JPH06211693A - 心筋虚血の治療剤 - Google Patents

心筋虚血の治療剤

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JPH06211693A
JPH06211693A JP5274232A JP27423293A JPH06211693A JP H06211693 A JPH06211693 A JP H06211693A JP 5274232 A JP5274232 A JP 5274232A JP 27423293 A JP27423293 A JP 27423293A JP H06211693 A JPH06211693 A JP H06211693A
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ketanserin
ischemia
receptor antagonist
myocardial ischemia
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JP5274232A
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Gary J Grover
ゲイリー・ジェイ・グローバー
Michael J Antonaccio
マイケル・ジェイ・アントナッシオ
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Bristol Myers Squibb Co
ER Squibb and Sons LLC
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Bristol Myers Squibb Co
ER Squibb and Sons LLC
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 哺乳動物の心筋虚血の治療剤を提供する。 【構成】 この治療剤は、セロトニンレセプタ拮抗剤か
ら成ることを特徴とし、例えばシナンセリン、ケタンセ
リン又はLY53857からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は心筋虚血の治療剤、更に
詳しくは、セロトニンレセプタ拮抗剤、たとえばシナン
セリン、ケタンセリン(Ketanserin)またはLY538
57から成る、哺乳動物の心筋虚血用治療剤に関する。
【0002】
【発明の構成と効果】すなわち、本発明は、セロトニン
レセプタ拮抗剤から成る、哺乳動物の心筋虚血(狭心
症、梗塞、血管形成等を含む)の治療剤を提供するもの
であり、該治療剤を心筋虚血の治療に有効な量で全身投
与、たとえば経口または非経口投与することにより、心
筋虚血を治療することができる。
【0003】本発明において、いずれのセロトニンレセ
プタ拮抗剤も使用しうる。かかるセロトニンレセプタ拮
抗剤の具体例は、参考文献として、R.A.グレノンの
「Neuroscience and Behavioral Reviews」(14
35〜47頁、1990年),"セロトニンレセプタ:臨床
上の意義";および「Pharmacological Reviews」(Vo
l.44、No.3、1992年),“5−ヒドロキシトリ
プタミンレセプタ"に開示されている。好ましいセロト
ニンレセプタ拮抗剤は、シナンセリン、ケタンセリンお
よびLY53857である。
【0004】本発明で使用する治療剤は、経口投与の場
合、錠剤、カプセル剤またはエリキシル剤などの製剤
で、また非経口投与の場合、殺菌溶液または懸濁液で処
方することができる。また本発明の治療剤は、経皮パッ
チまたは鼻腔吸入溶液を経由して投与してもよい。約1
0〜500mgのセロトニンレセプタ拮抗剤を、生理的に
許容しうるビヒクル、担体、賦形剤、結合剤、保存剤、
安定化剤、フレーバー等と共に、許容医薬実務で要求さ
れる単位投与剤形で配合する。これらの配合物または製
剤における有効物質の量は、所定範囲の適当な投与量が
得られるように設定する。投与量は、患者の年令、体重
および症状、並びに投与方法、投与形態および生活規
