JP2000159801A - 澱粉エステル - Google Patents

澱粉エステル

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JP2000159801A JP10334665A JP33466598A JP2000159801A JP 2000159801 A JP2000159801 A JP 2000159801A JP 10334665 A JP10334665 A JP 10334665A JP 33466598 A JP33466598 A JP 33466598A JP 2000159801 A JP2000159801 A JP 2000159801A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可塑剤レスで熱可塑化可能な熱可塑性プラス
チック材料として使用可能な澱粉エステルを提供するこ
と。 【解決手段】 同一澱粉分子の反応性水酸基の水素を、
炭素数2〜4の短鎖アシル基及び炭素数6〜18の長鎖
アシル基で置換した短鎖・長鎖混合澱粉エステル。長鎖
アシル置換度及び短鎖アシル基置換度を調整して、可塑
剤レスでも熱可塑化して成形加工可能としたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一澱粉分子上の
反応性水酸基がアシル基及びそれらの誘導体基(以下
「アシル基」という。)で置換させてなる澱粉エステル
に関する。さらに、生分解性の澱粉系プラスチック加工
品の主体ポリマーとして好適な澱粉エステルに関する。
【0002】ここでプラスチック加工品とは、プラスチ
ック組成物で全体又は部分が成形加工又は改質されてな
る成形加工品及び改質加工品を含むものであり、成形加
工には、射出成形、押出成形、インフレーション法、T
ダイ法、カレンダー加工、圧縮成形(プレス成形)、ト
ランスファー成形、注型法(キャスト)、積層法、真空
成形、吹込み成形(ブロー成形)、発泡成形、塗装、流
延、熱接着、延伸加工、等が含まれる(日本化学会編
「第5版化学便覧 応用化学編I」(平7−3−15)
丸善、p773表10.22参照)。したがって、成形
加工品には、立体形状を有する成形品ばかりでなくフィ
ルム、シート、さらには塗工紙等も含まれる。また、改
質加工品には、天然系材料からなる紙、不織布等に改質
剤として澱粉置換誘導体を添加する場合も含まれ、紙、
加工紙、不織布等が含まれる。
【0003】
【背景技術】本発明に関連する、基本的な澱粉の変性方
法としては、エステル化(アシル化)であり、それらの
反応により作られた澱粉エステルは、低置換度の水系反
応エステル化澱粉(澱粉エステル)として以前より知ら
れている。(“澱粉科学ハンドブック”株式会社朝倉書
店 p550) また、高置換度の澱粉エステル(エステル化澱粉)に関
しては、酸無水物をピリジン中でジメチルアミノピリジ
ンやアルカリ金属を触媒として反応させる方法(“スタ
ーチケミストリー&テクノロジー”ウィスラー著,Acad
emic Press発行、p332-336 )、酸無水物中でアルカリ
金属水酸化物水溶液を触媒として、100℃以上の高温
で反応させる方法(特表平5−508185及びDie St
arke1972の3月号p73等)、更には、非水有機溶媒中
で反応させる方法(特開平8−188601号公報)な
どが既に公知である。
【0004】上記で述べられた方法で作られた澱粉エス
テルは、近年、環境問題への意識が高まる中、各種の生
分解性プラスチック材料に使用されているが、通常の熱
可塑性プラスチック(熱可塑性樹脂)のような成形加工
性(例えば、射出成形性、押出性、延伸性等)を得るに
は、各種合成樹脂と混合使用するにしろ、また単独で成
形品やフィルムするにしても、汎用可塑剤(フタル酸エ
ステル系、脂肪酸酸エステル系)が必要であった。
【0005】また、この様に可塑剤を使用して製造して
も、射出成形品等の場合、耐衝撃性ポリスチレン(ハイ
インパクトポリスチレン)のような耐衝撃性を得難かっ
た。アイゾッド(Izod)衝撃強さ(ASTM D256 :−23
℃)で、1.8kgf・cm/cm(17.64J/m ) 以上の耐
衝撃性を有する成形品を得難かった。
【0006】また、インフレーションフィルムの場合、
ポリエチレンの様な良好な延伸性(引張伸び)を得るこ
とは困難であった。
【0007】特に、これらの傾向は、成形材料となるプ
ラスチック組成物(プラスチック材料)中の澱粉エステ
