JP4296772B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光によって情報を記録及び/又は再生する光情報記録装置、特に光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクの分野においては、その大きな課題として、▲1▼高密度化、▲2▼高速度化、が挙げられる。このうち高速度化に関しては、例えば大容量サーバシステムのストレージシステムを光ディスクに置き換えた場合に、高速記録が要求される。また、インターネットを通してのデータのダウンロード等にも、高速記録が望まれる。
一方、現在書換え可能な光ディスクとして、DVD-RAM等の相変化光ディスクが用いられている。この技術では、記録膜の原子配列が結晶/アモルファスになるように制御することにより、データを記録する。その記録方法は、以下の通りである。初期化された結晶状態に、パワーが変調されたレーザ光を照射する。そのレーザパルスは、記録パワー、ボトムパワー、消去パワーから成り、これによって、記録による再結晶化を抑制し、かつレーザパワー投入前に既に記録されているマークを消去しながら新しいデータの記録を行う。これを「ダイレクトオーバーライト」と呼ぶ。
書換え可能な媒体において高速記録或いは高速オーバーライトを行う際、その高線速でアモルファスマークが消去される必要がある。そのためには、結晶化速度を速くする必要がある。光源レーザ光波長405nm、対物レンズ開口数(NA)0.85の光学系で、120Mbpsに相当する高速記録を行った例が、Proceedings of SPIE Vol. 4342, Optical Data Storage 2001, 76頁〜87頁 (2001) に記載されている。ここでは、共晶系組成であるSb70Te30にGeとSbを加えた材料を記録膜としている。Sbは結晶化速度が速く、Sb量を多くすると記録膜の結晶化速度は速くなり、高速オーバーライトが可能となる。
またこの例では、記録する際のレーザ出射パターンを工夫している。通常相変化記録においては、図4(a)に示すように、記録時にレーザを、上レベル(記録パワーPw)、中間レベル(消去レベルPe)、及び下レベル(ボトムパワーPb)のレベルに変調し、1つのパルスにおいてPwとPbの時間の和が1Tw(Tw;ウィンドウ幅)となるようにし、そのパターンを繰り返して記録する。この記録パルスをマルチパルスと呼ぶ。この方法においては、nTw(n;正の整数)の長さのマークを(n-1)個、或いは(n-2)個のマルチパルスで記録する。例えば最短マークが3TwであるDVD-RAMでは、3Twマークを1つのパルスで記録するため、nTwマークは(n-2)個のマルチパルスで記録する。また最短マーク長が2Twの場合には、2Twマークを1つのパルスで記録するため、nTwマークを(n-1)個のマルチパルスで記録する。一方、光ディスク装置の光源である半導体レーザにおいては、そのレーザ出射の際の立上り・立下り時間は有限の値を持ち、その時間は典型的には2ns前後である。よって4ns以下のパルスは、図4(b)のように三角波となり、Pwレベルまでレーザは出射せず、記録膜に与えるエネルギーが不足し、マークが十分に記録されず、記録マーク品質の低下が起こる。このため上記文献においては、図4(c)のように、マルチパルスの周期を2Twとすることにより、レーザパルスをPwレベルまで出射させ、マークを記録している。
媒体の結晶化速度が向上できずにダイレクトオーバーライトが困難である場合には、消去を2回行う方法が、特開昭60-185232、特開平1-184631、特開平2-027525において述べられている。特開昭60-185232には、偏光方向が異なり、互いに独立に駆動可能な2つのレーザ光を発振し、2つのレーザ光を分離するビームスプリッタを備え、2つのレーザ光の一方を記録再生用、他方を消去用として用いる情報再生装置について記載がある。また、特開平1-184631には、単一のビームスポットからのエネルギービーム照射で、最初の照射で記録膜を均一な状態にすることにより、既存の情報を消去し(ディスクの1回転目)、第2回目の照射でエネルギービームのパワーを高いパワーレベルと中間のパワーレベルとの間で変化させることにより情報の記録を行う(ディスクの2回転目)ことが記載されている。また、特開平2-027525には、第1の照射により、既存の情報を消去しながら新しい情報の書き換えを行い、第2の照射により、C/Nを向上させながらベリファイも同時に行うことが記載されている。
2スポット方式と呼ばれる方法では、独立な2つのレーザから出射されたレーザ光を媒体の同一トラックの異なる場所に照射し、その一方を消去用、他方を記録再生用に用いることにより、消去を確実に行う。先行するスポットはレーザ光を例えばDC出射し、消去を行う。後行スポットは通常の相変化記録における記録パワーと同様の変調をする。先行スポットは、記録膜を融解し、アモルファス化してもよい。即ちトラック上に均一なアモルファスの帯が作製される。これをここでは、DC光でアモルファスの帯を記録するという意味で、DCライトと呼ぶ。記録膜が融解すると、過去に記録されたアモルファスのマークは十分消去される。DCライトされたアモルファス上に、記録パワーPw、記録膜を結晶化する中間パワーPe、及びボトムパワーPbを有する記録スポットが通過することにより、マーク部はアモルファス化、スペース部は中間パワーPeによって結晶化されるため、通常の相変化記録と同様の記録パターンが形成される。
