JP2000192806A - エンジンのバルブタイミング制御装置およびバルブタイミング制御方法 - Google Patents
エンジンのバルブタイミング制御装置およびバルブタイミング制御方法Info
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Abstract
とができるとともに、吸気カム軸の回転位相が変化する
速度を排気カム軸より増大させることができるようにす
る。 【解決手段】 排気カム軸用位相変更機構9の入力部材
14を第1のタイミングチェーン6でクランク軸5に接
続する。出力部材15を排気カム軸2に接続する。排気
カム軸2に吸気カム軸用位相変更機構10の入力部材2
2を第2のタイミングチェーン7で互いに同一回転数で
回転するように接続する。出力部材23を吸気カム軸3
に接続した。
Description
排気カム軸の回転位相をそれぞれ変えるエンジンのバル
ブタイミング制御装置およびバルブタイミング制御方法
に関するものである。
置としては、例えば特許第2738745号公報に開示
されたものがある。この公報に示されたバルブタイミン
グ制御装置は、吸気カム軸の一端部を第1の位相変更機
構を介してクランク軸に接続し、吸気カム軸の他端部と
排気カム軸とを第2の位相変更機構を介して接続してい
る。
れる入力部材と、この入力軸とカム軸との間にヘリカル
スプラインによって軸線方向に移動自在かつ回動自在に
介装した出力部材とを備えており、この出力部材を油圧
によって駆動することによって、出力部材の往復運動が
回動運動に変換されてカム軸に伝達され、カム軸の回転
位相が変化する構造を採っている。
クランク軸から第1の位相変更機構を介して吸気カム軸
に駆動力が伝達され、この吸気カム軸から第2の位相変
更機構を介して排気カム軸に駆動力が伝達される。
うに構成した従来のバルブタイミング制御装置は、吸気
カム軸の回転位相を変えると排気カム軸の回転位相も変
化するため、吸気カム軸のみの回転位相を変えるときに
は排気カム軸の回転位相を吸気カム軸とは反対方向に変
えなければならず、油圧の制御が複雑になるという問題
があった。
バーラップを増大させるために吸気カム軸の回転位相を
進角させた状態から回転が上昇して高回転高負荷運転状
態に移行するような場合には、高回転時の吸気吸入量を
増大させるために、排気カム軸の回転位相を変えること
なく吸気カム軸のみの回転位相を遅角させる。このとき
に従来のバルブタイミング制御装置では、排気カム軸用
の位相変更装置に吸気カム軸と同じ変化角度だけ排気カ
ム軸が進角するように油圧を加えなければならない。
ム軸の両方に位相変更機構を設け、これらの位相変更機
構を介して両カム軸をクランク軸にそれぞれ接続するこ
とによって解消することはできる。これは、一方のカム
軸の回転位相が他方のカム軸に影響を及ぼすことがなく
なるからである。
ぞれ制御する構成を採ると、例えば、排気カム軸の回転
位相を一定角度だけ進角させる間に吸気カム軸の回転位
相を排気カム軸の2倍の角度をもって進角させるような
制御を実施することはできない。これは、位相変更機構
を駆動する油圧は略一定であり、排気カム軸用位相変更
機構の動作速度と吸気カム軸用位相変更機構の動作速度
は略等しくなるからである。
になされたもので、吸気カム軸のみの回転位相を簡単に
変えることができるとともに、吸気カム軸の回転位相が
変化する速度を排気カム軸より増大させることができる
エンジンのバルブタイミング制御装置およびバルブタイ
ミング制御方法を提供することを目的とする。
に、請求項1に記載した発明に係るエンジンのバルブタ
イミング制御装置は、排気カム軸用位相変更機構の入力
部材を第1の動力伝達手段でクランク軸に接続するとと
もに出力部材を排気カム軸に接続し、排気カム軸に吸気
カム軸用位相変更機構の入力部材を第2の動力伝達手段
で互いに同一回転数で回転するように接続するとともに
出力部材を吸気カム軸に接続したものである。
構を作動させることによって吸気カム軸のみの回転位相
を変化させることができる。また、排気カム軸の回転位
相を変えるときに吸気カム軸用位相変更機構で吸気カム
軸の回転位相を排気カム軸と同じ方向に変化させること
