JPH0778354A - 情報記録媒体およびそれを用いた記録方法 - Google Patents

情報記録媒体およびそれを用いた記録方法

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JPH0778354A
JPH0778354A JP22190593A JP22190593A JPH0778354A JP H0778354 A JPH0778354 A JP H0778354A JP 22190593 A JP22190593 A JP 22190593A JP 22190593 A JP22190593 A JP 22190593A JP H0778354 A JPH0778354 A JP H0778354A
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JP22190593A
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Naomasa Nakamura
直正 中村
Naoki Morishita
直樹 森下
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、安定なフォーカシング、トラッキン
グが可能な情報記録媒体およびそれを用いた記録方法を
提供することを目的とする。 【構成】透明基板上に形成された金属層と、金属層上に
形成されており、記録用光ビームを照射することにより
光学的特性が変化する記録層と、記録層上に形成された
反射層とを具備し、記録後の反射率が記録前の反射率よ
り大きくなることを特徴とする。また、上記情報記録媒
体を用い、記録層に記録用光ビームを照射して、情報に
応じた長さの記録マークを形成することにより情報記録
媒体への記録を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体およびそ
れを用いた記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】記録・消去が可能な情報記録媒体として
は、図8に示すように、基板1上に第1の保護層2、記
録層3、第2の保護層4、および反射層5を順次積層し
てなる情報記録媒体がある。基板1の材料としては、ガ
ラスや、アクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂等
の透明プラスチックを用いることができる。第1および
第2の保護層の材料としては、ZnS、SiO2 、Al
23 、およびこれらの混合物を用いることができる。
記録層3の材料としては、GeSbTe等のカルコゲナ
イトを用いることができる。これらの層は、真空蒸着
法、スパッタリング法等の堆積方法により形成すること
ができる。また、反射層4の材料としては、Al、Au
またはこれらを母材とし、Ti,Mo,Zr,Cr等の
元素を添加してなる合金を用いることができる。
【0003】このような情報記録媒体を使用して記録・
消去をする場合、まず、情報記録媒体全面に光ビームを
照射して融点以下で加熱し、記録層の材料を結晶性の高
い状態(原子が比較的規則正しく配列された状態、以
下、結晶状態という)にする。次に、情報の書き込み
(記録)のために、情報記録媒体に短い強いパルス光を
照射して記録層を加熱溶融した後急冷する。これによ
り、パルス光を照射した部分は、結晶性が低下した状態
(原子配列が乱れた状態、以下、非晶質状態という)と
なる。
【0004】上記のように、結晶状態と非晶質状態では
原子配列の構造が異なるので、透過率や反射率のような
光学的性質が異なる。この性質の違いを利用して情報を
記録することができる。このようにして書き込まれた情
報は、記録された部分に長く弱いパルス光を照射して記
録層を構成する材料の融点以下の温度まで加熱し、その
後徐冷することにより消去することができる。これは、
記録部の材料が元の状態である結晶状態に戻るためであ
る。また、図9に示すような弱い連続したレーザパワー
(バイアスパワー)に強く短いパルスを重畳したレーザ
パワー(記録パワー)を用いることにより、非晶質状態
である記録部の材料を結晶化して記録部を消去し、それ
と同時に新しい記録部を形成する、いわゆるオーバーラ
イトを行うことができる。
【0005】実際の情報記録媒体は、上記のように結晶
