JPH07304897A - 熱可塑性化学修飾リグノセルロース組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性化学修飾リグノセルロース組成物およびその製造方法

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JPH07304897A
JPH07304897A JP6097399A JP9739994A JPH07304897A JP H07304897 A JPH07304897 A JP H07304897A JP 6097399 A JP6097399 A JP 6097399A JP 9739994 A JP9739994 A JP 9739994A JP H07304897 A JPH07304897 A JP H07304897A
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anhydride
thermoplastic
starch
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JP6097399A
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Nobuo Shiraishi
信夫 白石
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アセチル化リグノセルロース等の未置換水酸
基を有する化学修飾リグノセルロースの存在下で、多塩
基酸又はその無水物と、モノエポキシド化合物又は多価
アルコールとを、60〜250 ℃で混練練り込み反応させて
熱可塑性化学修飾リグノセルロース組成物を得る。 【効果】 化学修飾リグノセルロースの熱可塑性が格段
に向上し、加工性に優れた組成物が得られる。また、組
成物の製造に要する時間も大幅に短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形時の熱可塑性が改善
され、成形により多方面の物性を発現しうる各種の成形
物となりうる熱可塑性化学修飾リグノセルロース組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】化学
修飾リグノセルロースをさらに内部または外部可塑化を
行い、熱可塑性を高め、加工しやすくするという方法は
従来各様に提案され行われている。例えば、化学修飾リ
グノセルロースにビニル化合物のような不飽和単量体、
および環状エステルなどをラジカル重合およびイオン重
合、特に開環重合によりグラフト重合することによっ
て、更に加工しやすいものを得るといった方法がある。
この方法については、ディー・エス・フォン(D. S. Ho
n) と白石信夫(N. Shiraishi)編の「Wood and Cellulos
eとChemistory」〔マーセルデッカー(marcel dekker)
社、1991年発行〕の880 頁には、アセチル化木材にスチ
レンを放射線グラフト重合することにより、熱流動性を
備えた化学修飾木材が得られることが示されている。ま
た、同書の 878頁には、アリル化木材がジメチルフタレ
ート、さらにはジメチルフタレートとポリメチルメタク
リレートとブレンドされることにより、容易に熱圧成形
できる材料に変わりうることが示されている。
【0003】しかし、それらの方法の場合、グラフト重
合や反応あるいはブレンドに要する時間や手間がかかり
すぎたり、グラフトやブレンドの熱可塑化に及ぼす効果
が必ずしも十分でなく、通常の汎用プラスチックに比
べ、熱可塑性については成形性が格段に劣っているとい
う問題点がある。したがって、化学修飾リグノセルロー
スを熱圧成形可能な材料とする方法としては、必ずしも
実用的使用に耐えるものとはなっていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決するために鋭意検討した結果、置換されていない
水酸基を有する化学修飾リグノセルロースの存在下で、
多塩基酸又はその無水物とモノエポキシド化合物との付
加エステル化反応、あるいは多塩酸酸又はその無水物と
多価アルコールとのエステル化反応を、二軸押出機等を
用い、60〜250℃で5〜40分程度の混練練り込み反応に
より行い、一方ではホモオリゴエステルを生じせしめ、
これをそのまま残し外部可塑剤として用いると共に、他
方では、オリゴエステル鎖を該化学修飾リグノセルロー
