JPH0931308A - ポリエステルグラフト重合澱粉アロイ - Google Patents

ポリエステルグラフト重合澱粉アロイ

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JPH0931308A
JPH0931308A JP7179035A JP17903595A JPH0931308A JP H0931308 A JPH0931308 A JP H0931308A JP 7179035 A JP7179035 A JP 7179035A JP 17903595 A JP17903595 A JP 17903595A JP H0931308 A JPH0931308 A JP H0931308A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可塑剤を必要とせずに、あるいは、極少量添
加するのみで成形品に所用の柔軟性及び実用化レベルの
靱性を容易に付加させることができるポリエステルグラ
フト重合澱粉アロイ及びその合成方法さらには当該アロ
イを用いた生分解性熱可塑性樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 ポリエステルグラフト鎖を澱粉分子上に
有し、前記グラフト鎖末端及び澱粉直結の水酸基の一部
又は全てがエステル基により封鎖されているポリエステ
ルグラフト重合澱粉と、前記ポリエステルグラフト鎖と
同一構成単位を有し、末端水酸基の一部または全てがエ
ステル基により封鎖されている独立ポリエステルとが均
一混合されてなるポリエステルグラフト重合澱粉アロ
イ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリエステルグ
ラフト重合澱粉アロイ及びその合成方法、さらには、当
該ポリエステルグラフト重合澱粉アロイをベースポリマ
ーの全部又は一部とする生分解性熱可塑性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【用語・略語の説明】以下に、本明細書で使用する用語
・略語を説明する。
【0003】(1) アロイ…異種ポリマー相互が、均一混
合系のポリマーブレンドのものを言い、本発明では、同
一反応系内で、同時的または逐次的に合成される、エス
テル化ポリエステルグラフト重合澱粉とポリエステルの
分子状態での混合物のことを言う。
【0004】(2) エステル封鎖率…グラフト及び独立ポ
リエステルの末端水酸基と澱粉分子直結の水酸基のエス
テル型封鎖率を意味する。全ての水酸基が封鎖された場
合は、封鎖率100%となる。
【0005】(3) DS値…誘導体のエステル化・エーテ
ル化度を示し、グルコース残基1個当たりの置換水酸基
の平均値。全ての水酸基が封鎖された場合は、DS=3
となる。
【0006】(4) グラフト化分子置換度(MS)…下記
式により求めたものを言う。
【0007】MS=(グラフト化ラクトン重量/ラクト
ン分子量)/(仕込み澱粉重量/澱粉分子量) (5) PCL…ポリカプロラクタン、PLA…ポリラクテ
ィックアシッドPHV/H…ポリヒドロキシブチレート
/バレエート (6) phr…副資材のベースポリマー100重量部に対
する配合重量部数を意味する。
【0008】
【従来の技術】 近年、盛んに実用化開発が行われてい
る生分解性の樹脂及びその組成物としては、 1)ポリエステル系合成樹脂、例えばPCL、PLA、P
HB/V 2)セルロース誘導体 3)PVA又はエチレン酢ビコポリマーと未変性澱粉のブ
レンド 4)高度エステル化澱粉(特に高置換度酢酸エステル澱
粉) 等が主なものとして挙げられる。
【0009】中でも高置換度酢酸エステル澱粉系樹脂が
その製造コストの安さから注目を浴びており、本発明の
発明性に直接的な影響を与えるものでは無いが、USP
5367067、PCT/US92/02003、特表
平5−508185等の特許出願、A.M.Mark and C.L.M
ehltretterの澱粉エステル合成法(1972,“Die Starke”
P-73) 等の文献が公知である。又、最近澱粉グラフト化
物による生分解性澱粉系樹脂の開発も行われている。特
開平5−125101号公報(旭化成)、“ANew Biode
gradable Plastic Made from Starch Graft(methyl Acr
ylate)Copoly-mer ”Journal of Applied Polymer Scie
nce, Vol.22,459-465,1978 がその例である。
【0010】しかし、澱粉エステル又は、グラフト重合
澱粉合成のいずれの公知技術に関しても、工業化レベル
での実用化可能な段階のものではないと考えられ、本発
明者らが知るかぎりにおいては、上記澱粉誘導体を使用
した生分解性プラスチックが実用化され上市された例を
見聞しない。その理由は、下記の如くであると推定され
る。
【0011】即ち、高度エステル化澱粉やポリエステル
グラフト重合化のみの澱粉を使用した成形品等(成形
品、フィルム、シート等を言う。)について、本発明者
らが、試験検討した結果は、下記のことが分かった。
【0012】(1) 物性試験を行った結果によれば、 1)成形品等に形成した場合において、脆く実用化レベル
の靱性を得難い。実用化レベルの靱性を得ようとした
り、また軟質成形品を得ようとすると多量に可塑剤を配
合する必要がある。これは機械強度の低下・物性の経時
劣化等の問題を引き起こす。
【0013】2)成形品等は、水分の影響を受け易く、即
ち、感水性が高く、耐水性・耐湿性・撥水性・耐水蒸気
透過性等の水環境下物性において実用化レベルのものを
得難い。
【0014】(2) ポリエステルグラフト化反応について
解析を行った結果によれば、 1)反応温度が高く、澱粉の熱劣化を生じている。
【0015】2)反応生成物の親水性が高く、実用的な水
系での回収が出来ない。
【0016】3)グラフト側鎖の重合度が上がらない。
【0017】更に、他の合成系熱可塑性樹脂とのブレン
ドに関しては、従来の酸無水物や酸ハロゲン化物を使用
した低分子量・高置換度エステル化澱粉或いは、グラフ
ト重合化のみの澱粉誘導体の場合は、機械強度はブレン
ド期待値よりも低く、又ブレンド後の樹脂の透明性は見
られない。
【0018】これらは、概ね、樹脂相互の混和性(コン
パティビリティー)に起因しており、澱粉の分子構造の
面から考えると、混和性の良い悪いの程度は、澱粉分子
上の置換基分布・変性程度・分子量に関係していると見
られ、実用上、前記現象を改良した、既存合成樹脂との
混和性の良好な樹脂或いは、樹脂組成物の出現が望まれ
ていた。
【0019】本発明は、上記にかんがみて、可塑剤を必
