JP3461453B2 - 厚み縦圧電共振子及び圧電共振部品 - Google Patents
厚み縦圧電共振子及び圧電共振部品Info
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Description
振子等に用いられる圧電共振子及び圧電共振部品に関
し、より詳細には、厚み縦振動モードの高調波を利用し
た厚み縦圧電共振子及び圧電共振部品に関する。
タなどの種々の圧電共振部品に用いられており、この種
の圧電共振子としては、使用周波数に応じて種々の圧電
振動モードを利用したものが知られている。
縦振動モードの2倍波を利用したエネルギー閉じ込め型
圧電共振子が開示されている。この圧電共振子を、図2
2及び図23を参照して説明する。
示すように、圧電材料よりなるセラミックグリーンシー
ト61,62を積層し、一体焼成することにより得られ
ている。セラミックグリーンシート61上には、中央に
円形の励振電極63が形成されており、該励振電極63
は、引き出し電極64によりセラミックグリーンシート
61の端縁に引き出されている。また、セラミックグリ
ーンシート62の上面には、中央に円形の励振電極65
が形成されており、励振電極65は引き出し電極66に
よりセラミックグリーンシート62の端縁に引き出され
ている。また、セラミックグリーンシート62の下面に
は、下方に投影して示すように、励振電極67が形成さ
れており、励振電極67は引き出し電極68によりセラ
ミックグリーンシート62の端縁に引き出されている。
を積層し、厚み方向に加圧した後焼成することにより、
焼結体を得、該焼結体を分極処理することにより、図2
3により圧電共振子70が得られる。
が図示の矢印方向に、すなわち焼結体が厚み方向に一様
に分極処理されている。駆動に際しては、励振電極6
3,67を共通接続し、励振電極63,67と、励振電
極65との間で交流電圧を印加することにより、圧電共
振子70を共振させることができる。この場合、振動エ
ネルギーは、励振電極63,65,67が重なり合って
いる領域、すなわち共振部Aに閉じ込められる。
た圧電共振子70は、上記のようにエネルギー閉じ込め
型圧電共振子として構成されており、従って、共振部A
の周囲に振動を減衰させるための振動減衰部を必要とし
ていた。すなわち、共振部の面積に比べて大きな振動減
衰部を必要としていた。従って、圧電共振子70では小
型化を進めることが困難であった。
は、共振部の周囲に余分な圧電基板部分をあまり必要と
しない、ストリップ型の圧電セラミックスを用いたエネ
ルギー閉じ込め型圧電共振子が開示されている。
電基板81の上面に励振電極82aが、下面に励振電極
82bが形成されている。励振電極82a,82bは、
それぞれ、圧電基板81の一対の長辺に至るように、す
なわち全幅に至るように形成されており、かつ圧電基板
81の長さ方向中央において表裏対向されて共振部を構
成している。また、これらの励振電極82a,82b
は、それぞれ、圧電基板81の長さ方向端部81a,8
1bに至るように延ばされている。
励振した場合、圧電基板81の幅Wと厚みTの寸法関係
に起因する不要振動が発生する。そこで、特開平2−2
35422号公報では、基本波を利用する場合には、共
振周波数16MHzにおいてW/T=5.33付近とす
ればよいこと、3倍波を利用する場合には、共振周波数
約16MHzにおいてW/T=2.87付近とすれば、
共振周波数−反共振周波数間における不要スプリアスを
低減し得るとされている。
振動モードの2倍波を利用した特開平1−117409
号公報に開示されているエネルギー閉じ込め型圧電共振
子では、共振部の周囲に大きな振動減衰部を構成する必
要があるため、小型化が困難であるという問題があっ
た。
示されているエネルギー閉じ込め型圧電共振子では、共
振部の側方に振動減衰部を必要としないため、小型化を
果たし得るものの、実際に厚み縦振動モードの高調波を
利用しようとした場合には、共振周波数−反共振周波数
間のスプリアス以外に、様々な不要スプリアスが現れ、
有効な共振特性を得られないという問題があった。
