JP3561576B2 - 多層ディスク再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、情報が複数層に記録可能な多層光ディスクのフォーカスサーボを行う制御装置に関し、特に、ピックアップの対物レンズを移動させ、指定された再生層でフォーカスサーボを行うフォーカス制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光ディスクのフォーカス制御装置について、コンパクトディスクプレーャ(以下CDプレーヤと称する)を例にとり説明する。
【0003】
図24は、従来のCDプレーヤのフォーカス制御装置の主要部分の構成を示したブロック図である。
【0004】
かかるフォーカス制御装置にてフォーカスサーボをかける際には、まず、サーボループ制御部107にて切替手段110が制御され、鋸歯状波発生回路105の出力が駆動回路111に入力される。駆動回路111は入力される鋸歯状波に応じた出力をピックアップ112の図示しない可動部に設けられたフォーカスコイルに出力し、フォーカスコイルと一体に形成された対物レンズをディスク方向へ移動させる。
【0005】
ピックアップ112に設けられた光源は、対物レンズを介してディスク113上に光スポットを形成する。光スポットの反射光はA〜Dに分割された受光素子101にて電気信号に変換される。受光素子101の分割された各出力は、加算器102、103、104にて加算され、フォーカスサム信号SUMを生成する。他方、加算器102、103、減算器108にてフォーカスエラー信号FEが生成される。
フォーカスエラー信号FEは、図25に示すように、ピックアップ112が有する対物レンズとディスク113との相対距離が基準値のときに0レベルの出力となり、基準距離からの変位に応じ出力レベルが連続的に変化するS字状の特性を持つ。
【0006】
生成されたフォーカスサム信号SUMは、基準値TH0と比較され、所定レベル以上のフォーカスサム信号が得られた時にFOK信号をサーボループ制御部107に出力する。他方、フォーカスエラー信号FEも基準値(0レベル)と比較され、比較結果出力がFZ信号としてサーボループ制御部107に入力される。サーボループ制御部107は、入力されるFZ信号よりフォーカスエラー信号の0クロス点を認識し、フォーカスサム信号が所定レベル以上且つフォーカスエラー信号が0クロスする時に、切替手段110をフォーカスエラー信号が駆動回路111へ入力するように制御し、ピックアップ112、受光素子101、駆動回路111のループからなるフォーカスサーボループが形成される。
【0007】
フォーカスサーボループが形成されると、フォーカスエラー信号はイコライザアンプ114にて位相補償が施され、切替手段110を介して駆動回路111に入力される。駆動回路111は、入力されるフォーカスエラー信号に基づき、ピックアップとディスクとの相対距離を常に基準値に維持するように、ピックアップ112が有する対物レンズを駆動する駆動出力を、ピックアップ112のフォーカスコイルに出力する。
【0008】
以上のように、従来のCDプレーヤにおいては、ピックアップが有する対物レンズをフォーカスコイルによって駆動させてピックアップとディスク間の距離を常に一定に保つように制御していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
他方、光ディスクの記録情報の増大に伴い、例えば、図26のように、ディスクを第1、第2の反射層を有する多層構造とし、記録データの高密度化を図ることが提案されている。かかる2層光ディスクでは第1層目の反射層を誘電体の半透明膜として構成される。
【0010】
このような多層構造の光ディスクの再生においては、再生層の変更に伴い、記録情報を読取るべき再生層に確実にフォーカスサーボをかける必要がある。
図26を例にとると、第1層を再生中に第2層の再生に切替えるために、ピックアップの対物レンズを層間移動させ、第2層にフォーカスサーボをかけるといった従来のコンパクトディスクのフォーカスの制御にない新たなフォーカスの制御が必要となってくる。
【0011】
更に、前述の多層構造の光ディスクにおいては、再生層の変更に伴いピックアップを移動する際に、層間のばらつきに対応する必要が出てくる。
図26を例にとると、第1層と第2層の層間の厚さが標準値からばらつくことは避けられないので、この層間のばらつきを考慮に入れてピックアップの対物レンズを移動させないと、常に入射光を再生層に収束させるフォーカスサーボがかからない、といった問題が生じ、最悪の場合、ピックアップの対物レンズが光ディスクに接触して双方が損傷するといった問題が生じる。
【0012】
また、同じく図26に示すように、第1層を再生中に第2層の再生に切替える場合と、第2層を再生中に第1層の再生に切替える場合とでは、対物レンズに加わる重力加速度Gの方向と対物レンズの移動方向が、同方向又は逆方向になる場合があり、例え層間距離が同じでも、対物レンズを適切に移動させる駆動力は、この重力加速度を考慮して設定する必要がある。
さらに、図27に示すように、A、B両面に再生層を有し、それぞれの再生層がAとA、BとBからなる多層構追の光ディスクを再生する場合、ディスクを反転せずにピックアップを反転して各再生層を読取る場合が考えられるが、この時、ピックアップの対物レンズに作用する重力加速度Gは、ピックアップの反転に伴い、相対的に逆方向から作用することになるので、このような場合は、ピックアップの反転動作に応じた対物レンズ駆動力の設定が必要となる。
