JP2000183683A - 厚み縦圧電共振子及び圧電共振部品 - Google Patents

厚み縦圧電共振子及び圧電共振部品

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JP2000183683A
JP2000183683A JP10359428A JP35942898A JP2000183683A JP 2000183683 A JP2000183683 A JP 2000183683A JP 10359428 A JP10359428 A JP 10359428A JP 35942898 A JP35942898 A JP 35942898A JP 2000183683 A JP2000183683 A JP 2000183683A
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piezoelectric
thickness
piezoelectric body
piezoelectric resonator
resonance
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Hiroaki Kaida
弘明 開田
Toru Nagae
徹 長江
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Murata Manufacturing Co Ltd
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    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/15Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material
    • H03H9/17Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material having a single resonator
    • H03H9/178Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material having a single resonator of a laminated structure of multiple piezoelectric layers with inner electrodes
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    • H03H9/02007Details of bulk acoustic wave devices
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    • H03H9/02157Dimensional parameters, e.g. ratio between two dimension parameters, length, width or thickness

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚み縦振動モードの高調波を利用した厚み縦
圧電共振子であり、小型化が容易であり、共振周波数と
反共振周波数との間のスプリアスを抑圧することがで
き、良好な共振特性を有する厚み縦圧電共振子を得る。 【解決手段】 ストリップ型の矩形板状の圧電体2と、
圧電体2の両面に形成されており、圧電体2を介して表
裏対向された第1,第2の励振電極3,4と、圧電体内
に配置された内部電極6とを備え、第1,第2の励振電
極3,4及び内部電極6が対向している部分が共振部を
構成しており、圧電体2の長さ方向において共振部の両
側に振動減衰部が構成されており、圧電体2の幅方向に
おいては振動減衰部が構成されておらず、圧電体の長さ
方向をL、厚みをT、D=T/Nとしたときに、14.
0≧L/D≧9.0とされている、厚み縦圧電共振子
1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の共振子や発
振子等に用いられる圧電共振子及び圧電共振部品に関
し、より詳細には、厚み縦振動モードの高調波を利用し
た厚み縦圧電共振子及び圧電共振部品に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電共振子は、圧電発振子や圧電フィル
タなどの種々の圧電共振部品に用いられており、この種
の圧電共振子としては、使用周波数に応じて種々の圧電
振動モードを利用したものが知られている。
【0003】特開平1−117409号公報には、厚み
縦振動モードの2倍波を利用したエネルギー閉じ込め型
圧電共振子が開示されている。この圧電共振子を、図1
9及び図20を参照して説明する。
【0004】上記圧電共振子は、図19に分解斜視図で
示すように、圧電材料よりなるセラミックグリーンシー
ト61,62を積層し、一体焼成することにより得られ
ている。セラミックグリーンシート61上には、中央に
円形の励振電極63が形成されており、該励振電極63
は、引き出し電極64によりセラミックグリーンシート
61の端縁に引き出されている。また、セラミックグリ
ーンシート62の上面には、中央に円形の励振電極65
が形成されており、励振電極65は引き出し電極66に
よりセラミックグリーンシート62の端縁に引き出され
ている。また、セラミックグリーンシート62の下面に
は、下方に投影して示すように、励振電極67が形成さ
れており、励振電極67は引き出し電極68によりセラ
ミックグリーンシート62の端縁に引き出されている。
【0005】上記セラミックグリーンシート61,62
を積層し、厚み方向に加圧した後焼成することにより、
焼結体を得、該焼結体を分極処理することにより、図2
0により圧電共振子70が得られる。
【0006】圧電共振子70では、圧電体層71,72
が図示の矢印方向に、すなわち焼結体が厚み方向に一様
に分極処理されている。駆動に際しては、励振電極6
3,67を共通接続し、励振電極63,67と、励振電
極65との間で交流電圧を印加することにより、圧電共
振子70を共振させることができる。この場合、振動エ
ネルギーは、励振電極63,65,67が重なり合って
いる領域、すなわち共振部Aに閉じ込められる。
【0007】従来の厚み縦振動モードの高調波を利用し
た圧電共振子70は、上記のようにエネルギー閉じ込め
型圧電共振子として構成されており、従って、共振部A
の周囲に振動を減衰させるための振動減衰部を必要とし
ていた。すなわち、共振部の面積に比べて大きな振動減
衰部を必要としていた。従って、圧電共振子70では小
型化を進めることが困難であった。
【0008】他方、特開平2−235422号公報に
は、共振部の周囲に余分な圧電基板部分をあまり必要と
しない、ストリップ型の圧電セラミックスを用いたエネ
ルギー閉じ込め型圧電共振子が開示されている。
【0009】ここでは、図21に示すように、細長い圧
電基板81の上面に励振電極82aが、下面に励振電極
82bが形成されている。励振電極82a,82bは、
それぞれ、圧電基板81の一対の長辺に至るように、す
なわち全幅に至るように形成されており、かつ圧電基板
81の長さ方向中央において表裏対向されて共振部を構
成している。また、これらの励振電極82a,82b