制、および所望の治療効果に応じ、注意して調整しなけ
ればならない。かかる治療剤は、上述の剤形で、1日当
り1回用量または2〜4回の分割用量で投与しうる。
【0005】上記有効物質の多くは、一般に知られてい
る医薬的に許容しうる塩、たとえばアルカリ金属塩およ
び他の一般的塩基性塩または酸付加塩等を形成する。従
って、ベース成分の有効物質に対する言及は、親化合物
と実質的に等価することが知られている一般的塩を包含
することを意図するものである。
【0006】図1は、全体虚血性ラットの心臓におけ
る、拘縮までの時間(分)に関するセロトニンレセプタ拮
抗剤(ケタンセリン、シナンセリンおよびLY5385
7)の効果(ビヒクルに対する変化率(%))を示すグラフ
である。
【0007】図2〜4はそれぞれ、単離したラット心臓
における、全体虚血の25分後の再潅流(Rep)中の、蓄
積LDH放出に関する各セロトニンレセプタ拮抗剤:シ
ナンセリン(Cinan)、ケタンセリン(Ket)およびLY5
3857の効果を示すグラフである。全てのセロトニン
レセプタ拮抗剤は、ビヒクル(Veh)と比較して、LDH
放出をかなりに減少せしめる(*,p<0.05)。ケタン
セリンは再潅流(Rep)中にのみ投与した場合に、LDH
放出の減少を起こさなかった。
【0008】図5は、全体虚血性の単離したラット心臓
における、拘縮までの時間(分)に関するセロトニン(S)
の効果を示すグラフである。セロトニンは30および1
00μMで、ビヒクル(V)と比較して、拘縮までの時間
をかなりに減少せしめる(*,p<0.05)。ケタンセリ
ン(Ket)およびシナンセリン(Cin)は、セロトニンの虚
血作用をなくした。
【0009】図6は、全体虚血性のラット心臓におけ
る、拘縮までの時間(分)に関する150(i.p.)パラク
ロロフェニルアラニン(PCPA)前処理の効果を示すグ
ラフである。パラクロロフェニルアラニンは、ビヒクル
と比較して、上記心臓の拘縮までの時間をかなりに増大
せしめた(*,p<0.05)。
【0010】図7〜10はそれぞれ、ラットの大動脈輪
におけるメトキサミン誘発収縮に関する。プラゾシン、
ケタンセリン、シナンセリンおよびLY53857の効
果を示すグラフである。
【0011】
【実施例】次に挙げる実施例は、本発明治療剤の好まし
い具体例の製造法および使用法を記載するもので、限定
的よりむしろ例示である。なお、特許請求の範囲に記載
される、本発明の技術的範囲並びに精神に属する他の具
体例が存在しうることを理解すべきである。実施例 セロトニンレセプタ作用剤および拮抗剤の効果を判定す
るため、雄のスプラーグ−ダウレイ(Sprague−Dawle
y)ラット(450〜550g)を下記の手順で準備した。
100mg/kgのナトリウムペントバルビタール(i.p.)
を用いて、ラットに麻酔をかけた。ラットに管を挿入
し、次いでヘパリンi.v.(1000U/Kg)で処理し
た。ラットの心臓を機械的に通気しながら、大動脈に逆
行性カニューレを挿入して、その場で潅流した。次い
で、心臓を切除し、直ちにランゲンドルフ(Langendorf
f)装置へ移し、クレブス−ヘンセライト(Krebs−hense
leit)重炭酸イオン緩衝剤溶液[112mMのNaCl、2
5mMのNaHCO3、5mMのKCl、1.2mMのMgS
4、1mMのKH2PO4、1.25mMのCaCl2、2m
Mのピルビン酸塩および11.5mMのデキストロース
にO295%/CO25%を吹き込む]を一定の潅流圧(8
5mmHg)で潅流した。次いで、金属カニューレに取付け
た水充満ラテックスバルーンを左心室に挿入し、かつ左
心室圧の測定用ステイサム(Statham)圧変換器と接続し
た。心臓を15分間平衡状態に維持せしめ、このとき、
拡張終期圧(EDP)を5mmHgに調整し、かつ実験が終
わるまで上記バルーン容量を維持した。次いで、虚血前
または薬物作用前の、心拍数(HR)および冠流量(体外
電磁流量プローブ)を測定した。左心室発生圧(LVD
P)を、左心室ピーク収縮期圧とEDPの差から計算し
た。実験を通じて、栓をした加熱室にためた37℃緩衝
液に心臓をつけておくことにより、心臓の温度を維持し
た。