【0013】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、情報が複数層に記録可能な多層光ディスクを再生する際に、再生すべき層に確実に入射光を収束させることのできるフォーカス制御装置を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、多層光ディスクの層間の厚さが異なる場合であっても、確実に再生すべき層に入射光を収束させることのできるフォーカス制御装置を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、対物レンズに生じる重力加速度の影響を打ち消して、確実に再生すべき層に入射光を収束させることのできるフォーカス制御装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複数の再生層に情報が記録された多層ディスクを再生する多層ディスク再生装置であって、光源と、対物レンズと、受光素子と、対物レンズを光軸方向に移動させるための駆動手段とを含み、多層ディスクに記録されている情報の読取りを行うピックアップと、対物レンズを所定の方向に加速させて移動させるための加速信号と、加速信号にて移動する対物レンズの移動速度を減速させる減速信号とを発生する加速/減速信号発生手段と、装填された多層ディスクからの反射光を受光する受光素子の出力に基づきフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号発生手段と、
加速/減速信号、およびフォーカスエラー信号を所定の条件で選択する信号選択手段と、信号選択手段により選択された信号に基づき、駆動手段を駆動する駆動力を生成する駆動回路と、信号選択手段からの選択信号発生のタイミングと、フォーカスエラー信号が所定の基準レベルに達するタイミングとを用いて計測される時間に基づき、減速信号の出力レベルを算出する算出手段とを備え、加速/減速信号発生手段は、算出手段で算出した出力レベルに基づき、減速信号を発生することを特徴とする。
【0018】
【作用】
本発明は以上のように構成したので、請求項1記載の発明によれば、多層光ディスクの再生層を再生中に、他の目標とする再生層にフォーカスサーボを切替えて再生する場合に、フォーカスサーボループを一旦開にして、ピックアップを目標の再生層の方向に加速駆動させる加速信号を加えて移動させ、しかる後、再生中の再生層と目標とする再生層との層間の厚さに応じて設定された減速信号を加えて減速させ、目標の再生層上でフォーカスサーボループを閉じるようにしたため、ピックアップの入射光を確実に目標とする再生層に収束させてフォーカス制御することができる。
【0020】
【実施例】
次に、本発明の実施例を図1乃至図11に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の第1実施例におけるフォーカス制御装置の概略ブロック図である。同図において、フォーカス制御装置は、加速/減速信号発生手段1と、フォーカスエラー信号発生手段2と、信号選択手段3と、駆動回路4と、ピックアップ5と、フォーカスエラー信号を基準レベルと比較する比較手段6と、制御部7とから構成され、ピックアップ5は、光源5a、光学部5b、受光素子5c、駆動部5dを備えている。また、駆動部5dには図示しない対物レンズ及びフォーカスコイルが一体に形成されて、多層ディスク面に垂直な方向(フォーカス方向)に変位可能に構成される。
【0021】
加速/減速信号発生手段1は、制御部7によって制御され、ピックアップ5に設けられた対物レンズを移動させるための加速信号と、加速信号により移動しているピックアップ5の移動速度を減速させる減速信号とを発生する。
フォーカスエラー信号発生手段2は、多層光ディスク8からの反射光を光学部5bを介して受光する受光素子5cの出力に基づき、多層光ディスク8と、ピックアップ5が有する対物レンズとの相対距離に基づく信号を生成する。
信号選択手段3は、制御部7によって制御され、加速/減速信号、フォーカスエラー信号を必要に応じて選択する。
【0022】
駆動回路4は、信号選択手段3により選択された信号に基づき、ピックアップ5の駆動部5dをフォーカス方向に駆動する駆動出力を生成する。
ピックアップ5は、光源5aから発する光(例えばレーザ光)を、光学部5bにより光学処理した後、駆動部5dが有する対物レンズを介して多層ディスクの再生層上に照射すると共に、駆動回路4から供給される駆動出力に基づいてフォーカスコイル及び対物レンズを一体にフォーカス方向に移動させて再生層上に光スポットを形成し、得られる反射光を再び対物レンズ、光学部5b、を介して受光素子5cによって受光し、多層光ディスク8に記録されている情報の読取りを行う。
【0023】
比較手段6は、フォーカスエラー信号発生手段2より出力されるフォーカスエラー信号と基準レベルとを比較し、比較結果を制御部7へ出力する。
制御部7は、多層光ディスクの再生情報または使用者からの入力により得られる図示しない再生層切替え指令に基づく、各部の制御を行う。具体的には、比較手段6による比較結果に基づき、減速信号の出力タイミングと出力レベル並びに出力時間を制御し、更に、加速信号の出力タイミング並びに出力時間、フォーカスエラー信号または加速/減速信号の選択処理のタイミング制御を行う。
【0024】
次に、2層光ディスクの一方の層から他方の層へ再生層を切替える場合の制御部7の処理を、図26の2層からなる多層光ディスクを例にとり、説明する。
先ず、2層光ディスクにおいて、第1層から第2層へ再生層を切替える場合について説明する。
図2は第1層再生時に、指令により、第2層へ再生層を切替える場合の各部の波形を示している。
第1層から第2層へ再生層を切替える場合には、制御部7は、先ず、信号選択手段3に対して、加速/減速信号発生手段1の出力を駆動回路4に接続するように選択信号(図2(d))を制御する。
この切替え制御により、第1層とピックアップ5の対物レンズとの相対距離に基づき生成されるフォーカスエラー信号は、駆動回路4に供給されなくなり、フォーカスサーボループが開とされる。
【0025】
制御部7は、選択信号の制御と同時に、加速/減速信号発生手段1を制御する。加速/減速信号発生手段1は制御部7の制御を受け、図2(b)に示すように所定のレベルJAPの加速信号9を所定期間T0の間、出力する。
出力された加速信号9は、信号選択手段3を介し駆動回路4に供給され、ピックアップ5の対物レンズは、多層光ディスク8に近接する方向に移動する。
【0026】
