JP3382490B2 - エンジンのバルブタイミング制御装置 - Google Patents

エンジンのバルブタイミング制御装置

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JP3382490B2
JP3382490B2 JP01203197A JP1203197A JP3382490B2 JP 3382490 B2 JP3382490 B2 JP 3382490B2 JP 01203197 A JP01203197 A JP 01203197A JP 1203197 A JP1203197 A JP 1203197A JP 3382490 B2 JP3382490 B2 JP 3382490B2
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達雄 松村
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気バルブまたは
排気バルブの開閉タイミングをエンジンの運転状態等に
応じて可変に制御するのに用いて好適なエンジンのバル
ブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等の運転状態
に応じて吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミング
を可変に制御するようにしたエンジンのバルブタイミン
グ制御装置は、例えば特開平6−2516号等によって
知られている。
【0003】そこで、図9ないし図16を参照して、こ
の種の従来技術によるエンジンのバルブタイミング制御
装置について述べる。
【0004】図中、1はエンジンのクランクシャフトを
示し、該クランクシャフト1はエンジン本体(図示せ
ず)に回転可能に設けられ、その一端側には小径プーリ
1Aが一体に取付けられている。また、クランクシャフ
ト1には、その回転位相αを検出するために後述のクラ
ンク角センサ11が設けられている。
【0005】2はクランクシャフト1の回転駆動力を後
述のカムシャフト4側に伝達するドライブシャフトで、
該ドライブシャフト2はエンジン本体側に軸線O1 −O
1 を中心として回転可能に設けられ、該ドライブシャフ
ト2の大径プーリ2Aは、例えばタイミングベルト3を
介してクランクシャフト1の小径プーリ1Aに連結され
ている。
【0006】4はエンジンの各気筒に設けられた吸気バ
ルブ(図示せず)を開,閉させるためのカムシャフト
で、該カムシャフト4は前記エンジン本体側に軸線O1
−O1を中心として回転可能に設けられ、その回転位相
βは後述のカム位置センサ12により検出される。そし
て、カムシャフト4はドライブシャフト2および後述の
偏心ディスク9等を介してクランクシャフト1により回
転駆動され、その回転位相βが各気筒の吸気行程に応じ
て定まる所定の回転位相となったときに、カム4A,4
A,…によって前記各吸気バルブをそれぞれ開,閉させ
る。
【0007】5はドライブシャフト2を偏心ディスク9
に連結する連結プレートで、該連結プレート5はドライ
ブシャフト2の他端側に設けられ、ドライブシャフト2
と一体的に回転する。また、連結プレート5には径方向
に延びる係合溝5Aが形成され、該係合溝5Aには偏心
ディスク9の係合ピン9Aが係合されている。
【0008】6はカムシャフト4の一端側に設けられた
他の連結プレートで、該連結プレート6には径方向に延
びる係合溝6Aが形成され、該係合溝6Aには偏心ディ
スク9の係合ピン9Bが係合されている。
【0009】7は前記各吸気バルブの開,閉タイミング
を変化させる回転位相可変手段としての偏心機構を示
し、該偏心機構7は図10に示す如く、後述のディスク
ホルダ8、偏心ディスク9およびコントロールシャフト
10と、例えば電磁アクチュエータ(図示せず)等の駆
動手段とから構成されている。
【0010】そして、偏心機構7は偏心ディスク9の中
心O2 をカムシャフト4の中心O1に対して偏心量εだ
け偏心させることにより、該カムシャフト4の回転位相
βをクランクシャフト1の回転位相αに対して後述の如
く相対変化させ、これらの回転位相α,βの間に位相差
Φを生じさせる。
【0011】8は偏心ディスク9が回転可能に収容され
るディスクホルダで、該ディスクホルダ8は一端側がエ
ンジン本体側に固定ピン8Aを介して揺動可能に取付け
られた環状部8Bと、該環状部8Bの他端側に一体形成
された一対の係合爪8C,8Cとから構成されている。
【0012】9はドライブシャフト2をカムシャフト4
に連結する偏心ディスクを示し、該偏心ディスク9は図
9に示す如く、一側面に突出形成された係合ピン9A
と、他側面に突出形成された係合ピン9Bとを有し、該
係合ピン9A,9Bは図10に示す如く、偏心ディスク
9の中心O2 を挟んで互いに径方向で対向する位置に配
設されている。
【0013】また、偏心ディスク9はディスクホルダ8
の環状部8B内に軸線O2 −O2 を中心として回転可能
に収容され、係合ピン9A,9Bが連結プレート5,6
の係合溝5A,6A内に摺動可能に係合されている。こ
れにより、ドライブシャフト2とカムシャフト4とは、
連結プレート5,6および偏心ディスク9を介して互い
に連結され、この状態で偏心ディスク9は連結プレート
5,6の間でカムシャフト4(ドライブシャフト2)の
径方向に相対変位可能となっている。
【0014】10は偏心ディスク9を偏心させるための
コントロールシャフトで、該コントロールシャフト10
はエンジン本体側に回動可能に設けられ、そのカム10
Aはディスクホルダ8の各係合爪8C間に摺動可能に配
設されている。そして、コントロールシャフト10は、
前記電磁アクチュエータ等によって回動され、カム10
Aを介してディスクホルダ8を偏心ディスク9と共に図
10中に二点鎖線で示す如く固定ピン8Aの周囲で揺動
させる。
【0015】これにより、偏心機構7は、コントロール
シャフト10の回動角τに応じた偏心量εを偏心ディス
ク9に対して与え、この偏心量εに応じた位相差Φをク
ランクシャフト1の回転位相αとカムシャフト4の回転
位相βとの間に生じさせる。
【0016】11はカム位置センサ12と共に位相差検
出手段を構成するクランク角センサで、該クランク角セ
ンサ11は図11に示す如く、クランクシャフト1の回
転位相αが所定の回転位相となったときにこれを検出
し、図15に示す如く基準信号S1 を検出信号として出
力する。
