JP3724974B2 - 追記型相変化光記録方法および追記型相変化光記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、追記型相変化光記録方法および追記型相変化光記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、一度だけ情報を記録することが可能な追記型の光記録媒体として、有機色素系材料を用いたCD−R(Compact Disc−Recordable)がすでに商品化されている。有機色素系材料は、プロセスコストが抑えられる点で有利であるが、光劣化や熱による劣化の対策が必要である。したがって、追記型の光ディスクを、DVD(Digital Video Disc)−ROMと同程度の容量を持つようにするためには、追記型光ディスクにも無機材料を用いる必要がある。追記型光ディスクに無機材料を用いた例としては、例えば、特開平7−93806号が掲げられる。特開平7−93806は、材料の異なる二層の記録膜を設け、この記録膜にレーザ光を照射して熱拡散させる拡散合金型の光ディスクに関するものである。
【0003】
ところで、書換型の相変化記録媒体では、情報の記録にパルス状のレーザ光を用いると、高密度の情報を安定して記録できることが知られている。このようなレーザ光の例として、図4に示すようなパルス光がある。図4のレーザ光は、予め結晶化(初期化)された記録層にアモルファス相の記録層を設けるもので、すでに商品化されている書換型相変化媒体であるCD−RW(Compact Disc−Record Writable)の規格となっている記録方法とほぼ同様のものである。
また、単一のパルス状レーザビームで情報をオーバーライトする例としては、特開平8−235588号が掲げられる。特開平8−235588号に記載された発明は、結晶相にアモルファス相の記録マークを形成する記録方法に関するものである。そして、ビームパワーを消去レベルにバイアスしておき、照射されるレーザのパルス幅を制限し、いったんアモルファス化された記録層が再度結晶化されることを防ぐために急冷するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
追記型相変化光ディスクにも、上記した書換型の相変化記録媒体に用いるようなパルスレーザ光を用いて情報を追記し、より情報の記録密度を高める要請がある。しかしながら、追記型相変化光ディスクは、書換型光ディスクと反対にアモルファス相の記録層に結晶相の記録マークを形成するよう構成されている。このため、記録マークを形成しない領域にイレーズレベル以上のパワーを与えることができない上、記録層が急冷すると、いったん融点以上に高まった記録層がアモルファス化してしまう。さらに、追記型の光ディスクに対する記録方法には、記録された情報が誤って書き換えられないことが要求される。以上の点から、追記型相変化光ディスクの情報記録に書換型光ディスクのレーザパルス光を適用することはできない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、レーザパルス光によって追記型相変化光記録媒体に情報を記録するのに最適な追記型相変化光記録方法および追記型相変化光記録装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上述べた課題は、以下の手段によって解決される。
すなわち、請求項1記載の発明は、非結晶相の記録層にレーザ光を照射し、結晶相の記録マークを設けて情報を記録する追記型相変化光記録方法であって、レーザ光は、先頭パルス列と、これに続く後続パルス列と、その後に出力される最後尾パルス列とを有するパルス光として出力され、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列を、所定の出力値を持つオンパルスと、オンパルスよりも低い出力値を持つオフパルスとからなるパルス列として構成すると共に、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値を制御することにより、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値の設定が独立にできるようにし、条件設定の自由度を広げ、記録マークを形成するに当たり、よりレーザ光を最適化することができるようにすると共に、先頭パルス列および後続パルス列のオフパルスは、記録マークが形成されない記録層に照射されるレーザ光よりも高い出力値を持つようにして、先頭パルス列、後続パルス列が照射される間の記録層の温度下降速度を緩和し、いったん液化した記録層がアモルファス状態になることを防ぎ、更に、最後尾パルス列のオンパルスは、少なくとも後続パルス列のオンパルスよりも高い出力値を持ち、かつ、最後尾パルス列のオフパルスは、少なくとも後続パルス列のオフパルスよりも低い出力値を持つようにして、最後尾パルス列のレーザ光照射による温度上昇後の冷却速度を大きくすることにより、最後尾パルス列のレーザ光が照射された部位がアモルファス化するようになることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、非結晶相の記録層にレーザ光を照射し、結晶相の記録マークを設けて情報を記録する追記型相変化光記録方法であって、レーザ光は、先頭パルス列と、これに続く後続パルス列と、その後に出力される最後尾パルス列とを有するパルス光として出力され、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列を、所定の出力値を持つオンパルスと、オンパルスよりも低い出力値を持つオフパルスとからなるパルス列として構成すると共に、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値を制御することにより、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値の設定が独立にできるようにし、条件設定の自由度を広げ、記録マークを形成するに当たり、よりレーザ光を最適化することができるようにすると共に、先頭パルス列および後続パルス列のオフパルスは、記録マークが形成されない記録層に照射されるレーザ光よりも高い出力値を持つようにして、先頭パルス列、後続パルス列が照射される間の記録層の温度下降速度を緩和し、いったん液化した記録層がアモルファス状態になることを防ぎ、更に、最後尾パルス列のオンパルスは、少なくとも後続パルス列のオンパルスよりも広いパルス幅を持ち、かつ、最後尾パルス列のオフパルスは、少なくとも後続パルス列のオフパルスよりも低い出力値を持つようにして、最後尾パルス列のレーザ光照射による温度上昇後の冷却速度を大きくすることにより、最後尾パルス列のレーザ光が照射された部位がアモルファス化するようになることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、非結晶相の記録層にレーザ光を照射し、結晶相の記録マークを設けて情報を記録する追記型相変化光記録方法であって、レーザ光は、先頭パルス列と、これに続く後続パルス列と、その後に出力される最後尾パルス列とを有するパルス光として出力され、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列を、所定の出力値を持つオンパルスと、オンパルスよりも低い出力値を持つオフパルスとからなるパルス列として構成すると共に、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値を制御することにより、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値の設定が独立にできるようにし、条件設定の自由度を広げ、記録マークを形成するに当たり、よりレーザ光を最適化することができるようにすると共に、先頭パルス列および後続パルス列のオフパルスは、記録マークが形成されない記録層に照射されるレーザ光よりも高い出力値を持つようにして、先頭パルス列、後続パルス列が照射される間の記録層の温度下降速度を緩和し、いったん液化した記録層がアモルファス状態になることを防ぎ、更に、最後尾パルス列のオンパルスは、少なくとも後続パルス列のオンパルスよりも高い出力値と広いパルス幅を持ち、かつ、最後尾パルス列のオフパルスは、少なくとも後続パルス列のオフパルスよりも低い出力値を持つようにして、最後尾パルス列のレーザ光照射による温度上昇後の冷却速度を大きくすることにより、最後尾パルス列のレーザ光が照射された部位がアモルファス化するようになることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項1〜3の発明において、最後尾パルス列を、少なくとも先頭パルス列が出力されたことを条件に出力されるように構成すれば、最後尾パルス列が記録層の全面に照射され、記憶されていた情報が改ざんされる虞をなくすことができる。
また、先頭パルス列と、これに続く後続パルス列と、その後に出力される最後尾パルス列とを有するパルス状のレーザ光を、非結晶の記録層に対して相対的に移動しながら照射することにより形成された記録マークを有する追記型相変化光記録媒体の記録マークは、先頭パルス列および後続パルス列によって形成された結晶相マーク部と、最後尾パルス列によって形成された非結晶マーク部とを有してなり、非結晶マーク部は、そのレーザ光の移動方向と直交する方向の大きさが結晶マーク部よりも大きく形成されるので、結晶マークの消し残りを防止することができる。
