JP2000191531A - 抗マラリア剤 - Google Patents
抗マラリア剤Info
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- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
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Abstract
する抗マラリア剤を提供する。 【解決手段】 下記の式(I)(R1及びR2は水素原
子、ハロゲン原子、水酸基、C1-5アルキル基、C1-5ア
ルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、又はC2- 6ア
ルコキシカルボニル基などを示し、R3及びR5はC1-8
アルキル基を示し;R 4はC1-8アルキル基又はC6-8ア
リール基を示し;R6及びR7は水素原子、塩素原子、C
1-8アルキル基、C2-5アルコキシカルボニル基などを示
し;Zは5員又は6員の複素環を形成するために必要な
原子群を示し;Qは生理学的に許容しうるアニオンを示
し、kは1又は2を示す)で表される化合物を有効成分
として含む抗マラリア剤。 【化1】
Description
よる感染症の予防及び治療に有用な抗マラリア剤の発明
に関するものである。
るマラリアは人類最大の寄生原虫感染症であり、世界保
健機構(WHO)の最新統計によると、毎年、世界中で2
億6700万人もの人々がマラリアに感染し、そのうち
200万人が死亡している。マラリアの起因病原体は、
プラスモジウム(Plasmodium)属に属する原
虫であり、例えば、アフリカ、アジア、ラテンアメリカ
の熱帯地域全体に分布する熱帯熱マラリア原虫(P.f
alciparum)、世界各地の熱帯と温帯の一部に
分布する三日熱マラリア原虫(P.vivax)、主と
して熱帯西アフリカに分布する卵型マラリア原虫(P.
ovale)、及び世界各地に分布する四日熱マラリア
原虫(P.malariae)などの原虫がハマダラ蚊
を媒介としてヒトに感染する。
療がなされれば完治できる疾病であるとされていたが、
近年、多剤耐性原虫がタイ国を中心に蔓延しており、現
在利用可能な薬剤、例えば、クロロキン、プリマキン、
メフロキン、ドキシサイクリン、アミテミシニン、及び
ピリメサミンでは治療が困難になる場合が増加してい
る。多剤耐性マラリアに対しては、唯一キニーネが有効
であるものの、キニーネは腎不全を引き起こす可能性が
極めて高いため、最終治療手段としてのみ用いられてい
る。このため、多剤耐性マラリアに対して高い有効性を
発揮でき、毒性が低い薬剤の開発が望まれている。
の手段】本発明の課題は、マラリアの治療及び予防に有
用な医薬を提供することにある。特に、高い有用性と安
全性を兼ね備えた抗マラリア剤を提供することが本発明
の課題である。本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭
意研究を行ったところ、下記一般式(I)で表されるロ
ダシアニン色素が上記の特徴を有する抗マラリア剤とし
て極めて有用であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
(I):
ン原子、水酸基、置換若しくは非置換のC1-5アルキル
基、C1-5アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、
又はC2-6アルコキシカルボニル基を示し、あるいはR1
及びR2は互いに結合して6員環を形成してもよく;R3
及びR5はそれぞれ独立に置換又は非置換のC1-8アルキ
ル基を示し;R4は置換若しくは非置換のC1-8アルキル
基又は置換若しくは非置換のC6-8アリール基を示し;
R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子、塩素原子、置換
若しくは非置換のC1-8アルキル基、C2-5アルコキシカ
ルボニル基を示し、あるいはR6及びR7は互いに結合し
てさらに他の環と縮合してもよい6員環を形成してもよ
く;Zは5員又は6員の複素環を形成するために必要な
原子群を示し;Qは生理学的に許容しうるアニオンを示
し、kは1又は2を示す)で表される化合物を有効成分
として含む抗マラリア剤を提供するものである。
(I)で表される化合物が下記の式(II):
子、水酸基、メチル基、メトキシ基、又はメトキシカル
ボニル基を示し、あるいはR1及びR2は互いに結合して
縮合ベンゼン環を形成してもよく;R3及びR5はそれぞ
れ独立にメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プ
ロピル基、ブチル基、メトキシエトキシエチル基、4−
カルボキシブチル基、又は2−(2−カルボキシエチル