は、それぞれ、圧電基板81の長さ方向端部81a,8
1bに至るように延ばされている。
【0010】圧電共振子80では、厚み縦振動モードを
励振した場合、圧電基板81の幅Wと厚みTの寸法関係
に起因する不要振動が発生する。そこで、特開平2−2
35422号公報では、基本波を利用する場合には、共
振周波数16MHzにおいてW/T=5.33付近とす
ればよいこと、3倍波を利用する場合には、共振周波数
約16MHzにおいてW/T=2.87付近とすれば、
共振周波数−反共振周波数間における不要スプリアスを
低減し得るとされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した通り、厚み縦
振動モードの2倍波を利用した特開平1−117409
号公報に開示されているエネルギー閉じ込め型圧電共振
子では、共振部の周囲に大きな振動減衰部を構成する必
要があるため、小型化が困難であるという問題があっ
た。
【0012】また、特開平2−235422号公報に開
示されているエネルギー閉じ込め型圧電共振子では、共
振部の側方に振動減衰部を必要としないため、小型化を
果たし得るものの、実際にケース基板上に取付けて厚み
縦振動モードの高調波を利用しようとした場合には、共
振周波数−反共振周波数間のスプリアスが表れ、有効な
共振特性を得られないことがあった。
【0013】また、特開平2−235422号公報に開
示されている圧電共振子では、その電気的容量が比較的
小さく、回路基板の浮遊容量などの影響を受けやすかっ
た。本発明の目的は、厚み縦振動モードの高調波を利用
した厚み縦圧電共振子であって、小型化を進めることが
でき、かつ電気的容量が大きく、回路基板の浮遊容量な
どの影響を受け難く、所望でない不要スプリアスの発生
を効果的に抑制し得る良好な共振特性を有する厚み縦圧
電共振子及び圧電共振部品を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、厚み縦振動モードの
3倍波を利用した厚み縦圧電共振子であって、小型化を
進めることができ、かつ所望でない不要スプリアスの発
生を効果的に抑制し得る良好な共振特性を有する厚み縦
圧電共振子及び圧電共振部品を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、共
振部の両側に振動減衰部を有し、厚み縦振動モードのN
次高調波を利用した厚み縦圧電共振子であって、矩形板
状の圧電体と、前記圧電体の両面に形成されており、圧
電体を介して対向された第1,第2の励振電極と、前記
圧電体内に配置されており、圧電体層を介して第1,第
2の励振電極と少なくとも部分的に対向された少なくと
も1層の内部電極とを備え、第1,第2の励振電極及び
内部電極が厚み方向に重なり合っている部分により前記
共振部が構成されており、共振部の両側の振動減衰部を
結ぶ方向を第1の方向としたときに第1の方向と直交す
る方向において圧電体の端部または端部近傍まで第1,
第2の励振電極が至るように第1,第2の励振電極が形
成されており、前記圧電体の第1の方向における長さを
L、前記圧電体の厚みをT、D=T/Nとしたときに、
14.0≧L/D≧9.0とされていることを特徴とす
る。
【0016】本願の第2の発明は、共振部の両側に振動
減衰部を有する厚み縦振動モードの3倍波を利用したエ
ネルギー閉じ込め型厚み縦圧電共振子であって、矩形板
状の圧電体と、前記圧電体の両面に形成されており、圧
電体を介して対向された第1,第2の励振電極とを備
え、共振部の両側の振動減衰部を結ぶ方向を第1の方向
としたときに、第1の方向と直交する方向において圧電
体の端部または端部近傍まで第1,第2の励振電極が至
るように第1,第2の励振電極が形成されており、前記
圧電体の第1の方向の長さをL、圧電体の厚みをTと
し、D=T/3としたときに、14.0≧L/D≧9.
0とされていることを特徴とする。
【0017】第1,第2の発明に係る厚み縦圧電共振子
では、圧電体の両面に、すなわち圧電体の厚み方向外側
に、圧電体層が形成されていてもよく、その場合には、
第1,第2の励振電極が内部励振電極の形態とされる。
【0018】また、第1,第2の発明に係る厚み縦圧電
共振子では、前記圧電体としては、好ましくは、細長い
ストリップ状の圧電体が用いられる。本発明に係る圧電
共振部品は、ケースを構成する第1,第2のケース材
と、振動を妨げないための空隙を確保した状態で第1の
ケース材に接合されている請求項1〜4のいずれかに記
載の厚み縦圧電共振子とを備え、前記第1のケース材に
接合された厚み縦圧電共振子を囲繞するように、第2の
ケース材が第1のケース材に固定されていることを特徴
とする。
【0019】また、好ましくは、前記第1のケース材
が、誘電体基板と該誘電体基板に形成された複数の電極
とを有するコンデンサ基板であり、前記圧電共振子がコ
ンデンサ基板に構成されているコンデンサに電気的に接
続されている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
具体的な実施例を挙げることにより、本発明をより詳細
に説明する。
【0021】(第1の実施例)図1(a)及び(b)
は、本発明の第1の実施例に係るエネルギー閉じ込め型
の厚み縦圧電共振子の斜視図及び縦断面図である。
【0022】厚み縦圧電共振子1は、細長いストリップ
状の圧電体2を用いて構成されている。圧電体2は、チ
タン酸鉛系セラミックスのような圧電セラミックスによ
り構成されており、厚み方向に一様に分極処理されてい
る。
【0023】圧電体2の上面には、第1の励振電極3が
形成されており、下面には第2の励振電極4が形成され
ている。励振電極3,4は、圧電体2の一方端面2aか
ら圧電体2の上面及び下面において他方端面2b側に向
かって延ばされている。
【0024】励振電極3,4は、圧電体2の端面2aに
形成された端子電極5により共通接続されている。ま
た、端子電極5は、圧電体2の中間高さ位置において、
端面2b側に向かって延びる内方突出部5aを有する。
【0025】圧電体2の中間高さ位置には、内方突出部
5aと同じ平面上において内方突出部5aと対向するよ
うに内部電極6が形成されている。内部電極6は、圧電
体2の端面2bに引き出されており、端面2bに形成さ
れた端子電極7に電気的に接続されている。
【0026】なお、端子電極7は、圧電体2の上面及び
下面にも至るように形成されている。本実施例の厚み縦
圧電共振子では、第1,第2の励振電極3,4と、内部
電極6とが厚み方向に重なり合っている部分により共振
部が構成されている。また、圧電体2においては、共振
部の両側、すなわち長さ方向両側に振動減衰部が構成さ
れている。言い換えれば、長さ方向を第1の方向とした
ときに、共振部の外側には、第1の方向においてのみ振
動減衰部が構成されている。また、第1,第2の励振電
極3,4は、第1の方向と直交する方向において、すな
わち圧電体2の幅方向において、圧電体2の端部に至る
ように形成されている。
【0027】もっとも、第1,第2の励振電極3,4
は、圧電体2の幅方向端部に至らず、端部近傍まで形成
されていてもよい。すなわち、圧電体2の幅方向におい
て、共振部の外側に振動減衰部が構成されない限り、励
振電極3,4は、圧電体2の幅方向端部に必ずしも至ら
ずともよい。
【0028】本実施例の厚み縦圧電共振子では、圧電体
2の第1の方向における長さをL、圧電体2の厚みを
T、D=T/Nとしたときに、14.0≧L/D≧9.