【0009】
請求項4記載の発明は、情報の記録媒体に対してレーザ光を照射し、非晶質の記録層を結晶化することによって記録マークを形成する追記型相変化光記録装置であって、レーザ光を、先頭パルス列と、これに続く後続パルス列と、その後に出力される最後尾パルス列とを有するパルス光とし、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列を、所定の出力値を持つオンパルスと、オンパルスよりも低い出力値を持つオフパルスとからなるパルス列として出力するレーザ光出力手段と、前記先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値を制御するパルス列制御手段とを有することにより、先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値の設定が独立にでき、条件設定の自由度が広い追記型相変化光記録装置が構成できるので、記録マークを形成するに当たり、より最適なレーザ光を生成することができる。更に、パルス列制御手段は、先頭パルス列の立上り遅延時間を制御する先頭立上り時間制御手段と、後続パルス列のオンパルス幅、オフパルス幅比と、最後尾パルス列のオンパルス幅、オフパルス幅とを独立に設定するパルス幅設定手段と、記録層のうち、記録マークが形成されない領域におけるレーザ光の出力値である非形成出力値P0を設定すると共に、先頭パルス列のオンパルス出力値P1onおよびオフパルス出力値P1off、後続パルス列のオンパルス出力値P2onおよびオフパルス出力値P2off、最後尾パルス列のオンパルス出力値P3onおよびオフパルス出力値P3offとを、以下の条件に設定する出力値設定手段とを有する。
P3 off <P0
P1off>P0,P2off>P0
P2on>P2off
P3 on >P2 on
このように構成することにより、記録マークを形成するに当たり、より最適なレーザ光を生成する追記型相変化光記録装置が構成できる。
【0010】
また、請求項4の発明において、レーザ光出力手段を、少なくとも先頭パルス列が出力されたことを条件に前記最後尾パルス列を出力するように構成すれば、最後尾パルス列が記録層の全面に照射され、記憶されていた情報が改ざんされる虞を装置側でなくすことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、追記型相変化光記録媒体である光ディスク10であり、(a)は、光ディスク10の一部を切り欠いて示した外観図、(b)は、(a)中にaで示した断面を拡大して示した図である。また図2は、図1中の記録マークMを形成するのに用いられるパルス状のレーザ光を説明するための図、図3は、図1に示した光ディスク10に対して情報の追記ができる追記型相変化光記録装置を説明するためのブロック図である。
図1に示したように、光ディスク10は、透明基板6上に直接下部保護層5が形成されている。そして、この下部保護層5から上層に向かって順に、記録層4、上部保護層3、反射層2、オーバーコート層1が形成されている。
【0012】
透明基板6には、PC(ポリカーボネイト)を使用し、下部保護層には、ZnS・SiO2、SiNxなどが使用可能である。
また、記録層4はアモルファス状態の膜であり、この代表的な材料としてはTeOxやSb−Seがある。実施の形態では、スパッタ法によってSbSe相変化膜を5〜25nmの厚さに堆積し、記録膜として使用する。
さらに、上部保護層3の材料としては、ZnS・SiO2、SiNxなどが使用可能である。このとき、上部保護層3下の記録層はアモルファス状態のまま保存されることになる。
そして、反射層2の材料としては、Al、Al合金、Au、Agなどが使用可能であり、Al合金の具体例として、Al−Ti:1wt%が挙げられる。
この上層に、オーバーコート層1としてUV硬化型樹脂を塗布し、光ディスク10が完成する。
【0013】
上記した光ディスク10では、パルス状のレーザ光によってアモルファス状態の記録層4に記録マークMが形成されている。記録マークMは、図2のように結晶マーク部cと、非結晶マーク部aとを有している。また、このような記録マークMを形成するパルス状のレーザ光は、先頭パルス列P1と、これに続く後続パルス列P2と、その後に出力される最後尾パルス列P3とを有している。そして、結晶マーク部cは、先頭パルス列P1および後続パルス列P2によって形成され、非結晶マーク部aは、最後尾パルス列P3により形成される。
【0014】