によって、吸気カム軸の回転位相が変化する速度を排気
カム軸より増大させることができる。
バルブタイミング制御装置は、請求項1記載のエンジン
のバルブタイミング制御装置において、吸気カム軸用位
相変更機構と排気カム軸用位相変更機構とをエンジンの
同じ一側に配設するとともに、第1の動力伝達手段と第
2の動力伝達手段とをカム軸の軸線方向に並べて配設
し、第1の動力伝達手段とエンジン側壁との間に第2の
動力伝達手段を位置付けたものである。
びて幅広になる第2の動力伝達手段がエンジン側壁の近
傍に位置し、相対的に幅が狭くなる第1の動力伝達手段
がエンジン外側に位置するから、動力伝達手段を覆うカ
バーの外端部を幅狭に形成することができる。
バルブタイミング制御装置は、請求項1記載のエンジン
のバルブタイミング制御装置において、位相変更機構を
吸気カム軸と排気カム軸とにそれぞれ軸装したものであ
る。
機構と吸気カム軸用位相変更機構をシリンダヘッドの一
端部に並べて配設することができるから、これらの位相
変更機構の油圧を制御する部材をシリンダヘッドの一側
部に集めて配設することができる。
バルブタイミング制御装置は、請求項1記載のエンジン
のバルブタイミング制御装置において、排気カム軸用位
相変更機構をクランク軸と排気カム軸との間のエンジン
壁に支持させ、この位相変更機構の出力部材を第2の動
力伝達手段によって排気カム軸に接続したものである。
排気カム軸側の回転部材を排気カム軸から離間する位置
に配設することができる。
バルブタイミング制御装置は、請求項1ないし請求項4
のうちいずれか一つのエンジンのバルブタイミング制御
装置において、出力部材を作動方向の一端まで作動させ
た状態でカム軸の回転位相が位相変更可能範囲の一端に
位置付けられる構造としたものである。
一端から他端へ移動させることによって、カム軸の回転
位相が位相変更可能範囲の一端から他端に変化する。
ミング制御方法は、請求項1記載のエンジンのバルブタ
イミング制御装置によるバルブタイミング制御方法であ
って、エンジン運転域が低負荷域にあるときに両方の位
相変更機構を両カム軸の回転位相がそれぞれ位相変更可
能範囲の一端に位置付けられるように駆動し、エンジン
運転域が中負荷運転域にあるときに排気カム軸用位相変
更機構を排気カム軸の回転位相が遅角するように駆動
し、エンジン運転域が高負荷運転域にあるときに両位相
変更機構をそれぞれカム軸の回転位相が進角するように
駆動することにより実施する。
荷運転域で排気カム軸と吸気カム軸の回転位相を同じ角
度だけ遅らせた後、エンジン運転域が高負荷運転域に移
行するときに、排気カム軸の進角動作が終了するまでの
間に吸気カム軸の回転位相が排気カム軸より多く進角側
に変化する。
置およびバルブタイミング制御方法の一実施の形態を図
1ないし図7によって詳細に説明する。図1は本発明に
係るバルブタイミング制御装置を装備したエンジンの正
面図、図2はシリンダヘッドの平面図で、同図はカム軸
を途中で破断するとともに、吸気バルブや排気バルブな
どの部材を省略して描いてある。
図4はエンジン回転数とトルクの関係を示すグラフであ
る。図5はバルブタイミングの変化を示すグラフ、図6
は排気カム軸と吸気カム軸の動作を説明するための図
で、同図(a)は本発明に係るバルブタイミング制御装
置を示し、同図(b)は両カム軸にそれぞれ位相変更装
置を設けた従来のバルブタイミング制御装置を示す。図
7はカム軸の回転位相の変化を示すグラフで、同図
(b)は両カム軸にそれぞれ位相変更装置を設けた従来
のバルブタイミング制御装置を示す。
は、この実施の形態によるV型8気筒エンジンである。
このエンジン1は、図2に示すように、各気筒列に排気
カム軸2と吸気カム軸3をそれぞれ設けたDOHC型の
もので、図1に示すようにVバンクの内側にサージタン
ク4を取付けている。
けてあり、気筒列毎にクランク軸5に接続している。気
筒列毎の動弁装置は同じ構造を採っているので、ここで
は図1において左側に位置する気筒列の動弁装置につい
て説明する。
バンクの外側に位置するように設けた排気カム軸2に第
1のタイミングチェーン6によってクランク軸5の回転