ルの割合が高くなると、顕著であった。
【0008】他方、これら衝撃強度や引張伸びを改善し
ようとして、澱粉エステル以外の生分解性樹脂(生分解
性ポリマー)を混合させた場合、澱粉エステルよりも当
該生分解樹脂の比率を高くしなければ、当該改善効果が
得られず、澱粉エステルベースの生分解性プラスチック
とは言い難いものとなる。
【0009】さらに、上記フタル酸エステル系や脂肪酸
エステル系等の可塑剤は、野菜や食物さらには動物の成
長に悪影響を与える環境ホルモンの疑いが持たれてい
る。したがって、特に、土中に廃棄する生分解性プラス
チックの場合、上記のような可塑剤の添加は、避けるべ
きである。
【0010】本発明は、上記にかんがみて、可塑剤レス
で又は可塑剤少量使用で熱可塑化可能な熱可塑性プラス
チック材料として使用可能な澱粉エステルを提供するこ
とを目的とする。
【0011】本発明の他の目的は、衝撃強度や引張伸び
に優れた熱可塑性プラスチック材料の調製が容易な澱粉
エステルを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】毎年生産される原料で枯
渇のおそれのない澱粉を使用し、可塑剤レス又は可塑剤
少量使用の安全な生分解性プラスチックを開発すべく、
本発明者は鋭意研究を行った結果、下記構成の新規な澱
粉エステルに想到した。
【0013】同一澱粉分子の反応性水酸基が、炭素数2
〜4のアシル基(以下「短鎖アシル基」という。)及び
炭素数6〜18のアシル基(以下「長鎖アシル基」とい
う。)で置換されてなり、長鎖アシル基置換度及び短鎖
アシル基置換度が調整されて可塑剤レスでも熱可塑化し
て成形加工可能とされていることを特徴とする。
【0014】ここで、澱粉エステルとしては、示差熱分
析によるガラス転移点(JIS K 7121:以下「ガラス転移
点」という。)が140℃以下、望ましくは130℃以
下を示すものが、成形加工性の見地から望ましい。ガラ
ス転移点の下限は、通常80℃、望ましくは100℃と
する。
【0015】上記成形加工性を有する又はガラス転移点
を示す澱粉エステルとしては、例えば、長鎖アシル基置
換度:0.06〜2.0、短鎖アシル基置換度:0.9
〜2.7で、かつ合計アシル基置換度:1.5〜2.9
5、であるものが、望ましくは長鎖アシル基置換度:
0.1〜1.6、短鎖アシル基置換度:1.2〜2.1
でかつ合計アシル基置換度:1.7〜2.9であるもの
が、上記各特性を容易に得られて好適である。
【0016】なお、本発明の澱粉エステルは生分解性樹
脂と混和させて澱粉エステル系のポリマーアロイとし
て、使用することもできる。この生分解性樹脂として
は、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、酢酸セルロースの
いずれかを特に好適に使用できる。
【0017】また、本発明の澱粉エステルは、当該澱粉
エステル又は該澱粉エステルと生分解性樹脂とが混和さ
れてなるポリマーアロイで全体又は部分を成形加工した
成形加工品とすることができる。
【0018】当該成形加工品は、吸水率(23℃水道水
に24時間浸漬後)0.5%以下で、かつ、アイゾッド
衝撃強さ1.8kgf・cm/cm 以上を示す射出成形品や、膜
厚100μm以下で、引張伸び(JIS K 6301)200%
以上を示すフィルムとすることができる。
【0019】さらに、本発明の澱粉エステルは、当該澱
粉エステルに又は該澱粉エステルと生分解性樹脂との混
和物であるポリマーアロイに有機質又は無機質の補強性
充填剤が添加したプラスチック組成物で、全体又は部分
を成形加工又は改質したプラスチック加工品とすること
ができる。
【0020】
【手段の詳細な説明】以下、本発明の手段について詳細
に説明する。ここで配合単位は特に断らない限り、重量
単位である。なお、以下の説明で、各化合物の後の括弧
内のCnは、アシル基対応炭素数がn個であることを意
味する。
【0021】ここで置換度DS(Degree of Substituti
on)とは、澱粉誘導体における反応性水酸基(3個:
2,3,6(又は4)位)のグルコース残基1個当たり
の置換水酸基の平均値を意味し、DS=3のとき反応性
水酸基の封鎖率(置換割合)は100%となる。
【0022】本発明者は前記課題を解決するために、鋭
意努力をした結果、前記課題を解決するには澱粉自体に
実用温度領域での熱可塑性を付与させることが重要であ
り、そのためには同一澱粉分子上に長鎖のアルキル基、
シクロアルキル基、アルキレン基、アリール基等の長鎖
