JP3008071B2 - エステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉 - Google Patents

エステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉

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JP3008071B2 JP7044487A JP4448795A JP3008071B2 JP 3008071 B2 JP3008071 B2 JP 3008071B2 JP 7044487 A JP7044487 A JP 7044487A JP 4448795 A JP4448795 A JP 4448795A JP 3008071 B2 JP3008071 B2 JP 3008071B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なエステル化ビニ
ルエステルグラフト重合澱粉及びその合成方法、該エス
テル化ビニルエステルグラフト重合澱粉を用いた生分解
性を有する熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年環境問題が討議される中で、各種の
生分解性プラスチック(熱可塑性樹脂組成物)の開発が
盛んである。
【0003】その中で、高度エステル化澱粉やビニルグ
ラフト化澱粉等の澱粉誘導体を使用する生分解性プラス
チックに関する提案も種々なされている。
【0004】なお、本発明の発明性に直接的な影響を与
えるものではないが、公知文献として下記のようなもの
が存在する。
【0005】エステル化澱粉の例としては、USP53
67067.PCT/US92/02003等があり、
他方、グラフト化澱粉の例としては、特開平5−125
101号、及び ”A New Bio-degradable Plastic Mad
e from Starch Graft Poly(methyl Acrylate )Copolym
er ”(Jouranal of Applied Polymer Science,Vol.2
2,459-465,1978)等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らが
知る限りにおいては、澱粉誘導体を使用する生分解性プ
ラスチックが実用化され上市された例を見聞しない。
【0007】その理由は、高度エステル化澱粉やビニル
グラフト化澱粉を使用した成形品等(成形品・フィルム
・シート・発泡体を言う。)について、本発明者らが、
物性試験を行った結果によれば、下記の如くであると推
定される。
【0008】成形品等に形成した場合において、脆く
実用化レベルの靱性を得難い。実用化レベルの靱性を得
ようとしたり、また軟質成形品を得ようとすると多量に
可塑剤を配合する必要がある(可塑剤の多量配合は強度
低下・物性の経時劣化等の問題を引き起こす)。
【0009】成形品等は、水分の影響を受け易く、即
ち、感水性が高く、耐水性・耐湿性・撥水性・耐水蒸気
透過性等の水環境下物性において実用化レベルのものを
得難い。
【0010】本発明は、上記にかんがみて、成形品等に
形成した場合において、可塑剤の無配合または少量配合
で成形品に所要の柔軟性及び実用化レベルの靱性を容易
に得ることができ、しかも、成形品に実用化レベルの水
分関連物性のものが容易に得られる澱粉誘導体及びその
合成方法並びに熱可塑性樹脂組成物を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、澱粉系生分解樹脂の研究開発に鋭意
努力をした結果、下記構成のエステル化ビニルエステル
グラフト重合澱粉及びその合成方法並びに熱可塑性樹脂
組成物に想到した。
【0012】(1) 請求項1〜2に係るエステル化ビニル
エステルグラフト重合澱粉は、エステル化と共に、ポリ
ビニルエステルのグラフト化がなされている澱粉であっ
て、前記エステル化の対応酸が、炭素数2〜18の飽和
・不飽和脂肪酸類、芳香族カルボン酸類の1種または2
種以上から選択され、前記ポリビニルエステルの対応酸
が、炭素数2〜18の飽和・不飽和脂肪酸、芳香族カル
ボン酸の1種または2種以上から選択されている、構成
を全部または要部とすることを特徴とする。
【0013】(2) 請求項3〜14に係るエステル化ビニ
ルエステルグラフト重合澱粉の合成方法は、エステル
化を、ビニルエステルをエステル化試薬とし、非水有機
溶媒中でエステル化触媒を使用して澱粉と反応させて行
うこと、及び/又はグラフト化を、ビニルエステルを
グラフト化試薬とし、ラジカル重合法により行うこと、
を構成の全部または要部とすることを特徴とする。
【0014】(3) 請求項15〜20に係る熱可塑性樹脂
組成物は、ベースポリマーの全部または一部が、請求項
1または2に記載のエステル化ビニルエステルグラフト
重合澱粉で構成され、副資材として生分解性可塑剤及び