カルボニルオキシ)エチル基を示し;R4はメチル基、
エチル基、アリル基、又はフェニル基を示し;Qは塩素
イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、又は
シュウ酸イオンを示し、kは1又は2を示す)で表され
る化合物である上記抗マラリア剤が提供される。また、
式(I)においてZにより形成される複素環がピリジン
環、ピラジン環、チアゾール環、イミダゾール環、オキ
サゾール環、チアゾリン環、イミダゾリン環、又はオキ
サゾリン環である上記抗マラリア剤も提供される。
I)で表される化合物の上記抗マラリア剤の製造のため
の使用;及びマラリアの予防及び/又は治療方法であっ
て、上記式(I)又は式(II)で表される化合物の予防
及び/又は治療有効量を患者に投与する工程を含む方法
が提供される。
はアルキル部分を含む置換基(アルコキシ基、アルコキ
シカルボニル基など)におけるアルキル部分は、直鎖、
分岐鎖、環状、またはそれらの組み合わせのいずれでも
よく、例えば、C1-5と記載する場合には、炭素数1〜
5個であることを意味する。また、ハロゲン原子として
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子
のいずれでもよい。
換又は非置換という場合には、その基は1個又は2個以
上の任意の置換基を有していてもよく、2個以上の置換
基を有する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよ
い。このような置換基として、例えば、ハロゲン原子、
水酸基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコ
キシカルボニル基、カルボキシル基、アルキルカルボニ
ル基、アリールカルボニル基、アリール基、アラルキル
基、アミノ基、アルケニル基などを挙げることができ
る。また、こららの置換基はさらに1個又は2個以上の
置換基を有していてもよいが、そのような場合の例とし
て、アセチルアミノ基、フルオロフェニル基、トリフル
オロメチルベンジル基などを挙げることができる。もっ
とも、置換基の種類は上記に具体的に例示したものに限
定されることはない。
素原子が好ましい。R1及びR2が示すアルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、イソブチル基、tert−ペンチル基、シクロ
ペンチル基などを挙げることができ、置換アルキル基と
しては、例えば、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオ
ロプロピル基などのハロゲン化アルキル基、メトキシエ
チル基などのアルコキシアルキル基、4−カルボキシブ
チル基などのカルボキシアルキル基を挙げることができ
る。R1及びR2が示すアルコキシ基としては、メトキシ
基、プロポキシ基、又はイソプロポキシ基などが好まし
く、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボ
ニル基、tert−ブトキシカルボニル基などを挙げる
ことができる。R1及びR2が互いに結合して6員環を形
成する場合としては、両者が結合して縮合ベンゼン環を
形成する場合を挙げることができる。このようにして形
成される環状構造として、例えば、ナフトチアゾール環
を挙げることができる。
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチル
ヘキシル基などを挙げることができ、R3及びR5が示す
置換C1-8アルキル基としては、例えば、トリフルオロ
メチル基、ヘプタフルオロプロピル基などのハロゲン化
アルキル基、メトキシエチル基などのアルコキシアルキ
ル基、4−カルボキシブチル基などのカルボキシアルキ
ル基、2−(2−カルボキシエチルカルボニルオキシ)
−エチル基などを挙げることができる。
基としては、R3について説明したものを好適に用いる
ことができるほか、置換アルキル基としてアリル基など
を用いることができる。R4が示すアリール基としては
フェニル基などを用いることができ、置換アリール基と
してはトリル基などを挙げることができる。R6及びR7
が示すアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペ
ンチル基、シクロペンチル基などを挙げることができ、
置換アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル
基、ヘプタフルオロプロピル基などのハロゲン化アルキ
ル基、メトキシエチル基などのアルコキシアルキル基、
4−カルボキシブチル基などのカルボキシアルキル基を
挙げることができる。R6及びR7が示すアルコキシカル
ボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基を挙
げることができる。
に必要な原子群を示すが、該複素環としては、例えば、
ピリジン環、チアゾール環、イミダゾール環、オキサゾ
ール環、チアゾリン環、イミダゾリン環、又はオキサゾ
リン環を挙げることができる。ヘテロ原子としては、窒
素原子、硫黄原子、酸素原子のほか、セレン原子などを
用いてもよい。これらのうち、ピリジン環が好ましい。
R6及びR7が互いに結合して6員環を形成する場合に
は、該6員環はさらに他の環と縮合してもよい。6員環
としてはベンゼン環を挙げることができ、該6員環が他
の環と縮合する場合としては、ナフタレン環を形成する
場合を挙げることができ、それらが結合する複素環とと
もに、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、ベン
ツイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環
などを形成することが好ましい。
ニオンを示し、kは1又は2を示す。kが1である場合
にはQが存在することを意味しており、Qは1価ないし
多価のアニオンをあらわす。kが2の場合にはQが存在
しないことを意味する。例えば、R3又はR5がアニオン
基を有する置換アルキル基(例えばスルホニルアルキル
基)である場合には、Qは存在しなくともよい。Qが示
すアニオンとしては例えば1価又は2価のアニオンを用
いることができ、好ましくは、ハロゲンイオン(例え
ば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなど)、有
機酸イオン(例えば、酢酸イオン、シュウ酸イオンな
ど)、無機酸イオン(例えば、硫酸イオンなど)を挙げ
ることができ、好ましくは塩素イオンを用いることがで
きる。
ば、米国特許第2,388,963号明細書、同2,5
04,468号明細書などに記載された方法に従って容
易に製造することができる。式(I)で表される化合物
は、置換基の種類に応じて1個又は2個以上の不斉炭素
を有する場合があるが、1又は2以上の不斉炭素に基づ
く光学活性体やジアステレオ異性体、異性体の任意の混
合物、ラセミ体などを本発明の医薬の有効成分として用
いてもよい。また、式(I)で表される化合物の水和物
又は溶媒和物を本発明の医薬の有効成分として用いるこ
ともできる。
(II)で表される化合物が好適である。また、式(I)
においてZにより形成される複素環が、チアゾール環、
イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾリン環、イミ
ダゾリン環、又はオキサゾリン環である化合物も好適で
ある。以下、本発明の医薬に特に好適に用いられる化合
物を示すが、本発明の医薬の有効成分は下記の化合物に
限定されることはない。
は治療に用いることができる。マラリアの起因病原体は
特に限定されず、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア
原虫、卵型マラリア原虫、四日熱マラリア原虫などの原
虫に起因するマラリアはいずれも本発明の医薬の適用対
象である。本発明の医薬としては、上記式(I)で表さ
れる化合物、その水和物、及びその溶媒和物からなる群
から選ばれる物質をそのまま用いてもよいが、通常は、
有効成分である上記物質と製剤用添加物とを含む医薬組
成物として調製されることが望ましい。本発明の医薬の
投与経路は特に限定されず、経口的又は非経口的に投与
することが可能である。
与経路により適宜の形態を選択することが可能であり、
その形態に応じて当業界で汎用の方法に従って製造する
ことができる。例えば、錠剤、カプセル剤、軟カプセル
剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、シロップ、溶液剤、懸濁剤
などの経口投与用の医薬組成物、又は皮下、筋肉内、若
しくは静脈内投与用の注射剤、点滴剤、坐剤などの形態
の医薬組成物として調製することができる。
剤用添加物の種類は特に限定されず、当業界で利用可能
なもののなかから医薬組成物の形態に応じて1種又は2
種以上を適宜選択することが可能である。例えば、注射
剤の製造は、当業者が利用可能な希釈剤(例えば生理食
塩水、ブドウ糖注射液、乳糖注射液、マンニット注射液
等)に有効成分である上記物質を溶解し、濾過滅菌など
の適宜の滅菌処理を施してアンプル等の密封容器に充填
すればよい。また、日本薬局方に基いて凍結乾燥した形
態の注射剤や塩化ナトリウムと混合した粉末注射剤を製
造してもよい。また、製剤用添加物として、例えば、ポ
リエチレングリコール、HCO-60(界面活性剤;日光ケミ
カル社製)等の補助剤、エタノールおよび/またはリポ
ソーム、サイクロデキストリン等の担体を含んでいても