要とせずに、あるいは、極少量添加するのみで成形品に
所用の柔軟性及び実用化レベルの靱性を容易に付加させ
ることができるポリエステルグラフト重合澱粉アロイ及
びその合成方法さらには当該アロイを用いた生分解性熱
可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、澱粉系生分解樹脂の研究開発に鋭意
努力をした結果、下記構成のポリエステルグラフト重合
澱粉アロイ及びその合成方法、さらには、生分解性熱可
塑性樹脂組成物に想到した。
【0021】(1) 本発明のポリエステルグラフト重合澱
粉アロイは、全部又は部分的に末端エステル封鎖された
ポリエステルのグラフト側鎖を澱粉分子上に有し、澱粉
分子上の非グラフト化水酸基の一部又は全てがエステル
基により封鎖されたポリエステルグラフト重合澱粉に、
グラフト側鎖と同一構成単位を有する独立ポリエステル
が均一混合(実質的に分子相溶化)されてなることを特
徴とする。
【0022】(2) 本発明のポリエステルグラフト重合澱
粉アロイの合成方法は、澱粉に、エステル化/グラフト
化触媒及び澱粉溶解性の非水有機溶媒を加えて加温溶解
後、ラクトン(2量体・3量体を含む)をグラフト化試
薬として加えて反応させ、その中間段階で、ラクトンの
開環重合触媒を添加して、澱粉へのラクトンのグラフト
ポリエステル化重合反応と、独立ポリエステル化重合反
応を同時に行い、その後、エステル化試薬を添加して、
グラフト鎖末端水酸基・分子相溶化ポリマー末端水酸基
・澱粉直結水酸基の一部又は全てを同時にエステル封鎖
することにより製造することを特徴とする。
【0023】(3) 本発明の生分解性熱可塑性樹脂組成物
は、上記(1) に記載のポリエステルグラフト重合澱粉ア
ロイをベースポリマーの全部又は一部とすることを特徴
とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下の説明で、配合単位を表す
「%」は、特に、断らない限り「wt%」を意味する。
【0025】A.本発明のポリエステルグラフト重合澱
粉アロイは、基本的には、エステル化と共に、ポリエス
テルのグラフト化がなされている、ポリエステルグラフ
ト重合澱粉に、該グラフト側鎖と同一構成単位を有する
独立ポリエステルが均一分散されているアロイである。
【0026】ここで、エステル化の対応酸が、炭素数2
〜18の飽和・不飽和脂肪酸類、芳香族カルボン酸類の
1種又は2種以上から選択され、グラフト化・ポリマー
化反応したポリエステルが、環員数4〜12の1種又は
2種以上から選択されるラクトンの開環重合体であり、
澱粉直結の水酸基、グラフト側鎖末端水酸基、独立ポリ
マー末端水酸基の全部又は一部がエステル封鎖されてい
る。
【0027】即ち、ポリエステルグラフト重合澱粉アロ
イは、下記構造式で示されるものである。
【0028】
【化1】
【0029】ここでStarch:澱粉(低度変性化工
澱粉を含む)分子残基 R1 :炭素数1〜17(好ましくは1〜7)のアルキル
基、アルケニル基、アリール基のいずれか R2 :水素又は炭素数2〜18のアシル基 R3 :炭素数2〜18のアシル基又は水素 R4 :Cm2m(m=1〜11)で代表される、1種又
は2種以上の飽和炭化水素基 R5 :炭素数10以下のアルコキシ基又は多価アルコキ
シ基(炭素数200以下)又は水酸基 尚、R1 、上記アシル基におけるアルキル基としては、
メチル・エチル・プロピル・ブチル・オクチル・ドデシ
ル・ステアリル等を、アルケニル基としては、アクリル
・ヘキセニル・オクテニル等のアルケニル基を、アリー
ル基としてはベンジル・p−トルイル・キシリル等を、
それぞれ具体的に挙げることができる。これらのうち
で、メチル・エチル・プロピル等のアルキル基が特に好
ましい。
【0030】ここで、ポリエステルグラフト重合澱粉の
エステル封鎖率は15〜100%(好ましくは21〜1
00%)であり、ポリエステル(ポリラクトン)のグラ
フト化分子置換度が0.1〜20(好ましくは、0.2
〜10)である。
【0031】また、グラフト側鎖と同一構成単位を有す
る独立ポリエステル(ポリラクトン)は、アロイ全体に
対する混合率が70%以下(好ましくは50%以下)と
する。
【0032】上記グラフト側鎖及び独立ポリエステルの
分子量500〜200000(好ましくは1000〜1
50000)である。
【0033】上記エステル封鎖率が15%未満では吸湿
性・感水性・成型性等の物性に改善効果が薄い。エステ
ル封鎖率は可及的に100%に近い方が、成形品の耐水
性等の水環境下物性が向上して好ましい。
【0034】また、グラフト化分子置換度(MS)が、
0.1未満でも可塑化は可能であるが、成形品に関する
物性改善効果(生分解性を維持しながら水環境下物性を
向上させる。)が薄い。MSが20を越えるとコスト・
反応時間の面から実際的では無い。
【0035】独立ポリエステルの混合率は、独立ポリエ
ステル及びポリエステルグラフト重合澱粉の分子量と物
性、或いは、混合組成物の物性とマテリアルコストのバ
ランスに於いて決定され、バランス上、総重量中5〜7
0%とする。5%未満では、硬く、脆い物性が残り、7
0%を越えると、剛性が低くなり、コスト的にも好まし
くない。
【0036】グラフト側鎖及び独立ポリエステルの分子
量は500以下では分子相溶化組成物或いは混合組成物
の物性改善への寄与が少なく、200000以上では製
造における反応時間等の作業性の面で好ましくない。
【0037】B.上記ポリエステルグラフト重合澱粉ア
ロイの合成法は、特に限定されないが、別々に合成して
おいて、加熱溶融混合、ないし、溶剤希釈混合しても良
いが、下記方法で合成することが好ましい。
【0038】ポリエステルグラフト重合澱粉アロイの合
成方法は、ビニルエステル又は酸無水物・酸ハロゲン化
物をエステル化試薬とし、ラクトンをグラフト化試薬及
び独立ポリマー化試薬として、非水有機溶媒中でエステ
ル化/グラフト化触媒及び独立ポリマー化触媒を使用し
て澱粉と反応及び重合させ、エステル化及びグラフト化
・独立ポリマー化の3種類の反応を同時的又は逐次的に
行うこと、を構成の全部又は要部とするものである。
【0039】ポリエステルグラフト重合澱粉アロイの原
料澱粉としては、コーンスターチ、ハイアミロースコ
ーンスターチ、小麦澱粉等の地上茎未変性澱粉、馬鈴
薯澱粉、タピオカ澱粉等の地下茎未変性澱粉、及び、
それらの澱粉の低度エステル化・エーテル化・酸化・酸
処理化・デキストリン化された化工澱粉、等を、単独又
は複数併用して使用する。
【0040】また、エステル化及びグラフト化・独立ポ
リマー化を逐次的に行う場合は、どちらを先にしてもよ
く、グラフト化・独立ポリマー化後エステル化、エステ