ス中に、エステル基、ペンダント基として導入し、内部
可塑化を図り、全体として熱可塑性、成形加工性を高め
た熱可塑性化学修飾リグノセルロース組成物が、経済性
を著しく損なわずに製造しうることを見出し、本発明に
到達したものである。
【0005】すなわち本発明は、未置換水酸基を有する
化学修飾リグノセルロースの存在下で、多塩基酸又はそ
の無水物と、モノエポキシド化合物又は多価アルコール
とを反応させることを特徴とする熱可塑性化学修飾リグ
ノセルロース組成物の製造方法及びかかる製造方法によ
り製造された熱可塑性化学修飾リグノセルロース組成物
を提供するものである。
【0006】本発明の製造方法は、前記した従来法の問
題点を改良し、化学修飾リグノセルロースへのオリゴエ
ステル鎖の導入を、溶剤を用いることなく、5〜40分と
いった短い反応時間で実現し、加工性が良く、得られる
成形物の物性も各様に変え得、目的に応じて選択しうる
熱可塑性セルロース誘導体組成物が提供できる。
【0007】本発明の熱可塑性化学修飾リグノセルロー
ス組成物の出発物質として用いられる置換されてない残
存水酸基を有する化学修飾リグノセルロースとしては、
アセチル化木材、アセチル化リグノセルロース、アセチ
ル化ブチリル化リグノセルロース、アセチル化プロピル
化リグノセルロース、アセチル化フタル化リグノセルロ
ースおよびニトロ化リグノセルロース、その他のセルロ
ースエステル類、あるいはエチル化リグノセルロース、
ベンジル化リグノセルロース、シアノエチル化リグノセ
ルロース、ヒドロキシエチル化リグノセルロース、ヒド
ロキシプロピル化リグノセルロースおよびヒドロキシプ
ロピルメチル化リグノセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース等のセルロースエーテル類が挙げられる。
【0008】また、本発明に用いられる多塩基酸無水物
としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハ
ク酸、無水アジピン酸、無水グルタコン酸、無水グルタ
ル酸、無水ジグリコール酸、無水シトラコン酸、無水ジ
フェン酸、無水ニトロフタル酸、無水フタル酸、無水フ
タロン酸などが挙げられ、好ましくは無水マレイン酸、
無水コハク酸、無水イタコン酸、無水アジピン酸が使用
される。また、本発明においては、これらを酸の状態で
用いることができる。
【0009】また、モノエポキシ化合物としては、アリ
ルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、
スチレンオキシド、ブチルグリシジルエーテル、アルキ
ルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジル
エーテル、多官能グリシジルエーテル、3級脂肪酸モノ
グリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートなどエ
ポキシアクリレート、ブチルグリシジルエーテルアクリ
レートなどが挙げられるが、アリルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、
グリシジルメタクリレートなどが好ましいものである。
【0010】他方、多価アルコールとしては、エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコールなど多くのものが包含され、特
に、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレング
リコールが好ましい。
【0011】また、本発明においては、上記の各成分に
加えて、更にラクトン又はその重合物を共存させて混練
練りこみ反応を行なうことが望ましい。ラクトン類の存
在により、更に良好な物性を有する組成物が得られる。
【0012】ラクトン(環状エステル)としては、公知
の方法で開環反応して重合するもので良く、例えばプロ
ピオラクトン、β−ブチロラクトン、α,α’−ビスク
ロロメチルプロピオラクトン、α,α’−ジメチル−β
−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、β−エチル
−δ−バレロラクトン、3,4,5−トリメトキシ−δ
−バレロラクトン、1,4−ジオキサン−2−オン、グ
リコリド、トリメチルカルボネート、ネオペンチルカル
ボネート、エチレンオキサレート、プロピレンオキサレ
ート、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラ
クトン、β−メチル−ε−カプロラクトン、γ−メチル
−ε−カプロラクトン、4−メチル−7−イソプロピル
−ε−カプロラクトン、3,3,5−トリメチル−ε−
カプロラクトン、シス−ジサリシリド、トリサリシリド
等が挙げられる。これらの環境エステルの中で、工業的
に入手しやすく、取り扱いが容易で、リグノセルロース
を液化しやすいε−カプロラクトンを用いるのが有利で
ある。但し、他のラクトンと併用して用いてもよい。ラ
クトン類は、未置換水酸基を有する化学修飾リグノセル
ロース、多塩基酸又はその無水物、モノエポキシド化合
物又は多価アルコールの合計を 100重量部としたとき、
1〜30重量部の範囲で加えるのが適切である。
【0013】本発明では熱可塑性化学修飾リグノセルロ
ース組成物に関するものであるが、、成形物を得る最終
段階で3次元硬化する形のものも含み得る。その場合に
は前出のモノエポキシ化合物の一部ないし全部をジエポ
キシ化合物またはポリエポキシ化合物に代えて組成物を
製造すれば良く、それらは成形時には可塑剤として働
き、最終硬化時には架橋剤として働き、3次元硬化成形
物を与えることになる。
【0014】ジエポキシ化合物としては、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、
トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペン
チルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサ
ングリコールジグリシジルエーテル、脂肪族ジグリシジ
ルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル
アクリレート、テレフタル酸ジグリシジルエステルアク
リレート、フタル酸ジグリシジルエステル、スピログリ
コールジグリシジルエーテルなどを挙げることができ、
また、ポリエポキシ化合物としては、グリセロールポリ
グリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエ
ーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセ
リンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエー
テルポリアクリレートなどを挙げることができる。
【0015】次に、本発明の熱可塑性化学修飾リグノセ
ルロース組成物を構成する各成分の使用割合は特に限定
されるものでないが、最終的に得られる成形物の強度特
性や成形性に関連する熱流動特性などを考慮して定める
ことが望ましい。多塩基酸無水物と、モノエポキシド化
合物又は多価アルコールの使用量についていえば、それ
ぞれの量に特に制限はないが、合計量で、通常、組成物
中に3〜60重量%、好ましくは5〜40重量%の範囲で使
用するのが物性的に好ましい組成物が得られる。
【0016】本発明の組成物を製造するに際し、各成分
の配合方法には特に制限がなく、通常、各成分をニーダ
ー、バンバリミキサー、押出機、高速回転ミキサー等で
溶融、混練するなどの方法で行われるが、特に押出機で
行うのが好ましい方法である。
【0017】また、本発明の熱可塑性化学修飾リグノセ
ルロース組成物には所望により、難燃剤、安定剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、本発明以外の可塑剤、滑剤、或
いは分解・劣化促進剤などの各種添加剤、顔染料、その
他の成分を適宜配合することができる。
【0018】本発明においては、経済的観点或いは組成
物の生分解性を更に高めるという観点から、製造工程の
何れかにおいて、デンプン又はデンプン誘導体を添加す
ることが好ましい。かかるデンプン類等としては、例え
ばコーンスターチ、ワキシ−コーンスターチ、小麦デン
プン等の地上デンプン、タピオカスターチ、馬鈴薯デン
プン等の地下デンプン、アミロースまたはアミロペクチ
ンに富んだデンプンを挙げることができる。さらに、未
置換水酸基を有するデンプン類誘導体を使用することが
できる。具体的には、前記のデンプンをアセチル化、ヒ
ドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、カチオン化
などの化学修飾したデンプン等を挙げることができる。
化学修飾デンプンとしては、アセチル化コーンスター