が伝達され、さらにこの排気カム軸2の回転が第2のタ
イミングチェーン7によって吸気カム軸3に伝達される
構造を採っており、動力伝達系の途中に本発明に係るバ
ルブタイミング制御装置8を介装している。第1のタイ
ミングチェーン6が本発明に係る第1の動力伝達手段を
構成し、第2のタイミングチェーン7が本発明に係る第
2の動力伝達手段を構成している。第1のタイミングチ
ェーン6と第2のタイミングチェーン7は、図3に示す
ように、カム軸2,3の軸線方向に並べて配設し、第1
のタイミングチェーン6とシリンダヘッド側壁との間に
第2のタイミングチェーンを位置付けている。
び図3に示すように、排気カム軸2の軸端部に軸装した
排気カム軸用位相変更機構9と、吸気カム軸3の軸端部
に軸装した吸気カム軸用位相変更機構10と、これらの
位相変更機構9,10に作動油を供給する油圧切替機構
11,12などから構成している。
のベーンタイプのもので、前記第1のタイミングチェー
ン6を巻掛けたスプロケット13とともに一体的に回転
する入力部材14と、この入力部材14と排気カム軸2
の間に介装した出力部材15とを備えている。出力部材
15は、排気カム軸3に固着したボス15aと、入力部
材14の内部に複数形成した油室にそれぞれ嵌挿させた
ベーン15bとから構成している。
カム軸2に形成した第1の油通路16と第2の油通路1
7とを介して油圧切替機構11から印加される。第1の
油通路16から前記油室に油圧を供給したときと、第2
の油通路17から前記油室に油圧を供給したときとでは
出力部材15の回動方向が反対になる構造を採ってい
る。出力部材15が油圧により入力部材14に対して回
動することによって、排気カム軸2の回転位相が変化す
る。
ら油圧を供給して出力部材15が回動端まで回ったとき
の出力部材15の位置をオン位置といい、第2の油通路
17から油圧を供給して出力部材15が回動端まで回っ
たときの出力部材15の位置をオフ位置という。
部材15がオフ位置に位置付けられた状態で、排気カム
軸2の回転位相が位相変更可能範囲の一端(回転位相0
°)に位置して排気バルブのバルブタイミング(開閉時
期)が中立位置に位置付けられ、出力部材15がオン位
置に位置付けられた状態で排気カム軸2の回転位相が最
大遅角位置(回転位相−α°)まで遅角して排気バルブ
のバルブタイミングが角度αだけ遅角するように構成し
ている。
号19で示すチェーンカバーに一体に形成したバルブボ
ディ20と、このバルブボディ20に装着したソレノイ
ド21とから構成している。ソレノイド21は、バルブ
ボディ20の取付穴20aに嵌合させて取付けてあり、
図示していない油入口に前記第1の油通路16と第2の
油通路17のうち何れか一方を選択的に連通させるとと
ともに、他方を油出口(図示せず)に連通させる構造を
採っている。
路16に供給することによって、前記出力部材15がオ
ン位置に移動して排気カム軸2が入力部材14に対して
角度αだけ遅角側に相対的に回り、同角度だけ排気バル
ブ(図示せず)のバルブタイミングが遅角する。一方、
油圧を第2の油通路17に供給することによって、出力
部材15がオフ位置に移動して排気カム軸2が初期位置
に戻り、排気バルブのバルブタイミングが回転位相0°
の位置(中立位置)に戻るように進角する。
気カム軸用位相変更機構9と同等の構造を採り、入力部
材22、出力部材23、および油圧切替機構12などか
ら構成している。吸気カム軸用位相変更機構10の入力
部材22は、第2のタイミングチェーン7を介して排気
カム軸2に接続している。この入力部材22と排気カム
軸2は互いに同一回転数で回転するように形成してい
る。
3に固着するとともに、ベーン23bを入力部材22内
の複数の油室に嵌挿させている。この実施の形態では、
吸気カム軸3の第1の油通路27から油圧を供給して出
力部材23が回動端まで回ったときの出力部材23の位
置をオフ位置といい、第2の油通路28から油圧を供給
して出力部材15が回動端まで回ったときの出力部材2
3の位置をオン位置という。
力部材23がオフ位置に位置付けられた状態で吸気カム
軸3の回転位相が位相変更可能範囲の一端(回転位相0
°)に位置して吸気バルブのバルブタイミングが中立位
