JP3008071B2 - エステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉 - Google Patents
エステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉Info
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Description
ルエステルグラフト重合澱粉及びその合成方法、該エス
テル化ビニルエステルグラフト重合澱粉を用いた生分解
性を有する熱可塑性樹脂組成物に関する。
生分解性プラスチック(熱可塑性樹脂組成物)の開発が
盛んである。
ラフト化澱粉等の澱粉誘導体を使用する生分解性プラス
チックに関する提案も種々なされている。
えるものではないが、公知文献として下記のようなもの
が存在する。
67067.PCT/US92/02003等があり、
他方、グラフト化澱粉の例としては、特開平5−125
101号、及び ”A New Bio-degradable Plastic Mad
e from Starch Graft Poly(methyl Acrylate )Copolym
er ”(Jouranal of Applied Polymer Science,Vol.2
2,459-465,1978)等がある。
知る限りにおいては、澱粉誘導体を使用する生分解性プ
ラスチックが実用化され上市された例を見聞しない。
グラフト化澱粉を使用した成形品等(成形品・フィルム
・シート・発泡体を言う。)について、本発明者らが、
物性試験を行った結果によれば、下記の如くであると推
定される。
実用化レベルの靱性を得難い。実用化レベルの靱性を得
ようとしたり、また軟質成形品を得ようとすると多量に
可塑剤を配合する必要がある(可塑剤の多量配合は強度
低下・物性の経時劣化等の問題を引き起こす)。
ち、感水性が高く、耐水性・耐湿性・撥水性・耐水蒸気
透過性等の水環境下物性において実用化レベルのものを
得難い。
形成した場合において、可塑剤の無配合または少量配合
で成形品に所要の柔軟性及び実用化レベルの靱性を容易
に得ることができ、しかも、成形品に実用化レベルの水
分関連物性のものが容易に得られる澱粉誘導体及びその
合成方法並びに熱可塑性樹脂組成物を提供することを目
的とする。
を解決するために、澱粉系生分解樹脂の研究開発に鋭意
努力をした結果、下記構成のエステル化ビニルエステル
グラフト重合澱粉及びその合成方法並びに熱可塑性樹脂
組成物に想到した。
エステルグラフト重合澱粉は、エステル化と共に、ポリ
ビニルエステルのグラフト化がなされている澱粉であっ
て、前記エステル化の対応酸が、炭素数2〜18の飽和
・不飽和脂肪酸類、芳香族カルボン酸類の1種または2
種以上から選択され、前記ポリビニルエステルの対応酸
が、炭素数2〜18の飽和・不飽和脂肪酸、芳香族カル
ボン酸の1種または2種以上から選択されている、構成
を全部または要部とすることを特徴とする。
ルエステルグラフト重合澱粉の合成方法は、エステル
化を、ビニルエステルをエステル化試薬とし、非水有機
溶媒中でエステル化触媒を使用して澱粉と反応させて行
うこと、及び/又はグラフト化を、ビニルエステルを
グラフト化試薬とし、ラジカル重合法により行うこと、
を構成の全部または要部とすることを特徴とする。
組成物は、ベースポリマーの全部または一部が、請求項
1または2に記載のエステル化ビニルエステルグラフト
重合澱粉で構成され、副資材として生分解性可塑剤及び
/またはフィラーが配合されてなることを構成の全部ま
たは要部とすることを特徴とする。
粉は、基本的には、エステル化と共に、ポリビニルエス
テルのグラフト化がなされている澱粉であって、エステ
ル化の対応酸が、炭素数2〜18の飽和・不飽和脂肪酸
類、芳香族カルボン酸類の1種または2種以上から選択
され、ポリビニルエステルの対応酸が、炭素数2〜18
の飽和・不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸の1種または
2種以上から選択されている構成である。
重合澱粉は、下記構造式で示されるものである。
・エチル・プロピル・ブチル・オクチル・ドデシル・ス
テアリル等を、アルケニル基としては、アクリル・ヘキ
セニル・オクテニル等を、アリール基としては、ベンジ