0とされていることを特徴とする。なお、Nは、利用し
ようとする厚み縦振動モードの高調波の次数である。
【0029】駆動に際しては、第1,第2の励振電極
3,4と、内部電極6との間に交流電圧を印加すること
により、厚み縦振動モードの2倍波が強く励振され、該
2倍波を利用した圧電共振子として動作させることがで
きる。
【0030】また、第1,第2の励振電極3,4と、内
部電極6とは、圧電体2の長さ方向中央部分において圧
電体層を介して重なり合うように形成されている。従っ
て、第1,第2の励振電極3,4と内部電極6とが重な
り合っている部分が共振部となり、長さ方向両側の圧電
体部分が振動減衰部とされたエネルギー閉じ込め型圧電
共振子が構成される。
【0031】なお、第1,第2の励振電極3,4及び内
部電極6は、共振部においてのみ、圧電体2の全幅に至
るように形成されておればよく、共振部外では、同じ幅
に形成されている必要は必ずしもない。例えば、励振電
極3を例にとると、共振部においてのみ、励振電極3は
圧電体2の全幅に至るように形成されておればよく、励
振電極3の共振部より端面2a側の部分は、単に励振電
極を端子電極5に電気的に接続する部分であるため、よ
り細い幅で形成されていてもよい。
【0032】本実施例の厚み縦圧電共振子では、圧電体
2の長さ方向においてのみ共振部の両側に振動減衰部が
設けられており、圧電体2の幅方向には振動減衰部が構
成されていない。従って、厚み縦圧電共振子1では、そ
の幅方向寸法を小さくすることができ、圧電共振子の小
型化を図ることができる。
【0033】加えて、第1,第2の励振電極3,4及び
内部電極6を圧電体層を介して積層した構造を有するた
め、内部電極を有しない従来の厚み縦圧電共振子80に
比べて電気的容量が大きくなり、回路基板の浮遊容量な
どによる影響を受け難い。
【0034】また、第1,第2の励振電極3,4が圧電
体2の幅方向両端に至るように形成されていることによ
っても電気的容量が大きくなり、回路基板側の浮遊容量
による影響を受け難い。
【0035】さらに、本実施例の厚み縦圧電共振子1で
は、上述したように、14.0≧L/D≧9.0とされ
ているので、不要スプリアスを効果的に抑制することが
できる。これを図2〜図4を参照して説明する。
【0036】本願発明者によれば、厚み縦圧電共振子1
として、様々な寸法のものを作製した場合、L/Dが1
4以下の場合には、共振周波数と反共振周波数との間に
スプリアスの発生することが認められた。従って、L/
Dを14以上としなければ、共振周波数と反共振周波数
との間のスプリアスを抑制することができないと考えて
いた。
【0037】そこで、より一層の小型化を図るために、
L/Dを14以下とした場合に、上記スプリアスを抑制
し得るか否かを検討した。そこで、上記厚み縦圧電共振
子の変位分布を有限要素法により解析した。図2は、厚
み縦振動の2倍波による変位分布を示し、図3は上記ス
プリアスの原因となっている振動の変位分布を示す。図
3から明らかなように、上記スプリアス振動では、圧電
体2の両端において変位が最も大きいことがわかる。
【0038】本願発明者は、振動減衰方向、すなわち圧
電体2の長さ方向両端の端面において、厚み縦振動方向
に対して垂直関係にある2辺のうち、少なくとも1辺を
導電ペースト等で固定するように保持すれば、上記横電
界による影響をあまり受けず、良好な共振特性が得られ
るのではないかと考え、種々の検討を行った。その結
果、このスプリアス抑圧効果が、比L/Dに依存するこ
とが確かめられた。
【0039】すなわち、比L/Dを種々異ならせ、厚み
縦圧電共振子1を作製し、上記のように長さ方向両側に
存在する端面において、厚み縦振動の方向に対して直交
する関係にある上辺及び下辺のうち、下辺を導電ペース
トで固定し、共振特性を測定した。そして、該共振特性
上表れるスプリアスの大きさと、比L/Dとの関係を求
めた。結果を図4に示す。
【0040】図4における縦軸のスプリアス位相値は、
共振周波数と反共振周波数との間に表れるスプリアスに
おける最低位相値を示す。また、図4の実線Bは、上記
のように圧電共振子1の第1の方向両側の端面の下辺で
圧電共振子1を固定した場合の特性を示し、実線Cは、
該端面よりも内側で保持した場合の特性を示す。
【0041】図4から明らかなように、圧電共振子1の
長さ方向両側の端面の下辺で圧電共振子1を保持した場
合、L/D=9.0を境として、L/Dが9.0未満の
場合、スプリアスが急激に大きくなることがわかる。従
って、上記のように、圧電体2の長さ方向両側の端面の
上辺または下辺を保持することにより、L/Dが14.