【0012】単離したラット心臓における全体虚血のモ
デルとして、観察される保護効果が一般に直接的心臓保
護効果に基づくが、冠または末梢血管トーンに関する効
果には基づかないようにデザインした。また、心臓は酸
化した緩衝液で潅流されるので、血小板または炎症性反
応の標準成分は、このモデルで観察される虚血性/再潅
流損傷の重要なメディエイタではないと思われる。虚血
性心筋層に対し直接保護効果を発揮する作用物質は、一
般にこのモデルにおいて有効であり、そしてかかる作用
物質はカルシウム拮抗剤、ATP−感受性カリウム管開
放剤およびカルモジュリン抑制剤を包含することがわか
った。末梢または冠血管系に対する作用において保護効
果を発揮する作用物質(たとえば硝酸塩)、または血液に
作用もしくは炎症性反応の成分に作用する物質(たとえ
ばトロンボキサンA2レセプタ拮抗剤)は一般に、このモ
デルに効果がない。
【0013】5HTレセプタ作用剤および拮抗剤の効果 心臓を下記のグループに分けた。 1.ビヒクル(0.1%DMSO)、虚血開始の10分前
に処理を始める(n=8) 2.0.3〜10μMケタンセリン、虚血開始の10分
前に処理を始める(n=4〜5/グループ) 3.10μMケタンセリン、再潅流中のみ投与(n=4) 4.0.1〜10μMシナンセリン、全体虚血の10分
前に処理を始める(n=4〜10) 5.1〜10μM LY53857、虚血開始の10分
前に処理を始める(n=4/グループ) ビヒクルまたは薬物前処理の10分後に、心臓をトータ
ル25分の全体虚血に付し、なお虚血は潅流液の流れを
止めることによって始めた。再潅流を開始し(但し、上
記グループ3の場合を除き、薬物を使用せず)、再潅流
を30分間続けた。この時点で、EDP、LVDPおよ
び冠流量の最終測定値を得た。再潅流液における蓄積L
DH放出を測定し、これを細胞および膜成育可能の指数
として用いた。全ての心臓において、虚血中の拘縮まで
の時間を測定し、これを虚血中の心臓保護の指数として
用いた。拘縮までの時間とは、全体虚血中に起るEDP
の最初の5mmHg増加に要する時間(分)である。データ
として、ビヒクルに対する、拘縮までの時間の変化率
(%)を表示した。潜在能として、拘縮までの時間をビヒ
クルグループ値より25%増大(EC25)する、各薬物の
濃度(μM)を表示した。
【0014】別の一連の心臓において、きびしい虚血に
対する5HTの効果を判定した。グループを下記の通り
に分けた。 1.1〜100μM5HTを虚血の10分前に投与(n=
4/グループ) 2.30μM5HT+3μMケタンセリン、両物質を虚
血の10分前に投与(n=4) 3.30μM5HT+30μMシナンセリン、両物質を
虚血開始の10分前に投与(n=4) 4.ビヒクル(0.1%DMSO)を虚血の10分前に投与(n=
5) 心臓を上述の全体虚血に付し、拘縮までの時間を測定し
た。なお、このグループでは、再潅流機能およびLDH
放出を判定しなかった。
【0015】全体虚血中の拘縮までの時間に関する、5
HT2拮抗剤:シナンセリン、ケタンセリンおよびLY5
3857の効果を、図1に示す。これらのデータとし
て、ビヒクルに対する、EDPの最初の5mmHg変化に
要する時間の変化率(%)を表示する。図1から明らかな
ように、これら3つの物質は全て、ある程度濃度に依存
して、拘縮までの時間を増大した。シナンセリンが、
1.6μMのEC25で、拘縮までの時間の増大において
最も効力があり、次いでケタンセリン(EC25=5.5
μM)およびLY53857(EC25=6.1μM)の順
である。
【0016】虚血前および虚血後の心機能に対する5H
2拮抗剤の効果を下記表1〜3に示す。表1は、単離
したラット心臓における虚血前後の心機能および冠流量
に対する、シナンセリンの効果を示す。
【表1】
【0017】上記表1に示されるように、シナンセリン
は、虚血前の心拍数あるいはLVDPに関してほとんど
効果がなかった。10μM濃度でのみ、かなりの徐脈が
見られた。この濃度で徐脈が見られたにも拘らず、LV
DPに関する意味のある効果はなかった。シナンセリン
の場合いずれの試験濃度でも、虚血前の冠流量に関する
意味のある効果は認められないが、幾つかの濃度で若干