ル・p−トルイル・キシリル等を、それぞれ具体的に挙
げることができる。これらの内で、メチル・エチル・プ
ロピル・等のアルキル基がとくに好ましい。
0.1〜2.8(望ましくは0.5〜2.5)であり、
ポリビニルエステルのグラフト化率が50wt%以下(望
ましくは5〜45wt%)とする。
は吸湿性・成形性等の物性に改善効果が薄く、2.8を
超えると生分解性の速さが遅くなる。
性の速さが遅くなる。
ト重合澱粉の合成方法は、特に限定されないが、下記方
法で合成することが望ましい。
を、ビニルエステルをエステル化試薬とし、非水有機溶
媒中でエステル化触媒を使用して澱粉と反応させて行う
こと、及び/又はグラフト化を、ビニルエステルをグ
ラフト化試薬とし、ラジカル重合法により行うこと、を
構成の全部または要部とするものである。
粉の原料澱粉としては、コーンスターチ、ハイアミロ
ースコーンスターチ、小麦澱粉等の地上茎未変性澱粉、
馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等の地下茎未変性澱粉、及
び、それらの澱粉の低度エステル化・エーテル化・酸
化・酸処理化・デキストリン化された化工澱粉、等を、
単独または複数併用して使用する。
らを先にしてもよく、グラフト化後エステル化、エステ
ル化後グラフト化等任意であり、さらには、市販のエス
テル化澱粉またはビニルエステルグラフト化澱粉を、そ
れぞれ、ビニルエステルを試薬としてグラフト化または
エステル化しても良い。また、グラフト化は、カップリ
ング法であっても良い。
存在下で、ビニルエステルを、エステル化・グラフト化
試薬として澱粉と反応させて行うことも可能である。例
えば、水分散媒中でグラフト化後、脱水・洗浄・乾燥工
程を経ずに、そのまま連続的にエステル化を行うことも
できる(実施例6参照)。
ルとしては、エステル基炭素数2〜18(好ましくは炭
素数2〜7)のものを、単独または複数併用して使用す
る。エステル基炭素数が18を越えると、試薬有効率は
高くなるが、反応効率が低下する。また、エステル基炭
素数2〜7の範囲では、反応効率の面で高レベルを維持
できて(70%以上)望ましい。
内はエステル基炭素数の数)、それらの内で、特に、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルが、高い反応効率の観点
から望ましい。
ル(C3)、ブタン酸ビニル(C4)、カプロン酸ビニ
ル(C6)、カプリル酸ビニル(C8)、ラウリン酸ビ
ニル(C12)、パルミチン酸ビニル(C16)、ステ
アリン酸ビニル(C18)等の飽和;または、アクリル
酸ビニル(C3)、クロトン酸ビニル(C4)、イソク
ロトン酸ビニル(C4)、オレイン酸ビニル(C18)
等の不飽和の脂肪族カルボン酸ビニルエステル、 安息香酸ビニル、P−メチル安息香酸ビニル等の芳香
族カルボン酸のビニルエステル)を使用可能である。
エステルを有機溶媒として使用する場合である。
回収工程は不要となる。なお、従来のビニルエステルを
使用したエステル化反応において、このような反応形式
は採用されていない。
効果及びビニルエステルの反応効率が向上して望ましい
一方、ビニルエステルが液状(加熱溶融したものを含
む。)のものに限られるとともに、若干の反応不均一性
を有する。
は、前項記載のビニルエステルを挙げることができる。
薬であるビニルエステルを非水有機溶媒として使用でき
ない、または、使用しない場合である。
溶液濃度・反応速度の調整が容易である利点を有し、ビ
ニルエステルを有機溶媒として使用する場合に比して、
反応均一性が高い反面、ビニルエステルと溶媒との分離
回収を必要とする。
ルエステルをジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、ピリジン等の澱粉溶解性
の極性溶媒、又は、酢酸エチル・アセトン等の澱粉非
溶解性であって、また、ビニルエステル・生成エステル
化澱粉溶解性(但しビニルエステルと非反応性)の極性
溶媒を、単独または複数併用して使用することができ
る。
粉溶解性の非水有機溶媒が、反応効率、反応の均一性の
観点から望ましい。
の周期表中第5周期までに属する金属の水酸化物及び
/又は鉱酸塩もしくは炭酸塩、有機物層間転移触媒、
及び、アミノ化合物、の各群のいすれかから選択して