示されている圧電共振子では、その電気的容量が比較的
小さく、回路基板の浮遊容量などの影響を受けやすかっ
た。よって、本発明の目的は、厚み縦振動モードの高調
波を利用した厚み縦圧電共振子であって、小型化を進め
ることができ、かつ電気的容量が大きく、回路基板の浮
遊容量などの影響を受け難く、所望でない不要スプリア
スの発生を効果的に抑制し得る良好な共振特性を有す
る、厚み縦圧電共振子及び圧電共振部品を提供すること
にある。
振子は、共振部の両側に振動減衰部を有する厚み縦振動
モードのN次高調波を利用した厚み縦圧電共振子であっ
て、矩形板状の圧電体と、前記圧電体の主面または内部
に形成された複数の励振電極とを備え、複数の励振電極
が厚み方向において圧電体層を介して重なりあって共振
部が構成されており、複数の前記励振電極が少なくとも
1層の内部励振電極を有し、前記共振部の両側の振動減
衰部を結ぶ方向を第1の方向としたときに、圧電体の第
1の方向の両端に形成されており、いずれかの励振電極
に電気的に接続された第1,第2の端子電極とを備え、
該第1,第2の端子電極が外部に接合される部分を構成
しており、前記内部励振電極と、該内部励振電極とは反
対側の電位に接続される端子電極との間の第1の方向に
沿う間隔をGi、圧電体の厚みをT、D=T/Nとした
ときに、Gi/D≧2.0とされていることを特徴とす
る。
子電極が、内部励振電極が形成されている高さ位置にお
いて、内部電極側に突出した内方突出部を有していても
よく、その場合には、間隔Giは、内部励振電極と、該
内部励振電極とは反対側の電位に接続される端子電極に
形成された内方突出部との間の間隔とされる。
する第1,第2のケース材と、第1のケース材に形成さ
れた複数の電極と、振動を妨げないための空隙を確保し
た状態で第1のケース材に接合されている上記の厚み縦
圧電共振子とを備え、前記第1のケース材に接合された
厚み縦圧電共振子を囲繞するように、第2のケース材が
第1のケース材に固定されていることを特徴とする。
しくは、第1のケース材が、誘電体基板と、該誘電体基
板に形成された複数の電極とを有するコンデンサ基板で
あり、前記厚み縦圧電共振子が、コンデンサ基板により
構成されているコンデンサに電気的に接続されている。
の理解の参考となる参考例を先に示し、その後本発明の
具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らか
にする。
は、本発明の第1の参考例に係る厚み縦圧電共振子を示
す斜視図及び縦断面図である。
状の圧電体2を用いて構成されている。圧電体2は、チ
タン酸鉛系セラミックスやチタン酸ジルコン酸鉛系セラ
ミックのような圧電セラミックスで構成されており、厚
み方向に一様に分極処理されている。
形成されており、下面には第2の励振電極4が形成され
ている。励振電極3,4は、圧電体2の一方の端面2a
から圧電体2の上面及び下面において他方端面2b側に
向かって延ばされている。
2aに形成された接続電極5により共通接続されてい
る。また、圧電体2の中間高さ位置には、内部電極6が
形成されている。内部電極6は、圧電体2の端面2bに
引き出されており、端面2bに形成された端子電極7に
電気的に接続されている。
3,4と、内部電極6との間に交流電圧を印加すること
により、厚み縦振動モードの2倍波が強く励振され、該
2倍波を利用した圧電共振子として動作させることがで
きる。
極3,4と、内部電極6とは、圧電体2の長さ方向中央
部分において圧電体層を介して重なり合うように形成さ
れている。従って、第1,第2の励振電極3,4と内部
電極6とが重なり合っている部分において、エネルギー
閉じ込め型の共振部が構成され、この共振部が振動した
場合のエネルギーは、共振部から端面2a,2b側の圧
電体部分で減衰される。
えると、圧電体2の長さ方向のみに振動減衰部が両側に
設けられており、第1,第2の励振電極は、長さ方向と
直交する方向(幅方向)において、圧電板の端部、すな
わち長手方向に延びる端縁に至るように形成されてい
る。この圧電体2の長さ方向を第1の方向とする。