の減少が見られた。また、再潅流開始の30分後に、心
機能の回復を判定した。ビヒクルで処理した心臓におい
て、かなりの再潅流収縮性機能不全が見られ、このこと
はきびしい虚血性/再潅流損傷を示す。シナンセリン
は、ビヒクルと比較して、0.3μMおよびそれ以上の
濃度で再潅流LVDPをかなりに改善するが、この効果
は濃度と明確に関連するものではなかった。ビヒクルで
処理したラットにおいて再潅流中に冠流量はかなりに減
少され(虚血前の基準値に対して)、そしてシナンセリン
は心臓保護濃度(但し、10μM濃度を除く)で再流(ref
low)をかなりに改善した。図2に、再潅流LDH放出に
関するシナンセリンの効果を示す。1〜10μMシナン
セリンの場合、ビヒクルと比較してLDHのかなりの減
少が見られた。LDH放出の減少は、濃度と関連するこ
とが認められなかった。非虚血性心臓はLDHを放出せ
ず、また歴史的に、実験の時間的枠内では虚血性を示さ
ないラットの単離心臓からは、LDHが放出されること
は全く認められなかった。
【0018】ケタンセリンおよびLY53857の心機
能および冠流量データを、下記表2および3に示す。
【表2】
【表3】 上記表2および3において、全ての値は平均値(±S
E);HR=心拍数;Rep=再潅流;LVDP=左心室発生
圧 a: 各薬物前値との有意差(p<0.05) b: 各ビヒクルグループとの有意差(p<0.05)
【0019】ケタンセリンまたはLY53857はいず
れも、心機能に対して顕著な虚血前効果を及ぼさなかっ
た。ケタンセリンは3および10μM濃度で、LVDP
に影響を及ぼすことなく、徐脈を起した。ケタンセリン
は、非虚血性心臓においてほどよい冠収縮効果を発揮す
ると思われるが、LY53857には意味のある効果は
なかった。両物質は共に、3μM濃度を起点に再潅流L
VDPをかなりに改善した。再潅流流量は、ケタンセリ
ンまたはLY53857のいずれによっても改善されな
かった。ケタンセリンおよびLY53857のLDHデ
ータをそれぞれ、図3および4に示す。図3および4か
ら明らかなように、ケタンセリンは、10μM濃度のみ
でLDH放出をかなりに減少せしめるが、LY5385
7は3および10μM濃度でLDH放出をかなりに減少
せしめた。またケタンセリンを再潅流中のみ3μMで投
与したが、いずれのバリエーションで測定しても保護効
果は全く見られなかった。
【0020】拘縮までの時間に関する5HTの効果を図
5に示す。5HTは>30μMで拘縮までの時間をかな
りに減少せしめ、このことは虚血作用を示すことがわか
った。1および10μM濃度では、きびしい虚血に対し
て測定できるほどの効果は伴わなかった(図5におい
て、1μM−5HTのデータを図示せず)。5HT2レセ
プタ拮抗剤:シナンセリンおよびケタンセリンは、完全
にこの虚血作用をなくした。虚血前心機能および冠流量
に関する5HTの効果を下記表4に示す。
【表4】 全ての値は平均値(±SE);HR=心拍数;LVDP=左
心室発生圧 a: 各薬物前値との有意差(p<0.05) b: 各ビヒクルグループとの有意差(p<0.05)
【0021】5HTは、濃度に依存して心拍数を増大し
た。5HTは頻脈と共に、LVDPを減少せしめたが、
これは100μM濃度の場合のみしか観察されなかっ
た。たとえば、頻脈に付したラット心臓においてやや陰
性の筋変力が見られた。ケタンセリンおよびシナンセリ
ンは、部分的にしか頻脈をなくさなかった。冠流量に関
して意味のある効果は見られなかった。
【0022】虚血性心臓に対するパラクロロフェニルア
ラニンの効果 内因性5HTが単離心臓において虚血作用を仲介してい
るかどうかを判定するため、下記の如く準備したラット
を、パラクロロフェニルアラニンで処理した。パラクロ
ロフェニルアラニンは、トリプトファンヒドロキシラー
ゼの抑制、5HT合成の速度制限段階によって、脳およ
び末梢5HTを消耗させる。以前に、治療生活規制のパ
ラクロロフェニルアラニン使用は5HTをかなりに消耗
させることがわかっていた。雄スプラーグ−ダウレイ・
ラット(450〜550g)に、続けて3日間、i.p.1
05mg/kgのパラクロロフェニルアラニン(n=10)ま