使用する。これらの内で、が反応効率及び触媒コスト
の観点から望ましい。
ムなどのアルカリ金属水酸化物;酢酸ソーダ、プロピオ
ン酸ソーダ、p−トルエンスルホン酸ソーダなどのアル
カリ金属有機酸塩;水酸化バリウム、水酸化カルシウム
等のアルカリ土類金属水酸化物;酢酸カルシウム、プロ
ピオン酸カルシウム、p−トルエンスルホン酸バリウム
等のアルカリ土類金属有機酸塩;燐酸ソーダ、燐酸カル
シウム、重亜硫酸ソーダ、重炭酸ソーダ、硫酸カリ等の
鉱酸塩;アルミン酸ソーダ、亜鉛酸カリ、水酸化アルミ
ニウム、水酸化亜鉛等の両性金属の酸性塩や水酸化物;
炭酸ソーダ、重炭酸カリウム等の炭酸塩。
ノ酢酸等のアミノ化合物。
ウムクロリド、N−テトラエチルアンモニウムクロリド
等の第4級アンモニウム化合物。
澱粉に含浸させておくことが、ビニルエステルを媒体と
する反応や澱粉を溶解させない非水媒体中で反応を行う
場合に、反応効率が向上して望ましい。
ては、原料澱粉を触媒を含む水溶液や溶媒に漬ける方
法、溶媒を含む水溶液や溶媒と澱粉をニーダー等の混練
装置を使用して混ぜる方法、触媒を含む水溶液は、溶媒
と澱粉をドラムドライヤー等の澱粉のアルファー化装置
でアルファー化する方法、触媒を含む水溶液や溶媒と澱
粉をバッチクッカー又は連続クッカーで糊化含浸させる
方法等、各種の含浸方法が採用可能である。
特に規定されないが、通常、30〜200℃、反応効率
の見地から望ましくは、60〜150℃とする。
は、澱粉の低分子量化(加水分解)を防ぐ目的で、40
℃以下の温度条件が採用されていたが、ビニルエステル
を使用する場合は、酸の副成がないため、それらより高
温で反応を行わすことができ、反応効率を増大できる。
テルの使用量に関しては、原料澱粉1モルに対し、1〜
20倍モルとし、より好ましくは、3〜7倍モルとす
る。
澱粉無水物当たり1〜30%とする。
エステル化試薬に使用したものを使用できるが、それら
に加えて、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル
類も使用可能である。
たは後工程のいずれで行ってもよく、さらには、市販の
適宜置換度のエステル澱粉をグラフト化しても良い。
れず、グラフト化試薬としてのビニルエステルモノマ
ーを溶媒として行う塊状重合、前記エステル化に使用
する非水有機溶媒中で行う溶液重合、水中で行う懸濁
重合、等任意である。
化時の条件に準ずる。
に澱粉を加え、ホモジナイザー等で均一化した後、昇温
し開始剤を添加して重合させる。
え、85℃で糊化させた後、重合モノマーを加えて昇温
し、開始剤を添加して重合させる。
リーを作り、これに重合モノマーと乳化剤を加えて、ホ
モジナイザーで乳化した後、昇温し開始剤を添加して重
合させる。
定されないが、過硫酸アルカリ、ジアシル過酸化物、ジ
アルキル過酸化物、アゾ化合物等のラジカル発生剤を使
用できる。具体的には、塊状重合の場合、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等を、溶液重合の
場合、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリ
ル、過硫酸アンモニウム等を、懸濁重合の場合、硝酸第
二セリウムアンモニウム、クメンヒドロペルオキシド、
過酸化アセチル等をそれぞれ例示できる。これらの内
で、特に、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸
化水素、硝酸第二セリウムアンモニウムが望ましい。そ
の添加量は、通常、対重合モノマーで0.1〜20.0
%とする。
として、周期表中第5周期までに属する金属の水酸化物
及び/又は鉱酸塩もしくは炭酸塩を使用することが望ま
しい。その添加量は、通常、対重合モノマーで0.1〜
20.0%とする。 C.本発明の生分解性を有する熱可塑性樹脂組成物は、
ベースポリマーの全部または一部が、上記エステル化ビ
ニルエステルグラフト重合澱粉で構成され、副資材とし
て生分解性可塑剤及び/またはフィラーが配合されてな
ることを基本的構成とする。ここで、ベースポリマー中
のエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉の比率
は、5〜100wt%、望ましくは、25〜100wt%と
する。可塑剤の配合量は、通常、0〜60phr、望ま