炭化水素含有基を、短鎖のアルキル基、シクロアルキル
基、アルキレン基、アリール基等の短鎖炭化水素含有基
とともに結合させることが肝要であることを発見し、新
規な下記構成の澱粉エステルに想到した。
【0023】当該澱粉エステルは、概念的には下記構造
式で示されるものである。
【0024】
【化1】
【0025】(ただし、R1 :炭素数2〜4の短鎖アシ
ル基、R2 :炭素数6〜18の長鎖アシル基) 当該澱粉エステルの製造方法は、特に限定されないが、
下記構成の澱粉エステルの製造方法を使用して、容易に
製造することができる(特開平8−188601号公報
(特許第2579843号公報)参照)。
【0026】「ビニルエステルをエステル化試薬とする
澱粉エステルの製造方法であって、ビニルエステルとし
て、エステル基炭素数2〜18のものを用い、非水有機
溶媒中でエステル化触媒を使用して澱粉と反応させるこ
とを特徴とする澱粉エステル。」 すなわち、本発明の生分解性澱粉エステルは、非水有機
溶媒中でビニル化合物、酸無水物・酸ハロゲン化物、ア
ルキルケテンダイマー、ラクトン類から導入される長鎖
アシル基を、同様の化合物から導入される短鎖アシル基
とともに同一澱粉分子上の反応性水酸基の水素を置換さ
せるアシル化(エステル化)により容易に合成すること
ができる。
【0027】この様な手段により、 1 )これらの反応基により、加熱時に可塑剤レス又は可
塑剤少量使用で熱可塑性を有する澱粉エステルを合成で
き、 2 )それらの澱粉エステルは、該澱粉エステル以外の生
分解性樹脂との相溶性は既存の高度変性澱粉エステル
(前述の公知の方法により作成された)に比較して格段
に高く、 3 )該澱粉エステルを主体するプラスチック組成物で全
体又は部分が形成された成形加工品は、耐衝撃性(ハイ
インパクト)ポリスチレンと同様な耐衝撃性を有するも
のとなることが新たに判明した。
【0028】本発明の澱粉エステルの原料澱粉として
は、コーンスターチ、ハイアミローススターチ、小麦
澱粉、米澱粉などの地上系未変性澱粉、馬鈴薯澱粉、
タピオカ澱粉などの地下系未変性澱粉、及びそれらの
澱粉の低度エステル化・エーテル化・酸化・酸処理化・
デキストリン化された澱粉エステル、等を単独又は複数
併用して使用できる。
【0029】炭素数6〜18の長鎖アシル基を置換反応
により反応性水酸基上に導入するのに使用するアシル化
(エステル化)試薬としては、炭素数5〜17の長鎖炭
化水素基がカルボニル基に結合されたエステル化(アシ
ル化)反応部位(炭素数6〜18)を有するアルキルケ
テンダイマー、環状エステル(カプロラクトン類)、酸
無水物、酸ハロゲン化物又はビニル化合物等のうちから
選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
【0030】上記長鎖炭化水素基には、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルキレン基、アリール基等及びそれ
らの誘導体基を含み、誘導体基としては、アリールアル
キル基(aralykl )、アルキルアリール基(alkaryl
)、アルコキシアルキル基等を挙げることができ、さ
らには、本発明の効果に影響を与えない範囲内でヒドロ
キシアルキル基、アミノアルキル基等の活性水素基を含
むものも含まれる。
【0031】これらの化合物の内で、炭素数8〜14が
エステル化反応部位を有するエステル化試薬が、反応効
率及び取り扱いの上で好ましい。
【0032】アルキルケテンダイマーとしては、色々な
アルキル基が組み合わさって構成されているので、一般
式として表すと、
【0033】
【化2】
【0034】(ただし、R:炭素数5〜17のアルキル
基、アルキレン基、アリール基それらの誘導体基) 環状エステル(カプロラクトン類)としては、ε−カプ
ロラクトン(C6)、γ−カプリロラクトン(C8)、
γ−ラウロラクトン(C12)、γ−ステアロラクトン
(C18)、さらには、 一般式 (CH2)n COO(ただし、n=5〜17) で示されるの大環状ラクトン等を単独又は複数併用して
使用できる。
【0035】酸無水物及び酸ハロゲン化物としては、カ
プリル酸(C8)、ラウリン酸(12)、パルミチン酸
(C16)、ステアリン酸(C18)、オレイン酸(C
18)等のハロゲン化物又は無水物が使用可能である。
【0036】ビニル化合物としては、カプリル酸ビニル
(C8)、ラウリン酸ビニル(12)、パルミチン酸ビ
ニル(C16)、ステアリン酸ビニル(C18)、オレ