状態と非晶質状態の反射率変化を信号とするため、各層
の厚さは保護層と記録層との界面および保護層と反射層
との界面の光学的干渉効果を考慮して設計される。この
ため、情報記録媒体に使用される材料の光学定数によ
り、反射率変化を大きくすることができる最適な厚さが
存在する。
【0006】例えば、記録層3の材料としてGeSbT
eを用い、反射層5の材料としてAlを用い、第1およ
び第2の保護層2,4の材料としてZnS:SiO2
用いてなる情報記録媒体において、第2の保護層4の厚
さに対する記録状態(非晶質状態)と、未記録状態(結
晶状態)との反射率の関係を図10に示す。図10から
分かるように、反射率変化が大きく得られる厚さは10
0〜200オングストロームと1400〜1500オン
グストロームの範囲である。厚さが100〜200オン
グストロームのときには、記録部の反射率が未記録部の
反射率よりも小さいので、反射率が下がる向きの記録が
なされる。一方、厚さが1400〜1500オングスト
ロームのときには、記録部の反射率が未記録部の反射率
よりも大きいので、反射率が上がる向きの記録がなされ
る。
【0007】しかしながら、第2の保護層4の厚さが厚
くなると、記録層3から反射層5への熱の流れが阻害さ
れ、レーザパワーの変調により十分に急冷を制御するこ
とができず、記録特性が悪くなることが知られている。
したがって、従来、記録層3の材料としてGeSbTe
等を用いる場合、第2の保護層4の厚さは100〜20
0オングストロームの範囲に設定し、反射率が下がる向
きの記録がなされている(T.Ohta et al.JJAP.Vol 128
(1989)SUP ULEMENT28-3,pp123-128)。
【0008】このような情報記録媒体を用いた情報の記
録方法としては、図11(A)に示すような同じ形状の
記録マーク6を形成し、その記録マーク6の中心の間隔
から情報を得るマーク位置記録と、図11(B)に示す
ような情報に応じた長さの記録マーク7を形成し、記録
マーク7の長さから情報を得るマーク長記録とが知られ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のマーク位置記録
用の情報記録媒体においては、記録層上の記録部(非晶
質領域)は未記録部(結晶領域)に比べて大きくない。
一方、マーク長記録用の情報記録媒体においては、記録
層上の記録部はマーク位置記録の場合よりも大きくな
る。例えば、記録マークの直径を0.78μmと仮定
し、同一密度の記録部を有する場合のマーク位置記録お
よびマーク長記録における記録層上の未記録部に対する
記録部の面積比は、マーク位置記録の場合26%である
のに対し、マーク長記録の場合44%となる。これらの
記録方法を反射率が下がる方向に記録がなされる従来の
情報記録媒体に採用した場合、記録部の面積比の大きい
ものほど再生時には記録前に比べて平均反射率は低下す
る。
【0010】マーク位置記録の場合、反射率が下がる方
向に記録がなされても、ある程度の反射光量が得られ、
通常の光ディスクドライブでフォーカシング、トラッキ
ングして信号を再生することが可能である。しかしなが
ら、反射率が下がる方向に記録がなされる情報記録媒体
において、高密度化に伴い、マーク長記録において記録
マークを詰めて形成すると、再生を行う場合に記録層全
体の面積に対して記録部の面積が大きくなるため、平均
反射率がこれまでの60%以下まで低下することにな
る。例えば、第2の保護層の厚さを図10においてA印
の位置の厚さとした場合、平均反射率は10%以下とな
る。一般に、安定にフォーカシング、トラッキングを行
うためには、最低でも10%程度の反射率が必要なこと
から、この場合は、フォーカシング、トラッキングに必
要な反射光量が得られないという問題点がある。反射率
を上げるためには、第2の保護層の厚さを厚くする必要
があり、この場合には反射率変化量を大きくとることが
できない。
【0011】また、反射率が下がる方向に記録がなされ
る情報記録媒体の場合、反射層の裏面からの光の逃げが
ないとすると、記録部の吸収率が大きくなり、未記録部
の吸収率が小さいことになる。このため、記録部に新し
いマークをオーバーライト記録する場合と、未記録部に
新しいマークをオーバーライトする場合とでは吸収率が
異なり、記録時における記録層の温度の上り方が異な
る。さらに、未記録部は結晶状態であるので溶融するに