チ、アセチル化タピオカスターチ、ヒドロキシエチル化
コーンスターチ等各種の化学修飾スターチを挙げること
ができる。
【0019】デンプン類を添加する場合、未置換水酸基
を有する化学修飾リグノセルロースとデンプン類の割合
は、化学修飾リグノセルロース/デンプン重量比で0.25
〜19、特に0.43〜9程度が好ましい。かかる重量比が19
を超えると、デンプン類等の添加の効果、すなわち、生
分解性および加工性を高め、コストパーフォマンスを向
上させるという効果が低くなりすぎるので好ましくな
く、一方、0.25未満であると、デンプン類が多すぎて、
マトリックス樹脂が海であり、デンプン類等が島である
という形をとれなくなり、また成形物は透明性、光沢に
劣るものとなり、強度に問題を生じ好ましくない。な
お、デンプン類は反応していてもしていなくても良い
が、好ましくはデンプン類が反応するような条件で行な
うのが好ましい。
【0020】以上説明した本発明の製造方法を要約する
と以下の通りである。未置換の水酸基を有する化学修飾
リグノセルロースの存在下で、多塩基酸無水物およびモ
ノエポキシド化合物との付加エステル化反応、あるいは
多塩基酸ないしそれらの酸無水物と多価アルコールのエ
ステル化反応を、望ましくは押出機などを用い、60〜25
0℃の加熱下で混練、練り込み反応により行い、ホモオ
リゴエステルを生ぜしめ、これを可塑剤として用いると
共に、当該ホモオリゴエステル鎖を化学修飾リグノセル
ロースにエステル基、ペンダント基として導入し、全体
として熱可塑性、熱可塑成形性を高めた化学修飾リグノ
セルロース組成物を得るものである。
【0021】上記の如くして得られる本発明の熱可塑性
化学修飾リグノセルロース組成物は、通常、成形用原料
として粉体、粒子、ペレット、フレーク等の形状に形成
する。この様にして得られたフレーク状等の形状の本発
明の熱可塑性セルロース誘導体組成物は、加圧成形、フ
ィルム成形、押出し成形、射出成形などの手法により適
宜所望の形状に成形して、各種成形品を製造することが
できる。但し、場合により混練して得た本発明の組成物
をそのまま所望の成形品に成形することも可能である。
また、本発明の熱可塑性化学修飾リグノセルロース組成
物は、良好な物性のみならず、優れた生分解性を示し、
この生分解性や物性を目的とする成形物によって好まし
いものにコントロールすることは原料の配合量等を調節
することにより容易である。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0023】実施例1 絶乾木粉(マカンバ、20〜80メッシュ)30gを 300ml容
丸底フラスコに秤りとり、氷酢酸(市販特級品)30gを
できるだけ均一に散布し、あらかじめ40℃に調節してお
いたオイルバス中にセットし、時々振盪しながら30分間
前処理する。別の500ml 容丸底フラスコに無水酢酸75g
と硫酸 0.3gを秤りとり、その中に、前記の氷酢酸の存
在下40℃で30分前処理しておいた木粉を、新たな氷酢酸
112.5gと共に流し込んだ。温度計とマグネチックスタ
ラーをセットしたのち、40℃にセットされたオイルバス
中に木粉と氷酢酸等が入った500ml 容丸底フラスコを固
定し、60分間かけて77℃まで昇温した。77℃で12分間ア
セチル化反応を続け、20%の酢酸マグネシウム水溶液を
3g加えて中和し、反応を終了させた。この反応物を脱
イオン水72gを使って耐圧硝子工業(株)製1リットル
容グラスリアクターTEM−V1000の反応容器中に流し
込んだ。次いで、60分かけて 150℃まで徐々に昇温し、
続いてその温度で50分間保持してケン化を行った。その
際、内部圧力が約 2.5気圧になるので、ニードルバルブ
にシリコンチューブを接続して、その先端を稀酢酸水溶
液につけた状態で該ニードルバルブを開き、圧力を徐々
に下げた。その後、直ちにグラスリアクターのふたを開
け、反応物を駒込めピペットを用いて、攪拌下に前述の
稀酢酸水溶液(大過剰量)中に添下した。そのまま一夜
攪拌を継続し、G−2フィルターを用いて、減圧下に濾
集し、大過剰の脱イオン水で水洗し、濾液が中性になっ
た時点でエアレーションを行い、次いで、60℃の送風乾
燥機中3日間乾燥したのち、60℃の真空乾燥器に移して
一夜乾燥した。得られた部分ケン化アセチル化木粉のア
セチル含有量を添定により求めたところ、30.3%であっ
た。
【0024】得られた部分ケン化アセチル化木粉15.5g
を無水コハク酸 3.4gとフェニルグリシジルエーテル
5.1gと共に、 120℃に設定したニーダー混練機に、回