たはそのビヒクル(水、n=6)を注射した。4日目に、
ラットに100mg/kgのナトリウムペントバルビタール
で麻酔をかけた。次いで心臓を切除し、上述の単離心臓
装置へ移した。次に心臓を、25分の全体虚血および3
0分の再潅流に付した。拘縮までの時間、収縮性機能の
回復、冠流量および蓄積LDH放出を上述の如く測定し
た。
【0023】拘縮までの時間データを図6に示す、図6
から明らかなように、パラクロロフェニルアラニン(P
CPA)は、これらの心臓の拘縮までの時間をかなりに
増大させ、このことは保護効果を示すものであった。虚
血前および虚血後の心機能および冠流量に関するパラク
ロロフェニルアラニンの効果を、下記表5に示す。
【表5】 全ての値は平均値(±SE);HR=心拍数;LVDP=左
心室発生圧 a: 各薬物前値との有意差(p<0.05) b: 各ビヒクルグループとの有意差(p<0.05)
【0024】ビヒクルで処理した心臓において見られ
る、再潅流徐脈および収縮性機能不全は、パラクロロフ
ェニルアラニンによってかなりに弱まった。また上記表
5には再潅流中のLDH放出がわずかに示されている
が、パラクロロフェニルアラニンによってかなりに減少
せしめられた。
【0025】血管平滑筋におけるα1−アドレノセプタ
に対する5HT2拮抗剤の効果 シナンセリン、ケタンセリンおよびLY53857のα
1の遮断潜在能を判定するため、それらのメトキサミン
誘発大動脈収縮に対する作用を判定した。雄スプラーグ
−ダウレイ・ラットをCO2で殺した。大動脈輪(幅3m
m)を切断し、該大動脈輪を湿った濾紙にやさしくころが
して、内皮をはがし、次いで下記組成:118.4mMの
NaCl、4.7mMのKCl、1.2mMのMgSO4
1.2mMのKH2PO4、1.9mMのCaCl2、25.
0mMのNaHCO3、10.1mMのD−グルコースおよ
び0.01mMのNa2EDTAの、37℃に維持した、
酸化生理的食塩水(PSS)を含有する20ml筋肉室の中
のステンレススチールフックに取付けた。等長力発生を
記録するグラス(Grass)FT03Cトランスデューサに
上記フックを接続した。平衡期間中、大動脈輪を2g前
負荷まで伸張した。平衡中、大動脈輪を周期的に24m
MのKClで刺激して、収縮性を判定した。内皮除去の
有効性は、0.01μMのフェニレフリンに応答する収
縮の1μMアセチルコリンによる弛緩欠如によって確認
された。
【0026】次いで、各種濃度の試験物質を個々の浴へ
加え、45分の温置を行った後、メトキサミン(1nM〜
30μM)の蓄積濃度応答曲線を得た。溶媒対照を平行
して行った。試験物質は、0.3〜10nMのプラゾシ
ン(n=4〜8/グループ)、0.1〜10μMのケタン
セリン(n=4〜8/グループ)、1〜100μMのシナ
ンセリン(n=4/グループ)、または10〜100μM
のLY53857(n=4/グループ)であった。データ
は、異なるラットの少なくとも4組織の平均値±SEで
プロットした。
【0027】図7に示されるように、プラゾシンのメト
キサミン(ME)−張力曲線は、1nM濃度を起点に、右
側へ移動した。右手移動は、はっきりと競合しているよ
うには見えなかった。ケタンセリン(図8)も同様に、曲
線がかなり移動したが、この場合の意味のある起点は
0.3μM濃度であった。ケタンセリンは、競合してメ
トキサミン誘発収縮を抑制しているように思われた。シ
ナンセリンおよびLY53857は共に(それぞれ図9
および10)、右手移動をもたらしたが、これは明確に
濃度に関連するものでなかった。いずれの物質も、30
〜100μM濃度に達するまでは、メトキサミン誘発収
縮に対して効果を有しているとは思われず、そして意味
のある抑制は見られるが、最大効果は減少した。
【0028】この実験で、心臓を潅流する血液の欠乏に
拘わらず、シナンセリン、ケタンセリンおよびLY53
857は全て、心臓をかなりに保護した。シナンセリン
は、虚血中の拘縮までの時間の増大能力の観点から、他
の物質と比較して、心臓保護剤としての潜在能が少し高
いと思われるが、一般にそれらのEC25値は同等であっ
た。これら物質の全ては、拘縮までの時間を増大せし
め、このことは少なくとも、それらの保護効果の幾つか