6は、共振部においてのみ、圧電体2の全幅に至るよう
に形成されておればよく、共振部外では、同じ幅に形成
されている必要は必ずしもない。例えば、励振電極3を
例にとると、共振部においてのみ、励振電極3は圧電体
2の全幅に至るように形成されておればよく、励振電極
3の共振部より端面2a側の部分は、単に励振電極を接
続電極5に電気的に接続する部分であるため、より細い
幅で形成されていてもよい。
2の長さ方向においてのみ振動部の両側に振動減衰部が
設けられており、圧電体2の幅方向には振動減衰部が構
成されていない。従って、厚み縦圧電共振子1ではその
幅方向寸法を小さくすることができ、圧電共振子の小型
化を図ることができる。
内部電極6を圧電体層を介して積層した構造を有するた
め、内部電極を有しない従来の厚み縦圧電共振子80に
比べて電気的容量が大きくなり、回路基板の浮遊容量な
どによる影響を受け難い。
体2の幅方向両端に至るように形成されていることによ
っても、電気的容量が大きくなり、回路基板側の浮遊容
量による影響を受け難い。
妨げない空間を隔てて、端子電極5,7をケース基板な
どに接合し、厚み縦圧電共振子1を保持した場合、場合
によっては、共振周波数と反共振周波数との間の周波数
領域に、大きなスプリアスが発生することが認められ
た。
ように、共振周波数と反共振周波数との間の周波数域に
おいて、矢印Bで示す大きなスプリアスが見られること
があった。また、厚み縦圧電共振子の各寸法を種々異な
らせた場合、上記スプリアスBが余り発生しないことも
あった。すなわち、図2に位相−周波数特性で示すよう
に、共振周波数と反共振周波数との間の周波数領域にお
いてスプリアスの見られないこともあった。
れる相違点について、種々検討した結果、第1,第2の
励振電極3,4と、励振電極3,4とは反対側の電位に
接続される端子電極7との間の第1の方向に沿う間隔G
oを、特定の値とすれば、図2に示すように、スプリア
スを効果的に抑圧することを見出した。
励振電極3,4と端子電極7との間に生じる電界による
電歪効果のために、別の振動が発生し、共振周波数と反
共振周波数との間の周波数領域に大きなスプリアスが現
れる。そこで、上記比Go/Dを種々異ならせ、種々の
厚み縦圧電共振子を作成し、共振周波数と反共振周波数
との間に上記スプリアスがどの程度発生するかを調べ
た。結果を図4に示す。
は、共振周波数と反共振周波数との間に現れるスプリア
スBにおける位相値を示す。すなわち、図3に矢印Bで
示すスプリアスが現れている部分における最低位相値を
示す。
×厚み0.3mmのものを用いた。すなわち、T=0.
3mmであり、D=0.3/2=0.15mmである。
また、上記Dを0.15mmと一定とし、Goを種々異
ならせ、種々の厚み縦圧電共振子を得た。
0未満の場合には、共振周波数と反共振周波数との間に
現れるスプリアスBの最低位相値が急激に小さくなり、
従ってスプリアスBの大きさが急激に大きくなることが
わかる。逆に、Go/Dが2.0以上の場合には、共振
周波数と反共振周波数との間に現れるスプリアスはさほ
ど大きくならないことがわかる。よって、共振周波数と
反共振周波数との間に現れる上記スプリアスを抑圧する
には、比Go/Dを2.0以上とすればよいことがわか
る。
スプリアスBを抑圧する上では、特に限定されないが、
厚み縦圧電共振子1の小型化を図る上では、20以下と
することが望ましい。
Go/D=2.0の場合の特性であり、図3に示した特
性は、Go/D=1.5の場合の特性に相当する。すな
わち、図2及び図3から明らかなように、Go/Dを
2.0以上とすることにより、共振周波数と反共振周波
数との間に現れる不要スプリアスを効果的に抑圧するこ
とができ、良好な共振特性の得られることがわかる。
とは反対側の電位に接続される端子電極7との間の第1
の方向に沿う距離Goは、第1の参考例では、端子電極
7が圧電体2の上面及び下面にも至るように形成されて
いたので、上面または下面上における端子電極7の先端
と、第1,第2の励振電極3,4との間の第1の方向に
沿う距離とされている。
す変形例のように、端子電極7Aが端面2b上にのみ形
