JP2000155954A - フォーカスジャンプ装置 - Google Patents

フォーカスジャンプ装置

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JP2000155954A
JP2000155954A JP10326936A JP32693698A JP2000155954A JP 2000155954 A JP2000155954 A JP 2000155954A JP 10326936 A JP10326936 A JP 10326936A JP 32693698 A JP32693698 A JP 32693698A JP 2000155954 A JP2000155954 A JP 2000155954A
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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクの面振れや層間隔のばらつき等の外
乱が生じた場合でも、安定したフォーカスジャンプを行
うことができるフォーカスジャンプ装置を提供するこ
と。 【解決手段】 リファレンス位置発生器から図3(A)
に示す様な加速状態及び減速状態での位置変化の間に一
定速度状態で位置変化するリファレンス位置を出力し、
フィードフォワード補償器に入力する。フィードフォワ
ード補償器は2階の微分器に近似できる特性を有してお
り、図3(C)の様な加速パルスと減速パルスの間に一
定速度期間を有したフィードフォワード出力がアクチュ
エータのドライバに供給される。一方、アクチュエータ
の移動により検出されるフォーカスエラー信号を線形化
変換し、この変換後の線形化位置出力と図3(A)に示
すリファレンス位置との位置偏差が低減される様にフィ
ードバック制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくもとも2層
以上の記録層を有する光ディスク等記録媒体において記
録層間のジャンプを行うフォーカスジャンプ装置の技術
分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のCD(Compact Disk)プレーヤー
等の光ディスク再生装置におけるフォーカスサーボ制御
は次のように行われている。まず、鋸波状信号等の所定
の駆動信号がアクチュエータの駆動回路に供給される
と、駆動回路からは当該駆動信号に応じた出力がアクチ
ュエータに設けられたフォーカスコイルに印加され、こ
れによりアクチュエータがディスクに向かう方向または
ディスクから離れる方向に移動する。
【0003】次に、アクチュエータの対物レンズを介し
て照射されたレーザービームが光ディスクに照射される
と、当該光ディスクからの反射光がフォトディテクタに
て電気信号に変換され、フォーカスエラー信号が生成さ
れる。このフォーカスエラー信号は、対物レンズとディ
スクとの相対距離が基準値の時にゼロレベルの出力とな
り、基準距離からの変位に応じて出力レベルが連続的に
変化するS字状の特性を持つ。
【0004】生成されたフォーカスエラー信号は基準値
と比較され、比較結果出力が位置偏差としてサーボルー
プ制御部に入力される。サーボループ制御部は、入力さ
れる位置偏差よりフォーカスエラー信号のゼロクロス点
を認識し、反射光の総量であるフォーカスサム信号が所
定レベル以上且つフォーカスエラー信号がゼロクロスす
る時に、アクチュエータの駆動回路へフォーカスエラー
信号を入力させ、アクチュエータ、フォトディテクタ、
アクチュエータの駆動回路のループからなるフォーカス
サーボループが形成される。
【0005】フォーカスサーボループが形成されると、
フォーカスエラー信号はイコライザアンプにて位相補償
が施され、アクチュエータの駆動回路に入力される。ア
クチュエータの駆動回路は、入力されるフォーカスエラ
ー信号に基づき、対物レンズとディスクとの相対距離を
常に基準値に維持するように、対物レンズを駆動する駆
動出力をアクチュエータに出力する。
【0006】以上のように、従来のCDプレーヤーにお
いては、ピックアップをフォーカスコイルによって駆動
させて対物レンズとディスク間の距離を常に一定に保つ
用に制御していた。
【0007】一方、光ディスクの記録情報の増大に伴
い、第1の反射層と第2の反射層とからなる多層構造を
有し、記録データの高密度化を図ったディスクが実用化
されている。
【0008】このような多層構造の光ディスクの再生に
おいては、再生層の変更に伴い、記録情報を読み取るべ
き再生層に確実にフォーカスサーボをかける必要があ
る。例えば、第1層を再生中に第2層の再生に切り替え
るために、アクチュエータをジャンプさせ、ビームスポ
ットを第1層から第2層にフォーカスさせる必要が生じ
る。このような層間ジャンプは、一般にフォーカスジャ
ンプと呼ばれるている。
【0009】具体的には、ジャンプ開始命令と共に一定
量の加速パルスをアクチュエータの駆動回路に加え、所
望のタイミングで一定量の減速パルスを当該駆動回路に
加えるというフィードフォワード方式のオープン制御を
行い、対物レンズが目的位置に到達した後に再び上述し
たフォーカスサーボ制御を行っている。
【0010】フォーカスサーボの目標値はゼロであり、
フォーカスサーボクローズ時にフォーカスエラーがゼロ
付近で推移している場合には、検出系は線形な特性を示
す。ところが、上述のような層間ジャンプを行うと検出
器の出力はsin波状等の非線形な特性を示す。そのた
め、従来においてはジャンプ期間中に安定化のためのフ
ィードバック制御は行われていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィー
ドフォワード方式のオープン制御は外乱に弱く、例えば
ジャンプ時におけるディスクの面振れ、あるいは層間隔
のばらつきにより、制御が不安定になり、ジャンプ後に
フォーカスサーボをクローズする際にサーボが迅速に整
定しなかったり、サーボが外れる等の可能性があり、プ
レイアビリティ低下の大きな要因となる。
【0012】本発明は、このような問題的に鑑みてなさ
れたものであり、ディスクの面振れや層間隔のばらつき
等の外乱が生じた場合でも、安定したフォーカスジャン
プを行うことができるフォーカスジャンプ装置を提供す
ることを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のフォー
カスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、少な
くとも2層以上の記録層を有する記録媒体の情報を再生
する情報再生装置、あるいは該再生と共に該記録媒体に
情報を記録する情報記録再生装置にて、前記記録媒体上
の所定の記録層に照射される光ビームを、目標の記録層
に照射させるように、前記目標の記録層に対応した焦点
位置まで前記記録媒体に対して垂直方向に前記光ビーム
の焦点位置を移動させるフォーカスジャンプ装置であっ
て、前記光ビームの焦点位置を移動させる焦点位置移動
手段と、前記記録層に対する前記光ビームの焦点位置の
変化に基づく前記記録媒体からの戻り光の変化によりフ
ォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検
出手段と、前記光ビームの焦点位置を加速状態で移動さ
せるように前記焦点位置移動手段に対して駆動信号を与
える加速制御と、前記光ビームの焦点位置を減速状態で
移動させるように前記焦点位置移動手段に対して駆動信
号を与える減速制御とを行うフィードフォワード制御手
段と、前記加速制御により開始される前記光ビームの焦
点位置の前記目標の記録層への移動時に前記フォーカス
エラー信号検出手段によって検出される前記フォーカス
エラー信号と、所定の目標値とを比較し、その誤差を低
減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号
をフィードバックして光ビームの焦点の位置制御を行う
位置制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】請求項1に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、目標の記録層へのジャンプ開始の指示が外部
の制御手段等から出力されると、フィードフォワード制
御手段により焦点位置移動手段に対して加速制御が開始
される。これにより光ビームの焦点位置は徐々に移動を
開始し、記録層に照射される光ビームの焦点位置と、当
該記録層の相対距離が変化する。また、この変化に基づ
いて、記録媒体からの戻り光が変化し、この戻り光の変
化はフォーカスエラー信号検出手段によりフォーカスエ
ラー信号として検出される。このようにして検出される
フォーカスエラー信号は、所定の目標値と比較され、位
置制御手段によりその誤差を低減させるように焦点位置
移動手段に対する駆動信号がフィードバックされて光ビ
ームの焦点の位置制御が行われる。一方、前記加速制御
後においてはフィードフォワード制御手段により所定の
タイミングで減速制御が行われ、光ビームの焦点位置が
目標の記録層の位置に到達する。このように本発明によ
れば、フィードフォワード制御を用いることにより、光
ビームの焦点位置を、フォーカスサーボ時における移動
距離よりも長い、記録層間の移動距離に亘って確実に移
動させると共に、この移動に対応した位置情報としての
フォーカスエラー信号を所定の目標値に追従させるよう
にフィードバック制御を行うので、外乱に強い安定した
ジャンプが行われる。その結果、フォーカスジャンプ終
了後のフォーカスサーボにおける収束を早める。
【0015】請求項2に記載のフォーカスジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1に記載のフォ
ーカスジャンプ装置において、前記フィードフォワード
制御手段は、前記加速制御と減速制御との間に、所定期
間の一定速度制御を行うことを特徴とする。
【0016】請求項2に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、フィードフォワード制御手段による加速制御
を行った後から減速制御を行うまでの間に、所定期間の
一定速度制御を行うので、この一定速度制御期間におい
て前記位置制御手段によるフィードバック制御が行われ
ると、当該フィードバック制御における見掛け上の周波
数帯域が低下し、安定したサーボループが形成される。
その結果、光ビームの焦点位置を前記所定の目標値に精
度良く追従させることができる。そして、前記一定速度
制御期間の終了後、前記フィードフォワード制御手段に
より減速制御が行われると、光ビームの焦点位置は精度
良く目標の記録層の位置に到達する。このように、本発
明によれば、精度の高いフォーカスジャンプが行われる
ので、フォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボに
おける収束を早める。
【0017】請求項3に記載のフォーカスジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項2に記載のフォ
ーカスジャンプ装置において、一定速度制御の期間は、
加速制御の期間及び減速制御の期間よりも長くなるよう
に設定されることを特徴とする。
【0018】請求項3に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、前記一定速度制御の期間は、加速制御の期間
及び減速期制御の間よりも長くなるように設定されるて
いるので、前記光ビームの焦点位置についてのフィード
バック制御が有効に機能し、精度の良いフォーカスジャ
ンプが行われる。
【0019】請求項4に記載のフォーカスジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3
の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置におい
て、前記フィードフォワード制御手段は、前記焦点位置
移動手段に対して加速パルスを印加する加速制御を行っ
た後に、前記焦点位置移動手段に対して所定期間パルス
を印加しない一定速度制御を行い、該一定速度制御の終
了後に前記焦点位置移動手段に対して減速パルスを印加
する減速制御を行うことを特徴とする。
【0020】請求項4に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、前記フィードフォワード制御手段は、フォー
カスジャンプの開始と共に加速パルスを印加し、加速パ
ルスの印加終了後に、前記一定速度期間を設ける。そし
て、前記一定速度期間の終了後に減速パルスを印加し
て、フォーカスジャンプを終了させる。このように、最
初の加速パルスと最後の減速パルスの間に十分な一定速
度期間が設けられるので、前記光ビームの焦点位置につ
いてのフィードバックが有効に機能し、精度の良いフォ
ーカスジャンプが行われる。
【0021】請求項5に記載のフォーカスジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3
の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置におい
て、前記フィードフォワード制御手段は、前記焦点位置
移動手段に対して加速パルスを印加する加速制御を行っ
た後に、前記焦点位置移動手段に対して段階的に複数の
減速パルスを印加する減速制御を行い、前記加速パルス
と前記減速パルスの間、及び各減速パルス間に前記焦点
位置移動手段に対してパルスを印加しない一定速度制御
を行うことを特徴とする。
【0022】請求項5に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、前記フィードフォワード制御手段は、フォー
カスジャンプの開始と共に前記加速パルスを印加し、加
速パルスの印加終了後に一定速度期間を設ける。一定速
度期間の終了後には減速パルスを印加し、減速パルスの
印加終了後には再び一定速度期間を設ける。このように
して、加速パルスの印加後に、段階的に複数の減速パル
スを印加し、前記加速パルスと前記減速パルスの間、及
び各減速パルス間に前記一定速度期間を設ける。従っ
て、光ビームの焦点位置は最初に目標の記録層に近い位
置まで移動し、徐々に速度を緩めながら精度良く目標の
記録層の位置に一致する。その結果、フォーカスジャン
プ終了後のフォーカスサーボの引き込みが早くなる。
【0023】請求項6に記載のフォーカスジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3
の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置におい
て、前記フィードフォワード制御手段は、前記焦点位置
移動手段に対して段階的に複数の加速パルスを印加する
加速制御を行った後に、前記焦点位置移動手段に対して
減速パルスを印加する減速制御を行い、前記加速パルス
間、及び前記加速パルスと前記減速パルスの間に前記焦
点位置移動手段に対してパルスを印加しない一定速度制
御を行うことを特徴とする。
【0024】請求項6に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、前記フィードフォワード制御手段は、フォー
カスジャンプの開始と共に加速パルスを印加し、加速パ
ルスの印加終了後に一定速度期間を設ける。そして、こ
の一定速度期間の終了後に再び加速パルスを印加する。
このように、段階的に複数の加速パルスを印加した後
に、減速パルスを印加し、前記加速パルス間、及び前記
加速パルスと前記減速パルスの間に前記一定速度期間を
設ける。従って、光ビームの焦点位置は徐々に移動を開
始するので、記録媒体の面振れの影響が確実に取り除か
れ、精度の良いフォーカスジャンプが行われる。