ル化後グラフト化・独立ポリマー化その後再エステル化
等、任意である。さらには、市販のエステル化澱粉又は
ポリエステル(ポリラクトン)グラフト重合澱粉を、そ
れぞれ、ビニルエステル・酸無水物・酸ハロゲン化物・
ラクトンを試薬としてグラフト化又はエステル化又は独
立ポリマー化しても良い。
【0041】<B−1>エステル化:エステル化試薬と
してのビニルエステルとしては、エステル基炭素数2〜
18(好ましくは炭素数2〜7)のものを、単独又は複
数併用して使用する。
【0042】エステル基炭素数が18を越えると、試薬
有効率は高くなるが、反応効率が低下する。また、エス
テル基炭素数2〜7の範囲では、反応効率の面で高レベ
ルを維持できて(70%以上)好ましい。
【0043】具体的には、下記のものを例示でき(括弧
内はエステル基炭素数)、それらの内で、特に、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニルが、高い反応効率の観点から
好ましい。
【0044】酢酸ビニル(C2)、プロピオン酸ビニ
ル(C3)、ブタン酸ビニル(C4)、カプロン酸ビニ
ル(C6)、カプリル酸ビニル(C8)、ラウリン酸ビ
ニル(C12)、パルミチン酸ビニル(C16)、ステ
アリン酸ビニル(C18)等の飽和;又は、アクリル酸
ビニル(C3)、クロトン酸ビニル(C4)、イソクロ
トン酸ビニル(C4)、オレイン酸ビニル(C18)等
の不飽和の脂肪族カルボン酸ビニルエステル、 安息香酸ビニル、p−メチル安息香酸ビニル等の芳香
族カルボン酸のビニルエステルを使用可能である。
【0045】酸無水物・酸ハロゲン化物としては、炭素
数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の有機酸の酸無
水物・ハロゲン化物を挙げることができる。例えば、無
水酢酸・無水プロピオン酸・無水酪酸、又は、酢酸・プ
ロピオン酸・酪酸のハロゲン化物を好適に使用可能であ
る。
【0046】非水有機溶媒の一方の態様は、ビニルエス
テルを有機溶媒として使用する場合である。
【0047】この場合は、精製工程における特別な溶媒
回収工程は不要となる。なお、従来のビニルエステルを
使用したエステル化反応において、この様な反応形式は
採用されていない。また、この態様の場合、低分子量化
の防止効果及びビニルエステルの反応効率が向上して好
ましい一方、ビニルエステルが液状(加熱溶融したもの
を含む。)のものに限られるとともに、若干の反応不均
一性を有する。これに使用できるビニルエステルとして
は、前項記載のビニルエステルを挙げることができる。
【0048】非水有機溶媒の他方の態様は、反応試薬で
あるビニルエステルを非水有機溶媒として使用できな
い、又は、使用しない場合である。エステル化反応試薬
の種類にとらわれず、反応溶液濃度・反応速度の調整が
容易である利点を有し、ビニルエステルを非水有機溶媒
に使用するに比して、反応均一性が高い反面、エステル
化反応試薬と溶媒との分離回収を必要とする。この場合
の非水有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド(D
MSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジン
等の澱粉溶解性の極性溶媒、又は、酢酸エチル・アセ
トン等の澱粉非溶解性であって、また、ビニルエステル
・酸無水物・酸ハロゲン化物・生成エステル化澱粉溶解
性(但しビニルエステル・酸無水物・酸ハロゲン化物と
非反応性)の極性溶媒を、単独又は複数併用して使用す
ることができる。
【0049】特に、DMSO、DMF、ピリジン等の澱
粉溶解性の非水有機溶媒が、反応効率、反応の均一性の
観点から好ましい。
【0050】エステル化触媒としては、下記例示のア
ルカリ・アルカリ土類・両性金属のいずれかに属する金
属の水酸化物及び/又は鉱酸塩もしくは有機酸塩、炭酸
塩、或いは金属アルコキシド、有機物層間転移触媒、
及び、アミノ化合物、の各群のいずれからか選択して
使用する。これらの内で、が反応効率及び触媒コスト
の観点から好ましい。
【0051】苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化リチウム
などのアルカリ金属水酸化物;酢酸ソーダ、プロピオン
酸ソーダ、p−トルエンスルホン酸ソーダ等のアルカリ
金属有機酸塩;水酸化バリウム、水酸化カルシウム等の
アルカリ土類金属水酸化物、酢酸カルシウム、プロピオ
ン酸カルシウム、p−トルエンスルホン酸バリウム等の
アルカリ土類金属有機酸塩;燐酸ソーダ、燐酸カルシウ
ム、重亜硫酸ソーダ、硫酸カリ等の鉱酸塩、アルミン酸
ソーダ、亜鉛酸カリ、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛
などの両性金属の酸性塩や水酸化物、炭酸ソーダ、重炭
酸ソーダ、重炭酸カリウム等の炭酸塩、ナトリウムメチ
ラート、ナトリウムエチラート、などのナトリウムアル
コラート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウ
ムエチレート等のトリアルコキシアルミニウム化合物、
アルミニウムエチルアセテートジイソプロピレート等の
アルコキシ系アルミニウムキレート化合物 ジメチルアミノピリジン、ジエチルアミノ酢酸などの
アミノ化合物。
【0052】N−トリメチルーN−プロピルアンモニ
ウムクロリド、N−テトラエチルアンモニウムクロリド
等の第4級アンモニウム化合物 上記各種触媒は、製造に際して、予め澱粉に含浸させて
おくことが、ビニルエステルを媒体とする反応や澱粉を
溶解させない非水媒体中で反応を行う場合に、反応効率
が向上して好ましい。
【0053】澱粉に触媒を含浸させる前処理の方法とし
ては、原料澱粉を触媒を含む水溶液や溶媒に漬ける方
法、触媒を含む水溶液や溶媒と澱粉をニーダー等の混
練装置を使用して混ぜる方法、触媒を含む水溶液又
は、溶媒と澱粉をドラムドライヤー等の澱粉のアルファ
ー化装置でアルファー化する方法、触媒を含む水溶液
や溶媒と澱粉をバッチクッカー又は連続クッカーで糊化
含浸させる方法等、各種の含浸方法が採用可能である。
【0054】エステル化における反応温度条件は、特に
規定されないが、通常、30〜200℃、反応効率の見
地から好ましくは、60〜150℃とする。
【0055】従来の酸無水物・酸ハロゲン化物を使用す
る反応においては、澱粉の低分子量化(加水分解)を防
ぐ目的で、40℃以下の温度条件が採用されていたが、
ビニルエステルを使用する場合は、酸の副成がないた
め、それらより高温で反応を行わすことができ、反応効
率を増大できる。