成されている場合には、間隔Goは、端子電極7Aと励
振電極3,4との間の第1の方向に沿う寸法となり、言
い換えれば、端面2bと励振電極3,4との間の第1の
方向に沿う寸法となる。
縦圧電共振子1では、圧電体2が厚み方向に一様に分極
処理されており、各層に加える印加電界が逆方向とされ
るパラレル接続タイプの圧電共振子を示したが、複数の
圧電体層を厚み方向に交互に逆方向に分極処理してなる
シリーズ接続型の圧電共振子としてもよい。このような
シリーズ型の厚み縦圧電共振子を、図6に示す。
い矩形板状のストリップ型圧電体12を用いて構成され
ている。圧電体12の上面には、第1の励振電極13が
形成されており、下面には第2の励振電極14が形成さ
れている。第1,第2の励振電極13,14は圧電体1
2を介して表裏対向されている。また、第1,第2の励
振電極13,14は、圧電体12の長さ方向、すなわち
第1の方向の中央部分において対向しており、この第
1,第2の励振電極13,14が対向している部分はエ
ネルギー閉じ込め型の共振部とされている。
極13,14は、それぞれ、圧電体12の端面12aま
たは端面12bに引き出されており、端面12a,12
bに形成された端子電極15,17に連ねられている。
なお、第1,第2の励振電極13,14は、共振部以外
の部分は圧電体12の全幅に至るように形成されておら
ずともよい。
見方を変えれば、圧電体12の長さ方向に振動減衰部を
有するエネルギー閉じ込め型の共振部を構成するため
に、該長さ方向と直交する方向において第1,第2の励
振電極13,14が圧電体12の長さ方向端縁に至るよ
うに形成されていることになる。
16が形成されている。この内部電極16は、圧電体1
2を分極処理するために設けられている。すなわち、分
極に際しては、内部電極16に相対的に高い電圧を、励
振電極13,14には相対的に低い電圧を与えることに
より、圧電体層12c,12dが図示の矢印で示すよう
に厚み方向に逆方向に分極処理される。
3,14間に交流電圧を印加することにより、すなわち
内部電極16を用いることなく駆動することにより、厚
み縦振動モードの2倍波TE2 を励振させることができ
る。
においても、振動減衰部が圧電体12の幅方向において
は振動部の両側に設けられず、振動部の圧電体12の長
さ方向、すなわち第1の方向の両側にのみ振動減衰部が
設けられているため、第1の参考例に係る厚み縦圧電共
振子1と同様に、小型の厚み縦圧電共振子を構成するこ
とができる。また、第1の参考例と同様に、内部電極1
6を有するため、並びに励振電極13,14が圧電体1
2の幅方向両端に至るように形成されているので、電気
的容量の増大を図ることができ、回路基板側の浮遊容量
による影響を受け難い。
においても、第1,第2の励振電極13,14と、反対
側の電極に接続される端子電極17,15との間の第1
の方向に沿う間隔をGoとしたときに、比Go/Dが
2.0以上とされており、それによって第1の参考例の
場合と同様に共振周波数と反共振周波数との間に現れる
スプリアスを効果的に抑圧することができ、良好な共振
特性を得ることができる。
厚み縦振動モードの2倍波を利用した圧電共振子1,1
1であるが、厚み縦振動モードの2倍波以外の高調波を
利用したものであってもよい。図7〜図9は、これらの
他の高調波を利用した圧電共振子を説明するための断面
図であり、第1の参考例について示した図1(b)に相
当する図である。
したパラレル接続型厚み縦圧電共振子21を示す。すな
わち、圧電体2内に2枚の内部電極22,23を配置
し、矢印で示すように圧電体2を厚み方向に一様に分極
処理することにより、厚み縦振動モードの3倍波を利用
した圧電共振子21を構成することができる。
24は、厚み縦振動モードの4倍波を利用したパラレル
接続型圧電共振子24を示す断面図である。厚み縦圧電
共振子24では、圧電体2が厚み方向に一様に分極処理
されており、内部に3枚の内部電極25〜27が厚み方
向に等間隔を隔てて配置されている。また、圧電体2の
下面には、励振電極3Aが形成されており、励振電極3