/またはフィラーが配合されてなることを構成の全部ま
たは要部とすることを特徴とする。
【0015】
【手段の詳細な説明】
A.本発明のエステル化ビニルエステルグラフト重合澱
粉は、基本的には、エステル化と共に、ポリビニルエス
テルのグラフト化がなされている澱粉であって、エステ
ル化の対応酸が、炭素数2〜18の飽和・不飽和脂肪酸
類、芳香族カルボン酸類の1種または2種以上から選択
され、ポリビニルエステルの対応酸が、炭素数2〜18
の飽和・不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸の1種または
2種以上から選択されている構成である。
【0016】即ち、エステル化ビニルエステルグラフト
重合澱粉は、下記構造式で示されるものである。
【0017】
【化1】
【0018】 ここで Starch:澱粉分子残基 R:炭素数1〜17(望ましくは1〜7)のアルキル 基、アルケニル基、アリール基のいずれか R:水素またはアルキル基 R:OCOR、COOR :炭素数1〜17(望ましくは1〜7)のアルキル 基、アルケニル基、アリール基のいずれか なお、R、Rにおけるアルキル基としては、メチル
・エチル・プロピル・ブチル・オクチル・ドデシル・ス
テアリル等を、アルケニル基としては、アクリル・ヘキ
セニル・オクテニル等を、アリール基としてはベンジ
ル・p−トルイル・キシリル等を、それぞれ具体的に挙
げることができる。これらの内で、メチル・エチル・プ
ロピル・等のアルキル基がとくに好ましい。
【0019】(1) 通常、エステル化の置換度(DS)は
0.1〜2.8(望ましくは0.5〜2.5)であり、
ポリビニルエステルのグラフト化率が50wt%以下(望
ましくは5〜45wt%)とする。
【0020】ここで、エステル置換度が、0.1未満で
は吸湿性・成形性等の物性に改善効果が薄く、2.8を
超えると生分解性の速さが遅くなる。
【0021】グラフト化率が50wt%を越えると生分解
性の速さが遅くなる。
【0022】B.上記エステル化ビニルエステルグラフ
ト重合澱粉の合成方法は、特に限定されないが、下記方
法で合成することが望ましい。
【0023】即ち、当該好適な方法は、エステル化
を、ビニルエステルをエステル化試薬とし、非水有機溶
媒中でエステル化触媒を使用して澱粉と反応させて行う
こと、及び/又はグラフト化を、ビニルエステルをグ
ラフト化試薬とし、ラジカル重合法により行うこと、を
構成の全部または要部とするものである。
【0024】エステル化ビニルエステルグラフト重合澱
粉の原料澱粉としては、コーンスターチ、ハイアミロ
ースコーンスターチ、小麦澱粉等の地上茎未変性澱粉、
馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等の地下茎未変性澱粉、及
び、それらの澱粉の低度エステル化・エーテル化・酸
化・酸処理化・デキストリン化された化工澱粉、等を、
単独または複数併用して使用する。
【0025】また、エステル化及びグラフト化は、どち
らを先にしてもよく、グラフト化後エステル化、エステ
ル化後グラフト化等任意であり、さらには、市販のエス
テル化澱粉またはビニルエステルグラフト化澱粉を、そ
れぞれ、ビニルエステルを試薬としてグラフト化または
エステル化しても良い。また、グラフト化は、カップリ
ング法であっても良い。
【0026】 さらに、エステル化・グラフト化を水の
存在下で、ビニルエステルを、エステル化・グラフト化
試薬として澱粉と反応させて行うことも可能である。例
えば、水分散媒中でグラフト化後、脱水・洗浄・乾燥工
程を経ずに、そのまま連続的にエステル化を行うことも
できる(実施例6参照)。
【0027】(2) エステル化試薬としてのビニルエステ
ルとしては、エステル基炭素数2〜18(好ましくは炭
素数2〜7)のものを、単独または複数併用して使用す
る。エステル基炭素数が18を越えると、試薬有効率は
高くなるが、反応効率が低下する。また、エステル基炭
素数2〜7の範囲では、反応効率の面で高レベルを維持
できて(70%以上)望ましい。
【0028】具体的には、下記のものを例示でき(括弧
内はエステル基炭素数の数)、それらの内で、特に、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルが、高い反応効率の観点
から望ましい。
【0029】酢酸ビニル(C2)、プロピオン酸ビニ
ル(C3)、ブタン酸ビニル(C4)、カプロン酸ビニ
ル(C6)、カプリル酸ビニル(C8)、ラウリン酸ビ
ニル(C12)、パルミチン酸ビニル(C16)、ステ
アリン酸ビニル(C18)等の飽和;または、アクリル
酸ビニル(C3)、クロトン酸ビニル(C4)、イソク
ロトン酸ビニル(C4)、オレイン酸ビニル(C18)
等の不飽和の脂肪族カルボン酸ビニルエステル、 安息香酸ビニル、P−メチル安息香酸ビニル等の芳香
族カルボン酸のビニルエステル)を使用可能である。
【0030】(3) 非水有機溶媒の一方の態様は、ビニル
エステルを有機溶媒として使用する場合である。