【0056】エステル化試薬として使用するビニルエス
テルの使用量に関しては、原料澱粉1モルに対し、1〜
20倍モルとし、より好ましくは、1〜7倍モルとす
る。
【0057】また、エステル化触媒の使用量は、通常、
対澱粉無水物当たり1〜30%とする。
【0058】<B−2>グラフト化:グラフト化試薬と
してのラクトン(二量体・三量体環状エステルを含む)
は、環員数4〜12の1種又は2種以上から選択される
(括弧内は環員数)。
【0059】具体的には、βープロピオラクトン(4)
γー,δーバレロラクトン(5,6)、δー、εーカプ
ロラクトン(6,7)、ジサリチリド(8)、トリサリ
チリド(12)、1,4ジオキサンー2ーオン、グリコ
リド、ラクチド、トリメチレンカーボネート、エチレン
オキサレート等が使用可能である。好ましくは環員数4
から7のラクトン、特に、εーカプロラクトン、ラクチ
ドが好ましい。
【0060】グラフト化は、前記エステル化の前工程又
は後工程のいずれで行ってもよく、さらには、市販の適
宜置換度のエステル澱粉をグラフト化しても良い。
【0061】重合方法としては、特に限定されず、アニ
オン重合、カチオン重合、配位重合等、任意であるが、
グラフト化触媒をエステル化触媒と併用できるアニオン
重合が好ましい。
【0062】また、重合に使用する溶媒は、エステル化
に使用する非水有機溶媒(極性溶媒)中で行うことが好
ましい。
【0063】ここで、反応条件は、汎用澱粉に開環重合
によりグラフト化時の条件に準ずる。
【0064】グラフト化触媒としては、アニオン重合の
場合、前述のエステル化で使用するものも使用できる。
カチオン重合の場合、オキソニウム塩、プロトン酸、ル
イス酸や、ルイス酸に共触媒を加えた系を使用可能であ
る。この時、グラフト触媒の配合量は、モノマー100
部に対して、0.0005〜50部とする。
【0065】また、配位重合の場合は、アルミニウムや
亜鉛の有機金属化合物に0.5〜1.0モル量の水やア
セチルアセトン或いはこの両者を加えて反応させた系で
行うことができる。
【0066】また、反応温度に関しては、通常200℃
以下(好ましくは150℃以下)で行うことができる
が、重合度を上げ、澱粉の分子量低下を防止し、反応時
間を短縮させる目的では減圧下150℃以下の条件が好
ましく、更に、澱粉へのグラフト化を確実化させる意味
で、予め澱粉をアルカリ条件下で触媒と共に処理し、澱
粉ー金属錯体を作成した上でグラフト化反応を実施する
ことが、より好ましい。
【0067】<B−3> 独立ポリマー化反応 通常、常圧下グラフト化反応を生じさせる条件下では、
独立ポリマー化反応は非常にゆっくりと進行する。従っ
て、グラフト化反応と独立ポリマー化反応を同時的或い
は逐次的に行い、且つ、所定の時間以内に一定の分子量
を得るためには、グラフト化反応とは異なった、独立ポ
リマー化反応に特に効果のある触媒(金属アルコキシ
ド、両性金属水酸化物、両性金属酸の塩が好ましい)を
時間をずらして添加することが有効であることが新たに
判明した。また、驚くべきことに、この様に時間をずら
して触媒を添加することにより、当該分子相溶化物或い
は混合組成物の中の独立ポリマーの含有量及び分子量を
任意に制御することができ、独立ポリマーの分子相溶化
(均一混合化)と共に、生成当該組成物の物性を一層好
ましいものにできることも新たに判明した。
【0068】また、温度条件は、グラフト化反応に適用
される条件をそのまま採用することができる為に、製造
面からの反応制御は非常に効率的である。
【0069】<C> 生分解性熱可塑性樹脂組成物 当該生分解性熱可塑性樹脂組成物は、ベースポリマーの
全部又は一部が、上記ポリエステルグラフト重合澱粉ア
ロイで構成され、副資材として生分解性可塑剤及び/又
はフィラー及び/又は分散系薬剤が配合されてなること
を基本的構成とする。
【0070】ここでベースポリマー中のポリエステルグ
ラフト重合澱粉アロイの比率は、5〜100wt%、好
ましくは、25〜100wt%とする。可塑剤の配合量
は、通常、0〜60phr、好ましくは、30phr以
下とする。また、フィラー配合量は通常、0〜200p
hr、好ましくは0〜150phrとする。分散剤及び
増粘剤の配合量は、通常、0.005〜100phr、
好ましくは、0.01〜50phrとする。
【0071】ベースポリマーとして、ポリエステルグラ
フト重合澱粉アロイと混合するポリマーとしては、エス
テル及び/又はエーテル系澱粉誘導体、及び、生分解性
ポリエステル、セルロース誘導体、ポリビニルアルコー
ル、及びポリビニルエステル、の生分解性に優れたポリ
マー群から1種又は2種以上を選択して使用することが
好ましい。
【0072】さらに、ポリアミド系、ポリカーボネー
ト、ポリウレタン等の縮合重合物、ポリビニルエステル
以外のビニルポリマー、ポリオレフィン、ポリアルキレ
ンオキシド、及び、生分解性ポリアルキレンオキシド、
エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレ
ート共重合体、エチレンメチルアクリレート共重合体、
ABS樹脂、スチレンアクリロニトリル共重合体、等も
使用可能である。
【0073】具体的には、 生分解ポリエステル:ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、
ポリアジペート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒド
ロキシブチレートバレエート等。
【0074】セルロース誘導体 :酢酸セルロース、ヒ
ドロキシセルロース、カルボキシアルキルセルロース
等。
【0075】ポリビニルエステル:ポリ酢酸ビニル、ポ
リアクリロニトリル、ポリビニルカルバゾール、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等。
【0076】ポリオレフィン :ポリエチレン、ポリ
イソブチレン、ポリプロピレン等。
【0077】ビニルポリマー :塩化ビニル、ポリス
チレン(ポリビニルエステルを除く) ポリアルキレンオキシド:ポリエチレンオキシド、ポリ
プロピレンオキシド等。
【0078】生分解性可塑剤としては、フタル酸エステ
ル、芳香族カルボン酸エステル、脂肪族二塩基酸エステ
ル、脂肪酸エステル誘導体、リン酸エステル、ポリエス
テル系可塑剤、エポキシ可塑剤、及び高分子系可塑剤の
いずれかから1種又は2種以上を選択して使用する。
【0079】具体的には、 フタル酸エステル:ジメチル、ジエチル、ジブチル、ジ
オクチル等のフタル酸エステル、エチルフタリルエチル
グリコレート等 脂肪族二塩基酸エステル:オレイン酸ブチル、グリセリ
ンモノオレイン酸エステル、アジピン酸ブチル、アジピ