0以下の場合であっても、L/Dを9.0以上とするこ
とにより、良好な共振特性の得られることがわかる。
【0042】よって、厚み縦圧電共振子1では、比L/
Dを14.0以下とした場合であっても、9.0以上と
することにより、上記保持方法を採用すれば良好な共振
特性が得られ、それによってエネルギー閉じ込め型厚み
縦圧電共振子1のより一層の小型化を図ることができ
る。
【0043】(第1の実施例の変形例)厚み縦圧電共振
子1では、端子電極5に、内部電極6側に延びる内方突
出部5aが形成されていたが、図5(a)及び(b)に
示すように、端子電極内方突出部5aは設けられずとも
よい。
【0044】(第2の実施例)図6は、本発明の第2の
実施例に係る厚み縦圧電共振子11を示す斜視図であ
る。第1の実施例に係る厚み縦圧電共振子1では、圧電
体2が厚み方向に一様に分極処理されており、各層に加
わる印加電圧が逆方向とされていた。すなわち、2つの
圧電体層が並列接続されていたが、本発明では、複数の
圧電体層を厚み方向に交互に逆方向に分極処理してなる
シリーズ接続型の圧電共振子としてもよい。
【0045】第2の実施例に係る厚み縦圧電共振子11
は、このようなシリーズ接続型の圧電共振子である。図
6に示す厚み縦圧電共振子11は、細長い矩形板状のス
トリップ型圧電体12を用いて構成されている。圧電体
12の上面には、第1の励振電極13が、下面には第2
の励振電極14が形成されている。第1,第2の励振電
極13,14は圧電体12を介して表裏対向されてい
る。また、第1,第2の励振電極13,14は、圧電体
12の長さ方向中央部において対向されており、この対
向部分が共振部とされている。
【0046】本実施例においても、第1,第2の励振電
極13,14は、それぞれ、圧電体12の端面12aま
たは端面12bに引き出されているが、共振部以外の部
分は圧電体12の全幅に至るように形成されておらずと
もよい。
【0047】従って、励振電極13,14は、圧電体1
2の長さ方向を第1の方向としたときに、第1の方向と
直交する方向において圧電体の両端に、すなわち全幅に
至るように形成されている。
【0048】また、圧電体12の中間高さ位置には、内
部電極16が形成されている。内部電極16は、圧電体
12を分極処理するために設けられている。すなわち、
分極に際し、内部電極16に相対的に高い電圧を、励振
電極に13,14に相対的に低い電圧を与えることによ
り、圧電体層12c,12dが図示の矢印で示すように
厚み方向に逆方向に分極処理される。
【0049】駆動に際しては、第1,第2の励振電極1
3,14間に交流電圧を印加することにより、すなわち
内部電極16を用いることなく駆動することなく、厚み
縦振動の2倍波TE2 を励振させることができる。
【0050】また、第2の実施例に係る厚み縦圧電共振
子11においても、振動減衰部が圧電体12の幅方向に
おいては振動部の両側に設けられず、共振部の圧電体1
2の長さ方向両側にのみ振動減衰部が設けられているた
め、小型の厚み縦圧電共振子を構成することができる。
加えて、比L/Dが9.0〜14.0の範囲とされてい
るので、それによっても圧電共振子11の小型化を図る
ことができ、かつ共振周波数と反共振周波数との間の不
要スプリアスを抑制することができる。
【0051】また、第1の実施例と同様に、内部電極1
6を有するため、並びに励振電極13,14が圧電体1
2の幅方向両側に至るように形成されているので、電気
的容量の増大を図ることができ、回路基板側の浮遊容量
による影響を受け難い。
【0052】(変形例)第1,第2の実施例は、何れも
厚み縦振動モードの2倍波を利用した圧電共振子1,1
1であるが、本発明に係る圧電共振子は、厚み縦振動モ
ードの2倍波以外の高調波を利用したものであってもよ
い。図7〜図9は、これらの他の高調波を利用した圧電
共振子を説明するための断面図であり、第1の実施例に
ついて示した図2に相当する図である。
【0053】図7は、厚み縦振動モードの3倍波を利用
したパラレル接続型厚み縦圧電共振子21を示す。すな
わち、圧電体2内に2枚の内部電極22,23を配置
し、矢印で示すように圧電体2を厚み方向に一様に分極
処理することにより、厚み縦振動モードの3倍波を利用
した圧電共振子21を構成することができる。
【0054】また、図8に示す厚み縦圧電共振子24
は、厚み縦振動モードの4倍波を利用したパラレル接続
型圧電共振子である。厚み縦圧電共振子24では、圧電
体2が厚み方向に一様に分極処理されており、内部に3
枚の内部電極25〜27が厚み方向に等間隔を隔てて配
置されており、それによって厚み縦振動モードの4倍波
が効果的に励振される。
【0055】図9(a)は、厚み縦振動モードの3倍波
を利用したシリーズ接続型の厚み縦圧電共振子28を示
す断面図である。厚み縦圧電共振子28では、圧電体1
2内に2枚の内部電極29,30が配置されており、圧
電体12内が3層の圧電体層12e〜12gに分割され
ており、これらの内部電極29,30を用いて分極処理
することにより、厚み方向において隣合う圧電体層が逆
方向となるように分極処理されている。従って、第1,
第2の励振電極13,14に交流電圧を印加することに
より、厚み縦振動モードの3倍波を励振することができ
る。
【0056】同様に、図9(b)は、厚み縦振動モード
の4倍波を利用したシリーズ接続型圧電共振子31を示