さらに比較手段6は、図2(a)に示すように、ピックアップ5の対物レンズの移動時に生じるフォーカスエラー信号を基準レベルTH1と比較し、比較結果(図2(c))を制御部7へ出力する。
【0027】
制御部7は、比較結果より、第2層とピックアップ5の対物レンズとの相対距離に基づくフォーカスエラー信号が発生し始めたことを検出し、図2(b)に示す減速信号10を出力するように、加速/減速信号発生手段1を制御する。
【0028】
フォーカスエラー信号は図4に示すように、第1層とピックアップ5の対物レンズとの相対距離に基づくフォーカスエラー信号と、第2層とピックアップ5の対物レンズとの相対距離に基づくフォーカスエラー信号との間に不定領域を生じる。
【0029】
また、各々の層においては、フォーカスエラー信号はピックアップ5の対物レンズとの相対距離が基準値にあるときに0レベルの出力となり、基準距離からの変位に応じ出力レベルが連続的に変化するS字状の特性を持つと共に、隣接する層の層間においては、各層のフォーカスエラー信号の極性は逆極性となっている。
【0030】
したがって、本実施例では、第2層のフォーカスエラー信号が発生し始めたことを検出するために、ピックアップの対物レンズの移動に伴って現れる第1層のフォーカスエラー信号に対して逆極性かつ0レベル以外の所定値を比較手段6の比較基準レベルTH1として設定している。
【0031】
加速/減速信号発生手段1は、比較手段6の比較結果を受けた制御部7の制御にて加速信号と逆極性の減速信号10を出力する。出力された減速信号は信号選択手段3を介して、駆動凹路4に供給され、ピックアップ5の対物レンズの移動速度が遅くなる。
かかる減速信号の出力により、ピックアップ5の対物レンズが、第2層の合焦点を通り過ぎフォーカスサーボがかからない、または、多層光ディスク8に近付きすぎて、ピックアップ5の対物レンズが接触するという不都合が解消できる。
【0032】
また、加速/減速信号発生手段1により出力される減速信号は、層間の厚さに対応して設定されることが望ましい。本実施例では、第1層から第2層へ切替える場合には、装填されたディスクの層間の厚さの大小を示すパラメータとして、図2(c)に示すように、選択信号の発生から比較手段による第2層についてのフォーカスエラー信号が得られるまでの時間T1を計測し、T1に応じ、減速信号の出力レベルJRを設定する。
かかる減速信号の出力レベルの設定により、層間の幅がディスクの規格値より著しく大きい(小さい)ディスクが装填された場合であっても、確実に第2層にフォーカスサーボをかけることができる。
【0033】
減速信号により減速したピックアップ5の対物レンズは、緩やかに多層光ディスク8に近付く。またピックアップ5の対物レンズの移動に伴い、第2層のフォーカスエラー信号のレベルは、図2(a)に示すように順次増大し、極値を経て減少に転じる。
減少に転じた第2層のフォーカスエラー信号は、再度、比較手段6の比較基準レベルTH1に達する。制御部7は、第2層のフォーカスエラー信号のレベルが基準レベル以下になったことを比較手段6の出力より判定し、図2(d)に示すように信号選択手段3を切替えて、フォーカスエラー信号発生手段2の出力を駆動回路4へと入力するように選択信号を制御する。
【0034】
この切替え制御により、第2層とピックアップ5の対物レンズとの相対距離に基づき生成されるフォーカスエラー信号が、駆動回路4に供給されることとなり、フォーカスサーボループが閉とされる。
【0035】
第2層のフォーカスエラー信号は、信号選択手段3を介して駆動回路4に入力され、駆動回路4は、第2層のフォーカスエラー信号を常に0レベルに保つように、ピックアップ5の対物レンズと一体に形成されるフォーカスコイルに、駆動出力を出力する。
以後、ピックアップ5の対物レンズと、多層光ディスク8との相対距離は、フォーカスエラー信号発生手段2、駆動回路4、ピックアップ5からなるフォーカスサーボループにより制御される。
また、図2(d)において、SWLをオープン(Hレベル)からクローズ(Lレベル)に切替えるタイミングを、図2(a)のFEがTH1に達するタイミングで設定したが、SWLを、図2(b)の減速信号10が所定期間Eを経て終了した時点で、オープン(Hレベル)からクローズ(Lレベル)に切替えるように設定しても良い。
【0036】
次に、2層光ディスクにおいて、第2層から第1層へ再生層を切替える場合について説明する。
図3は第2層再生時に、指令により、第1層へ再生層を切替える場合の各部の波形を示している。
第2層から第1層へ再生層を切替える場合には、第1層から第2層へ再生層を切替える場合と同様に、制御部7は、加速/減速信号発生手段1の出力を駆動回路4に接続するように選択信号(図3(d))を制御する。この切替え制御により、第2層とピックアップ5の対物レンズとの相対距離に基づき生成されるフォーカスエラー信号は駆動回路4に供給されなくなり、フォーカスサーボループが開とされる。
【0037】
この処理と同時に、加速/減速信号発生手段1が制御される。
加速/減速信号発生手段1は、制御部7の制御を受け、図3(b)に示すように、第1層から第2層へ再生層を切替える場合に出力する加速信号と逆極性の加速信号33を所定期間T0の間出力する。加速信号33は、信号選択手段3を介し駆動回路4に供給され、ピックアップ5の対物レンズは、多層光ディスク8から遠ざかる方向に向かって移動する。
【0038】
比較手段6はフォーカスエラー信号と基準レベルTH2とを比較し、図3(c)に示す比較結果を制御部7へ出力する。制御部7は、比較結果を受け、ピックアップ5の対物レンズの移動により、第1層とピックアップ5の対物レンズとの相対距離に基づくフォーカスエラー信号がフォーカスエラー信号発生手段2により発生し始めたことを検出する。
【0039】
比較手段6の比較基準レベルTH2は、第1層から第2層へ再生層を切替える場合と同様に、層間にて現れる第2層のフォーカスエラー信号に対して逆極性かつ0レベル以外の所定値に設定されている。
【0040】