ン酸nヘキシル等 芳香族カルボン酸エステル:トリメリット酸トリオクチ
ル、ジエチレングリコールベンゾエート、オキシ安息香
酸オクチル等 脂肪酸エステル誘導体:スークロースオクタアセテー
ト、ジエチレングリコールジベンゾエートオキシ酸エス
テル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルクエン酸
トリエチル、トリアセチン、トリプロピオニン、ジアセ
チルグリセリン、グリセリンモノステアレート等 燐酸エステル:燐酸トリブチル、燐酸トリフェニル等 エポキシ可塑剤:エポキシ化大豆、エポキシ化ヒマシ
油、アルキルエポキシステアレート等 高分子系可塑剤:各種液状ゴム、テルペン類、リニアポ
リエステル等 フィラーとしては、天然系無機質フィラー又は天然系有
機質フィラーから一種又は二種以上を選択して使用す
る。
【0080】具体的には、 無機質フィラー:タルク、酸化チタン、クレー、チョー
ク、ライムストーン、炭酸カルシウム、マイカ、ガラ
ス、ケイソウ土、ウォールアストナイト、各種シリカ
塩、マグネシウム塩、マンガン塩、ガラス繊維、各種セ
ラミック粉末等。
【0081】有機質フィラー:セルロース繊維や粉(誘
導体含む)、木粉、パルプ、ピーカンファイバー、綿
粉、穀物外皮粉、コットンリンター、木材繊維、バガス
等 分散系薬剤は、いわゆる、分散剤・分散助剤・増粘剤
(沈降防止剤)等の分散質の分散を促進・維持する薬剤
を意味し、当該薬剤としては、炭素数4〜18の脂肪酸
塩、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カ
チオン性又はアニオン性水溶性高分子、縮合燐酸塩、カ
チオン澱粉誘導体、セルロース誘導体、植物ガム及びそ
の誘導体、動物性高分子、微生物高分子、水性エマルジ
ョン化合成高分子から一種又は二種以上を選択して使用
する。
【0082】具体的には、 炭素数4〜18の脂肪酸:ブタン酸ソーダ、オクタン酸
カリウム、ステアリン酸ソーダ等 ノニオン性界面活性剤 :アルキルポリアルキレンオキ
シド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ジメチルポリシロキサン等 アニオン性界面活性剤 :アルキル硫酸エステルソー
ダ、アルキルスルホン酸ソーダ等 水溶性合成高分子 :カチオン性ポリアクリルアミ
ド、PVA、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンイミ
ン、縮合ナフタレンスルホン酸塩等 縮合燐酸塩 :ヘキサメタ燐酸ソーダ、トリ
ポリ燐酸ソーダ等 カチオン性澱粉誘導体 :コーンスターチベース、タピ
オカスターチベース、馬鈴薯澱粉ベース セルロース誘導体 :カルボキシメチル・カルボキ
シエチル・ヒドロキシプロピル、カチオン化セルロース
誘導体等 微生物高分子 :キサンタンガム、ポリデキス
トロース等 植物ガムとその誘導体 :アラビアガム、アルギン酸等 動物性高分子 :カゼイン、キトサン等 合成高分子 :合成ゴムラテックス、ポリ酢
酸ビニルエマルション等 <D> 用途 上記本発明のエステル化ポリエステルグラフト重合澱粉
ーポリエステル分子相溶化組成物及び混合組成物並びに
熱可塑性樹脂組成物の用途としては、下記の如く、幅広
い展開が可能である。
【0083】1)エクストルーダー、キャスト、ロール、
インフレーション等によりフィルム化シート化する。
【0084】2)紙、シート、フィルム、不織布等の加工
に使用してラミネート製品、塗工製品を得る。
【0085】3)紙の製造工程のいずれかの段階で添加し
て、機能性を紙・紙加工製品に付与する。
【0086】4)不織布の製造工程のいずれかの段階で添
加して、機能性を不織布・不織布加工製品に付与する。
【0087】5)水中にエマルション化・分散化して使用
する。
【0088】6)射出・押出し・ブロー・トランスファー
・圧縮成型等により中実ないし発泡成型品を得る。
【0089】
【発明の作用・効果】本発明のポリエステルグラフト化
重合澱粉アロイ及びそれを含む生分解性熱可塑性樹脂組
成物は、後述の実施例で支持される如く、成形品等に形
成した場合において、可塑剤の無配合又は少量配合で成
形品に実用化レベルの常態物性(特に耐衝撃性及び柔軟
性)を付与することができ、しかも、成形品に実用化レ
ベルの水環境下物性のものが容易に得られる。
【0090】即ち、本発明のポリエステルグラフト化
重合澱粉アロイ及びそれを含む生分解性熱可塑性樹脂組
成物からなる成形品等は、 1)成型品等の弾性限界内伸びが10%以上のものが容易
に得られる。
【0091】2)水蒸気透過性が格段に向上する。
【0092】3)フィルム化させる為の可塑剤量を大幅に
減らし、無可塑剤でのフィルム化が可能となる。(従来
の澱粉系樹脂或いはブレンドでは不可能であった。) 4)可塑剤添加時の保持能力が各段に向上する。
【0093】5)鉱物質フィラーを50%まで、良好な成
形性を維持しながら混合できる。
【0094】6)射出成型品の曲げ弾性を下げ、可撓性を
付与できる。 等の新しい効果も見出だされた。しかも、生分解性は確
保されている。
【0095】これらの効果は、澱粉のアルコール性水酸
基を介して導入したアシル基(エステル)と末端水酸基
が全部又は部分的に略封鎖されたグラフトポリラクト
ン、そして、実質的に分子状態で均一混合(分散)され
ている末端水酸基が全部又は部分的に略封鎖されたポリ
ラクトンの存在が相乗して、分子量の増大とともに、適
度な結晶性・極性分布・内部可塑化、さらには、澱粉ア
ルコール性水酸基の封鎖及びポリラクトンの末端水酸基
の略封鎖に起因するものと推定される。
【0096】そして、本発明のポリエステルグラフト
化重合澱粉アロイを合成する方法は、従来の高度エステ
ル化澱粉やポリエステルグラフト重合澱粉の合成と、独
立ポリエステル化反応では予期し得ない下記の様な作用
・効果を奏する。
【0097】1)低温でのポリエステルグラフト化・独立
ポリマー化(開環重合)を行う新しい方法の発見(特に
減圧下でグラフト化とホモポリマー化を併走させる)に
より、澱粉の熱解裂による低分子化が防止されるととも
に、独立ポリエステルの分子レベルの均一分散化が可能
となった。また、グラフトポリマー部(グラフト鎖)の
高分子量化も容易となった。
【0098】2)また、澱粉を予めエステル化/グラフト
化の共通触媒により下記式の如く、澱粉のアルコール性
水酸基を活性化処理(アニオン化)して、ラクトングラ
フト重合反応とエステル化反応を同一系内で生じさせる
ことができる。
【0099】 Starch−O-+ (M+ :金属イオン) これにより、重合反応機構上、グラフトを澱粉上に確実