【0025】請求項7に記載のフォーカスジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3
の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置におい
て、前記フィードフォワード制御手段は、前記加速制御
及び減速制御に用いる前記加速パルスと減速パルスの印
加パターンを複数備え、ジャンプする距離に応じて前記
印加パターンを選択することを特徴とする。
【0026】請求項7に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、例えば記録媒体が2層の記録層を有し、フォ
ーカスジャンプする距離が短い場合には、請求項4に記
載したように加速パルスと減速パルスの間に一定速度期
間が設けられた印加パターンによりフィードフォワード
制御を行う。また、記録媒体が3層以上の複数の記録層
を有し、フォーカスジャンプする距離が長い場合には、
例えば請求項5に記載したように、最初に大き目の加速
パルスを印加してある程度の位置まで近づき、その後一
定速度期間を設けながら徐々に減速して目標の記録層に
到達する。このように、フォーカスジャンプする距離に
応じてパルスの印加パターンが選択されるので、フォー
カスジャンプする距離によることなく常に精度の良いフ
ォーカスジャンプが行われ、かつ、ジャンプに有する時
間の短縮化を図ることができる。
【0027】請求項8に記載のフォーカスジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項7
の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置におい
て、前記フィードフォワード制御手段は、前記光ビーム
の焦点位置の時間経過に伴う変化を表すプロフィールを
設定するプロフィール設定手段と、前記焦点位置移動手
段の伝達特性の逆特性を有するフィードフォワード補償
器とを備え、前記プロフィール設定手段は、前記焦点位
置の移動の開始時点からの加速状態による前記焦点位置
の変化と、当該移動の終了に至る減速状態による前記焦
点位置の変化との間に、少なくとも一度一定速度状態で
の前記焦点位置の変化を含むプロフィールを設定し、前
記フィードフォワード補償器は、前記焦点位置移動手段
の伝達特性の逆特性を有することにより、前記加速制御
と減速制御を補償し、当該プロフィールを忠実に実行す
ることを特徴とする。
【0028】請求項8に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、プロフィール設定手段により、光ビームの焦
点位置の時間経過に伴う位置変化を表すプロフィールで
あって、ジャンプの開始時点からの加速状態による位置
変化と、ジャンプの終了に至る減速状態による位置変化
との間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変化を
含むプロフィールが設定され、このプロフィールは前記
焦点位置移動手段の伝達特性の逆特性を有するフィード
フォワード補償器に目標値として入力される。そして、
このプロフィールがフィードフォワード補償器により補
償されると、加速制御と減速制御の間に一定速度制御を
行わしめるフィードフォワード出力が得られ、このフィ
ードフォワード出力が焦点位置移動手段に印加される。
従って、フィードフォワード制御と共に前記フィードバ
ック制御が有効に機能し、精度の良いフォーカスジャン
プが行われる。また、プロフィールの波形を変化させる
ことは容易なので、プロフィーを変化させて光ビームの
焦点位置の位置変化の態様を容易に自在に制御できる。
【0029】請求項9に記載のフォーカスジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項8
の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置におい
て、前記フォーカスエラー信号を線形化変換する線形化
変換手段と、前記所定の目標値として、前記光ビームの
焦点位置の時間経過に伴う変化を表すリファレンス位置
の設定を行うリファレンス位置設定手段とを更に備え、
前記フィードバック制御手段は、前記線形化変換手段の
出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤差を
低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信
号を制御することを特徴とする。
【0030】請求項9に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化に
基づいて、非線形なフォーカスエラー信号が得られる
が、このフォーカスエラー信号は、線形化変換手段によ
り線形化変換される。また、リファレンス位置設定手段
は、光ビームの焦点位置の位置制御の所定の目標値とし
て、光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すリ
ファレンス位置を設定する。そして、フィードバック制
御手段は、前記線形化変換手段の出力値と前記リファレ
ンス位置とを比較し、その誤差を低減させるように前記
焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御する。このよ
うに、非線形なフォーカスエラー信号を線形化処理する
ことよって、フィードバック制御を行うので、フィード
バック制御における見掛け上の周波数帯域は低下し、焦
点位置を精度良くリファレンス位置に追従させるように
移動させる。その結果、焦点位置は精度良く目標位置に
到達し、光ビームの焦点位置は精度良く目標の記録層の
位置に一致するので、フォーカスジャンプ終了後のフォ
ーカスサーボの引き込みが早くなる。
【0031】請求項10に記載のフォーカスジャンプ装
置は、前記課題を解決するために、請求項8に記載のフ
ォーカスジャンプ装置において、前記フォーカスエラー
信号を線形化変換する線形化変換手段を更に備え、前記
フィードバック制御手段は、前記プロフィール設定手段
により設定されるプロフィールを、前記所定の目標値と
してのリファレンス位置として用い、前記線形化変換手
段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤
差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆
動信号を制御することを特徴とする。
【0032】請求項10に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化
に基づいて、非線形なフォーカスエラー信号が得られる
が、このフォーカスエラー信号は、線形化変換手段によ
り線形化変換される。また、前記プロフィール設定手段
により設定されたプロフィールは、前記フィードフォワ
ード制御手段だけでなく、フィードバック制御手段にも
供給される。そして、フィードバック制御手段は、前記
線形化変換手段の出力値とリファレンス位置としての前
記プロフィールを比較し、その誤差を低減させるように
前記焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御する。こ
こにおいて、前記プロフィールは、光ビームの焦点位置
の時間経過に伴う変化を表すプロフィールであって、フ
ォーカスジャンプの開始時点からの加速状態による位置
変化と、フォーカスジャンプの終了に至る減速状態によ
る位置変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での
位置変化を含むプロフィールである。従って、線形化変
換されたフォーカスエラー信号と、一定速度期間に基づ
く位置変化を含むプロフィールとの比較に基づいてフィ
ードバック制御が行われるので、フィードバック制御に
おける見掛け上の周波数帯域は低下し、光ビームの焦点
位置を精度良くリファレンス位置に追従させるように移
動させる。その結果、光ビームの焦点位置は精度良く目
標位置である目標の記録層の位置に到達するので、フォ
ースジャンプ終了後のフォーカスサーボの引き込みが早
くなる。また、リファレンス位置設定手段とプロフィー
ル設定手段との共通化により構成の簡略化を図る。
【0033】請求項11に記載のフォーカスジャンプ装
置は、前記課題を解決するために、請求項9または請求
項10に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記
フォーカスエラー信号検出手段によって検出される前記
フォーカスエラー信号が、信号の値が増加方向に変化す
る領域と、減少方向に変化する領域との少なくとも何れ
の領域に属する信号であるかを判別する領域判別手段を
更に備え、前記線形化変換手段は、前記領域毎に異なる
複数の変換テーブルを備え、前記領域判別手段による判
別結果に基づいて前記変換テーブルを選択し、前記フォ
ーカスエラー信号を線形化変換することを特徴とする。
【0034】請求項11に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、領域判別手段により、前記フォーカスエラ
ー信号検出手段によって検出される前記フォーカスエラ
ー信号が、信号の値が増加方向に変化する領域に属する
と判別された場合には、増加の程度に応じてゲインを調
節した変換テーブルが選択され、フォーカスエラー信号
が線形化変換される。また、前記フォーカスエラー信号
が、信号の値が減少方向に変化する領域に属すると判別
された場合には、極性を反転させると共に、減少の程度
に応じてゲインを調節した変換テーブルが選択され、フ
ォーカスエラー信号が線形化変換される。このように、
線形化変換手段は、領域毎に異なる複数の変換テーブル
を備え、前記領域判別手段による判別結果に基づいて前
記変換テーブルを選択し、前記フォーカスエラー信号を
線形化変換するので、非線形なフォーカスエラー信号が
適切に線形化変換される。
【0035】請求項12に記載のフォーカスジャンプ装
置は、前記課題を解決するために、請求項9または請求
項10に記載のフォーカスジャンプ装置において、フォ
ーカスエラー信号の検出方式を判別する検出方式判別手
段を更に備え、前記線形化変換手段は、前記領域毎に異
なる複数の変換テーブルを前記検出方式毎に複数備え、
前記検出方式判別手段による判別結果に応じて、前記検
出方式に応じた前記領域毎に異なる複数の変換テーブル
を選択し、選択した複数の変換テーブルの中から、前記
領域判別手段による判別結果に基づいて変換テーブルを
選択し、前記フォーカスエラー信号を線形化変換するこ
とを特徴とする。
【0036】請求項12に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、複数種類の記録媒体が用いられる場合に
は、記録媒体によってフォーカスエラー信号の検出方式
が異なることがあるが、このフォーカスエラー信号の検
出方式は、検出方式判別手段により判別される。そし
て、線形化変換手段は、検出方式判別手段による判別結
果に応じて、検出方式に応じた領域毎に異なる複数の変
換テーブルを選択し、選択した複数の変換テーブルの中
から、領域判別手段による判別結果に基づいて変換テー
ブルを選択し、前記フォーカスエラー信号を線形化変換
する。その結果、異なる波形のフォーカスエラー信号が
得られる場合でも、適切に線形化変換が行われ、フィー
ドフォワード制御と共に適切なフィードバックが行われ
て、精度の良いフォーカスジャンプが行われる。
【0037】請求項13に記載のフォーカスジャンプ装
置は、前記課題を解決するために、請求項11または請
求項12に記載のフォーカスジャンプ装置において、前
記領域判別手段は、前記フォーカスエラー信号検出手段
によって検出される前記フォーカスエラー信号が、信号
の値が正の値で増加方向に変化する領域または信号の値
が負の値で減少方向に変化する領域と、減少または増加
方向に変化する領域と、負の値で増加する方向に変化す
る領域または正の値で減少する方向に変化する領域との
3領域の何れに属する信号であるかを判別することを特
徴とする。
【0038】請求項13に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、領域判別手段により、フォーカスエラー信
号検出手段によって検出されるフォーカスエラー信号
が、信号の値が正の値で増加方向に変化する領域または
信号の値が負の値で減少方向に変化する領域に属すると
判別された場合には、線形化変換手段は、フォーカスエ
ラー信号の極性そのままとし、信号の値に応じてゲイン
が調節された変換テーブルを用いて線形化変換を行う。
また、前記フォーカスエラー信号が、前記領域判別手段
により、信号の値が減少または増加方向に変化する領域
に属すると判別された場合には、線形化変換手段は、減
少または増加分に対応する減少または増加分を得るよう
にフォーカスエラー信号の極性を反転させ、信号の値に
応じてゲインが調節された変換テーブルを用いて線形化
変換を行う。更に、前記領域判別手段により、信号の値
が負の値で増加する方向に変化する領域または正の値で
減少する方向に変化する領域に属すると判別された場合
には、線形化変換手段は、フォーカスエラー信号の極性
をそのままとし、信号の値に応じてゲインが調節され更
にオフセット分を補償した変換テーブルを用いて線形化
変換を行う。このように、非線形なフォーカスエラー信
号の波形の特性に合致した3つの領域毎の判別に基づく
と共に、それぞれの領域のフォーカスエラー信号に応じ
た変換テーブルを用いて線形化変換が行われるので、非
線形なフォーカスエラー信号が適切に線形化変換され
る。その結果、フィードフォワード制御と共に適切なフ
ィードバックが行われて、精度の良いフォーカスジャン
プが行われる。
【0039】請求項14に記載のフォーカスジャンプ装
置は、前記課題を解決するために、請求項11乃至請求
項13の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置に
おいて、前記領域判別手段は、前記フォーカスエラー信
号の正または負のピーク値への到達タイミングを基準と
して前記領域を判別することを特徴とする。
【0040】請求項14に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、領域判別手段により、フォーカスエラー信
号が正または負のピーク値への到達前であると判定され
た場合には、フォーカスジャンプ開始当初と同じ領域に
属する信号であると判別され、フォーカスエラー信号が
正または負のピーク値への到達後であると判別された場
合には、領域がフォーカスジャンプ開始当初から切り替
わったと判別される。このように、フォーカスエラー信
号の正または負のピーク値への到達タイミングを基準と
して前記領域が判別されるので、精度良く領域の判別が
行われる。その結果、適切な変換テーブルにより線形化
変換が行われることになる。
【0041】請求項15に記載のフォーカスジャンプ装
置は、前記課題を解決するために、請求項11乃至請求
項13の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置に
おいて、前記領域判別手段は、前記光ビームの前記記録
媒体からの戻り光の量に基づいて前記領域を判別するこ
とを特徴とする。
【0042】請求項15に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、領域判別手段により、光ビームの記録媒体
からの戻り光の量が、所定のしきい値を超える場合に
は、フォーカスジャンプ開始当初と同じ領域に属する信
号であると判別される。また、前記戻り光の量が、所定
のしきい値以下である場合には、領域がフォーカスジャ
ンプ開始当初から切り替わったと判別される。このよう
に、光ビームの記録媒体からの戻り光の量に基づいて前