転数30rpm の回転下に5分間かけて投入した。次いで、
回転数を90rpm に上げて20分間混練し、オリゴエステル
化を行った。得られた混練物約4gを 200℃に設定した
ホットプレスを用いて、ゲージ圧150kgf/cm2で30秒間熱
圧し、均質透明なシートを得た。このシート中央部から
短冊状試片を切り出し(10本)、2 日間、20℃、60%R
Hの恒温恒湿室中に調湿した。
【0025】調湿後、引張強度物性を(株)島津製作所
製オートグラフDCS−R−500 を用い測定した。その
際、スパン長40mm、クロスヘッドスピード5mm/minとし
た。得られた平均引張強度は36MPa、破壊伸長率は 2.8
%、またヤング率は1757MPaであった。
【0026】実施例2 アセチル化反応終了後、ケン化のために反応物を耐圧硝
子工業(株)製1リットル容グラスリアクターTEM−
V1000の反応容器に流し込む際に使う脱イオン水の量を
72gから80gに変える以外は、実施例1と同様の操作に
より部分ケン化アセチル化木粉を得た。その際、得られ
た部分ケン化アセチル化木粉のアセチル含有量は32.8%
であった。
【0027】この部分ケン化アセチル化木粉について、
実施例1と全く同様の操作により、オリゴエステル化可
塑化、シートへの成形および引張強度物性の測定を行っ
た。得られた引張強度物性値は、引張強度31MPa、破壊
伸長率 2.3%およびヤング率1604MPaであった。
【0028】実施例3 アセチル化反応終了後、ケン化のために反応物を1リッ
トル容グラスリアクターTEM−V1000の反応容器に流
し込む際に使う脱イオン水の量を 100gとする以外は、
実施例1と同様の操作により部分ケン化アセチル化木粉
を得た。その際、得られた部分ケン化アセチル化木粉の
アセチル含有量は30.0%であった。
【0029】この部分ケン化アセチル化木粉について実
施例1と全く同様の操作により、オリゴエステル化可塑
化、シートへの成形および引張強度物性の測定を行っ
た。得られた引張強度物性は、引張強度20MPa、破壊伸
長率 1.9%およびヤング率1370MPaであった。
【0030】実施例2および3と、実施例1の場合から
順にケン化のための脱イオン水添加量の増加を図るにつ
れ、引張強度特性は低下したが、一方で成形シート中に
木粉の形状のまま残っている部分が減少した。
【0031】実施例4 アセチル化の際、60分かけて77℃まで昇温し、77℃で60
分間アセチル化反応を続けるというように、アセチル化
時間を長くする以外は実施例3と同様の操作により部分
ケン化アセチル化木粉を得た。得られた部分ケン化アセ
チル化木粉のアセチル含量は29.8%であった。
【0032】この部分ケン化アセチル化木粉について実
施例1と全く同じ操作により、オリゴエステル化可塑
化、シートへの成形および引張強度物性の測定を行っ
た。得られた強度物性値は、引張強度16MPa、破壊伸長
率 1.5%およびヤング率1324MPaであった。
【0033】実施例5 部分ケン化アセチル化木粉のオリゴエステル化可塑化の
際、部分ケン化アセチル化木粉15.5gを無水コハク酸
2.4g、フェニルグリシジルエーテル 3.6gおよびε−
カプロラクトン 2.4gと共に、 120℃に設定したニーダ
混練機に回転数30rpm の回転下に5分をかけて投入し、
次いで回転数を90rpm に上げて20分混練するという操作
を行う以外、実施例1と全く同じ操作によりアセチル
化、部分ケン化、さらにはシートへの成形を行い、引張
強度物性の測定を行った。得られた強度物性値は、引張
強度28MPa、破壊伸長率 5.8%およびヤング率 910MPa
であった。尚、上記のオリゴエステル化可塑化の際の仕
込み原料において、可塑剤(無水コハク酸、フェニルグ
リシジルエーテルおよびε−カプロラクトン)の割合は
35重量%であり、無水コハク酸とフェニルグリシジルエ
ーテルの合計分が25重量%、ε−カプロラクトンが10重
量%である。
【0034】実施例6 部分ケン化アセチル化木粉のオリゴエステル化可塑化の
際、部分ケン化アセチル化木粉15.5g、無水コハク酸
1.9g、フェニルグリシジルエーテル 2.9gおよびε−
カプロラクトン 3.6gといった仕込みを行う以外、実施
例1と全く同じ操作により、アセチル化、部分ケン化、
更にはシートへの成形を行い、引張強度物性の測定を行
った。得られた引張強度物性は、引張強度23MPa、破壊
伸長率 6.9%およびヤング率 807MPaであった。尚、上