先頭パルス列P1、後続パルス列P2、最後尾パルス列P3は、それぞれ所定の出力値を持つオンパルス(P1on,P2on,P3on)と、前記オンパルスよりも低い出力値を持つオフパルス(P1off,P2off,P3off)とからなるパルス列として構成されている。このような先頭パルス列P1、後続パルス列P2、最後尾パルス列P3のオン、オフパルス出力値、出力時間(パルス幅)、オン、オフのデューティ比、さらには立上り時間および時定数は、図3に示した追記型相変化光記録装置中によってそれぞれのパルス列ごとに独立に制御されている。
【0015】
図3の追記型相変化光記録装置は、図2に示した形状のパルス波(記録波形)を発生する記録波形発生部11と、外部クロック発生器12から出力されたクロック信号を入力し、記録波形発生部11で発生した波形と同期させてレーザダイオード(LD)ドライバ14、光記録ヘッド部15を制御する記録システム制御部13とを有している。レーザダイオードドライバ14は、光ディスク10を回転させる構成で、光記録ヘッド部15は、光ディスク10のフォーカスを合わせながらレーザ光を出力するヘッドを光ディスク10の径方向に移動する構成である。ディスク10の回転と光記録ヘッド15との移動の結果、光記録ヘッド15は、反射層4上を図2中に示す矢線Aの方向に相対的に移動することになる。
【0016】
次に、図3の追記型相変化光記録装置の動作を述べ、この追記型相変化光記録方法、形成される光ディスク10(追記型相変化光記録媒体)についてより詳細に述べる。追記処理の開始指示が入力されると、記録波形発生部11は、図2に示した記録波形を発生する。記録システム制御部13は、この記録波形に基づいて、光記録ヘッド15にパルス状のレーザ光を出力させる。
【0017】
このパルス状のレーザ光は、前述したように、オンパルスP1on、オフパルスP1offとを有する先頭パルス列P1、オンパルスP2on、オフパルスP2offとを有する後続パルス列P2、オンパルスP3on、オフパルスP3offとを有する最後尾パルス列P3とよりなっている。このようなオンパルスP1on、P2on、P3onの出力値は、記録層4を結晶化温度以上に高めるのに充分なパワーを与えるよう設定されている。
【0018】
また、良く知られているように、温度が上昇したことによって原子配列が無秩序な液状状態となった記録層は、結晶化温度以上にある時間保たれると結晶化する。このため、オフパルスP1off、P2off、P3offの出力値は、記録層4の冷却速度を緩和し、記録マークMを形成すべき記録層4の領域を所定の時間結晶化温度以上に保つように設定されている。さらに、記録マークMを形成しない領域(マーク非形成領域)に照射されることになるレーザ光の出力値P0は、記録層4のアモルファス層を損なわないようにいずれのオフパルスよりも低く設定されている。
【0019】
記録マークMの結晶マーク部cは、先頭パルス列P1、後続パルス列P2とによって形成され、非結晶マーク部aは、最後尾パルス列P3によって形成される。このため、先頭パルス列P1、後続パルス列P2のオフパルスは、結晶マーク部cの結晶状態が連続して一様になるように同じ出力値に設定される。ただし、先頭パルス列P1、後続パルス列P2のオンパルスの出力値については、同じであっても、相違するものであっても良い。
【0020】
また、記録マークMの形成開始端s、形成終了端eは、記録マークのエッジを決定する重要な部位である。この形成開始端sは、先頭パルス列P1の立上り時間τFpや時定数によって決まる。このため、立上り時間τFpや時定数は、予め実験などによって最適化された値に設定されている。一方、記録マークMの形成終了端eは、非結晶マーク部aの大きさによって決定する。このため、非結晶マーク部aを形成する最後尾パルス列P3は、その出力値や出力時間が所望の大きさの非結晶マーク部aを形成できるように設定されている。
【0021】
すなわち、最後尾パルス列P3は、オンパルスP3onで記録層4に与えた温度が急速に失われるようにし、記録層4がアモルファス化されやすくなるようになっている。このため、本実施の形態では、オンパルスP3onを、先頭パルス列P1、後続パルス列P2のオンパルスよりも高く、また、オフパルスP3offを、先頭パルス列P1、後続パルス列P2のオフパルスよりも低い(マーク非形成領域に照射されるレーザ出力値P0よりもさらに低い)出力値を持つように設定している。
【0022】
また、本実施の形態では、オフパルスP3offを低く設定すると共に最後尾パルス列P3のオンパルスP3onが後続パルス列P2のオンパルスよりも広いパルス幅を持つようにし、非結晶マーク部aの温度が充分に上昇するようにしている。このことにより、結晶化範囲を広げ、レーザ光の移動方向、すなわち矢線Aと直交する方向に非結晶マーク部aの大きさが結晶マーク部cよりも大きくなり、記録マークMの消し残りによって光ディスク10のジッタが悪化することを防いでいる。