【0031】この場合は、精製工程における特別な溶媒
回収工程は不要となる。なお、従来のビニルエステルを
使用したエステル化反応において、このような反応形式
は採用されていない。
【0032】また、この態様の場合、低分子量化の防止
効果及びビニルエステルの反応効率が向上して望ましい
一方、ビニルエステルが液状(加熱溶融したものを含
む。)のものに限られるとともに、若干の反応不均一性
を有する。
【0033】これに使用できるビニルエステルとして
は、前項記載のビニルエステルを挙げることができる。
【0034】(4) 非水有機溶媒の他方の態様は、反応試
薬であるビニルエステルを非水有機溶媒として使用でき
ない、または、使用しない場合である。
【0035】ビニルエステルの種類にとらわれず、反応
溶液濃度・反応速度の調整が容易である利点を有し、ビ
ニルエステルを有機溶媒として使用する場合に比して、
反応均一性が高い反面、ビニルエステルと溶媒との分離
回収を必要とする。
【0036】この場合の非水有機溶媒としては、ビニ
ルエステルをジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、ピリジン等の澱粉溶解性
の極性溶媒、又は、酢酸エチル・アセトン等の澱粉非
溶解性であって、また、ビニルエステル・生成エステル
化澱粉溶解性(但しビニルエステルと非反応性)の極性
溶媒を、単独または複数併用して使用することができ
る。
【0037】特に、DMSO、DMF、ピリジン等の澱
粉溶解性の非水有機溶媒が、反応効率、反応の均一性の
観点から望ましい。
【0038】(5)エステル化触媒としては、下記例示
の周期表中第5周期までに属する金属の水酸化物及び
/又は鉱酸塩もしくは炭酸塩、有機物層間転移触媒、
及び、アミノ化合物、の各群のいすれかから選択して
使用する。これらの内で、が反応効率及び触媒コスト
の観点から望ましい。
【0039】 苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化リチウ
ムなどのアルカリ金属水酸化物;酢酸ソーダ、プロピオ
ン酸ソーダ、p−トルエンスルホン酸ソーダなどのアル
カリ金属有機酸塩;水酸化バリウム、水酸化カルシウム
等のアルカリ土類金属水酸化物酢酸カルシウム、プロ
ピオン酸カルシウム、p−トルエンスルホン酸バリウム
等のアルカリ土類金属有機酸塩;燐酸ソーダ、燐酸カル
シウム、重亜硫酸ソーダ、重炭酸ソーダ、硫酸カリ等の
鉱酸塩アルミン酸ソーダ、亜鉛酸カリ、水酸化アルミ
ニウム、水酸化亜鉛等の両性金属の酸性塩や水酸化物
炭酸ソーダ、重炭酸カリウム等の炭酸塩。
【0040】ジメチルアミノピリジン、ジエチルアミ
ノ酢酸等のアミノ化合物。
【0041】N−トリメチル−N−プロピルアンモニ
ウムクロリド、N−テトラエチルアンモニウムクロリド
等の第4級アンモニウム化合物。
【0042】(6) 上記各種触媒は、製造に際して、予め
澱粉に含浸させておくことが、ビニルエステルを媒体と
する反応や澱粉を溶解させない非水媒体中で反応を行う
場合に、反応効率が向上して望ましい。
【0043】澱粉に触媒を含浸させる前処理の方法とし
ては、原料澱粉を触媒を含む水溶液や溶媒に漬ける方
法、溶媒を含む水溶液や溶媒と澱粉をニーダー等の混練
装置を使用して混ぜる方法、触媒を含む水溶液は、溶媒
と澱粉をドラムドライヤー等の澱粉のアルファー化装置
でアルファー化する方法、触媒を含む水溶液や溶媒と澱
粉をバッチクッカー又は連続クッカーで糊化含浸させる
方法等、各種の含浸方法が採用可能である。
【0044】(7) エステル化における反応温度条件は、
特に規定されないが、通常、30〜200℃、反応効率
の見地から望ましくは、60〜150℃とする。
【0045】従来の酸無水物を使用する反応において
は、澱粉の低分子量化(加水分解)を防ぐ目的で、40
℃以下の温度条件が採用されていたが、ビニルエステル
を使用する場合は、酸の副成がないため、それらより高
温で反応を行わすことができ、反応効率を増大できる。
【0046】エステル化試薬として使用するビニルエス
テルの使用量に関しては、原料澱粉1モルに対し、1〜
20倍モルとし、より好ましくは、3〜7倍モルとす
る。
【0047】またエステル化触媒の使用量は、通常、対
澱粉無水物当たり1〜30%とする。
【0048】<B−2>グラフト化: (1) グラフト化試薬としてのビニルエステルは、上記の
エステル化試薬に使用したものを使用できるが、それら
に加えて、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル
類も使用可能である。
【0049】グラフト化は、前記エステル化の前工程ま
たは後工程のいずれで行ってもよく、さらには、市販の
適宜置換度のエステル澱粉をグラフト化しても良い。
【0050】(2) ラジカル重合法としては、特に限定さ
れず、グラフト化試薬としてのビニルエステルモノマ
ーを溶媒として行う塊状重合、前記エステル化に使用
する非水有機溶媒中で行う溶液重合、水中で行う懸濁
重合、等任意である。
