JP2004019659A - 可変カムタイミングシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】依存関係を有する2本のカムを備えたダブルカムシャフト構成において、インテークカムの位相を正確に決定できる可変カムタイミング(VCT)システムを提供する。
【解決手段】VCTシステムが、第1の位置センサによって発生する一連のクランク歯信号と、第2の位置センサによって発生する一連のエグゾーストカム歯信号と、第3の位置センサによって発生する一連のインテークカム歯信号とを備えており、エグゾーストカム位相に関連したインテーク位相角の式が、(位相)=(ΔT/T*クランク角)−(Z位相)(ただし、ΔT:エグゾーストカム歯信号の下降エッジからスタートして、次に発生するインテークカム歯信号の下降エッジまでの時間)で与えられている。
【選択図】 図1
【解決手段】VCTシステムが、第1の位置センサによって発生する一連のクランク歯信号と、第2の位置センサによって発生する一連のエグゾーストカム歯信号と、第3の位置センサによって発生する一連のインテークカム歯信号とを備えており、エグゾーストカム位相に関連したインテーク位相角の式が、(位相)=(ΔT/T*クランク角)−(Z位相)(ただし、ΔT:エグゾーストカム歯信号の下降エッジからスタートして、次に発生するインテークカム歯信号の下降エッジまでの時間)で与えられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変カムシャフトタイミング(VCT: variable camshaft timing) システムの分野に関する。より詳細には、本発明は、従属関係を有する2本のカムシャフトのためのインテーク位相の計算および式に関するとともに、これらの計算および式を利用するVCTカムタイミングシステムおよびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
内燃機関は、可変カムタイミング(VCT:variable cam timing)やアクティブノイズ相殺のような構造を含むことによって、ますます複雑になってきている。たとえば、VCTを用いることによって、角変位つまりクランクシャフトに対するカムシャフトの位相が動的に変化して、燃費または動力のようなエンジン特性の変化を生じさせる。
【0003】
典型的には、このようなエンジン特性の所望の値が現在値と比較されるとともに、その差異に応じてエンジン内部で変化を生じさせるフィードバックループがある。
【0004】
これを達成するために、最近の自動車は、エンジンの種々の部品や自動車のその他の部分および周囲環境(排ガスセンサ、圧力センサ、温度センサなど)から供給されるデータを絶えず分析して、このようなデータに応じた信号を出力するマイクロコンピュータを備えた一つまたはそれ以上の制御モジュールを通常有している。
【0005】
たとえば、VCTに関しては、エンジンおよび外部条件に変化が生じると、カムシャフトおよびクランクシャフト間の角変位が変更される。
【0006】
内燃機関の性能は、エンジンの種々のシリンダのインテークバルブを駆動する一方のシャフトとエグゾーストバルブを駆動する他方のシャフトという2本のカムシャフトの使用によって改良することができる。
【0007】
典型的には、このようなカムシャフトのうちの一方のカムシャフトは、スプロケットおよびチェーン駆動装置またはベルト駆動装置を介してエンジンのクランクシャフトによって駆動され、他方のカムシャフトは、第2のスプロケットおよびチェーン駆動装置または第2のベルト駆動装置を介して一方のカムシャフトによって駆動される。あるいは、双方のカムシャフトが、単一のクランクシャフトにより駆動されるチェーン駆動装置またはベルト駆動装置によって駆動される。
【0008】
2本のカムシャフトを備えたエンジンの性能は、通常はエンジンのインテークバルブを駆動するカムシャフトである一方のカムシャフトの他方のカムシャフトおよびクランクシャフトに対する位置関係を変えることによって、アイドル運転の質、燃費、低減排ガスまたは上昇トルクの観点から、さらに改良することが可能である。
【0009】
これにより、エグゾーストバルブに対するインテークバルブの運転の観点から、またはクランクシャフトの位置に対するバルブ運転の観点から、エンジンのタイミングを変えることができる。
【0010】
引用することによってすべて本明細書の中に含まれる以下の米国特許により開示された情報を考慮することは、本発明の背景を探るのに有用である。
【0011】
米国特許第 5,002,023号は、本発明の分野におけるVCTシステムについて記述している。このシステムの液圧装置は、適切な作動流体要素を備えるとともに逆方向に作用する一対の液圧シリンダを有している。
【0012】
作動流体要素は、作動流体を一方のシリンダから他方のシリンダにまたはその逆方向に選択的に移送しており、これにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの周方向位置をアドバンスさせまたはリタードさせている。
【0013】
制御システムは、一方または他方のシリンダからの作動流体の排出がバルブ内のスプールを中央位置つまり零位置から一方向または他の方向に移動させることによって行われる制御バルブを使用している。
【0014】
スプールの移動は、スプールの一端に作用する制御液圧Pc の増加または減少に応じて、さらにスプリングの一端に作用する液圧と他端に作用する圧縮スプリングによる機械的な押付力との間の関係に応じて、生じる。
【0015】
【特許文献1】
米国特許第 5,002,023号
【0016】
米国特許第 5,107,804号は、本発明の分野における他のタイプのVCTシステムについて記述しており、このシステムの液圧装置は、囲繞されたハウジング内にローブを備えたベーンを有している。このベーンは、上述の米国特許第 5,002,023号により開示された逆方向作用のシリンダに取って代わっている。
【0017】
ベーンは、ハウジング内でローブの一方の側から他方の側にまたはその逆方向に作動流体を移動させることによりハウジングに対してベーンを一方の側から他方の側に振動させる適切な作動流体要素を有しており、ベーンはハウジングに対して振動可能につまり周方向に移動可能に構成されている。
【0018】
このようなベーンの振動は、クランクシャフトに対するカムシャフトの位置をアドバンスさせまたはリタードさせるのに効果的なものである。このVCTシステムの制御システムは、米国特許第 5,002,023号に開示されたものと同一であって、スプールバルブに作用する同種の力に反応する同一タイプのスプールバルブを使用している。
【0019】
【特許文献2】
米国特許第 5,107,804号
【0020】
米国特許第 5,172,659号および米国特許第 5,184,578号はいずれも、スプールの一端に作用する液圧による力とスプールの他端に作用する機械的な力とを釣り合わせようとする試みによって発生する、上述したタイプのVCTシステムの問題に取り組んでいる。
【0021】
米国特許第 5,172,659号および米国特許第 5,184,578号の双方に開示された改良制御システムは、スプールの両端に作用する液圧による力を利用している。スプールの一端に作用する液圧による力は、最大液圧Ps でエンジンオイルギャラリから直接供給される作動流体に起因している。
【0022】
スプールの他端に作用する液圧による力は、減圧Pc 下でPWMソレノイドからの作動流体に反応して作用する液圧シリンダまたはその他の増幅装置に起因している。
【0023】
スプールの対向端の各々に作用する力が元々同じ作動流体に基づいた液圧であるため、作動流体の圧力または粘性の変化は自己否定的なものであって、スプールの中央位置または零位置には影響を及ぼさない。
【0024】
【特許文献3】
米国特許第 5,172,659号
【0025】
【特許文献4】
米国特許第 5,184,578号
【0026】
米国特許第 5,289,805号は、改良されたVCT方法を提供している。この方法は、所定の設定値を追跡する挙動を生じさせる液圧PWMスプール位置制御および進んだ制御アルゴリズムを利用している。
【0027】
【特許文献5】
米国特許第 5,184,578号
【0028】
米国特許第 5,361,735号においては、カムシャフトが、非振動の回転のために一端に固定されたベーンを有している。カムシャフトはまた、カムシャフトとともに回転しかつカムシャフトに対して振動可能なタイミングベルト駆動のプーリを有している。
【0029】
ベーンは、プーリの対向凹部内にそれぞれ受け入れられた対向配置のローブを有している。カムシャフトは、通常の運転中に発生するトルクパルスに反応して変化する傾向がある。