しくは30phr以下とする。また、フィラー配合量
は、通常、0〜200phr、望ましくは0〜150p
hrとする。
ニルエステルグラフト重合澱粉に混合するポリマーとし
ては、エステル及び/又はエーテル系澱粉誘導体、及
び、生分解性ポリエステル、セルロース誘導体、ポリビ
ニルアルコール、及びポリビニルエステルの群から1種
または2種以上を選択して使用することが望ましい。さ
らに、ポリアミド系、ポリカーボネート、ポリウレタン
等の縮合重合物、ポリビニルエステル以外のビニルモノ
マー、ポリオレフィン、ポリアルキレンオキシド、及
び、生分解性ポリアルキレンオキシド、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、
エチレンメチルアクリレート共重合体、ABS樹脂、ス
チレンアクリロニトリル共重合体等も使用可能である。
酸、ポリアジペート、ポリヒドロキシブチレート、ポリ
ヒドロキシブチレートパレエート等。
ロキシセルロース、カルボキシアルキルセルロース等。
リアクリロニトリル、ポリビニルカルバゾール、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、等。
ブチレン、ポリプロピレン、等。
く):塩化ビニル、ポリスチレン。
キシド、ポリプロピレンオキシド、等。
エステル、芳香族カルボン酸エステル、脂肪族二塩基酸
エステル、脂肪酸エステル誘導体、リン酸エステル、ポ
リエステル系可塑剤、エポキシ可塑剤、及び高分子系可
塑剤のいずれかから1種または2種以上を選択して使用
することが望ましい。
オクチル等のフタル酸エステル、エチルフタリルエチル
グリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート等 脂肪族二塩基酸エステル:オレイン酸ブチル、グリセリ
ンモノオレイン酸エステル、アジピン酸ブチル、アジピ
ン酸nヘキシル等 芳香族カルボン酸エステル:トリメリット酸トリオクチ
ル、ジエチレングリコールベンゾエート、オキシ安息香
酸オクチル等 脂肪酸エステル誘導体:スークロースオクタアセテー
ト、ジエチレングリコールジベンゾエートエキシ酸エス
テル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルクエン酸
トリエチル、トリアセチン、トリプロピオニン、ジアセ
チルグリセリン、グリセリンモノステアレート等 燐酸エステル:燐酸トリブチル、燐酸トリフェニル等 エポキシ可塑剤:エポキシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ
油、アルキルエポキシステアレート等 高分子系可塑剤:各種液状ゴム、テルペン類、リニアポ
リエステル等 (3)フィラーとしては、天然系無機質フィラーまたは
天然系有機質フィラーから1種または2種以上を選択し
て使用する。
ク、ライムストーン、炭酸カルシウム、マイカ、ガラ
ス、ケイソウ土、ウォールアストナイト、各種のシリカ
塩、マグネシウム塩、マンガン塩、ガラス繊維、各種セ
ラミック粉末等。
導体含む)、木粉、パルプ、ピーカンファイバー、綿
粉、穀物外皮粉、コットンリンター、木材繊維、バカス
等 D.用途:上記本発明のエステル化ビニルエステルグラ
フト重合澱粉及び熱可塑性樹脂組成物の用途としては、
下記の如く幅広い展開が可能である。
インフレーション等によるフィルム化、シート化する。
工に使用して、ラミネート製品、塗工製品を得る。
して機能性を紙、紙加工製品に付与する。
添加して機能性を不織布、不織布加工製品に付与する。
ージョン化して使用する。 (6)射出、押出し、ブロー、トランスファー、圧縮成
形等により中実ないし発泡体成形品を得る。
澱粉及びその合成方法並びに合成樹脂組成物は、後述の
実施例で支持される如く、成形品等に形成した場合にお
いて、可塑剤の無配合または少量配合で成形品に実用化
レベルの常態物性(乾燥強度)(特に耐衝撃性及び柔軟
性)を容易に得ることができ、しかも、成形品に実用化
レベルの水環境下物性も容易に得られる。
が) 1)成形品等の応力伸びが10%以上のものが容易に得
られる。
れた。
ム化させる為の、即ち、樹脂弾性率と可塑剤量との比較
において、可塑剤量が大幅に減少された。
した。
炭酸カルシウム等)を50wt%まで、良好な成形性を維