【0017】12はカムシャフト4側に設けられたカム
位置センサで、該カム位置センサ12は図11に示す如
く、カムシャフト4の回転位相βが所定の回転位相とな
ったときにこれを検出し、図15に示す如く基準信号S
2 を検出信号として出力する。ここで、クランク角セン
サ11とカム位置センサ12とは、カムシャフト4が1
回転(360°)する間に基準信号S1 ,S2 をそれぞ
れ出力するように構成されている。そして、偏心機構7
によりクランクシャフト1とカムシャフト4との間に位
相差Φが生じると、カム位置センサ12の基準信号S2
が例えば図15中にS2 ′として示す如く、クランク角
センサ11の基準信号S1 に同期した位置から位相差Φ
分だけ相対変位することにより、基準信号S1 ,S2 ′
の間の時間Tとエンジン回転数Nに基づいて位相差Φ
を、
【0018】
【数1】Φ=k×T×N として、検出する(但し、kは定数)。
【0019】一方、クランク角センサ11とカム位置セ
ンサ12とは、制御手段としてのコントロールユニット
(図示せず)等に接続されている。そして、コントロー
ルユニットでは、基準信号S1 ,S2 ′の間の時間Tを
計時することにより数1の式に基づいて位相差Φを検出
し、この検出値に基づいてコントロールシャフト10の
回動角τを算出すると共に、前記電磁アクチュエータを
作動させることによりコントロールシャフト10の回動
角τをフィードバック制御する。
【0020】従来技術によるエンジンのバルブタイミン
グ制御装置は、上述の如き構成を有するもので、次にそ
の作動について説明する。
【0021】まず、エンジンによりクランクシャフト1
が回転駆動されると、この回転駆動力はタイミングベル
ト3を介してドライブシャフト2に伝達され、連結プレ
ート5と偏心ディスク9の係合ピン9Aとを介して偏心
ディスク9に伝達される。これにより、偏心ディスク9
はディスクホルダ8内で例えば図10中の矢示A方向に
回転し、この回転駆動力は偏心ディスク9の係合ピン9
Bと連結プレート6とを介してカムシャフト4に伝達さ
れると共に、カムシャフト4はその回転位相βが所定の
回転位相となったときに前記各吸気バルブを開,閉させ
る。
【0022】そして、吸気バルブの開閉タイミングを変
えるときには、前記電磁アクチュエータでコントロール
シャフト10を回動させると、図12に示す如く偏心デ
ィスク9が連結プレート5,6間でカムシャフト4の径
方向に相対変位し、その軸線O2 −O2 がカムシャフト
4の軸線O1 −O1 から偏心量εだけ偏心する。
【0023】この結果、カムシャフト4の回転位相βは
クランクシャフト1の回転位相αに対して位相差Φだけ
相対変位し、カムシャフト4により開閉される吸気バル
ブの開閉タイミングが位相差Φに応じて変化するから、
この位相差Φを所望の値に変えることにより、吸気バル
ブの開閉タイミングを適切に制御することができる。
【0024】即ち、例えば図14に示す如く偏心ディス
ク9を偏心量ε1 (ε1 >ε)だけ偏心させた状態で
は、クランクシャフト1(ドライブシャフト2)が回転
位相αとなったときに、偏心ディスク9が中心O2 の周
囲で角度γだけ回転するが、このときカムシャフト4は
偏心ディスク9の係合ピン9Bにより中心O1 の周囲で
回転され、その回転位相βは回転位相αと異なった値に
なる。
【0025】そして、クランクシャフト1の回転位相α
とカムシャフト4の回転位相βとの間には、下記の式に
より定義される位相差Φが生じる。
【0026】
【数2】Φ=α−β
【0027】また、位相差Φの特性線は図13に示す如
く、カムシャフト4の1回転(360°)を周期とする
正弦波に近い波形となり、その回転位相βに応じて周期
的に変化する。また、位相差Φの波形は、偏心ディスク
9の偏心量ε,ε1 に応じて特性線13,14の如く変
化する。
【0028】ここで、クランクシャフト1とカムシャフ
ト4との位相差Φは、偏心ディスク9の偏心量ε(コン
トロールシャフト10の回動角τ)に応じて図13中の
特性線13,14の如く変化するから、この位相差Φを
検出することにより、コントロールシャフト10が実際
に回動された回動角τを求めることができる。
【0029】これに対し、例えばポテンショメータ等の
接触式センサによりコントロールシャフト10の回動角
τを直接検出する方法が考えられるが、その耐久性等を
考慮するとバルブタイミング制御装置の信頼性を維持す
るのが難しくなる。
【0030】そこで、従来技術では、コントロールユニ
ットがクランク角センサ11とカム位置センサ12から
の基準信号S1 ,S2 に基づいて位相差Φを検出し、こ
の検出値からコントロールシャフト10が実際に回動さ
れた回動角τを非接触式の方法で算出する。そして、例
えばエンジン回転数等に基づいてコントロールシャフト
10の回動角τの目標値τ0 を演算し、回動角τの算出
値がこの目標値τ0 となるようにコントロールシャフト
10をフィードバック制御する。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、クランクシャフト1とカムシャフト4とが
ドライブシャフト2およびタイミングベルト3等を介し
て機械的に連結されているため、これらの連結部にはガ
タつきやタイミングベルト3の撓み等が生じることがあ
る。
【0032】そして、例えば図11中に二点鎖線で示す
如くタイミングベルト3が撓むと、クランクシャフト1
の回転位相αがカムシャフト4の回転位相βに対して位
相偏差θだけ進む方向にずれるから、図15に示す如く
クランク角センサ11の基準信号S1 は、カム位置セン
サ12の基準信号S2 に対して二点鎖線で示す基準信号
S1 ′の位置まで相対変位する。
【0033】この結果、基準信号S1 ′,S2 ′間の時
間T′は、基準信号S1 ,S2 ′間の時間Tよりも位相
偏差θに対応する時間TS だけ長くなるから、この時間
T′に基づいて前記数1により検出した位相差Φは、位
相偏差θを生じていない場合の位相差Φ(以下、正規の
位相差Φ0 という)よりも大きな値となる。
【0034】即ち、図16に示すように位相差Φの特性
線15は、コントロールシャフト10を実際に回動させ
ることによって生じる正規の位相差Φ0 の特性線16よ
りも位相偏差θだけドリフトした値となるから、この検
出値に基づいてコントロールシャフト10の回動角τを
求めると、実際の回動角τとは異なる値が算出されてし
まう。
【0035】このため、従来技術では、実際の回動角τ