は潜熱を必要とするので、同じレーザパワーで加熱した
場合にさらに温度の上り方に差がでる。このため、形成
された記録マークは、領域により大きさが異なる。した
がって、記録マークのエッジ部に情報をもたせた記録方
式を用いる場合、エッジの位置が場所により揺らぐとい
う問題点がある。
【0012】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、安定なフォーカシング、トラッキングが可能な情
報記録媒体およびそれを用いた記録方法を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明基板上に
形成された金属層と、前記金属層上に形成されており、
記録用光ビームを照射することにより光学的特性が変化
する記録層と、前記記録層上に形成された反射層とを具
備し、記録後の反射率が記録前の反射率より大きくなる
ことを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0014】また、本発明は、透明基板上に形成された
金属層と、この金属層上に形成された保護層と、前記金
属層上に形成されており、記録用光ビームを照射するこ
とにより光学的特性が変化する記録層と、前記記録層上
に形成された反射層とを具備し、記録後の反射率が記録
前の反射率より大きくなる情報記録媒体を用い、前記記
録層に記録用光ビームを照射して、情報に応じた長さの
記録マークを形成することにより情報記録媒体への記録
を行うことを特徴とする記録方法を提供する。
【0015】
【作用】本発明の情報記録媒体は、従来の層構成(基板
/第1の保護層/記録層/第2の保護層/反射層)にお
いて、基板と第1保護層との間に半透明な金属層を介在
させることにより、各層界面の干渉と、基板/第1の保
護層界面の干渉を利用し、従来とは異なり記録時に反射
率の上がる方向の記録がなされる層構成とすることを特
徴としている。
【0016】これにより、マーク長記録を行っても記録
部では反射率が増加し、十分な反射光量が得られ、安定
なフォーカシング、トラッキングが可能となる。また、
記録部での吸収率が小さく、未記録部での吸収率が大き
いために、記録部に新しいマークをオーバーライト記録
する場合と、未記録部に新しいマークをオーバーライト
記録する場合での温度の上り方の差を補正でき、同じ大
きさの記録マークを形成できる。このため、エッジの揺
らぎを抑えた記録が可能となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して具体
的に説明する。図1は本発明に係る情報記録媒体の一実
施例を示す断面図である。図中10は透明基板を示す。
透明基板10上には、半透明である金属層11が形成さ
れている。金属層11上には、第1の保護層12、記録
層13、第2の保護層14、および反射層15が順次積
層されている。
【0018】透明基板10の材料としては、ガラスや、
アクリル樹脂もしくはポリカーボネート樹脂等のプラス
チック材料を用いることができる。透明基板10の厚さ
は、0.5〜1.5mm程度である。金属層11の材料と
しては、Au,Ag,Cu,Cr等の金属またはこれら
を含む合金を用いることができる。また、第1および第
2の保護層12,14の材料としては、ZnS、SiO
2 、Al23 、またはこれらの混合物を用いることが
できる。記録層13の材料としては、GeSbTe等の
カルコゲナイトを用いることができる。反射層14の材
料としては、Al,Au,またはAlもしくはAuを母
材としてTi,Mo,Zr,Cr等を含む合金を用いる
ことができる。反射層14の厚さは、光学的な反射の目
的の他に記録層13で発生した熱を効果的に放熱する役
割をもつため、1000オングストローム以上であるこ
とが望ましい。なお、これらの各層は、真空蒸着法、ス
パッタリング法等の堆積方法により形成することができ
る。
【0019】図2は、上記構成を有する情報記録媒体に
おいて、第1の保護層12の厚さを変化させたときの記
録部および未記録部の反射率並びに反射率変化量を示す
グラフである。
【0020】このとき、金属層としては厚さ100オン
グストロームのAu層を用い、記録層としては厚さ20
0オングストロームのGeSbTe層を用い、第2の保
護層としては厚さ500オングストロームのZnS:S
iO2 層を用い、反射層としては厚さ2000オングス