記領域が判別されるので、精度良く領域の判別が行われ
る。その結果、適切な変換テーブルにより線形化変換が
行われることになる。
【0043】請求項16に記載のフォーカスジャンプ装
置は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項
15の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置にお
いて、前記リファレンス位置は、前記焦点位置の移動の
開始時点からの加速状態による前記焦点位置の変化と、
前記焦点位置の移動の終了に至る減速状態による前記焦
点位置の変化との間に、少なくとも一度一定速度状態で
の前記焦点位置の変化を含むことを特徴とする。
【0044】請求項16に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、光ビームの焦点位置を現在の記録層から目
標の記録層に移動させるようにフォーカスジャンプさせ
る場合には、前記リファレンス位置として、フォーカス
ジャンプの開始時点からの加速状態による位置変化と、
フォーカスジャンプの終了に至る減速状態による位置変
化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変化
を含むリファレンス位置が用いられる。その結果、光ビ
ームの焦点位置が前記一定速度状態での位置変化を含む
リファレンス位置に追従するようにフィードバック制御
されるので、フィードバック制御における周波数帯域は
低下し、安定したフィードバックループにより精度の良
いフォーカスジャンプが行われる。
【0045】請求項17に記載のフォーカスジャンプ装
置は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項
16の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置にお
いて、前記フィードバック制御手段は、フォーカスエラ
ー信号または前記光ビームの前記記録媒体からの戻り光
の量が所定のしきい値よりも小さい値で略一定に維持さ
れる期間を有する場合には、当該期間を除く他の期間に
おいてフィードバック制御を行うことを特徴とする。
【0046】請求項17に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、フォーカスエラー信号のキャプチャアレン
ジが小さくなる程、フォーカスエラー信号または前記光
ビームの前記記録媒体からの戻り光の量は、所定のしき
い値よりも小さい値で略一定に維持される期間を有する
ようになり、この期間においては、フォーカスエラー信
号から光ビームの位置情報が得られない。そこで、前記
のような期間が存在する場合には、当該期間においては
フィードバック制御を行わず、当該期間を除く他の期間
においてフィードバック制御を行う。その結果、精度の
高いフィードバック制御が行われることになり、精度の
高いフォーカスジャンプが行われる。
【0047】請求項18に記載のフォーカスジャンプ装
置は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項
17の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置にお
いて、フォーカスジャンプの終了後に前記フォーカスエ
ラー信号をゼロとするように前記焦点位置移動手段に対
する駆動信号をフィードバックして前記光ビームの焦点
の位置制御を行うフォーカスサーボ制御手段を更に備
え、前記フィードバック制御手段と前記フォーカスサー
ボ制御手段は、それぞれの制御の特性に応じた位相補償
器を備えていることを特徴とする。
【0048】請求項18に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、前記位置制御手段によるフォーカスジャン
プ制御が行われた後には、フォーカスサーボ制御手段に
より、フォーカスジャンプの終了後に前記フォーカスエ
ラー信号をゼロとするように前記光ビームの焦点位置移
動手段に対する駆動信号をフィードバックする光ビーム
の焦点の位置制御が行われる。そして、前記位置制御手
段及びフォーカスサーボ制御手段は、それぞれの制御の
特性に応じた位相補償器を備えているので、周波数帯域
の異なるそれぞれの制御が適切に行われることになる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0050】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態を図1乃至図23に基づいて説明する。
【0051】図1は本実施形態におけるフォーカスジャ
ンプ装置の構成を示すブロック線図である。本実施形態
のフォーカスジャンプ装置は、2層構造の信号記録層を
有し、片面のみから信号を再生できるDVDの再生装
置、または片面のみから信号を再生及び記録できるDV
Dの再生記録装置に用いられる。このDVDは、それぞ
れ信号記録層を有する2枚の基材が貼り合わされてお
り、1層目には半透明薄膜、2層目には反射膜を形成し
ている。レーザは片側から入射し、半透明薄膜からの反
射光で1層目の信号を再生し、半透明薄膜を透過し、反
射膜からの反射光で2層目の信号を再生する。それぞれ
の基材は、0.55〜0.64mmの厚みを有してお
り、1層目と2層目の間には55±15μmの厚みのス
ペーサが設けられている。従って、レーザの絞り位置を
スペーサの厚み分だけ上下に移動させることにより、2
つの層の信号の再生または記録が可能になっている。本
実施形態のフォーカスジャンプ装置は、このように1層
目から2層目、または2層目から1層目へレーザービー
ムスポットを移動させるための対物レンズのジャンプ、
所謂フォーカスジャンプを精度良く行う装置である。
【0052】図1に示すように本実施形態のフォーカス
ジャンプ装置は、制御対象としてのアクチュエータ1
と、該アクチュエータ1に操作量としてのフィードフォ
ワード出力を供給するフィードフォワード補償器2と、
前記目標値を供給するリファレンス位置発生器3と、前
記アクチュエータ1の挙動を示す位置出力を制御量とし
て検出する位置検出器4と、該位置検出器4から出力さ
れるフォーカスエラー信号を線形化変換し線形化位置出
力としてフィードバックする線形化変換器5と、前記リ
ファレンス位置発生器3から供給される目標値と前記フ
ィードバックされた線形化位置出力との間に生ずる位置
偏差に基づき、前記アクチュエータ1の挙動を目標値に
一致させるように操作量としてドライブ信号を供給する
安定化補償器6とを備えている。以下、それぞれの構成
要素について詳しく説明する。
【0053】[1]アクチュエータ 焦点位置移動手段としてのアクチュエータ1は、前記フ
ィードフォワード補償器2からのフィードフォワード出
力または安定化補償器6から出力されるドライブ信号に
基づいて、光ピックアップの対物レンズをDVDに垂直
な方向に移動させる手段であり、図2に示すような周波
数特性を有している。フォーカスジャンプの所要時間は
1msec以下で、周波数に換算すると数kHzであ
り、図2に示すようにアクチュエータ1の固有振動周波
数を超えたところにある。そして、このフォーカスジャ
ンプの帯域では、アクチュエータ1は−40dB/de
cの傾斜を有する周波数特性を示す。
【0054】[2]フィードフォワード補償器 フィードフォワード補償器2は、前記アクチュエータ1
の挙動を目標値に一致させるように、操作量としてのフ
ィードフォワード出力F(s),f(t)を供給する手
段である。アクチュエータ1の位置出力をY(s)、ア
クチュエータ1の伝達関数をGu(s)、フィードフォ
ワード補償器2の伝達関数をGf(s)、目標値をR
(s)とすると、 Y(s)=Gu(s)・Gf(s)・R(s) と表すことができる。従って、アクチュエータ1の位置
出力を目標値に一致させるには、 Y(s)/R(s)=1=Gu(s)・Gf(s) を満たす必要があり、結局、フィードフォワード補償器
2の伝達関数Gfは、 Gf(s)=1/Gu(s) となり、アクチュエータ1の伝達関数の逆関数とすれば
良いことがわかる。この伝達関数1/Gu(s)を有す
るフィードフォワード補償器2の周波数特性を図2に示
す。図2から明らかなように、フィードフォワード補償
器2の周波数特性は40dB/decの傾斜を有し2階
の微分器の特性として近似しても良いことが判る。
【0055】[3]リファレンス位置発生器 リファレンス位置発生器3は、前記目標値R(s)(,
r(t))を出力する手段である。制御対象としてのア
クチュエータ1の制御量は、位置出力、即ち時間軸上で
変化する移動距離であるから、目標値R(s)(,r
(t))についても時間軸上で変化する移動距離として
与える必要がある。本実施形態では、リファレンス位置
発生器3から、一例として図3(A)に示すようなプロ
フィールを目標値R(s)(,r(t))として出力す
る。このプロフィールは、現在の信号記録層の位置(0
μm)をスタート位置として、移動距離がタイミングt
0からT1の期間で2次関数的に立ち上がり、その後T
2の期間で1次関数的に増加し、更にその後に2次関数
的に減少し、タイミングt3にて層間距離である40μ
m離れた位置に到達するものである。
【0056】このようなプロフィールに対して1階の微
分を施し速度変化として表すと、図3(B)に示すよう
になる。即ち、期間T1は加速期間、期間T2は一定速
度期間、そして期間T3は減速期間となる。
【0057】更に、フィードフォワード補償器2は上述
したように2階の微分器に近似できるから、前記プロフ
ィールに対して2階の微分を施すと、図3(C)に示す
ように、タイミングt0にてT1の幅の加速パルスが出
力され、タイミングt1から期間T2後のタイミングt
2にてT3の幅の減速パルスが出力される。本実施形態
では、図3(A)に示すようなプロフィールを目標値と
してフィードフォワード補償器2に供給し、フィードフ
ォワード補償器2からは、図3(C)に示すように加速
パルスと減速パルスの間に一定の間隔をおいたフィード
フォワード出力F(s),f(t)が得られる。
【0058】なお、本実施形態においては、フィードフ
ォワード補償器2の伝達関数Gf(s)を2階の微分器
に近似し、上述のようなプロフィールを目標値R(s)
(,r(t))とすることによって、加速パルス(期間
T1)と減速パルス(期間T3)をフィードフォワード
出力f(t)として与えた例について説明したが、本発
明はこのような構成に限定されるものではなく、前記プ
ロフィール以外の適宜の目標値R(s)(,r(t))
と、フィードフォワード補償器2の伝達関数Gf(s)
を計算することにより、パルス波形以外のフィードフォ
ワード出力F(s)を与えるようにしても良い。
【0059】[4]位置検出器 位置検出器4は、アクチュエータ1の移動により変化す
る位置の情報としての位置出力を、実際の信号の変化と
して検出する手段であり、例えば図4に示すように構成
される。図4に示す位置検出器4は、4分割された受光
素子40と、非点収差発生手段41と、差動アンプ42
とを備えている。
【0060】信号記録層からの反射光は、非点収差発生
手段41を経て、AからDの領域に4分割された受光素
子40に入力される。対角に位置する受光素子の出力は
加算され(Va+Vd,Vb+Vc)、加算された出力
の差分が差動アンプ42にて生成され、図5(B)に示
すような非点収差法によるフォーカスエラー信号が生成
される。フォーカスエラー信号の生成方法はこれに限定
されず、スポットサイズ法やナイフエッジ法等何れを用
いても良い。
【0061】図5(B)はアクチュエータ1が一定の速
度で移動し、信号記録層と対物レンズの相対位置が一定
の割合で変化する場合のフォーカスグエラー信号の例を
示している。図5(B)から判るように、フォーカスエ
ラー信号は、信号が正の値で増加する領域である領域1
と、減少する領域である領域2との境界位置、及び前記
領域2と負の値で増加する領域である領域3との境界位
置において、それぞれ正のピーク値と負のピーク値を示
し、それぞれの層のフォーカス位置と層間の中間位置が
ゼロクロス点となる。フォーカスサーボ時においては、
一般にS字曲線と言われるられるフォーカスエラー信号
が得られるが、このフォーカスジャンプにおけるフォー
カスエラー信号は、1層目におけるフォーカスサーボ時
のフォーカスエラー信号の正の値を取る部分と、2層に
おけるフォーカスサーボ時のフォーカスエラー信号の負
の値を取る部分とを結合した曲線を描く。なお、フォー
カスエラー信号の極性は生成方法によって異なり、図5
(B)と逆の極性であっても良い。
【0062】フォーカスエラー信号は、このように非線
形の信号であるが、前記それぞれの領域毎に見れば、時
間の経過と共に増加方向または減少方向の何れかの方向
に変化する信号である。従って、領域1におけるフォー
カスエラー信号の値v(t1),v(t2)と、信号記
録層と対物レンズの相対位置の値w(t1),w(t
2)が、また領域2におけるフォーカスエラー信号の値
v(t3)〜v(t10)と、信号記録層と対物レンズ
の相対位置の値w(t3)〜w(t10)が、更に領域
3におけるフォーカスエラー信号の値v(t11),v
(t12)と、信号記録層と対物レンズの相対位置の値
w(t11),w(t12)が、それぞれ一対一に対応
している。このように、領域を区別できれば、フォーカ
スエラー信号をアクチュエータ1の位置出力を表す信号
として用いることができる。
【0063】[5]線形化変換器 線形化変換器5は、前記位置検出器4から出力されるフ
ォーカスエラー信号を線形化変換する手段である。例え
ば図5(B)に示すような非線形な特性を示すフォーカ
スエラー信号を、図5(A)に示すような線形な信号に
変換する。
【0064】フォーカスサーボ制御においては、フォー
カスエラー信号を対物レンズのフォーカス位置からのず
れを表す信号として用いており、図6に示すように領域
3から領域1の間の線形な信号として近似できる領域を
キャプチャーレンジとしてサーボを行うため、線形化変
換処理は行っていない。
【0065】しかしながら、本実施形態では、フォーカ
スエラー信号を、現在の記録層に対するフォーカス位置
から次の記録層に対するフォーカス位置までにおける、
対物レンズと記録層の相対位置を表す信号として用いる
と共に、この相対位置を表す信号と、リファレンス位置
として用いられる前記プロフィールとの偏差を減少させ
るようにフィードバックループを形成するため、フォー
カスエラー信号は、領域1、領域2、及び領域3の全て
の領域中のあらゆる点で参照する必要があり、非線形の
信号のままでは容易にフィードバック制御を行うことが
できない。
【0066】例えば、図5(B)に示すフォーカスエラ
ー値v(t2)から正のピーク値に至るまで、あるいは
負のピーク値からフォーカスエラー値v(t11)に至
るまでのように2次関数的に値が変化すると、高い周波
数帯域におけるフィードバック制御が要求される。ま
た、図5(B)に示す領域2においては、フォーカスエ
ラー信号の極性が反転してしまうため、フィードバック
ループを乱してしまう。
【0067】そこで、線形化変換器5によってフォーカ
スエラー信号を全ての領域において線形な信号に変換す
ることにより、フォーカスジャンプ中において安定なサ
ーボループを形成する。
【0068】線形化変換を行う方法には様々な方法が考
えられるが、一例としてDSP(Digital Signal Proce
sser)を用いて図7に示すようなテーブルを参照しなが
ら変換器出力を行う方法が挙げられる。図7に示すテー
ブルは、領域1用変換テーブル、領域2用変換テーブ
ル、及び領域3用変換テーブルの3種類のテーブルに分
かれている。これは、フォーカスエラー信号が図5
(B)に示すように、信号の大きさと極性から、領域
1、領域2、及び領域3の3種類の領域に分けられるた
めである。領域1においては、フォーカスエラー信号は