が目標値τ0 となるようにコントロールシャフト10を
正確にフィードバック制御することができず、吸気バル
ブの開閉タイミングを適切に変化させるのが難しいとい
う問題がある。
【0036】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は位相差の検出値が正規の位相差
からずれている場合でも、この検出値から正規の位相差
を高い精度で演算により求めることができ、回転位相差
可変手段を安定させてフィードバック制御できるように
したエンジンのバルブタイミング制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0037】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、クランクシャフトと、該クランクシャ
フトにより回転駆動され、吸気用または排気用のバルブ
を開閉させるカムシャフトと、前記バルブの開閉タイミ
ングを変化させるため、該カムシャフトの回転位相を変
化させ前記クランクシャフトとカムシャフトとの回転位
相に位相差を生じさせる回転位相可変手段と、該回転位
相可変手段により前記クランクシャフトとカムシャフト
との間に生じた位相差を検出値として検出する位相差検
出手段と、少なくとも該位相差検出手段による位相差の
検出結果に基づいて前記回転位相可変手段をフィードバ
ック制御する制御手段とを備えたエンジンのバルブタイ
ミング制御装置に適用される。
【0038】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記制御手段は、前記カムシャフトの回
転位相が予め定められた第1の回転位相、第2の回転位
相となったときに前記位相差検出手段からの検出値をそ
れぞれ読込む読込み手段と、前記クランクシャフトとカ
ムシャフトとの間に生じさせるべき正規の位相差を、該
正規の位相差に対する位相偏差と前記読込み手段による
最新の検出値とに基づいて演算する位相差演算手段と、
前記最新の検出値よりも前に前記読込み手段で読込んだ
各検出値に基づき前記位相偏差を演算する位相偏差演算
手段と、前記位相差演算手段による正規の位相差から前
記回転位相可変手段の作動量を算出する作動量算出手段
と、該作動量算出手段による作動量の算出値が目標値に
対応した値となるように前記回転位相可変手段に制御信
号を出力する信号出力手段とを備える構成としたことに
ある。
【0039】上記構成によれば、カムシャフトの回転位
相が第1の回転位相、第2の回転位相となったときに、
クランクシャフトとカムシャフトの位相差の検出値を読
込み手段によりそれぞれ読込み、位相偏差演算手段で
は、該読込み手段による検出値が正規の位相差に対して
偏位した位相偏差を、該読込み手段で最新の検出値より
も前に読込んだ各検出値に基づいて演算できる。そし
て、位相差演算手段では、該位相偏差演算手段による位
相偏差と、前記最新の検出値とに基づいて回転位相可変
手段の作動により生じた正規の位相差を演算できるか
ら、この正規の位相差の演算値に基づいて回転位相可変
手段が実際に作動した作動量を作動量算出手段により算
出でき、該作動量の算出値が目標値に対応した値となる
ように信号出力手段によって回転位相可変手段をフィー
ドバック制御できる。
【0040】また、請求項2に記載の発明では、前記第
1の回転位相は、前記カムシャフトが1回転する間に前
記正規の位相差が実質的に零となるカムシャフトの回転
位置に対して回転位相の前側に一定の角度分だけ位相を
ずらした回転位置とし、前記第2の回転位相は、前記カ
ムシャフトの回転位置に対して回転位相の後側に前記一
定の角度分だけ位相をずらした回転位置とする構成とし
たことにある。
【0041】これにより、第1の回転位相と第2の回転
位相とを、前記正規の位相差が実質的に零となるカムシ
ャフトの回転位置を挟んで前側,後側で対称となる回転
位置に設定できる。また、位相偏差演算手段では、第1
の回転位相、第2の回転位相で読込んだ検出値のうちい
ずれか一方の検出値と、該検出値以前に読込んだ検出値
により位相差演算手段で演算した正規の位相差とに基づ
いて他方の検出値に対応する推定値を推定演算できる。
そして、第1の回転位相、第2の回転位相を前述の如く
対称な回転位置に設定することにより、位相差の検出値
が前記正規の位相差に対する位相偏差を含んでいない場
合には、前記推定値と他方の検出値との絶対値が実質的
に等しくなる。そこで、位相偏差演算手段では、これを
利用して前記推定値と他方の検出値とを比較演算するこ
とにより、読込み手段による検出値と正規の位相差との
位相偏差を算出でき、この算出結果に基づいて位相差演
算手段により正規の位相差を演算できる。
【0042】さらに、請求項3に記載の発明では、前記
回転位相可変手段の作動量が一定となるときに前記読込
み手段で読込んだ各検出値により前記正規の位相差を初
期値として算出する初期位相差算出手段と、該初期位相
差算出手段による初期値を前記位相差演算手段による正
規の位相差と共に更新可能な記憶値として記憶する位相
差記憶手段とを備え、前記位相偏差演算手段は、該位相
差記憶手段による記憶値と前記読込み手段による各検出
値とにより前記位相偏差を演算する構成としたことにあ
る。
【0043】これにより、バルブタイミング制御の開始
時には、信号出力手段により回転位相可変手段の作動量
を一定に保持した状態で、読込み手段による各検出値に
基づいて初期位相差算出手段により正規の位相差を初期
値として算出できる。また、位相差記憶手段は、位相差
演算手段によりこれまでに演算した正規の位相差を、初
期演算手段による正規の位相差の初期値と共に更新可能
な記憶値として記憶できるから、該位相差記憶手段によ
る正規の位相差の記憶値と前記読込み手段による各検出
値とに基づいて位相偏差演算手段により位相偏差を演算
でき、該位相偏差演算手段による位相偏差と読込み手段
による最新の検出値とに基づいて位相差演算手段により
正規の位相差を演算できる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0045】ここで、図1ないし図8は本発明の実施例
を示し、本実施例では従来技術と同一の構成要素に同一
の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0046】図中、21は本実施例によるエンジンのバ
ルブタイミング制御装置の制御手段を構成するコントロ
ールユニットを示し、該コントロールユニット21は従