トロームのAl層を用いた。
【0021】透明基板側から入射した光は各層間の界面
で多重反射を起こすため、第1の保護層の厚さにより反
射率の変化の仕方が異なる。図2において、第1の保護
層の厚さが1000〜1700オングストロームまたは
2800〜3600オングストロームの範囲であると、
記録時に反射率が増加するようになる。この場合、特に
第1の保護層の厚さが1500オングストロームまたは
3400オングストロームであると、反射率変化量が最
大である22%となる。このとき、未記録部の反射率は
20%であるので、記録後に反射率が増加することにな
る。したがって、安定なフォーカシング、トラッキング
が可能となり、しかも最大の反射率変化量がとれる。第
1の保護層に適当な厚さは、最大の反射率変化量22%
の半分以上をとれる1200〜1600オングストロー
ムまたは3100〜3500オングストロームである。
【0022】図3は、上記構成を有する情報記録媒体に
おいて、Auからなる金属層の厚さを変化させたときの
記録部および未記録部の反射率並びに反射率変化量に対
する反射率を示すグラフである。図3から分かるよう
に、金属層の厚さが40オングストローム以上で記録部
の反射率が未記録部の反射率より大きくなり、記録時に
反射率が増加するようになる。これは、金属層の厚さが
40オングストローム以上で透明基板と金属層との界面
における干渉効果が現れるためである。さらに、金属層
の厚さが80オングストローム以上となると、未記録部
での反射率が10%を超えて単調に増加する。
【0023】一方、反射率変化量の点からは、金属層の
厚さが120オングストロームで最大の反射率変化量が
得られる。しかしながら、金属層の厚さが200オング
ストロームを超えると、最大変化量の50%以下にな
る。このため、未記録部の反射率が10%以上であり、
安定なフォーカシング、トラッキングが可能で、しかも
大きな反射率変化が得られる金属層の厚さは、80〜2
00オングストロームとなる。ここで、Auの複屈折率
は波長690nmのレーザ光に対して0.15−5.3i
である。したがって、金属層の材料としては、Au以外
にもAuと同程度の複屈折率を有するものを用いること
ができる。このような金属として、Ag,Cu,Crや
これらの金属を含む合金が挙げられる。
【0024】図4は、上記構成を有する情報記録媒体に
おいて、第2の保護層の厚さを変化させたときの記録部
および未記録部の反射率並びに反射率変化量に対する反
射率を示すグラフである。図4から分かるように、第2
の保護層の厚さに対してほとんどの領域で記録時に反射
率の増加する十分な反射率変化量が得られる。第2の保
護層の厚さが200〜1600オングストロームまたは
1900〜3400オングストロームの範囲であれば、
20%以上の反射率変化量および未記録部における10
%以上の反射率を得ることができる。このように、本発
明の情報記録媒体においては、第2の保護層の厚さが2
00オングストロームとしても十分な反射率変化量が得
られるため、従来の情報記録媒体において問題であった
レーザパワーの変調による急冷の制御も可能となる。
【0025】図5は、上記構成を有する情報記録媒体に
おいて、記録層の厚さを変化させたときの記録部および
未記録部の反射率並びに反射率変化量に対する反射率を
示すグラフである。図5から分かるように、記録層の厚
さが500オングストローム以下であれば反射率変化が
得られるが、未記録部の反射率と反射率変化の両者を考
慮すると350オングストローム以下であることが望ま
しい。
【0026】本実施例においては、波長690nmのレー
ザ光における計算結果を示しているので、記録に用いる
レーザ光の波長が変化すれば、それに応じて各層の厚さ
は適宜変更される。また、透明基板上に形成されている
光ビームをトラッキングするための溝の形状によっても
各層の最適な厚さは変化するが、いずれの場合であって
も記録時に反射率が増加し、しかも未記録部の反射率が
10%以上となるように各層の厚さを設定すれば本発明
の主旨からは逸脱しない。
【0027】次に、このような情報記録媒体を用いて情
報記録を行う場合について説明する。ここで使用する情
報記録媒体としては、直径90mm、厚さ1.2mmの溝付
きポリカーボネート製円盤ディスク上に、金属層である
厚さ100オングストロームのAu層、第1の保護層で