制御部7は、第1層とピックアップ5の対物レンズとの相対距離に基づくフォーカスエラー信号の検出に伴い、図3(b)に示す減速信号34を出力するように、加速/減速信号発生手段1を制御する。
加速/減速信号発生手段1より出力される減速信号34は、第1層から第2層へ再生層を切替える場合と同じく、減速信号レベルが層間の厚さに対応して設定される。層間の厚さの大小を示すパラメータとしては、選択信号の発生から比較手段による第1層についてのフォーカスエラー信号が得られるまでの時間T2をとる。また、加速/減速信号発生手段1より出力される減速信号34は、加速信号に対して、逆極性である。
【0041】
減速信号34により減速したピックアップ5の対物レンズは、緩やかに多層光ディスク8より遠ざかる。ピックアップ5の対物レンズの移動に伴い、第1層のフォーカスエラー信号のレベルは、図3(a)に示すように随時減少し、極値を越えた後に増加に転じる。
増加に転じた第1層のフォーカスエラー信号は、再度、比較手段6の比較基準レベルTH2に達する。制御部7は、第2層のフォーカスエラー信号のレベルが基準レベル以上になったことを比較手段6の出力より判定し、図3(d)に示すように選択信号を制御し、信号選択手段3がフォーカスエラー信号発生手段2の出力を駆動回路4へと入力するように制御する。
【0042】
この切替え制御により、第1層とピックアップ5の対物レンズとの相対距離に基づき生成されるフォーカスエラー信号が、駆動回路4に供給されることとなり、フォーカスサーボループが閉とされる。
【0043】
第1層のフォーカスエラー信号は、信号選択手段3を介して駆動回路4に入力され、駆動回路4は、第1層のフォーカスエラー信号を常に0レベルに保つように駆動部5dのフォーカスコイルに駆動出力を出力する。
以後、ピックアップ5の対物レンズと、多層光ディスク8との相対距離は、フォーカスエラー信号発生手段2、駆動回路4、ピックアップ5からなるフォーカスサーボループにより制御される。
また、クローズするタイミングは、第1層から第2層へ再生層を切替える場合と同様に減速信号34が終了した時点としても良い。
【0044】
次に、図1の各部の構成について説明する。
先ず、図1における加速/減速信号発生手段1の構成を図5に示す。
図5において、加速/減速信号発生手段1は、加速電圧発生回路23と、電流源11と、スイッチ12、13、18、19と、コンデンサ14と、バッファアンプ15と、反転アンプ16、21と、オフセット電圧発生回路17と、抵抗20と、選択スイッチ22とから構成される。
【0045】
制御部7は、各スイッチ12、13、18、19及び選択スイッチ22を制御することで、加速並びに減速信号を加速/減速信号発生手段1より出力する。
ここで、第1層の再生から第2層の再生に切替える場合につき各部の動作を説明する。
先ず、制御部7は、所定期間スイッチ12を開とし、スイッチ13を閉とすることで、コンデンサ14に保持されている電荷を放電させる。
続いて、制御部7は、スイッチ12、18を閉とし、スイッチ13、19を開とし、選択スイッチ22は反転アンプ21の入力信号を選択するように設定する。この結果、加速電圧発生回路23の出力電圧JAPがスイッチ18、選択スイッチ22を介して出力される。
制御部7は、T0の期間スイッチ18を閉とすることで、図2(b)に示す加速信号9が得られる。
【0046】
加速信号9によりピックアップ5の対物レンズが多層光ディスクの方向に移動している際には、電流源11の電流がコンデンサ14に入力され、コンデンサの両端間の電位が順次増加する。
よって、バッファアンプ15を介して出力される信号は、時間の経過と共に増加する信号となる。
バッファアンプ15の出力は、反転アンプ16にて反転された後にオフセット電圧発生回路17により出力されるオフセット電圧と加算される。
したがって、加算出力は、オフセット電圧を最大値とし、時間の経過と共に順次減少する信号となる。
【0047】
ピックアップ5の対物レンズの移動に伴い、比較手段6にて第2層のフォーカスエラー信号が検出されると、制御部7は、スイッチ12を開とし、スイッチ19を閉とし、選択スイッチ22を反転アンプ21の出力を選択するように制御する。
かかる制御により、図2(b)に示すように、第2層のフォーカスエラー信号が検出されるまでの時間T1に応じたレベルの信号JRが選択スイッチ22を介して出力される。
制御部7が図2(b)に示すEの期間、スイッチ19を閉とすることで、図2(b)に示す減速信号10が生成される。
【0048】
また、第2層の再生から第1層の再生に切替える際には、選択スイッチ22の選択を、第1層の再生から第2層の再生に切替える場合と逆にするように制御することで、図3(b)の加速信号33、減速信号34を得ることができる。
【0049】
次に、図6にフォーカスエラー信号発生手段2の具体的な構成を示す。
フォーカスエラー信号発生手段2は、4分割された受光素子25と、非点収差発生手段26と、差動アンプ27より構成される。
多層光ディスク8からの反射光は、非点収差発生手段26を経て、AからDの領域に4分割された受光素子25に入力される。対角に位置する受光素子の出力は加算され(Va+Vd、Vb+Vc)、加算された出力の差分が差動アンプ27にて生成され、図4に示すようなフォーカスエラー信号が生成される。
【0050】
次に、図7に比較手段6の具体的な構成を示す。
図7において、比較手段6は、比較器30、31より構成され、フォーカスエラー信号を比較基準レベルと比較する。比較器30は基準レベルの値をTH1に、比較器31は基準レベルの値をTH2に設定されている。
【0051】
制御部7は、第1層の再生から第2層の再生に切替える際には、比較器30の比較結果に基づき、減速信号の制御とフォーカスエラー信号発生手段2の出力を駆動回路4へ供給するための信号選択手段3の制御を行う。
また、第2層の再生から第1層の再生に切替える際には、比較器31の比較結果に基づき、減速信号の制御とフォーカスエラー信号発生手段2の出力を駆動回路4へ供給するための信号選択手段3の制御を行う。
【0052】
次に、本発明の第2実施例を図8乃至図9に基づいて以下に説明する。