来技術と同様に、例えばROM,RAM等からなる記憶
エリア21Aを備えたマイクロコンピュータ等によって
構成され、その入力側にはクランク角センサ11および
カム位置センサ12が接続されると共に、出力側には後
述する電磁アクチュエータ22が接続されている。
【0047】そして、コントロールユニット21の記憶
エリア21Aには、後述するバルブタイミング制御の処
理プログラム(図2ないし図4参照)と共に、エンジン
の運転状態に応じてコントロールシャフト10を回動さ
せるため回動角τの目標値τ0 が、例えばエンジン回転
数と基本噴射量等に応じた特性マップとして格納されて
いる。
【0048】また、記憶エリア21Aには、クランクシ
ャフト1とカムシャフト4との位相差Φ(正確には、正
規の位相差Φ0 )からコントロールシャフト10の回動
角τを算出するための算出マップ等が格納されている。
さらに、記憶エリア21A内には、カムシャフト4が1
回転毎に演算される後述の演算値A(n),B(n+
1)等がそれぞれ記憶される。
【0049】22はコントロールシャフト10を回動さ
せるための電磁アクチュエータで、該電磁アクチュエー
タ22はリニア型のステッピングモータ等からなり、従
来技術とほぼ同様にコントロールユニット21から出力
される駆動信号に応じてコントロールシャフト10を回
動させるものである。
【0050】本実施例によるエンジンのバルブタイミン
グ制御装置は上述の如き構成を有するもので、次に図2
ないし図8を参照しつつその作動について説明する。
【0051】まず、コントロールユニット21は、エン
ジン回転数等に基づいてエンジンがバルブタイミング制
御を行うべき運転状態にあると判定すると、図2ないし
図4に示すバルブタイミングの制御処理を開始する。
【0052】そして、ステップ1では、図3および図4
に示す後述のステップ11〜31のように、位相差Φの
読込み演算処理を行い、コントロールシャフト10の回
動角τを算出するために必要な正規の位相差Φ0 を演算
値A(n),B(n+1)として、位相差Φの検出値a
(n),b(n+1)から後述の如く求める。なお、計
数値n(n=1,2,3,…)は、バルブタイミング制
御の開始後にカムシャフト4の回転位相βが後述する第
1,第2の回転位相β1 ,β2 となる毎に「1」ずつ歩
進されるものとする。
【0053】次に、ステップ2では、ステップ1で演算
した正規の位相差Φ0 の演算値A(n),B(n+1)
に基づいて記憶エリア21A内の算出マップ等からコン
トロールシャフト10の回動角τを算出する。これによ
り、電磁アクチュエータ22により実際に回動されたコ
ントロールシャフト10の回動角τが求められる。
【0054】次に、ステップ3では、コントロールシャ
フト10をフィードバック制御するために、例えばエン
ジン回転数と基本噴射量等に基づいた記憶エリア21A
内の特性マップからコントロールシャフト10の回動角
τに対する目標値τ0 を算出し、この目標値τ0 とステ
ップ2で求めたコントロールシャフト10の回動角τと
の差を所定のヒステリシス値以下とするために必要な電
磁アクチュエータ22の制御量を演算する。
【0055】そして、ステップ4では、ステップ3で演
算した制御量に対応する駆動信号を電磁アクチュエータ
22に出力し、該電磁アクチュエータ22によりコント
ロールシャフト10をその回動角τが実質的に目標値τ
0 となるように回動させる。
【0056】これにより、カムシャフト4の回転位相β
は、コントロールシャフト10の回動角τ(目標値τ0
)に対応する位相差Φだけクランクシャフト1の回転
位相αに対して変化し、カムシャフト4により前記各吸
気バルブをエンジン回転数等に対応した適切なタイミン
グで開,閉させることができる。
【0057】次に、ステップ5では、例えばエンジン回
転数等に基づいて前述の如きバルブタイミング制御を続
行すべき運転状態にあるか否かを判定し、「YES」と
判定したときにはステップ1〜4の処理を繰返すことに
より、コントロールシャフト10の回動角τが常に目標
値τ0 に対応した値となるようにフィードバック制御を
行う。
【0058】また、ステップ5で「NO」と判定したと
きには、例えばエンジン回転数が高回転になった場合
等、バルブタイミング制御を停止すべき条件が成立した
場合であるため、ステップ6に移ってバルブタイミング
制御を終了する。
【0059】この結果、前述の如くバルブタイミング制
御を続行しているときには、例えば図5中に実線で示す
如く、位相差Φがカムシャフト4の回転位相βに応じて
周期的に変化する。そして、位相差Φは従来技術で述べ
たように、例えばタイミングベルト3の撓み等により点
線で示す正規の位相差Φ0 に対して位相偏差θ(n)だ
け大きな値となっている。また、正規の位相差Φ0 は、
後述の零点位置P0 を中心としてカムシャフト4の回転
位相βに対して実質的に対称な波形となる。
【0060】そして、図5は正規の位相差Φ0 の極大値
(極小値)がカムシャフト4の回転に対して一定の割合
で増加するようにフィードバック制御した場合を示し、
この場合、正規の位相差Φ0 は図6中に示す如く、その
演算値A(n),B(n−1)等が点線で示す特性線上
に位置すると共に、位相差Φの検出値a(n),b(n
−1)等は、この正規の位相差Φ0 の特性線を位相偏差
θ(n)だけ上,下に平行移動させた各特性線上に位置
するようになる。但し、図6中の検出値b(n−1),
b(n−3)および演算値B(n−1),B(n−3)
は後述する絶対値処理後の値である。
【0061】次に、位相差Φ(正規の位相差Φ0 )が図
5および図6に示す如く一定の割合で増加するようにフ
ィードバック制御した場合を例に挙げて、図3および図
4を参照しつつ位相差Φの読込み演算処理について説明
する。なお、a(n),b(n+1)は検出値を示し、
A(n),B(n+1)は検出値a(n),b(n+
1)に対応する正規の位相差Φ0 の演算値を示すものと
する。但し、図5中で位相差Φ(正規の位相差Φ0 )の
特性線上に位置しない推定値a(n−1),b(n),
A(n−1)およびB(n)は、それぞれ後述の如く推
定演算されるものである。
【0062】まず、図3中のステップ11およびステッ
プ12では、第1,第2の検出値a(n),b(n+
1)を読込むタイミングを検出するために、カムシャフ
ト4の回転位相βが第1,第2の回転位相β1 ,β2 に
達したか否かを判定する。ここで、第1,第2の回転位