ある厚さ1400オングストロームのZnS:SiO2
層、記録層である厚さ300オングストロームのGeS
bTe(組成は原子比で2:2:5)層、第2の保護層
である厚さ300オングストロームのZnS:SiO2
層、並びに反射層である厚さ2000オングストローム
のAl層を真空スパッタリング法を用いて順次形成して
なる光ディスクを使用した。
【0028】図6は、本発明の情報記録媒体を用いて情
報の記録・再生を行うための装置を示す説明図である。
図6において、光ディスク21は、モータ22により一
定の速度で回転する。このモータ22は、モータ制御回
路38によって制御されている。光ディスク21に対す
る情報の記録・再生は、光学ヘッド23によって行われ
る。この光学ヘッド23は、リニアモータ51の可動部
を構成する駆動コイル33に固定されており、この駆動
コイル33はリニアモータ制御回路37に接続されてい
る。また、リニアモータ51の固定部には、図示しない
永久磁石が設けられており、駆動コイル33がリニアモ
ータ制御回路37によって励磁されることにより、光学
ヘッド23は光ディスク21の半径方向にほぼ等速で移
動するようになっている。
【0029】上記光学ヘッド23には、対物レンズ26
が図示しないワイヤあるいは板ばねによって保持されて
おり、この対物レンズ26は、駆動コイル25によって
フォーカシング方向(レンズの光軸方向)に移動し、駆
動コイル24によってトラッキング方向(レンズの光軸
と直交方向)に移動可能となっている。
【0030】レーザ制御回路34によって駆動するレー
ザダイオード(半導体レーザ発振器)29より発生した
レーザ光は、コリメータレンズ31a、ハーフプリズム
31b、対物レンズ26を介して光ディスク21上に照
射され、この光ディスク21からの反射光は、対物レン
ズ26、ハーフプリズム31b、集光レンズ30a,お
よびシリンドリカルレンズ30bを介して光検出器28
に導かれる。この光検出器28は、4分割の光検出セル
28a,28b,28c,28dによって構成されてい
る。
【0031】光検出器28の光検出セル28aの出力信
号は、増幅器32aを介して加算器50a,50cの一
端に供給され、光検出セル28bの出力信号は、増幅器
32bを介して加算器50b,50dの一端に供給さ
れ、光検出セル28cの出力信号は、増幅器32cを介
して加算器50b,50cの他端に供給され、光検出セ
ル28dの出力信号は、増幅器32dを介して加算器5
0a,50dの他端に供給されるようになっている。こ
の加算器50aの出力信号は、差動増幅器OP1の反転
入力端に供給され、この差動増幅器OP1の非反転入力
端には加算器50bの出力信号が供給される。これによ
り、差動増幅器OP1は、加算器50a,50bの差に
応じてトラック差信号をトラッキング制御回路36に供
給するようになっている。このトラッキング制御回路3
6は、差動増幅器OP1から供給されるトラック差信号
に応じてトラック駆動信号を作成するものである。
【0032】トラッキング制御回路36から出力される
トラック駆動信号は、トラッキング方向の駆動コイル2
4に供給される。また、トラッキング制御回路36で用
いられたトラック差信号は、リニアモータ制御回路37
に供給されるようになっている。リニアモータ制御回路
37は、トラッキング制御回路36からのトラック差信
号やCPU43からの移動制御信号に応じて後述するリ
ニアモータ51内の駆動コイル(導線)33に移動速度
に対応した電圧を印加するものである。
【0033】リニアモータ制御回路37には、リニアモ
ータ51内の駆動コイル33が磁気部材(図示しない)
から発生する磁束を横切る瞬間に生じる駆動コイル33
の内部の電気的変化を利用して、駆動コイル33と磁気
部材との相対速度、すなわちリニアモータ51の移動速
度を検知する速度検知回路(図示しない)が設けられて
いる。
【0034】一方、上記加算器50cの出力信号は、差
動増幅器OP2の反転入力端に供給され、この差動増幅
器OP2の非反転入力端には加算器50dの出力信号が
供給される。これにより、差動増幅器OP2は、加算器
50c,50dの出力の差に応じてフォーカス点に関す
る信号をフォーカシング制御回路35に供給するように
なっている。このフォーカシング制御回路35の出力信
号は、フォーカシング駆動コイル25に供給され、レー
ザ光が光ディスク21上で常時ジャストフォーカスとな