置に位置付けられ、出力部材23がオン位置に位置付け
られた状態で吸気カム軸3の回転位相が最大進角位置
(回転位相+α°)まで進角して吸気バルブのバルブタ
イミングが同角度だけ進角するように構成している。
カム軸2側の油圧切替機構11と同等の構造を採ってい
る。バルブボディを符号25で示し、バルブボディ25
のソレノイド用取付穴を符号25aで示し、ソレノイド
を符号26で示す。このソレノイド26によって油圧を
吸気カム軸3の第2の油通路28に供給することによっ
て、出力部材23がオン位置に移動して吸気カム軸3が
入力部材22に対して角度αだけ進角側に回り、吸気バ
ルブのバルブタイミングが同角度だけ進角する。一方、
油圧を第1の油通路27に供給することによって、前記
出力部材23がオフ位置に移動して吸気カム軸3が初期
の位置に戻され、吸気バルブのバルブタイミングが回転
位相0°の位置(中立位置)に戻るように遅角する。
イドと21吸気カム軸用位相変更機構10のソレノイド
26は、図示していないコントローラによって動作が制
御され、エンジン回転数およびスロットル弁開度に対応
するように油通路を切替える。
ミング制御装置8によるバルブタイミング制御方法を図
4ないし図7によって説明する。
1の負荷と回転数に対応するように動作させる。この実
施の形態では、エンジン1の運転域を図4中に符号A〜
Dで示すように四つの領域に分けてソレノイド21,2
6を制御している。領域Aは、アイドリング運転域を含
む低負荷低回転域を示し、領域Bは中負荷中回転域を示
し、領域Cは高負荷低回転域を示し、領域Dは高負荷高
回転域を示している。なお、図4中に実線で示す曲線は
エンジン1のトルクの変化を示し、破線で示す曲線はエ
ンジン1の負荷の変化を示している。
るときには、図5、図6(a)および図7(a)中に符
号A,Dを付して示すように、排気カム軸2と吸気カム
軸3の両方の回転位相を位相変更可能範囲の一端(位相
角度0°)に位置付ける。この結果、排気バルブと吸気
バルブのバルブタイミングは、図5に示すように中立位
置に位置付けられる。なお、図6(b)および図7
(b)は、排気カム軸31と吸気カム軸32とに設けた
位相変更機構33,34をタイミングチェーン35によ
ってそれぞれクランク軸に接続する従来のバルブタイミ
ング制御装置の動作を示している。
排気カム軸用変更機構9を作動させて排気カム軸2の回
転位相を角度αだけ遅角させる。この制御を実施するこ
とにより、図7(a)中に符号Bを付して示すように吸
気カム軸用位相変更機構10を作動させなくても吸気カ
ム軸3の実質的な回転位相は図5および図6(a)中に
符号Bを付して示すように角度αだけ遅角する。これ
は、排気カム軸2の位相変更に伴なって吸気カム軸用位
相変更機構10の入力部材22の回転位相も遅角するか
らである。
排気カム軸用位相変更機構9と吸気カム軸用位相変更機
構10の両方を、カム軸2,3の回転位相がそれぞれ角
度αだけ進角するように作動させる。このときには、排
気カム軸2の位相変更に伴って吸気カム軸用位相変更機
構10の入力部材22の回転位相も進角するから、吸気
カム軸3は入力部材22の回転位相の変更分と、出力部
材23が移動することによる回転位相の変更分とが加算
されて回転位相が変化する。
示すように、吸気カム軸用位相変更機構10を吸気カム
軸3の回転位相が角度αだけ進角するように作動させた
だけでも、図5および図6(a)中に符号Cを付して示
すように、吸気カム軸3は実質的に角度2α°だけ進角
する。従来のバルブタイミング制御装置では、図6
(b)および図7(b)中に符号Cを付して示すよう
に、このときに吸気カム軸用位相変更機構34で吸気カ
ム軸32を角度2αだけ進角させなければならず、この
実施の形態によるバルブタイミング制御装置8に較べて
吸気カム軸32の動作終了までの時間が長く必要にな
る。
域)にあるときには、吸気バルブのバルブタイミングを
図5に示すように遅角させ、ピストン(図示せず)が上
死点に達してから吸気バルブが開き始めるようにバルブ
タイミングを変更する。これはピストンの速度が速く、
上死点に達する以前に吸気バルブを開いたのでは吸気の
充填効率が低下するからである。このときには、図6