が、虚血そのもの中に発生することを示すものであっ
た。5HT2拮抗剤の全ては、再潅流中の収縮性機能の
回復を改善したが、再潅流中のみのケタンセリンの注入
は保護効果をもたらさず、さらにこのことは、5HT2
拮抗剤の保護効果が全体虚血そのもの中に発生すること
を示唆するものであった。LY53857:オクタヒド
ロキノリン誘導体は構造的に、ピペリジン5HT2拮抗
剤:シナンセリンおよびケタンセリンと区別されるが、
抗虚血潜在能が同等である。
【0029】またパラクロロフェニルアラニンを用いる
5HTの除去が、心臓保護をもたらしうるかどうかを判
定した。パラクロロフェニルアラニンはかなりの心臓保
護効果を及ぼすが、この効果の程度は、5HT2レセプ
タ拮抗剤の場合に見られる効果と同等であった。このこ
とはさらに、5HT活性の拮抗作用が上記試験物質の作
用機構であることの証拠となる。これらのデータは、ラ
ット心臓が測定できるレベルの5HTを有しており、か
つニューロンおよび非ニューロン部位に5HTを蓄積し
うるという先の知見と一致する。
【0030】要するに、単離したラット心臓における5
HT2レセプタ拮抗作用は、虚血中に起ると思われるか
なりの心臓保護をもたらし、かつ再潅流損傷を弱めな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体虚血性ラットの心臓における、拘縮まで
の時間に関するケタンセリン、シナンセリンおよびLY
53857の効果を示すグラフである。
【図2】 単離したラット心臓における、全体虚血の2
5分後の再潅流中の、蓄積LDH放出に関するシナンセ
リンの効果を示すグラフである。
【図3】 上記図2と同じ蓄積LDH放出に関するケタ
ンセリンの効果を示すグラフである。
【図4】 上記図2と同じ蓄積LDH放出に関するLY
53857の効果を示すグラフである。
【図5】 全体虚血性の単離したラット心臓における、
拘縮までの時間に関するセロトニンの効果を示すグラフ
である。
【図6】 全体虚血性のラット心臓における、拘縮まで
の時間に関する150(i.p.)パラクロロフェニルアラ
ニン前処理の効果を示すグラフである。
【図7】 ラットの大動脈輪におけるメトキサミン誘発
収縮に関するプラゾシンの効果を示すグラフである。
【図8】 上記図7と同じメトキサミン誘発収縮に関す
るケタンセリンの効果を示すグラフである。
【図9】 上記図7と同じメトキサミン誘発収縮に関す
るシナンセリンの効果を示すグラフである。
【図10】 上記図7と同じメトキサミン誘発収縮に関
するLY53857の効果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル・ジェイ・アントナッシオ アメリカ合衆国ニュージャージー州プリン ストン、ダグラス・ドライブ11、アール・ ディ4番

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セロトニンレセプタ拮抗剤から成ること
    を特徴とする哺乳動物の心筋虚血の治療剤。
  2. 【請求項2】 セロトニンレセプタ拮抗剤が、5HT2
    レセプタ拮抗剤である請求項1に記載の治療剤。
  3. 【請求項3】 セロトニンレセプタ拮抗剤が、シナンセ
    リンである請求項1に記載の治療剤。
  4. 【請求項4】 セロトニンレセプタ拮抗剤が、ケタンセ
    リンである請求項1に記載の治療剤。
  5. 【請求項5】 セロトニンレセプタ拮抗剤が、LY53
    857である請求項1に記載の治療剤。
JP5274232A 1992-11-04 1993-11-02 心筋虚血の治療剤 Withdrawn JPH06211693A (ja)

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US971437 1992-11-04

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CA2108245A1 (en) 1994-05-05
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