【0051】ここで、反応条件は、汎用の澱粉グラフト
化時の条件に準ずる。
【0052】例えば、塊状重合の場合、重合モノマー中
に澱粉を加え、ホモジナイザー等で均一化した後、昇温
し開始剤を添加して重合させる。
【0053】溶液重合の場合、澱粉をDMSO中に加
え、85℃で糊化させた後、重合モノマーを加えて昇温
し、開始剤を添加して重合させる。
【0054】懸濁重合の場合、澱粉と所定量の水でスラ
リーを作り、これに重合モノマーと乳化剤を加えて、ホ
モジナイザーで乳化した後、昇温し開始剤を添加して重
合させる。
【0055】(3) ラジカル重合開始剤としては、特に限
定されないが、過硫酸アルカリ、ジアシル過酸化物、ジ
アルキル過酸化物、アゾ化合物等のラジカル発生剤を使
用できる。具体的には、塊状重合の場合、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等を、溶液重合の
場合、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリ
ル、過硫酸アンモニウム等を、懸濁重合の場合、硝酸第
二セリウムアンモニウム、クメンヒドロペルオキシド、
過酸化アセチル等をそれぞれ例示できる。これらの内
で、特に、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸
化水素、硝酸第二セリウムアンモニウムが望ましい。そ
の添加量は、通常、対重合モノマーで0.1〜20.0
%とする。
【0056】なお、ラジカル重合開始剤と共に、助触媒
として、周期表中第5周期までに属する金属の水酸化物
及び/又は鉱酸塩もしくは炭酸塩を使用することが望ま
しい。その添加量は、通常、対重合モノマーで0.1〜
20.0%とする。 C.本発明の生分解性を有する熱可塑性樹脂組成物は、
ベースポリマーの全部または一部が、上記エステル化ビ
ニルエステルグラフト重合澱粉で構成され、副資材とし
て生分解性可塑剤及び/またはフィラーが配合されてな
ることを基本的構成とする。ここで、ベースポリマー中
のエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉の比率
は、5〜100wt%、望ましくは、25〜100wt%と
する。可塑剤の配合量は、通常、0〜60phr、望ま
しくは30phr以下とする。また、フィラー配合量
は、通常、0〜200phr、望ましくは0〜150p
hrとする。
【0057】(1)ベースポリマーとしてエステル化ビ
ニルエステルグラフト重合澱粉に混合するポリマーとし
ては、エステル及び/又はエーテル系澱粉誘導体、及
び、生分解性ポリエステル、セルロース誘導体、ポリビ
ニルアルコール、及びポリビニルエステル群から1種
または2種以上を選択して使用することが望ましい。さ
らに、ポリアミド系、ポリカーボネート、ポリウレタン
等の縮合重合物、ポリビニルエステル以外のビニルモノ
マー、ポリオレフィン、ポリアルキレンオキシド、及
び、生分解性ポリアルキレンオキシド、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、
エチレンメチルアクリレート共重合体、ABS樹脂、ス
チレンアクリロニトリル共重合体等も使用可能である。
【0058】具体的には、 生分解性ポリエステル:ポリカプロラクトン、ポリ乳
酸、ポリアジペート、ポリヒドロキシブチレート、ポリ
ヒドロキシブチレートパレエート等。
【0059】セルロース誘導体:酢酸セルロース、ヒド
ロキシセルロース、カルボキシアルキルセルロース等。
【0060】ポリビニルエステル:ポリ酢酸ビニル、ポ
リアクリロニトリル、ポリビニルカルバゾール、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、等。
【0061】ポリオレフィン:ポリエチレン、ポリイソ
ブチレン、ポリプロピレン、等。
【0062】ビニルポリマー(ポリビニルエステルを除
く):塩化ビニル、ポリスチレン。
【0063】ポリアルキレンオキシド:ポリエチレンオ
キシド、ポリプロピレンオキシド、等。
【0064】(2)生分解性可塑剤としては、フタル酸
エステル、芳香族カルボン酸エステル、脂肪族二塩基酸
エステル、脂肪酸エステル誘導体、リン酸エステル、ポ
リエステル系可塑剤、エポキシ可塑剤、及び高分子系可
塑剤のいずれかから1種または2種以上選択して使用
することが望ましい。
【0065】 具体的には、 フタル酸エステル:ジメチル、ジエチル、ジブチル、ジ
オクチル等のフタル酸エステル、エチルフタリルエチル
グリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート等 脂肪族二塩基酸エステル:オレイン酸ブチル、グリセリ
ンモノオレイン酸エステル、アジピン酸ブチル、アジピ
ン酸nヘキシル等 芳香族カルボン酸エステル:トリメリット酸トリオクチ
ル、ジエチレングリコールベンゾエート、オキシ安息香
酸オクチル等 脂肪酸エステル誘導体:スークロースオクタアセテー