図8は本発明の第2実施例におけるフォーカス制御装置の概略ブロック図である。同図において、フォーカス制御装置は、フォーカスエラー信号発生手段2と、フォーカスエラー信号発生手段2より出力されるフォーカスエラー信号をサンプリングするサンプリング回路35と、ピックアップ5の対物レンズを駆動する駆動出力を生成する駆動手段37と、ピックアップ5と、マイクロプロセッサ等により構成され、入力されるフォーカスエラー信号に基づき駆動値を決定する制御部36より構成される。なお駆動手段37には、制御部36より出力される駆動値のD/A変換を行うD/A変換器が備えられている。
【0053】
かかる構成のフォーカス制御装置における制御部36の動作を、同じく、図26の2層光ディスクを例にとり、図9によって説明する。
図9は制御部36の処理を示す動作フローチャートである。
【0054】
制御部36は、所定のタイミングで、再生すべき層を切替える旨の指令の有無を検出する(ステップS1)。切替え指令があるときには、指令の内容を判定する(ステップS3)。即ち、切替え指令が第1層から第2層への切替えを示すものであるか、第2層から第1層への切替えを示すものであるかを判定する。
【0055】
第1層から第2層への切替え指令であれば、初期設定として、制御部36に備えているカウンタの計数を0とする(ステップS4)。
カウンタの初期設定の完了後、駆動値JをJAPと設定し、駆動手段37に駆動値JAPを出力する(ステップS5)。駆動値の出力後、カウンタの計数値に1を加える(ステップS6)。ここで、JAPは図2(b)のJAPに対するデジタル値であり、予め設定されている駆動値である。
【0056】
カウンタのインクリメントの完了後、カウンタの計数値Cが予め設定されている値C1に達しているかが判定され(ステップS7)、設定値に達していない場合には、ステップS5に戻り、かかる処理をカウンタの計数値が設定値C1に達するまで繰り返す。ここで、設定値C1は、図2(b)のT0に対応するように予め設定されている。また、カウンタの計数値Cが設定値C1に達した場合には、駆動値Jが0に変更される(ステップS8)。
以上の処理により、信号レベルJAPの加速信号が所定期間T0に亘り出力されることになる。
【0057】
さらに、加速信号の出力後、計数値に1が加えられ(ステップS9)、フォーカスエラー信号のサンプリング値Dnが予め設定されている値Dth以上であるかが判定される(ステップS10)。ここで、Dthは、図2(a)の比較基準レベルTH1に対応する値である。
サンプリング値Dnが設定値Dth未満である場合は、ステップS9に戻り、カウンタの計数値Cをインクリメントし、次回のサンプリング結果Dnを同様に比較する。
【0058】
また、サンプリング値Dnが設定値Dth以上である場合は、カウンタの計数値Cに基づき−K/Cを演算し(ステップS11)、演算結果に相当する駆動値JRを駆動手段37に出力する(ステップS12)。ここで、定数Kは、図5のオフセット電圧に対応する値であり、ステップS9〜ステップS12の処理により、ディスクの層間の厚さの大小に対応した信号レベルが設定される。
【0059】
駆動値JRの出力後、カウンタの計数値Cが再度0にリセットされる(ステップS13)。次に、カウンタの計数値に1を加え(ステップS14)、カウンタの計数値Cが設定値C2に達しているかが判定される(ステップS15)。設定値C2に達していない場合には、ステップS14に戻りかかる処理を、カウンタの計数値Cが設定値C2に達するまで繰り返す。
ここで、設定値C2は、図2(b)のEに対応するように予め設定されている。カウンタの計数値Cが設定値C2に達した場合には、駆動値JRが0に変更される(ステッブS16)。
以上の処理により、信号レベル−K/Cの減速信号が所定期間Eに亘り出力されることになる。
【0060】
次に、減速信号の出力後、フォーカスエラー信号のサンプリング値Dnが予め設定されている設定値Dth未満であるかが判定される(ステップS17)。
サンプリング値DnがDth以上である場合は、ステップS17に戻り、次回のサンプリング結果を同様に比較する。
サンプリング値DnがDth未満である場合は、イコライザ計算を行い、計算値に相当する駆動値Jeを駆動手段37に供給する(ステップS2)。
即ち、フォーカスエラー信号発生手段2、制御部36、駆動手段37、ピックアップ5からなるフォーカスサーボループが形成されることになる。以後、ステップS1にて切替え指令を検出するまでの間は、ステップS1におけるNoの処理にしたがって動作し、フォーカスサーボループにより決定される駆動値Jeによりフォーカス制御が成される。
【0061】
なお、第2層から第1層への切替え指令(ステップS3におけるNo)に基づく処理(ステップS18)については、JAP、JR、Dthの極性が逆であり、且つ、Dthとサンプリング値Dnとの比較の際の不等号の向きが逆であることを除き、第1層から第2層への切替え指令の場合と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0062】
なお上記実施例においては、2層光ディスクについて説明したが、これに限らず、図1の比較手段6の比較結果の立上がり(立ち下がり)の回数をカウントすることで、3層以上の光ディスクのフォーカス制御装置としても使用できる。
また、上記した実施例においては、減速信号出力の信号レベルを可変としているが、これに限らず、減速信号出力の出力時間を層間の厚さに対応して可変としても良い。
【0063】
また、上記実施例においては、層間の厚さに対応するパラメータとして、切替え指令発生から、再生すべき層のフォーカスエラー信号が発生するまでの時間T1(T2)をとっているが、これに限らず、図10並びに図11に示すように、不定領域T1b(T2b)の通過時間、又は、比較器31の出力の立ち下がりから比較器30の出力の立上がりまでの経過時間T1a、比較器30の出力の立上がりから比較器31の出力の立ち下がりまでの経過時間T2aをパラメータとしても良い。
【0064】