(a)および図7(a)中に符号A,Dを付して示すよ
うに、吸気カム軸用位相変更機構10のみを作動させ、
吸気カム軸3の回転位相を角度αだけ遅角させる。
ブタイミング制御装置8によれば、吸気カム軸用位相変
更機構10を作動させることによって吸気カム軸3のみ
の回転位相を変化させることができ、排気カム軸2の回
転位相を変えるときに吸気カム軸用位相変更機構10で
吸気カム軸3の回転位相を排気カム軸2と同じ方向に変
化させることによって、吸気カム軸3の回転位相が変化
する速度を排気カム軸2より増大させることができる。
は、排気カム軸用位相変更機構9と吸気カム軸用位相変
更機構10とをシリンダヘッド1aの同じ一側に配設す
るとともに、第1のタイミングチェーン6と第2のタイ
ミングチェーン7とをカム軸2,3の軸線方向に並べて
配設し、第1のタイミングチェーン6とシリンダヘッド
側壁との間に第2のタイミングチェーンを位置付けてい
るから、カム軸2,3の並設方向に伸びて幅広になる第
2のタイミングチェーン7がシリンダヘッド側壁の近傍
に位置し、相対的に幅が狭くなる第1のタイミングチェ
ーン6がエンジン外側に位置するから、これら両チェー
ン6,7を覆うチェーンカバー19の外端部を幅狭に形
成することができる。
は、排気カム軸用位相変更機構9と吸気カム軸用位相変
更機構10をシリンダヘッド1aの一端部に並べて配設
しているから、これらの位相変更機構9,10の油圧を
制御する油圧切替機構11,12をシリンダヘッド1a
の一側部に集めて配設することができる。
向の一端から他端へ移動させることによって、カム軸
2,3の回転位相が位相変更可能範囲の一端から進角側
の他端または遅角側の他端に変化するから、油通路を選
択する簡単な動作、すなわちソレノイド21,26によ
るオン・オフの切替動作によって位相変更機構9,10
を制御することができる。
法を採ることにより、エンジン運転域が中負荷運転域
(前記領域B)で排気カム軸2と吸気カム軸3の回転位
相をそれぞれ角度αだけ遅らせた後、エンジン運転域が
高負荷運転域(前記領域C)に移行するときに、排気カ
ム軸2の進角動作が終了するまでの間に吸気カム軸3の
回転位相を排気カム軸2より多く進角側に変化させるこ
とができる。このため、バルブタイミングを変える制御
の応答性をエンジン運転域の全域にわたって向上させる
ことができる。
ことができる。図8は他の実施の形態を示す図で、同図
において図1ないし図7で説明したものと同一もしくは
同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明は省
略する。
は、クランク軸5と排気カム軸2との間のエンジン壁4
1に支持させている。この実施の形態では、シリンダヘ
ッド1aとシリンダブロック1bとの境界部分に排気カ
ム軸用位相変更機構9を回転自在に支持させている。こ
の排気カム軸用位相変更機構9の入力部材14を第1の
タイミングチェーン6によってクランク軸5に接続する
構成は第1の実施の形態を採るときと同じであるが、出
力部材15は、入力部材14のスプロケット13と前記
エンジン壁41との間に位置する出力スプロケット42
を駆動する構造を採っている。この出力スプロケット4
2に排気カム軸2と、吸気カム軸用位相変更機構10の
入力部材22とを、第2のタイミングチェーン7によっ
てこれら三者が同一回転数で回転するように接続してい
る。
構成しても第1の実施の形態を採るときと同等の効果を
奏する。特に、この形態を採ることにより、第1のタイ
ミングチェーン6を巻掛けるスプロケット13を排気カ
ム軸2から離間する位置に配設することができるから、
第1の実施の形態を採る場合に較べて、排気カム軸2と
吸気カム軸3との間隔を狭くすることができる。
をV型エンジン1に適用した例を示したが、本発明はこ
のような限定にとらわれることはなく、DOHC型エン
ジンであればどのようなエンジンにも適用することがで
きる。また、クランク軸5と排気カム軸用位相変更機構
9とを接続する第1の動力伝達手段と、排気カム軸2と
吸気カム軸用位相変更機構10を接続する第2の動力伝
達手段は、チェーンの代わりにベルトや歯車によって形