ト、ジエチレングリコールジベンゾエートエキシ酸エス
テル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルクエン酸
トリエチル、トリアセチン、トリプロピオニン、ジアセ
チルグリセリン、グリセリンモノステアレート等 燐酸エステル:燐酸トリブチル、燐酸トリフェニル等 エポキシ可塑剤:エポキシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ
油、アルキルエポキシステアレート等 高分子系可塑剤:各種液状ゴム、テルペン類、リニアポ
リエステル等 (3)フィラーとしては、天然系無機質フィラーまたは
天然系有機質フィラーから1種または2種以上選択し
て使用する。
【0066】具体的には、 無機質フィラー:タルク、酸化チタン、クレー、チョー
ク、ライムストーン、炭酸カルシウム、マイカ、ガラ
ス、ケイソウ土、ウォールアストナイト、各種のシリカ
塩、マグネシウム塩、マンガン塩、ガラス繊維、各種セ
ラミック粉末等。
【0067】有機質フィラー:セルロース繊維や粉(誘
導体含む)、木粉、パルプ、ピーカンファイバー、綿
粉、穀物外皮粉、コットンリンター、木材繊維、バカス
等 D.用途:上記本発明のエステル化ビニルエステルグラ
フト重合澱粉及び熱可塑性樹脂組成物の用途としては、
下記の如く幅広い展開が可能である。
【0068】(1) エクストルダー、キャスト、ロール、
インフレーション等によるフィルム化、シート化する。
【0069】(2) 紙、シート、フィルム、不織布等の加
工に使用して、ラミネート製品、塗工製品を得る。
【0070】(3) 紙の製造工程のいずれかの段階で添加
して機能性を紙、紙加工製品に付与する。
【0071】(4) 不織布の製造工程のいずれかの段階で
添加して機能性を不織布、不織布加工製品に付与する。
【0072】 (5)水中にエマルジョン化、ディスパ
ージョン化して使用する。 (6)射出、押出し、ブロー、トランスファー、圧縮成
形等により中実ないし発泡体成形品を得る。
【0073】
【発明の作用、効果】本発明のエステル化、グラフト化
澱粉及びその合成方法並びに合成樹脂組成物は、後述の
実施例で支持される如く、成形品等に形成した場合にお
いて、可塑剤の無配合または少量配合で成形品に実用化
レベルの常態物性(乾燥強度)(特に耐衝撃性及び柔軟
性)を容易に得ることができ、しかも、成形品に実用化
レベルの水環境下物性も容易に得られる。
【0074】そして、上記効果に加えて(一部重複する
が) 1)成形品等の応力伸びが10%以上のものが容易に得
られる。
【0075】2)同じく水蒸気透過性が、格段に改良さ
れた。
【0076】3)熱可塑性樹脂組成物において、フィル
ム化させる為の、即ち、樹脂弾性率と可塑剤量との比較
において、可塑剤量が大幅に減少された。
【0077】4)同じく可塑剤の保持能力が格段に向上
した。
【0078】5)安価な鉱物質フィラー(例:タルク、
炭酸カルシウム等)を50wt%まで、良好な成形性を維
持しながら混合できるようになった。
【0079】6)射出成形品の曲げ弾性を下げ、可撓性
を与えることが出来た。と言う、新しい効果も見いださ
れた。しかも、生分解性は尚も確保されている。
【0080】これらの効果は、澱粉のアルコール性水酸
基を介して導入したアシル基(エステル)とグラフトポ
リビニルエステルとの存在が相乗して、分子量の増大と
ともに、適度な結晶性、内部可塑化効果、極性分布、さ
らには、ほとんどの澱粉アルコール性水酸基の封鎖等に
起因すると推定される。
【0081】
【実施例】以下に、本発明の効果を確認するために、比
較例と共に行った実施例について説明をするが、本発明
はそれらの実施例により、何等制約を受けるものではな
い。なお、以下の説明で配合単位を示す「部」は、とく
に断らない限り重量単位を意味する。
【0082】A−1.エステル化ビニルエステルグラフ
ト重合澱粉の調製(合成): [実施例1]図1に示す処方により、グラフト化をプロ
ピオン酸ビニルモノマーを用いて溶液重合により行って
エステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉を調製し
た。
【0083】[実施例2〜4]図2に示す処方により、
グラフト化を酢酸ビニルモノマーを用いて懸濁重合によ
り行ってエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉を
調製した。
【0084】[実施例5]図3に示す処方により、グラ
フト化を酢酸ビニルモノマーを用いて塊状重合により行
ってエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉を調製
した。
【0085】[実施例6]図4に示す処方により、グラ
フト化・エステル化を酢酸ビニルモノマーを用いて水の
存在化で行ってエステル化ビニルエステルグラフト重合
澱粉を調製した。 [比較例1]図5に示す処方により、プロピオン酸ビニ
ルモノマーを用いてエステル化澱粉を調製した。