るように制御される。
【0035】上記のようにフォーカシング、トラッキン
グを行った状態での光検出器28の各光検出セル28a
〜28dの出力の和信号、すなわち加算器50a,50
bからの出力信号には、トラック上に形成されたピット
(記録情報)からの反射率の変化が反映されている。こ
の信号は、信号処理回路39に供給され、この信号処理
回路39において記録情報、アドレス情報(トラック番
号、セクタ番号等)が再生される。
【0036】また、レーザダイオード29のレーザ発光
出力は、フォトダイオード52でモニタされ、電気信号
に変換されてレーザ制御回路34にフィードバックされ
て、レーザダイオード29のレーザ発光出力の安定化が
行われる。このレーザ制御回路34には、マイクロプロ
セッサ等で構成される記録データ信号制御回路53から
レーザ発光オンオフ信号と記録データ信号が入力され
る。レーザ制御回路34から出力される駆動電流には、
高周波電流発生回路54からカップリングコンデンサ5
5を通して後述する高周波電源が重畳される。
【0037】また、この装置においては、それぞれフォ
ーカシング制御回路35、トラッキング制御回路36、
リニアモータ制御回路37、およびCPU43の間で情
報の授受を行うために用いられるD/A変換器42が設
けられている。トラッキング制御回路36は、CPU4
3からD/A変換器42を介して供給されるトラックジ
ャンプ信号に応じて対物レンズ26を移動させ、1トラ
ック分だけビーム光を移動させるようになっている。レ
ーザ制御回路34、フォーカシング制御回路35、トラ
ッキング制御回路36、リニアモータ制御回路37、モ
ータ制御回路38、信号処理回路39、記録データ信号
制御回路53、高周波電流発生回路54等は、バスライ
ン40を介してCPU43によって制御されるようにな
っており、このCPU43はメモリ44に記憶されたプ
ログラムによって所定の動作を行うようになっている。
【0038】上記構成の装置において、あらかじめアル
ゴンレーザを照射して記録層を結晶化させた光ディスク
を設置し、モータを回転させて信号を記録した。このと
き、回転数は3000rpm とした。記録信号は、最も短
い長さのマークが1.6μmとなるようにした1、7R
LL(ランレングスリミテッド)コードのランダムデー
タ(異なる長さのマーク)を用いた。この結果、記録
前、記録後とも安定にフォーカシング、トラッキングが
可能であった。また、このときの未記録部の反射率は1
3%、記録部の反射率は35%であった。
【0039】このときの再生信号を図7に示す。信号振
幅の中間点をデジタルデータのスライスレベルとし、信
号と比較しながらデジタルデータが作り出される。実際
に再生したデジタル信号と、記録に用いた1、7RLL
コードのランダムデータを比較したところ完全に一致
し、このコードの記録・再生が可能であることが確認さ
れた。
【0040】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の情報記録媒体
は、透明基板上に形成された金属層と、金属層上に形成
されており、記録用光ビームを照射することにより光学
的特性が変化する記録層と、記録層上に形成された反射
層とを具備しているので、記録後の反射率が増加する。
このため、マーク長記録を行っても十分な反射光量が得
られ、安定なフォーカシング、トラッキングが可能であ
る。また、この情報記録媒体により安定なマーク長の記
録と再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報記録媒体の一実施例を示す断
面図。
【図2】本発明に係る情報記録媒体において、第1の保
護層の厚さを変化させたときの記録部および未記録部の
反射率並びに反射率変化量を示すグラフ。
【図3】本発明に係る情報記録媒体において、金属層の
厚さを変化させたときの記録部および未記録部の反射率
並びに反射率変化量を示すグラフ。
【図4】本発明に係る情報記録媒体において、第2の保
護層の厚さを変化させたときの記録部および未記録部の
反射率並びに反射率変化量を示すグラフ。
【図5】本発明に係る情報記録媒体において、記録層の
厚さを変化させたときの記録部および未記録部の反射率
並びに反射率変化量を示すグラフ。
【図6】本発明の情報記録媒体を用いて情報の記録・再
生を行うための装置を示す説明図。