に生じさせることが出来る。さらに、エステル化反応を
加えることにより、開環重合の停止を行いながら、同時
にグラフトポリラクトン及び独立ポリエステル(ポリラ
クトン)の末端水酸基の封鎖が可能となる為に、重合度
が低くとも生成物は疎水性となり、水中での取扱・回収
が容易となった。即ち、これは、安価な触媒を使用し
て、ポリマー部重合度の色々異なったポリエステルグラ
フト化重合澱粉アロイの合成(製造)が、反応制御容易
に可能ということを意味している。
【0100】
【実施例】以下に、本発明の効果を確認する為に、比較
例と共に行った実施例について説明をするが、本発明は
それらの実施例により、何等制約を受けるものではな
い。
【0101】なお、以下の説明で配合単位を示す『部』
は、特に断らないかぎり重量単位を意味する。
【0102】A−1.ポリエステルグラフト化重合澱粉
(アロイ)またはエステル化澱粉の合成方法 <実施例1〜3及び比較例1〜2>それぞれ、図1〜5
に示す処方に従って、製造(合成)した。(表1参照) 表1にそれらの、グラフト化分子置換度、末端エステル
封鎖率、独立ポリエステル含有率、エステル置換度をそ
れぞれ示す。
【0103】なお、グラフト化分子置換度(MS)は、
各反応生成物を、四塩化炭素を使用して、24時間ソッ
クスレー抽出し、独立ポリエステルを除いた後、酸分解
を行って澱粉に結合したポリエステル構成型の重量(ガ
スクロ定量)を求め、前記MSを求める式に代入して得
た。
【0104】
【表1】
【0105】<試験例1>実施例1のポリエステルグラ
フト化重合澱粉アロイ(アセチル化カプロラクトン開環
重合体グラフト化澱粉ーポリカプロラクトン分子相溶化
アロイ)、比較例1(高置換度アセチル化澱粉)、比較
例2(εーカプロラクトン開環重合体グラフト澱粉)の
各々100部に対し、可塑剤(トリアセチン)を、同じ
レベルの引張り弾性率を示す様に、それぞれ表示部数配
合して各樹脂組成物を調製した。但し、実施例1の組成
物に関しては、可塑剤を配合しなくても低い弾性率を示
すので、可塑剤は添加していない。
【0106】各樹脂組成物を、120℃でエクストルー
ジョン後、射出成形してJIS標準1号のダンベル試験
片、曲げ試験片、円盤試験片を作成する。これらの試験
片を使い、下記項目の物性試験を下記方法に従って行っ
た。
【0107】1)引張り弾性率・引張り強度・破断時伸び
JIS K7113 2)吸湿性 上記1号形小型試験片を23℃・75%湿度
に96時間保存後の重量増加を保存前の重量に対して比
率で表した。
【0108】試験結果を示す表2より、比較例1・2は
表2中の引張り弾性率を得るのに、各々相応の可塑剤を
必要とするが、実施例1は可塑剤を全く必要しないと共
に、引張り強度・靱性等においても優れ、さらには、吸
湿性等の水分環境下物性も各段に向上していることが分
かる。
【0109】
【表2】
【0110】<試験例2>実施例3(アセチル化カプロ
ラクトン・ラクチドグラフト化澱粉ーポリカプロラクト
ン・ポリラクティックアシッド分子相溶化アロイ)、比
較例1、及び比較例2の各生成物100部に対し、可塑
剤(トリアセチン)を下記表に示す各部数配合して、各
樹脂組成物を調製した。但し、実施例3の樹脂について
は、可塑剤の配合は無しとした。各樹脂組成物を、14
0℃でエクストルージョンして、厚さ30μmのフィル
ムを作成する。このフィルムを坪量125g/m2 の両
晒クラフト紙にヒートシールラミネートを行ってラミネ
ート紙を調製する。該ラミネート紙を用いて、下記項目
の物性試験を下記方法に従って行った。
【0111】1)水蒸気透過性 JIS Z0208 2)耐水性 JIS P8140 3)耐折強度 JIS P8114(フィルムの靱
性を評価) 試験結果を示す表2より、実施例3は、比較例1・2に
比較して、水蒸気透過性、耐水性等の水分環境下物性が
各段に優れているばかりでなく、フィルムの靱性の点で
も、実施例3は、比較例1・2のいずれに比較しても格
段に高いことが分かる。
【0112】
【表3】
【0113】<試験例3>実施例1(アセチル化カプロ
ラクトン開環重合体グラフト化澱粉ーポリカプロラクト
ン分子相溶化アロイ)、比較例1及び比較例2の各生成
物100部に対して、可塑剤(トリアセチン)及びフィ
ラー(タルク)を下記表に示す各部数配合して各樹脂組
成物を調製した。該各樹脂組成物を、下記成形条件で射
出成形によりJIS標準曲げ試験片(JIS K720
3)を調製し、各試験片について曲げ強度と曲げ弾性率
を測定した。
【0114】成形条件:温度=165℃、射出圧=1次
(65%)2次(35%)3次(30%)射出成形機=
日精樹脂工業製PS−40 試験結果を示す表4より、実施例2は、比較例1・2に
比較して、無機質フィラーを多量に配合でき、且つ、等
量フィラー配合においては、曲げ弾性率が小さく、硬さ
の低い成形品が得やすいことが分かる。
【0115】
【表4】
【0116】<試験例4> 生分解性試験 実施例1、比較例1のそれぞれ1gを20gの頁岩土壌
に混ぜ、最大容水量60%となる様に水を加え、炭酸ガ
ス発生量測定装置を使って、25℃で、分解により発生
する炭酸ガス量を測定して生分解性の試験を行った。そ
の結果を示す下記表より、実施例1は比較例1に優ると
も劣らない生分解性が維持されていることが分かる。
【0117】
【表5】
【0118】<試験例5>実施例1及び比較例1の各生
成物について、ガラス転移点を『島津熱流束示差走査熱
量計DSC−50』で、下記条件により分析した。
【0119】 条件 : サンプル量 =8.600mg セル =アルミニウム ガス種類/流量=窒素/50.00 /分 加熱速度 =10℃/分 ホールド温度 =220℃ 試験結果を示す表6より、実施例1は、比較例1に比較
してガラス転移温度が低温側に存在し、各種成形に可塑
剤無しでも成形可能であることが分かる。
【0120】
【表6】
【0121】<試験例6>実施例1及び、比較例1・2
に下記表中の可塑剤(トリアセチン)と共にポリεーカ
プロラクトン(TONE−787:ユニオンカーバイド
社製)を実施例1と同量の配合になる様に、後から固形
状態でプラストミルを使用して混ぜた樹脂組成物を16
0℃でエクストルージョンして、厚さ50μmのフィル
ムを作り、その透明性(光透過率で判定)と伸び率を測
定した。
【0122】試験結果を示す表7より、実施例1の光透
過性及び伸び率は、各々の比較例に比べ、格段に高い。
このことは、製造過程に於けるグラフト化とポリマー化
の競争反応と、その結果によるエステル化グラフト重合
部とポリマー部の分子相溶化が大きく影響しており、本
発明に関わる組成物は、後で機械的にブレンドさせる方
法では実現されない新しい組成物であることを示してい