Aは端子電極5に接続されている。従って、厚み縦振動
モードの4倍波が効果的に励振される。
を利用したシリーズ接続型の厚み縦圧電共振子28を示
す断面図である。厚み縦圧電共振子28では、圧電体1
2内に2枚の内部電極29,30が配置されており、圧
電体12内が3層の圧電体層12e〜12gに分割され
ており、これらの内部電極29,30を用いて分極処理
することにより、厚み方向において隣合う圧電体層が逆
方向となるように分極処理されている。従って、第1,
第2の励振電極13,14に交流電圧を印加することに
より、厚み縦振動モードの3倍波を励振することができ
る。
波を利用したシリーズ接続型圧電共振子31を示す断面
図である。ここでは、圧電体12内に、3枚の内部電極
32〜34が配置されており、これらの内部電極32〜
34を用いて分極処理することにより、図示のように隣
接する圧電体層が相互に逆方向になるように厚み方向に
分極処理されている。
から交流電圧を印加することにより、厚み縦振動の4倍
波を利用した圧電共振子として動作させ得る。図7〜図
9に示した各厚み縦圧電共振子においても、上記のよう
に、第1の方向においてのみ共振部の両側に振動減衰部
を有し、該第1の方向と直交する方向において、圧電体
の端部または端部近傍まで第1,第2の励振電極が至る
ように第1,第2の励振電極が形成されているので、小
型の厚み縦圧電共振子を構成することができる。また、
いずれも、内部電極を有するため、電気的容量の増大を
図ることができ、回路基板の浮遊容量の影響を受け難
い。
共振子においても、上述した比Go/Dが2.0以上と
されているので、共振周波数と反共振周波数との間に現
れる不要スプリアスが効果的に抑圧され、それによって
良好な共振特性を得ることができる。
振子35では、第1,第2の励振電極3,4の外側に圧
電体層2A,2Bが積層されている。すなわち、厚み縦
圧電共振子35は、図1(a)及び(b)に示した厚み
縦圧電共振子1の変形例であり、ここでは、圧電体層2
A,2Bを設けることにより、第1,第2の励振電極
3,4が内部電極の形態で構成されている。
体2の端面2a,2b上だけでなく、圧電体2に圧電体
層2A,2Bを積層してなる積層体の上面及び下面に至
るように形成されている。その他の点については、厚み
縦圧電共振子1と同様に構成されている。
2の励振電極が形成されている面の外側に、さらに圧電
体層を積層し、第1、第2の励振電極3,4が内部電極
の形態とされていてもよい。この場合、圧電体層2A,
2Bの厚みがあまり厚くなると、振動効率が低下する
が、圧電体層2A,2Bの厚みが比較的薄い場合には、
共振部の振動効率はさほど低下しない。
部電極の形態で構成した場合には、周知の積層セラミッ
クス一体焼成技術を用いて、圧電体2、圧電体層2A,
2B並びに内部電極6及び励振電極3,4を形成するこ
とができる。従って、励振電極3,4を焼成前に導電ペ
ーストのスクリーン印刷により形成することができるの
で、励振電極3,4を高精度に形成することができると
共に、製造工程の簡略化を果たすことができる。
チップ型圧電共振部品の参考例を説明するための分解斜
視図である。本参考例のチップ型圧電共振部品では、図
1に示した厚み縦圧電共振子1が、第1のケース材とし
てのコンデンサ基板36上に、導電性接着剤37,38
を介して接合されている。コンデンサ基板36は、誘電
体セラミックスなどの誘電体材料よりなる矩形の誘電体
基板36aと、誘電体基板36aの外表面に形成された
複数の電極36b〜36dとを有する。コンデンサ基板
36では、電極36b,36dと36cとの間でそれぞ
れコンデンサが構成されている。
ないための空間を隔ててコンデンサ基板36に接合され
ている。この接合は、導電性接着剤37,38により、
端子電極5,7をそれぞれ、電極36b,36dに接合
することにより行われている。
示すように、電極36b〜36d間に、共振子と2個の
コンデンサとを有する回路が構成されている。よって、
単一の部品で負荷容量内蔵型圧電発振子を構成し得る。
に、コンデンサ基板36に、第2のケース材としてのキ