【0030】
カムシャフトは、エンジン制御ユニットからの信号に反応して制御バルブのバルブ本体内でのスプールの位置を制御することによって、凹部からのエンジンオイルの流れを選択的に許容しまたは阻止することにより、アドバンスしまたはリタードするようになっている。
【0031】
スプールは、好ましくはステッピングモータ型の電気モータによって回転させられるロータリー・リニア運動移動手段によって一定の方向に付勢されている。
【0032】
【特許文献6】
米国特許第 5,361,735号
【0033】
米国特許第 5,497,738号は、VCTシステムの実施態様で利用された最大液圧Ps においてエンジンオイルギャラリから直接供給された作動流体に起因してスプールの一端に作用する液圧による力を除去する制御システムについて開示している。
【0034】
ベントスプールの他端に作用する力は、好ましくは可変力ソレノイド型の電気機械的アクチュエータによるものであり、この力は、種々のエンジンパラメータを監視するエンジン制御ユニット(ECU)から出力された電気信号に反応してベントスプールに直接作用している。
【0035】
ECUは、カムシャフト位置およびクランクシャフト位置に対応するセンサ信号を受け取り、この位置情報を利用して相対位相角を計算する。好ましくは、位相角誤差を補償するクローズドループフィードバックシステムが採用されている。
【0036】
可変力ソレノイドの使用が、緩慢な動的応答性の問題を解決する。このような装置は、スプールバルブの機械的応答性と同程度に速くなるように設計でき、確かに従来の完全液圧差圧制御システムよりもずっと速くなっている。
【0037】
応答性が速くなることにより、増加したクローズドループゲインを使用することができ、これにより、構成要素の許容誤差および運転環境に対してシステムがそれほど敏感でないようにすることが可能である。
【0038】
従属関係のインテークカムを備えたV型エンジンにおいて、インテークカムの位相を決定する公知の方法は、VCTシステムにおいて十分なものではない。というのは、エグゾーストカムシャフトがインテークカムシャフトを駆動しており、インテークカムの位置がエグゾーストカムの位置に従属(依存)しているからである。
【0039】
したがって、従属関係を有する2本のカムのためのインテーク位相計算を利用するとともに、新しいパラメータを含むVCTカムタイミングシステムを提供することが望ましい。
【0040】
【特許文献7】
米国特許第 5,497,738号
【0041】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、従属関係を有する2本のカムを備えたものにおいて、インテークカムの位相を正確に決定できる可変カムタイミングシステムを提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、内燃機関に用いられる可変カムタイミング(VCT)システムにおいて、インテークカム位置がエグゾーストカムに関連しているところの依存関係を有するダブルカムシャフト構成を内燃機関が有しており、当該システムが、第1の位置センサによって発生する一連のクランク歯信号と、第2の位置センサによって発生する一連のエグゾーストカム歯信号と、第3の位置センサによって発生する一連のインテークカム歯信号とを備えており、エグゾーストカム位相に関連したインテーク位相角の式が、(位相)=(ΔT/T *クランク角)−(Z位相)(ただし、ΔT:エグゾーストカム歯信号の下降エッジからスタートして、次に発生するインテークカム歯信号の下降エッジまでの時間)で与えられている。
【0043】
請求項2の発明では、請求項1において、Z位相が、実行時間で計算されたオフセット値になっている。
【0044】
請求項3の発明では、請求項1において、内燃機関が従属関係のダブルカムV型エンジンである。
【0045】
請求項4の発明では、請求項1において、Tが、適用可能な連続する二つのクランク歯下降エッジ信号の間の時間であって、ΔTよりも常に大きくなっている。
【0046】
請求項5の発明では、請求項1において、クランク角が、回転クランクシャフトに関連した均等間隔のクランク歯の歯数で360°を割ったものと等しくなっている。
【0047】
請求項6の発明では、請求項1において、請求項1の各構成要素を制御するためのコントローラがさらに設けられている。
【0048】
請求項7の発明は、内燃機関に用いられる可変カムタイミング(VCT)システムにおいて、インテークカム位置がエグゾーストカムに関連しているところの依存関係を有するダブルカムシャフト構成を内燃機関が有しており、当該システムの制御方法が、第1の位置センサによって発生する一連のクランク歯信号を提供する工程と、第2の位置センサによって発生する一連のエグゾーストカム歯信号を提供する工程と、第3の位置センサによって発生する一連のインテークカム歯信号を提供する工程とを備えており、エグゾーストカム位相に関連したインテーク位相角の式が、(位相)=(ΔT/T *クランク角)−(Z位相)(ただし、ΔT:エグゾーストカム歯信号の下降エッジからスタートして、次に発生するインテークカム歯信号の下降エッジまでの時間)で与えられている。
【0049】
本発明は、従属関係にある2本のカムのためのインテーク位相計算を利用した可変カムタイミング(VCT)システムを提供する。
【0050】
本発明は、新たなパラメータが限定されて用いられているところのインテーク位相の新たな式を提供する。
【0051】
本発明によれば、内燃機関に用いられる可変カムタイミング(VCT)システムが提供されている。このシステムは、インテークカム位置がエグゾーストカム位置に関連しているところの従属関係にある2本のカムシャフト構成を有している。
【0052】
システムはまた、複数の検出信号を有している。これらの検出信号は、第1の位置センサによって発生する一連のクランク歯信号、第2の位置センサによって発生する一連のエグゾーストカム歯信号、および第3の位置センサによって一連のインテークカム歯信号である。
【0053】
システムはさらに、エグゾーストカム位相に関連したインテーク位相角の式を含んでおり、当該式は、
(位相)=(ΔT/T*クランク角)−(Z位相)
【0054】
ここで、ΔTは、エグゾーストカム歯信号の下降線からスタートして、次に発生するインテークカム歯信号の下降線までの時間である。
なお、上記構成要素を制御する方法についても提供されている。
【0055】
本発明およびその目的をさらに理解するためには、図面、図面の簡単な説明、本発明の好ましい実施態様の詳細な説明および特許請求の範囲に注意が向けられるべきである。
【0056】
【発明の実施の形態】
従属関係を有するインテークカムを備えたV型構成のエンジンにおいて、インテークカムの位相を決定するための異なる方法が提供されている。従属関係を有するインテークカムのレイアウトにおいては、エグゾーストカムシャフトがインテークカムシャフトを駆動しており、このため、インテークカム位置がエグゾーストカム位置に依存(従属)している。
【0057】
比較のために、依存関係のない任意のカムシャフト駆動装置のエグゾーストカムまたはインテークカムための位相測定の計算は、以下のとおりであることが知られている。すなわち
(位相)=(ΔT/T*クランク角)−(Z位相)
【0058】
ここで、位相は、クランク角に関連した角度で表される。ΔTは、クランク歯信号の下降線から、次に発生するカム歯信号の下降線までの時間であり、マイクロ秒または数分のマイクロ秒で表される。Tは常にΔTよりも大きい。
(クランク角)=360/(適用可能な均等間隔のクランク歯の数)
【0059】
具体的には
2枚のクランク歯の場合、(クランク角)=180°
3枚のクランク歯の場合、(クランク角)=120°
4枚のクランク歯の場合、(クランク角)=90°
である。
【0060】
Z位相は、数学的にカム歯下降エッジ信号がクランク歯下降エッジ信号の後の小さな角度の範囲内においてかつ第1、第2のクランクエッジによって提供されるウインドウの範囲内において発生することを保証するために、制御条件下で決定されかつ実行時間で計算されたオフセット値である。
【0061】
依存関係を有するダブルカムシャフトV型エンジンのインテークカムのための位相測定は、上記とは似ているが、異なっている。インテークカム位置がエグゾーストカム位置に依存しているために、インテークカム位置はエグゾーストカムに関連している。
(位相)=(ΔT/T*クランク角)−(Z位相)
【0062】
ここで、位相は、エグゾーストカム位相に関連したインテークカム位相(°)である。ΔTは、エグゾーストカム歯信号の下降線から、次に発生するカム歯信号の下降線までの時間であり、マイクロ秒または数分のマイクロ秒で表される。Tおよびクランク角は、上記のものと同じである。