る。また、その製造過程にも、新規性が存在することを
示している。
【0123】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のエステル化ポリエステルグラフト化
澱粉アロイの調製処方を示す流れ図
【図2】実施例2のエステル化ポリエステルグラフト化
澱粉アロイの調製処方を示す流れ図
【図3】実施例3のエステル化ポリエステルグラフト化
澱粉アロイの調製処方を示す流れ図
【図4】比較例1のエステル化澱粉の調製処方を示す流
れ図
【図5】比較例2のグラフト化澱粉の調製処方を示す流
れ図
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】MS=(グラフト化ラクトン重量/ラクト
ン分子量)/(仕込み澱粉重量/澱粉分子量) (5)PCL…ポリカプロラクン PLA…ポリラクティックアシッド PH…ポリヒドロキシブチレート/バレエート (6)phr…副資材のベースポリマー100重量部に
対する配合重量部数を意味する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】中でも高置換度酢酸エステル澱粉系樹脂が
その製造コストの安さから注目を浴びており、本発明の
発明性に直接的な影響を与えるものでは無いが、USP
5367067、PCT/US92/02003、特表
平5−508185等の特許出願、A.M.Mark
and C.L.Mehltretterの澱粉エス
テル合成法(1972,“Die Starke”P−
73)等の文献が公知である。又、最近澱粉グラフト化
物による生分解性澱粉系樹脂の開発も行われている。特
開平5−125101号公報(旭化成)、“A New
Biodegradable Plastic Ma
de from Starch Graft(meth
yl Acrylate)Copo−lymer”Jo
urnal of Applied Polymer
Science,Vol.22,459−465,19
78がその例である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化リチウム
等のアルカリ金属水酸化物;酢酸ソーダ、プロピオン酸
ソーダ、p−トルエンスルホン酸ソーダ等のアルカリ金
属有機酸塩;水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のア
ルカリ土類金属水酸化物酢酸カルシウム、プロピオン
酸カルシウム、p−トルエンスルホン酸バリウム等のア
ルカリ土類金属有機酸塩;燐酸ソーダ、燐酸カルシウ
ム、重亜硫酸ソーダ、硫酸カリ等の鉱酸塩;アルミン酸
ソーダ、亜鉛酸カリ、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛
の両性金属の金属酸塩や水酸化物炭酸ソーダ、重炭
酸ソーダ、重炭酸カリウム等の炭酸塩ナトリウムメチ
ラート、ナトリウムエチラート等のナトリウムアルコラ
ートアルミニウムイソプロピレート、アルミニウムエ
チレート等のトリアルコキシアルミニウム化合物アル
ミニウムエチルアセテートジイソプロピレート等のアル
コキシ系アルミニウムキレート化合物 ジメチルアミノピリジン、ジエチルアミノ酢酸のア
ミノ化合物。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】重合方法としては、特に限定されず、アニ
オン重合、カチオン重合、配位重合等、任意であるが、
クラフト化触媒エステル化触媒と併用できるアニオ
ン重合が好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】セルロース誘導体 :酢酸セルロース、ヒ
ドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセル
ロース等。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51:02 101:00) (72)発明者 奥村 康仁 愛知県碧南市玉津浦町1番地 日本コーン スターチ株式会社開発研究所内 (72)発明者 田中 浩 愛知県碧南市玉津浦町1番地 日本コーン スターチ株式会社開発研究所内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記ポリエステルグラフト重合澱粉と独立
    ポリエステルとが均一混合されてなるポリエステルグラ
    フト重合澱粉アロイ。 (a) ポリエステルグラフト重合澱粉…ポリエステルグラ
    フト鎖(特に断らない限り、以下「グラフト鎖」と略
    す)を澱粉分子上に有し、前記グラフト鎖末端及び澱粉
    直結の水酸基の一部又は全てがエステル基により封鎖さ
    れている。 (b) 独立ポリエステル…前記グラフト鎖と同一構成単位
    を有し、末端水酸基の一部または全てがエステル基によ
    り封鎖されている。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ポリエステルグラフ
    ト重合澱粉アロイ中の前記独立ポリエステルの比率が5
    〜70wt%であることを特徴とするポリエステルグラフ
    ト重合澱粉アロイ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記ポリエス
    テルグラフト重合澱粉アロイ中の水酸基のエステル封鎖
    率が15〜100%であり、前記ポリエステルのグラフ
    ト化分子置換度が0.1〜20、グラフト鎖及び独立ポ
    リエステルの分子量が500〜200000であること
    を特徴とするポリエステルグラフト重合澱粉アロイ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエ
    ステルグラフト重合澱粉アロイの合成方法であって、 澱粉に、エステル化/グラフト化触媒及び澱粉溶解性の
    非水有機溶媒を加えて加温溶解後、ラクトン(2量体・
    3量体を含む)をグラフト化試薬として加えて反応さ
    せ、その中間段階で、ラクトンの開環重合触媒を添加し
    て、澱粉へのラクトンのグラフトポリエステル化重合反
    応と、独立ポリエステル重合反応を同時に行い、その
    後、エステル化試薬を添加して、グラフト鎖末端水酸基
    ・分子相溶化ポリマー末端水酸基・澱粉直結水酸基の一
    部又は全てを同時にエステル封鎖することにより製造す
    ることを特徴とするポリエステルグラフト重合澱粉アロ
    イの合成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、重合反応を生じるモ