ャップ39が絶縁性接着剤を用いて接合される。なお、
本発明に係る圧電共振部品では、第1,第2のケース材
については、上記コンデンサ基板36及びキャップ39
を用いたものに限定されない。すなわち、第1のケース
材として、上方に開口が開いた容器本体を用意し、上記
容器本体内に厚み縦圧電共振子1を収納し、容器本体を
閉成する第2のケース材としての蓋材を第1のケース材
に接合してもよい。
は、本発明の第1の実施例に係る厚み縦圧電共振子を説
明するための斜視図及び縦断面図である。
は、内部電極6と同じ高さ位置において、端子電極5に
電気的に接続された内方突出部5aが端子電極5に電気
的に接続されるように形成されていること、並びに比G
o/Dではなく、比Gi/Dが2.0以上とされている
ことをのぞいては、第1の参考例の厚み縦圧電共振子1
と同様に構成されている。従って、厚み縦圧電共振子1
Aの他の構造については、第1の参考例の説明を援用す
ることにより省略する。
第1,第2の励振電極3,4と、反対側の電位に接続さ
れる端子電極7,5との間の間隔Goに対し、比Go/
Dを2.0以上とすることにより、共振周波数と反共振
周波数との間に現れる不要スプリアスの抑圧が図られて
いた。
部電極6と反対側の電位に接続される端子電極5との間
の間隔Giについても、比Gi/Dを調整することによ
り、上記スプリアスが抑圧されることを見出した。
と、反対側の電位に接続される端子電極5との間の第1
の方向に沿う間隔をGiとしたとき、比Gi/Dを種々
変更して、厚み縦圧電共振子を作製し、その共振特性を
調べた。結果を図14〜図16に示す。
3mmの圧電体2を用いて、D=0.3mm/2=0.
15mmとし、Giを種々異ならせた。その結果、図1
4に示すように、比Gi/D=0.2の場合には、共振
周波数と反共振周波数との間に大きなスプリアスCが認
められなかった。これに対して、図15に示すように、
比Gi/D=0.15の場合には、矢印Cで示すスプリ
アスが共振周波数と反共振周波数との間に現れた。
Dが2.0未満の場合、共振周波数と反共振周波数との
間に現れるスプリアスCの大きさが大きくなることが認
められるた。なお、図16における縦軸はスプリアスC
における最低位相値を示し、この位相値が小さい程スプ
リアスが大きいことを意味する。
は、内部電極6と、端子電極5の内方突出部5aの先端
との間の第1の方向に沿う間隔Giを、比Gi/Dが
2.0以上となるように選択することにより、第1の参
考例の場合と同様に、共振周波数と反共振周波数との間
に現れるスプリアスを抑圧することができ、良好な共振
特性が得られる。
スプリアスを抑圧するという観点からは特に制限されな
いが、圧電共振子1Aの小型化を図る上では、20以下
とすることが望ましい。
内方突出部5aが形成されていたため、間隔Giは、内
部電極6と内方突出部5aの先端との間の第1の方向に
沿う寸法とされていたが、内方突出部は設けられずとも
よい。
す厚み縦圧電共振子1Bを構成した場合には、間隔Gi
は、内部電極6と、端子電極5との間の第1の方向に沿
う寸法となる。この場合においても、Gi/Dを2.0
以上とすることにより、厚み縦圧電共振子1Aの場合と
同様に、共振周波数と反共振周波数との間に現れるスプ
リアスを効果的に抑圧することができる。
いて示したように、比Go/Dを2.0以上とし、さら
に本実施例のように比Gi/Dを2.0以上とすること
により、共振周波数と反共振周波数との間に現れるスプ
リアスをより効果的に抑圧することができる。
る、厚み縦圧電共振子の第2の実施例を示す斜視図であ
る。
板状のストリップ型圧電体42を用いて構成されてい
る。圧電体42内には、厚み方向に重なり合うように内
部励振電極43,44が形成されている。また、内部励
振電極43,44の間に、分極用の内部電極45が形成
されている。内部励振電極43は、圧電体42の長さ方
向一方端面42bに引き出されており、内部励振電極4
4は、圧電体42の他方端面42aに引き出されてい
る。内部励振電極43と内部励振電極44とが厚み方向
に重なり合っている部分が共振部を構成している。従っ