【0063】
Z位相は、数学的にインテークカム歯下降エッジ信号が、エグゾースト歯下降エッジ信号の後においてかつエグゾーストカム信号の第1、第2のエッジによって提供されるウインドウの範囲内において、小さな角度(この場合には2.5°)で生じことを保証するために、制御条件下で決定されかつ実行時間で計算されたオフセット値である。
【0064】
図1は、本発明に適用可能な歯形形状間の関係を示している。この関係は、インテークカムがエグゾーストカムおよびクランクシャフトの双方に依存している点において、異なっている。
【0065】
図1には、依存関係にあるダブルカムシャフトVCTシステムのためのタイミングチャートが示されている。波形10は、1回転につき4個のパルスを有する検出クランク信号を示している。一つの検出クランクパルスは、2つの検出カム歯信号に対応している。したがって、4枚のクランク歯が8枚のカム歯に対応している。
【0066】
波形12は、1回転につき8個のパルスを有する検出エグゾーストカム信号を示している。第1のエグゾーストカム歯下降エッジは、第1のクランク歯の下降エッジに対して15°遅れているつまりリタードされている。
【0067】
波形14は、1回転につき8個のパルスを有する依存関係の検出インテークカム信号を示している。この依存関係のために、第1のインテークカム歯下降エッジは、第1のエグゾーストカム歯の下降エッジに対して15°遅れているつまりリタードしている。
【0068】
それと同時に、第1のインテークカム歯下降エッジは、第1のクランク歯下降エッジに対して30°遅れているつまりリタードしている。言い換えれば、ダブルカム構造のために、インテークカムに関してタイムラグが増加している。
【0069】
理解されるように、90°の限界を有する単一カムシステムに対する従来のアプローチは、さらに制限されている。したがって、本発明は、新規な特徴を有する新規な式を創出しており、上記限定された制限に取り組むための構成要素が提供されている。
【0070】
この点で、全タイムラグは、依然として90°の制限範囲内にある。次に示された二つの波形は、タイムラグまたはリタード(遅延)が制限を超えているときの波形間の関係を示している。
【0071】
波形16は、1回転につき8個のパルスを有する波形12と同一の検出エグゾーストカム信号を示している。第1のエグゾーストカム歯下降エッジは、第1のクランク歯の下降エッジに対して75°遅れているつまりリタードしている。
【0072】
波形18は、1回転つき8個のパルスを有する同一の検出インテークカム信号を示している。従属関係のために、第1のインテークカム歯下降エッジは、第1のエグゾーストカム歯の下降エッジに対して70°遅れているつまりリタードしている。それと同時に、第1のインテークカム歯20の下降エッジは、第1のクランク歯の下降エッジに対して145°遅れているつまりリタードしている。
【0073】
図2には、従属関係を有するインテークカムシャフトを備えたV型構成のエンジンが提供されている。エグゾーストカムシャフト92はインテークカムシャフト94を駆動しており、したがって、インテークカム位置はエグゾーストカム位置に依存している、つまり従属関係にある。
【0074】
エグゾーストカムシャフト92への駆動力は、クランクシャフト96から供給されている。従属関係のために、インテークカムの位相を決定するための異なる方法が要求される。
【0075】
本発明においては、従属関係を有する一対のVCTサブシステムが設けられている。これらのサブシステムは、第1のVCTサブシステムおよび第2のVCTサブシステムである。第1のVCTサブシステムは、クランクシャフト96との角度関係を調整するための少なくとも一つのエグゾースト位相器(図示せず)を有している。
【0076】
第2のVCTサブシステムは、それに関連するエグゾーストカムシャフトとの角度関係だけでなく、クランクシャフト96との角度関係を調整するための少なくとも一つのインテーク位相器(図示せず)を有している。
【0077】
理解されるように、インテークカムシャフト94は、エグゾーストカムシャフト92に連結されているのみならず、クランクシャフト96に駆動連結されている。この点で、VCTサブシステム対は依存関係にある。エグゾーストカムシャフト92をクランクシャフト96に連結するとともに、エグゾーストカムシャフト92をインテークカムシャフト94に連結する連結手段が設けられている。この連結手段は、エンジンタイミングチェーン、タイミングベルトまたはギヤ駆動装置などである。図2に示された位相器は、2本の回転軸の間に配置されてこれらの回転軸の角度関係を調整する任意のタイプの位相器である。
【0078】
図3は、本発明に適用される位相器の具体例を示している。同図は、位相器の一つのタイプを示す概略図である。位相器は、零位置におかれている。ソレノイド20は、スプールバルブ14の第1の端部13に第1の力を作用させることによって、スプールバルブ14と係合している。
【0079】
第1の力は、スプールバルブ14の第2の端部17においてスプリング21により作用する力と釣り合っており、これにより、零位置が維持されている。スプールバルブ14は、それぞれ流体の流れを阻止する第1のブロック19および第2のブロック23を有している。
【0080】
位相器42は、ハウジング57をアドバンスチャンバAおよびリタードチャンバRに限定するベーン58を有している。典型的には、ハウジング57およびベーン58は、図示しないクランクシャフトおよびカムシャフトにそれぞれ連結されている。
【0081】
ベーン58は、アドバンスチャンバAおよびリタードチャンバR内の流量を調整することによって、ハウジング57に対して移動するように許容されている。ベーン58をアドバンス側に向かって移動させるのが望ましい場合には、チャンバA内の流体がダクト4からダクト8を通って排出されるように、ソレノイド20がスプールバルブ14を元の零位置からさらに右方に移動させる。
【0082】
ブロック19をさらに右方にスライドさせて流体連絡が生じるようにすることによって、流体がさらに流れまたは外部排出口(図示せず)と流体連絡する。それと同時に、流体源からの流体は、ダクト27を通り、一方向バルブ15を介してダクト11と一方向に流体連絡しており、ダクト5を介してチャンバRに流体が供給されている。
【0083】
このことは、ブロック23がさらに右方に移動して上記一方向流体連絡を発生させることにより、生じる。所望のベーン位置に到達したとき、スプールバルブは、左方に移動して零位置に戻るように命令される。これにより、クランクシャフトおよびカムシャフト間の新しい位相関係が維持される。
【0084】
以下の記述は、本発明に関連する用語および概念である。
上記流体が作動流体であるということが注目されるべきである。作動流体は、ベーン位相器内でベーンを移動させる流体のことである。典型的には、作動流体はエンジンオイルを含んでいるが、これとは別個の作動流体であり得る。
【0085】
本発明のVCTシステムは、カムトルク駆動(CTA: cam torque actuated)VCTシステムである。このVCTシステムは、ベーンを移動させるのに、エンジンバルブを開閉させる力によって生じるカムシャフト内のトルク逆転現象を使用している。
【0086】
CTAシステム内の制御バルブは、アドバンスチャンバからリタードチャンバへの流体の流れを許容してベーンの移動を許容しており、または流体の流れを停止させてベーンを所定位置にロックしている。
【0087】
CTA位相器はまた、漏れによる損失を補填するためのオイル導入口を有しているが、位相器を移動させるのにエンジンオイル圧を使用してはいない。ベーンは、チャンバ内に収容されるとともに、作動流体が作用する半径方向の部材である。ベーン位相器は、チャンバ内で移動するベーンによって駆動される位相器である。
【0088】
エンジンには、一つまたはそれ以上のカムシャフトがある。カムシャフトは、ベルト、チェーン、ギヤまたは他のカムシャフトにより駆動される。カムシャフト上には、バルブを押圧するローブが設けられている。
【0089】
多数本のカムシャフトを有するエンジンにおいては、多くの場合、エグゾーストバルブ用に1本のシャフトが設けられ、インテークバルブ用に1本のシャフトが設けられている。V型エンジンは、通常、各バンクに1本ずつ2本のカムシャフトを有しているか、または各バンクにインテークバルブ用およびエグゾーストバルブ用の4本のカムシャフトを有している。
【0090】
チャンバは、ベーンが回転する空間領域として定義されている。チャンバは、クランクシャフトに対してバルブを速めに開放させるアドバンスチャンバと、クランクシャフトに対してバルブを遅めに開放させるリタードチャンバとに分割されている。
【0091】