【0023】
以上述べた先頭パルス列P1、後続パルス列P2、最後尾パルス列P3の条件をまとめると、以下のようになる。
P3off≦P0
P1off>P0,P2off>P0
P2on>P2off
P3on≧P2on
このように先頭パルス列P1、後続パルス列P2、最後尾パルス列P3を設定することにより、記録マークMのエッジの位置精度が高まり、光ディスク10の品質を高めることができ、最適なレーザ光の条件で追記型相変化光記録媒体に情報を記録することができるようになる。
【0024】
ところで、追記型相変化光記録媒体は、経時的な情報を改ざんされることなく保存できる点に特徴を持つものである。このことから、本発明では、最後尾パルス列P3を発生させるに当たっては、必ず少なくとも先頭パルス列P1を発生したことを条件にし、記録層4の全面がアモルファス化され、情報の書き換えがなされることを防ぐようにしている。また、このような最後尾パルス列P3出力のロック機構を、レーザ光出力手段としての記録システム制御部13に備えるよう構成することも可能である。
【0025】
次に、以上述べた光ディスク10に対し、本実施の形態の追記型相変化光記録装置で、本実施の形態の追記型相変化光記録方法によって情報を記録した結果について述べる。
記録条件
・最短記録ビット長0.267μm
・記録線速 3.5m/s
・先頭パルス列P1、後続パルス列P2オンパルス出力値7〜13mW
・先頭パルス列P1、後続パルス列P2オフパルス出力値1〜4mW
・最後尾パルス列P3オンパルス出力値11〜15mW
・最後尾パルス列P3オフパルス出力値1mW
・後続パルス列P2デューティ比50%(固定)
【0026】
以上の条件でなされた記録を、本実施の形態では、記録マークMから読み出されたデータ信号とクロック信号とのデータトゥクロックジッタ(以下、単にジッタ値と記す)により評価した。この評価では、立上り時間τFPおよび最後尾パルス列P3の時定数、パルス幅を最適化することにより、ジッタ値11%以下という結果が得られた。
また、以下の条件では、ジッタ値8.3%が得られ、DVD−ROMと容量互換のある追記型相変化光記録が可能になるという結果を得た。
・先頭パルス列P1、後続パルス列P2オンパルス出力値10mW
・先頭パルス列P1、後続パルス列P2オフパルス出力値1mW
・最後尾パルス列P3オンパルス出力値14mW
・最後尾パルス列P3オフパルス出力値1mW
【0027】
【発明の効果】
以上説明した本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、請求項1〜3記載の発明は、記録マークを形成するに当たり、よりレーザ光を最適化することができるため、追記型相変化光記録媒体に対し、より安定に、また、高密度に記録マークを書き込むことができる。また、いったん液化した記録層がアモルファス状態になることを防ぎ、記録マークの消し残りをなくし、良好な結晶相の記録マークを形成することができるので、形成された記録マークのデータトゥクロックジッタを向上することができる。特に請求項3記載の発明は、記録マークの消し残りを確実になくすことができる。
請求項4記載の発明は、記録マークを形成するに当たり、より最適なレーザ光を生成できる追記型相変化光記録装置を提供することができるので、追記型相変化光記録媒体に対し、より安定に、また高密度に記録マークを書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 追記型相変化光記録媒体である光ディスクであり、(a)は、光ディスクの一部を切り欠いて示した外観図、(b)は、(a)中に示した断面を拡大して示した図である。
【図2】 図1中の記録マークを形成するのに用いられるパルス状のレーザ光を説明するための図である。
【図3】 図1に示した光ディスクに対して情報の追記ができる追記型相変化光記録装置を説明するためのブロック図である。
【図4】 周知のCD−RWの規格となっている記録方法で使用されたものとほぼ同様のパルス光を示す図である。
【符号の説明】
1 オーバーコート層
2 反射層
3 上部保護層
4 記録層
5 下部保護層
6 透明基板
10 光ディスク
11 記録波形発生部
12 外部クロック発生器
13 記録システム制御部
14 レーザダイオードドライバ
15 光記録ヘッド部
Claims (4)