【図7】図6に示す装置を用いて記録された情報記録媒
体における再生信号を示す説明図。
【図8】従来の情報記録媒体を示す断面図。
【図9】オーバーライト記録を説明するための原理図。
【図10】従来の情報記録媒体において、第2の保護層
の厚さを変化させたときの記録部および未記録部の反射
率並びに反射率変化量を示すグラフ。
【図11】(A)はマーク位置記録を説明するための
図、(B)はマーク長記録を説明するための図。
【符号の説明】
10…透明基板、11…金属層、12…第1の保護層、
13…記録層、14…第2の保護層、15…反射層、2
1…光ディスク、22…モータ、23…光学ヘッド、2
6…対物レンズ、24,25,33…駆動コイル、28
…光検出器、28a,28b,28c,28d…光検出
セル、29…レーザダイオード、30a…集光レンズ、
30b…シリンドリカルレンズ、31a…コリメータレ
ンズ、31b…ハーフプリズム、32a,32b,32
c,32d…増幅器、34…レーザ制御回路、35…フ
ォーカシング制御回路、36…トラッキング制御回路、
37…リニアモータ制御回路、39…信号処理回路、4
0…バスライン、42…D/A変換器、43…CPU、
44…メモリ、50a,50b,50c,50d…加算
器、51…リニアモータ、52…フォトダイオード、5
3…記録データ信号制御回路、54…高周波電流発生回
路、55…カップリングコンデンサ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に形成された金属層と、この
    金属層上に形成された保護層と、前記金属層上に形成さ
    れており、記録用光ビームを照射することにより光学的
    特性が変化する記録層と、前記記録層上に形成された反
    射層とを具備し、記録後の反射率が記録前の反射率より
    大きくなることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記金属層がAu,Ag,Cu,Cr,
    およびこれらの金属を含む合金からなる群より選ばれた
    金属からなり、厚さが80〜200オングストロームで
    ある請求項1記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 透明基板上に形成された金属層と、前記
    金属層上に形成されており、記録用光ビームを照射する
    ことにより光学的特性が変化する記録層と、前記記録層
    上に形成された反射層とを具備し、前記記録層の厚さが
    350オングストローム以下であり、記録後の反射率が
    記録前の反射率より大きくなることを特徴とする情報記
    録媒体。
  4. 【請求項4】透明基板上に形成されており、Au,A
    g,Cu,およびCrからなる群より選ばれた元素から
    なり、厚さが80〜200オングストロームである金属
    層と、 前記金属層上に形成されており、ZnS:SiO2 から
    なり、厚さが1200〜1600オングストロームもし
    くは3100〜3500オングストロームである第1の
    保護層と、 前記第1の保護層上に形成されており、GeSbTeか
    らなり、厚さが350オングストローム以下であり、記
    録用光ビームを照射することにより光学的特性が変化す
    る記録層と、 前記記録層上に形成されており、ZnS:SiO2 から
    なり、厚さが200〜1600オングストロームもしく
    は1900〜3400オングストロームである第2の保
    護層と、 前記第2の保護層上に形成されており、Al合金からな
    り、厚さが1000オングストローム以上である反射層
    と、を具備することを特徴とする情報記録媒体。
  5. 【請求項5】透明基板上に形成された金属層と、前記金
    属層上に形成されており、記録用光ビームを照射するこ
    とにより光学的特性が変化する記録層と、前記記録層上
    に形成された反射層とを具備し、記録後の反射率が記録
    前の反射率より大きくなる情報記録媒体を用い、 前記記録層に記録用光ビームを照射して、情報に応じた
    長さの記録マークを形成することにより情報記録媒体へ
    の記録を行うことを特徴とする記録方法。
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