【特許文献1】
特開昭60-185232
【特許文献2】
特開平1-184631
【特許文献3】
特開平2-027525
【発明が解決しようとする課題】
記録膜の結晶化速度を速くすると、一般的には室温等の低温領域においても結晶化速度が速くなる。よって、室温の熱や、再生光パワーPrを媒体が吸収することによって発生する熱によって、記録したアモルファスマークが結晶化し、マークが消える。即ち、再生光耐性やデータ保存寿命が低下する。GeSbTeからなる記録膜において、レーザ光波長405nm、対物レンズの開口数(NA)0.85の光学系を用いて、Pr=0.3mWでマークのキャリアレベルが1dB低下するまでの時間t(−1dB)を測定した結果を図5に示す。図5はSb含有量を関数として示してある。この測定方法は、Prを例えば0.5〜0.7mWに設定し、時間経過tと振幅の低下DVの関係を測定する。この測定を幾つかのPrで行い、反応速度論の
v = v0 exp(−Ea/kT) (1)
(v;反応速度、Ea;活性化エネルギー、k;Boltzmann定数、T;温度)
のアナロジーから
DV= A exp[−B/(Pr・t)] (A、B:定数) (2)
として測定時間tとDVの関係から(2)式のAとBを求め、その結果からPrが0.3mWの時、DVが1dB低下する時間t(−1dB)を算出した。レーザ光はgaussian分布を持ち、かつ熱は時々刻々移動するので、必ずしも温度TとPrは比例しないが、ここでは近似的に比例すると仮定した。図5から、Sb量が多くなると急激に再生光耐性が低下することがわかる。特にSb含有量86原子%においては、数秒である。
図5のデータから、ディスクが室温に置かれた場合のデータの保存寿命を見積もる。再生光をディスクに照射することにより、ディスクの記録膜の温度が100℃程度に上昇する。ここでは簡単に、以下のようなモデルで考える。再生光のスポットの直径は、約0.45μmである。今、ディスクの一点に注目し、スポットが通過する間のみ温度が100℃となり、それ以外の時間では温度は十分に低く、結晶化は起こらないと仮定する。再生光耐性は、式(1)のように、温度の指数関数で決定されるから、室温を25℃として計算すると、Sb含有量が80%のディスクで、室温において振幅が1dB低下する時間は、1年以下となる。よって、記録したマークは、1年を経ると結晶化が進み、記録データの再生が不可能となる。
また、Sb量が80%程度になると、書換劣化が著しく起こる。図6に、Sb含有量が80%の記録膜を有するディスクに線速15m/sでマークを記録した場合の書換回数とマークの変調度の関係を示す。書換回数10回から変調度が低下し、200回では全くマークは記録できない。この状態でディスク線速を速くして記録すると、わずかに相変化マークが記録される。このことから、書換により、結晶化速度が変化していることが推測される。この現象のメカニズムは、記録膜内でSbが相分離していることによると考えられる。GeSbTeでは、Sb含有量が約70%の組成が共晶組成に近く、安定である。そこにSbを加えると、それぞれ安定である共晶組成GeSbTeとSbが分離することが考えられる。その方が熱力学的に安定であるからである。このことにより、結晶化特性が書換によって変化する。よって、Sb量を増やすことによって結晶化速度を向上させる方法には、高速化の方法としては限界がある。
更に、高速記録においては、記録制御が困難となる。従来技術の項において、マルチパルスの周期を2Twとする例について述べたが、この方法では例えば3Twマークと4Twマークのマルチパルスの個数を1個だけ違えるという方法は使えない。何故なら4Twマークの記録パルスからパルスを1個少なくすると、2Twマークの記録パターンとなるからである。よってその場合、nTwマークの記録パターンは、nが偶数の時と奇数の時とで別に作製する必要がある。更に高速化すると、Twが2ns以下となり、その場合にはマルチパルスの周期を、例えば4Tw程度にする必要がある。その場合は更に複雑に分けて記録パルスを検討する必要がある。かつ、この場合にはマルチパルスの周期が2Twよりも大きくなるため、最短マーク長が2Twであるフォーマットにおいては、2Twマークの記録制御が非常に困難となる。
また、従来技術では記録パルスの品質の低下を、図4(c)のように2Tw周期のパルスにすることによって回避したが、レーザの出射パワーの立上り・立下りの際に記録膜の結晶化が促進され、マーク記録における再結晶化が大きくなり、ジッタの悪化を招く。
また従来の2スポット方式では、1つの光ディスクドライブに2つのレーザ、そのための光学素子とそのアラインメント、及び各レーザの制御回路が必要であり、そのためドライブコストが向上する。また部品や回路が多くなるため、光ヘッドの小型化も困難となる。特開昭60-185232の発明では、互いに独立に駆動可能な半導体レーザのアレイを用い、異なる偏光面でレーザ発振させることにより、装置の小型化を図っている。しかし、この発明においては、2つの半導体レーザの偏光面を正確に90°としないと、一方のレーザビームによって作られる光スポットに、他方のビームのパワーが漏れ込み、2つのスポットが互いに独立ではなくなる。2つのレーザ光の偏光面に対する要求仕様はディスクの特性に依存するが、この要求仕様によっては光源である半導体レーザアレイが非常に高価になる。また、この発明においては、2つのレーザビームを別な対物レンズを通してディスクに照射させるため、それぞれのビームに対するオートフォーカスサーボ、トラッキングサーボを別々に設ける必要がある。よって、レーザドライバ、サーボ機構を2つ設ける必要があり、ドライブ価格が高価となる。特開平1-184631、2-27525には、同一トラックに2回レーザを照射し、一度目を消去、二度目を記録とすることにより、消去比の向上を図っているが、この方法では記録に2倍の時間を要し、高速記録のニーズに応えることができない。