【0086】[比較例2]図6に示す処方により、酢酸
ビニルモノマーを用いて懸濁重合でグラフト化澱粉を調
製した。
【0087】A−2.上記各実施例、比較例で調製した
生成物(澱粉誘導体)について、下記各項目の物性試験
を行った。その結果を表1に示す。
【0088】(1)グラフト重量:澱粉の水酸基に
エーテル結合により付加したポリ酢酸ビニルの全体に対
する重量 (2)ホモポリマー重量:グラフト重合時に、競争反
より合成されるポリ酢酸ビニルホモポリマーの全体
に対する重量 (3)置換度:澱粉中のグルコースユニットに存在する
全ての2,3,6位の反応性水酸基のうち、どれだけが
エステル結合に変わったを示す割合。置換度3が全て
変わった状態(100%)。
【0089】
【表1】
【0090】B−1.試験例: [試験例1]実施例3(アセチル化酢酸ビニルグラフト
化澱粉)、比較例1(高置換エステル化澱粉)、比較例
2(酢酸ビニルグラフト化澱粉)の各生成物(澱粉誘導
体)100部に対し、可塑剤(エチルフタリルエチルグ
リコレート:以下「EPEG」と略す)を、ほぼ同じレ
ベルの引張り弾性率を示すように、それぞれ表示部数配
合して各樹脂組成物を調製した。
【0091】該各樹脂組成物を、130℃でエクストル
ージョン後、射出成形してJIS標準のダンベル(1号
形小型試験片)、曲げ試験片、円盤を調製した。
【0092】これらの試験片を使い、下記項目を物性試
験を下記方法に従って行った。 (1) 引張弾性率、引張強度、破断時伸び、応力伸び…J
IS K7113 (2) 寸法変化(収縮率)…1号形小型試験片を40℃、
75%湿度に96時間保存後の寸法変化を保存前の寸法
に対して比率で表した。
【0093】(3) 吸湿性…1号形小型試験片を23℃、
75%湿度に96時間保存後の重量増加を保存前の重量
に対して比率で表した。
【0094】(4) 吸水性…上記1号形小型試験片を20
℃で冷水中に24時間浸漬した後の重量増加を保存前の
重量に対して比率で表した。(表面水分は除く) それらの試験結果を、表2に示すが、実施例3は、比較
例1、2に比して、同じレベルの引張弾性率を得るため
に、可塑剤の量が少なくて済むと共に、引張強度、靱性
等においても優れ、さらには、耐水性、吸水性等の水分
環境下物性も格段に向上していることが分かる。さら
に、成形品の後収縮も実施例3は小さいことが分かる。
【0095】
【表2】
【0096】[試験例2]実施例2(アセチル化酢酸ビ
ニルグラフト化澱粉)、比較例1、及び比較例2の各生
成物100部に対し、可塑剤(EPEG)を表3に示す
各部数配合してフィルムの伸び率が略同レベルとなるよ
うに、各樹脂組成物を調製した。
【0097】該各樹脂組成物を、130℃でエクストル
ージョンして、厚さ30μのフィルムを作成する。
【0098】このフィルムを坪量125g/m2 の両晒
クラフト紙にヒートシールラミネートを行ってラミネー
トを行ってラミネート紙を調製する。
【0099】該ラミネート紙を用いて、下記項目を物性
試験を下記方法に従って行った。 (1) 水蒸気透過性…JIS Z0208 (2) 耐水性…コブ法(60分接触)、JIS P814
0 (3) 耐折強度……JIS P8114(この、耐折強度
はフィルムの可塑剤保持力の尺度となる。) それらの試験結果を表3に示すが、実施例2は、比較例
1、2に比して、耐水蒸気透過性、耐水性等の水分環境
下物性も格段に向上していることが分かる。さらに、可
塑剤保持性も実施例2は、比較例1、2のいずれに比し
ても格段に高いことが分かる。
【0100】
【表3】
【0101】[試験例3]実施例1(プロピオニル化プ
ロピオン酸ビニルグラフト澱粉)、比較例1及び比較例
2の各生成物に100部に対して、可塑剤(トリアセチ
ン)及びフィラー(タルク)を表4に示す各部数配合し
て各樹脂組成物を調製した。
【0102】該各樹脂組成物を、射出成形によりJIS
標準曲げ試験片(JIS K7203)を調製し、各試
験片について曲げ強度と曲げ弾性率を測定した。
【0103】成形条件:温度=165℃、射出圧=1次
(65%)2次(35%)3次(30%)、射出成形機
=日精樹脂工業製PS−40 それらの試験結果を表4に示すが、実施例1は、比較例
1、2に比して、無機質フィラーを多量に配合でき、か
つ、等量フィラー配合においては、曲げ弾性率が小さ
く、剛さの低い成形品が得易いことが分かる。
【0104】
【表4】
【0105】[試験例4]実施例4(アセチル化酢酸ビ
ニルクラフト澱粉)、比較例1のそれぞれ1gを20g
の頁岩土壌に混ぜ、最大容水量60%となるように水を
加え、炭酸ガス発生量測定装置を使って、25℃で、分
解により発生する炭酸ガス量を測定して生分解性の試験
を行った。
【0106】それらの試験結果を表5に示すが、実施例
1は、比較例1と同様、生分解性が維持されていること
が分かる。
【0107】
【表5】
【0108】[試験例5]実施例4(アセチル化酢酸ビ
ニルクラフト澱粉)及び比較例1の各生成物について、
ガラス転移点を「島津熱流束示差走査熱量計DSC−5