正の値を示し、時間の経過と共に信号の大きさが増加す
る極性を有している。また、領域2においては、フォー
カスエラー信号は時間の経過によって正の値から負の値
に変化し、信号の大きさが減少する極性を有している。
また、領域3においては、フォーカスエラー信号は負の
値を示し、時間の経過と共に信号の大きさが増加する極
性を有している。
【0069】以上のようなフォーカスエラー信号を線形
化するために、領域1用の変換テーブルと領域3用の変
換テーブルについては、フォーカスエラー信号の値の増
加に追従して変換器出力値を増加させる極性のテーブル
とし、領域2用の変換テーブルについては、フォーカス
エラー信号の値の減少に追従して変換器出力値を増加さ
せる極性のテーブルとしている。また、領域1用の変換
テーブルよりも領域2用の変換テーブルのオフセット値
を高くし、更に領域2用の変換テーブルよりも領域3用
の変換テーブルのオフセット値を高く設定した。また、
それぞれの領域において2次関数的に変化する部分に対
して、フォーカスエラー信号の変化量の減少または増大
に応じてゲイン補正量を増大または減少させている。
【0070】領域の切り換え方法は、フォーカスエラー
信号のピーク値を基準として切り換える方法と、戻り光
量の総和であるフォーカスサムのしきい値を基準として
切り換える方法が考えられる。また、再生RF信号のエ
ンベロープを検出し、所定のしきい値を基準として切り
換える方法が考えられる。例えば図8(A)に示すよう
なフォーカスエラー信号を微分すると、図8(B)に示
すような波形の信号が得られ、この信号が正から負に減
少する過程でゼロとなる位置が、フォーカスエラー信号
の正のピーク値を得る位置であり、負から正に増加する
過程でゼロになる位置が負のピーク値を得る位置であ
る。そして、正のピーク値を得る位置が領域1と領域2
の境界位置であり、負をピーク値を得る位置が領域2と
領域3の境界位置である。従って、ピーク検出器やレベ
ル検出器等を用いるか、もしくはサンプルしているフォ
ーカスエラーの傾きの極性からフォーカスエラー信号の
ピーク検出を行うことにより、領域を切り換えることが
できる。
【0071】また、図8(A)に示すフォーカスエラー
信号が得られる時の、戻り光量の総和であるフォーカス
サムを検出すると、図8(C)に示すような波形を描
く。図8(C)に示すように、領域の境界位置において
はフォーカスサムが減少方向あるいは増加方向で所定の
閾値を通過し、減少方向で所定のしきい値を通過する点
が領域1と領域2の境界位置であり、増加方向で所定の
閾値を通過する点が領域2と領域3の境界位置である。
従って、フォトディテクタで検出される戻り光量の総和
を検出することによりフォーカスサムを求め、求めたフ
ォーカスサムと所定の閾値とを比較することにより、領
域を切り換えることができる。
【0072】ここで、ピーク検出またはフォーカスサム
検出により領域の切り換えを行い、図7に示すテーブル
を用いて行う線形化変換の一例を図9を参照して説明す
る。図9(A)は図7に示すテーブルを示す図、図9
(B)はアクチュエータ1が時間的に一定の変位量で
(速度一定で)移動している場合に、線形化変換器5に
入力されるフォーカスエラー信号の一例、及び図9
(C)は図9(B)に示すフォーカスエラー信号を図9
(A)に示すテーブルを用いて線形化変換した結果を示
す図である。
【0073】まず、図9(B)に示す領域1において
は、図9(A)に示す領域1用変換テーブルが参照さ
れ、時刻t1の時のフォーカスエラー値v(t1)に対
してはw(t1)、時刻t2のフォーカスエラー値v
(t2)に対してw(t2)の出力が行われる。ここ
で、時刻t2のフォーカスエラー値v(t2)までのフ
ォーカスエラー値に対してはテーブルの値は直線的に増
加するが、トラッキングエラー値v(t2)以降のフォ
ーカスエラー値に対してはフォーカスエラー信号の増加
率が徐々に低下するのに応じてゲインを徐々に増加させ
るテーブルが用いられる。以上のような変換器出力をグ
ラフに表すと図9(C)のようになり、領域1における
フォーカスエラー信号が線形化変換されることが判る。
【0074】次に、図9(B)に示す領域2において
は、図9(A)に示す領域2用変換テーブルが参照され
る。領域2用変換テーブルは、図9(A)に示すよう
に、極性が領域1用変換テーブルとは異なり、また、オ
フセット値も領域1用変換テーブルより大きく設定され
ている。領域2用変換テーブルによれば、時刻t3の時
のフォーカスエラー値v(t3)に対してはw(t
3)、以下同様にして時刻t4〜t10の時のトラッキ
ングエラー値v(t4)〜v(t10)に対してw(t
4)〜w(t10)の出力が行われる。ここで、領域1
と領域2の境界位置におけるフォーカスエラー信号から
時刻t4の時のフォーカスエラー値v(t4)までのフ
ォーカスエラー信号に対しては、フォーカスエラー信号
の減少率が徐々に増加するのに応じてゲインを徐々に低
下させるテーブルが用いられる。また、時刻t5の時の
フォーカスエラー値v(t5)からフォーカスエラー値
のゼロクロスまでに対しては、フォーカスエラー信号の
減少率が徐々に低下するため、これに応じてゲインを徐
々に増加させ、また、フォーカスエラー信号のゼロクロ
スから時刻t8の時のフォーカスエラー値v(t8)ま
ではフォーカスエラー信号の減少率が徐々に増加するた
め、これに応じてゲインを徐々に低下させるテーブルが
用いられる。更に、時刻t9の時のフォーカスエラー値
v(t9)から領域2と領域3の境界位置までのフォー
カスエラー信号に対しては、フォーカスエラー信号の減
少率が徐々に低下するのに応じてゲインを徐々に増加さ
せるテーブルが用いられる。そして、フォーカスエラー
値v(t4)からフォーカスエラー値v(t5)まで、
及びフォーカスエラー値v(t8)からフォーカスエラ
ー値v(t9)まではフォーカスエラー信号が減少する
のに応じて直線的にゲインを増加させるテーブルが用い
られる。
【0075】次に、図9(B)に示す領域3において
は、図9(A)に示す領域3用変換テーブルが参照され
る。領域3用変換テーブルは、図9(A)に示すよう
に、極性が領域1用変換テーブルと同じであり、オフセ
ット値は領域2用変換テーブルより更に大きく設定され
ている。領域3用変換テーブルによれば、時刻t11の
時のフォーカスエラー値v(t11)に対してはw(t
11)、時刻t12の時のフォーカスエラー値v(t1
2)に対してw(t12)の出力が行われる。ここで、
時刻t10のトラッキングエラー値v(t11)以降の
フォーカスエラー値に対してはテーブルの値は直線的に
増加するが、領域2と領域3の境界位置のフォーカスエ
ラー信号からフォーカスエラー値v(t11)までのフ
ォーカスエラー値に対してはフォーカスエラー信号の増
加率が徐々に増加するのに応じてゲインを徐々に低下さ
せるテーブルが用いられる。
【0076】以上のような変換器出力をグラフに表すと
図9(C)のようになり、図9(B)に示すようなフォ
ーカスエラー信号が線形化変換され、線形化位置出力が
得られることが判る。
【0077】[6]安定化補償器 再び図1に戻り、安定化補償器6は、以上に説明した線
形化変換器5から出力される線形化位置出力と、リファ
レンス位置発生器3から出力される図3(A)に示すよ
うな加速期間と減速期間の間に一定速度期間を有するプ
ロフィールとの比較の結果得られる位置偏差を減少させ
るように、制御対象としてのアクチュエータ1にドライ
ブ信号を出力する手段である。図10に、アクチュエー
タ1が目標となるプロフィールの速度よりも速い速度で
移動した場合と、遅い速度で移動した場合の、位置偏差
の例を示す。なお、図10に示す線形化位置出力は、速
い速度と遅い速度の何れの場合も、加速期間及び減速期
間において2次関数的に変化し、一定速度期間で直線的
に変化する線形化位置出力を用いている。
【0078】このように、本実施形態においては、フィ
ードフォワード制御の目標値としてのプロフィールに一
定速度期間を設けると共に、制御対象としてのアクチュ
エータ1の制御量としての位置出力を、フォーカスエラ
ー信号を線形化変換した線形化位置出力としてフィード
バックし、前記プロフィールをリファレンス位置として
比較して位置偏差を求めることによりクローズドループ
を形成している。つまり、本実施形態のフォーカスジャ
ンプ装置は、従来においてオープン制御により行われて
いたフィードフォワード制御を、フィードバック制御と
組み合わせて行うものであり、外乱に対する影響を著し
く減少させ、安定したフォーカスジャンプを行うことが
できる。また、図2に示したようにフォーカスジャンプ
の周波数帯域は数kHzと高く、フィードバック制御だ
けでは追従が困難であるが、フィードフォワード制御を
併用することにより、高帯域でかつ安定した制御を可能
にしたと言うこともできる。更に、本実施形態のフォー
カスジャンプ装置では、フォーカスジャンプ中もフィー
ドバックループがクローズしているため、常にフォーカ
スサーボがオンしているような動作をするため、フォー
カスジャンプの終了からフォーカスサーボをオンした時
のショックを小さくすることができる。従って、フォー
カスジャンプが終了した後も乱れが少なくフォーカスサ
ーボの収束を速くすることができる。
【0079】また、本実施形態のフォーカスジャンプ装
置では、フォーカスサーボ時と同じように目標値が与え
られ偏差が得られるため、フォーカスジャンプ時とフォ
ーカスサーボ時で同じ安定化補償器6を用いることがで
きる。但し、フォーカスジャンプは瞬間的に動作が終了
してしまうため、補償の目的がフォーカスサーボとは多
少異なる。従って、フォーカスジャンプ時とフォーカス
サーボ時で安定化補償器の特性を変化させていも良い。
また、安定化補償器の特性をフォーカスジャンプ時から
フォーカスサーボ時にかけて徐々に変化させても良い。
例えば、定常特性については、通常のフォーカスサーボ
では定常偏差抑圧のために低域のゲインを大きくとる
が、この帯域はフォーカスジャンプの帯域外であるた
め、フォーカスジャンプでは低域のゲインを抑えて高域
の位相余裕をとるようにすれば良い。また、フォーカス
ジャンプの性能の評価となるものは過渡応答であり、一
方通常のフォーカスサーボでは定常応答であるから、フ
ォーカスジャンプでは速応性を重視し、通常のフォーカ
スサーボでは安定性を重視した安定化補償器とすれば良
い。更に、本実施形態のフォーカスジャンプ期間中にフ
ィードバックされる位置情報は、非線形なフォーカスエ
ラー信号から推定されたもので、推定誤差から生じる外
乱を、特に、領域の切り換え時に含んでいる。従って、
フォーカスジャンプ時には外乱除去のフィルターを安定
化補償器に付加したり、フィードバックのゲインを低く
するようにしても良い。
【0080】[7]全体の動作 次に、本実施形態のフォーカスジャンプ装置の全体の動
作について説明する。まず、リファレンス位置発生器3
から、図3(A)に示すような軌跡のプロフィールを出
力する。このプロフィールは、加速期間T1及び減速期
間T3を短くとり、一定速度期間T2を充分に長くとる
ようにする。このプロフィールがフィードフォワード補
償器2に供給されると、アクチュエータ1には図3
(C)に示すような加速パルスが短時間だけ与えられ、
アクチュエータ1の移動が開始される。その後は減速パ
ルスが出力されるまでアクチュエータ1に対するフィー
ドフォワード出力は与えられない。従って、この一定速
度期間においては、アクチュエータ1はトラックに対し
て一定の速度で移動し、対物レンズも一定の速度で移動
する。一定速度期間では目標値としてのプロフィールは
一定の傾きを有して変化するため、目標値の帯域はフォ
ーカスジャンプの帯域よりも見掛け上著しく低くなり、
有効なフィードバック制御が行われる。つまり、上述の
ようにアクチュエータ1が移動を開始することにより、
図5(B)に示すようなフォーカスエラー信号が位置検
出器4から出力され、これが線形化変換器5によって線
形化変換されて線形化位置出力された後、図10に示す
ようにプロフィールと線形化位置出力との比較により位
置偏差が求められ、この位置偏差を抑えるように安定化
補償器6によりアクチュエータ1に対してドライブ信号
が供給される。そして、一定速度期間が終了し、トラッ
キングサーボの引き込みが行われる直前で、図3(C)
に示すような減速パルスが出力され、アクチュエータ1
は減速を開始する。減速は短時間で行うため、帯域的に
高い領域の影響は少なく、トラッキングサーボの引き込
みを速く完了させることができる。なお、加速、減速期
間においてフィードバック制御を行うように構成しても
良い。
【0081】これに対し、従来のフォーカスジャンプ装
置では、図11及び図12に示すように、フォーカスジ
ャンプの開始と共に所定のパルス幅の加速パルスを出力
し、その後フォーカスエラー信号が所定のしきい値より
も小さくなるタイミングで所定のパルス幅の減速パルス
を出力するというフィードフォワードのオープン制御が
行われていた。その結果、ディスクの面振れや層間隔の
ばらつきにより外乱が生じた場合には、フォーカスサー
ボ引き込み時に乱れを生じ、最悪の場合フォーカスサー
ボが乱れてしまうという問題があった。図11と図12
に従来のフォーカスジャンプ装置によるジャンプの失敗
例を示す。図11は、加速方向に外乱が生じた場合、あ
るいは層間隔が規定値よりも小さい場合であり、図12
は減速方向の外乱または層間隔が大きい場合の例であ
る。図11及び図12から判るように、サーボクローズ
の直後において、フォーカスエラー信号はフォーカスサ
ーボ制御の帯域外の値をとり、ジャンプに失敗してい
る。
【0082】しかしながら、本実施形態のフォーカスジ
ャンプ装置では、フィードフォワード制御と共にフィー
ドバック制御を行っているので、外乱に対して強く、デ
ィスクの面振れや層間隔のばらつきが生じても、安定し
たフォーカスジャンプを実現することができる。
【0083】特に、本実施形態では、加速期間と減速期
間の間に一定速度期間を設けたプロフィールを用いると
共に、フォーカスエラー信号の線形化変換を行ったの
で、より一層フィードバック制御の効果を充分に発揮さ
せることができる。これに対し、前記従来のフォーカス
ジャンプ装置のままでは、上述したように非線形なフォ
ーカスエラー信号を用いることになるので、安定したフ
ィードバック制御を行うことはできない。
【0084】ここで、目標値を定速度入力とした場合
と、定加速度入力とした場合の定常偏差の違いについて
詳しく説明する。なお、以下の説明では、理解を容易に
するために、図13(A)に示すような、伝達関数G
2(s)の制御対象に対して、伝達関数G1(s)の補償要素を
直結した直結フィードバック系をモデルとする。
【0085】この場合において、制御対象の伝達関数G
2(s)は1次遅れ系とする。 G2(s) = K/(1+Ts) …(1)[K:ゲイン定
数,T:時定数] また、補償要素には積分要素を用いる。その伝達関数G
1(s)は次のようになる G1(s) = 1/s …(2) 従って、図13(A)に示すような直結フィードバック
系の一巡伝達関数G(s)は次のようになる。 また、目標値をR(s)とすると、直結フィードバック系
の制御偏差E(s)は、次のようになる。 E(s) = R(s)/{1+G(s)} …(4) ここで、ラプラス変換における最終値の定理により、制
御偏差をe(t)とすると、定常偏差e(∞)は次式により
求められる。
【0086】
【数1】 ここで、図13(A)の場合のsE(s)を求める。まず、
前記(3)より、 1+G(s) = 1+K/{(1+Ts)s} = (Ts2+s+K)/{(1+Ts)s} …(6) となるので、前記(6)式と前記(4)式より、 E(s) = R(s)(1+Ts)s/(Ts2+s+K) …(7) という結果が得られる。そこで、前記(7)式の両辺を
s倍することにより、sE(s)が得られる。 sE(s) = R(s)(1+Ts)s2/(Ts2+s+K) …(8) 次に、目標値r(t)が本実施形態のフォーカスジャンプ