す断面図である。ここでは、圧電体12内に、3枚の内
部電極32〜34が配置されており、これらの内部電極
32〜34を用いて分極処理することにより、図示のよ
うに隣接する圧電体層が相互に逆方向になるように厚み
方向に分極処理されている。
【0057】従って、第1,第2の励振電極13,14
から交流電圧を印加することにより、厚み縦振動の4倍
波を利用した圧電共振子として動作させ得る。図7〜図
10に示した各厚み縦圧電共振子においても、上記のよ
うに、一方向のみに振動減衰部を有し、該一方向と直交
する方向において、圧電体の端部または端部近傍まで第
1,第2の励振電極が至るように第1,第2の励振電極
が形成されているので、小型の厚み縦圧電共振子を構成
することができる。また、いずれも、内部電極を有する
ため、電気的容量の増大を図ることができ、回路基板の
浮遊容量の影響を受け難い。
【0058】さらに、図7〜図10に示した各厚み縦圧
電共振子においても、比L/Dが、9.0〜14.0の
範囲とされているので、第1の実施例と同様に、共振周
波数と反共振周波数との間に表れるスプリアスを効果的
に抑制することができ、良好な共振特性を得ることがで
きる。
【0059】さらに、本発明に係る厚み縦圧電共振子で
は、第1,第2の励振電極のさらに外側に圧電体層が形
成されていてもよく、その場合には、第1,第2の励振
電極が内部励振電極の形態とされる。図10は、このよ
うな変形例を示す断面図であり、図1(b)に示した第
1の実施例に係る厚み縦圧電共振子1の変形例に相当す
る。
【0060】図10に示す厚み縦圧電共振子1Aでは、
第1,第2の励振電極3,4の外側に圧電体層2A,2
Bが形成されている。言い換えれば、第1,第2の励振
電極3,4は、内部電極6と同様に、圧電セラミックス
内に埋設された内部電極の形態とされている。その他の
点については、第1の実施例の厚み縦圧電共振子1と同
様である。従って、厚み縦圧電共振子1Aは、第1の実
施例に係る厚み縦圧電共振子1と同様の作用効果を発揮
する。なお、圧電体の厚みTは、励振電極3,4間の圧
電体層の厚みとなる。
【0061】なお、圧電体層2A,2Bの厚みがあまり
厚くなると、共振部の振動を阻害するため、圧電体層2
A,2Bの厚みは薄い方が好ましく、圧電体層2A,2
Bの厚みが薄い場合、共振部の振動は妨げられず、むし
ろ振動効率が高められることがある。
【0062】また、本変形例の厚み縦圧電共振子1Aで
は、励振電極3,4が内部電極の形態で構成されるの
で、周知の積層セラミックス一体焼成技術を用いて、第
1,第2の励振電極3,4及び内部電極6が埋設された
圧電体を作製することにより、容易に得ることができ
る。加えて、積層セラミックス一体焼成技術を用いた場
合、励振電極3,4を導電ペーストの印刷等により形成
することができるので、励振電極3,4を高精度に形成
することができ、それによっても共振特性の向上を図る
ことができる。
【0063】(第3の実施例)第3の実施例は、本発明
に係る厚み縦圧電共振子を用いた圧電共振部品について
の実施例である。
【0064】図11に示すように、本実施例の圧電共振
部品では、第1のケースとしてのコンデンサ基板41上
に、導電性接着剤42,43を介して第1の実施例に係
る厚み縦圧電共振子1が固定されている。
【0065】コンデンサ基板41は、誘電体セラミック
スなどの誘電体材料よりなる誘電体基板41aを用いて
構成されている。誘電体基板41aの外表面には、コン
デンサを構成するために、第1〜第3の電極41b〜4
1dが形成されている。電極41b,41dは、誘電体
基板41aの上面から側面に至るように形成されてい
る。電極41b,41dが、導電性接着剤42,43を
介して圧電共振子1に電気的に接続されている。この場
合、圧電共振子1は、その振動を妨げられないように、
誘電体基板41aの上面と所定の空隙を隔てた状態で導
電性接着剤42,43を用いて固定されている。
【0066】また、圧電体2の端面2a,2bの下辺が
その全長にわたり、導電性接着剤42,43により電極
41b,41dに接合されている。従って、圧電共振子
1を駆動した場合、共振周波数−反共振周波数間に表れ
るスプリアスを効果的に抑圧することができる。
【0067】なお、電極41cは、アース電位に接続さ
れる。従って、本実施例の圧電共振部品では、電極41
b〜41d間に、図10に示す回路が構成されることに
なる。よって、圧電共振子と2個のコンデンサを組み合
わせた圧電発振子を構成することができる。
【0068】なお、コンデンサ基板41の上面には、第
2のケース材としてのキャップ44が固定される。キャ
ップ44は、圧電共振子1を囲繞するようにして、第1
のケース材としてのコンデンサ基板41に絶縁性接着剤
を用いて固定されている。
【0069】もっとも、第1,第2のケース材について
は、上記コンデンサ基板41及びキャップ44に限定さ
れず、圧電共振子1を囲繞し得る適宜の構造のものを用
いることができる。
【0070】例えば、第1のケース材を上方に開口を有
する直方体の容器とし、該容器の開口内に圧電共振子1
を収納し、容器の開口を第2のケース材としての平板状
の蓋材により閉成し、圧電共振部品を構成してもよい。
【0071】(第4の実施例)図13(a)及び(b)
は、本発明の第4の実施例に係る厚み縦圧電共振子を示
す斜視図及び縦断面図である。