相β1 ,β2 とはカムシャフト4が1回転する間に、図
5中に点線で示す正規の位相差Φ0 が実質的に零となる
カムシャフト4の回転位置(以下、零点位置P0 とい
う)に対して回転位相βの前側,後側に一定の角度分
(例えば90°)だけ位相をずらした回転位置として予
め定められ、零点位置P0 を180°とすると、第1の
回転位相β1 は90°の位置となり、第2の回転位相β
2 は270°の位置に設定される。
【0063】そして、ステップ11で「YES」と判定
したときには、カムシャフト4の回転位相βが第1の回
転位相β1 に達しているから、ステップ13〜21に移
って検出値a(n)から演算値A(n)を演算する。
【0064】また、ステップ11で「NO」と判定した
ときには、第2の回転位相β2 の判定処理を行うために
ステップ12に移る。そして、ステップ12で「YE
S」と判定したときには、カムシャフト4の回転位相β
が第2の回転位相β2 に達しているから、図4中のステ
ップ22〜31に移って検出値b(n+1)から演算値
B(n+1)を演算する。また、ステップ12で「N
O」と判定したときには、カムシャフト4の回転位相β
が回転位相β1 または回転位相β2 になるまでステップ
11とステップ12の判定処理を繰返す。
【0065】この結果、カムシャフト4が1回転する毎
に演算された演算値A(n),B(n+1)は、後述の
ステップ20,30でコントロールユニット21の記憶
エリア21A内にそれぞれ記憶される。
【0066】ここで、ステップ13〜21で行う処理に
ついて述べると、ステップ13では、カムシャフト4の
回転位相βが第1の回転位相β1 に達したときに、クラ
ンク角センサ11とカム位置センサ12により前記数1
の式から算出した位相差Φを第1の検出値a(n)とし
て読込む。
【0067】次に、ステップ14では、バルブタイミン
グ制御の開始直後に正規の位相差Φ0 を初期値として算
出する初期位相差算出時であるか否かを計数値nにより
判定し、例えば計数値nが「3」以下となって「YE
S」と判定するときには、正規の位相差Φ0 の初期位相
差算出時であるから、前回および前々回の正規の位相差
Φ0 を用いるステップ15〜18を行うことなくステッ
プ19に移る。また、計数値nが「3」を越えることに
より、ステップ14で「NO」と判定したときには、初
期位相差算出時ではないからステップ15に移る。
【0068】そして、ステップ15では、前回の検出値
b(n−1)に対応する推定値a(n−1)を演算する
ために、前回の演算値B(n−1)と、前々回の演算値
A(n−1)とをコントロールユニット21の記憶エリ
ア21Aから読出し、これらの差分D(n−1)を下式
の如く演算する。
【0069】
【数3】D(n−1)=B(n−1)−A(n−2)
【0070】そして、この差分D(n−1)を前々回の
検出値a(n−2)に加算することにより、図5および
図6中に示す推定値a(n−1)を下記の式のように推
定演算する。
【0071】
【数4】a(n−1)=a(n−2)+D(n−1)
【0072】ここで、この推定値a(n−1)と正規の
位相差Φ0 との関係について述べる。まず、下記の式に
示すように演算値B(n−1)と絶対値が等しい点を推
定値A(n−1)として図5中に示すと、
【0073】
【数5】A(n−1)=B(n−1) であるから、この推定値A(n−1)は前記数3の式に
代入することより、
【0074】
【数6】A(n−1)=A(n−2)+D(n−1) と表すことができる。
【0075】そして、前記数4と数6の式を比較する
と、数4の式の検出値a(n−2)は図5に示すよう
に、数6の式の演算値A(n−2)よりも位相偏差θ
(n−2)だけ大きいから、これらの式の左辺をなす検
出値a(n−1)と推定値A(n−1)とは、
【0076】
【数7】a(n−1)=A(n−1)+θ(n−2) なる関係として導かれる。
【0077】即ち、位相差Φの検出値a(n−2)と差
分D(n−1)とから前記数4の式により求めた推定値
a(n−1)は、正規の位相差Φ0 の演算値B(n−
1)または推定値A(n−1)に対して位相偏差θ(n
−2)だけ大きい値となる。
【0078】次に、ステップ16では、推定値a(n−
1)と比較演算するために、カムシャフト4の回転位相
βが回転位相β2 となったときにステップ22で読込ん
だ検出値b(n−1)を、ステップ23で絶対値とした
後に読出す。
【0079】ここで、検出値b(n−1)は図5に示す
如く、演算値B(n−1)に対して位相偏差θ(n−
1)だけ大きくなるように偏位しているが、検出値b
(n−1)はステップ23で処理するまで負の値である
から、その絶対値は演算値B(n−1)に対して下式に
示す如く位相偏差θ(n−1)だけ小さな値となる。
【0080】
【数8】b(n−1)=B(n−1)−θ(n−1)
【0081】ここで、カムシャフト4が2回転する程度
の微小な時間では、タイミングベルト3の撓み等による
位相偏差θ(n)はほぼ一定であると考えることができ
るから、前記数7および数8の式の位相偏差θ(n−
1),θ(n−2)は、位相偏差θ(n)に等しい値と
みなすことができる。
【0082】これにより、推定値a(n−1)と検出値
b(n−1)とに基づいて位相偏差θ(n)を演算する
式を、前記数5、数7および数8の式から下式の如く導
出できる。そこで、ステップ17では、この式に基づい
て位相偏差θ(n)を算出する。
【0083】
【数9】
【0084】即ち、正規の位相差Φ0 は前述した如く零
点位置P0 を中心として実質的に対称な波形となってい
る上、第1,第2の回転位相β1 ,β2 が零点位置P0
に対して対称に設定されているため、図6に示すように
第2の検出値b(n−2)が演算値B(n−1)よりも
位相偏差θ(n)だけ小さい値として検出されたときに
は、第1の検出値a(n−2)と差分D(n−1)とか
ら前記数3および数4の式により求めた推定値a(n−
1)も、演算値B(n−1)または推定値A(n−1)
に比べて位相偏差θ(n)だけ大きい値となる。従っ
て、前記数9の式により位相偏差θ(n)を算出するこ
とができる。
【0085】次に、ステップ18では、今回の検出値a
(n)と位相偏差θ(n)とに基づいて演算値A(n)
を下式の如く演算値A(n)を演算する。
【0086】
【数10】A(n)=a(n)−θ(n)
【0087】この場合、例えば図6中の点Pの位置に示
す如く、位相差Φ(正規の位相差Φ0 )の変化の割合が