持しながら混合できるようになった。
を与えることが出来た。と言う、新しい効果も見いださ
れた。しかも、生分解性は尚も確保されている。
基を介して導入したアシル基(エステル)とグラフトポ
リビニルエステルとの存在が相乗して、分子量の増大と
ともに、適度な結晶性、内部可塑化効果、極性分布、さ
らには、ほとんどの澱粉アルコール性水酸基の封鎖等に
起因すると推定される。
較例と共に行った実施例について説明をするが、本発明
はそれらの実施例により、何等制約を受けるものではな
い。なお、以下の説明で配合単位を示す「部」は、とく
に断らない限り重量単位を意味する。
ト重合澱粉の調製(合成): [実施例1]図1に示す処方により、グラフト化をプロ
ピオン酸ビニルモノマーを用いて溶液重合により行って
エステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉を調製し
た。
グラフト化を酢酸ビニルモノマーを用いて懸濁重合によ
り行ってエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉を
調製した。
フト化を酢酸ビニルモノマーを用いて塊状重合により行
ってエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉を調製
した。
フト化・エステル化を酢酸ビニルモノマーを用いて水の
存在化で行ってエステル化ビニルエステルグラフト重合
澱粉を調製した。 [比較例1]図5に示す処方により、プロピオン酸ビニ
ルモノマーを用いてエステル化澱粉を調製した。
ビニルモノマーを用いて懸濁重合でグラフト化澱粉を調
製した。
生成物(澱粉誘導体)について、下記各項目の物性試験
を行った。その結果を表1に示す。
エーテル結合により付加したポリ酢酸ビニルの全体に対
する重量% (2)ホモポリマー重量%:グラフト重合時に、競争反
応により合成されるポリ酢酸ビニルホモポリマーの全体
に対する重量% (3)置換度:澱粉中のグルコースユニットに存在する
全ての2,3,6位の反応性水酸基のうち、どれだけが
エステル結合に変わったかを示す割合。置換度3が全て
変わった状態(100%)。
化澱粉)、比較例1(高置換エステル化澱粉)、比較例
2(酢酸ビニルグラフト化澱粉)の各生成物(澱粉誘導
体)100部に対し、可塑剤(エチルフタリルエチルグ
リコレート:以下「EPEG」と略す)を、ほぼ同じレ
ベルの引張り弾性率を示すように、それぞれ表示部数配
合して各樹脂組成物を調製した。
ージョン後、射出成形してJIS標準のダンベル(1号
形小型試験片)、曲げ試験片、円盤を調製した。
験を下記方法に従って行った。 (1) 引張弾性率、引張強度、破断時伸び、応力伸び…J
IS K7113 (2) 寸法変化(収縮率)…1号形小型試験片を40℃、
75%湿度に96時間保存後の寸法変化を保存前の寸法
に対して比率で表した。
75%湿度に96時間保存後の重量増加を保存前の重量
に対して比率で表した。
℃で冷水中に24時間浸漬した後の重量増加を保存前の
重量に対して比率で表した。(表面水分は除く) それらの試験結果を、表2に示すが、実施例3は、比較
例1、2に比して、同じレベルの引張弾性率を得るため
に、可塑剤の量が少なくて済むと共に、引張強度、靱性
等においても優れ、さらには、耐水性、吸水性等の水分
環境下物性も格段に向上していることが分かる。さら
に、成形品の後収縮も実施例3は小さいことが分かる。
ニルグラフト化澱粉)、比較例1、及び比較例2の各生
成物100部に対し、可塑剤(EPEG)を表3に示す
各部数配合してフィルムの伸び率が略同レベルとなるよ
うに、各樹脂組成物を調製した。
ージョンして、厚さ30μのフィルムを作成する。
クラフト紙にヒートシールラミネートを行ってラミネー
トを行ってラミネート紙を調製する。
試験を下記方法に従って行った。 (1) 水蒸気透過性…JIS Z0208 (2) 耐水性…コブ法(60分接触)、JIS P814
0 (3) 耐折強度……JIS P8114(この、耐折強度
はフィルムの可塑剤保持力の尺度となる。) それらの試験結果を表3に示すが、実施例2は、比較例
1、2に比して、耐水蒸気透過性、耐水性等の水分環境
下物性も格段に向上していることが分かる。さらに、可
塑剤保持性も実施例2は、比較例1、2のいずれに比し
ても格段に高いことが分かる。