【0003】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、光ディスク記録装置において、光源から出射された偏光方向が同じレーザを2つのビームに分けて、一方を消去用スポット、他方を記録用スポットとする。そして、それら2つのビームは、それぞれ記録層の温度が融点以上となるパワーと、記録層の温度が原子の結合エネルギー以上で融点未満となる結晶化温度領域のパワーを有している。
図1に本発明の説明図を示す。図1(a)において、レーザ101から出射された直線偏光レーザ光は、コリメートレンズ102を通過し、レーザビーム分割機構103にて、適切なパワー分割比で2つに分割される。2つのレーザビームはλ/4板105にて円偏光となり、ミラー106、対物レンズ107を経てディスク108に入射される。この際、2つのレーザビームは、図1(b)のようにディスク108の同一トラック上に照射される。ディスク108からの反射光は上記の逆の通路を辿り、λ/4板105にて、出射時とは90°異なる偏光面を有する直線偏光となり、偏光ビームスプリッタ104にてその通路を曲げられ、オートフォーカスサーボ系、トラッキングサーボ系、及び再生信号系の光検出器に入射される。
ディスク108上での両レーザビームの位置関係を図1(b)に示す。上記2つのスポットは、一方は記録用スポット110、他方は消去用スポット111であり、同一トラック109上を進行方向112の方向に進む。よって、消去用スポット111が記録用スポット110に先行する。トラック上には既に記録されている旧記録マーク113が存在する。この上に新記録マーク116をオーバーライトする場合を考える。
今、ディスク108はある線速で回転しており、その状態でディスク108にマークを記録するが、この線速は、このディスク108の記録膜の結晶化速度よりも速いとする。すると消去用スポット111が旧記録マーク上を通過した場合、このマークは図1(b)の114の部分のみ結晶化され、消え残り115が発生することが考えられる。このことを、上記のレーザビーム分割機構103におけるパワー分割比を制御することによって解決する。
図2に両スポットのパワー変調の様子とオーバーライトのメカニズムを記す。両スポットは同じレーザ101から出射され、レーザビーム分割機構103にて所定のパワー分割比にて分割されるので、図2(a)のように、パワーの異なる同一パターンの変調をする。この時、消去スポット照射により、記録膜の温度が、中間パワー部分Aでは記録膜の結晶化が促進されるような、記録膜の温度が原子の結合エネルギー以上融点未満となる結晶化温度領域、高い部分Bにおいては融点以上となるようにパワーを設定する。また記録用スポットは、中間パワー部分Cは結晶化温度領域、高いパワー部分Dにおいては融点以上となるようにする。図2(a)の記録パルスは図4に示したようなマルチパルスにはなっていないが、これについては後述する。
両スポットは同じパターンで変調されるが、図1(b)に記したように、両スポットは異なる場所に照射されるため、ディスクのある一点に注目した場合、両スポットによって照射されるパワーは、以下の4つの場合に分けられる。
A→C; 消去用スポットのAの部分202がスポット進行方向203の方向に走査されるが、マークは結晶化領域204の部分のみ結晶化され、消え残りが生じる。しかし次の記録用光スポットのCの部分205で結晶化が促進されるため、消え残りマークは消去される。
A→D; ▲1▼の時と同様、消え残りが生じるが、その上を記録スポットのD部分206が通過するため、マークが記録され、消え残りマークは消去される。
B→C; 消去光スポットのB部分207が、スポットの中心付近を溶解しながら走査する。その場合、マークはその中心部分が融解されるので、トラック周辺にも熱が伝導し、マークは完全に消去される。しかし線速は結晶化速度よりも速いため、融解部分208が再結晶化する前にスポット207が通過して温度が低下するため、DCライトされたアモルファス209が形成される。しかしその後、記録スポットのC部分210が通過することにより、アモルファス209は結晶化される。
B→D; ▲3▼と同様、アモルファス209が形成されるが、記録スポットD部分211によって、その上にマークが記録されるため、アモルファス209は消去される。
上記▲1▼〜▲4▼の全ての場合において、マークは十分に消去され、オーバーライトが可能となる。かつ、上記のことを適切なパワー分割比で行うと、消え残りマークとDCライトされたアモルファスの面積をほぼ同じとすることができる。この状態は、一度目のDC照射によってアモルファス化した状態とほぼ同じ状態である。よって上記の方法を用いれば、二度のレーザ照射で消去・記録を行うことによる効果と同程度の効果を、1レーザで得ることができる。