チェックバルブは、ただ一方向のみの流体の流れを許容するバルブとして定義されている。クローズドループは、一つの特性を他の特性に反応させて変化させるとともに、その変化が正しくなされたかどうかチェックして、所望の結果が得られるように作用を調整する制御システムとして定義されている。
【0092】
たとえば、ECUからの命令に反応して位相器位置を変化させるようにバルブを移動させ、実際の位相器位置をチェックして、バルブを再度適正な位置に移動させる。制御バルブは、位相器への流体の流れを制御するバルブである。制御バルブは、CTAシステム内の位相器内部に存在している。制御バルブは、油圧またはソレノイドによって駆動される。
【0093】
クランクシャフトは、ピストンからの動力により、トランスミッションおよびカムシャフトを駆動する。スプールバルブは、スプール型の制御バルブとして定義されている。典型的には、スプールは穴内に配置されて、一方の通路を他方の通路に連絡している。スプールは、多くの場合、位相器のロータの中心軸に配置されている。
【0094】
差圧制御システム(DPCS)は、スプールの各端部への作動流体圧を使用して、スプールバルブを移動させるシステムである。スプールの一端は他端よりも大きくなっており、一端に作用する流体は通常は油圧制御のPWMバルブによって制御され、全供給圧はスプールの他端に供給されており、これにより、差圧が生じている。
【0095】
バルブ制御ユニット(VCU: valve control unit)は、VCTシステムを制御するための制御回路である。典型的には、VCUは、ECUからの命令に反応して作動する。
【0096】
ドリブンシャフトは、VCT内において動力を受ける任意のシャフトであり、多くの場合、カムシャフトである。ドライブシャフトは、VCT内において動力を供給する任意のシャフトであり、大抵の場合はクランクシャフトであるが、一方のカムシャフトに対する他方の駆動カムシャフトの場合もある。
【0097】
ECUは、車載コンピュータであるエンジン制御ユニットである。エンジンオイルは、エンジンを潤滑するのに使用されるオイルであり、制御バルブを介して位相器を駆動するための圧力を作用させている。
【0098】
ハウジングは、チャンバを備えた位相器の外側部分として定義されている。ハウジングの外側部分は、タイミングベルト用のプーリ、タイミングチェーン用のスプロケットまたはタイミングギヤ用のギヤである。
【0099】
作動流体は、ブレーキオイルやパワーステアリングオイルと同様に、液圧シリンダに使用される任意のオイルである。流体は、必ずしもエンジンオイルと同じでなくてもよい。
【0100】
典型的には、本発明は作動流体を使用している。ロックピンは、位相器を所定位置にロックするように配置されている。ロックピンは、エンジン始動時や停止時のように、油圧が低すぎて位相器を保持できない場合に通常用いられる。
【0101】
油圧駆動(OPA: oil pressure actuated)型のVCTシステムは、ベーンを移動させるのにエンジンオイル圧をベーンの一方の側または他方の側に作用させる一般的な位相器を使用している。
【0102】
オープンループは、作用を確認するためのフィードバックを行うことなく、一つの特性を他方の特性に反応して変化させる(たとえば、ECUからの命令信号に反応してバルブを移動させる)制御システム内で用いられている。
【0103】
位相は、カムシャフトおよびクランクシャフト間(または、位相器が他方のカムによって駆動される場合にはカムシャフト間)の相対的角度位置として定義されている。位相器は、カムに据え付けられる全体部分として定義されている。
【0104】
位相器は、典型的には、ロータおよびハウジング、さらにはスプールバルブおよびチェックバルブから構成されている。ピストン位相器は、内燃機関のシリンダ内のピストンによって駆動される位相器である。ロータは、カムシャフトに装着された、位相器の内側部分である。
【0105】
パルス幅変調(PWM: pulse−width modulation)は、電圧または流体圧のオン・オフパルスのタイミングを変えることによって、変化する力または圧力を提供している。ソレノイドは、機械式アームを移動させるのにコイル内を流れる電流を使用する電気式アクチュエータである。
【0106】
可変力ソレノイド(VFS: variable force solenoid) は、通常は供給電流のPWMによってその駆動力が変化し得るソレノイドである。VFSは、オン・オフソレノイドに対向している。
【0107】
スプロケットは、エンジンタイミングチェーンのようなチェーンとともに使用される部材である。タイミングとは、ピストンが或る限定位置(通常は上死点(TDC))に達する時間と他の事象が起こる時間との間の関係として定義される。
【0108】
たとえば、VCTまたはVVTシステムにおいては、タイミングは通常、バルブが開閉するときに関係している。点火タイミングは、点火プラグが点火するときに関係している。
【0109】
トーション・アシスト(TA)位相器またはトルク・アシスト位相器は、OPA位相器の変形例であって、オイル供給ラインにチェックバルブを付加しており(つまり、単一のチェックバルブの実施態様)、または各チャンバへの供給ラインにチェックバルブを付加している(つまり、2つのチェックバルブの実施態様)。
【0110】
チェックバルブは、トルク逆転による油圧パルスが油圧システム内に伝搬するのを阻止するとともに、ベーンがトルク逆転により後退するのを停止させる。TAシステムにおいては、前方へのトルク効果によるベーンの動きが許容されている。このため、トーション・アシストという表現が用いられている。ベーンの動きのグラフは階段状である。
【0111】
VCTシステムは、位相器、制御バルブ、制御バルブアクチュエータおよび制御回路を有している。可変カムタイミング(VCT)は、エンジンのインテークバルブおよび(または)エグゾーストバルブを駆動する一つまたはそれ以上のカムシャフト間の角度関係(位相)を制御しまたは変化させるための方法であって物ではない。角度関係はまた、クランクシャフトがピストンに連結されているところのカムおよびクランクシャフト間の位相関係を含んでいる。
【0112】
可変バルブタイミング(VVT: variable valve timing)は、バルブタイミングを変化させる任意の方法である。VVTはVCTに関連している。VVTは、カムの形状を変えることによって、あるいは、カムに対するカムローブの関係、カムまたはバルブに対するバルブアクチュエータの関係を変えることによって、達成される。
【0113】
またVVTは、電気式または液圧式アクチュエータを使用してバルブを個々に制御することによって、達成される。言い換えれば、すべてのVCTはVVTであるが、VVTがすべてVCTであるというわけではない。
【0114】
本発明が関連する分野の当業者は、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施態様を構築し得る。上述の実施態様はあらゆる点で単なる例示としてのみみなされるべきものであり、限定的なものではない。
【0115】
それゆえ、本発明の範囲は、上記記述内容よりもむしろ添付の請求の範囲に示されている。したがって、本発明が個々の実施態様に関連して説明されてきたものの、構造、順序、材料その他の変更は、本発明の範囲内においてではあるが、当該技術分野の当業者にとって明らかであろう。
【0116】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従属関係を有する2本のカムを備えたものにおいて、インテークカムの位相を正確に決定できる可変カムタイミングシステムを実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従属関係を有する2本のカムシャフトを備えた本発明によるVCTのタイミングチャートである。
【図2】インテークカム、エグゾーストカムおよびクランクシャフト間の結合関係を示す図である。
【図3】本発明に適用される位相器の具体的構成図である。
【符号の説明】
92: エグゾーストカムシャフト
94: インテークカムシャフト
96: クランクシャフト
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変カムシャフトタイミング(VCT: variable camshaft timing) システムの分野に関する。より詳細には、本発明は、従属関係を有する2本のカムシャフトのためのインテーク位相の計算および式に関するとともに、これらの計算および式を利用するVCTカムタイミングシステムおよびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