ロピオン酸ビニルグラフト澱粉)、比較例1及び比較例
2の各生成物に100部に対して、可塑剤(トリアセチ
ン)及びフィラー(タルク)を表4に示す各部数配合し
て各樹脂組成物を調製した。
標準曲げ試験片(JIS K7203)を調製し、各試
験片について曲げ強度と曲げ弾性率を測定した。
(65%)2次(35%)3次(30%)、射出成形機
=日精樹脂工業製PS−40 それらの試験結果を表4に示すが、実施例1は、比較例
1、2に比して、無機質フィラーを多量に配合でき、か
つ、等量フィラー配合においては、曲げ弾性率が小さ
く、剛さの低い成形品が得易いことが分かる。
ニルクラフト澱粉)、比較例1のそれぞれ1gを20g
の頁岩土壌に混ぜ、最大容水量60%となるように水を
加え、炭酸ガス発生量測定装置を使って、25℃で、分
解により発生する炭酸ガス量を測定して生分解性の試験
を行った。
1は、比較例1と同様、生分解性が維持されていること
が分かる。
ニルクラフト澱粉)及び比較例1の各生成物について、
ガラス転移点を「島津熱流束示差走査熱量計DSC−5
0」で、下記条件により分析した。
ミニウム、 ガス種類/流量:窒素/50.00mL/min 加熱速度:10℃/min 、ホールド温度:220℃ それらの試験結果を表6に示すが、実施例1は、比較例
1ではガラス転移点が177.86〜184.31℃に
のみ有るのに対してガラス転移温度が低温側にも存在
し、可塑剤なしでも成形可能であることが分かる。
重合澱粉の調製処方を示す流れ図
フト重合澱粉の調製処方を示す流れ図
重合澱粉の調製処方を示す流れ図
重合澱粉の調製処方を示す流れ図
れ図
れ図
Claims (20)
- 【請求項1】 エステル化と共に、ポリビニルエステル
のグラフト化がなされている澱粉であって、 前記エステル化の対応酸が、炭素数2〜18の飽和・不
飽和脂肪酸類、芳香族カルボン酸類の1種または2種以
上から選択され、 前記ポリビニルエステルの対応酸が、炭素数2〜18の
飽和・不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸の1種または2
種以上から選択されている、 ことを特徴とするエステル化ビニルエステルグラフト重
合澱粉。 - 【請求項2】 請求項1において、前記エステル化の置
換度(DS)が0.1〜2.8であり、前記ポリビニル
エステルのグラフト化率が50wt%以下であることを特
徴とするエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のエステル化ビ
ニルエステルグラフト重合澱粉を合成する方法であっ
て、 前記エステル化を、ビニルエステルをエステル化試薬と
し、非水有機溶媒中でエステル化触媒を使用して澱粉と
反応させて行うことを特徴とするエステル化ビニルエス
テルグラフト重合澱粉の合成方法。 - 【請求項4】 請求項3において、前記ビニルエステル
が液状(加熱溶融したものを含む。)のとき、前記非水
有機溶媒として該ビニルエステルを使用することを特徴
とするエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉の合
成方法。 - 【請求項5】 請求項3において、前記非水有機溶媒
が、 澱粉溶解性の有機溶媒、及び/又は 澱粉非溶解性であって、ビニルエステル・澱粉エステ
ル溶解性(相溶性)の有機溶媒、 であることを特徴とするエステル化ビニルエステルグラ
フト重合澱粉の合成方法。 - 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかにおいて、前記
エステル化触媒が、 周期表中第5周期までに属する金属の水酸化物及び/
又は鉱酸塩もしくは炭酸塩、ジメチルアミノピリジン
等の有機物層間転移触媒、及び、第4級アンモニウム
塩等のアミノ化合物、の各群のいずれからか選択される
ことを特徴とするエステル化ビニルエステルグラフト重
合澱粉の合成方法。 - 【請求項7】請求項3〜6のいずれかにおいて、前記エ
ステル化触媒を、原料澱粉に予め含浸させておくことを
特徴とするエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉
の合成方法。 - 【請求項8】 請求項1または2に記載のエステル化ビ