レーザビームの最適分割比は、媒体の結晶化特性及び記録感度に依存する。
上記に説明したメカニズムより、両スポットのパワー分割比は、消去スポットのパワーの方が低いことが望ましいことがわかる。何故ならば、図2(a)のパワーBによって残るアモルファスの幅は、記録パワーDによって記録されるアモルファスマークの幅よりも小さいことが望ましいからである。もしもパワーBによって残るアモルファスが、記録されるアモルファスマークよりも大きな幅を持った場合、そのアモルファスをパワーCで消去することが不可能となる。
レーザビーム分割機構103について述べる。ビームを分割するには、回折格子を用いるのが簡便と思われる。この場合、通常の回折格子を用いると、1次回折光がメインビームに対して対称に発生するため、少なくとも3ビームが生成される。図3(a)のように、左右非対称な回折格子を用いれば、作製されるビームを2つにすることが可能となる。2ビームの距離は回折格子のピッチ、パワー分割比は回折格子の溝の幅及びピッチで制御することができる。今、回折格子の溝幅をa、ピッチをd、溝の数をN、光の波長をλ、観測点のx座標(ここではディスクのトラックの位置)をX、回折格子と観測面(ここではディスク)の距離をRとすると、Xでの回折光の強度I(X)は、よく知られているように、
【0004】
【数1】
Figure 0004296772
と書くことができる。ただし、Aは定数である。上記の関数u、UはXに対して振動し、その振る舞いはa、dに依存する。X=0の光を0次回折光、その次に強度の強い光を1次回折光と呼ぶ。上式より、a、dによって、0次回折光と1次回折光の強度を制御することができることがわかる。2次以上の回折光も存在するが、これは0次、1次回折光に比較して強度が非常に弱いので、殆ど無視できる。
図3(a)は鋸刃のような回折格子を記したが、これに擬似した、(b)のような階段状の回折格子を用いても同じ効果が得られる。これらのことは、例えば、Born and Wolf著、Principles of Optics, sixth edition, 407〜412頁(1980)に記載されている。
更に、図3(c)のように、液晶回折格子を用いることもできる。液晶回折格子を光ディスク装置に応用した例は、Proceedings of SPIE Vol. 4342, Optical Data Storage 2001, 22〜25頁(2001)に報告されている。この方法では、レーザビームの中心部分と周辺部分の位相を液晶回折格子によって調節することにより、基板厚ムラ等によって発生する球面収差量を補正する。この場合、液晶の配向を電圧で制御し、液晶の向いた方向と同じ方向の偏光が入射された場合にのみ、実効的な屈折率が加わり、位相を変えることができる。
本発明では、液晶分子の配向が連続的或いは階段的に、かつ周期的に配列するような液晶回折格子を用いる。このような回折格子は、例えば図3(c)の301〜304のような電極に液晶分子305が挟まれているような構造によって実現される。図3(c)の上下の電極間の電圧によって、液晶分子の配向が決定される。電極301〜304に電圧を印加しない場合は、液晶分子は図の縦方向に配向しないので、光は回折せずに直進する。今、電極に電圧を印加して、図3(c)のような液晶分子の配向を作製したとする。ここで図に対して縦方向の直線偏光レーザ光が入射されると、液晶が縦方向に向いている場所のみの実効的な屈折率が変化し、電圧が印加されていない場所での屈折率は元のままであるので、回折格子と同じ効果を有し、回折光を生ずる。
このような液晶分子の配向は、次のような方法で実現される。例えば、電極301に5V、302に1V、303に-3V、304に-1V印加したと仮定すると、上下の電圧は、以下の5つの領域に分けて考えられる。
【0005】
301と303の間; 8V、 ▲2▼ 301と304の間; 6V、 ▲3▼ 302と303の間; 4V、
302と304の間; 2V、 ▲5▼ 上下に電極がない領域;0V
このように、階段的に電圧を空間変調することができ、よって図3(c)のように液晶分子を周期的に配向させることができる。更に、各電極に印加する電圧を例えば小さくすると、液晶分子が縦方向に配向する力が弱くなるため、縦方向の実効的な屈折率変化が小さくなり、回折効率が低下する、即ち、分割されたビームのパワーが小さくなる。このように、電極に印加する電圧によって、分割した2つのビームのパワー比を制御することができる。
電極301〜304は、例えば図3(d)(e)のように作製すれば実現される。これらの図は、電極の一部を上から見た図である。各電極は、図の上下方向に周期的に作製されている。図のように作製すれば、各電極に独立な電圧を容易に印加することができる。
液晶回折格子を用いた場合、記録時のパワー分割比は、媒体出荷時に予め媒体上に推奨記録パワー、及び推奨パワー分割比を記録しておき、媒体をドライブに挿入した時にそのデータを読み出し、そのパワー分割比を用いることが可能である。或いは、媒体をドライブに挿入した時、又はデータの記録前に、ディスク上のある部分で、記録パワー、消去レベル、及びパワー分割比をパラメータとして試験記録を行い、例えばそのオーバーライトジッタが最小となる条件を見つけて設定することも可能である。又は、上記2方法を両方用い、推奨パワー分割比から、例えば±20%の範囲でパワー分割比を変え、その中でオーバーライトジッタが最小となる条件を見つける方法も可能である。推奨パワー分割比は、ディスクの特性に依存するが、例えば3:2が最適に近い分割比であるディスクを用いた場合、15:8〜6:5の範囲で最適分割比を求める。