    ノマーが、環員数が4から12の一量体以上の少なくと
    も一種以上のラクトンであることを特徴とする請求項4
    に記載のポリエステルグラフト重合澱粉アロイの合成方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、重合反応が、
    真空度の数値が200mmHg以下の減圧下、200℃以下
    の温度で行われることを特徴とするポリエステルグラフ
    ト重合澱粉アロイの合成方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかにおいて、エス
    テル化試薬が炭素数2から18のエステル反応残基を有
    する、ビニルエステル、カルボン酸無水物、カルボン酸
    ハロゲン化物であることを特徴とするポリエステルグラ
    フト重合澱粉アロイの合成方法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかにおいて、エス
    テル化/グラフト化触媒が、アルカリ・アルカリ土類・
    両性金属のいずれかに属する金属の水酸化物及び/又は
    鉱酸塩及び/又は炭酸塩及び/又はアルコキシドである
    ことを特徴とするポリエステルグラフト重合澱粉アロイ
    の合成方法。
  9. 【請求項9】 請求項4〜7のいずれかにおいて、独立
    ポリエステル重合反応触媒がアルカリ・アルカリ土類
    ・両性元素に属する金属の水酸化物及び/又は鉱酸及び
    /又は炭酸塩及び/又はアルコキシド、アミン基をそ
    の構成単位の中に持つ化合物であることを特徴とするポ
    リエステルグラフト重合澱粉アロイ重合澱粉の合成方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリ
    エステルグラフト重合澱粉アロイをベースポリマーの全
    部又は一部とすることを特徴とする生分解性熱可塑性樹
    脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記ベースポリ
    マー100重量部に対して、副資材として生分解性可塑
    剤1〜90重量部が、配合されてなることを特徴とする
    生分解性熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 請求項11において、ベースポリマー
    100重量部に対して、副資材として、さらに、分散系
    薬剤0.001〜100重量部配合されてなることを特
    徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 請求項10において、前記ベースポリ
    マー100重量部に対して、副資材として有機質・無機
    質フィラー1〜70重量部が配合されてなることを特徴
    とする生分解性熱可塑性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 請求項13において、ベースポリマー
    100重量部に対して、副資材として、さらに、分散系
    薬剤0.001〜100重量部が配合されてなることを
    特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 請求項10において、前記ベースポリ
    マー100部に対し、副資材として、分散系薬剤0.0
    01〜100重量部が配合されてなることを特徴とする
    生分解性熱可塑性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 請求項10において、前記ベースポリ
    マー100重量部に対して、副資材として生分解性可塑
    剤1〜90重量部、及び、有機質・無機質フィラー1〜
    70重量部が、それぞれ配合されてなることを特徴とす
    る生分解性熱可塑性樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 請求項16において、ベースポリマー
    100重量部に対して、副資材として、さらに、分散系
    薬剤0.001〜100重量部配合されてなることを特
    徴とする生分解性熱可塑性樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 請求項10〜17のいずれかにおい
    て、前記ポリエステルグラフト重合澱粉アロイと混合さ
    れるポリマーが、エステル及び又はエーテル系澱粉誘導
    体、ポリオレフィン系ポリマー、ポリビニル系ポリマ
    ー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、
    ポリアルコキシド系ポリマー、セルロース誘導体の群か
    ら1種又は2種以上が選択されることを特徴とする生分
    解性熱可塑性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 請求項11、12、16、17のいず
    れかにおいて、前記生分解性可塑剤として、フタル酸エ
    ステル、芳香族カルボン酸エステル、脂肪族二塩基酸エ
    ステル、脂肪酸エステル誘導体、燐酸エステル、ポリエ
    ステル系可塑剤、エポキシ可塑剤、及び高分子系可塑剤
    のいずれかから1種又は2種以上が選択されることを特
    徴とする生分解性熱可塑性樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 請求項13、14、16、17のいず
    れかにおいて、前記フィラーとして、天然系無機質フィ
    ラー、天然系有機質フィラー、及び合成系フィラーのい
    ずれかから1種又は2種以上が選択されることを特徴と
    する生分解性熱可塑性樹脂組成物。
  21. 【請求項21】 請求項12、14、15、17のいず
    れかにおいて、前記分散系薬剤として、金属脂肪酸塩、
    アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオ
    ン性又はアニオン性水溶性合成高分子、縮合燐酸塩、カ
    チオン澱粉誘導体、セルロース誘導体、植物ガム及びそ
    の誘導体、動物性高分子、微生物高分子、合成高分子エ
    マルジョンのいずれかから1種又は2種以上が選択され
    ることを特徴とする生分解性熱可塑性樹脂組成物。
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