【0072】厚み縦圧電共振子51は、細長いストリッ
プ状の圧電体52を用いて構成されている。圧電体52
は、チタン酸鉛系セラミックスのような圧電セラミック
スで構成されている。
【0073】圧電体52は厚み方向に一様に分極処理さ
れている。また、圧電体52の上面には、第1の励振電
極53が、下面には第2の励振電極54が形成されてい
る。励振電極53は、圧電体52の一方端面52a側か
ら圧電体52の上面において他方端面52b側に向かっ
て、但し端面52bには至らないように延ばされてい
る。励振電極54は、圧電体52の下面において、端面
52b側から端面52a側に向かって、但し端面52a
には至らないように延ばされている。
【0074】従って、圧電体52の長さ方向中央部分に
おいて、励振電極53と励振電極54とが圧電体52を
介して表裏対向されている。なお、励振電極53は、圧
電体52の端面52aから下面に至る端子電極55に接
続されている。
【0075】駆動に際しては、第1,第2の励振電極5
3,54間に交流電圧を印加することにより、厚み縦振
動モードの3倍波が強く励振され、該3倍波を利用した
圧電共振子として動作させることができる。
【0076】なお、本実施例では、第1,第2の励振電
極53,54が圧電体52の長さ方向中央部分において
圧電体層を介して重なり合うように形成されている。従
って、第1,第2の励振電極53,54が重なり合って
いる部分において、エネルギー閉じ込め型の共振部が構
成され、この共振部が振動した場合のエネルギーは、共
振部と端面52a,52bとの間の圧電体部分で減衰さ
れる。
【0077】言い換えれば、上記共振部を中心として考
えると、圧電体52の長さ方向(第1の方向)のみに振
動減衰部が両側に設けられており、第1,第2の励振電
極は、長さ方向と直交する方向において、圧電板の端
部、すなわち長手方向に延びる端縁に至るように形成さ
れている。
【0078】この場合、第1,第2の励振電極53,5
4は、共振部においてのみ、圧電体52の全幅に至るよ
うに形成されておればよく、共振部外では、同じ幅に形
成されている必要は必ずしもない。例えば、励振電極5
3を例にとると、共振部においてのみ、励振電極53は
圧電体52の全幅に至るように形成されておればよく、
励振電極53の共振部より端面52a側の部分は、単に
励振電極を端子電極55に電気的に接続する部分である
ため、細い幅で形成されていてもよい。
【0079】本実施例の厚み縦圧電共振子51では、圧
電体の厚みをTとし、D=T/3とし、かつ圧電体52
の長さ方向(第1の方向)に沿う長さをLとしたとき
に、L/Dが、9.0〜14.0の範囲とされているこ
とにある。すなわち、第1の実施例の場合と同様に、比
L/Dが上記特定の範囲とされているので、共振周波数
と反共振周波数との間に表れる不要スプリアスを効果的
に抑圧することができる。これを、図14〜図16を参
照して説明する。
【0080】図14及び図15は、厚み縦圧電共振子5
1が厚み縦振動の3倍波で励振された場合、及び上記共
振周波数と反共振周波数との間のスプリアス振動の変位
分布を有限要素法で解析した結果を示す。図15から明
らかなように、上記スプリアス振動が生じた場合、圧電
体52の長さ方向両端において変位が大きくなることが
わかる。
【0081】そこで、圧電体52の長さ方向両端を保持
した場合、上記スプリアスを抑制し得るのではないかと
考えた。すなわち、圧電体52の端面52a,52bの
辺のうち、厚み縦振動と直交する方向の2辺、すなわち
上辺または下辺を保持すれば、上記スプリアス振動を抑
制し得るのではないかと考えた。
【0082】厚み縦圧電共振子51について、比L/D
を種々変更し、上記のように保持した場合のスプリアス
発生状況を測定した。結果を図16に示す。図16にお
ける縦軸は、共振周波数と反共振周波数との間に表れる
スプリアスの大きさを示すものであり、スプリアスが発
生している部分における最低位相値を示す。
【0083】図16の実線Eは、本実施例の厚み縦圧電
共振子を上記のように保持した場合の結果を示し、実線
Fは、厚み縦圧電共振子51を、端面52a,52bの
下辺ではなく、下辺よりも内側で保持した場合の結果を
示す。
【0084】実線E,Fの比較から明らかなように、本
実施例の厚み縦圧電共振子51を、端面52a,52b
の下辺で保持した場合、L/Dを9.0以上とすれば、
スプリアスを効果的に抑制し得ることがわかる。
【0085】すなわち、厚み縦圧電共振子51では、L
/Dを9.0以上、14.0以下とすることにより、上
記のような端面52a,52bの辺とうち、厚み縦振動
の振動方向と直交する方向に延びる2辺、すなわち上辺
または下辺により支持すれば、小型化を図り得るだけで
なく、良好な共振特性の得られることがわかる。
【0086】よって、本実施例の厚み縦圧電共振子51
では、比L/Dが9.0以上、14.0以下とされてい
る。また、厚み縦圧電共振子51においても、圧電体5
2の上下に、さらに圧電体層を形成し、励振電極53,
54を内部励振電極としてもよい。このような変形例を
図17に示す。
【0087】図17に示す変形例では、圧電体52の厚
み方向両側に圧電体層52A,52Bが形成されてお
り、それによって励振電極53,54が内部励振電極と
されている。この場合、圧電体の厚みTは、励振電極5