記のオリゴエステル化可塑化の際の仕込み原料におい
て、可塑剤(無水コハク酸、フェニルグリシジルエーテ
ルおよびε−カプロラクトン)の割合は35重量%であ
り、無水コハク酸とフェニルグリシジルエーテルの合計
分が20重量%、ε−カプロラクトンが15重量%である。
【0035】実施例7 部分ケン化アセチル化木粉のオリゴエステル化可塑化の
際、部分ケン化アセチル化木粉15.5g、無水コハク酸
2.4g、フェニルグリシジルエーテル 3.6gおよびε−
カプロラクトン 2.4gといった仕込みを行う以外、実施
例3と同じ操作により、アセチル化、部分ケン化、さら
にはシートへの成形を行い、引張強度特性の測定を行っ
た。得られた引張強度特性は、引張強度22MP、破壊伸
長率 6.1%およびヤング率 810MPaであった。尚、上記
のオリゴエステル化可塑化の際の仕込み原料において、
可塑剤(無水コハク酸、フェニルグリシジルエーテルお
よびε−カプロラクトン)の割合は35重量%であり、無
水コハク酸とフェニルグリシジルエーテルの合計分が25
重量%、ε−カプロラクトンが10重量%である。
【0036】実施例8 部分ケン化アセチル化木粉のオリゴエステル化可塑化の
際、部分ケン化アセチル化木粉15.5g、無水コハク酸
1.9g、フェニルグリシジルエーテル 2.9gおよびε−
カプロラクトン 3.6gといった仕込みを行う以外、実施
例3と同じ操作によりアセチル化、部分ケン化、さらに
はシートへの成形を行い、引張強度特性の測定を行っ
た。得られた引張強度特性は、引張強度25MPa、破壊伸
長率 6.8%およびヤング率 865MPaであった。尚、上記
のオリゴエステル化可塑化の際の仕込み原料において、
可塑剤(無水コハク酸、フェニルグリシジルエーテルお
よびε−カプロラクトン)の割合は35重量%であり、無
水コハク酸とフェニルグリシジルエーテルの合計分が20
重量%、ε−カプロラクトンが15重量%である。
【0037】実施例9 部分ケン化アセチル化木粉のオリゴエステル化可塑化の
際、部分ケン化アセチル化木粉15.5g、無水コハク酸
2.0g、フェニルグリシジルエーテル 3.1gおよびε−
カプロラクトン 2.1gといった仕込みを行う以外、実施
例1と同じ操作により、アセチル化、部分ケン化、さら
にはシートへの成形を行い、引張強度特性の測定を行っ
た。得られた引張強度特性は、引張強度28MPa、破壊伸
長率 3.3%およびヤング率1104MPaであった。尚、上記
のオリゴエステル化可塑化の際の仕込み原料において、
可塑剤(無水コハク酸、フェニルグリシジルエーテルお
よびε−カプロラクトン)の割合は30重量%であり、無
水コハク酸とフェニルグリシジルエーテルの合計分が2
1.4重量%、ε−カプロラクトンが 8.6重量%である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未置換水酸基を有する化学修飾リグノセ
    ルロースの存在下で、多塩基酸又はその無水物と、モノ
    エポキシド化合物又は多価アルコールとを反応させるこ
    とを特徴とする熱可塑性化学修飾リグノセルロース組成
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記反応が、60〜250 ℃での混練練り込
    み反応である請求項1記載の熱可塑性化学修飾リグノセ
    ルロース組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 未置換水酸基を有する化学修飾リグノセ
    ルロースが、アセチル化リグノセルロースである請求項
    1又は2記載の熱可塑性化学修飾リグノセルロース組成
    物の製造方法。
  4. 【請求項4】 更にラクトン又はその重合物を存在させ
    て前記反応を行なう請求項1〜3の何れか1項記載の熱
    可塑性化学修飾リグノセルロース組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 デンプン又はデンプン誘導体を製造工程
    の何れかにおいて添加することを特徴とする1〜4の何
    れか1項記載の熱可塑性化学修飾リグノセルロース組成
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項記載の製造方
    法により製造された熱可塑性化学修飾リグノセルロース
    組成物。
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