コントロールシャフト10の回動等により実線(点線)
で示す状態から二点鎖線で示す状態に変わった場合で
も、位相偏差θ(n)は前記数3,数4および数9の式
に示す如く、点Pよりも前に定まる差分D(n−1)お
よび検出値a(n−2),b(n−1)によって演算さ
れるから、位相偏差θ(n)の演算値は点Pの位置にお
ける位相差Φの変化の影響を受けず、この位相偏差θ
(n)と最新の検出値a′(n)に基づいて前記数10
の式により点Pの直後の演算値A′(n)を正確に求め
ることができる。
【0088】一方、ステップ19では、正規の位相差Φ
0 の初期値を算出する初期位相差算出処理を行う。この
場合、ステップ19では、まず電磁アクチュエータ22
によりコントロールシャフト10の回動角τを一定の角
度に保持する。この結果、図7に示すように検出値a
(n),b(n+1)はほぼ一定の値として検出される
ようになる。
【0089】そして、この状態で計数値nが「1」であ
るときには、バルブタイミング制御の開始後に初めてカ
ムシャフト4の回転位相βが回転位相β1 に達した場合
であるから、検出値a(n)を演算値A(n)に直接代
入する。また、カムシャフト4が1回転して計数値nが
「3」となったときには、今回の検出値a(3)および
前回の検出値(2)に基づいて下式により演算値A
(3)を、正規の位相差Φ0 の初期値として算出する。
【0090】
【数11】
【0091】これにより、例えば計数値nが「4」に達
したときには、数11の式により算出した前回の演算値
A(3)と、計数値nが「2」のときにステップ29で
算出した前々回の演算値B(2)とに基づいて後述のス
テップ25によりこれらの差分D(3)を演算し、この
差分D(3)と検出値b(2)とから前記数3の式と同
様に推定値b(3)を演算できる。
【0092】次に、ステップ20では、カムシャフト4
の回転位相βが回転位相β1 に達する毎にステップ18
またはステップ19で演算した演算値A(n)を、コン
トロールユニット21の記憶エリア21A内にそれぞれ
記憶値として更新可能に記憶し、ステップ21では、演
算値A(n)に基づいてコントロールシャフト10の回
動角τを算出するためステップ2にリターンする。
【0093】一方、カムシャフト4がさらに回転し、そ
の回転位相βが第2の回転位相β2に達したときには、
最新の演算値B(n+1)を演算するために、ステップ
12から図4に示すステップ22に移り、前述したステ
ップ13〜21とほぼ同様の処理を行う。
【0094】そして、ステップ22では、位相差Φを検
出値b(n+1)として読込み、ステップ23では、こ
の検出値b(n+1)の符号を反転させることにより、
b(n+1)を絶対値として扱う。
【0095】次に、ステップ24では、正規の位相差Φ
0 の初期位相差算出時であるか否かを計数値nにより判
定し、「NO」と判定したときには、ステップ25に移
って前回の検出値a(n)に対応する推定値b(n)を
推定演算する。
【0096】即ち、ステップ25では、前々回の演算値
B(n−1)と前回の演算値A(n)とに基づいて差分
D(n)を下式の如く演算し、この差分D(n)を前々
回の検出値b(n−1)に加算することにより、図5中
の推定値b(n)を求める。
【数12】D(n)=A(n)−B(n−1)
【0097】そして、ステップ26では、推定値b
(n)と比較演算するために前回の検出値a(n)を読
出し、ステップ27では、検出値a(n)と推定値b
(n)とから位相偏差θ(n+1)を前記数9の式と同
様の演算によって算出すると共に、ステップ28では、
検出値b(n+1)に位相偏差θ(n+1)を加算する
ことによって演算値B(n+1)を演算する。
【0098】一方、ステップ24で「YES」と判定し
たときには、ステップ29に移って正規の位相差Φ0 の
初期位相差算出処理を行い、例えば計数値nが「2」の
ときには、今回の検出値b(2)と前回の検出値a
(1)とに基づいて前記数11の式と同様の演算を行う
ことにより、図7中に示す演算値B(2)を初期値とし
て求める。
【0099】最後に、ステップ30では、ステップ2
8,29で演算した演算値B(n+1)をコントロール
ユニット21の記憶エリア21A内に記憶値として更新
可能に記憶した後に、ステップ31でステップ2にリタ
ーンする。
【0100】かくして、本実施例では、カムシャフト4
の回転位相βが第1,第2の回転位相β1 ,β2 に達し
たときに読込んだ検出値a(n),b(n+1)に基づ
いて正規の位相差Φ0 を演算値A(n),B(n+1)
として演算し、この演算値A(n),B(n+1)から
算出したコントロールシャフト10の回動角τがその目
標値τ0 に対応した値となるようにフィードバック制御
する構成としている。
【0101】また、カムシャフト4の回転位相βが第
1,第2の回転位相β1 ,β2 に達する毎に演算した演
算値A(n),B(n+1)をコントロールユニット2
1の記憶エリア21A内にそれぞれ更新可能に記憶し、
例えば演算値A(n)を演算するときには、前々回の演
算値A(n−2)および前回の演算値B(n−1)から
求めた差分D(n−1)と、前々回の検出値a(n−
2)および前回の検出値b(n−1)とに基づいて位相
偏差θ(n)を演算すると共に、この位相偏差θ(n)
と最新の検出値a(n)とから演算値A(n)を演算す
る構成としている。
【0102】これにより、検出値a(n),b(n+
1)が正規の位相差Φ0 に対する位相偏差θ(n),θ
(n+1)を含んでいる場合でも、前記数9の式により
位相偏差θ(n),θ(n+1)を正確に算出でき、こ
れらの算出値に基づいてステップ18,28に示すよう
に演算値A(n),B(n+1)を高い精度で演算する
ことができる。
【0103】即ち、第1,第2の回転位相β1 ,β2 を
カムシャフト4の零点位置P0 に対して前,後に90°
だけ位相をずらした回転位置として設定する構成とした
から、例えば検出値a(n)と差分D(n−1)に基づ
いて推定演算した前回の推定値a(n−1)と、これに
対応する検出値b(n−1)とを比較演算することによ
り、位相偏差θ(n)を正確に求めることができる。
【0104】また、例えば位相差Φの変化の割合が図6
中の点Pの位置でコントロールシャフト10の回動等に
より変わった場合でも、回転位相βが点Pに達する前に
定まる差分D(n−1)および検出値a(n−2),b
(n−1)に基づいて位相偏差θ(n)を正確に演算で
き、コントロールシャフト10の回動等による位相差Φ