成することができる。さらに、排気カム軸用位相変更機
構9と吸気カム軸用位相変更機構10の構造は、この実
施の形態で示したベーンタイプのものに限定されること
はなく、適宜変更することができる。
によれば、油圧の制御が簡単で、排気カム軸の回転位相
を一定角度だけ進角させる間に吸気カム軸の回転位相を
排気カム軸の2倍の角度をもって進角させるような制御
も簡単に実施することができる。
段を覆うカバーの外端部を幅狭に形成することができる
から、エンジンの小型化を図ることができる。請求項3
記載の発明によれば、油圧系をコンパクトに形成するこ
とができる。請求項4記載の発明によれば、シリンダヘ
ッドの小型化を図ることができる。
構の制御をオン・オフの切替えによって簡単に実施する
ことができる。請求項6記載の発明によれば、バルブタ
イミングを変える制御の応答性をエンジン運転域の全域
にわたって向上させることができる。
備したエンジンの正面図である。
である。
る。
めの図である。
る。
第1のタイミングチェーン、7…第2のタイミングチェ
ーン、8…バルブタイミング制御装置、9…排気カム軸
用位相変更機構、10…吸気カム軸用位相変更機構、1
4,22…入力部材、15,23…出力部材。
Claims (6)
- 【請求項1】 吸気カム軸および排気カム軸の回転位相
を、カム軸を駆動する動力が伝達される入力部材と、こ
の入力部材に対してカム軸の位相を変える出力部材とを
それぞれ備えた吸気カム軸用位相変更機構および排気カ
ム軸用位相変更機構とによって変化させるエンジンのタ
イミング制御装置において、前記排気カム軸用位相変更
機構の入力部材を第1の動力伝達手段によってクランク
軸に接続するとともに出力部材を排気カム軸に接続し、
この排気カム軸に吸気カム軸用位相変更機構の入力部材
を第2の動力伝達手段によって互いに同一回転数で回転
するように接続するとともにこの吸気カム軸用位相変更
機構の出力部材を吸気カム軸に接続したことを特徴とす
るエンジンのバルブタイミング制御装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のエンジンのバルブタイミ
ング制御装置において、吸気カム軸用位相変更機構と排
気カム軸用位相変更機構とをエンジンの同じ一側に配設
するとともに、第1の動力伝達手段と第2の動力伝達手
段とをカム軸の軸線方向に並べて配設し、第1の動力伝
達手段とエンジン側壁との間に第2の動力伝達手段を位
置付けたことを特徴とするエンジンのバルブタイミング
制御装置。 - 【請求項3】 請求項1記載のエンジンのバルブタイミ
ング制御装置において、位相変更機構を吸気カム軸と排
気カム軸とにそれぞれ軸装したことを特徴とするエンジ
ンのバルブタイミング制御装置。 - 【請求項4】 請求項1記載のエンジンのバルブタイミ
ング制御装置において、排気カム軸用位相変更機構をク
ランク軸と排気カム軸との間のエンジン壁に支持させ、
この位相変更機構の出力部材を第2の動力伝達手段によ
って排気カム軸に接続したことを特徴とするエンジンの
バルブタイミング制御装置。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のうちいずれか
一つのエンジンのバルブタイミング制御装置において、
出力部材を作動方向の一端まで作動させた状態でカム軸
の回転位相が位相変更可能範囲の一端に位置付けられる
構造としたことを特徴とするエンジンのバルブタイミン
グ制御装置。 - 【請求項6】 請求項1記載のエンジンのバルブタイミ
ング制御装置によるバルブタイミング制御方法であっ
て、エンジン運転域が低負荷域にあるときに両方の位相
変更機構を両カム軸の回転位相がそれぞれ位相変更可能
範囲の一端に位置付けられるように駆動し、エンジン運
転域が中負荷運転域にあるときに排気カム軸用位相変更
機構を排気カム軸の回転位相が遅角するように駆動し、
エンジン運転域が高負荷運転域にあるときに両位相変更
機構をそれぞれカム軸の回転位相が進角するように駆動
することを特徴とするバルブタイミング制御方法。
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