装置のように図13(B)に示す定速度の場合の定常偏
差e(∞)を、前記(5)式及び前記(8)式に基づいて
求める。
【0087】図13(B)の定速度入力を考えると、目
標値r(t)及びR(s)は、次のようになる。 r(t) = v0t, R(s) = v0/s2 …(9) 従って、前記(8)式より、sE(s)は次のようにな
る。 sE(s) = (v0/s2)(1+Ts)s2/(Ts2+s+K) = v0(1+Ts)/(Ts2+s+K) …(10) 従って、前記(5)式より、定常偏差e(∞)は次のよう
になる。
【0088】
【数2】 次に、目標値r(t)が図13(C)に示す定加速度の場
合の定常偏差e(∞)を、前記(5)式及び前記(8)式
に基づいて求める。
【0089】図13(C)の定加速度入力を考えると、
目標値r(t)及びR(s)は、次のようになる。 r(t) = (1/2)a02, R(s) = a0/s3 …(12) 従って、前記(8)式より、sE(s)は次のようにな
る。 sE(s) = (a0/s3)(1+Ts)s2/(Ts2+s+K) = (a0/s)(1+Ts)/(Ts2+s+K) …(13) 従って、前記(5)式より、定常偏差e(∞)は次のよう
になる。
【0090】
【数3】 前記(11)式と前記(14)式を比較すると、目標値
が定速度の場合には、定常偏差は定数(v0/K)に収
束するのに対し、目標値が定加速度の場合には、定常偏
差は∞となり発散してしまう。従って、制御対象と補償
器が共通であれば、目標値が定速度の場合に比較して定
加速度の場合の方が制御偏差は大きくなる。 つまり、
従来のフォーカスジャンプ装置の構成のままでフィード
バック制御を行おうとすると、図13(B)に示すよう
に定速度の目標値を用いることができず、複雑に変化す
る目標値を用いるしかない。図13(C)に示すような
定加速度に近似できる目標値を用いることが可能な領域
も存在するが、たとえ定加速度に近似できる目標値を用
いたとしても、制御は本実施形態のフォーカスジャンプ
装置に比べて著しく困難であり、偏差も本実施形態のフ
ォーカスジャンプ装置に比べて著しく大きくなることが
明らかである。
【0091】これに対し、本実施形態のフォーカスジャ
ンプ装置は、図3(A)に示すように、定速度の目標値
を設定しているため、フィードバック制御が従来のフォ
ーカスジャンプ装置に比べて著しく容易であり、偏差も
従来のフォーカスジャンプ装置に比べて著しく少なくな
る。
【0092】また、本実施形態のフォーカスジャンプ装
置で用いることのできるプロフィールは、加速期間と減
速期間の間に一定速度期間を設けた図3(A)に示すよ
うなプロフィールに限られるものではない。
【0093】例えば図14(A)に示すように一定速度
期間が高速期間と低速期間の2段階に分かれており、図
14(B)に示すように段階的に減速するプロフィール
を用いることもできる。このプロフィールを用いると、
図14(C)に示すように、加速パルスを加えた後に2
回に分けて減速パルスを加えることになり、最初に目標
値に大きく近づき、その後徐々に目標値に到達すること
ができる。従って、引き込みの直前に精度の高い制御が
可能となる。なお、一定速度期間を更に多くの段階に分
け、加速パルスを加えた後に複数階に分けて減速パルス
を加えるようにしても良い。
【0094】また、図15(A)に示すように、一定速
度期間が高速期間と低速期間の2段階に分かれており、
図15(B)に示すように段階的に加速するプロフィー
ルを用いることもできる。このプロフィールを用いる
と、図15(C)に示すように、加速パルスを2回に分
けて加えた後に大きな減速パルスを加えることになり、
ある程度の加減速の大きさを保ちながら、時間をかけて
フォーカスジャンプを行うことができる。ゆっくり加速
しながらフィードバックを行うと、フォーカスジャンプ
開始から制御が効き易く、フォーカスジャンプの初期条
件の変動の外乱を抑圧できる。なお、この場合も、減速
パルスを加える回数を2回以上にすることができる。
【0095】なお、図16(A)に示すように、一定速
度期間が無く、加速期間と減速期間が交互に現れるプロ
フィールを用いることもできる。このプロフィールによ
れば、図16(B)に示すように加速減速を繰り返すこ
とになり、加速量及び減速量が増大する。加速パルス及
び減速パルスの量を増していくと、外乱の影響が小さく
なる。従って、外乱の影響が小さくなるように、加速パ
ルス、減速パルスの量をトータルで大きくして、同時に
フォーカスジャンプに要する時間が短くなることによる
不都合をできるだけ回避するために、階段状に目標値に
近づくものである。このようなプロフィールを用いる
と、フィードバックによる制御が困難になるが、フィー
ドバックを行わない場合には最大の加減速量を加えるこ
とができ、外乱の影響を最小にできる。
【0096】以上のように、本実施形態のフォーカスジ
ャンプ装置においては、様々な軌跡を描くプロフィール
を用いることが可能であるが、図3(A)に示すような
プロフィールを用いた場合には、制御系を簡単な構成と
することができ、また、アクチュエータにとっても比較
的応答が容易であるという利点を有している。
【0097】また、リファレンス位置発生器3により、
上述したような種々のプロフィールを出力可能に構成
し、外乱の状態等に応じて適宜プロフィールを選択して
出力するように構成しても良い。
【0098】更に、それぞれのプロフィールは、実験の
結果に基づいて決定され、外乱に対する安定性、あるい
はトラッキングサーボの引き込みの速さ等が考慮され
る。
【0099】[8]実験例 次に、本実施形態における一実験例について図17及び
図18を参照しながら説明する。図17は、この実験例
に用いたフォーカスジャンプ装置の構成を示すブロック
図である。なお、このフォーカスジャンプ装置は、アク
チュエータ10、ドライバ11、フォトディテクタ2
2、デコーダ20及びCPU21を除く箇所は、DSP
においてプログラムが実行されることにより各機能が実
現される。
【0100】図17において、アクチュエータ10は、
図示しない対物レンズが載置されている可動部と、この
可動部をばね等によって支持する支持部とを備えてお
り、ドライバ11から出力される駆動信号に応じて可動
部をディスクの下方からディスクに対して垂直方向に変
位させる。
【0101】ドライバ11は、入力信号に応じて前記駆
動信号を生成する。安定化補償回路15から出力される
位相補償された信号、またはフィードフォワード補償部
18から出力されるフィードフォワード信号とが加算部
12により加算され、ドライバ11に入力信号として入
力される。前記アクチュエータ10と当該ドライバ11
が図1におけるアクチュエータ1に相当する要素であ
る。
【0102】フィードフォワード補償部18は、セレク
タ部16と、該セレクタ部16に接続されたアッパーレ
ベル設定部17a、センターレベル設定部17b、及び
ローワーレベル設定部17cとからなる。セレクタ部1
6は、タイミング発生部19から出力される制御信号に
応じて、アッパーレベル設定部17a、センターレベル
設定部17b、またはローワーレベル設定部17cの何
れかを選択し、アッパーレベル、センターレベル、また
はローワーレベルのうちの何れかのレベルの電圧値を有
する信号を所定期間出力する。アッパーレベルの電圧値
を有する信号は加速パルス信号、ローワーレベルの電圧
値を有する信号は減速パルス信号、及びセンターレベル
の電圧値を有する信号は一定速度信号となる。
【0103】タイミング発生部19は、制御手段として
のCPU21から出力されるジャンプトリガ信号及びジ
ャンプ方向信号に応じて、加速期間、一定速度期間、減
速期間、及び信号の極性を選択し、加速パルス信号、一
定速度信号、あるいは減速パルス信号を出力させるため
の所定の極性を持った制御信号をフィードフォワード補
償部18のセレクタ部16に出力する。
【0104】制御手段としてのCPU21には、デコー
ダ20が接続されており、該デコーダ20においてRF
信号をデコードすることにより得られるアドレスを参照
しながら、現在捕捉されている信号記録層と、アドレス
に基づいてジャンプすべき信号記録層とを比較し、ジャ
ンプトリガ信号及びジャンプ方向信号を出力する。
【0105】以上のようなCPU21、タイミング発生
部19、及びフィードフォワード補償部18によりフィ
ードフォワード信号が加算部12に出力されフィードフ
ォワード制御が行われる。つまり、これらのCPU2
1、タイミング発生部19、及びフィードフォワード補
償部18により、図1に示すフィードフォワード補償器
5が構成されている。また、この実験例におけるフォー
カスジャンプ装置では、上述したようなプロフィールを
2階微分してパルス状のフィードフォワード出力を得る
のではなく、プロフィールに対応したパルス信号のレベ
ルを予めアッパーレベル設定部17a、センターレベル
設定部17b、及びローワーレベル設定部17cにより
設定しておくと共に、パルス信号のタイミングデータを
タイミング発生部19に記憶させておくことにより、直
接的にパルス状のフィードフォワード出力を得ている。
【0106】次に、図1における安定化補償器6に相当
する安定化補償部15は、位相補償部13とセレクタ部
14a及び14bとから成る。位相補償部13は、セレ
クタ部14aにより選択されるフォーカスサーボ時の位
置偏差、あるいはセレクタ部14bを介して出力される
フォーカスジャンプ時のフィードバック制御における位
置偏差を小さくするように、ドライバ11に対してドラ
イブ信号を出力する。セレクタ部14aにはタイミング
発生部19からフォーカスサーボのオープンとクローズ
を切り換える信号が供給されており、オープン側に切り
換えられた場合には、フォーカスジャンプ時のフィード
バック制御における位置偏差を位相補償部13に出力
し、クローズ側に切り換えられた場合には、フォーカス
サーボ時の位置偏差を位相補償部13に供給する。
【0107】また、セレクタ部14bには、タイミング
発生部19から位置サーボのON/OFFを切り換える
信号が供給されており、ON側に切り換えられた場合に
は、フォーカスジャンプ時のフィードバック制御におけ
る位置偏差を出力し、OFF側に切り換えられた場合に
は、ゼロレベルの電圧を出力する。これは、図18
(A)に示すように、フォーカスエラー信号の不定領域
においてフィードバック制御を行わないようにするため
である。この不定領域の大きさは、フォーカスサーボ制
御におけるキャプチャーレンジの大きさと層間隔の大き
さとの相関関係によって異なる。例えば、層間隔が一定
であるとして、2つの層の間で反射光のクロストークが
生じ得る程度にキャプチャーレンジを大きくとった場合
には、図19に示すように不定領域は生じないが、2つ
の層の間で反射光のクロストークが生じないようにキャ
プチャーレンジを中位に設定した場合には図20に示す
ように僅かな不定領域が生じる。また、2つの層の間で
反射光のクロストークの発生を確実に防ぐように、キャ
プチャーレンジを小さく設定した場合には、図21に示
すように大きな不定領域を生じる。
【0108】また、キャプチャーレンジが一定であって
も、層間隔のばらつきにより、不定領域の大きさは変動
する。つまり、キャプチャーレンジが一定の時に層間隔
が規定値よりも大きい場合には不定領域は大きくなり、
層間隔が規定値よりも小さい場合には不定領域は小さく
なる。
【0109】そして、このような不定領域においては、
フォーカスエラー信号からは何の位置情報も得られない
ため、不定領域が生じる期間においてフィードバック制
御を行うと却って制御を不安定にしてしまう。
【0110】そこで、本実施形態では、図18に示すよ
うに、フォーカスエラー信号のゼロレベルに近接した正
の値の第1のしきい値と、当該ゼロレベルに近接した負
の値の第2のしきい値とを設定し、フォーカスエラー信
号の値が、第1のしきい値よりも小さく、第2のしきい
値よりも大きい値をとる範囲を、不定領域として検出
し、この不定領域の期間においては位置サーボをOFF
に切り換える信号をセレクタ部14bに出力することに
より、フィードバック制御を行わないように構成した。
【0111】次に、再び図17に戻って、フォトディテ
クタ22は、受光面が4分割されて配置された光電変換
素子から構成されており、記録トラックからの光ビーム
の戻り光が、これらの光電変換素子によって電気信号に
変換される。図4に示した受光素子40と同様の構成で
ある。フォトディテクタ22にはフォーカスエラー信号
検出部23が接続されており、前記電気信号はフォーカ
スエラー信号検出部23に出力される。
【0112】フォーカスエラー信号検出部23は、図4
に示した位置検出器4と同様に、非点収差発生手段41
と、差動アンプ42とを備えている。信号記録層からの
反射光は、非点収差発生手段41を経て、AからDの領
域に4分割された受光素子40に入力される。対角に位
置する受光素子の出力は加算され(Va+Vd,Vb+
Vc)、加算された出力の差分が差動アンプ42にて生
成され、図5(B)に示すようなフォーカスエラー信号
が生成される。フォーカスエラー信号検出部23には、
傾き検出部24、レベル検出部26、位置発生部27、
及び減算部30が接続されており、前記フォーカスエラ
ー信号をこれらに出力する。この実験例におけるフォー
カスジャンプ装置では、フォトディテクタ22とフォー
カスエラー信号検出部23から図1に示す位置検出器4
が構成されている。
【0113】傾き検出部24は、フォーカスエラー信号
の傾きの極性を検出する回路であり、この傾きの極性が
正から負に切り換わる時にハイレベルからローレベルに
立ち下がる信号を出力し、また、負から正に切り換わる
時にローレベルからハイレベルに立ち上がる信号を出力
する。この傾き検出部24の出力はタイミング発生部1
9に供給され、タイミング発生部19は前記傾き検出部
24の出力の変化に基づいて、図5(B)に示すような
領域を判別する信号を出力する。フォーカスエラー信号
の傾きの極性が切り換わる位置は、フォーカスエラー信
号のピークの位置であり、フォーカスエラー信号のピー
ク位置が判れば前記領域の判別を行うことができる。
【0114】タイマー25は、CPU21から出力され
るスタート信号をトリガーとして動作を開始し、CPU
21によってセットされたタイマー値がゼロになったと
ころでタイミング発生回路19に対してタイムアップ信
号を出力する。つまり、タイマー値を適宜の値に設定
し、適宜のタイミングでスタートさせることにより、所
望のタイミングからの時間の計測が可能である。この実
験例におけるフォーカスジャンプ装置は、前記傾き検出
部24を用いた領域の切り換えだけでなく、タイマー2
5を用いた一定時間毎の領域の切り換えを行うことがで
きるように構成されている。
【0115】レベル検出部26は、フォーカスエラー信
号と図18に示す第1〜第3のしきい値との比較を行
い、比較結果をタイミング発生部19に出力する。これ
により、上述した位置サーボのON/OFF切り換え信
号、加減速パルスの出力タイミングが決定される。
【0116】タイミング発生部19は、上述した位置サ
ーボのON/OFF切り換え信号、及び加減速パルスの
出力開始信号の他、フォーカスサーボのオープン/クロ
ーズの切り換え信号も出力する。また、前記傾き検出部
24により正のピーク値の検出を示す信号が出力された
場合には、フォーカスエラー信号が正の閾値よりも低い
値になった時に領域1から領域2への切り換え信号を出
力する。また、前記傾き検出部24により負のピーク値
の検出を示す信号が出力された場合には、フォーカスエ
ラー信号が負の閾値よりも高い値になった時に領域2か
ら領域3への切り換え信号を出力する。このような構成
により、フォーカスエラー信号にノイズが含まれる場合
でも正確に領域の切り換えを行うことができる。そし
て、以上のようにしてタイミング発生部19から出力さ
れる領域を切り換える信号は、位置発生部27に供給さ
れる。
【0117】位置発生部27は、タイミング発生部19