更に、層間の規格値が30〜40μm程度の非常に薄い多層光ディスクであれば、図10、図11にあるように、現在再生中の層のフォーカスエラー信号凹部の経過時間T1c、凸部の経過時間T2cを、層間の幅に対応したパラメータとして用いることもできる。
更に、フォーカスサーボループを閉じる際に、従来にあるようなフォーカスサム信号の出力をサーボ・クローズ判定基準に加味することもできる。
【0065】
次に本発明の第3実施例を図12乃至図14によって、図1乃至図3との比較に基づいて以下に説明する。図12は本発明の第3実施例におけるフォーカス制御装置の概略ブロック図であり、図中、先に述べた図1と同等の構成部分については同一の符号を付してあり、ここではそれらの説明は省略する。
図12において、フォーカス制御装置は、反重力方向加速/減速信号発生手段42と、重力方向加速/減速信号発生手段43と、フォーカスエラー信号発生手段2と、信号選択手段44と、駆動回路4と、ピックアップ5と、フォーカスエラー信号を基準レベルと比較する比較手段6と、制御部38とから構成される。
【0066】
なお、ピックアップ5は、図12に示すように、多層ディスクの下方に配置され、多層ディスクの第1層及び第2層を、ディスク下方から読取るものとする。
したがって、ピックアップ5が、第1層目を読取り中に第2層目に移動する場合は、対物レンズは反重力方向に移動することになり、第2層目を読取り中に第1層目に移動する場合は、対物レンズは重力方向に移動することになる。
【0067】
反重力方向加速/減速信号発生手段42及び、重力方向加速/減速信号発生手段43は、制御部38によってそれぞれ制御され、ピックアップ5に設けられた対物レンズを移動させるための加速信号と、加速信号により移動しているピックアップ5の移動速度を減速させる減速信号とを発生する。
【0068】
信号選択手段44は、制御部38によって制御され、反重力方向加速/減速信号発生手段42が生成する加速/減速信号又は、重力方向加速/減速信号発生手段43が生成する加速/減速信号又は、フォーカスエラー信号発生手段2が生成するフォーカスエラー信号を必要に応じて選択する。
駆動回路4は、信号選択手段44により選択された信号に基づき、ピックアップ5の駆動部5dをフォーカス方向に駆動する駆動出力を生成する。
【0069】
制御部38は、多層光ディスクの再生情報または使用者からの入力により得られる図示しない再生層切替え指令に基づく、各部の制御を行う。見体的には、比較手段6による比較結果に基づき、減速信号の出力タイミングと出力レベル並びに出力時間を制御し、更に、加速信号の出力タイミング並びに出力時間、フォーカスエラー信号又は反重力方向の加速/減速信号又は重力方向の加速/減速信号の選択処理のタイミング制御を行う。
【0070】
より詳細には、図12において、ピックアップ5が第1の再生層を読取り中に第2の再生層に移動する際は、信号選択手段44を反重力方向加速/減速信号発生手段42に切替え、第2の再生層を読取り中に第1の再生層に移動する際は、信号選択手段44を重力方向加速/減速信号発生手段43に切替えるように制御する。
【0071】
図13は、第1層再生時に、指令により、第2層へ再生層を切替える場合の各部の波形を、図2に示した各部の波形に対応して示したものである。図13からわかるように、対物レンズの移動の際、駆動部5dに加速方向と逆方向に重力が加わるため、加速信号のレベルJAPaは、その分、図2の加速信号9のレベルJAPよりも高く設定される。また、対物レンズの移動の際、駆動部5dの減速方向と同方向に重力が加わるため、減速信号のレベルJRaは、その分、図2の減速信号10のレベルJRよりも低く設定される。
【0072】
また、図14は、第2層再生時に、指令により、第1層へ再生層を切替える場合の各部の波形を、図3に示した各部の波形に対応して示したものである。この場合は、駆動部5dに加わる重力の方向は、対物レンズの加速方向と同方向となり、減速方向と逆方向となるので、加速信号49のレベルは、図3の加速信号33のレベルよりもその分低く設定され、減速信号50のレベルは、図3の減速信号34のレベルよりもその分高く設定される。
【0073】
その結果、ピックアップ5の駆動部5dが、第1層目から第2層目、又は第2層目から第1層目にジャンプする際に、駆動部に加わる重力加速度の影響を打ち消すことができ、ピックアップ5が、目標再生層の合焦点を通り過ぎたり、合焦点に到達できずにフォーカスサーボがかからない、または、多層ディスクに近付き過ぎて、ピックアップ5が接触するといった不都合が解消できる。
【0074】
以上のように、第3実施例では、対物レンズの層間移動時に、制御部38が、駆動部5dに加わる重力の方向及び対物レンズの移動方向に応じて、反重力方向加速/減速信号発生手段42又は重力方向加速/減速信号発生手段43を適宜選択するようにしたが、図15即ち第4実施例に示すように、重力キャンセル信号発生手段46を設けて、制御部40が、制御部7の動作に加えて、駆動部5dに加わる重力の方向に応じて、重力キャンセル信号発生手段46に対し適宜駆動部5dに加わる重力をキャンセルする信号を発生させるように制御し、対物レンズの移動の際に、重力方向に対抗する方向に適宜加算するように構成しても良い。
【0075】
図18は、図15即ち第4実施例にて、第1層再生時に、指令により、第2層へ再生層を切替える場合の各部の波形を、図2に示した各部の波形に対応して示したものであり、図19は、第2層再生時に、指令により、第1層へ再生層を切替える場合の各部の波形を、図3に示した各部の波形に対応して示したものである。
【0076】
図18、19中のOFaは、重力キャンセル信号発生手段46の出力部分であり、ピックアップに作用する重力の方向と逆方向に作用するように極性が定められており、第3実施例のJAPa−JAP、並びにJR−JRaと同様の作用をなすために設けられている。図18では重力キャンセル信号は、広義の加速信号の一部であり、図19では重力キャンセル信号は、広義の減速信号の一部である。
【0077】