0」で、下記条件により分析した。
【0109】条件…サンプル量:8.600mg 、セル:アル
ミニウム、 ガス種類/流量:窒素/50.00mL/min 加熱速度:10℃/min 、ホールド温度:220℃ それらの試験結果を表6に示すが、実施例1は、比較例
1ではガラス転移点が177.86〜184.31℃に
のみ有るのに対してガラス転移温度が低温側にも存在
し、可塑剤なしでも成形可能であることが分かる。
【0110】
【表6】
【0111】オンセット:開始温度 エンドセット:転移終了温度
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のエステル化ビニルエステルグラフト
重合澱粉の調製処方を示す流れ図
【図2】実施例2〜4のエステル化ビニルエステルグラ
フト重合澱粉の調製処方を示す流れ図
【図3】実施例5のエステル化ビニルエステルグラフト
重合澱粉の調製処方を示す流れ図
【図4】実施例6のエステル化ビニルエステルグラフト
重合澱粉の調製処方を示す流れ図
【図5】比較例1のエステル化澱粉の調製処方を示す流
れ図
【図6】比較例2のグラフト化澱粉の調製処方を示す流
れ図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川松 哲也 愛知県碧南市玉津浦町1番地 日本コー ンスターチ株式会社 開発研究所内 (72)発明者 田中 浩 愛知県碧南市玉津浦町1番地 日本コー ンスターチ株式会社 開発研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 31/02

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル化と共に、ポリビニルエステル
    のグラフト化がなされている澱粉であって、 前記エステル化の対応酸が、炭素数2〜18の飽和・不
    飽和脂肪酸類、芳香族カルボン酸類の1種または2種以
    上から選択され、 前記ポリビニルエステルの対応酸が、炭素数2〜18の
    飽和・不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸の1種または2
    種以上から選択されている、 ことを特徴とするエステル化ビニルエステルグラフト重
    合澱粉。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記エステル化の置
    換度(DS)が0.1〜2.8であり、前記ポリビニル
    エステルのグラフト化率が50wt%以下であることを特
    徴とするエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のエステル化ビ
    ニルエステルグラフト重合澱粉を合成する方法であっ
    て、 前記エステル化を、ビニルエステルをエステル化試薬と
    し、非水有機溶媒中でエステル化触媒を使用して澱粉と
    反応させて行うことを特徴とするエステル化ビニルエス
    テルグラフト重合澱粉の合成方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記ビニルエステル
    が液状(加熱溶融したものを含む。)のとき、前記非水
    有機溶媒として該ビニルエステルを使用することを特徴
    とするエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉の合
    成方法。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記非水有機溶媒
    が、 澱粉溶解性の有機溶媒、及び/又は 澱粉非溶解性であって、ビニルエステル・澱粉エステ
    ル溶解性(相溶性)の有機溶媒、 であることを特徴とするエステル化ビニルエステルグラ
    フト重合澱粉の合成方法。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかにおいて、前記
    エステル化触媒が、 周期表中第5周期までに属する金属の水酸化物及び/
    又は鉱酸塩もしくは炭酸塩、ジメチルアミノピリジン
    等の有機物層間転移触媒、及び、第4級アンモニウム
    塩等のアミノ化合物、の各群のいずれからか選択される
    ことを特徴とするエステル化ビニルエステルグラフト重
    合澱粉の合成方法。
  7. 【請求項7】請求項3〜6のいずれかにおいて、前記エ
    ステル化触媒を、原料澱粉に予め含浸させておくことを
    特徴とするエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉
    の合成方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載のエステル化ビ
    ニルエステルグラフト重合澱粉の合成方法において、 前記グラフト化を、ビニルエステルをグラフト化試薬と