から出力される領域の切り換え信号を参照しながらフォ
ーカスエラー信号の線形化変換に参照すべき変換テーブ
ルのアドレスを発生させる。そして、このアドレスに基
づいて、予め記憶された変換テーブルを参照し、サンプ
ルされたフォーカスエラーの値に応じて変換テーブルに
設定された値を出力する。変換テーブルは、領域1用の
変換テーブル、領域2用の変換テーブル、及び領域3用
の変換テーブルがそれぞれ異なったアドレスを有して記
憶されており、各変換テーブルには図7に示すような値
が所定の分解能で設定されている。従って、各変換テー
ブルが参照されてテーブル値の出力が行われると、図9
(C)に示すようにフォーカスエラー信号の線形化変換
が行われることになる。
【0118】以上のように、この実験例のフォーカスジ
ャンプ装置においては、傾き検出部24、タイマー部2
5、レベル検出部26、タイミング発生部19、及び位
置発生部27により、図1に示す線形化変換器5が構成
される。
【0119】一方、リファレンス発生部28は、タイミ
ング発生部19から出力されるカウント信号に基づき、
予めテープルに記憶されたリファレンステーブルのアド
レスを発生させる。タイミング発生部19はフィードフ
ォワード出力としてのパルス信号のパルス幅に応じて異
なるカウント信号を出力するように構成されており、当
該パルス幅はCPU21により選択できるように構成さ
れている。従って、CPU21から所定のパルス幅を選
択する信号がタイミング発生部19に出力されると、タ
イミング発生部19は当該パルス幅のパルス信号を生成
するようにフィードフォワード補償部18に制御信号を
出力すると共に、単なるカウント信号をリファレンス発
生部28に出力する。これにより、リファレンス発生部
28は当該パルス幅に対応したリファレンステーブルの
アドレスを発生させる。そして、このアドレスに基づい
て、予め記憶されたリファレンステーブルを参照し、リ
ファレンステーブルに設定された値を出力する。
【0120】テーブルには、フィードフォワードに応じ
た所定の軌跡を描くプロフィールが設定されている。例
えば、加速期間と減速期間において非線形で、定速期間
は線形な図10のような波形が出力される。以上のよう
に、この実験例のフォーカスジャンプ装置においては、
CPU21、タイミング発生部19、リファレンス発生
部28により、図1に示すリファレンス位置発生器3が
構成される。
【0121】リファレンス発生部28から出力されるプ
ロフィールと位置発生部27から出力される線形化位置
出力は、加減算部29において加減算され、例えば図1
0に示すように位置偏差が出力される。この位置偏差は
安定化補償部15のセレクタ部14bに出力され、タイ
ミング発生部19からセレクタ部14bに対して位置サ
ーボをONに切り換える信号が出力された時に、セレク
タ部14aに出力される。セレクタ部14aにおいて
は、タイミング発生部19からトラッキングサーボのオ
ープン信号が出力された時に、前記位置偏差が位相補償
部13に出力され、フォーカスジャンプ時のクローズド
ループが構成される。一方、タイミング発生部19から
セレクタ部14aに対してトラッキングサーボのクロー
ズ信号が出力された時には、減算部30を介して出力さ
れるフォーカスエラー信号が位置偏差として位相補償部
13に出力され、トラッキングサーボ時のクローズドル
ープが構成される。
【0122】次に、以上のような実験例におけるフォー
カスジャンプ装置の動作例について説明する。まず、C
PU21からジャンプトリガが出力されると、時刻t0
において、タイミング発生部19により、図18(B)
に示すようにフォーカスサーボオープン/クローズ信号
をローレベルに切り換えて、セレクタ部14aによる位
相補償部13への接続先としてセレクタ部14bを選択
する。また同時に、図18(D)に示すようにタイミン
グ発生部19により位置サーボON/OFF信号をハイ
レベルに切り換えて、セレクタ部14bの出力として加
減算部29の出力である位置偏差を選択する。更に、こ
の時刻t0のタイミングにおいては、リファレンス発生
部28から図18(E)に示すようなプロフィールを出
力させ、フィードフォワード補償部18からこのプロフ
ィールに対応した図18(H)に示すようなフィードフ
ォワード出力をドライバ11に供給させる。
【0123】これにより、アクチュエータ10はジャン
プを開始し、レーザービームスポットを移動させるの
で、フォーカスエラー検出部23からは図18(A)に
示すようなフォーカスエラー信号が検出される。このフ
ォーカスエラー信号は、傾き検出部24に供給され、傾
き検出部24はこのフォーカスエラー信号が正のピーク
値に到達する前の正の傾きを有していることを示す信号
をタイミング発生部19に出力する。タイミング発生部
19はこの検出結果に基づいて、図18(C)に示すよ
うに変換領域信号としてハイレベルの信号を出力し、現
在の領域が図5(B)に示す領域1であることを示す。
この変換領域信号は位置発生部27に出力され、位置発
生部27はこの出力に基づいて、変換テーブルとして領
域1用の変換テーブルを選択し、この領域1用の変換テ
ーブルを用いてフォーカスエラー信号を線形化変換し、
図18(F)に示すような線形化位置を出力する。この
線形化位置出力と、前記プロフィールによるリファレン
ス位置は、加減算部29において比較され、図18
(G)に示すような位置偏差が得られる。この位置偏差
は、セレクタ部14b及びセレクタ部14aを介して位
相補償部13に供給され、位相補償部13においてはこ
の位置偏差を低減するように図18(I)に示すような
ドライブ信号をフィードバックする。従って、アクチュ
エータ10は、外乱が生じた場合でも高い精度でリファ
レンス位置に追従するようにジャンプを続ける。
【0124】次に、時刻t1において、フォーカスエラ
ー信号が正のピーク値に至ったことが傾き検出部24に
より検出され、タイミング発生部19から出力される変
換領域信号は図18(C)に示すようにローレベルに切
り換えられる。この変換領域信号を入力した位置発生部
27は、領域が領域1から領域2に切り換わったことを
認識し、変換テーブルとして領域2用の変換テープルを
選択してフォーカスエラー信号の線形化変換を行う。そ
の結果、図18(A)に示すように非線形なフォーカス
エラー信号は、図18(F)に示すように線形化され、
この線形化された位置出力に基づいて、安定したフィー
ドバック制御が行われる。
【0125】次に、時刻t2のタイミングにおいて、フ
ォーカスエラー信号が図18(A)に示すように第1の
しきい値よりも小さい値となったことを、レベル検出部
26が検出すると、タイミング発生部19はこの検出結
果に基づいて、図18(B)に示すように位置サーボO
N/OFF信号をローレベルに切り換え、セレクタ14
bからゼロレベルの電圧を出力させる。このようにして
フォーカスエラー信号の不定領域においてフィードバッ
ク制御が中断される。
【0126】そして、時刻t3のタイミングにおいて、
フォーカスエラー信号が図18(A)に示すように第2
のしきい値よりも小さな値となったことを、レベル検出
部26が検出すると、タイミング発生部19はこの検出
結果に基づいて、図18(B)に示すように位置サーボ
ON/OFF信号をハイレベルに切り換え、セレクタ1
4bから再び位置偏差を出力させる。このようにしてフ
ィードバック制御が再開される。
【0127】次に、時刻t4において、フォーカスエラ
ー信号が負のピーク値に達したことを、傾き検出部24
が検出すると、タイミング発生部19は、図18(C)
に示すように変換領域信号をハイレベルに切り換える。
この変換領域信号は、位置発生部27に入力され、位置
発生部27はフォーカスエラー信号の領域が領域2から
領域3に切り換ったことを認識し、変換テーブルとして
領域3用の変換テーブルを選択する。そして、この領域
3用の変換テーブルによりフォーカスエラー信号の線形
化変換を行う。
【0128】次に、時刻t5において、フォーカスエラ
ー信号が第3のしきい値よりも大きな値になったことを
レベル検出部26が検出すると、タイミング発生部19
は、この検出結果に基づいて、フィードフォワード補償
部18に対して、減速パルスの出力開始信号を出力す
る。これにより、フィードフォワード補償部18におい
て、図18(H)に示すような減速パルスを出力し、ド
ライバ11に供給する。その結果、アクチュエータ10
は減速を開始する。そして、減速パルスが終了する時刻
t6において、タイミング発生部19は図18(B)に
示すようにフォーカスサーボオープン/クローズ信号を
ハイレベルに切り換え、セレクタ部14aによる位相補
償部13の接続先として減算部30を選択させ、フォー
カスサーボループをクローズさせる。また、タイミング
発生部19は図18(D)に示すように位置サーボON
/OFF信号をローレベルに切り換えフィードバック制
御を終了させる。
【0129】以上のようにして目標の記録層におけるフ
ォーカスサーボ制御が行われることになるが、目標の記
録層までのフォーカスジャンプは、上述したようにフィ
ードフォワード制御とフィードバック制御との併用によ
り、リファレンス位置に追従して高い精度で行われてお
り、減速パルスの終了時点では、レーザビームスポット
の位置はほぼフォーカス位置に到達している。従って、
フォーカスサーボの引き込みは図18(A)に示すよう
に極めて迅速に行われる。
【0130】以上のように、本実験例のフォーカスジャ
ンプ装置においては、フォーカスサーボにおけるキャプ
チャアレンジよりも遥かに長い層間距離のフォーカスジ
ャンプを確実に実行できるだけでなく、フォーカスエラ
ー信号を線形化変換した線形化位置出力に基づいて適切
な位置偏差を求め、フォーカスジャンプ中においてこの
位置偏差に基づいて安定したフィードバック制御が行わ
れるので、外乱が発生した場合でも極めて高い精度でレ
ーザービームスポットを目標の記録層に到達させること
ができる。
【0131】また、フォーカスジャンプ中もフィードバ
ックループがクローズしており、常にフォーカスサーボ
がオンしているような動作をするため、ジャンプからフ
ォーカスサーボオンの時のショックが小さくできる。従
って、ジャンプが終了した後も乱れが少なく収束が速
い。従って、本発明のフォーカスジャンプ装置は、サン
プリング時間等の制約のあるデジタルサーボシステムに
も効果がある。
【0132】なお、本実験例で用いたアクチュエータ1
0は、図22に示すように、ディスク50の下方に位置
し、バネ40により付勢されている。そして、ドライブ
信号がOFFの時には、図22に点線で示すように、バ
ネの付勢力と重力とがつりあった静的つり合いの位置に
ある。しかし、フォーカスサーボが行われている時に
は、図22に実線で示すように、アクチュエータ10に
対して定常的なドライブ信号が印加されている。
【0133】従って、上述したフォーカスジャンプを行
う場合でも、図23(B)に示すようにオフセット電圧
がアクチュエータ10に印加された状態で、フィードフ
ォワード出力を行うことにより、加速量と減速量を同じ
量に設定することができる。
【0134】但し、本発明はこのようなオフセット電圧
の印加を行った上でのフィードフォワード制御に限定さ
れるものではなく、下層である1層目から上層である2
層目までのジャンプ時と、2層目から1層目までのジャ
ンプ時とで、加速量と減速量に差を設けるようにしても
良い。つまり、1層目から2層目へのジャンプ時におい
ては、重力に抗してジャンプを行う必要があるため、減
速パルスよりも大きな加速パルスを印加する。また、2
層目から1層目へのジャンプ時においては、重力により
減速方向に大きな力が加わるので、加速パルスよりも大
きな減速パルスを印加する。そして、このように加速パ
ルスと減速パルスに差を設ける時には、リファレンス位
置もそれに応じて変える必要があり、また新たなリファ
レンス位置に適合した線形化位置出力を得るためにフォ
ーカスエラー信号の線形化変換のための変換テーブルも
切り換える必要がある。
【0135】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を添付図面の図24及び図25に基づいて説明
する。なお、第1の実施形態との共通箇所には同一符号
を付して説明を省略する。
【0136】第1の実施形態においては、フォーカスエ
ラー信号を線形化変換した後に、線形領域を有するプロ
フィールと比較する構成としたが、本実施形態のフォー
カスジャンプ装置は、フォーカスエラー信号の非線形性
を考慮して非線形な目標値を与えるところが第1の実施
形態と異なる。
【0137】図24のブロック線図に本実施形態におけ
るフォーカスジャンプ装置の概略構成を示す。なお、図
1との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0138】図24に示すように、本実施形態のフォー
カスジャンプ装置においては、位置検出器4から出力さ
れるフォーカスエラー信号が、線形化変換されることな
く、直接的に目標値と比較される。
【0139】また、非線形化変換器7は、リファレンス
位置発生器3から出力される線形なリファレンス位置に
対して、非線形化変換を行う。これは、第1の実施形態
において、フォーカスエラー信号に対して線形化変換を
行った場合の逆変換を行うものである。実際には、RO
Mに予め非線形な目標値テーブルを書き込んでおき、ア
ドレスを操作して順番に読み出すようにすれば良い。
【0140】線形化変換器5は、フォーカスエラー信号
と目標値の差分から適正に対物レンズを移動させるため
に、当該差分に対して極性とゲインを補正して線形な位
置偏差を生成する。
【0141】そして、極性とゲインが補正された後の位
置偏差を安定化補償器6に供給し、位置偏差を低減させ
るドライブ信号をアクチュエータ1に供給する。
【0142】なお、フィードフォワード補償器2によ
り、ジャンプのプロフィールとアクチュエータの挙動が
一致するようにフィードフォワード出力をドライバに加
える点は第1の実施形態と同様である。
【0143】図25に目標値となるリファレンス信号
と、前記プロフィールの一定速度よりも速い速度でアク
チュエータ1が移動した際に得られるフォーカスエラー
信号と、前記プロフィールの一定速度よりも遅い速度で
アクチュエータ1が移動した際に得られるフォーカスエ
ラー信号とを示す。
【0144】図25において、前記速い速度または遅い
速度で移動した場合のフォーカスエラー信号とリファレ
ンス信号とを比較すると、偏差の極性が、領域1及び領
域3と、領域2とでは逆になっていることが判る。そこ
で、本実施形態の線形化変換器5では、領域2の時に得
られ偏差の極性を反転させ、偏差の極性を揃えている。
【0145】また、各領域の境界位置付近では、リファ
レンス信号及びフォーカスエラー信号共に変化率が減少
するため偏差のゲインが低下する。そこで、本実施形態
の線形化変換器5では、領域が切り換えられてから所定
期間は偏差のゲインを増加させる。また、フォーカスエ
ラー信号のレベルによってゲインを変化させるように構
成しても良い。
【0146】以上のように構成することにより、制御量
としてのフォーカスエラー信号と、目標値としてのリフ
ァレンス信号が、共に非線形な信号であっても、各領域
毎に見れば互いの信号が線形に近似できるため、見掛け
上の周波数帯域を低下させることができ、フォーカスジ
ャンプ中におけるフィードバック制御を行うことができ
る。
【0147】従って、常に適正なアクチュエータの位置
に関するフィードバック制御が行われ、ディスクの面振
れや層間隔のばらつき等の外乱が生じても、精度の良い
安定したシングルフォーカスジャンプを行うことができ
る。
【0148】なお、本実施形態においても第1の実施形
態と同様に、ピーク検出またはフォーカスサムを用いる
方法で領域の切り換えを行うことができる。
【0149】また、上述した実施形態においては、光ビ
ームとしてレーザービームを用いた例について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、LEDに