本発明は、線速が結晶化速度よりも速い場合に用いることを可能とする。このことは記録における再結晶化を抑制することができることを意味する。よって、従来用いていたマルチパルス記録方式とは異なり、例えば単一パルスで、高品質なマークを記録することが可能となる。単一パルスにすることにより、レーザドライバシステムの簡便化を図ることができ、更に、図4(c)で述べたような、レーザの立上り・立下り時間による記録マークの品質低下を回避することができる。この理由から、図2(a)に記した記録パルスは単一パルスとした。図4のように記録パルスをボトムパワーまで下げると、先行する消去スポットのパワーレベルもボトムパワーまで下がるが、それでも上記▲1▼〜▲4▼のメカニズムは適切な条件下で成立する。消去過程において、その前後のパワーの投入によって発生した熱が伝導するからである。その条件は、レーザビーム分割機構103におけるパワー分割比を制御することによって最適化される。
上記のような単一パルスで記録を行うことが可能であると、マーク長さに対して記録パルスの長さをアナログ的に調節することができ、記録制御が容易となる。またボトムパワーが不必要となるので、ドライブのレーザドライバが簡便となる。また、再結晶化が抑制されたことにより、レーザの立上り・立下りにおける再結晶化が減少し、レーザ品質に依存しない記録が可能となる。このことはドライブ製造における歩留まりの向上を可能とする。これらのことにより、ドライブの低価格化が可能となる。
あるディスクを幾つか異なる線速で記録する場合、記録ストラテジー、記録パワー、及び2スポットのパワー分割比を各線速で最適化すれば、異なる線速においてもオーバーライトが可能となる。即ち、上記の液晶回折格子を用いれば、同一ディスクを異なる線速でオーバーライトすることができるので、従来の簡便な構造を有するディスクでCAV記録が可能となる。
これまで述べてきたことは、2スポットを記録・消去に用いる場合であった。ここでは2スポットを再生に用いる場合について述べる。再生信号におけるノイズは、アンプノイズ、レーザノイズ、媒体ノイズと分けることができる。このうち、アンプノイズとレーザノイズは周波数依存性が小さい、いわゆるホワイトノイズである。今、信号に存在するノイズがホワイトノイズのみであったと仮定すると、2回再生した信号を加算するとホワイトノイズはランダムであるため、√2倍となるが、信号成分は2倍となる。よって信号対ノイズ比(Signal-to-noise Ratio;SNR)は√2倍となる。
本発明で作製した2つのスポットによって独立に得られた信号を加算すると、上記の効果を得ることができる。この場合、ディスク上での2つのスポットの位置は異なるので、加算する前に信号のタイミングを合わせる必要がある。このことは、例えば先行する消去スポットによって得られた信号を、(2スポットの距離)÷(ディスク線速)の時間だけ遅延させることによって実現される。或いは、ディスク上のクロックパターンから信号のタイミングを計算し、その結果を用いてタイミングを合わせることも可能である。また、本方法では、再生時の2ビームのパワー分割比を1:1とするのが望ましい。
再生信号のノイズは実際には媒体ノイズを含んでいる。媒体ノイズはホワイトノイズとは異なり、場所に依存する成分である。よって2つの再生信号を加算した場合、媒体ノイズは2倍となるので、この方法によって得られるSNRは実際には√2倍よりも小さくなるが、本方法によってSNRは確実に向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】
第1形態
本発明の第1形態について述べる。第1形態におけるディスクドライブ装置の説明図を図7(a)に示す。レーザ701として、ここでは波長400nmの青紫色レーザを用いた。レーザ701より出射された直線偏光レーザ光は、コリメートレンズ702で平行光となり、図3(b)に示した形をした階段回折格子703において2つのビームに分割される。ここでは記録用と消去用のパワー分割比が3:2、ディスク上での2つのビームの距離が10μmとなるような回折格子を用いた。レーザ光はλ/4板705で円偏光になり、ミラー706、対物レンズ707を経てディスク708に入射される。ここで対物レンズ707の開口数を0.85とした。ディスク708からの反射光はλ/4板705で、入射光とは偏光面が90°異なる直線偏光となり、偏光ビームスプリッタ704において光路を曲げられる。レーザ光はハーフミラー709にて分割され、一方はオートフォーカス(AF)系光検出器、他方はミラー710を経て再生信号及びトラッキングサーボ系光検出器へ入射される。AF系光検出器において検出された信号713、及びトラッキングサーボ系信号712はアクチュエータ714へ送られ、レンズ位置を制御する。