イン酸ビニル(C18)などの飽和又は不飽和脂肪族カ
ルボン酸ビニルエステルなどを、さらには、下記構造式
で示される分岐飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステルな
ど使用可能である。
【0037】
【化3】
【0038】(ただし、R1 、R2 、R3 は、全てアル
キル基でこれらの合計炭素数は4〜16である。) 非水極性有機溶媒としては、原料澱粉を溶解させ得るも
ので、具体的にはジメチルスルホキシド(DMSO)、
ジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジン等を、単独
又は複数併用して、さらには、それらに他の有機溶媒を
混合して使用できる。
【0039】また、エステル化(アシル化)触媒として
は 周期表中第5周期までに属する金属の水酸化物、
鉱酸塩、炭酸塩、有機化合物もしくはアルカリ金属アル
コキシド、有機物層間転移触媒、アミノ化合物の各
群の内から1種又は2種以上を選択して使用する。これ
らの内で、が反応効率及び触媒コストの見地から望ま
しい。
【0040】具体例としては、 水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム
などのアルカリ金属 水酸化物;酢酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナ
トリウムなどのアルカリ金属有機酸塩;水酸化バリウ
ム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化
物、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、p−ト
ルエンスルホン酸バリウムなどのアルカリ土類金属有機
酸塩;燐酸ナトリウム、燐酸カルシウム、亜硫酸水素ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウム、硫酸カリウム、アルミン
酸ナトリウム、亜鉛酸カリウムなどの無機酸塩;水酸化
アルミニウム、水酸化亜鉛などの両性金属水酸化物。
【0041】ジメチルアミノピリジン、ジエチルアミ
ノ酢酸などのアミノ化合物 N- トリメチル- N- プロピルアンモニウムクロリド、
N- テトラエチルアンモニウムクロリドなどの第四アン
モニウム化合物。
【0042】等が挙げられる。そして、これらの触媒を
使用するタイミング及び方法に関しては特に限定されな
い。
【0043】炭素数2〜4の短鎖アシル基を置換反応に
より反応性水酸基上に導入するのに使用するアシル化
(エステル化)試薬としては、炭素数1〜3の短鎖炭化
水素基がカルボニル基に結合されたエステル化(アシル
化)反応部位(炭素数2〜4)を有するアルキルケテン
ダイマー、環状エステル(カプロラクトン類)、酸無水
物、酸ハロゲン化物又はビニル化合物等のうちから選択
される1種又は2種以上を挙げることができる。
【0044】具体的には、下記のものを例示できる。こ
れらの化合物の内で、エステル化反応部位の炭素数2〜
3のアシル化試薬が、反応効率、微生物分解性及び取り
扱いの上で好ましい。
【0045】環状エステル(カプロラクトン類)として
は、γ−ブチロラクトン(C3)、及びβ−プロピオラ
クトン(C3)を単独又は併用して使用可能である。
【0046】酸無水物及び酸ハロゲン化物としては、酢
酸(C2)、プロピオン酸(C3)、ブタン酸(C4)
等のハロゲン化物又は無水物を、単独又は併用して使用
可能である。
【0047】ビニル化合物としては、酢酸ビニル(C
2)、プロピオン酸ビニル(C3)、ブタン酸ビニル
(C4)、アクリル酸ビニル(C3)、イソクロトン酸
ビニル(C4)などを使用可能である。
【0048】本発明における反応温度条件としては、特
に限定されないが、通常30〜200℃、好ましくは4
0〜150℃とする。これらの反応温度は概ね全ての化
合物に対して変更する必要はない。
【0049】澱粉上のエステル置換度(DS)に関して
は、長鎖アシル基の場合は、そのアシル基の長さによっ
て本発明の目的の一つとしての生分解性樹脂との混和性
に影響するが、炭素数が最大の長鎖アシル基の場合でも
DS0.05(反応性水酸基封鎖率2%)以下の置換度
では所定の特性を澱粉に持たせることは難しい。また、
炭素数最大のアシル基としては炭素数が19以上では反
応効率が極端に低下するするため、実際的ではない。
【0050】通常、長鎖アシル基DS:0.06〜2.
