、図3(b)に示すように、AF制御レーザビーム29の焦点位置である円スポット29aが、初期化レーザビーム28の焦点位置(長円スポット28a,28b,28c,28d,28e)とは異なる位置の反射層38に配置されることにより、AF制御が行われる。即ち、記録層33,34,35がas depo.状態の場合は、これらの反射率が低いためにAF制御が難しい。この場合、多層型記録媒体1の記録層33,34,35より反射率が高い反射層38等の高反射率層にAFをかけ、その状態から電気的にオフセットをかけて対物レンズ8の位置をずらし、初期化レーザビーム28の深さ位置を制御することが好ましい。
ここで、図3(b)に示された多層型記録媒体1の構造を説明する。
図3(b)には、多層型記録媒体1の例として電界効果型光ディスクが示されている。図3(b)に示された多層型記録媒体1は、例えば、ポリカーボネート等の透過性材料からなる透明基板32と、透明基板32上に、GeSbTe系の相変化膜(厚さ約20nm)等を用いて形成された記録層33,34,35と、初期化レーザビームの入射側から見て3層目の記録層35に接して、例えば、Al系材料を用いて形成された反射層38(厚さ約100nm)と、例えば、スピンコートにより形成されたUV樹脂層からなる保護層39(厚さ約10μm)と、を有している。また、記録層33,34の間と記録層34,35との間には、それぞれ、例えば、絶縁層としてSiO層(厚さ約120nm)からなる中間層36,37が形成されている。
尚、記録層33,34,35のそれぞれには、保護膜としてZnS−SiO等の誘電体膜(厚さ約100nm)及び透明電極(厚さ30nm)が密着して形成されている(図示せず)。また、透明基板32の表面(記録層側)には、必要に応じてトラッキングサーボ用の溝等が形成されている。また、相変化膜として、高速消去が可能なBi−Ge−Te系記録膜も用いることができる。
図4は、長円スポット28a,28b,28c,28d,28eを説明する図である。図4(a)は、記録トラック上の長円スポット28a,28b,28c,28d,28eと円スポット29aとの配置を示し、図4(b)は、長円スポット28a,28b,28c,28d,28e及び円スポット29aのビーム強度分布を示す。
図4(a)に示すように、長円スポット28a,28b,28c,28d,28eは、長円方向が記録トラック41に対してほぼ垂直になるよう配置されているのは前述したとおりである。
次に、図4(b)に示すように、初期化レーザビーム28(図3)を構成する5個の長円スポット28a,28b,28c,28d,28eのビーム強度を変化させている。即ち、多層型記録媒体1の奥側に照射される長円スポット28aのビーム強度を最も強くしている。長円スポット28a,28b,28c,28d,28eのビーム強度に傾きを持たせることにより、多層型記録媒体1の奥側の記録層35を初期化するための実行パワーを確保することができる。
本実施の形態では、長円スポットを記録トラック41に対してほぼ垂直に配置したが、初期化レーザビームのパワーに余裕がない場合は、記録トラック41に対して、所定の角度を持たせ、実効的に媒体上に照射されるエネルギーを高くしてもよい。
次に、初期化装置100を用いて多層型記録媒体1の複数の記録層を初期化する方法について説明する。
先ず、多層型記録媒体1を線速度一定(CLV)で回転させ、初期化を開始する半径位置まで光学系を移動させ、その場所でAF制御レーザビームを用いて多層型記録媒体1にAFをかける。このとき、多層型記録媒体1が有する複数の記録層総てに初期化レーザビームの焦点があった状態で照射されている。AF制御レーザビーム及び初期化レーザビームの位置関係は、予め設定されている。尚、多層型記録媒体1の記録感度等の特性が異なる場合には、初期化の最適条件を求めるために、予め、試し初期化を行っても良い。
多層型記録媒体1の記録層内における初期化レーザビームの中心位置の設定は、AF制御回路21によって自動焦点が行なわれている状態で検出器19,20を光軸方向に動かし、それに伴って対物レンズ8の位置を変えることにより実行される。この場合、検出器19,20によって得られる焦点誤差信号は、初期化レーザビーム28の中心位置が設定した値になるときに0レベルとなる。また、初期化レーザビーム28の長さの設定は、シリンドリカルレンズ5を所定の焦点距離のものにすることにより実行する。更に、初期化レーザビーム28の長手方向の記録トラックに対する向きの変化は、シリンドリカルレンズ5を回転させることによって実行する。
本実施の形態において、多層型記録媒体1の初期化は、線速度一定の場合又は回転数一定の場合の両方に適用可能である。回転数が一定の場合には、多層型記録媒体1の初期化しようとする位置の半径が大きくなるに従い、初期化レーザビーム28のレーザパワーを大きくすることにより、多層型記録媒体1の全面に亘って良好な初期化を行うことができる。また、場合により、半径が大きくなるに従い、送りピッチを小さくすることも有効である。
また、初期化しようとする多層型記録媒体1の全領域をいくつかの領域に分割し、それぞれの領域毎に最適条件で初期化する方法を採用することも可能である。
本実施の形態で使用する多層型記録媒体1としては、複数の記録層のトータル膜厚が小さいものが好ましい。複数の記録層のトータル膜厚が小さい場合は、少ないレーザで初期化が行えるので装置コストを小さくすることができる。特に、例えば、特許文献5(特開2003−346378号公報)に記載されているような超多層電界効果型光ディスク媒体に適用する場合に効果が大きい。