用いたディスクの構造を図7(b)に示す。基板720は、1.1mm厚のポリカーボネート基板であり、トラックピッチ0.32μm、深さ約20nmの溝が形成されている。基板720に、反射膜であるAg合金721、保護膜SiO2 722、保護膜(ZnS)80(SiO220 723、記録膜GeSbTe 724、保護膜(ZnS)80(SiO220 725をスパッタによって製膜し、0.1mmポリカーボネートシート727をUV樹脂726によって貼りつけた。UV樹脂の厚さは、2±1μmである。また記録膜におけるSb含有量は76%とした。このディスクにマークを記録した。記録条件は、線速以外は、Proceedings of SPIE 4342, Optical Data Storage 2001, 168〜177頁(2001)に記載されている25GB条件で行った。即ち、最短マーク2Tw、最長マーク8Tw、2Twマーク長0.149μmである。この条件で、ディスク内の全データとユーザデータの比(データ効率)を約82%と仮定すると、直径120mmのディスクで25GBの記録容量が可能となる。この文献においては、ディスク線速を4.92m/s、データ転送レートを36Mbpsとしているが、記録時にはその10倍の49.2m/sとした。ただし、再生時にはディスク線速を4.92m/sとした。
このディスクを、従来の方法でオーバーライトしたところ、線速20m/sにおいてジッタが7.1%となった。それ以上の線速ではマークの消え残りが生じ、初回記録は可能であったが、オーバーライト後のジッタは測定不可能であった。
次に本発明の方法でオーバーライトを試みた。記録パルスは、マルチパルスを用いず、単一パルスとした。nTw(n;正の整数)の長さのマークを記録するパルスは、(n−0.5)Twの長さとし、ボトムパワーは用いなかった。記録パルスにおける記録パワーPwは6mW、消去レベルPeは2.4mWとした。記録スポットと消去スポットのパワー分割比は、予めディスクを測定し、3:2が最適であったので、3:2とした。よって、消去スポットにおける高パワーレベルは約4.0mW、中間レベルは1.6mWである。
この条件で記録を行ったところ、得られたジッタ−値は、初回記録で6.2%、オーバーライト後は、10回後6.8%、100回後6.7%、1000回後7.2%、5000回後7.9%であった。これにより、360Mbpsの記録速度が可能となる。
第2形態
本発明の第2形態の説明図を図8に示す。第1形態と異なる点は、回折格子703の代わりに図3(c)に記載した液晶回折格子803を用いた点、及び再生信号を液晶回折格子制御系815に入力し、液晶回折格子に印加する電圧を制御する点である。本ドライブでは、ディスクを挿入し、そのディスクが書換型ディスクであることをドライブが認識した時点で、ディスクの所定の場所に、液晶回折格子に印加する電圧、記録パワー、消去レベルを変えて試験記録を行い、オーバーライトジッタが最も小さくなるように上記のパラメータを設定する。
ディスク及び記録再生条件は、第1形態において述べたものと同じものを用いた。得られたジッタは、初回記録6.2%、オーバーライト後は、10回後6.2%、100回後6.2%、1000回後6.5%、5000回後7.5%であった。
第3形態
本発明の第3形態の説明図を図9に示す。第2形態と異なるのは、2スポット両方を再生に用いている点である。記録時における液晶回折格子印加電圧及びレーザパワーは、第2形態と同様に決定する。再生時には、液晶回折格子に印加する電圧を制御し、2つのスポットのパワー分割比を1:1とする。
ここで用いた媒体の構造は第2形態のそれと同じであるが、ここで用いた媒体のトラック溝は、例えば特開平10-091967に記載されているようなウォブル溝となっている。ここではウォブル周期よりクロック信号を作製し、その信号とデータ信号からタイミングを測定する。2つのスポットによって得られた信号から、各々の信号のタイミングを測定し、それに応じて消去スポットによって得られた信号をタイミング回路915によって遅延させて、2つの信号を加算する。図には示さなかったが、2つの信号は加算前にデジタル化した。
第2形態において用いた記録条件でマークを記録した。再生は第1、2形態のそれと同様、線速4.92m/sで行った。得られたジッタは、初回記録で5.7%、10回オーバーライト後5.2%、100回後5.2%、1000回後5.4%、5000回後6.3%であった。
第4形態
本発明の第4形態の説明図を図10に示す。第3形態と異なるのは、高帯域低ノイズアンプ1017を用いた点である。このアンプの仕様については、例えばTechnical Digest of Optical Data Storage Topical Meeting 2000, PD8 (2000) に記載されている。
ディスク及び記録条件については、第3形態と同じものを用いた。ここでは再生も記録と同じく、49.2m/sで行った。得られたジッタは、初回記録8.3%、オーバーライト後は、10回後7.6%、100回後7.6%、1000回後8.0%、5000回後9.2%であった。ここで得られたジッタ値が第2形態のそれに比べて若干大きいのは、ここでは再生時のディスク線速を第2形態のそれに比べて速くしており、よって再生信号の周波数帯域が広いため、より多くのシステムノイズを検出しているからである。しかし上記のようにここでは低ノイズアンプを用いたため、ディスク線速を高速にした場合のジッタ上昇が、この程度に抑制されている。
また、このドライブで、図7(b)と同じ構造であるが、記録膜におけるSb含有量が70%、73%、76%の3枚のディスクに記録・再生することを試みた。この場合、ディスクの記録再生の線速は、Sb含有量が70%、73%、76%の夫々のディスクで、12.5m/s、25m/s、43m/sとした。記録パルスは単一パルスとした。