よるビームを用いても良い。
【0150】また、上述した実施形態においては、光ビ
ームのスポットとして記録層上に集光させる例について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
線状のビームにより数トラックを1度にトレースする方
を用いた場合でも適用可能である。
【0151】更に、上述した実施形態においては、光ビ
ームの焦点位置を移動させる手法として、アクチュエー
タ自体をジャンプさせる例について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、アクチュエータ内の
対物レンズを移動させることにより、光ビームの焦点位
置を移動させる構成としても良い。
【0152】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
フォーカスジャンプ装置によれば、焦点位置移動手段に
対して加速制御及び減速制御を実行するフィードフォワ
ード制御手段と、前記加速制御の実行により開始される
前記目標の記録層へのジャンプ時に前記フォーカスエラ
ー信号検出手段によって検出される前記フォーカスエラ
ー信号と、所定の目標値とを比較し、その誤差を低減さ
せるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号をフ
ィードバックして光ピームの焦点の位置制御を行う位置
制御手段とを備えたので、フォーカスジャンプ中におい
てもサーボループを形成することができる。その結果、
光ビームの焦点位置を前記所定の目標値に精度良く追従
させ、焦点位置を精度良く目標位置に到達させることが
できる。このように、本発明によれば、外乱に強い安定
したフォーカスジャンプを行うので、2層以上の記録層
を有する記録媒体において、記録媒体の面振れや層間隔
のばらつき等が生じた場合でも、記録層から記録層への
ジャンプを高い精度で行うことができ、かつ、ジャンプ
終了後のフォーカスサーボにおける収束を速めることが
できる。
【0153】請求項2に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、加速制御と減速制御の間に、所定期間の一定
速度制御を行うので、一定速度制御期間において前記位
置制御手段によるフィードバック制御が行われると、当
該フィードバック制御における見掛け上の周波数帯域が
低下し、安定したサーボループを形成することができ
る。その結果、光ビームの焦点位置を前記所定の目標値
により一層精度良く追従させ、より一層精度良く目標位
置に到達させることができる。
【0154】請求項3に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、一定速度制御の期間を加速制御の期間及び減
速制御の期間よりも長くなるように設定したので、光ビ
ームの焦点位置についてのフィードバック制御を有効に
機能させることができ、高い精度のフォーカスジャンプ
を行うことができる。
【0155】請求項4に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、前記フィードフォワード制御手段により、前
記加速パルスを印加した後に、前記一定速度期間を設
け、前記一定速度期間の終了後に減速パルスを印加する
ので、最初の加速パルスと最後の減速パルスの間に十分
な一定速度期間が設けられ、2層以上の記録層を有する
記録媒体におけるフォーカスジャンプ中に、前記フィー
ドバックを有効に機能させることができ、精度の良いフ
ォーカスジャンプを行うことができる。
【0156】請求項5に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、前記フィードフォワード制御手段により、前
記加速パルスを印加した後に、段階的に複数の減速パル
スを印加し、前記加速パルスと前記減速パルスの間、及
び各減速パルス間に前記一定速度期間を設けたので、光
ビームの焦点位置を最初に目標記録層に近い位置まで移
動させ、徐々に速度を緩めながら精度良く目標記録層の
位置に到達させることができる。その結果、フォーカス
サーボの引き込みの直前に精度の高い制御を行うことが
できる。
【0157】請求項6に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、前記フィードフォワード制御手段により、段
階的に複数の加速パルスを印加した後に、減速パルスを
印加し、前記加速パルス間、及び前記加速パルスと前記
減速パルスの間に前記一定速度期間を設けたので、フォ
ーカスジャンプの開始から制御が効き易く、フォーカス
ジャンプの初期条件の変動の外乱を抑圧することができ
る。
【0158】請求項7に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、前記フィードフォワード制御手段により、前
記加速パルスと減速パルスの印加パターンを複数備え、
フォーカスジャンプする距離に応じて前記印加パターン
を選択するので、フォーカスジャンプする距離に拘わら
ず常に高い精度のフォーカスジャンプを行うことができ
る。
【0159】請求項8に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、前記光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変
化を表すプロフィールを設定するプロフィール設定手段
と、前記焦点位置移動手段の伝達特性の逆特性を有する
フィードフォワード補償器とを備え、前記プロフィール
設定手段により、ジャンプの開始時点からの加速状態に
よる位置変化と、ジャンプの終了に至る減速状態による
位置変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位
置変化を含むプロフィールを設定し、前記フィードフォ
ワード補償器は、当該プロフィールを補償するフィード
フォワード信号を前記焦点位置移動手段に印加するの
で、フィードフォワード制御と共に前記フィードバック
制御を有効に機能させることができ、高い精度のフォー
カスジャンプを行うことができる。また、プロフィール
の波形を変化させることは容易なので、プロフィールを
変化させて光ビームの焦点位置の変化の態様を容易に自
在に制御できる。
【0160】請求項9に記載のフォーカスジャンプ装置
によれば、前記フォーカスエラー信号を線形化変換する
線形化変換手段と、前記所定の目標値として、前記光ビ
ームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すリファレン
ス位置の設定を行うリファレンス位置設定手段とを更に
備え、前記フィードバック制御手段により、前記線形化
変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、
その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対
する駆動信号を制御するので、非線形なフォーカスエラ
ー信号を線形化処理することよってフィードバック制御
を行い、フィードバック制御における見掛け上の周波数
帯域を低下させ、光ビームの焦点位置を高い精度でリフ
ァレンス位置に追従させるように移動させることができ
る。その結果、光ピームの焦点位置を高い精度で目標位
置に到達させることができ、フォーカスジャンプ終了後
のフォーカスサーボの引き込みを速めることができる。
【0161】請求項10に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、前記フォーカスエラー信号を線形化変換す
る線形化変換手段を更に備え、前記プロフィール設定手
段により設定されるプロフィールを、前記所定の目標値
としてのリファレンス位置として用い、前記線形化変換
手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その
誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する
駆動信号を制御するので、線形化変換されたフォーカス
エラー信号と、一定速度期間に基づく位置変化を含むプ
ロフィールとの比較に基づいてフィードバック制御が行
われ、フィードバック制御における見掛け上の周波数帯
域を低下させ、光ビームの焦点位置を精度良くリファレ
ンス位置に追従させるように移動させることができる。
その結果、光ビームの焦点位置を高い精度で目標位置に
到達させることができ、フォーカスジャンプ終了後のフ
ォーカスサーボの引き込みを速めることができる。ま
た、リファレンス位置設定手段とプロフィール設定手段
との共通化により構成の簡略化を図ることができる。
【0162】請求項11に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、前記フォーカスエラー信号検出手段によっ
て検出される前記フォーカスエラー信号が、信号の値が
増加方向に変化する領域と、減少方向に変化する領域と
の少なくとも何れの領域に属する信号であるかを判別す
る領域判別手段を更に備え、前記線形化変換手段は、前
記領域毎に異なる複数の変換テーブルを備え、前記領域
判別手段による判別結果に基づいて前記変換テーブルを
選択し、前記フォーカスエラー信号を線形化変換するの
で、非線形なフォーカスエラー信号を適切に線形化変換
することができる。その結果、適切なフィードバック制
御を実現でき、光ビームの焦点位置を高い精度で目標位
置に到達させると共にフォーカスジャンプ終了後のフォ
ーカスサーボの引き込みを速めることができる。
【0163】請求項12に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、フォーカスエラー信号の検出方式を判別す
る検出方式判別手段を更に備え、前記線形化変換手段
は、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを前記検出
方式毎に複数備え、前記検出方式判別手段による判別結
果に応じて、前記検出方式に応じた前記領域毎に異なる
複数の変換テーブルを選択し、選択した複数の変換テー
ブルの中から、前記領域判別手段による判別結果に基づ
いて変換テーブルを選択し、前記フォーカスエラー信号
を線形化変換するので、異なる波形のフォーカスエラー
信号が得られる場合でも、適切に線形化変換を行うこと
ができ、フィードフォワード制御と共に適切なフィード
バックを行って、高い精度のフォーカスジャンプを行う
ことができる。
【0164】請求項13に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、前記領域判別手段により、前記フォーカス
エラー信号検出手段によって検出される前記フォーカス
エラー信号が、信号の値が正の値で増加方向に変化する
領域または信号の値が負の値で減少方向に変化する領域
と、減少または増加方向に変化する領域と、負の値で増
加する方向に変化する領域または正の値で減少する方向
に変化する領域との3領域の何れに属する信号であるか
を判別するので、非線形なフォーカスエラー信号の波形
の特性に合致した3つの領域毎に、それぞれの領域のフ
ォーカスエラー信号に応じた変換テーブルを用いて線形
化変換を行うことができ、非線形なフォーカスエラー信
号を適切に線形化変換することができる。その結果、フ
ィードフォワード制御と共に適切なフィードバックを行
って、高い精度のフォーカスジャンプを行うことができ
る。
【0165】請求項14に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、前記領域判別手段により前記フォーカスエ
ラー信号の正または負のピーク値への到達タイミングを
基準として前記領域を判別するので、高い精度で領域の
判別を行うことができ、適切な変換テーブルにより線形
化変換を行うことができる。
【0166】請求項15に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、前記領域判別手段により、前記光ビームの
前記記録媒体からの戻り光の量に基づいて前記領域を判
別するので、高い精度で領域の判別を行うことができ、
適切な変換テーブルにより線形化変換を行うことができ
る。
【0167】請求項16に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、シングルフォーカスジャンプを行う場合に
は、前記リファレンス位置として、ジャンプの開始時点
からの加速状態による位置変化と、ジャンプの終了に至
る減速状態による位置変化との間に、少なくとも一度一
定速度状態での位置変化を含むリファレンス位置を用い
てるので、フィードバック制御における周波数帯域を低
下させて安定したフィードバックループにより光ビーム
の焦点位置を前記一定速度状態での位置変化を含むリフ
ァレンス位置に追従するように高い精度でフォーカスジ
ャンプさせることができる。
【0168】請求項17に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、フォーカスエラー信号または前記光ビーム
の前記記録媒体からの戻り光の量が所定のしきい値より
も小さい値で略一定に維持される期間を有する場合に
は、当該期間を除く他の期間においてフィードバック制
御を行うので、適正な光ビームの位置情報に基づいて精
度の高いフィードバック制御を行うことができる。
【0169】請求項18に記載のフォーカスジャンプ装
置によれば、フォーカスジャンプの終了後に前記フォー
カスエラー信号をゼロとするように前記焦点位置移動手
段に対する駆動信号をフィードバックして光ビームの焦
点位置の位置制御を行うフォーカスサーボ制御手段を更
に備え、前記フィードバック制御手段と前記フォーカス
サーボ制御手段は、それぞれの制御の特性に応じた位相
補償器を備えているので、周波数帯域の異なるそれぞれ
の制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるフォーカスジ
ャンプ装置の構成を示すブロック線図である。
【図2】図1のフォーカスジャンプ装置におけるアクチ
ュエータ及びフィードフォワード補償器の周波数特性を
示す図である。
【図3】(A)は本発明の第1の実施形態におけるリフ
ァレンス位置発生器から出力されるプロフィールを示す
図、(B)は(A)のプロフィールを1階微分した速度
変化を示す図、(C)は(A)のプロフィールを2階微
分したフィードフォワード出力を示す図である。
【図4】図1のフォーカスジャンプ装置における位置検
出器の構成例を示す図である。
【図5】(A)は図1のフォーカスジャンプ装置におけ
る線形化変換器によってフォーカスエラー信号を線形化
変換した線形化位置出力を示す図、(B)は図1のフォ
ーカスジャンプ装置における位置検出器によって得られ
るフォーカスエラー信号を示す図である。
【図6】フォーカスサーボ制御時におけるフォーカスエ
ラー信号の参照方法と、フォーカスジャンプ時のフォー
カスエラー信号の参照方法とを比較するための図であ
る。
【図7】図1のフォーカスジャンプ装置の線形化変換器
において用いられる線形化変換用のテーブルを示す図で
ある。
【図8】(A)は図1のフォーカスジャンプ装置におい
て検出されるフォーカスエラー信号を示す図、(B)は
フォーカスエラー信号の微分波形と領域の関係を示す
図、(C)はフォーカスサムと領域との関係を示す図で
ある。
【図9】(A)は図7に示すテーブルを示す図、(B)
は線形化変換器に入力されるフォーカスエラー信号を示
す図、(C)は(B)のフォーカスエラー信号を線形化
変換した結果である線形化位置出力を示す図である。
【図10】リファレンス位置に対する、速度が速い場合
の線形化位置出力と、速度が遅い場合の線形化位置出力
との偏差を示す図である。