よい。
に適する医薬組成物の製造は、賦形剤、崩壊剤、結合
剤、滑沢剤、懸濁化剤、等張化剤、乳化剤などの適宜の
製剤用添加物と上記物質とを常法により混合成形するこ
とにより製造することができる。使用される賦形剤とし
ては、セルロース誘導体(結晶セルロース、メチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、デ
キストリン、デンプン、乳糖、マニトール、ソルビトー
ル、植物油(例えば、トウモロコシ油、綿実油、ココナ
ッツ油、アーモンド油、オリーブ油、落花生油など)、
中鎖脂肪酸グルセリド油等の油状エステル、鉱物油、ト
リカプリリン、トリアセチン等のグリセリンエステル
類、エタノール等のアルコール類、生理食塩水、プロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、動物油脂、
ワセリン等を挙げることができる。
限定されず、治療又は予防の目的、投与経路、患者の年
齢、体重、疾患の重篤度などの条件に応じて適宜選択可
能であるが、一般的には、成人一日あたり0.1〜1,
000mg(有効成分重量)程度、好ましくは1〜60
0mgであり、一日1回又は2〜4回程度に分けて投与
するのが好ましい。なお、本発明の医薬は、マラリアの
治療又は予防に用いられる他の医薬と併用してもよく、
このような医薬の有効成分と組み合わせた組成物(いわ
ゆる合剤)として用いてもよい。
明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるこ
とはない。 <熱帯熱マラリア原虫の培養>マラリア原虫として熱帯
熱マラリア原虫(P.falciparum)FCR−
3株(ATCC30932)を用い、培地として濾過滅
菌したRPMI1640培地(pH7.4、ヒト血清1
0%添加)を用いて、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5
%、窒素濃度90%、温度36.5℃の条件で培養を行
なった。ヘマトクリット値(赤血球浮遊液中に占める赤
血球の体積の割合)は5%とし、培養開始時の熱帯熱マ
ラリア原虫の初期感染率は0.1%とした。24穴培養
プレートを用いて培地を毎日交換し、感染率4%で植え
継ぎを行なった。感染率は薄層塗抹標本を作成し、ギム
ザ染色あるいはDiff−Qick染色を行なった後、
顕微鏡(油浸、1,000×)下で計測し、マラリア原
虫感染率を下記式から算出した。マラリア原虫感染率
(%)={(感染赤血球数)/(総赤血球数)}×100
ニング試験 培養したマラリア原虫感染赤血球を遠心分離で集め、血
清を含む培地で洗浄を行なった後、非感染赤血球を加
え、初期感染率を0.3%とした。この時のヘマトクリ
ット値は3%とした。式(I)で表される化合物、又は
陽性対照薬(キニーネ(Quinine)、ピリメタミン(Pyr
imethamine)、メフロキン(Mefloquine)、アルテスナ
ート(Artesunate)、ローダミン123(Rhodamine12
3))は、滅菌水、ジメチルホルムアミド(DMF)、
又はジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して所定
濃度の試験液とした。24穴培養プレートに試験液を5
〜10μLずつ加え、1化合物について2又は3回の試
験を行った。コントロールは滅菌水、DMF、又はDM
SOを10μL/ウェルを加えた。
ラリア原虫培養液を990〜995μLずつ加え、静か
にピペッティングを行ない、培地に一様に懸濁させた。
培養プレートをインキュベーター中(酸素濃度5%、二
酸化炭素濃度5%、窒素濃度90%)で72時間培養し
た後、それぞれのウェルについて薄層塗抹標本を作成
し、ギムザ染色又はDiff−Qick染色した後、顕
微鏡下で観察し、試験液添加群及びコントロール群のマ
ラリア原虫感染率を算出した。上記で求めたマラリア原
虫感染率から、次式によって増殖阻害率を算出し、50
%増殖阻害濃度(EC50)を求めた。増殖阻害率(%)
={1−(b−a)/(c−a)}×100〔式中、a
は初期感染率、bは試験液添加時の感染率、cはコント
ロールの感染率を示す〕
験 マウス乳癌由来FM3A細胞の野生株であるF28−7
株を用いた。培地はES培地に非働化した胎児牛血清を
2%となるように添加し、二酸化炭素濃度5%、37℃
で培養した。この条件下でのFM3A細胞の倍加時間は
約12時間であった。前培養を行ない、対数増殖期に入
った細胞を5×104cells/mlとなるように培
地で希釈し、サンプルはマラリア活性測定時に調製した
ものを用いて、24穴培養プレートにサンプル溶液を5
〜10μLずつ加えた(培地などを加えた最終濃度は1
×10-4〜1×10-5M)。1化合物について2又は3
回の試験を行ない、コントロールとして滅菌水、DM