の変化が位相偏差θ(n)に影響するのを確実に防止で
きると共に、この位相偏差θ(n)と最新の検出値a′
(n)とに基づいて点Pの直後に演算すべき正規の位相
差Φ0 を演算値A′(n)として高い精度で演算するこ
とができる。
【0105】従って、本実施例によれば、例えばタイミ
ングベルト3に撓み等が生じている場合や、コントロー
ルシャフト10の回動等により位相差Φが過渡的な変動
状態にある場合でも、位相差Φの検出値に基づいて正規
の位相差Φ0 を正確に演算できるから、この演算結果に
基づいてコントロールシャフト10の回動角τを高い精
度で算出でき、回動角τの算出値に基づいてコントロー
ルシャフト10(偏心機構7)を安定してフィードバッ
ク制御することができる。
【0106】そして、ステップ19,29により正規の
位相差Φ0 の初期値を、例えば演算値A(3),B
(2)として与えることができるから、バルブタイミン
グ制御の開始後まもない状態でも、これらの初期値等に
基づいて差分D(n)および位相偏差θ(n)を確実に
演算でき、ステップ18,28による正規の位相差Φ0
の演算を円滑に開始することができる。
【0107】さらに、クランクシャフト1や、カムシャ
フト4、クランク角センサ11またはカム位置センサ1
2等の組付け作業時に誤組付けが生じ、クランク角セン
サ11とカム位置センサ12の基準信号S1 ,S2 の同
期が最初からずれている場合でも、位相差Φの検出値か
ら正規の位相差Φ0 を正確に検出でき、これらの誤組付
け等によりフィードバック制御の精度が低下するのを確
実に防止できる。
【0108】なお、前記実施例では、図2ないし図4に
示すプログラムのうちステップ13,22が読込み手段
の具体例を示し、ステップ18,28が位相差演算手段
の具体例を示すと共に、ステップ15〜17,25〜2
7が位相偏差演算手段を、ステップ19,29が初期位
相差算出手段を、ステップ20,30が位相差記憶手段
を、ステップ2が作動量算出手段を、ステップ3,4が
信号出力手段をそれぞれ具体例として示している。
【0109】また、前記実施例では、例えば計数値nが
「3」以下のときにはステップ19,29により初期位
相差算出処理を行い、前記数11の式に示すように検出
値a(3),b(2)の平均値として求めた演算値A
(3)を正規の位相差Φ0 の初期値とする構成とした
が、本発明はこれに限らず、正規の位相差Φ0 の基準値
Sを予め定められた所定値としてコントロールユニット
21の記憶エリア21A内に記憶し、ステップ19,2
9による初期位相差算出処理では、図8に示す変形例の
ようにコントロールシャフト10の回動角を一定とした
状態で、例えば計数値nが「4」以下のときに基準値S
と検出値a(n),b(n+1)とに基づいて下式にそ
れぞれ示すように演算値A(3),B(4)を算出する
構成としてもよい。
【0110】
【数13】A(3)=a(3)−(a(1)−S)
【0111】
【数14】B(4)=b(4)−(b(2)−S)
【0112】さらに、前記実施例では、クランク角セン
サ11およびカム位置センサ12の基準信号S1 ,S2
により時間的に算出したカムシャフト4の回転位相βや
位相差Φ等をエンジン回転数に基づいて角度に換算する
構成としたが、本発明はこれに限らず、例えばクランク
角センサ11等からコントロールユニット21に、例え
ば1°毎の角度信号を出力し、この角度信号に基づいて
回転位相βや位相差Φ等を直接に角度として検出する構
成としてもよい。
【0113】さらにまた、前記実施例では、吸気バルブ
の開閉タイミングを制御するバルブタイミングの制御装
置を従来技術として例示したが、本発明はこれに限ら
ず、吸気バルブおよび排気バルブのうちいずれか一方ま
たは両方の開閉タイミングを制御するバルブタイミング
の制御装置に適用してもよい。
【0114】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、第1の回転位相、第2の回転位相で読込み
手段により読込んだ最新の検出値と、位相偏差演算手段
で演算した位相偏差とから位相差演算手段により正規の
位相差を演算し、この正規の位相差に基づいて作動量算
出手段により回転位相可変手段の作動量を算出すると共
に、位相偏差演算手段では前記最新の検出値よりも前に
読込んだ検出値により位相偏差を演算する構成としたか
ら、最新の検出値が正規の位相差に対する位相偏差を含
んでいる場合でも、この位相偏差を最新の検出値よりも
前に読込んだ検出値に基づいて位相偏差演算手段により
正確に演算でき、該位相偏差演算手段による位相偏差に
基づいて正規の位相差を位相差演算手段により高い精度
で演算することができる。また、位相偏差演算手段で
は、最新の検出値よりも前に読込んだ検出値に基づいて
位相偏差を演算することにより、回転位相可変手段の作
動等によって位相差が過渡的に変化したときでも、位相
差が過渡的に変化する前に読込んだ検出値に基づいて位
相偏差を正確に演算でき、この演算結果に基づいて正規
の位相差を位相差演算手段により正確に演算することが
できる。従って、機械的誤差等により位相差の検出値が
正規の位相差に対する位相偏差を含んでいる場合や、回
転位相可変手段の作動により位相差が過渡的な変動状態
にある場合でも、正規の位相差の演算値に基づいて回転
位相可変手段の作動量を高い精度で算出でき、この作動
量の算出値に基づいて回転位相可変手段を安定してフィ
ードバック制御することができる。
【0115】また、請求項2に記載の発明によれば、第
1の回転位相、第2の回転位相を、正規の位相差が零と
なるカムシャフトの回転位置に対して前側,後側に一定
角度分だけ位相をずらした回転位置として設定する構成
としたから、第1の回転位相、第2の回転位相で読込ん
だ検出値のうちいずれか一方の検出値と、該検出値以前
に読込んだ検出値により位相差手段で演算した正規の位
相差とに基づいて他方の検出値に対応する推定値を確実
に推定演算でき、前記位相偏差が生じていない場合に
は、前記推定値と他方の検出値とが実質的に等しくなる
ことを利用して正規の位相差を正確に演算することがで
きる。
【0116】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
回転位相可変手段の作動量が一定となるときに正規の位
相差を初期値として初期位相差算出手段と、位相差演算
手段および初期位相差算出手段による正規の位相差を更
新可能に記憶する位相差記憶手段とを備え、該位相差記