内燃機関は、可変カムタイミング(VCT:variable cam timing)やアクティブノイズ相殺のような構造を含むことによって、ますます複雑になってきている。たとえば、VCTを用いることによって、角変位つまりクランクシャフトに対するカムシャフトの位相が動的に変化して、燃費または動力のようなエンジン特性の変化を生じさせる。
【0003】
典型的には、このようなエンジン特性の所望の値が現在値と比較されるとともに、その差異に応じてエンジン内部で変化を生じさせるフィードバックループがある。
【0004】
これを達成するために、最近の自動車は、エンジンの種々の部品や自動車のその他の部分および周囲環境(排ガスセンサ、圧力センサ、温度センサなど)から供給されるデータを絶えず分析して、このようなデータに応じた信号を出力するマイクロコンピュータを備えた一つまたはそれ以上の制御モジュールを通常有している。
【0005】
たとえば、VCTに関しては、エンジンおよび外部条件に変化が生じると、カムシャフトおよびクランクシャフト間の角変位が変更される。
【0006】
内燃機関の性能は、エンジンの種々のシリンダのインテークバルブを駆動する一方のシャフトとエグゾーストバルブを駆動する他方のシャフトという2本のカムシャフトの使用によって改良することができる。
【0007】
典型的には、このようなカムシャフトのうちの一方のカムシャフトは、スプロケットおよびチェーン駆動装置またはベルト駆動装置を介してエンジンのクランクシャフトによって駆動され、他方のカムシャフトは、第2のスプロケットおよびチェーン駆動装置または第2のベルト駆動装置を介して一方のカムシャフトによって駆動される。あるいは、双方のカムシャフトが、単一のクランクシャフトにより駆動されるチェーン駆動装置またはベルト駆動装置によって駆動される。
【0008】
2本のカムシャフトを備えたエンジンの性能は、通常はエンジンのインテークバルブを駆動するカムシャフトである一方のカムシャフトの他方のカムシャフトおよびクランクシャフトに対する位置関係を変えることによって、アイドル運転の質、燃費、低減排ガスまたは上昇トルクの観点から、さらに改良することが可能である。
【0009】
これにより、エグゾーストバルブに対するインテークバルブの運転の観点から、またはクランクシャフトの位置に対するバルブ運転の観点から、エンジンのタイミングを変えることができる。
【0010】
引用することによってすべて本明細書の中に含まれる以下の米国特許により開示された情報を考慮することは、本発明の背景を探るのに有用である。
【0011】
米国特許第 5,002,023号は、本発明の分野におけるVCTシステムについて記述している。このシステムの液圧装置は、適切な作動流体要素を備えるとともに逆方向に作用する一対の液圧シリンダを有している。
【0012】
作動流体要素は、作動流体を一方のシリンダから他方のシリンダにまたはその逆方向に選択的に移送しており、これにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの周方向位置をアドバンスさせまたはリタードさせている。
【0013】
制御システムは、一方または他方のシリンダからの作動流体の排出がバルブ内のスプールを中央位置つまり零位置から一方向または他の方向に移動させることによって行われる制御バルブを使用している。
【0014】
スプールの移動は、スプールの一端に作用する制御液圧Pc の増加または減少に応じて、さらにスプリングの一端に作用する液圧と他端に作用する圧縮スプリングによる機械的な押付力との間の関係に応じて、生じる。
【0015】
【特許文献1】
米国特許第 5,002,023号
【0016】
米国特許第 5,107,804号は、本発明の分野における他のタイプのVCTシステムについて記述しており、このシステムの液圧装置は、囲繞されたハウジング内にローブを備えたベーンを有している。このベーンは、上述の米国特許第 5,002,023号により開示された逆方向作用のシリンダに取って代わっている。
【0017】
ベーンは、ハウジング内でローブの一方の側から他方の側にまたはその逆方向に作動流体を移動させることによりハウジングに対してベーンを一方の側から他方の側に振動させる適切な作動流体要素を有しており、ベーンはハウジングに対して振動可能につまり周方向に移動可能に構成されている。
【0018】
このようなベーンの振動は、クランクシャフトに対するカムシャフトの位置をアドバンスさせまたはリタードさせるのに効果的なものである。このVCTシステムの制御システムは、米国特許第 5,002,023号に開示されたものと同一であって、スプールバルブに作用する同種の力に反応する同一タイプのスプールバルブを使用している。
【0019】
【特許文献2】
米国特許第 5,107,804号
【0020】
米国特許第 5,172,659号および米国特許第 5,184,578号はいずれも、スプールの一端に作用する液圧による力とスプールの他端に作用する機械的な力とを釣り合わせようとする試みによって発生する、上述したタイプのVCTシステムの問題に取り組んでいる。
【0021】
米国特許第 5,172,659号および米国特許第 5,184,578号の双方に開示された改良制御システムは、スプールの両端に作用する液圧による力を利用している。スプールの一端に作用する液圧による力は、最大液圧Ps でエンジンオイルギャラリから直接供給される作動流体に起因している。
【0022】
スプールの他端に作用する液圧による力は、減圧Pc 下でPWMソレノイドからの作動流体に反応して作用する液圧シリンダまたはその他の増幅装置に起因している。
【0023】
スプールの対向端の各々に作用する力が元々同じ作動流体に基づいた液圧であるため、作動流体の圧力または粘性の変化は自己否定的なものであって、スプールの中央位置または零位置には影響を及ぼさない。
【0024】
【特許文献3】
米国特許第 5,172,659号
【0025】
【特許文献4】
米国特許第 5,184,578号
【0026】
米国特許第 5,289,805号は、改良されたVCT方法を提供している。この方法は、所定の設定値を追跡する挙動を生じさせる液圧PWMスプール位置制御および進んだ制御アルゴリズムを利用している。
【0027】
【特許文献5】
米国特許第 5,184,578号
【0028】
米国特許第 5,361,735号においては、カムシャフトが、非振動の回転のために一端に固定されたベーンを有している。カムシャフトはまた、カムシャフトとともに回転しかつカムシャフトに対して振動可能なタイミングベルト駆動のプーリを有している。
【0029】
ベーンは、プーリの対向凹部内にそれぞれ受け入れられた対向配置のローブを有している。カムシャフトは、通常の運転中に発生するトルクパルスに反応して変化する傾向がある。
【0030】
カムシャフトは、エンジン制御ユニットからの信号に反応して制御バルブのバルブ本体内でのスプールの位置を制御することによって、凹部からのエンジンオイルの流れを選択的に許容しまたは阻止することにより、アドバンスしまたはリタードするようになっている。
【0031】
スプールは、好ましくはステッピングモータ型の電気モータによって回転させられるロータリー・リニア運動移動手段によって一定の方向に付勢されている。
【0032】
【特許文献6】
米国特許第 5,361,735号
【0033】
米国特許第 5,497,738号は、VCTシステムの実施態様で利用された最大液圧Ps においてエンジンオイルギャラリから直接供給された作動流体に起因してスプールの一端に作用する液圧による力を除去する制御システムについて開示している。
【0034】
ベントスプールの他端に作用する力は、好ましくは可変力ソレノイド型の電気機械的アクチュエータによるものであり、この力は、種々のエンジンパラメータを監視するエンジン制御ユニット(ECU)から出力された電気信号に反応してベントスプールに直接作用している。
【0035】
ECUは、カムシャフト位置およびクランクシャフト位置に対応するセンサ信号を受け取り、この位置情報を利用して相対位相角を計算する。好ましくは、位相角誤差を補償するクローズドループフィードバックシステムが採用されている。
【0036】
可変力ソレノイドの使用が、緩慢な動的応答性の問題を解決する。このような装置は、スプールバルブの機械的応答性と同程度に速くなるように設計でき、確かに従来の完全液圧差圧制御システムよりもずっと速くなっている。
【0037】
応答性が速くなることにより、増加したクローズドループゲインを使用することができ、これにより、構成要素の許容誤差および運転環境に対してシステムがそれほど敏感でないようにすることが可能である。
【0038】