3,54間の圧電体層の厚みとなる。
【0088】なお、厚み縦圧電共振子51は、第1の実
施例に係る厚み縦圧電共振子1と同様に、第1,第2の
ケース材を用いてケースに収納し、圧電共振部品とする
ことができる。すなわち、図18に示すように、図11
に示した圧電共振部品において、厚み縦圧電共振子1に
代えて、厚み縦圧電共振子51を用いれば、同様に圧電
共振部品を構成することができる。
【0089】
【発明の効果】第1の発明に係る厚み縦圧電共振子で
は、矩形板状の圧電体と、圧電体の両面に形成された第
1,第2の励振電極と、内部電極とを有するので、内部
電極を有しない従来の厚み縦圧電共振子に比べて、内部
電極を有する分だけ電気的容量の増大を図ることがで
き、それによって取り付けられる回路基板などの浮遊容
量による悪影響を低減することができる。
【0090】加えて、比L/Dが9.0〜14.0の範
囲とされているので、小型化を図り得るだけでなく、第
1の方向両端において、厚み縦振動の高調波の振動方向
と直交する方向に沿う辺に沿って保持することにより、
共振周波数と反共振周波数との間に表れるスプリアスを
効果的に抑圧することができる。
【0091】よって、良好な共振特性を有する、厚み縦
振動モードの高調波を利用したエネルギー閉じ込め型厚
み縦圧電共振子を提供することができる。さらに、第1
の方向においてのみ、共振部の両側に振動減衰部が設け
られており、共振部の第1の方向と直交する方向におい
ては振動減衰部が設けられていないため、並びにL/D
が14以下とされているため、小型の厚み縦圧電共振子
とすることができる。
【0092】第2の発明に係る厚み縦圧電共振子は、矩
形板状の圧電体と、圧電体の両面に形成された第1,第
2の励振電極とを備え、比L/Dが9.0〜14.0の
範囲とされている。従って、L/Dが14以下であり、
かつ共振部の両側に、振動減衰部が設けられているが、
第1の方向と直交する方向においては共振部の両側に振
動減衰部が設けられていないため、小型の厚み縦圧電共
振子を提供することができる。
【0093】加えて、L/Dが9.0〜14.0の範囲
にあるため、圧電体の第1の方向両端において、第1の
方向と直交する方向に延びる辺に沿って保持することに
より、共振周波数と反共振周波数との間のスプリアスを
効果的に抑圧することができ、それによって良好な共振
特性を得ることができる。
【0094】従って、第2の発明によれば、小型であ
り、かつ良好な共振特性を有する、厚み縦振動の3倍波
を利用した圧電共振子を提供することができる。また、
第1,第2の発明においては、第1,第2の励振電極の
外側に圧電体層を設けてもよく、その場合には第1,第
2の励振電極が内部励振電極とされる。この場合には、
第1,第2の励振電極を積層セラミックス一体焼成技術
を用いて高精度に形成することができるので、共振特性
の精度を高めることができると共に、生産性を高めるこ
とが可能となる。
【0095】第1,第2の発明において、圧電体として
細長いストリップ状圧電体を用いた場合には、厚み縦圧
電共振子の幅方向寸法を小さくすることができ、厚み縦
圧電共振子の小型化をより一層進めることが可能とな
る。
【0096】第3の発明に係る圧電共振部品では、第
1,第2の発明に係る厚み縦圧電共振子を、第1,第2
のケース材からなるケースに収納してなるため、さら
に、共振子の振動を妨げない空間を隔てて厚み縦圧電共
振子が第1のケース材に接合されているので、不要スプ
リアスが少ない共振特性の良好な圧電共振子を用いて、
圧電共振部品を提供することが可能となる。
【0097】特に、第3の発明において、第1のケース
材が、誘電体基板と、誘電体基板に形成された複数の電
極とを有するコンデンサ基板であり、圧電共振子がコン
デンサ基板に構成されているコンデンサに電気的に接続
されているように構成した場合には、圧電共振子とコン
デンサとを組み合わせてなる容量内蔵型圧電発振子を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施例に
係る厚み縦圧電共振子の斜視図及び縦断面図。
【図2】厚み縦圧電共振子において、厚み縦振動の2倍
波を励振した場合の振動の変位分布を示す図。
【図3】厚み縦圧電共振子において共振周波数と反共振
周波数との間に表れるスプリアスとなる振動の変位分布
を示す図。
【図4】厚み縦圧電振動子において、比L/Dと、共振
周波数と反共振周波数との間に表れるスプリアスの大き
さ(位相値)との関係を示す図。
【図5】(a)及び(b)は、第1の実施例に係る厚み
縦圧電共振子の変形例を説明するための斜視図及び縦断
面図。
【図6】第2の実施例に係る厚み縦圧電共振子を示す斜
視図。
【図7】本発明の厚み縦圧電共振子の変形例を示す縦断
面図。
【図8】本発明の厚み縦圧電共振子の他の変形例を示す
縦断面図。
【図9】(a)及び(b)は、本発明に係る厚み縦圧電
共振子のさらに他の変形例を示す各縦断面図。
【図10】本発明に係る厚み縦圧電共振子のさらに他の
変形例を示す縦断面図。
【図11】本発明に係る圧電共振部品の一例を説明する
ための分解斜視図。
【図12】図11に示した圧電共振部品により構成され
る回路を示す回路図。
【図13】(a)及び(b)は、第4の実施例に係る厚
み縦圧電共振子の斜視図及び縦断面図。
【図14】第4の実施例の厚み縦圧電共振子における厚