憶手段による記憶値と読込み手段による各検出値とから
位相偏差演算手段により位相偏差を演算する構成とした
から、初期位相差算出手段により正規の位相差を初期値
として確実に算出でき、回転位相可変手段のフィードバ
ック制御を円滑に開始することができる。また、回転位
相可変手段の作動により位相差が過渡的な変動状態にあ
る場合でも、位相差が過渡的に変化する前に位相差記憶
手段で記憶した記憶値と読込み手段による検出値に基づ
いて位相偏差演算手段により位相偏差を正確に演算で
き、回転位相可変手段を安定してフィードバック制御す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるエンジンのバルブタイミ
ング制御装置を示すブロック図である。
【図2】図1中のコントロールユニットによるバルブタ
イミング制御の制御処理を示す流れ図である。
【図3】図2中の位相差の読込み演算処理を示す流れ図
である。
【図4】図3に続く位相差の読込み演算処理を示す流れ
図である。
【図5】カムシャフトの回転位相に対する位相差の変化
を示す特性線図である。
【図6】位相差の検出値から正規の位相差を求めるため
の説明図である。
【図7】位相差の検出値から正規の位相差の初期値を求
めるための説明図である。
【図8】位相差の検出値から正規の位相差の初期値を求
めるための変形例を示す説明図である。
【図9】従来技術によるエンジンのバルブタイミング制
御装置を示す一部破断の正面図である。
【図10】偏心ディスクをコントロールシャフト等と共
に示す図9中の矢示X−X方向断面図である。
【図11】クランクシャフト、カムシャフト、クランク
角センサおよびカム位置センサ等を示す図9中の右側面
図である。
【図12】図10中の偏心ディスクがカムシャフトに対
して偏心した状態を示す説明図である。
【図13】カムシャフトの回転位相に対する位相差の変
化を図10中の偏心ディスクの偏心量に応じて示す特性
線図である。
【図14】偏心ディスクがドライブシャフトにより回動
された状態を示す図12と同様の説明図である。
【図15】図11中のクランク角センサおよびカム位置
センサから出力される基準信号を示す特性線図である。
【図16】正規の位相差と位相差の検出値との間に位相
偏差が生じた状態を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト 4 カムシャフト 7 偏心機構(回転位相可変手段) 9 偏心ディスク 10 コントロールシャフト 11 クランク角センサ(位相差検出手段) 12 カム位置センサ(位相差検出手段) 21 コントロールユニット(制御手段) 21A 記憶エリア α,β 回転位相 β1 第1の回転位相 β2 第2の回転位相 Φ 位相差 Φ0 正規の位相差 a(n) 第1の検出値 b(n) 第2の検出値 A(n),B(n) 正規の位相差の演算値 A(3),B(2) 初期値 θ(n) 位相偏差 τ 回動角(作動量) τ0 目標値 D 差分
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F01L 13/00 F02D 41/20 F02D 45/00 G05B 11/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトと、該クランクシャフ
    トにより回転駆動され、吸気用または排気用のバルブを
    開閉させるカムシャフトと、前記バルブの開閉タイミン
    グを変化させるため、該カムシャフトの回転位相を変化
    させ前記クランクシャフトとカムシャフトとの回転位相
    に位相差を生じさせる回転位相可変手段と、該回転位相
    可変手段により前記クランクシャフトとカムシャフトと
    の間に生じた位相差を検出値として検出する位相差検出
    手段と、少なくとも該位相差検出手段による位相差の検
    出結果に基づいて前記回転位相可変手段をフィードバッ
    ク制御する制御手段とを備えたエンジンのバルブタイミ
    ング制御装置において、 前記制御手段は、前記カムシャフトの回転位相が予め定
    められた第1の回転位相、第2の回転位相となったとき
    に前記位相差検出手段からの検出値をそれぞれ読込む読
    込み手段と、前記クランクシャフトとカムシャフトとの
    間に生じさせるべき正規の位相差を、該正規の位相差に
    対する位相偏差と前記読込み手段による最新の検出値と
    に基づいて演算する位相差演算手段と、前記最新の検出
    値よりも前に前記読込み手段で読込んだ各検出値に基づ
    き前記位相偏差を演算する位相偏差演算手段と、前記位
    相差演算手段による正規の位相差から前記回転位相可変
    手段の作動量を算出する作動量算出手段と、該作動量算
    出手段による作動量の算出値が目標値に対応した値とな
    るように前記回転位相可変手段に制御信号を出力する信
    号出力手段とを備える構成としたことを特徴とするエン
    ジンのバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の回転位相は、前記カムシャフ
    トが1回転する間に前記正規の位相差が実質的に零とな
    るカムシャフトの回転位置に対して回転位相の前側に一
    定の角度分だけ位相をずらした回転位置とし、前記第2
    の回転位相は、前記カムシャフトの回転位置に対して回
    転位相の後側に前記一定の角度分だけ位相をずらした回
    転位置とする構成としてなる請求項1に記載のエンジン
    のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記回転位相可変手段の作動量が一定と
    なるときに前記読込み手段で読込んだ各検出値により前
    記正規の位相差を初期値として算出する初期位相差算出
    手段と、該初期位相差算出手段による初期値を前記位相
    差演算手段による正規の位相差と共に更新可能な記憶値
    として記憶する位相差記憶手段とを備え、前記位相偏差
    演算手段は、該位相差記憶手段による記憶値と前記読込
    み手段による各検出値とにより前記位相偏差を演算する
    構成としてなる請求項1または2に記載のエンジンのバ
    ルブタイミング制御装置。
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