従属関係のインテークカムを備えたV型エンジンにおいて、インテークカムの位相を決定する公知の方法は、VCTシステムにおいて十分なものではない。というのは、エグゾーストカムシャフトがインテークカムシャフトを駆動しており、インテークカムの位置がエグゾーストカムの位置に従属(依存)しているからである。
【0039】
したがって、従属関係を有する2本のカムのためのインテーク位相計算を利用するとともに、新しいパラメータを含むVCTカムタイミングシステムを提供することが望ましい。
【0040】
【特許文献7】
米国特許第 5,497,738号
【0041】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、従属関係を有する2本のカムを備えたものにおいて、インテークカムの位相を正確に決定できる可変カムタイミングシステムを提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、内燃機関に用いられる可変カムタイミング(VCT)システムにおいて、インテークカム位置がエグゾーストカムに関連しているところの依存関係を有するダブルカムシャフト構成を内燃機関が有しており、当該システムが、第1の位置センサによって発生する一連のクランク歯信号と、第2の位置センサによって発生する一連のエグゾーストカム歯信号と、第3の位置センサによって発生する一連のインテークカム歯信号とを備えており、エグゾーストカム位相に関連したインテーク位相角の式が、(位相)=(ΔT/T *クランク角)−(Z位相)(ただし、ΔT:エグゾーストカム歯信号の下降エッジからスタートして、次に発生するインテークカム歯信号の下降エッジまでの時間)で与えられている。
【0043】
請求項2の発明では、請求項1において、Z位相が、実行時間で計算されたオフセット値になっている。
【0044】
請求項3の発明では、請求項1において、内燃機関が従属関係のダブルカムV型エンジンである。
【0045】
請求項4の発明では、請求項1において、Tが、適用可能な連続する二つのクランク歯下降エッジ信号の間の時間であって、ΔTよりも常に大きくなっている。
【0046】
請求項5の発明では、請求項1において、クランク角が、回転クランクシャフトに関連した均等間隔のクランク歯の歯数で360°を割ったものと等しくなっている。
【0047】
請求項6の発明では、請求項1において、請求項1の各構成要素を制御するためのコントローラがさらに設けられている。
【0048】
請求項7の発明は、内燃機関に用いられる可変カムタイミング(VCT)システムにおいて、インテークカム位置がエグゾーストカムに関連しているところの依存関係を有するダブルカムシャフト構成を内燃機関が有しており、当該システムの制御方法が、第1の位置センサによって発生する一連のクランク歯信号を提供する工程と、第2の位置センサによって発生する一連のエグゾーストカム歯信号を提供する工程と、第3の位置センサによって発生する一連のインテークカム歯信号を提供する工程とを備えており、エグゾーストカム位相に関連したインテーク位相角の式が、(位相)=(ΔT/T *クランク角)−(Z位相)(ただし、ΔT:エグゾーストカム歯信号の下降エッジからスタートして、次に発生するインテークカム歯信号の下降エッジまでの時間)で与えられている。
【0049】
本発明は、従属関係にある2本のカムのためのインテーク位相計算を利用した可変カムタイミング(VCT)システムを提供する。
【0050】
本発明は、新たなパラメータが限定されて用いられているところのインテーク位相の新たな式を提供する。
【0051】
本発明によれば、内燃機関に用いられる可変カムタイミング(VCT)システムが提供されている。このシステムは、インテークカム位置がエグゾーストカム位置に関連しているところの従属関係にある2本のカムシャフト構成を有している。
【0052】
システムはまた、複数の検出信号を有している。これらの検出信号は、第1の位置センサによって発生する一連のクランク歯信号、第2の位置センサによって発生する一連のエグゾーストカム歯信号、および第3の位置センサによって一連のインテークカム歯信号である。
【0053】
システムはさらに、エグゾーストカム位相に関連したインテーク位相角の式を含んでおり、当該式は、
(位相)=(ΔT/T*クランク角)−(Z位相)
【0054】
ここで、ΔTは、エグゾーストカム歯信号の下降線からスタートして、次に発生するインテークカム歯信号の下降線までの時間である。
なお、上記構成要素を制御する方法についても提供されている。
【0055】
本発明およびその目的をさらに理解するためには、図面、図面の簡単な説明、本発明の好ましい実施態様の詳細な説明および特許請求の範囲に注意が向けられるべきである。
【0056】
【発明の実施の形態】
従属関係を有するインテークカムを備えたV型構成のエンジンにおいて、インテークカムの位相を決定するための異なる方法が提供されている。従属関係を有するインテークカムのレイアウトにおいては、エグゾーストカムシャフトがインテークカムシャフトを駆動しており、このため、インテークカム位置がエグゾーストカム位置に依存(従属)している。
【0057】
比較のために、依存関係のない任意のカムシャフト駆動装置のエグゾーストカムまたはインテークカムための位相測定の計算は、以下のとおりであることが知られている。すなわち
(位相)=(ΔT/T*クランク角)−(Z位相)
【0058】
ここで、位相は、クランク角に関連した角度で表される。ΔTは、クランク歯信号の下降線から、次に発生するカム歯信号の下降線までの時間であり、マイクロ秒または数分のマイクロ秒で表される。Tは常にΔTよりも大きい。
(クランク角)=360/(適用可能な均等間隔のクランク歯の数)
【0059】
具体的には
2枚のクランク歯の場合、(クランク角)=180°
3枚のクランク歯の場合、(クランク角)=120°
4枚のクランク歯の場合、(クランク角)=90°
である。
【0060】
Z位相は、数学的にカム歯下降エッジ信号がクランク歯下降エッジ信号の後の小さな角度の範囲内においてかつ第1、第2のクランクエッジによって提供されるウインドウの範囲内において発生することを保証するために、制御条件下で決定されかつ実行時間で計算されたオフセット値である。
【0061】
依存関係を有するダブルカムシャフトV型エンジンのインテークカムのための位相測定は、上記とは似ているが、異なっている。インテークカム位置がエグゾーストカム位置に依存しているために、インテークカム位置はエグゾーストカムに関連している。
(位相)=(ΔT/T*クランク角)−(Z位相)
【0062】
ここで、位相は、エグゾーストカム位相に関連したインテークカム位相(°)である。ΔTは、エグゾーストカム歯信号の下降線から、次に発生するカム歯信号の下降線までの時間であり、マイクロ秒または数分のマイクロ秒で表される。Tおよびクランク角は、上記のものと同じである。
【0063】
Z位相は、数学的にインテークカム歯下降エッジ信号が、エグゾースト歯下降エッジ信号の後においてかつエグゾーストカム信号の第1、第2のエッジによって提供されるウインドウの範囲内において、小さな角度(この場合には2.5°)で生じことを保証するために、制御条件下で決定されかつ実行時間で計算されたオフセット値である。
【0064】
図1は、本発明に適用可能な歯形形状間の関係を示している。この関係は、インテークカムがエグゾーストカムおよびクランクシャフトの双方に依存している点において、異なっている。
【0065】
図1には、依存関係にあるダブルカムシャフトVCTシステムのためのタイミングチャートが示されている。波形10は、1回転につき4個のパルスを有する検出クランク信号を示している。一つの検出クランクパルスは、2つの検出カム歯信号に対応している。したがって、4枚のクランク歯が8枚のカム歯に対応している。
【0066】
波形12は、1回転につき8個のパルスを有する検出エグゾーストカム信号を示している。第1のエグゾーストカム歯下降エッジは、第1のクランク歯の下降エッジに対して15°遅れているつまりリタードされている。
【0067】
波形14は、1回転につき8個のパルスを有する依存関係の検出インテークカム信号を示している。この依存関係のために、第1のインテークカム歯下降エッジは、第1のエグゾーストカム歯の下降エッジに対して15°遅れているつまりリタードしている。
【0068】
それと同時に、第1のインテークカム歯下降エッジは、第1のクランク歯下降エッジに対して30°遅れているつまりリタードしている。言い換えれば、ダブルカム構造のために、インテークカムに関してタイムラグが増加している。
【0069】
理解されるように、90°の限界を有する単一カムシステムに対する従来のアプローチは、さらに制限されている。したがって、本発明は、新規な特徴を有する新規な式を創出しており、上記限定された制限に取り組むための構成要素が提供されている。
【0070】