なお、上記第3、第4実施例においては、ピックアップ5を多層光ディスクの下方に固定配置するようにした例について説明したが、先に述べた第1実施例のように、多層光ディスクの上方にピックアップ5を固定配置するようにしても良く、この場合、駆動部5dを駆動する上述した各加速信号、減速信号、重力をキャンセルする信号は、駆動部5dに加わる重力方向が逆であるとして、そのレベルが設定される。
【0078】
図20、21は、それぞれ第3実施例におけるピックアップ5の配置を、多層光ディスクの上方に置き換えて固定配置して装置を構成した第5実施例において、ピックアップが再生層を移動する場合の動作波形を示したものであり、図20は、図13に対応し、又、図21は、図14に対応して示したものである。
また、図22、23は、それぞれ第4実施例におけるピックアップ5の配置を、多層光ディスクの上方に置き換えて固定配置して装置を構成した第6実施例において、ピックアップが再生層を移動する場合の動作波形を示したものであり、図22は、図18に対応し、又、図23は、図19に対応して示したものである。
【0079】
また、再生中にピックアップ5の対物レンズに加わる重力方向が変化する場合がある。例えば、ピックアップ5を含む再生装置が、重力方向に対して任意の角度に配置可能なポータブルタイプであったり、図27のように各記録面に複数の再生層を有する両面再生可能な多層ディスクを再生する場合に、ピックアップ5が、一方の記録面を読取った後、回転して、引き続き他の記録面を読取る場合がこれに相当する。
【0080】
このような場合は、例えば図16に示す様に、図12の構成に加えて重力検知手段45をさらに備えた装置楕成とし、駆動部5dの対物レンズに加えられる重力方向を検知するようにして、その結果を制御部38に出力し、制御部38が、出力結果に応じて、図13、14、20、21に示すように、反重力方向加速/減速信号発生手段42又は重力方向加速/減速信号発生手段43の各加速信号又は減速信号のレベルを制御し、信号選択手段44の切替えを制御するようにしても良いし、例えば図17に示す様に、図15の構成に加えて重力検知手段45をさらに備えた装置構成とし、駆動部5dの対物レンズに加えられる重力方向を検知するようにして、その結果を制御部40に出力し、制御部40が、出力結果に応じて、図18、19、22、23に示すように、重力キャンセル信号発生手段の出力を制御するようにしても良い。
【0081】
なお、重力検知手段45としては、例えば、再生装置の配置の角度を使用者に指定させ、この情報に基づき重力方向を判定する構成とすることができる。又、図27のように、ディスク両面に形成された各再生層を読取る場合であれば、ピックアップの反転動作により、ピックアップがディスクに対して上側にあるか下側にあるかは制御部にて認識可能であり、かかる情報をもって重力方向を判断することができる。
【0082】
なお、図12〜図23で説明した各実施例においては、記録面が片面又は両面で形成された2層光ディスクについて説明したが、これに限らず記録面が3層以上の光ディスクのフォーカス制御装置としても使用できる。
また、第3実施例では、駆動部5dの重力の影響を打ち消すために加速信号または減速信号のレベルを変化させたが、加速信号又は減速信号の出力時間、又は、出力レベルと出力時間を適宜調整することによっても同様の効果が得られる。
【0083】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したため、多層光ディスクの再生層を再生中に他の目標とする再生層にフォーカスサーボを切替えて再生する場合に、フォーカスサーボループを一旦開にして、ピックアップを目標の再生層の方向に加速駆動させる加速信号を加えて移動させ、しかる後、再生中の再生層と目標とする再生層との層間の厚さに応じて設定された減速信号を加えて減速させ、目標の再生層上でフォーカスサーボループを閉じるようにしたため、ピックアップの入射光を確実に目標とする再生層に収束させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるフォーカス制御装置の概略ブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例におけるフォーカス制御装置を用いた再生装置が、第1層再生時に、指令により、第2層へ再生層を切替える場合の各部の波形を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例におけるフォーカス制御装置を用いた再生装置が、第2層再生時に、指令により、第1層へ再生層を切替える場合の各部の波形を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例におけるフォーカス制御装置において多層光ディスクとピックアップの対物レンズとの相対距離に応じて発生するフォーカスエラー信号の不定領域を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例におけるフォーカス制御装置の加速/減速信号発生手段の構成を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例におけるフォーカス制御装置のフォーカスエラー信号発生手段の構成を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例におけるフォーカス制御装置の比較手段の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2実施例におけるフォーカス制御装置の概略ブロック図である。
【図9】本発明の第2実施例におけるフォーカス制御装置の制御部の処理を示す動作フローチャートである。
【図10】本発明におけるフォーカス制御装置が設定する多層光ディスクの層間の厚さに対応するパラメータの他の例を示す図である。
【図11】本発明におけるフォーカス制御装置が設定する多層光ディスクの層間の厚さに対応するパラメータの他の例を示す図である。
【図12】本発明の第3実施例におけるフォーカス制御装置の概略ブロック図である。