て、本実施例においても、圧電体42の長さ方向、すな
わち第1の方向においてのみ共振部の両側に振動減衰部
が構成されたエネルギー閉じ込め型圧電共振子が構成さ
れる。
シリーズ接続型の圧電共振子であり、分極用内部電極4
5の上方の圧電体層43cと、下方の圧電体層43dと
が、厚み方向において逆方向に分極処理されている。
端面42a,42bを覆うように形成されている。ま
た、端子電極15は、内方突出部15aを有し、内方突
出部15aは、内部励振電極43が形成されている高さ
位置において、内部励振電極43の先端と同一平面上で
対向するように形成されている。同様に、端子電極17
は、内方突出部17aを有し、内方突出部17aは、内
部励振電極44が形成されている高さ位置に形成されて
おり、内部励振電極44の先端と同一平面上において所
定距離を隔てて対向されている。
縦振動モードの2倍波を利用したシリーズ接続型の厚み
縦圧電共振子であるが、比Gi/Dが2.0以上とされ
ているので、第1の実施例と同様に共振周波数と反共振
周波数との間に現れるスプリアスが効果的に抑圧され
る。なお、間隔Giは、内部励振電極43と、内方突出
部15aとの間の第1の方向に沿う距離、あるいは内部
励振電極44と内方突出部17aとの間の第1の方向に
沿う距離とされる。
る厚み縦圧電共振子のさらに他の変形例を示す各縦断面
図である。
1に示した厚み縦圧電共振子1の励振電極3,4を内部
励振電極とするように圧電体52内に埋設した構造にお
いて、端子電極5,7に、それぞれ、内方突出部5a,
7a,7aを設けた構造に相当する。
いるのではなく、第1の実施例の場合と同様に励振電極
として構成されているものである。従って、本実施例に
おいても、内部励振電極6,53,54と、各内部励振
電極6,53,54とは反対側の電位に接続される端子
電極5,7との間の第1の方向に沿う間隔をGiとした
ときに、比Gi/Dを2.0以上とすることにより、上
述したスプリアスを効果的に抑圧することができる。こ
こでも、間隔Giは、内部電極6,53,54と、同一
平面上で対向している内方突出部5a,7a,7aとの
間の第1の方向に沿う間隔となる。
7及び図8(b)に示した厚み縦圧電共振子の変形例に
も相当するが、それぞれ、圧電体内に、第1,第2の励
振電極が内部励振電極の形態で埋設されている。また、
各内部励振電極と、該内部励振電極とは反対側の電位に
接続される端子電極5,7に、内方突出部5a,7aが
形成されている。図20及び図21に示した厚み縦圧電
共振子58,59においても、内部励振電極と、反対側
の電位に接続される端子電極もしくは端子電極内方突出
部との間の間隔をGiとしたときに、比Gi/Dを2.
0以上とすることにより、上記スプリアスを効果的に抑
圧することができ、良好な共振特性を得ることができ
る。
各厚み縦圧電共振子においても、第1の参考例の厚み縦
圧電共振子の場合と同様に、第1,第2のケース材を用
いて例えば図11に示した圧電共振部品を同様に構成す
ることができる。
形板状の圧電体と、少なくとも1層の内部励振電極を含
み、かつ圧電体層を介して厚み方向に重なり合うように
配置された複数の励振電極とを有するため、内部電極を
有しない従来の厚み縦圧電共振子に比べ、電気的容量の
増大を図ることができ、回路基板などの浮游容量による
悪影響を低減することができる。
両側に振動減衰部が設けられおり、長さ方向と直交する
方向においては振動部の両側に振動減衰部が設けられな
いため、長さ方向と直交する方向における厚み縦圧電共
振子の寸法を小さくすることができる。
いるので、共振周波数と反共振周波数との間に現れる不
要スプリアスを効果的に抑圧することができ、良好な共
振特性を得ることができる。
位置において、該内部励振電極とは反対側の電位に接続
される端子電極には、該励振電極と所定距離を隔てて対
向される内方突出部が設けられていてもよく、その場合
には、間隔Giは、内部励振電極と、該端子電極の内方
突出部との間の間隔とされる。この場合においても、比
Gi/Dを2.0以上とすることにより、共振周波数と
反共振周波数との間に現れるスプリアスを効果的に抑圧