    し、ラジカル重合法により行うことを特徴とするエステ
    ル化ビニルエステルグラフト重合澱粉の合成方法。
  9. 【請求項9】 請求項3〜8において、前記グラフト化
    を、前記エステル化の前工程または後工程として行うと
    ともに、ビニルエステルをグラフト化試薬としてラジカ
    ル重合法により行うこと、を特徴とするエステル化ビニ
    ルエステルグラフト重合澱粉の合成方法。
  10. 【請求項10】 請求項1または2に記載のエステル化
    ビニルエステルグラフト重合澱粉を合成する方法であっ
    て、 前記エステル化・グラフト化を水の存在下で、ビニルエ
    ステルを、エステル化・グラフト化試薬として澱粉と反
    応させて行うことを特徴とするるエステル化ビニルエス
    テルグラフト重合澱粉の合成方法。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれかにおいて、
    ラジカル重合開始剤と共に、助触媒として、周期表中第
    5周期までに属する金属の水酸化物及び/又は鉱酸塩も
    しくは炭酸塩を使用することを特徴とするエステル化ビ
    ニルエステルグラフト重合澱粉の合成方法。
  12. 【請求項12】 請求項8〜11のいずれかにおいて、
    ラジカル重合開始剤が、過硫酸アルカリ、ジアシル過酸
    化物、ジアルキル過酸化物、アゾ化合物、セリウム系開
    始剤、過酸化水素のいずれかから1種または2種以上選
    択されることを特徴とするエステル化ビニルエステルグ
    ラフト重合澱粉の合成方法。
  13. 【請求項13】 請求項8〜9・11〜12のいずれか
    において、前記ラジカル重合法を前記ビニルエステルモ
    ノマーを溶媒として塊状重合により行うことを特徴とす
    るエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉の合成方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項8〜9・11〜12のいずれか
    において、前記ラジカル重合法を、前記エステル化に使
    用する非水有機溶媒中で、溶液重合により行うことを特
    徴とするエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉の
    合成方法。
  15. 【請求項15】 請求項8〜9・11〜12のいずれか
    において、ラジカル重合法を水中で、懸濁重合により行
    うことを特徴とするエステル化ビニルエステルグラフト
    重合澱粉の合成方法。
  16. 【請求項16】 請求項8〜13のいずれかにおいて、
    前記グラフト化時のラジカル重合の競争反応で発生する
    ホモポリビニルエステルの生成物中の組成が45wt%
    下であることを特徴とするエステル化ビニルエステル
    グラフト重合澱粉の合成方法。
  17. 【請求項17】 生分解性を有する熱可塑性樹脂組成物
    において、 ベースポリマーの全部または一部が、請求項1または2
    に記載のエステル化グラフト化澱粉で構成され、副資材
    として生分解性可塑剤及び/またはフィラーが配合され
    てなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 請求項17において、前記ベースポリ
    マーとしてエステル化グラフト化澱粉に混合されるポリ
    マーが、エステル及び/又はエーテル系澱粉誘導体、及
    び、それぞれ生分解性ポリエステル、セルロース誘導
    体、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステルの群か
    ら1種または2種以上が選択されることを特徴とする熱
    可塑性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 請求項17または18において、前記
    生分解性可塑剤として、フタル酸エステル、芳香族カル
    ボン酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、脂肪酸エス
    テル誘導体、リン酸エステル、ポリエステル系可塑剤、
    エポキシ可塑剤、及び高分子系可塑剤のいずれかから
    種または2種以上が選択されることを特徴とする熱可塑
    性樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 請求項17〜19のいずれかにおい
    て、前記フィラーとして、天然系無機質フィラー、天然
    系有機質フィラー、及び合成系フィラーのいすれかから
    1種または2種以上が選択されることを特徴とする熱可
    塑性樹脂組成物。
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