この点で、全タイムラグは、依然として90°の制限範囲内にある。次に示された二つの波形は、タイムラグまたはリタード(遅延)が制限を超えているときの波形間の関係を示している。
【0071】
波形16は、1回転につき8個のパルスを有する波形12と同一の検出エグゾーストカム信号を示している。第1のエグゾーストカム歯下降エッジは、第1のクランク歯の下降エッジに対して75°遅れているつまりリタードしている。
【0072】
波形18は、1回転つき8個のパルスを有する同一の検出インテークカム信号を示している。従属関係のために、第1のインテークカム歯下降エッジは、第1のエグゾーストカム歯の下降エッジに対して70°遅れているつまりリタードしている。それと同時に、第1のインテークカム歯20の下降エッジは、第1のクランク歯の下降エッジに対して145°遅れているつまりリタードしている。
【0073】
図2には、従属関係を有するインテークカムシャフトを備えたV型構成のエンジンが提供されている。エグゾーストカムシャフト92はインテークカムシャフト94を駆動しており、したがって、インテークカム位置はエグゾーストカム位置に依存している、つまり従属関係にある。
【0074】
エグゾーストカムシャフト92への駆動力は、クランクシャフト96から供給されている。従属関係のために、インテークカムの位相を決定するための異なる方法が要求される。
【0075】
本発明においては、従属関係を有する一対のVCTサブシステムが設けられている。これらのサブシステムは、第1のVCTサブシステムおよび第2のVCTサブシステムである。第1のVCTサブシステムは、クランクシャフト96との角度関係を調整するための少なくとも一つのエグゾースト位相器(図示せず)を有している。
【0076】
第2のVCTサブシステムは、それに関連するエグゾーストカムシャフトとの角度関係だけでなく、クランクシャフト96との角度関係を調整するための少なくとも一つのインテーク位相器(図示せず)を有している。
【0077】
理解されるように、インテークカムシャフト94は、エグゾーストカムシャフト92に連結されているのみならず、クランクシャフト96に駆動連結されている。この点で、VCTサブシステム対は依存関係にある。エグゾーストカムシャフト92をクランクシャフト96に連結するとともに、エグゾーストカムシャフト92をインテークカムシャフト94に連結する連結手段が設けられている。この連結手段は、エンジンタイミングチェーン、タイミングベルトまたはギヤ駆動装置などである。図2に示された位相器は、2本の回転軸の間に配置されてこれらの回転軸の角度関係を調整する任意のタイプの位相器である。
【0078】
図3は、本発明に適用される位相器の具体例を示している。同図は、位相器の一つのタイプを示す概略図である。位相器は、零位置におかれている。ソレノイド20は、スプールバルブ14の第1の端部13に第1の力を作用させることによって、スプールバルブ14と係合している。
【0079】
第1の力は、スプールバルブ14の第2の端部17においてスプリング21により作用する力と釣り合っており、これにより、零位置が維持されている。スプールバルブ14は、それぞれ流体の流れを阻止する第1のブロック19および第2のブロック23を有している。
【0080】
位相器42は、ハウジング57をアドバンスチャンバAおよびリタードチャンバRに限定するベーン58を有している。典型的には、ハウジング57およびベーン58は、図示しないクランクシャフトおよびカムシャフトにそれぞれ連結されている。
【0081】
ベーン58は、アドバンスチャンバAおよびリタードチャンバR内の流量を調整することによって、ハウジング57に対して移動するように許容されている。ベーン58をアドバンス側に向かって移動させるのが望ましい場合には、チャンバA内の流体がダクト4からダクト8を通って排出されるように、ソレノイド20がスプールバルブ14を元の零位置からさらに右方に移動させる。
【0082】
ブロック19をさらに右方にスライドさせて流体連絡が生じるようにすることによって、流体がさらに流れまたは外部排出口(図示せず)と流体連絡する。それと同時に、流体源からの流体は、ダクト27を通り、一方向バルブ15を介してダクト11と一方向に流体連絡しており、ダクト5を介してチャンバRに流体が供給されている。
【0083】
このことは、ブロック23がさらに右方に移動して上記一方向流体連絡を発生させることにより、生じる。所望のベーン位置に到達したとき、スプールバルブは、左方に移動して零位置に戻るように命令される。これにより、クランクシャフトおよびカムシャフト間の新しい位相関係が維持される。
【0084】
以下の記述は、本発明に関連する用語および概念である。
上記流体が作動流体であるということが注目されるべきである。作動流体は、ベーン位相器内でベーンを移動させる流体のことである。典型的には、作動流体はエンジンオイルを含んでいるが、これとは別個の作動流体であり得る。
【0085】
本発明のVCTシステムは、カムトルク駆動(CTA: cam torque actuated)VCTシステムである。このVCTシステムは、ベーンを移動させるのに、エンジンバルブを開閉させる力によって生じるカムシャフト内のトルク逆転現象を使用している。
【0086】
CTAシステム内の制御バルブは、アドバンスチャンバからリタードチャンバへの流体の流れを許容してベーンの移動を許容しており、または流体の流れを停止させてベーンを所定位置にロックしている。
【0087】
CTA位相器はまた、漏れによる損失を補填するためのオイル導入口を有しているが、位相器を移動させるのにエンジンオイル圧を使用してはいない。ベーンは、チャンバ内に収容されるとともに、作動流体が作用する半径方向の部材である。ベーン位相器は、チャンバ内で移動するベーンによって駆動される位相器である。
【0088】
エンジンには、一つまたはそれ以上のカムシャフトがある。カムシャフトは、ベルト、チェーン、ギヤまたは他のカムシャフトにより駆動される。カムシャフト上には、バルブを押圧するローブが設けられている。
【0089】
多数本のカムシャフトを有するエンジンにおいては、多くの場合、エグゾーストバルブ用に1本のシャフトが設けられ、インテークバルブ用に1本のシャフトが設けられている。V型エンジンは、通常、各バンクに1本ずつ2本のカムシャフトを有しているか、または各バンクにインテークバルブ用およびエグゾーストバルブ用の4本のカムシャフトを有している。
【0090】
チャンバは、ベーンが回転する空間領域として定義されている。チャンバは、クランクシャフトに対してバルブを速めに開放させるアドバンスチャンバと、クランクシャフトに対してバルブを遅めに開放させるリタードチャンバとに分割されている。
【0091】
チェックバルブは、ただ一方向のみの流体の流れを許容するバルブとして定義されている。クローズドループは、一つの特性を他の特性に反応させて変化させるとともに、その変化が正しくなされたかどうかチェックして、所望の結果が得られるように作用を調整する制御システムとして定義されている。
【0092】
たとえば、ECUからの命令に反応して位相器位置を変化させるようにバルブを移動させ、実際の位相器位置をチェックして、バルブを再度適正な位置に移動させる。制御バルブは、位相器への流体の流れを制御するバルブである。制御バルブは、CTAシステム内の位相器内部に存在している。制御バルブは、油圧またはソレノイドによって駆動される。
【0093】
クランクシャフトは、ピストンからの動力により、トランスミッションおよびカムシャフトを駆動する。スプールバルブは、スプール型の制御バルブとして定義されている。典型的には、スプールは穴内に配置されて、一方の通路を他方の通路に連絡している。スプールは、多くの場合、位相器のロータの中心軸に配置されている。
【0094】
差圧制御システム(DPCS)は、スプールの各端部への作動流体圧を使用して、スプールバルブを移動させるシステムである。スプールの一端は他端よりも大きくなっており、一端に作用する流体は通常は油圧制御のPWMバルブによって制御され、全供給圧はスプールの他端に供給されており、これにより、差圧が生じている。
【0095】
バルブ制御ユニット(VCU: valve control unit)は、VCTシステムを制御するための制御回路である。典型的には、VCUは、ECUからの命令に反応して作動する。
【0096】
ドリブンシャフトは、VCT内において動力を受ける任意のシャフトであり、多くの場合、カムシャフトである。ドライブシャフトは、VCT内において動力を供給する任意のシャフトであり、大抵の場合はクランクシャフトであるが、一方のカムシャフトに対する他方の駆動カムシャフトの場合もある。
【0097】
ECUは、車載コンピュータであるエンジン制御ユニットである。エンジンオイルは、エンジンを潤滑するのに使用されるオイルであり、制御バルブを介して位相器を駆動するための圧力を作用させている。