- 非結晶相の記録層にレーザ光を照射し、結晶相の記録マークを設けて情報を記録する追記型相変化光記録方法であって、前記レーザ光は、先頭パルス列と、これに続く後続パルス列と、その後に出力される最後尾パルス列とを有するパルス光として出力され、前記先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列を、所定の出力値を持つオンパルスと、前記オンパルスよりも低い出力値を持つオフパルスとからなるパルス列として構成すると共に、前記先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値を制御し、前記先頭パルス列および前記後続パルス列のオフパルスは、記録マークが形成されない記録層に照射されるレーザ光よりも高い出力値を持つようにし、前記最後尾パルス列のオンパルスは、少なくとも前記後続パルス列のオンパルスよりも高い出力値を持ち、かつ、前記最後尾パルス列のオフパルスは、少なくとも前記後続パルス列のオフパルスよりも低い出力値を持つようにすることを特徴とする追記型相変化光記録方法。
- 非結晶相の記録層にレーザ光を照射し、結晶相の記録マークを設けて情報を記録する追記型相変化光記録方法であって、前記レーザ光は、先頭パルス列と、これに続く後続パルス列と、その後に出力される最後尾パルス列とを有するパルス光として出力され、前記先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列を、所定の出力値を持つオンパルスと、前記オンパルスよりも低い出力値を持つオフパルスとからなるパルス列として構成すると共に、前記先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値を制御し、前記先頭パルス列および前記後続パルス列のオフパルスは、記録マークが形成されない記録層に照射されるレーザ光よりも高い出力値を持つようにし、前記最後尾パルス列のオンパルスは、少なくとも前記後続パルス列のオンパルスよりも広いパルス幅を持ち、かつ、前記最後尾パルス列のオフパルスは、少なくとも前記後続パルス列のオフパルスよりも低い出力値を持つようにすることを特徴とする追記型相変化光記録方法。
- 非結晶相の記録層にレーザ光を照射し、結晶相の記録マークを設けて情報を記録する追記型相変化光記録方法であって、前記レーザ光は、先頭パルス列と、これに続く後続パルス列と、その後に出力される最後尾パルス列とを有するパルス光として出力され、前記先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列を、所定の出力値を持つオンパルスと、前記オンパルスよりも低い出力値を持つオフパルスとからなるパルス列として構成すると共に、前記先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値を制御し、前記先頭パルス列および前記後続パルス列のオフパルスは、記録マークが形成されない記録層に照射されるレーザ光よりも高い出力値を持つようにし、前記最後尾パルス列のオンパルスは、少なくとも前記後続パルス列のオンパルスよりも高い出力値と広いパルス幅とを持ち、かつ、前記最後尾パルス列のオフパルスは、少なくとも前記後続パルス列のオフパルスよりも低い出力値を持つようにすることを特徴とする追記型相変化光記録方法。
- 情報記録媒体に対してレーザ光を照射し、非晶質の記録層を結晶化することによって記録マークを形成する追記型相変化光記録装置であって、前記レーザ光を、先頭パルス列と、これに続く後続パルス列と、その後に出力される最後尾パルス列とを有するパルス光とし、前記先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列を、所定の出力値を持つオンパルスと、前記オンパルスよりも低い出力値を持つオフパルスとからなるパルス列として出力するレーザ光出力手段と、前記先頭パルス列、後続パルス列、最後尾パルス列の出力値を制御するパルス列制御手段とを有し、該パルス列制御手段は、前記先頭パルス列の立上り遅延時間を制御する先頭立上り時間制御手段と、前記後続パルス列のオンパルス幅、オフパルス幅比と、前記最後尾パルス列のオンパルス幅、オフパルス幅とを独立に設定するパルス幅設定手段と、記録層のうち、記録マークが形成されない領域におけるレーザ光の出力値である非形成出力値P0を設定すると共に、前記先頭パルス列のオンパルス出力値P1 on およびオフパルス出力値P1 off 、前記後続パルス列のオンパルス出力値P2 on およびオフパルス出力値P2 off 、前記最後尾パルス列のオンパルス出力値P3 on およびオフパルス出力値P3 off とを、以下の条件に設定する出力値 設定手段とを有することを特徴とする追記型相変化光記録装置。
P3 off <P0
P1off>P0,P2off>P0
P2on>P2off
P3 on >P2 on
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