0(封鎖率:2〜67%)、短鎖アシル基DS:0.9
〜2.7(封鎖率:30〜90%)で、かつ合計アシル
基DS:1.5〜2.95(封鎖率:50〜98%)と
する。
【0051】長鎖アシル基置換度が最小、短鎖アシル基
置換度が最大の場合から、長鎖アシル基置換度が最大、
短鎖アシル基置換度が最小の場合まで生分解性樹脂との
混和性及び機械的物性上、極端な変化は見られない。そ
して、同じレベルの可塑剤レスの熱可塑化度を得るに
は、長鎖アシル基の炭素数の増大に対応してその置換度
が低くてよい。
【0052】したがって、上記数値範囲は、特別な臨界
的意義は有せず、上記範囲近傍でも本発明は、実施可能
である。
【0053】望ましくは、長鎖アシル基DS:0.1〜
1.6(封鎖率:3〜53%)、短鎖アシル基DS:
1.2〜2.1(封鎖率:40〜70%)で、かつ合計
アシル基DS:2.0〜2.9(封鎖率:67〜97
%)とする。
【0054】なお、短鎖アシル基の炭素数を4以下とし
たのは、炭素数2〜4の間では本発明における反応効率
に差が無いと言う実験結果に基づく。
【0055】澱粉のガラス転移点(JIS K 7121)に関し
ては、転移点(転移温度)が高くなるにつれて生分解樹
脂との相溶化が徐々に困難になり、通常、140℃以
下、望ましくは80〜130℃とする。140℃を超え
ると可塑剤無しでは相溶化が困難であることによる。な
お、可塑剤を使用した場合は、140℃を超えても相溶
化は可能であり、その場合でも、従来に比して、可塑剤
の使用量が少なくてすむ。
【0056】次に、本発明の澱粉エステルと混和させて
ポリマーアロイとする生分解性ポリマー(生分解性樹
脂)に関して述べる。
【0057】ここで、「混和(compability )」は、2
種以上の物質が均質に相互分散している状態をいい、2
種以上の物質が相互に「相溶性(miscibility) 」を有す
る場合に混合させて得られる状態ばかりでなく、相互に
「非相溶」であっても均質分散している状態も含む。
【0058】本発明の澱粉エステルは、前述のガラス転
移温度(ガラス転移点)からも容易に判断されるよう
に、油性の可塑剤を使用せずして熱可塑化が可能であ
る。更に、本発明の澱粉エステルは既存の生分解性樹脂
とブレンドするに際しても可塑剤を必要としない上に、
混和性も従来技術で製造された澱粉エステル、例えば高
置換度アセチル化澱粉(酢酸澱粉)などの澱粉エステル
と比較して、格段に向上している。
【0059】上記生分解性ポリマーとしては、下記天然
系(主としてセルロース系)又は合成系(重合物系)の
ものを好適に使用できる。
【0060】セルロース系:酢酸セルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシ
ブチルセルロース等 重合物系:ポリカプロラクトン(PCL:Polycaprol
actone)、ポリ乳酸(PLA:Polylacticacid )、ポリ
アジペート、ポリヒドロキシブチレート( ポリヒドロキ
シアルカノエート類) 、ポリヒドロキシブチレートバレ
エート(PHB/V)、琥珀酸−1 ,4 ブタンジオール
重合物等の生分解性ポリエステル又はポリアミド ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の
ポリアルキレンオキシド ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、
ポリアクリルアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルカル
バゾール、ポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体等のビニルポリマー 本発明の澱粉エステル又は上記ポリマーアロイをベース
ポリマーとしてプラスチック材料(澱粉エステル系組成
物)を調製する場合に、他の副資材とともに使用するフ
ィラー(充填剤)としては、下記各種フィラーが使用可
能である。
【0061】なお、フィラーの形態は、粉末状、顆粒
状、板状、柱状、繊維状、針状等、適宜、任意形態のも
のを選択できる。
【0062】無機系フィラー:タルク、酸化チタン、ク
レー、チョーク、ライムストーン、炭酸カルシウム、マ
イカ、ガラス、シリカ及び各種シリカ塩、ケイソウ土、
ウォールアストナイト、各種マグネシウム塩、各種マン
ガン塩など。