ニルエステルグラフト重合澱粉の合成方法において、 前記グラフト化を、ビニルエステルをグラフト化試薬と
し、ラジカル重合法により行うことを特徴とするエステ
ル化ビニルエステルグラフト重合澱粉の合成方法。 - 【請求項9】 請求項3〜8において、前記グラフト化
を、前記エステル化の前工程または後工程として行うと
ともに、ビニルエステルをグラフト化試薬としてラジカ
ル重合法により行うこと、を特徴とするエステル化ビニ
ルエステルグラフト重合澱粉の合成方法。 - 【請求項10】 請求項1または2に記載のエステル化
ビニルエステルグラフト重合澱粉を合成する方法であっ
て、 前記エステル化・グラフト化を水の存在下で、ビニルエ
ステルを、エステル化・グラフト化試薬として澱粉と反
応させて行うことを特徴とするるエステル化ビニルエス
テルグラフト重合澱粉の合成方法。 - 【請求項11】 請求項8〜10のいずれかにおいて、
ラジカル重合開始剤と共に、助触媒として、周期表中第
5周期までに属する金属の水酸化物及び/又は鉱酸塩も
しくは炭酸塩を使用することを特徴とするエステル化ビ
ニルエステルグラフト重合澱粉の合成方法。 - 【請求項12】 請求項8〜11のいずれかにおいて、
ラジカル重合開始剤が、過硫酸アルカリ、ジアシル過酸
化物、ジアルキル過酸化物、アゾ化合物、セリウム系開
始剤、過酸化水素のいずれかから1種または2種以上選
択されることを特徴とするエステル化ビニルエステルグ
ラフト重合澱粉の合成方法。 - 【請求項13】 請求項8〜9・11〜12のいずれか
において、前記ラジカル重合法を前記ビニルエステルモ
ノマーを溶媒として塊状重合により行うことを特徴とす
るエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉の合成方
法。 - 【請求項14】 請求項8〜9・11〜12のいずれか
において、前記ラジカル重合法を、前記エステル化に使
用する非水有機溶媒中で、溶液重合により行うことを特
徴とするエステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉の
合成方法。 - 【請求項15】 請求項8〜9・11〜12のいずれか
において、ラジカル重合法を水中で、懸濁重合により行
うことを特徴とするエステル化ビニルエステルグラフト
重合澱粉の合成方法。 - 【請求項16】 請求項8〜13のいずれかにおいて、
前記グラフト化時のラジカル重合の競争反応で発生する
ホモポリビニルエステルの生成物中の組成が45wt%
以下であることを特徴とするエステル化ビニルエステル
グラフト重合澱粉の合成方法。 - 【請求項17】 生分解性を有する熱可塑性樹脂組成物
において、 ベースポリマーの全部または一部が、請求項1または2
に記載のエステル化グラフト化澱粉で構成され、副資材
として生分解性可塑剤及び/またはフィラーが配合され
てなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項18】 請求項17において、前記ベースポリ
マーとしてエステル化グラフト化澱粉に混合されるポリ
マーが、エステル及び/又はエーテル系澱粉誘導体、及
び、それぞれ生分解性ポリエステル、セルロース誘導
体、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステルの群か
ら1種または2種以上が選択されることを特徴とする熱
可塑性樹脂組成物。 - 【請求項19】 請求項17または18において、前記
生分解性可塑剤として、フタル酸エステル、芳香族カル
ボン酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、脂肪酸エス
テル誘導体、リン酸エステル、ポリエステル系可塑剤、
エポキシ可塑剤、及び高分子系可塑剤のいずれかから1
種または2種以上が選択されることを特徴とする熱可塑
性樹脂組成物。 - 【請求項20】 請求項17〜19のいずれかにおい
て、前記フィラーとして、天然系無機質フィラー、天然
系有機質フィラー、及び合成系フィラーのいすれかから
1種または2種以上が選択されることを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物。
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