上記のディスクの1000回オーバーライト後のジッタを測定した。その結果を図11に示す。ここでは比較のために、ビームパワー分割比を3:2に固定した場合について測定した結果も示す。図11より、パワー分割比を最適化することにより、異なる結晶化特性を有するディスクで実用的なジッタ値が得られることがわかる。図11において、Sb含有量が多くなるにつれてジッタ値が大きくなっている理由は、ディスク線速を速くしており、上記と同様、より多くのシステムノイズを検出しているからである。
第5形態
第5形態において用いた装置構成及びディスクは第4形態のそれと同じであるが、ディスク回転数を一定としたまま、異なるディスク半径において記録を行った。これは、CAV(Constant Angular Velocity)方式に対応する。ディスクは第4形態で用いたディスクのうち、Sb含有量が76%のものを用いた。ディスク回転数は8000rpmとした。ディスクを、半径25〜30mm、30〜35mm、35〜40mm、40〜45mm、45〜50mm、50〜55mm、55〜58mmの7領域に分け、それぞれの領域において記録パワー、記録パルス、及びパワー分割比は、第4形態の時と同様に、ドライブが試験記録をすることによって最適化する。第1〜4形態においては、記録パルスは単一パルスとしたが、内径の低線速における領域での記録の際の再結晶化を抑制するために、ここではマルチパルス方式を含めてドライブが記録パルスの最適化を行う。その結果、ディスク半径25〜30mmでは、従来技術において述べた、記録パワーとボトムパワーの出射時間の和が4Twである記録パルスが最適であったが、30mmよりも外周では単一パルスで記録することができた。上記7領域でのオーバーライト1000回後のジッタを、夫々の領域でパワー分割比を最適化した場合と、3:2に固定した場合について測定した結果を図12に示す。パワー分割比を夫々の領域において最適化した場合には、ジッタは8.2%以下となったが、3:2に固定すると、特にディスク半径50mmよりも外周において、オーバーライトジッタが悪化する。これはオーバーライト前の記録マークが十分消去されていないことによる。ディスク半径50mmよりも外周において、十分にマークを消去した後にオーバーライトすると、8%以下のジッタが得られた。よってCAV記録を行うには、パワー分割比の最適化が必要であることがわかる。
第6形態
本発明第6形態におけるドライブ装置の構成及びディスク構造は第5形態で用いたものと同じであるが、ディスクを初期化せず、スパッタしたままの状態(アズデポ(as-deposited)膜)のディスクを用いた。アズデポ状態はアモルファスである。初回記録の際には、ディスクは全面アモルファスであるが、先行する消去用スポットがディスクの初期化を行う。消去用スポットが通過する時、そのスポットのパワーレベルが記録膜を結晶化する中間レベルにある場合、アズデポ膜中に存在する結晶核から結晶化が促進され、記録膜中一部はアモルファスの状態で残るが、一部は結晶化される。また、消去用スポットによって記録膜が融解した場合、融解した領域の周辺部分一部と融解した後にゆっくりと冷却される部分が結晶化し、その他の部分はアモルファスのまま残る。よって、未初期化ディスク上を消去スポットが通過した状態は、初期化ディスクを消去スポットが通過した後の状態とほぼ同じ状態であり、ディスクを初期化しなくとも、その後の記録特性は初期化ディスクのそれとほぼ同じである。
ここでは記録再生条件を第4形態のそれと同じものとした。未初期化ディスクへの初回記録後のジッタは8.4%、オーバーライト後は第4形態のそれと全く同じ値のジッタが得られた。
【0007】
【発明の効果】
本発明は、書換型相変化ディスクにおいて、線速が結晶化速度よりも速い場合に高速オーバーライトを可能とするので、再生光耐性、保存寿命、書換回数を確保したまま、簡便な記録ストラテジーで超高速オーバーライトを可能とするドライブを安価に提供する。また、レーザの立上り・立下り時間の記録に対する影響が減少するため、ドライブの歩留まりが向上する。本発明は、従来の簡単な構造の相変化ディスクを用いて、CAV記録を可能とする。また、2スポットで別々に得られた信号の和を取ることにより、信号雑音比を向上させることができる。更に、記録前のディスクの初期化工程を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の説明図。(a)光学系の説明図、(b)媒体上の光スポットの位置の説明図。
【図2】本発明におけるレーザの動作と記録膜の物理的変化の説明図。(a)各スポットのレーザの変調の説明図、(b)(a)のレーザ照射時の記録膜の変化の説明図。
【図3】本発明におけるレーザビーム分割機構の例。(a)鋸刃型回折格子、(b)階段型回折格子、(c)液晶回折格子、(d)(c)における電極301、302を上面から見た図、(e)(c)における電極303、304を上面から見た図。
【図4】従来技術における相変化記録の記録ストラテジーの例。(a)低線速時、(b)高線速時、(c)高線速において、記録パワーとボトムパワーの出射時間の和を2Twとした例。
【図5】高速記録対応相変化記録膜におけるSb含有量と再生光耐性の関係。横軸は記録膜中のSb含有率、縦軸は、連続再生において、マークのキャリアレベルが1dB低下するまでの時間を示している。
【図6】Sb含有率が80%である記録膜を有するディスクにマークをオーバーライトした際の変調度の書換回数依存性。