【0063】有機系フィラー:澱粉及び澱粉誘導体、セ
ルロース及びその誘導体、木粉、パルプ、ピカンファイ
バー、綿粉、穀物外皮、コットンリンター、木材繊維、
バガスなど、 合成系フィラー:ガラス繊維、尿素重合体、セラミック
など。
【0064】
【発明の作用・効果】本発明の澱粉エステル、即ち、同
一分子上にアルキル・アルキレン或いはアリールからな
る長鎖置換基と短鎖置換基をエステルタイプの結合によ
り有する澱粉エステルは、後述の実施例・比較例で支持
されるごとく、従来の澱粉エステルやその他の化工澱粉
又は未変性澱粉を可塑化するのに必要とされたエステル
系可塑剤を必要とせずに、熱可塑化して成形加工が可能
となる。
【0065】さらには、本発明の澱粉エステルは、驚く
べきことに従来の合成及び発酵ポリエステルなどの生分
解性ポリマーと非常に高い混和性を示し、製品要求性能
に応じた生分解性ポリマーアロイを調製することが可能
となる。
【0066】すなわち、本発明の澱粉エステルを使用す
れば、衝撃強度や引張伸びに優れた熱可塑性プラスチッ
ク材料(澱粉エステル系組成物)の調製が容易となる。
【0067】
【実施例】(1) 以下、本発明の効果を確認するために行
った実施例、比較例及び応用例について説明する。
【0068】<実施例1>ハイアミロースコーンスター
チ25gをジメチルスルホキシド(DMSO)200g
に懸濁させ、攪拌しながら90℃まで昇温し、20分間
その温度に保持して糊化させる。この溶液に重炭酸ナト
リウム20gを触媒として添加し、90℃を維持してラ
ウリン酸ビニル(C12)17gを添加し、その温度で
1時間反応させた。次に、更に酢酸ビニル(C2)37
gを添加して、同じく80℃で1時間反応させる。その
後、反応液を水道水中に流し込んで高速攪拌・粉砕を行
い、濾過・脱水乾燥して実施例1の澱粉エステルを調製
した。
【0069】<実施例2>実施例1において、ハイアミ
ロースコーンスターチの代わりに酸処理したレギュラー
コーンスターチを使用し、ラウリン酸ビニルの代わりに
ステアリン酸ビニル(C18)14gを使用した以外
は、同様にして実施例2の澱粉エステルを調製した。
【0070】<実施例3>実施例1において、ラウリン
酸ビニルの代わりにステアリン酸塩化物(C18)16
gを使用した以外は、同様にして実施例3の澱粉エステ
ルを調製した。
【0071】<実施例4>予備乾燥して水分1%以下に
した市販コーンスターチ100gとDMSO800gを
攪拌機付き2Lセパラブルフラスコに入れ、90℃に加
温し20分間保持して糊化させた。この溶液に臭化t−
ブチル5g、ヘキサデシルケテンダイマー(C17)5
32gを滴下後、系内を減圧してDMSOを還流させな
がら90℃で5時間反応させた。その後大気圧まで戻
し、無水酢酸126g・重炭酸ナトリウム103.8g
を滴下し、還流温度で1時間反応させた。未反応物・副
生物を流出させた後、水中で激しく攪拌しながら回収
し、生成物を5Lの水で合計5回繰り返し洗浄して、実
施例4の澱粉エステルを調製した。
【0072】<実施例5>実施例1において、ラウリン
酸ビニルの代わりに2,2−ジメチルトリデカン酸ビニ
ル(C15)18.5gを使用した以外は、同様にして
実施例5の混合エステルを調製した。
【0073】<実施例6>実施例1において、ラウリン
酸ビニルの代わりに、ヘキサン酸ビニル(C6)27を
使用した以外は、同様にして実施例6の澱粉エステルを
調製した。
【0074】<比較例1>実施例1において、酢酸ビニ
ル(C2)39.9gのみを使用した以外は、同様にし
て比較例1の澱粉エステル(酢酸澱粉)を調製した。
【0075】<比較例2>ハイアミロースコーンスター
チ25gをDMSO200gに懸濁させ、80℃まで昇
温し、20分間保持することにより糊化させる。この溶
液に副生する酸の中和用として重炭酸ナトリウム39g
を加えた後、反応温度の20℃まで冷却し、無水酢酸4
8gを、澱粉の加水分解を押さえる様に、反応温度を2
0〜25℃に維持しながら添加し、添加終了後、その温
度で1時間反応させる。その後、実施例1と同様にして
比較例2の澱粉エステルを調製した。
【0076】<比較例3>還流冷却器、滴下ロート及び
温度計を備えた1Lの4つ口フラスコにハイアミロース
スターチ46gを入れ、攪拌しながら無水酢酸150mL
を添加する。続いて、一定の還流が起こるまで加熱す
る。沸騰温度は約125℃であった。1〜2時間後、粘