【図11】本実施形態のフォーカスジャンプ装置と比較
される比較例のフォーカスジャンプ制御を説明するため
の図であり、(A)はフォーカスエラー信号を示す図、
(B)はアクチュエータに印加されるドライブ信号を示
す図である。
【図12】本実施形態のフォーカスジャンプ装置と比較
される他の比較例のフォーカスジャンプ制御を説明する
ための図であり、(A)はフォーカスエラー信号を示す
図、(B)はアクチュエータに印加されるドライブ信号
を示す図である。
【図13】(A)は直結フィードバック系のモデルを示
す図、(B)は(A)のフィードバック系に入力される
定速度入力を説明する図、(C)は(A)のフィードバ
ック系に入力される定加速度入力を説明する図である。
【図14】(A)は段階的に減速するプロフィールを示
す図、(B)は(A)のプロフィールを1階微分した速
度変化を示す図、(C)は(A)のプロフィールを2階
微分したフィードフォワード出力を示す図である。
【図15】(A)は段階的に加速するプロフィールを示
す図、(B)は(A)のプロフィールを1階微分した速
度変化を示す図、(C)は(A)のプロフィールを2階
微分したフィードフォワード出力を示す図である。
【図16】(A)は一定速度期間が無く加速期間と減速
期間が交互に現れるプロフィールを示す図、(B)は
(A)のプロフィールを1階微分した速度変化を示す
図、(C)は(A)のプロフィールを2階微分したフィ
ードフォワード出力を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施形態における実験例に用
いたフォーカスジャンプ装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図18】図17に示すフォーカスジャンプ装置を用い
て行った実験結果を示すタイミングチャートであり、
(A)はフォーカスエラー信号、(B)はフォーカスサ
ーボのオープン/クローズ切り換え信号、(C)はフォ
ーカスエラー信号の領域の切り換えを示す変換領域信
号、(D)はフォーカスエラー信号の不定領域とその他
の領域における位置サーボのON/OFF切り換え信
号、(E)はリファレンス位置、(F)はフォーカスエ
ラー信号を線形化変換することによって得られた対物レ
ンズの目標記録層に対する相対位置、(G)はリファレ
ンス位置と相対位置との位置偏差、(H)はアクチュエ
ータに印加されるフィードフォワード出力、(I)はア
クチュエータに印加されるドライブ信号をそれぞれ示す
タイミングチャートである。
【図19】フォーカスエラー信号の不定領域を説明する
ための図であり、(A)はキャプチャーレンジが大きい
場合のフォーカスエラー信号、(B)はフィードフォワ
ード出力を示す図である。
【図20】フォーカスエラー信号の不定領域を説明する
ための図であり、(A)はキャプチャーレンジが中位の
場合のフォーカスエラー信号、(B)はフィードフォワ
ード出力を示す図である。
【図21】フォーカスエラー信号の不定領域を説明する
ための図であり、(A)はキャプチャーレンジが小さい
場合のフォーカスエラー信号、(B)はフィードフォワ
ード出力を示す図である。
【図22】図17に示すフォーカスジャンプ装置におけ
るアクチュエータの構成を示す図である。
【図23】オフセットを加えたドライブ信号を説明する
ための図であり、(A)はフォーカスエラー信号、
(B)はオフセットを加えたフィードフォワード出力を
示す図である。
【図24】本発明の第2の実施形態におけるフォーカス
ジャンプ装置の構成を示すブロック線図である。
【図25】図24のフォーカスジャンプ装置における目
標値となるリファレンス信号と、フォーカスエラー信号
との偏差を示す図である。
【符号の説明】
1…アクチュエータ 2…フィードフォワード補償器 3…リファレンス位置発生器 4…位置検出器 5…線形化変換器 6…安定化補償器 7…非線形化変換器 10…アクチュエータ 11…ドライバ 13…位相補償部 18…フィードフォワード補償部 19…タイミング発生部 21…CPU 22…フォトディテクタ 23…フォーカスエラー検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D117 AA02 BB03 BB05 CC01 CC04 DD05 FF03 FF08 JJ05 5D118 AA13 AA16 BA01 BB02 BF02 CA09 CA11 CB02 CB03 CC12 CD02 CD13 CD17

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2層以上の記録層を有する記
    録媒体の情報を再生する情報再生装置、あるいは該再生
    と共に該記録媒体に情報を記録する情報記録再生装置に
    て、前記記録媒体上の所定の記録層に照射される光ビー
    ムを、目標の記録層に照射させるように、前記目標の記
    録層に対応した焦点位置まで前記記録媒体に対して垂直
    方向に前記光ビームの焦点位置を移動させるフォーカス
    ジャンプ装置であって、 前記光ビームの焦点位置を移動させる焦点位置移動手段
    と、 前記記録層に対する前記光ビームの焦点位置の変化に基
    づく前記記録媒体からの戻り光の変化によりフォーカス
    エラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出手段
    と、 前記光ビームの焦点位置を加速状態で移動させるように
    前記焦点位置移動手段に対して駆動信号を与える加速制
    御と、前記光ビームの焦点位置を減速状態で移動させる
    ように前記焦点位置移動手段に対して駆動信号を与える
    減速制御とを行うフィードフォワード制御手段と、 前記加速制御により開始される前記光ビームの焦点位置
    の前記目標の記録層への移動時に前記フォーカスエラー
    信号検出手段によって検出される前記フォーカスエラー
    信号と、所定の目標値とを比較し、その誤差を低減させ
    るように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号をフィ
    ードバックして光ビームの焦点の位置制御を行う位置制
    御手段とを備えた、 ことを特徴とするフォーカスジャンプ装置。
  2. 【請求項2】 前記フィードフォワード制御手段は、前
    記加速制御と減速制御との間に、所定期間の一定速度制
    御を行うことを特徴とする請求項1に記載のフォーカス
    ジャンプ装置。
  3. 【請求項3】 前記一定速度制御の期間は、前記加速制
    御の期間及び減速制御の期間よりも長くなるように設定
    されることを特徴とする請求項2に記載のフォーカスジ
    ャンプ装置。
  4. 【請求項4】 前記フィードフォワード制御手段は、前
    記焦点位置移動手段に対して加速パルスを印加する加速
    制御を行った後に、前記焦点位置移動手段に対して所定
    期間パルスを印加しない一定速度制御を行い、該一定速
    度制御の終了後に前記焦点位置移動手段に対して減速パ
    ルスを印加する減速制御を行うことを特徴とする請求項
    1乃至請求項3の何れか一項に記載のフォーカスジャン
    プ装置。
  5. 【請求項5】 前記フィードフォワード制御手段は、前
    記焦点位置移動手段に対して加速パルスを印加する加速
    制御を行った後に、前記焦点位置移動手段に対して段階
    的に複数の減速パルスを印加する減速制御を行い、前記
    加速パルスと前記減速パルスの間、及び各減速パルス間
    に前記焦点位置移動手段に対してパルスを印加しない一
    定速度制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項
    3の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  6. 【請求項6】 前記フィードフォワード制御手段は、前
    記焦点位置移動手段に対して段階的に複数の加速パルス
    を印加する加速制御を行った後に、前記焦点位置移動手
    段に対して減速パルスを印加する減速制御を行い、前記
    加速パルス間、及び前記加速パルスと前記減速パルスの
    間に前記焦点位置移動手段に対してパルスを印加しない
    一定速度制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求
    項3の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  7. 【請求項7】 前記フィードフォワード制御手段は、前
    記加速制御及び減速制御に用いる加速パルスと減速パル
    スの印加パターンを複数備え、ジャンプする距離に応じ
    て前記印加パターンを選択することを特徴とする請求項
    1乃至請求項3の何れか一項に記載のフォーカスジャン
    プ装置。
  8. 【請求項8】 前記フィードフォワード制御手段は、前
    記光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すプロ
    フィールを設定するプロフィール設定手段と、前記焦点
    位置移動手段の伝達特性の逆特性を有するフィードフォ
    ワード補償器とを備え、前記プロフィール設定手段は、
    前記焦点位置の移動の開始時点からの加速状態による前
    記焦点位置の変化と、当該移動の終了に至る減速状態に
    よる前記焦点位置の変化との間に、少なくとも一度一定
    速度状態での前記焦点位置の変化を含むプロフィールを
    設定し、前記フィードフォワード補償器は、当該プロフ
    ィールを補償するフィードフォワード信号を前記焦点位
    置移動手段に印加することを特徴とする請求項1乃至請
    求項7の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  9. 【請求項9】 前記フォーカスエラー信号を線形化変換
    する線形化変換手段と、前記所定の目標値として、前記
    光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すリファ
    レンス位置の設定を行うリファレンス位置設定手段とを
    更に備え、前記フィードバック制御手段は、前記線形化
    変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、
    その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対
    する駆動信号を制御することを特徴とする請求項1乃至
    請求項8の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装
    置。
  10. 【請求項10】 前記フォーカスエラー信号を線形化変
    換する線形化変換手段を更に備え、前記フィードバック
    制御手段は、前記プロフィール設定手段により設定され
    るプロフィールを、前記所定の目標値としてのリファレ
    ンス位置として用い、前記線形化変換手段の出力値と前
    記リファレンス位置とを比較し、その誤差を低減させる
    ように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御す
    ることを特徴とする請求項8に記載のフォーカスジャン
    プ装置。
  11. 【請求項11】 前記フォーカスエラー信号検出手段に
    よって検出される前記フォーカスエラー信号が、信号の
    値が増加方向に変化する領域と、減少方向に変化する領
    域との少なくとも何れの領域に属する信号であるかを判
    別する領域判別手段を更に備え、前記線形化変換手段
    は、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを備え、前
    記領域判別手段による判別結果に基づいて前記変換テー
    ブルを選択し、前記フォーカスエラー信号を線形化変換
    することを特徴とする請求項9または請求項10に記載
    のフォーカスジャンプ装置。
  12. 【請求項12】 フォーカスエラー信号の検出方式を判
    別する検出方式判別手段を更に備え、前記線形化変換手
    段は、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを前記検
    出方式毎に複数備え、前記検出方式判別手段による判別
    結果に応じて、前記検出方式に応じた前記領域毎に異な
    る複数の変換テーブルを選択し、選択した複数の変換テ
    ーブルの中から、前記領域判別手段による判別結果に基
    づいて変換テーブルを選択し、前記フォーカスエラー信
    号を線形化変換することを特徴とする請求項9または請
    求項10に記載のフォーカスジャンプ装置。
  13. 【請求項13】 前記領域判別手段は、前記フォーカス
    エラー信号検出手段によって検出される前記フォーカス
    エラー信号が、信号の値が正の値で増加方向に変化する
    領域または信号の値が負の値で減少方向に変化する領域
    と、減少または増加方向に変化する領域と、負の値で増
    加する方向に変化する領域または正の値で減少する方向
    に変化する領域との3領域の何れに属する信号であるか
    を判別することを特徴とする請求項11または請求項1
    2に記載のフォーカスジャンプ装置。
  14. 【請求項14】 前記領域判別手段は、前記フォーカス
    エラー信号の正または負のピーク値への到達タイミング
    を基準にして前記領域を判別することを特徴とする請求
    項11乃至請求項13の何れか一項に記載のフォーカス
    ジャンプ装置。
  15. 【請求項15】 前記領域判別手段は、前記光ビームの
    前記記録媒体からの戻り光の量に基づいて前記領域を判
    別することを特徴とする請求項11乃至請求項13の何
    れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  16. 【請求項16】 前記リファレンス位置は、前記焦点位
    置の移動の開始時点からの加速状態による前記焦点位置
    の変化と、前記焦点位置の移動の終了に至る減速状態に
    よる前記焦点位置の変化との間に、少なくとも一度一定
    速度状態での前記焦点位置の変化を含むことを特徴とす
    る請求項9乃至請求項15の何れか一項に記載のフォー
    カスジャンプ装置。
  17. 【請求項17】 前記フィードバック制御手段は、フォ
    ーカスエラー信号または前記光ビームの前記記録媒体か
    らの戻り光の量が所定のしきい値よりも小さい値で略一
    定に維持される期間を有する場合には、当該期間を除く
    他の期間においてフィードバック制御を行うことを特徴
    とする請求項1乃至請求項16の何れか一項に記載のフ
    ォーカスジャンプ装置。
  18. 【請求項18】 フォーカスジャンプの終了後に前記フ
    ォーカスエラー信号をゼロとするように前記焦点位置移
    動手段に対する駆動信号をフィードバックして前記光ビ
    ームの焦点の位置制御を行うフォーカスサーボ制御手段
    を更に備え、前記フィードバック制御手段と前記フォー
    カスサーボ制御手段は、それぞれの制御の特性に応じた
    位相補償器を備えていることを特徴とする請求項1乃至
    請求項17の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装
    置。
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