F、又はDMSOを10μL加えたウェルを同時に用意
した。つぎに、用意しておいた培養細胞浮遊液を990
から995μLずつ加え、静かにピペッティングして培
地に一様に懸濁させた。48時間培養した後、それぞれ
のウェルについて細胞数をセルカウンター(CC−10
8、Toa Medical Electrics社
製)で計数し、下記式により増殖率を算出して50%増
殖阻害率(IC50)を算出した。増殖率(%)={(C
−A)/(B−A)}×100〔式中、Aは初期細胞
数、Bは2日後のコントロールの細胞数、Cはサンプル
添加した2日後の細胞数を示す〕
ルの細胞数及びコントロールの細胞数から算出し、サン
プルの細胞毒性を評価した。熱帯熱マラリア原虫とマウ
スFM3A細胞に対するサンプルのEC50値、IC50値
からサンプルの抗マラリア作用を評価することにより行
ない、マラリア原虫に対する選択毒性の指標として用い
られる化学療法係数を下記式により算出して薬効判定を
行なった。化学療法係数=(マウスFM3A細胞に対す
るサンプルのIC50値)÷(熱帯熱マラリア原虫に対す
るサンプルのEC50値)
とマウスFM3A細胞に対するEC50値、IC50値、及
び化学療法係数を表2に示す。これらの結果から、本発
明の抗マラリア剤は毒性が低く、極めて優れたマラリア
原虫増殖阻害作用を有していることが明らかである。
の化合物は、優れた抗マラリア原虫作用を有し、かつ毒
性が低いという特徴がある。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の式(I): 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、水酸基、置換若しくは非置換のC1-5アルキル
基、C1-5アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、
又はC2-6アルコキシカルボニル基を示し、あるいはR1
及びR2は互いに結合して6員環を形成してもよく;R3
及びR5はそれぞれ独立に置換又は非置換のC1-8アルキ
ル基を示し;R4は置換若しくは非置換のC1-8アルキル
基又は置換若しくは非置換のC6-8アリール基を示し;
R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子、塩素原子、置換
若しくは非置換のC1-8アルキル基、C2-5アルコキシカ
ルボニル基を示し、あるいはR6及びR7は互いに結合し
てさらに他の環と縮合してもよい6員環を形成してもよ
く;Zは5員又は6員の複素環を形成するために必要な
原子群を示し;Qは生理学的に許容しうるアニオンを示
し、kは1又は2を示す)で表される化合物を有効成分
として含む抗マラリア剤。 - 【請求項2】 式(I)で表される化合物が下記の式
(II): 【化2】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、塩素原
子、水酸基、メチル基、メトキシ基、又はメトキシカル
ボニル基を示し、あるいはR1及びR2は互いに結合して
縮合ベンゼン環を形成してもよく;R3及びR5はそれぞ
れ独立にメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プ
ロピル基、ブチル基、メトキシエトキシエチル基、4−
カルボキシブチル基、又は2−(2−カルボキシエチル
カルボニルオキシ)エチル基を示し;R4はメチル基、
エチル基、アリル基、又はフェニル基を示し;Qは塩素
イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、又は
シュウ酸イオンを示し、kは1又は2を示す)で表され
る化合物である請求項1に記載の抗マラリア剤。 - 【請求項3】 式(I)においてZにより形成される複
素環がピリジン環、ピラジン環、チアゾール環、イミダ
ゾール環、オキサゾール環、チアゾリン環、イミダゾリ
ン環、又はオキサゾリン環である請求項1に記載の抗マ
ラリア剤。
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JP37227298A JP4090133B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 抗マラリア剤 |
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JP37227298A Expired - Lifetime JP4090133B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 抗マラリア剤 |
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