【0098】
ハウジングは、チャンバを備えた位相器の外側部分として定義されている。ハウジングの外側部分は、タイミングベルト用のプーリ、タイミングチェーン用のスプロケットまたはタイミングギヤ用のギヤである。
【0099】
作動流体は、ブレーキオイルやパワーステアリングオイルと同様に、液圧シリンダに使用される任意のオイルである。流体は、必ずしもエンジンオイルと同じでなくてもよい。
【0100】
典型的には、本発明は作動流体を使用している。ロックピンは、位相器を所定位置にロックするように配置されている。ロックピンは、エンジン始動時や停止時のように、油圧が低すぎて位相器を保持できない場合に通常用いられる。
【0101】
油圧駆動(OPA: oil pressure actuated)型のVCTシステムは、ベーンを移動させるのにエンジンオイル圧をベーンの一方の側または他方の側に作用させる一般的な位相器を使用している。
【0102】
オープンループは、作用を確認するためのフィードバックを行うことなく、一つの特性を他方の特性に反応して変化させる(たとえば、ECUからの命令信号に反応してバルブを移動させる)制御システム内で用いられている。
【0103】
位相は、カムシャフトおよびクランクシャフト間(または、位相器が他方のカムによって駆動される場合にはカムシャフト間)の相対的角度位置として定義されている。位相器は、カムに据え付けられる全体部分として定義されている。
【0104】
位相器は、典型的には、ロータおよびハウジング、さらにはスプールバルブおよびチェックバルブから構成されている。ピストン位相器は、内燃機関のシリンダ内のピストンによって駆動される位相器である。ロータは、カムシャフトに装着された、位相器の内側部分である。
【0105】
パルス幅変調(PWM: pulse−width modulation)は、電圧または流体圧のオン・オフパルスのタイミングを変えることによって、変化する力または圧力を提供している。ソレノイドは、機械式アームを移動させるのにコイル内を流れる電流を使用する電気式アクチュエータである。
【0106】
可変力ソレノイド(VFS: variable force solenoid) は、通常は供給電流のPWMによってその駆動力が変化し得るソレノイドである。VFSは、オン・オフソレノイドに対向している。
【0107】
スプロケットは、エンジンタイミングチェーンのようなチェーンとともに使用される部材である。タイミングとは、ピストンが或る限定位置(通常は上死点(TDC))に達する時間と他の事象が起こる時間との間の関係として定義される。
【0108】
たとえば、VCTまたはVVTシステムにおいては、タイミングは通常、バルブが開閉するときに関係している。点火タイミングは、点火プラグが点火するときに関係している。
【0109】
トーション・アシスト(TA)位相器またはトルク・アシスト位相器は、OPA位相器の変形例であって、オイル供給ラインにチェックバルブを付加しており(つまり、単一のチェックバルブの実施態様)、または各チャンバへの供給ラインにチェックバルブを付加している(つまり、2つのチェックバルブの実施態様)。
【0110】
チェックバルブは、トルク逆転による油圧パルスが油圧システム内に伝搬するのを阻止するとともに、ベーンがトルク逆転により後退するのを停止させる。TAシステムにおいては、前方へのトルク効果によるベーンの動きが許容されている。このため、トーション・アシストという表現が用いられている。ベーンの動きのグラフは階段状である。
【0111】
VCTシステムは、位相器、制御バルブ、制御バルブアクチュエータおよび制御回路を有している。可変カムタイミング(VCT)は、エンジンのインテークバルブおよび(または)エグゾーストバルブを駆動する一つまたはそれ以上のカムシャフト間の角度関係(位相)を制御しまたは変化させるための方法であって物ではない。角度関係はまた、クランクシャフトがピストンに連結されているところのカムおよびクランクシャフト間の位相関係を含んでいる。
【0112】
可変バルブタイミング(VVT: variable valve timing)は、バルブタイミングを変化させる任意の方法である。VVTはVCTに関連している。VVTは、カムの形状を変えることによって、あるいは、カムに対するカムローブの関係、カムまたはバルブに対するバルブアクチュエータの関係を変えることによって、達成される。
【0113】
またVVTは、電気式または液圧式アクチュエータを使用してバルブを個々に制御することによって、達成される。言い換えれば、すべてのVCTはVVTであるが、VVTがすべてVCTであるというわけではない。
【0114】
本発明が関連する分野の当業者は、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施態様を構築し得る。上述の実施態様はあらゆる点で単なる例示としてのみみなされるべきものであり、限定的なものではない。
【0115】
それゆえ、本発明の範囲は、上記記述内容よりもむしろ添付の請求の範囲に示されている。したがって、本発明が個々の実施態様に関連して説明されてきたものの、構造、順序、材料その他の変更は、本発明の範囲内においてではあるが、当該技術分野の当業者にとって明らかであろう。
【0116】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従属関係を有する2本のカムを備えたものにおいて、インテークカムの位相を正確に決定できる可変カムタイミングシステムを実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従属関係を有する2本のカムシャフトを備えた本発明によるVCTのタイミングチャートである。
【図2】インテークカム、エグゾーストカムおよびクランクシャフト間の結合関係を示す図である。
【図3】本発明に適用される位相器の具体的構成図である。
【符号の説明】
92: エグゾーストカムシャフト
94: インテークカムシャフト
96: クランクシャフト
Claims (7)
- 内燃機関に用いられる可変カムタイミング(VCT)システムにおいて、内燃機関が、インテークカム位置がエグゾーストカムに関連しているところの依存関係を有するダブルカムシャフト構成を有しており、前記システムが、
a)第1の位置センサによって発生する一連のクランク歯信号と、
b)第2の位置センサによって発生する一連のエグゾーストカム歯信号と、
c)第3の位置センサによって発生する一連のインテークカム歯信号とを備え、
エグゾーストカム位相に関連したインテーク位相角の式が
(位相)=(ΔT/T*クランク角)−(Z位相)
(ただし、ΔT:エグゾーストカム歯信号の下降エッジからスタートして、次に発生するインテークカム歯信号の下降エッジまでの時間)
で与えられている、
ことを特徴とする可変カムタイミングシステム。 - 請求項1において、
Z位相が、実行時間で計算されたオフセット値である、
ことを特徴とする可変カムタイミングシステム。 - 請求項1において、
内燃機関が従属関係のダブルカムV型エンジンである、
ことを特徴とする可変カムタイミングシステム。 - 請求項1において、
Tが、適用可能な連続する二つのクランク歯下降エッジ信号の間の時間であって、Tが常にΔTよりも大きくなっている、
ことを特徴とする可変カムタイミングシステム。 - 請求項1において、
クランク角が、回転クランクシャフトに関連した均等間隔のクランク歯の歯数で360°を割ったものと等しくなっている、
ことを特徴とする可変カムタイミングシステム。 - 請求項1において、
請求項1の各構成要素を制御するためのコントローラをさらに備えている、
ことを特徴とする可変カムタイミングシステム。 - 内燃機関に用いられる可変カムタイミング(VCT)システムにおいて、内燃機関が、インテークカム位置がエグゾーストカムに関連しているところの依存関係を有するダブルカムシャフト構成を有しており、前記システムの制御方法が、
a)第1の位置センサによって発生する一連のクランク歯信号を提供する工程と、
b)第2の位置センサによって発生する一連のエグゾーストカム歯信号を提供する工程と、
c)第3の位置センサによって発生する一連のインテークカム歯信号を提供する工程とを備え、
エグゾーストカム位相に関連したインテーク位相角の式が
(位相)=(ΔT/T*クランク角)−(Z位相)
(ただし、ΔT:エグゾーストカム歯信号の下降エッジからスタートして、次に発生するインテークカム歯信号の下降エッジまでの時間)
で与えられている、
ことを特徴とする可変カムタイミングシステムの制御方法。
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