【図7】本発明の実施形態第1形態の説明図。(a)光ヘッドの説明図、(b)ディスクの構造。
【図8】本発明の実施形態第2形態における光ヘッドの説明図。
【図9】本発明の実施形態第3形態における光ヘッドの説明図。
【図10】本発明の実施形態第4形態における光ヘッドの説明図。
【図11】本発明の実施形態第4形態における、異なる結晶化特性を有するディスクにおける1000回オーバーライト後のジッタ値。ビームパワー分割比を最適化した場合と、3:2に固定した場合についての測定結果。
【図12】本発明の実施形態第5形態のCAV記録において、各ディスク半径位置でパワー分割比を最適化した場合と、パワー分割比を3:2に固定した場合の1000回オーバーライト後のジッタ。
【符号の説明】
101:レーザ、102:レンズ、103:レーザビーム分割機構、104:偏光ビームスプリッタ、105:λ/4板、106:ミラー、107:対物レンズ、108:ディスク、109:トラック、110:記録用スポット、111:消去用スポット、112:スポット進行方向、113:旧記録マーク、114:マークの消去された部分、115:消え残りマーク、116:新記録マーク、
201:トラック、202:消去光スポットのA部分、203:スポット進行方向、204:結晶化領域、205:記録光スポットのC部分、206:記録光スポットのD部分、207:消去光スポットのB部分、208:溶融領域、209:アモルファス、210:記録光スポットのC部分、211:記録光スポットのD部分、
301:電極1、302:電極2、303:電極3、304:電極4、305:液晶分子、
701:レーザ、702:レンズ、703:回折格子、704:偏光ビームスプリッタ、705:λ/4板、706:ミラー、707:対物レンズ、708:ディスク、709:ハーフミラー、710:ミラー、711:再生信号、712:トラッキングサーボ信号、713:オートフォーカスサーボ信号、714:アクチュエータ、720:1.1mmポリカーボネート基板、721:Ag合金、723:SiO2、724:(ZnS)80 (SiO2) 20、724:GeSb76Te、725:(ZnS)80 (SiO2) 20、726:UV樹脂、727:0.1mmポリカーボネートシート、
801:レーザ、802:レンズ、803:液晶回折格子、804:偏光ビームスプリッタ、805:λ/4板、806:ミラー、807:対物レンズ、808:ディスク、809:ハーフミラー、810:ミラー、811:再生信号、812:トラッキングサーボ信号、813:オートフォーカスサーボ信号、814:アクチュエータ、815:液晶回折格子制御系、
901:レーザ、902:レンズ、903:液晶回折格子、904:偏光ビームスプリッタ、905:λ/4板、906:ミラー、907:対物レンズ、908:ディスク、909:ハーフミラー、910:ミラー、911:再生信号、912:トラッキングサーボ信号、913:オートフォーカスサーボ信号、914:アクチュエータ、915:タイミング回路、916:液晶回折格子制御系、
1001:レーザ、1002:レンズ、1003:液晶回折格子、1004:偏光ビームスプリッタ、1005:λ/4板、1006:ミラー、1007:対物レンズ、1008:ディスク、1009:ハーフミラー、1010:ミラー、1011:再生信号、1012:トラッキングサーボ信号、1013:オートフォーカスサーボ信号、1014:アクチュエータ、1015:タイミング回路、1016:液晶回折格子制御系、1017:高帯域低ノイズアンプ。

Claims (4)

  1. 相変化膜からなる記録層を備えた情報記録媒体に対し、光を照射して情報を記録する情報記録装置において、
    レーザ光を出射する光源と、
    前記光源から出射されたレーザ光を、前記情報記録媒体上の同一トラック上に照射される先行ビームと後方ビームとに、前記先行ビームのパワーが前記後方ビームのパワーよりも低くなるような所定の分割比で分割する分割手段と、
    前記分割手段は、前記先行ビームと後方ビームのパワーの分割比を制御するレーザパワー比制御手段を備え、
    前記後方ビームのパワーは、前記分割比の制御により少なくとも前記記録層の温度が融点以上となる記録用のパワーに制御され、前記先行ビームのパワーは、前記分割比の制御により前記記録層の温度が原子の結合エネルギー以上で融点未満となる消去用のパワーとに制御され、
    前記記録の際は、前記記録層の結晶化速度よりも早い線速となるように設定され、
    更に、前記パワーの分割比は、前記情報記録媒体に記録された情報、又は、試験記録による最小ジッタ条件に基づいて設定されることを特徴とする情報記録装置。
  2. 請求項1記載の情報記録装置において、
    前記分割手段は、液晶回折格子であり、前記レーザパワー比制御手段は、前記液晶回折格子に印加する電圧により、前記パワー比を制御することを特徴とする情報記録装置
  3. 請求項1に記載の情報記録装置において、
    前記パワーの分割比は、前記情報記録媒体の異なるディスク半径の領域に応じて設定されていることを特徴とする情報記録装置。
  4. 前記記録用ビームは、マークを記録する際、単一のパルスを照射することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
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