み縦振動の3倍波を励振した場合の変位分布を示す図。
【図15】第4の実施例に係る厚み縦圧電共振子におい
て、共振周波数と反共振周波数との間に表れるスプリア
ス振動が生じた場合の変位分布を示す図。
【図16】第4の実施例に係る厚み縦圧電共振子におけ
る比L/Dと、共振周波数と反共振周波数との間に表れ
るスプリアス(位相値で示す)との関係を示す図。
【図17】第4の実施例に係る厚み縦圧電共振子の変形
例を示す断面図。
【図18】第4の実施例に係る厚み縦圧電共振子を用い
た圧電共振部品を説明するための分解斜視図。
【図19】従来の厚み縦圧電共振子の一例を説明するた
めの分解斜視図。
【図20】図19に示した厚み縦圧電共振子の断面図。
【図21】従来の厚み縦圧電共振子の他の例を説明する
ための斜視図。
【符号の説明】
1…厚み縦圧電共振子 2…圧電体 3,4…第1,第2の励振電極 6…内部電極 11…厚み縦圧電共振子 12…圧電体 13,14…第1,第2の励振電極 16…内部電極 21…厚み縦圧電共振子 22,23…内部電極 24…厚み縦圧電共振子 25〜27…内部電極 28…厚み縦圧電共振子 29,30…内部電極 31…厚み縦圧電共振子 32〜34…内部電極 41…コンデンサ基板 41a…誘電体基板 41b〜41d…電極 42,43…導電性接着剤 44…第2のケース材としてのキャップ 51…厚み縦圧電共振子 52…圧電体 52a,52b…端面 53,54…第1,第2の励振電極 55,56…端子電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J108 AA01 BB04 CC04 CC12 DD01 DD06 DD07 DD08 EE03 EE04 EE07 EE18 FF01 GG03 GG08 GG16 JJ02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振部の両側に振動減衰部を有し、厚み
    縦振動モードのN次高調波を利用した厚み縦圧電共振子
    であって、 矩形板状の圧電体と、 前記圧電体の両面に形成されており、圧電体を介して対
    向された第1,第2の励振電極と、 前記圧電体内に配置されており、圧電体層を介して第
    1,第2の励振電極と少なくとも部分的に対向された少
    なくとも1層の内部電極とを備え、 第1,第2の励振電極及び内部電極が厚み方向に重なり
    合っている部分により前記共振部が構成されており、共
    振部の両側の振動減衰部を結ぶ方向を第1の方向とした
    ときに第1の方向と直交する方向において圧電体の端部
    または端部近傍まで第1,第2の励振電極が至るように
    第1,第2の励振電極が形成されており、 前記圧電体の第1の方向における長さをL、前記圧電体
    の厚みをT、D=T/Nとしたときに、14.0≧L/
    D≧9.0とされていることを特徴とする、厚み縦圧電
    共振子。
  2. 【請求項2】 共振部の両側に振動減衰部を有する厚み
    縦振動モードの3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型
    厚み縦圧電共振子であって、 矩形板状の圧電体と、 前記圧電体の両面に形成されており、圧電体を介して対
    向された第1,第2の励振電極とを備え、 共振部の両側の振動減衰部を結ぶ方向を第1の方向とし
    たときに、第1の方向と直交する方向において圧電体の
    端部または端部近傍まで第1,第2の励振電極が至るよ
    うに第1,第2の励振電極が形成されており、 前記圧電体の第1の方向の長さをL、圧電体の厚みをT
    とし、D=T/3としたときに、14.0≧L/D≧
    9.0とされていることを特徴とする、厚み縦圧電共振
    子。
  3. 【請求項3】 前記圧電体の両面の外側に、それぞれ、
    圧電体層が形成されており、それによって第1,第2の
    励振電極が内部励振電極とされている、請求項1または
    2に記載の厚み縦圧電共振子。
  4. 【請求項4】 前記圧電体が細長いストリップ状圧電体
    により構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載
    の厚み縦圧電共振子。
  5. 【請求項5】 ケースを構成する第1,第2のケース材
    と、 振動を妨げないための空隙を確保した状態で第1のケー
    ス材に接合されている請求項1〜4のいずれかに記載の
    厚み縦圧電共振子とを備え、 前記第1のケース材に接合された厚み縦圧電共振子を囲
    繞するように、第2のケース材が第1のケース材に固定
    されていることを特徴とする、圧電共振部品。
  6. 【請求項6】 前記第1のケース材が、誘電体基板と、
    該誘電体基板に形成された複数の電極とを有するコンデ
    ンサ基板であり、前記圧電共振子がコンデンサ基板に構
    成されているコンデンサに電気的に接続されている、請
    求項5に記載の圧電共振部品。
JP10359428A 1998-12-17 1998-12-17 厚み縦圧電共振子及び圧電共振部品 Pending JP2000183683A (ja)

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