また、予め記録層を形成していない3次元記録媒体等にも適用できる。
本実施の形態が適用される多層型記録媒体の初期化装置を説明する図である。 初期化用半導体レーザアレイを説明する図である。 初期化レーザビームを説明する図である。図3(a)は、記録トラックに照射される初期化レーザビームの長円スポットを示し、図3(b)は、初期化レーザビームの照射位置を示す。 長円スポットを説明する図である。図4(a)は、記録トラック上の長円スポットと円スポットとの配置を示し、図4(b)は、長円スポット及び円スポットのビーム強度分布を示す。
符号の説明
1…多層型記録媒体、2…初期化用半導体レーザアレイ、2a,2b,2c,2d,2e…半導体レーザ、3…コリメートレンズ、4…ビームスプリッター、5…シリンドリカルレンズ、6…ビームスプリッター、7…偏光ビームスプリッター、8…対物レンズ、9…絞り込みレンズ、10…検出器、11…絞り込みレンズ、12…検出器、13…AF制御用半導体レーザ、14…コリメートレンズ、15…λ/4波長板、16…反射ミラー、17…絞り込みレンズ、18…ビームスプリッター、19,20…検出器、21…AF制御回路、22,23…レーザドライバ、24…APC、25…ADC、26…マイクロプロセッサー、28…初期化レーザビーム、28a,28b,28c,28d,28e…長円スポット、29…AF制御レーザビーム、29a…円スポット、32…透明基板、33,34,35…記録層、36,37…中間層、38…反射層、39…保護層、41…記録トラック、100…初期化装置

Claims (14)

  1. 基板上に積層された複数の記録層を初期化する多層型記録媒体の初期化方法であって、
    複数のレーザビームを、前記レーザビームの各焦点位置が前記多層型記録媒体の深さ方向に所定の間隔でずれた状態に配置するレーザビーム配置ステップと、
    レーザビーム配置ステップにより各焦点位置がずれた状態に配置された前記複数のレーザビームを前記多層型記録媒体に入射し、複数の記録層を同時に初期化する初期化ステップと、
    を有することを特徴とする多層型記録媒体の初期化方法。
  2. 前記レーザビーム配置ステップは、所定の段差を有する支持体上に、複数の半導体レーザをアレイ状に設けたレーザアレイを形成することを特徴とする請求項1記載の多層型記録媒体の初期化方法。
  3. 前記所定の間隔が、焦点深度に相当することを特徴とする請求項2記載の多層型記録媒体の初期化方法。
  4. 前記初期化ステップは、前記複数のレーザビームを1つの対物レンズを用いて集光することを特徴とする請求項1記載の多層型記録媒体の初期化方法。
  5. 前記初期化ステップにおいて、前記レーザビームの形状を長円形状とし、当該レーザビームを前記長円形状の長手方向が前記多層型記録媒体の記録トラック方向と略垂直に配置することを特徴とする請求項1記載の多層型記録媒体の初期化方法。
  6. 前記初期化ステップにおいて、前記レーザビームの光強度が、前記基板側より奥側に設けられた記録層に入射するレーザビームほど大きいことを特徴とする請求項1記載の多層型記録媒体の初期化方法。
  7. 前記初期化ステップにおいて、前記レーザビームの波長より短波長のオートフォーカス制御レーザビームを、当該レーザビームとは異なる位置に照射するオートフォーカス制御ステップを、さらに有することを特徴とする請求項1記載の多層型記録媒体の初期化方法。
  8. 前記オートフォーカス制御ステップにおいて、前記オートフォーカス制御レーザビームを、前記多層型記録媒体における最も高反射率を示す層に照射することを特徴とする請求項7記載の多層型記録媒体の初期化方法。
  9. 前記オートフォーカス制御ステップにおいて、前記オートフォーカス制御レーザビームを、前記レーザビームより時間的に前側に配置することを特徴とする請求項7記載の多層型記録媒体の初期化方法。
  10. 所定の間隔をもって焦点位置がずれた複数の初期化レーザビームを発光するレーザアレイを備えたレーザドライバと、
    前記レーザアレイから発光される複数の初期化レーザビームを、初期化が必要とされる複数の記録層を備えた多層型記録媒体に集光する対物レンズと、
    前記複数の記録層を同時に初期化する初期化手段と、
    を有することを特徴とする多層型記録媒体の初期化装置。
  11. 前記レーザアレイは、所定の段差を有するステップ形状が形成された支持体上に、複数の半導体レーザがアレイ状に設けられたことを特徴とする請求項10記載の多層型記録媒体の初期化装置。
  12. 前記対物レンズに対してほぼ垂直に入射するオートフォーカス制御レーザビームを発光するレーザドライバをさらに有することを特徴とする請求項10記載の多層型記録媒体の初期化装置。
  13. 前記記録層が、Ge−Sb−Te系相変化膜及びBi−Ge−Te系相変化膜から選ばれることを特徴とする請求項10記載の多層型記録媒体の初期化装置。
  14. 前記多層型記録媒体が電界効果型光ディスク媒体であることを特徴とする請求項10記載の多層型記録媒体の初期化装置。
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