度が上昇し、3〜4時間後には粘性の褐色がかった透明
な混合物が生じた。必要な反応時間である約5時間後、
酢酸5−10mLを118℃で分溜し、続いてエタノール
20mLを滴下して加えた。やや抑制した加熱で更に30
分間攪拌し、続いてエタノールと無水酢酸の反応により
生じた酢酸エチル及び酢酸からなる溶剤混合物を102
−105℃で分溜する。次いで、加熱を止め、混合物を
0.5〜1h冷却する。続いて、再度エタノール20mL
を滴下して加える。その後、メタノール約200mLで徐
々に沈殿させる。生成物をアルコールで何度も洗浄し、
吸引分離し、空気中で乾燥して比較例3の澱粉エステル
を調製した。
【0077】(2) 上記で調製した各実施例・比較例の澱
粉エステルについて下記各項目の試験を行った。
【0078】<試験1>長鎖・短鎖アシル基置換度(D
S)及びガラス転移点をそれぞれ下記方法で測定した。
【0079】(1) 長鎖・短鎖アシル基置度…ケン化法
(Genung & Mallet,1941)にSmith(1967) の方法に準じ
て測定した(「澱粉・関連糖質実験法」株式会社学会出
版センター、1986年10月10日発行、p291参照)。
【0080】上記方法におけるけん化物(アルカリ加水
分解物)について、液相から液体クロマトにより同時に
長鎖脂肪酸と短鎖脂肪酸の比率を分離定量して、長鎖・
短鎖アシル基の置換度を求めた。
【0081】(2) ガラス転移点…「示差走査熱量計DS
C−50」(島津製作所社製)を用いて、JIS K7121 に
準じて測定をした。
【0082】上記結果を表1に示すが、ほぼ同程度の水
酸基置換率であっても、長鎖アシル基が存在することに
よりガラス転移点は、長鎖アシル基が存在しない場合に
比較して格段に低くなる。このことは、可塑剤レスで熱
可塑化が可能であることを示唆している。
【0083】
【表1】
【0084】<試験2>各澱粉エステル100部に対し
て表示の生分解性ポリー30部を添加して混合(混合手
段:プラストミル)したコンパウンドを二軸形押出機
(L/D=32)を用いて40μmのフィルム(幅12
0mm)を押出して、該フィルムの透明性により各澱粉エ
ステルと生分解性ポリマーとの混和性(Compability)を
判定した。
【0085】なお、比較例の場合は、可塑剤としてトリ
アセチン(グリセロールトリアセテート)を澱粉エステ
ル100部に対して40部を添加して可塑化させた後、
個々の生分解性ポリマーと混合して熱可塑化させた。
【0086】また押出条件は、可塑化温度=170℃、
Tダイ温度=170℃、押出速度10m/分、吐出量3
kg/分である。
【0087】上記結果を表2に示すが、長鎖基を導入し
た実施例は全て透明性を示し混和性が高いと判断され
る。これに対して、短鎖基のみの比較例は、全て不透明
で可塑剤を使用しても混和性に劣ると判断される。
【0088】
【表2】
【0089】<試験3>各澱粉エステル100部(比較
例はトリアセチン20部を添加した後熱可塑化させて)
に対してPCL15部を混合熱可塑化させたポリマーア
ロイから試験片を調製して、各試験片の吸水率及びアイ
ゾッド衝撃強さをそれぞれ下記方法により測定した。
【0090】吸水率…射出成形したプラスチック円板
(径50mm×肉厚3mm)を、23℃の水道水に24時間
浸漬した後の吸水量を測定して求めた。
【0091】アイゾッド衝撃強さ…ASTM D256 に準じ
て、雰囲気温度−23℃で測定をした。
【0092】上記試験結果を表3に示すが、短鎖基とと
もに長鎖基を導入した実施例は、短鎖基のみの比較例に
比して、吸水率が格段に小さく(二桁近く異なる)とと
もに、アイゾッド衝撃強さも格段に大きいことが分か
る。
【0093】
【表3】
【0094】<試験4>各澱粉エステル100部(比較
例はトリアセチン40部を添加した後熱可塑化させて)
に対してPCL40部を混合熱可塑化させたポリマーア
ロイをインフレーション加工装置(吹き出し口径:10
0mm、円筒径:150mm)を用いて薄膜フィルムを作成
して、下記項目の特性を観察又は測定した。
【0095】インフレーション状況…目視観察をする。
【0096】フィルム厚さ…マイクロメータで5箇所測
定して平均値を求める。
【0097】フィルム引張伸び(EB )…JIS K 6301に
準じて測定した。
【0098】試験結果を表4に示すが、インフレーショ
ン法により薄膜フィルムを作成する場合、ブレンド樹脂