【図13】本発明の第3実施例におけるフォーカス制御装置を用いた再生装置が、第1層再生時に、指令により、第2層へ再生層を切り換える場合の各部の波形を示した図である。
【図14】本発明の第3実施例におけるフォーカス制御装置を用いた再生装置が、第2層再生時に、指令により、第1層へ再生層を切替える場合の各部の波形を示す図である。
【図15】本発明の第4実施例におけるフォーカス制御装置の概略ブロック図である。
【図16】本発明のその他の実施例におけるフォーカス制御装置の概略ブロック図である。
【図17】本発明のその他の実施例におけるフォーカス制御装置の概略ブロック図である。
【図18】本発明の第4実施例におけるフォーカス制御装置を用いた再生装置が、第1層再生時に、指令により、第2層へ再生層を切り換える場合の各部の波形を示した図である。
【図19】本発明の第4実施例におけるフォーカス制御装置を用いた再生装置が、第2層再生時に、指令により、第1層へ再生層を切り換える場合の各部の波形を示した図である。
【図20】本発明の第5実施例におけるフォーカス制御装置を用いた再生装置が、第1層再生時に、指令により、第2層へ再生層を切り換える場合の各部の波形を示した図である。
【図21】本発明の第5実施例におけるフォーカス制御装置を用いた再生装置が、第2層再生時に、指令により、第1層へ再生層を切り換える場合の各部の波形を示した図である。
【図22】本発明の第6実施例におけるフォーカス制御装置を用いた再生装置が、第1層再生時に、指令により、第2層へ再生層を切り換える場合の各部の波形を示した図である。
【図23】本発明の第6実施例におけるフォーカス制御装置を用いた再生装置が、第2層再生時に、指令により、第1層へ再生層を切り換える場合の各部の波形を示した図である。
【図24】従来のCDプレーヤのフォーカス制御装置の主要部分の構成を示したブロック図である。
【図25】従来のCDプレーヤのフォーカス制御装置によって得られるフォーカスエラー信号のS字特性である。
【図26】従来の2層光ディスクの構造を示す概略断面図である。
【図27】従来の再生層が両面2層構造である2層光ディスクの構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・加速/減速信号発生手段
2・・・・・フォーカスエラー信号発生手段
3・・・・・信号選択手段
4・・・・・駆動回路
5・・・・・ピックアップ
5a・・・・光源
5b・・・・光学部
5c・・・・受光素子
5d・・・・駆動部
6・・・・・比較手段
7・・・・・制御部
8・・・・・多層光ディスク
9・・・・・加速信号
10・・・・減速信号
11・・・・電流源
12・・・・スイッチ
13・・・・スイッチ
14・・・・コンデンサ
15・・・・バッファアンプ
16・・・・反転アンプ
17・・・・オフセット電圧発生回路
18・・・・スイッチ
19・・・・スイッチ
20・・・・抵抗
21・・・・反転アンプ
22・・・・選択スイッチ
23・・・・加速電圧発生回路
25・・・・受光素子
26・・・・非点収差発生手段
27・・・・差動アンプ
30・・・・比較器
31・・・・比較器
33・・・・加速信号
34・・・・減速信号
35・・・・サンプリング回路
36・・・・制御部
37・・・・駆動手段
38・・・・制御部
40・・・・制御部
42・・・・反重力方向加速/減速信号発生手段
43・・・・重力方向加速/減速信号発生手段
44・・・・信号選択手段
45・・・・重力検知手段
46・・・・重力キャンセル信号発生手段
47・・・・加速信号
48・・・・減速信号
49・・・・加速信号
50・・・・減速信号

Claims (4)

  1. 複数の再生層に情報が記録された多層ディスクを再生する多層ディスク再生装置であって、
    光源と、対物レンズと、受光素子と、前記対物レンズを光軸方向に移動させるための駆動手段とを含み、前記多層ディスクに記録されている情報の読取りを行うピックアップと、
    前記対物レンズを所定の方向に加速させて移動させるための加速信号と、前記加速信号にて移動する前記対物レンズの移動速度を減速させる減速信号とを発生する加速/減速信号発生手段と、
    装填された前記多層ディスクからの反射光を受光する前記受光素子の出力に基づきフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号発生手段と、
    前記加速/減速信号、および前記フォーカスエラー信号を所定の条件で選択する信号選択手段と、
    前記信号選択手段により選択された信号に基づき、前記駆動手段を駆動する駆動力を生成する駆動回路と、
    前記信号選択手段からの選択信号発生のタイミングと、前記フォーカスエラー信号が所定の基準レベルに達するタイミングとを用いて計測される時間に基づき、前記減速信号の出力レベルを算出する算出手段とを備え、
    前記加速/減速信号発生手段は、前記算出手段で算出した出力レベルに基づき、前記減速信号を発生することを特徴とする多層ディスク再生装置。
  2. 前記算出手段は、前記信号選択手段からの選択信号発生のタイミングと、前記フォーカスエラー信号が所定の基準レベルに達するタイミングとを用いて計測される時間に基づき、前記減速信号の出力レベル及び出力時間を算出し、
    前記加速/減速信号発生手段は、前記算出手段で算出した出力レベル及び出力時間に基づき、前記減速信号を発生することを特徴とする請求項1記載の多層ディスク再生装置。
  3. 前記算出手段における基準レベルは、0レベル以外の所定値に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の多層ディスク再生装置。
  4. 前記算出手段における基準レベルは、対物レンズの駆動方向によって極性が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層ディスク再生装置。
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