することができる。
圧電体として細長いストリップ状圧電体を用いた場合に
は、幅方向寸法を小さくすることができ、より小型の厚
み縦圧電共振子を提供することができる。
2のケース材によりケースが構成され、本発明に係る厚
み縦圧電共振子が振動を妨げないための空隙を確保した
状態で第1のケース材に接合されており、かつ第2のケ
ース材が第1のケース材に接合された厚み縦圧電共振子
を囲繞するように第1のケース材に固定されている。従
って、プリント回路基板などに表面実装可能な電子部品
としての圧電共振部品を構成することができる。
により構成されており、厚み縦圧電共振子がコンデンサ
基板により構成されているコンデンサに電気的に接続さ
れている場合には、共振子とコンデンサとを電気的に接
続してなる圧電発振子を単一の部品で構成することがで
きる。
係る厚み縦圧電共振子を説明するための斜視図及び縦断
面図。
位相値−周波数特性を示す。
性を示す。
部分における最低位相値の変化を示す。
縦圧電共振子の変形例を説明するための斜視図及び縦断
面図。
を示す斜視図。
形例を示す縦断面図
共振子の参考例におけるさらに他の変形例を示す各縦断
面図。
る他の変形例を示す縦断面図。
ける他の変形例を示す縦断面図。
斜視図。
る回路構成を示す回路図。
に係る厚み縦圧電共振子を示す斜視図及び縦断面図。
る位相−周波数特性を示す図。
性を示す図。
Gi/Dと、共振周波数数と反共振周波数数との間に現
れるスプリアス部分の最低位相値の関係を示す図。
み縦圧電共振子を示す斜視図及び縦断面図
す斜視図。
変形例を示す縦断面図。
変形例を示す縦断面図。
を示す縦断面図。
めの分解斜視図。
ための斜視図。
Claims (5)
- 【請求項1】 圧電体の長さ方向において共振部の両側
に振動減衰部を有する厚み縦振動モードのN次高調波を
利用した厚み縦圧電共振子であって、 長さ方向及び幅方向を有する矩形板状の圧電体と、 前記圧電体の主面または内部に形成されており、かつ圧
電体の幅方向端部または該端部近傍に至るように設けら
れている複数の励振電極とを備え、 複数の励振電極が厚み方向において、厚み方向に分極さ
れた圧電体層を介して重なりあって共振部が構成されて
おり、 複数の前記励振電極が少なくとも1層の内部励振電極を
有し、 前記圧電体の長さ方向の両端に形成されており、いずれ
かの励振電極に電気的に接続された第1,第2の端子電
極とを備え、該第1,第2の端子電極が外部に接合され
る部分を構成しており、 前記内部励振電極と、該内部励振電極とは反対側の電位
に接続される端子電極との間の前記長さ方向に沿う間隔
をGi、圧電体の厚みをT、D=T/Nとしたときに、
Gi/D≧2.0とされていることを特徴とする、厚み
縦圧電共振子。 - 【請求項2】 前記端子電極が、内部励振電極が形成さ
れている高さ位置において、該内部励振電極の先端と所
定距離を隔てて前記長さ方向に沿って対向されている内
方突出部をさらに備え、前記間隔Giが、内部励振電極
と、該内部励振電極とは反対側の電位に接続される端子
電極の前記内方突出部との間の間隔である、請求項1に
記載の厚み縦圧電共振子。 - 【請求項3】 前記圧電体が細長いストリップ状圧電体
である、請求項1または2に記載の厚み縦圧電共振子。 - 【請求項4】 ケースを構成する第1,第2のケース材
と、第1のケース材に形成された複数の電極と、振動を
妨げないための空隙を確保した状態で第1のケース材に
接合されている、請求項1〜3のいずれかに記載の厚み
縦圧電共振子とを備え、前記第1のケース材に接合され
た厚み縦圧電共振子を囲繞するように、第2のケース材
が第1のケース材に固定されていることを特徴とする、
圧電共振部品。 - 【請求項5】 前記第1のケース材が、誘電体基板と、
該誘電体基板に形成された複数の電極とを有するコンデ
ンサ基板であり、前記厚み縦圧電共振子が、コンデンサ
基板により構成されているコンデンサに電気的に接続さ
れている、請求項4に記載の圧電共振部品。
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