の場合には特に樹脂同志の相溶性の高さが要求される。
一見、均一にブレンドされているように見えても、相溶
性の無い樹脂同志では、薄膜化に際して溶融伸び・引張
り延びの不足から破断してしまう。このように、破断せ
ずに薄膜フィルムを作成できる特性をもつポリマーは、
その特性を持たないポリマーとは全く異なった物として
位置づけられる。
【0099】
【表4】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一澱粉分子の反応性水酸基の水素が、
    炭素数2〜4のアシル基(以下「短鎖アシル基」とい
    う。)及び炭素数6〜18のアシル基(以下「長鎖アシ
    ル基」という。)で置換されてなり、長鎖アシル基置換
    度及び短鎖アシル基置換度が調整されて可塑剤レスでも
    熱可塑化して成形加工可能とされていることを特徴とす
    る澱粉エステル。
  2. 【請求項2】 同一澱粉分子の反応性水酸基が、短鎖ア
    シル基及び長鎖アシル基で置換されてなり、反応性水酸
    基の合計アシル基置換度、長鎖アシル基置換度及び短鎖
    アシル基置換度が調整されて示差熱分析によるガラス転
    移点(JIS K7121:以下「ガラス転移点」という。)が
    140℃以下を示すものであることを特徴とする澱粉エ
    ステル。
  3. 【請求項3】 前記ガラス転移点が80〜130℃の範
    囲にあることを特徴とする請求項2記載の澱粉エステ
    ル。
  4. 【請求項4】 前記長鎖アシル基置換度:0.06〜
    2.0、前記短鎖アシル基置換度:0.9〜2.7で、
    かつ合計アシル基置換度:1.5〜2.95、であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の澱粉エステル。
  5. 【請求項5】 前記長鎖アシル基置換度:0.1〜1.
    6、前記短鎖アシル基置換度:1.2〜2.1で、かつ
    合計アシル基置換度:1.7〜2.9、あることを特徴
    とする請求項4記載の澱粉エステル。
  6. 【請求項6】 同一澱粉分子の反応性水酸基が、短鎖ア
    シル基及び長鎖アシル基で置換されてなる澱粉エステル
    と生分解性樹脂とが混和されてなり、可塑剤レスでも熱
    可塑化して成形加工可能なものであることを特徴とする
    澱粉エステル系ポリマーアロイ。
  7. 【請求項7】 前記生分解性樹脂が、ポリカプロラクト
    ン、ポリ乳酸及び酢酸セルロースからなる群のいずれか
    であることを特徴とする請求項6記載の澱粉エステル系
    ポリマーアロイ。
  8. 【請求項8】 同一澱粉分子の反応性水酸基が、短鎖ア
    シル基及び長鎖アシル基で置換されてなる澱粉エステ
    ル、又は、該澱粉エステルと生分解性樹脂とが混和され
    てなるポリマーアロイで全体又は部分が成形加工又は改
    質されてなることを特徴とする澱粉エステル系プラスチ
    ック加工品。
  9. 【請求項9】 吸水率(23℃水道水に24時間浸漬
    後)0.5%以下でかつアイゾッド衝撃強さ1.8kgf・
    cm/cm 以上を示す射出成形品であることを特徴とする請
    求項8記載の澱粉エステル系射出成形品。
  10. 【請求項10】 膜厚100μm以下で、引張伸び(JI
    S K 6301)200%以上を示すフィルムであることを特
    徴とする請求項8記載の澱粉エステル系プラスチック加
    工品。
  11. 【請求項11】 同一澱粉分子の反応性水酸基が、短鎖
    アシル基及び長鎖アシル基で置換されてなる澱粉エステ
    ルに、又は、該澱粉エステルと生分解性樹脂との混和物
    であるポリマーアロイに有機質又は無機質の補強性充填
    剤が添加されたプラスチック組成物で全体又は部分が成
    形加工されてなることを特徴とする澱粉エステル系プラ
    スチック加工品。
  12. 【請求項12】 短鎖アシル基及び長鎖アシル基をそれ
    ぞれ有する複数種のビニルエステルをエステル化試薬と
    して用い、非水有機溶媒中でエステル化触媒を使用して
    澱粉と反応させて請求項1又は2の澱粉エステルを合成
    することを特徴とする澱粉エステルの製造方法。
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